有馬記念特集

第44回 有馬記念(グランプリ) (G I)
1999年12月26日中山競馬場芝2500m4歳上馬齢

 今年もやって参りました暮れの風物詩というか国民的行事というかグランプリレース有馬記念。この「プロは馬券でメシを食う?(いい加減このタイトル恥ずかしくなってきた(^^;;)」でも毎年普段の予想とは違って気合いを入れて特別番組的予想をしている(その割に1回しか当たったことがないというのは置いといて)。というわけで今年も行ってみよう!!

出走予定馬とコメント
馬名コメント
インターフラッグ岡部騎乗も格下のためG1じゃ出番がないだろう。7歳なので上積みも見込めないし。
グラスワンダー去年の有馬記念、今年の宝塚記念とグランプリ連覇。ここ一番(賞金の高いところ?)に強い。左回りはやや苦手なようだが、右回りの中山なら問題なし。調教のコメントが弱気だが、昨年も陣営が弱気な発言をしていたので、気にすることはなさそう?
ゴーイングスズカ格下だし、7歳なので上積みも期待できない。
シンボリインディNHKマイルを制して以来の出走。底は見せていないが、今年の4歳馬のレベルは???またマイル以上の距離経験がないのも不安。
スエヒロコマンダー上半期はG2やG3で活躍するも宝塚で惨敗。下半期は調子もよくなく、ここでも好走は期待できない。
ステイゴールド現役最強の3勝馬。G2やG3よりもG1の方が成績はいい。目一杯に仕上げれば強い筈なので、JCで一息おいた今度はチャンスか?JC惨敗で人気が下がりそうなので狙い目。
スペシャルウィーク今年に入ってG1を3勝2着1回の文句なしの年度代表馬候補。しかし、天皇賞→JCでの激走の反動が怖い。有馬記念はJC激走馬は人気を集めて連を外す傾向にあるし。
ダイワオーシュウ4歳の菊の時点では将来性があると思っていたのだが、その後がイマイチ。今回も見送りが妥当と思ったが、スローペースで逃げて前のこりの可能性も充分考えられる。人気になっていないようなので狙って見よう。
ツルマルツヨシ京都大賞典で大金星。また、人気でない時の藤田は侮れない。
テイエムオペラオー僅差2着だったステイヤーズSから中2週。疲れの残りやすい長距離戦だけに中2週のローテーションはきついか。
ナリタトップロードその年の菊勝ち馬は有馬は強い。ただ、今年の4歳はイマイチなような気もしないわけでもない。
ファレノプシス関東トップジョッキー蛯名が騎乗。女王杯で掲示板にすら載らないようじゃ有馬は厳しいか。
フサイチエアデール女王杯では0.1秒差の2着。しかし、牝馬は有馬記念では弱いし、いまいち信頼性は低い。
ペインテドブラックステイヤーズSではテイエムオペラオーを敗った。勝って中2週のローテーションで有馬を制した馬といえばダイユウサクを思い出すが、ダイユウサクの場合はマイル路線から。3600mのあとの中2週はきつい。と思ったら回避するそうです。
メジロブライト天皇賞は惨敗したが、重賞7勝と実績はトップクラス。しかも2400m以上の長距離では安定した走りを見せる。前走の惨敗で人気が下がるだろうから買い時。
ユーセイトップラン去年の有馬以来二桁着順ばかり。7歳で上積みも見込めない。

能書き

 秋G1・3連覇のかかるスペシャルウィーク。グランプリ3連覇のかかるグラスワンダーの2頭が人気を集めそう。どちらが信頼できるかといえばグラスワンダーだ。

 JC好走馬は人気だけ集めて消えてしまうことが多い。何故ならJCの反動が残っているからだ。レガシーワールドやヒシアマゾンのような前年の有馬で連対した馬でさえ、次の年JCで連に絡むと有馬では人気で消えてしまう。普通なら中3週というローテーションは理想のローテーションなのだが、JCとなるとレベルが高く消耗も激しいので中3週で有馬に出てくると凡走してしまう。エアグルーヴは一昨年3着に来たが、それが精一杯。スペシャルウィークはエアグルーヴよりも強いのでは・・との声も聞こえてくるが、スペシャルの場合、更に激戦の末に天皇賞・秋を勝っている。さすがに、これで有馬も勝つのは至難の業であろう。期待値が低い、つまり払い戻し対象になる可能性が低い割には配当も低いのでスペシャルウィークは消しである。いくら能力の絶対値が高い馬とはいえ、すでに消耗しきった出がらしの可能性が高いし。

 反面グラスワンダーは狙える。結局毎日王冠以来の出走だが、JCに出なかったおかげで体調面はばっちりだろう。右回りでは負け無しであり、また、スペシャルウィークは今年G1を3勝とはいえ、直接対決のG1宝塚記念ではそのスペシャルウィークに勝っている。また、メジロパーマーやマーベラスサンデーのようにその年の宝塚記念馬が出てくると好走することが多い。前の年の有馬連対馬は来ないというデータもあるが、一昨年マーベラスサンデーが証明したように、「その年の宝塚記念馬はくる」というデータのほうが優先順位は高いようだ。要は有馬記念というレースは「ここ一番に強い馬」が勝つレースなのだろう。そして、1年前の力はあまりあてにできなくても、半年前に宝塚を勝つ力があれば大丈夫なのである。人気になりそうだが、スペシャルウィークがもっと人気になることに期待してグラスワンダーを軸にしよう。

 更に人気にならなそうな馬の中ではステイゴールドが狙い目。最強の3勝馬といわれているが、G1で2着の数が凄い。しかも忘れたころにやってくる。この馬はG2やG3よりもG1での活躍が目立つのは、「目一杯に仕上げれば強いけど、8割ぐらいしか仕上がってなかったら力が発揮されない馬」だからであろう。また、ピークが長続きしないので昨年も今年も秋天で2着のあと、JCでは惨敗している。しかし、昨年は有馬で3着と好走しているので、今年も期待がもたれる。つまり、ピークが長続きしない反面、復調も早い馬なのである。

 その他の狙い馬は一発がありそうなツルマルツヨシ、長距離巧者メジロブライト、有馬でよくくる4歳馬からはナリタトップロード、さらにスローの逃げのこりに期待してダイワオーシュウを押さえておく。

買 い 目

グラスワンダーナリタトップロード4000pts
メジロブライト
ツルマルツヨシ3000pts
ダイワオーシュウ2000pts
ステイゴールド
ステイゴールドナリタトップロード1000pts
メジロブライト
ツルマルツヨシ500pts
ダイワオーシュウ


そして、結果はというと・・・・

1着グラスワンダー2:37.2
2着スペシャルウィークハナ
3着テイエムオペラオークビ
4着ツルマルツヨシ1/2
5着メジロブライト1
単勝280馬連3−7470
複勝140ワイド3−7240
1407−11620
112603−11750
枠連2−44508は取り消し


 グラスワンダーは見事にグランプリ3連覇。やはりここ1番の強さは本物だった。有馬記念を2連覇した馬はルドルフ以来(オグリキャップは2度勝ってるが連覇ではなかった)。また、右回りでは負けなしだ。

 そして2着は接戦の末スペシャルウィーク。本当に惜しい2着だった。体勢ではスペシャルウィークのほうが勝っていたと思うが、首の上げ下げでグラスワンダーに勝利を明け渡してしまった。JCと有馬の連続連対も確かルドルフ以来だったと思う。普通なら疲れが残っている筈だが、スペシャルはそれでも4cm差の2着になるほどのタフな馬だった。クラシックこそセイウンスカイに2勝されているが、実はかなり強い馬だということがよくわかった。

 レース後、スペシャルに騎乗した武豊がウィニングランをやり、ガッツポーズをしていた。場内にいた人間はこれでスペシャルウィークが勝ったものだと思っていたが、確定の赤ランプが付くと、1着のところには「7」というグラスワンダーの馬番がともった。場内にどよめきがが走り、しばらくして的場コールが起き始めた。まるで95年の春天でステージチャンプ(2着)に騎乗したエビショーのガッツポーズのようだ(笑)。あの時も勝ったのは的場(ライスシャワー)だったし。どうも的場がG1勝つときは「幻のガッツポーズ」が起きるらしい。

 3着に来たのはこれまた、「疲れが残っているだろう」という理由で切らせてもらったテイエムオペラオー。この馬も惜しかった。ナイスネイチャ、ライスシャワー、エアグルーヴ、ステイゴールドなど何故か豪華メンバーがあつまる栄光の座にオペラオーが着いた。

 昨年の2着馬メジロブライトは5着。掲示板には載ったのだが、もっと頑張って欲しかった。昨年の3着馬ステイゴールドに至っては10着。パドックではよく見えたのだが、見事に沈んでしまった。

 実は実際馬券を買うときはグラスの単勝1点勝負にしようかとも思っていた。しかし、買った馬券は上にある通り見事に馬連で玉砕。グラスが勝つのなら単勝を買っておけば・・・。詰めの甘い、今年の私を象徴するような馬券の結果だった。レースとしては非常にすばらしい好勝負だったと思うが。

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