’17 中山大障害観戦記

2017年12月23日

このレースの予想

 今年も例によって中山大障害を観に行った。これで24年連続暮れの大障害観戦である。12月23日の天皇誕生日。奇しくも昨年と同じ日付だった。

 中山競馬場に着いたのは大障害の一つ前のレースが終わった後だった。船橋法典から中山入りしたこともあって、駅から遠い正面スタンドではなく内馬場の大生垣で観ることとした。中山大障害は年に2回しか使われない大障害を間近で見れる内馬場で観るもの見応えがある。レースの全貌を観るのには正面で観たほうが良いのだが、日本一ハイレベルな障害を間近で見るのも迫力があって良い。

 しかし、今回のレースに限っていえば、正面スタンドで観たほうが良かったかもしれない。結果から先に言うと、オジュウチョウサンとアップトゥデイトの新旧王者が最後の直線で他の馬を引き離して2頭によるマッチレースを演じたのであった。直線のシーンは内馬場の屋外モニターで観ていたのだが、モニター越しでもすごい攻防だということが分かった。生で観ていたらおそらく鳥肌が立っただろう。

 レース中は大生垣の真ん前でスマホでグリーンチャンネルWebの中継を観ながら目の前の障害を観ていたのだが、そのグリチャの中継のタイムラグがすごい。2〜3秒ぐらいしかないと思っていたのに、10秒以上タイムラグがあった。アップトゥデイトが他馬を引き離して大きく逃げているようだった。

 やがて下って上るバンケットを登ってアップトゥデイトの白い馬体が姿を現した。他の馬はなかなか来ない。まずは大竹柵をアップトゥデイトが無事飛越。しばらくして他の馬たちもやってきた。大生垣寸前でオジュウチョウサンが2番手に立ち、そこから各馬大竹柵を飛越。前場無事に飛越した。場内からは拍手が沸き起こる。

 そこからさらに半周。周ってくるまでは馬たちの姿は見えなかったのでスマホの画面で中継を観ていた。やがて、アップトゥデイトが姿を現して、大生垣を飛越。大きく離れた他の馬たちも全馬無事飛越した。

 そこからモニターの場所に移動して、その後はモニター越しにレースを観ていた。アップトゥデイトは相変わらず逃げている。そして、オジュウチョウサンが徐々に上がっていく。2周目4コーナーあたりでアップトゥデイトを射程圏内に捉えた。他の馬たちはそこから遙か後ろにいる。上位2頭はほぼ決まった様なものだった。

 直線に入るとオジュウチョウサンが一完歩ごとにアップトゥデイトとの差を詰めて行く。しかし、アップトゥデイトも負けじと粘っている。後続を大きく引き離す新旧王者の2頭によるマッチレース。残り50mを切ってもアップトゥデイトが粘っていたが、最後の最後でオジュウチョウサンが半馬身交わしてゴール板の前を駆け抜けた。熱いレースだった。

 内馬場にいた私の周辺ではほとんどの客が2頭の馬の強さばかりに目が行っていた。中山大障害といえば、最後の馬がゴールした瞬間に拍手が沸き起こるのだか、今回は2頭のあまりの強さに観客達はあっけに取られていた。もちろん私やその周辺の人達はモニター越しに観ていたというのもあるだろう。やはり、生でゴールが見えるスタンド側では拍手が起きていたのだろうか?2頭のマッチレースは非常に見応えがあった素晴らしいレースだったが、全馬無事完走だということも忘れてはいけない。一頭も落馬せず、この大障害コースを完走したのだ。そういう意味でも素晴らしいレースといえるだろう。

 上位2頭のはるか後ろで行われた3着争いも混戦だった。外から差してきた馬が最後に差し切ったように見えた。しかし、モニターが逆光で見にくく、その馬の帽子の色やゼッケンの番号は判別できなかった。隣りにいた見知らぬ人が「3着は15かな」と話していた。15番はルペールノエルである。私は上位2頭絡みの三連複で勝負していたのだが、その本線で買っていたのがその馬だ。「3着は15ですかね」とその人に声をかけた。「(モニターが見づらくて)はっきりとはわからないけど15の様に見えたよ」と言われた。その人も上位2頭+ルペールノエルの三連複だか三連単だかを持っていた。逆光のモニターでよくわからなかったが「とりあえずおめでとうございます」と声をかけ、その場を離れた。そして、着順の発表があった。3着はルペールノエルだそうである。というわけで馬券の方も本線的中した。その後「レコード」のランプが灯った。あとから結果を見たら2着と3着のタイム差は3.2秒だった。2頭だけ次元が違っていたのだ。

 なお、先日私も参加したユニオンオーナーズクラブの懇親会に高田騎手がゲストで来ていた。ルペールノエルについて「中山大障害は強い馬がいるけど、出るからには勝ちたいです。ルペールノエルの力をフルに発揮できるように頑張ります。」といった内容の挨拶していたと記憶している。やはり強い馬は強かったが、次元の違う馬を除いた馬の中では最高着順を叩き出したのだから及第点だろう。さすが障害重賞の名手である。(なお、私はユニオンの会員ではあるがルペールノエルには出資していない。)

 ちなみに上位3頭の組み合わせは昨年と全く同じ組み合わせで順番も同じだった。それでいて三連単も三連複も昨年よりも付いている。それから、今年の14着より上の馬のタイムが昨年の勝ち馬のタイムを上回っている。単純にタイムだけでは判断できないものの、凄まじいレースだったということが分かる。

 素晴らしいレースを見れた上に馬券も当って大満足である。でも、ゴール前の攻防が見応えのあるレースだったので、スタンドで観たかった気もする。しかし、彼らはただ走ったのではない。日本一のレベルの高い障害を越えて長丁場を戦ってきたのだ。レースは最後の直線だけで行われているわけではない。「途中」があるからこそ「最後」が素晴らしいものになったのである。その「途中」の中でも最もレベルの高い障害で、彼らの勇姿を目に焼き付けることができた。それだけでも充分満足しなければならないだろう。


2017年12月23日(祝) 5回中山7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【10R】 第140回中山大障害
障害3歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4100m 15頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
47オジュウチョウサン牡6石神深一 63 4.36.102-02-02-02  11.1506 -2(美)和田正一6600
46アップトゥデイト牡7林満明 63 4.36.2 1/201-01-01-01  26.8530 +6(栗)佐々木晶2600
815ルペールノエル牡7高田潤 63 4.39.4大差10-10-09-08  530.3520 -4(栗)藤原英昭1700
34 シンキングダンサー牡4金子光希 63 4.39.5クビ08-09-06-05  317.1472 -2(美)武市康男990
58×サンレイデューク牡9難波剛健 63 4.39.71 1/408-08-07-07  634.8458 +2(栗)高橋義忠660
35 テイエムオペラドン牡8中村将之 63 4.39.7ハナ06-06-04-03 11146.0502 -2(栗)浜田多実 
713 マイネルフィエスタ牡7植野貴也 63 4.39.8 1/204-04-04-05  426.9510 -6(栗)中村均 
814 クランモンタナ牡8熊沢重文 63 4.41.1804-05-08-09  856.8490 +6(栗)音無秀孝 
23 スズカプレスト牡5北沢伸也 63 4.41.2 3/406-07-09-10  742.9462 -2(栗)橋田満 
1059ミヤジタイガ牡7小坂忠士 63 4.41.4 3/403-03-03-03  958.9502 +4(栗)岩元市三 
11610 ユウキビバワンダーセ4佐久間寛 63 4.42.5714-14-14-14 1096.2496 -6(栗)藤沢則雄 
1211 ウインヤード牡6大江原圭 63 4.44.6大差13-13-12-11 15219.4468 -6(美)小桧山悟 
1322 ビコーピリラニ牡7田村太雅 63 4.44.9211-11-12-13 12208.0478-14(栗)田所秀孝 
14611 サムライフォンテン牡4高野和馬 63 4.45.0 1/211-11-11-11 13208.5474 +2(美)石毛善彦 
15712 クラシックマーク牝6五十嵐雄 61 4.48.5大差15-15-15-15 14216.0444 -6(美)粕谷昌央 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:106.8  上り 52.3-39.4  平均 1F:13.47 / 3F:40.40
単勝  7 \110
複勝  7 \100 / 6 \110 / 15 \200
枠連  4-4 \190 (1)
馬連  06-07 \180 (1)
ワイド 06-07 \120 (1)/ 07-15 \370 (3)/ 06-15 \570 (8)
馬単  07-06 \200 (1)
3連複 06-07-15 \680 (2/455)
3連単 07-06-15 \930 (1/2730)


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