051212 ミオパチー判明

(私の記憶にない部分は、母親の記憶を借りた) ※今後「聴取記事」と記す


漏斗胸手術の入院中に、小児科の診察を受けることになった。
親身になってくれた担当医たちに「是非とも小児神経の専門医に診てもらってはどうか?」と勧められたからだ。

異常があるのは明らか。しかしマルファン症候群に詳しい胸部外科の医師たちをしても、不可解な点が多かったらしく、非常に心配してくれたようだ。たまたま同院に小児神経の権威が居るとの事で、退院を延ばし診察をしてもらう事にした。

母が言うには、それまで医者から神経という言葉を聴いた事はなかったらしい。1歳前後の頃、私学の雄「K病院」を受診したらしいが、小児科から整形外科に回され、骨や関節の異常を疑われはしたものの、結局分からずじまいだった。

かくして小児科専門外来の受診日(私自身は何故か記憶なし…)

いわゆるフロッピーインファントと呼ばれる兆候(当時はその概念は知らず)を始めとした、生後まもなくより見られた「おかしな症状」について、順を追って母が説明し、実際に筋力レベル等も診てもらった。

結果、その場ですぐ

「お子さんは筋肉の病気で、おそらく先天性ミオパチーと呼ばれるものだと思います」

という診断が下された。

神経と聞いていた母は一瞬「筋肉?」と思ったらしいが

「筋肉だったのか…」

と、長い道程をしみじみ振り返りながら
「なるほど」と、改めて納得したという。

生後10年。昔に比べ医学が進んだ事もあろうが

判る病院では、問診だけで即座に答えをもらえる という現実…。

一方で、明確な診断を得られぬまま、病院を移る度に「メスを伴う検査(=筋生検)」が繰り返され、そこまでしながらも結局「分からない」と言われてしまう様な痛ましい事例が、つい最近でさえあるという。

漏斗胸診療の宣伝パンフを学校からもらう前から【漏斗胸手術1 参照】
既に母は漏斗胸という病気の存在を医者から聞き、知っていたという。

それでいて私を診察に促した理由は、漏斗胸改善の期待というより

分からない症状について

「何か、手掛かりになるものが見つからないか」

という、賭けに近い想いだったらしい。
結果的に、母の直感は功を奏す事となる。

その後、筋電図筋生検という検査を経て

先天性ミオパチー 筋線維タイプ不均等症 という病名が確定した。


※フロッピーインファント(=ぐにゃぐにゃ幼児)
乳幼児検診などで首や腰のあたりの座りが極端に遅く、全身の筋肉の緊張が弱く、なんとなくグニャグニャした感じの子を総称して呼ぶ。