[大腸癌のこと]

[大腸ポリープの定期検診を受けていたが4年間放置したところ大腸癌で肝臓に転移していた]
[内視鏡でのポリープ切除手術を受けたが悪性のため再手術で腸を切除すると言われた]

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[大腸ポリープの定期検診を受けていたが4年間放置したところ大腸癌で肝臓に転移していた]

(相談)2000.7.24
初めまして。HPで大腸癌について調べていて、このコーナーを見つけました。早速ですが、母(64歳)について、ご相談いたしたく、メールをする次第です。今年の3月下旬、たまたま受けた検査で大腸癌が見つかり、4月中旬に手術を受けました。(自覚症状はなし)数年前から、ポリープが度々出来、その都度とっていましたが、4年前、2年続けて無かったため、医師から、「ここ2年は出来ていないから、次は3年後くらいの検査でよい」と言われ、その時痛がったため、「そんなに痛がっては検査出来ませんね!」と怒ったように言われ、途中で抜いてしまったそうです。(今回手術をしたのはその病院ではありません)それからここ2年ほど、検査をしていませんでした。

進行はかなり深く、肝臓にも2センチ弱の転移がありました。手術では見えるところは全部取ったと言われました。退院してからは、抗ガン剤を飲んでいましたが効かなかったらしく、7月上旬の検査で、肝臓に大小5個くらいの新たな転移がCT検査で判りました。再度入院して点滴による抗ガン剤治療を行うとの事でした。これがベストの方法なのか、素人の私にはわかりません。本人にはすべての事を告知済みです。「希望をもって治療する」と言う反面、「半年位の延命できつい思いをするならなら延命治療はしたくない」「葬儀はしないでほしい」等、話しています。

・先生でしたら、母の状態で、治療法・予後をどのように考えられますか?
・知り合いの方から、「丸山ワクチン」の話を聞き、興味があるようですが、この薬について、先生はどのような見解をお持ちですか?
・病院に漢方課があり、主治医もそちらの治療を併用してよいと言っているのですが、このような癌に対して効果は見込めるのでしょうか?

不躾な質問ですみません。アドバイス、よろしくお願いします。

(答え)2000.7.225
お答えします。大変ご心配のことと思います。

>・先生でしたら、母の状態で、治療法・予後をどのように考えられますか?

色々な考え方があって、こうしなければいけないとか、こうするのが一番良いというようなことは言えません。自分の命、自分の人生ですから、自分が納得した方法を選ぶのが一番良いと思います。ただ、癌も自分で治す病気です。心の持ち方や生活習慣の改善などで、医者に見放された癌を自分で治した人も沢山います。奇跡は奇跡的には起きないという言葉もあります。治すためのあらゆる努力をするのか、諦めるのか、本人の生き方の問題です。

>・知り合いの方から、「丸山ワクチン」の話を聞き、興味があるようですが、この薬について、先生はどのような見解をお持ちですか?

私の所でも、現在三人の人が丸山ワクチンの注射をしています。医学的な効果はわかりませんが、心の支えにはなっているようです。何もしないで、毎日を過ごすよりは、何か治療を受けているという実感があるのではないかと思います。医者の方から積極的におすすめできるようなものは、世界中どこへ行ってもありません。

>・病院に漢方課があり、主治医もそちらの治療を併用してよいと言っているのですが、このような癌に対して効果は見込めるのでしょうか?

漢方薬の効果は、直接癌に効くというものではなく、抗癌剤の副作用を和らげたり、身体の状況を良くして食欲を増進したりというような効果だと思います。

念のために、一つだけ追加しておきます。大腸癌の場合に限って、たとえ肝臓や肺に転移したとしても、その転移に対しても、可能であれば手術して切除することを考えます。最近は手術にかわる方法で転移した癌を焼いてしまうこともできます。大腸癌の場合には、そのような積極的な治療でたとえ転移しても、治すことができる可能性があるからです。担当医と良く相談してみてください。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)2000.7.26
早速のお返事ありがとうございます。母も私も希望を持って望みたいと思います。7月31日から点滴による抗ガン剤治療をうける事になりました。7月3日の時点で、今飲んでいる抗ガン剤の効果はなく、すでに新たな転移があることがわかったにも関わらず、もう1ヶ月近くも経ってしまいました。こんなに遅い対応でよいのでしょうか?1ヶ月位ではそうそう状態が変わらないものなのでしょうか?

(答え)2000.7.27
お答えします。月単位で考えても大丈夫だと思います。あわてなくても大丈夫です。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)2000.7.27
数野先生、お返事ありがとうございます。とても安心しました。また何かありましたら、アドバイスお願いします。毎日暑いので、お体に気を付けてお仕事がんばってください。

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[内視鏡でのポリープ切除手術を受けたが悪性のため再手術で腸を切除すると言われた]

(相談)2000.7.1
はじめまして、私は大阪在住の40歳主婦です。今回ご相談申し上げたいのは私の父(64歳)の事なのです。実は昨年、父の弟が大腸癌を患い手術をしました。手術後、腹膜炎を起こし、癒着などもあり、人口肛門も二箇所にあると言う事です。大腸癌の手術より、術後の方がたいへんだったようです。でも今のところ、体力も回復し、転移も見られず、家で療養生活をしているようです。そんな事もあり、心配になった父は町の集団検診で検便の検査をしたところ、再検査を、との結果がでて某病院を紹介され、そちらで診察を受けました。内視鏡検査の結果、2つのポリープが出来ていることがわかり、何日か後には内視鏡でのポリープ切除手術となりました。

※この時点で内視鏡での切除が難しければ、開腹手術になるような説明を主治医から受けたそうです。恥ずかしながら、私を含めて家族の者はこの時点ではあまり深刻に考えていませんでした。ポリープさえ取ってしまえば、大丈夫だろうと・・・

ポリープ切除は開腹せずに内視鏡のみで上手くいき、私達はこれで一安心と思っていたのですが、その後の検査結果でポリープの一つが悪性だったと言われ、今月11日に再手術でその周辺の腸を切除する事になりました。(人口肛門になる可能性もあるとの事でした)この再手術の件も、父と母が検査結果を聞きにいった際、即答してしまい、私達には事後報告と言う形でした。で、私が今一番聞きたいと思っている事は、初めのポリープ切除手術の前に、なんらかの形で(すいません、専門的な事はわからないもので)ポリープ周辺の組織を取って、細胞検査(って言うんでしょうか?)を行って、先に良性か悪性かの判断をするべきだったのではないかと言う事です。結局、初めに下剤を飲んで、内視鏡でポリープを見つけた時には、ポリープの確認をしただけで終わったようです、そんなものなのでしょうか?

幸い、前回の手術では開腹する事もなかったので、父の身体への負担も少なく済みましたが、もし、前回の手術で開腹してポリープを取り除いてから、今回のような結果になった場合、二度手間と言うか、一度で済む手術を二度も行う羽目になっていたかもしれないと思うと、その病院への不信感が拭い去れません。手術までに主治医に話しを聞きに行く予定なのですが、父はその病院を信頼しているうようで、体力をつけて頑張って手術に臨みたいと、前向きな姿勢でいるので、疑うような話しを私達がして、かえって父と主治医の関係に亀裂が入ってもと思うと、躊躇しております。何通ものメールにお返事を出しておられ、お忙しい事とは存じますが、出来れば適切なご意見を頂きたく思います。何卒宜しくお願い致します。

(答え)2000.7.2
お答えします。

>で、私が今一番聞きたいと思っている事は、初めのポリープ切除手術の前に、なんらか
>の形で(すいません、専門的な事はわからないもので)ポリープ周辺の組織を取って、
>細胞検査(って言うんでしょうか?)を行って、先に良性か悪性かの判断をするべき
>だったのではないかと言う事です。
>結局、初めに下剤を飲んで、内視鏡でポリープを見つけた時には、ポリープの確認を
>しただけで終わったようです、そんなものなのでしょうか?

悪性が疑われる場合には、検査の時に組織を取って調べます(生検)。検査を行った医師の能力によると思います。しかし、それでも内視鏡でポリープを取った結果で、さらに手術を必要とすることは、時々あります。内視鏡治療の限界を越えていた場合には、手術になります。最初から、内視鏡では無理と判断すれば、最初から手術になります。治療の手順としては、問題はないようですが、そのあたりのことを良く聴いてみてください。おそらく説明があったとは思います。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)2000.7.6
ご多忙中、早速のメール有難うございました。先日は慌てていた事もあり、名前も書かず、失礼致しました。私、○○と申します。つたない文章でご理解していただけるか不安でしたが、的確なご回答、有難うございました。

> 治療の手順としては、問題はないようですが、そのあたりのことを良く聴い
> てみてください。おそらく説明があったとは思います。

はい、先日病院に行った際、主治医の先生と面談する事ができ、いろいろお話しを伺いました。その病院では患者、家族との話し合いの後に、ポリープ切除手術を行うのが基本となっているようです。ポリープ切除手術を担当した医師が「深めに切除したので、殆ど大丈夫」との安易な言葉を口にした事が、今だ私の気持ちの中に不安を残しているのですが、今度の手術はその医師の上司にあたる部長先生を中心に行うとのお話しで、その上、当の父がその病院に全面的信頼を寄せていて、手術に向かって体調を整え無事乗り越えようというプラス思考の考えでいるので、その気持ちを大事にしてあげてバックアップしてあげるのも、私達家族の使命でもあるのかと思ってもいます。今回は本当に有難うございました。

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