’99中山大障害観戦記

 今年も秋の大障害の季節だ。去年まではこの時期の中山大障害は「中山大障害(秋)」という名称だったが、今年からは「(秋)」の文字が取れた。といっても春の大障害がなくなったわけではなく、春の大障害が「中山グランドジャンプ」と名称変更したことにともない、中山大障害という名前のレースは秋しか行われなくなったからである。以前から中山大障害というば年に2回施行されていたが、「大障害」といえば暮れの風物詩といった印象が強かったので、障害レースがジャンプレースと名前がかわっても「中山大障害」の名前が暮れに残されているのはよろこばしい。そして、暮れの大障害は95年から5年連続生観戦ということになる。

 さて、伝統の中山大障害も今年からの障害重賞グレード制導入によってめでたくG1となった(障害レースなのでJ・G1か)。G1となったので斤量も定量である。以前は中山大障害勝ち馬にはハンデが課せられたのだが、G1となった今年からはそのようなハンデはなくなり、実力勝負のレースとなる。

 このレースにはかつて中山大障害コースで勝利を修めた馬が3頭も登場する。春に行われた中山グランドジャンプの覇者メジロファラオに去年の春の覇者ノーザンレインボー、一昨年の秋の覇者ケイティタイガーである。障害はコース適性が物を言う上に、中山大障害コースは日本一の難易度なので、素直に過去の実績からこの3頭のボックス馬券(人気によって金額配分は変えたが)を買っておいた。

 さて、今年から採用されたジャンプG1用ファンファーレでレースは始まる。ジャンプG1といっても年に2回中山であるだけなので、年に2度だけ中山競馬場に鳴り響くファンファーレである。

 スタートしてまずハナを切ったのはメジロファラオ。それを追うようにケイティタイガーが追走。ノーザンレインボーも少し離れて3番手につける。このまま決まってくれれば私の馬券は的中なんだが、大障害は4100mという長い道のり。そのまま決まるほど甘くはないだろう。

 さて今年の中山グランドジャンプ観戦記で、4階B指定席の4コーナーよりに指定席を取ったと書いたが、今回も同じような場所に指定席を取った(喫煙席をとるとどうしても4コーナーよりになっちゃうんだよな)。したがって、襷コースの大障害を馬達が飛び越えるのを真っ正面から見ることができる。馬群が襷コースへ入ると馬達が視界から消える。通常よりも落差の激しいバンケットがあるためである。そしてバンケットを駆け上がって来た馬たちがまるで地面からわき出るように視界に入って来て、大竹柵を各馬飛越。落馬は一頭もない。大竹柵を飛んだ馬たちが正面に向かって突進してきて2周目。

 障害コースを先ほどとは反対向きに半周回ってきて再び襷コースへ。こんどは大生け垣である。この大生け垣をジャンプする時に昨年の京都大障害(秋)の覇者イチバンリュウがバランスを崩して落馬。このイチバンリュウ、出走馬の半数以上が落馬した1ヵ月ほど前の京都ハイジャンプでも落馬している。2走連続落馬である。1頭落馬したが、他の馬は無事障害を飛び越え、順周りで正面から向正面へ。

 3コーナーへいくあたりで2番手に位置していたケイティタイガーが下がってしまった。11歳という高齢馬にはこのスタミナ勝負は応えるのか。4コーナーを回り、最後の直線は正面の芝コース。メジロファラオもノーザンレインボーもばててしまったのか下がっていく。勝ったのは好意からの競馬となったゴッドスピード。中山コースは苦手なスピード障害馬という印象があった馬だが、中山大障害も勝ち、強さをみせつけた。先行する筈のゴッドスピードが中団からの競馬をせざるを得なかったほど、ペースが速いレースだったのか。私の狙い馬はすべて先行してばててしまった。そして、控えていったゴッドスピードが見事な勝利。中山での実績は無かったが、折り合いさえつけば中山だろうがどこだろうがコースは関係ないのだった。

1着ゴッドスピード
2着ゴーカイ
3着リンデンバウム
4着エーピーランド
5着ヨイドレテンシ
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7着メジロファラオ
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9着ノーザンレインボー
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13着ケイティタイガー

 ここ数年、秋の大障害は少頭数で行われてばかりだった。しかし、今年の出走馬は15頭。久々に暮れの大障害にメンバーが揃った。私の狙い馬は揃って見事に先行してばててしまったが、障害G1にふさわしい障害界のヒーローが勝ったすばらしいレースだった。他場で活躍してても難易度の高い中山じゃ無理だろうと思っていたのだが。


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