障害レースについて Part2

最新更新分にジャンプ

(98/10/2)
 先日JRAから障害レースの見直し案が出された。その内容はというと

  1. 「ジャンプレース」に名称変更
  2. クラスによる障害難易度に差をつける
  3. ゴールの直線を芝コースにする

というものである。

 まず1について。これにともなって中山大障害は春は「中山スプリングジャンプ」、秋は「中山グランドジャンプ」と変更となる。さすがに秋を「中山フォールジャンプ」にするのはまずいようである(笑)。秋という言葉を表す英語にはフォール(落ちると同義)の他にオータムという言葉もあるが。

 名称変更の理由はもちろんファンにとって親しみやすい名前にするためである。障害と聞くと運動会の障害物競走を重い出すので初心者にとっては障害という名前でもどんなレースかは検討が付くだろうが、「ジャンプ」である。ジャンプだと速さじゃなくて高さを競うのか?陸上競技だとジャンプといえば高飛びや幅跳びのことであり、「障害」はハードルである。ただ、障害馬のことをジャンパーといったりもするので、結構しっくりいく名称なのかもしれない。

 中山グランドジャンプについてだが、やはりかつては有馬記念よりも格上のレースだったらしいので(ホンマか?)やはり春より秋のほうが格上らしい。グランドとつけるぐらいだし。さすが私が毎年観戦にいってるだけある(笑)。暮れの風物詩といった感じだし。でも個人的には「日本グランドナショナル」と付けてほしかった。日本の障害競争いや、ジャンプレースの頂点として。グランドナショナルが何かわからない方のためにいっておくと、グランドナショナルとは競馬の本場イギリスで行われる世界最高峰の障害レースのことえある。その日本版というわけ。

 長くなってきたので2についてコメントしよう。現在日本の障害競争は未勝利、400万以下、オープンの3つのクラスにわかれている。重賞以外は同じ障害を使用しているが、これをクラスに応じて置き障害など難易度に差を付けるというわけである。つまり、未勝利なら簡単な障害で、オープンなら難しい障害というように。

 これは未勝利戦などで落馬事故などが相次いでいるための措置である。事故防止という観点から見て、これは妥当なとこであろう。簡単な障害からスタートして、徐々に慣れていくという意味もあるし。また、個人的な意見だが、障害の場合レースの格は賞金等だけではなく障害の難易度で決まるのがベストだと思うので、そういう点でも賛成できる。どういじったって、障害の難易度には競馬場によってばらつきが出ることは間違いないが、それはそれで面白いだろう。

 さらに馬券的にみた今後の対策も考えてみよう。今までは昇級したばかりの馬が一番人気になり(ならなくても)あっさり勝つことも多かった。しかし、今後はそういうのは減るだろう。下のクラスの簡単な障害のレースを平地の脚を生かして勝った馬が、上のクラスの障害に即対応できるかわからないからである。一緒に走る馬のレベルが上がるだけではなく、障害のレベルも上がるのだから、よほど強い馬でないと勝つのは難しい。だから元からそのクラスにいた馬を狙ったほうが得である。

 そして3について。これはファンに近い場所で最後の直線の攻防を行おうという配慮である。それはそれでいいのだが、障害の面白いところは直線の攻防だけではなく、道中の障害を飛び越えるところにもある。だから、最後の直線にも置き障害を置くなどの改革がなされればさらに面白いだろう。

 その他厩舎サイドの改革として育成場で障害訓練中の馬については、厩舎の管理頭数とは別枠とすることなども盛りこまれている。障害の馬が揃わないのは厩舎サイドが力を入れにくいことも理由だったので、こういうところもどんどん改善していき盛り上がってほしいものである。

 それでは「ジャンプレース」に光あれ。


(98/11/22)

 先日'99年の重賞日程が発表された。障害レースが「ジャンプレース」と名称変更になり重賞には格付けされることは以前書いた通りだが、その重賞日程は以下のとおり。なお重賞の格にはGの前に”J・”がつく。”J・GI”などのように。

平成十一年度重賞ジャンプレース日程
レース名(グレード)旧名称競走条件施行日距離1着賞金
阪神スプリングジャンプ(JG II)阪神障害S(春)5歳上別定3/14(日)38005000
中山グランドジャンプ(JG I)中山大障害(春)5歳上定量4/11(日)41008000
京都ジャンプステークス(JG III)京都大賞典(春)5歳上ハンデ5/16(日)31704000
東京ハイジャンプ(JG II)東京障害特別(春)4歳上別定6/12(土)33005000
小倉サマージャンプ(JG III)小倉障害S4歳上ハンデ7/18(日)33903500
新潟ジャンプステークス(JG III)新潟障害S4歳上ハンデ8/28(土)32003500
阪神ジャンプステークス(JG III)阪神障害S(秋)4歳上別定9/25(土)31704000
東京オータムジャンプ(JG III)東京障害特別(秋)4歳上ハンデ10/24(日)33004000
京都ハイジャンプ(JG II)京都大障害(秋)4歳上別定11/20(土)39305000
中山大障害(JG I)中山大障害(秋)4歳上定量12/18(土)41008000

 名称だがそれぞれ「ジャンプ」という単語を含んだレース名に改称されているが、暮れの風物詩「中山大障害・秋」だけは「中山大障害」という名称を引き継ぐことになった。やはり日本の競馬ファンの心に根ざしている名前は買えづらいのだろう。個人的には「日本グランドナショナル」でもよかったと思うが、中山大障害という言葉の響きも好きなので変わらなくてよかった。

 でもって今までオープン特別でしかなかった新潟と小倉のの障害SがG IIIに格上げ。重賞に格付けされ賞金が上がるのはいいことだが、今、数を増やす必要があるのか??という気がする。日本の障害のレベルはそんなに高くないのだから。まあ、ローカルG3なんてもともと平地でもあまりレベルが高くないのだから、それが妥当なところなのか。

 ところが、同時に「改悪」も行われていた。今まであった400万条件は廃止。つまり未勝利とオープン以外のクラスがなくなるのである。未勝利を勝ったら即オープン入り。これではジャンプレースのレベルが低下するのではないかな。オープンといってもそれにふさわしい馬が出てこなくなるんだから。オープンは強い馬と未勝利戦を勝のがやっとのたいして強くない馬がない馬が同じ土俵で戦わなくてはならないので、必然的に勝ち馬が決まってくるだろうし。馬券的にも堅くおさまることが多くてつまらなくなるということも危惧される。

 それからレース名について。**ハイジャンプだと、飛ぶ高さを競うレースのように思えるんだがいかがなものだろうか。当然競馬は速さを競うスポーツである。まさか馬が棒高跳びなんかやらないと思うが、名前がイマイチだぞ。


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