キョウエイマーチが勝った97年以来の重馬場での桜花賞だった。好位追走のレシステンシアが、直線で逃げていたスマイルカナに並びかけた時は、この２頭の一騎打ちかと思われた。しかし、馬場の外側の後方からデアリングタクトが一完歩ずつ迫ってきて、瞬く間に２頭を追い抜いた。そして、最後に１馬身差をつけて無傷の３連勝で勝利をものにした。

　勝ったデアリングタクトは重賞勝ちこそなかったが、前走のエルフィンＳでは後続に４馬身差の圧勝をした馬だ。キャリアは浅いが強い馬で、重馬場も苦にしなかった。松山騎手は土曜日の阪神牝馬Ｓに続いて土日とも重賞制覇である。

　１番人気のレシステンシアは惜しくも２着だった。道中は２番手に付けて直線で逃げ馬を捉えるところまでは成功したが、最後に勝ち馬に差されてしまった。順番こそ違え人気２頭のワンツーで、馬連はガチガチだった。

　３着は逃げたスマイルカナが粘った。ペース的には前傾ラップだったが、早めに仕掛けた後ろの馬が重馬場で思った以上に脚を使わされ、（自分のペースで進めていた勝ち馬を除いて）最後は伸びなかったので粘り切ることができたのだろう。

　我が本命サンクチュエールは道中ずっと内に付け、コーナーでも経済コースを回ってきたが直線で不発で６着に敗退した。馬場の内の方が荒れていたのも敗因の一つだろう。内を周って４コーナーで外に持ち出した勝ち馬とは対象的だった。ディープインパクト産駒だけに、もっと軽い馬場の方が向いているのかもしれない。

外れ