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1999年 年度代表馬

 〜JRA賞と、そして私的のと〜

00/1/5

 1999年の年度代表馬がエルコンドルパサーに決まった。99年は希にみる激戦であった。仏国際G1イスパーン賞を勝ち凱旋門賞でも2着だったエルコンドルパサー、盾を春秋連覇し更にJCを勝って有馬も勝ちに等しい2着だったスペシャルウィーク、そのスペシャルウィークに宝塚・有馬両グランプリで勝ったグラスワンダーと最強世代といわれる5歳馬が甲乙つけがたい成績を修めた(5歳馬といえばマイルG1連覇のエアジハードも99年の活躍馬である)。

 代表馬に選ばれたエルコンドルパサーは99年、日本では1走もしていない。確かにフランス遠征中の成績は凄かったが、「1度もJRA主催のレースに出走していない馬が年度代表馬になっていいのか?」という疑問もわく。99年内でエルコンドルパサーが日本の競馬場に姿を現したのはJCの日に東京競馬場で行われた引退式だけである。日本にいる限りエルコンドルパサーの出るレースを生で見ることも、エルコンドルパサーが絡んだ馬券も買うこともできなかった。JRAのお客さんの中でエルコンドルパサー絡みで馬券を取らせてもらいいい思いをした人も、「エルコンドルさえこなければ当たったのに」と悔しい思いをした人もいないはずである。

 個人的にはJRA賞の年度代表馬はスペシャルウィークが妥当だと思う。現に選考時の投票による獲得票数はトップだった。JRAの年度代表馬なのだからJRA主催のレースでの実績を重視すべきであると思うのだが。また、グラスワンダーはスペシャルウィークとの対戦成績は2戦2勝だが、秋はJCを回避してグランプリに的を絞った使い方をしており、ローテーション的なことを考えると有馬でもほとんど差のないレースをしたスペシャルウィークが上である。

 希にみる激戦だったためか、スペシャルウィーク、グラスワンダー両頭には「特別賞」が与えられた。むしろ特別賞こそがエルコンドルパサーにふさわしいのではないだろうか?98年は年度代表馬がタイキシャトルで特別賞がサイレンススズカ。実績面ではタイキシャトルの方が上だったが、ファンに与えたインパクトみたいなものでサイレンススズカが特別賞を受賞している。そこで、エルコンドルパサーはファンに与えたインパクトという点を評価して特別賞とし、JRA主催の競馬で最も優秀な成績を残したスペシャルウィークが年度代表馬となった方がすっきりくる。エルコンドルパサーやサイレンススズカ以上にファンの支持を集め、競馬の発展にも貢献した人気馬ハイセイコーですら年度代表馬にはならず「大衆賞」という賞を受賞しただけであるから、エルコンドルパサーは99年は特別賞でもいいだろう(どちらかというとJRAのG1を2勝し、そのうち1つがJCだった98年のほうが年度代表にふさわしいような気がする)。

 それでも他に年度代表馬にふさわしい馬がいないのであれば「該当馬なし」とするよりもエルコンドルパサーであったほうがいいのだが、他に2頭もいるのだからJRAのレースで活躍した馬を選んだほうがいいだろう。

(ここまでがまじめな話)


 さて、ここからはがらりと路線を変えて99年私的年度代表馬を発表しよう。選考基準は「私の印象に最も残った馬」であること。それだけ。前半では「JRA主催の競馬で最も活躍した馬が年度代表馬とすべき」みたいなことを書いておいてこういうことをいうのも何だが、年度代表馬だから年度を代表してさえいれば必ずしも「最優秀な成績」でなくてもいいだろう。JRAが表彰する年度代表馬は公式な記録として残るのですべての競馬ファンがある程度納得のいく馬である必要があるが、これは私的なものなのでその必要もないだろう。

 99年度の私の年度代表馬は、
ウメノファイバー

 私は府中に住んでいるが府中ではオークスを勝ち、重賞を99年だけで2勝(98年に京王杯3歳Sも勝利)。私はオークスでこの馬を本命にし、馬券もとらせてもらった。最後方からの追い込みだったので「エビナー」と直線で叫びまくったが、それに応えるかのようにゴール寸前でトゥザヴィクトリーを差しきりオークスを制覇。

 ただしオークス制覇で府中コース通算3戦3勝(しかも重賞オンリー)の相性の良さに期待して、JCで本命にしたら見事に負ける(;_;)。府中で初の敗戦だ。

 この馬を徹底的に印象づけたのがオークス勝利後の蛯名正義騎手の勝利騎手インタビューでのコメント。

「あまり派手なガッツポーズ」はしませんでしたね」という問いに対して、
エビショー「前に一度間違っちゃいましたからね」

 これを聞いて大爆笑。エビショーといえば95年の春天での幻のガッツポーズ」。その時は2着だったが、今度は1着だ。エビショーといえばかつてはやたら2着3着ばかり多く、幻のガッツポーズはそんな彼を象徴するような出来事だったが、関東リーディングを取るぐらいのトップジョッキーになってもこんな笑えるコメントを残してくれる素晴らしいジョッキーである。99年といえば武豊が有馬記念で幻のガッツポーズ&ウィニングランを披露したが(このときも勝ったのは的場騎手だったりする)、武豊なら今後G1を勝ってもそんなコメントはたぶんしないだろうな。ガッツポーズを自粛したほど僅差での勝利だったが、99年を通じて最も印象的な馬ということで、ウメノファイバーが年度代表馬に決定。

 JRA賞の年度代表馬も私の年度代表馬も主戦は蛯名騎手。「幻のガッツポーズ」は凱旋門賞でも披露してほしかった。実は凱旋門賞ではエルコンドルパサーが勝つことよりも、2着になってエビショーが幻のガッツポーズをすることに密かに期待してたのだが(爆)

※95年春の天皇賞(勝ち馬ライスシャワー)で、2着になったステージチャンプに騎乗していたエビショーが勝ったと勘違いしてゴール板を通過する瞬間ガッツポーズをした。しかも、写真判定だったため、判定写真にはガッツポーズする姿が思いっきり映っていた。


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