このレースの１番人気馬の成績は[5,2,0,3]。この数字だけ見るとまずまずの成績に見えるだろう。ただし「消えた１番人気」の３頭のうち２頭は武豊の馬である（ちなみにもう１頭は藤沢和厩舎）。要は騎手や厩舎のブランドだけで人気になっているような馬は危険ということである。武豊騎乗でもシーキングザダイヤの様に勝ってしまう馬もいるので武豊が極端に苦手としているわけでもないだろうが、押し出され気味に人気になっている場合は信頼しない方が無難である。今回の１番人気候補スズカコーズウェイは500万を勝っただけの馬だが、スズカで橋田厩舎で武豊騎乗の馬が高松宮記念を勝った記憶が新しいのでイメージが先行して人気になっている面がある。完全に消してしまうまではいかないまでも割り引いて考え、穴狙いで行きたい。このレースは１番人気が来ても荒れることが多いので穴から攻めていくのが正攻法といえる。

　本命はダートで圧倒的な強さで３連勝中の無敗馬シャドウストライプ。ダートで活躍してきた馬なので目立たないが芝でもマイル以下なら通用する筈の馬である。芝経験は無く適性は未知数であるが、逆に言うと「未知の魅力」というものがある。絶対能力が高いので、全く不向きではない限り大丈夫だろうし、血統的にもからっきし芝がダメということはありえない。ＮＨＫマイルを勝ってもおかしくない馬なので、ＮＨＫマイルの前に芝でも実績を残しておきたいところである。

　対抗はこれまたダートで活躍してきたトーホウレーサー。度外視してよいデビュー戦以外では前走の毎日杯が芝初挑戦だったが５着。２戦目の今回はもっとやれる筈である。母父がサクラユタカオーというスピードタイプの馬であるし、前走もゴール寸前までは粘っていたので距離短縮は歓迎。ダートも含めて1700m以上の距離しか経験が無いのでスピードについていけるかどうかが鍵であるが、血統的な背景からはマイルの方が合っているように思われる。父のチーフベアハートは３歳戦では無条件に買っているだけで回収率がプラスになる種牡馬である。鞍上が意表を突いた乗り方をする後藤騎手に乗り替わりなので一発に期待しよう。