図らずも、私は「うつ病」を経験した事がきっかけで詞を書き始め、その詞に曲を付けて歌うようになり、去る6月18日大田区民プラザで、病気の経験から生まれた自作の歌とトークを多くの方に聴いて頂く初めての音楽会を開いた。テーマは「家族の絆」。母親として娘に残したい歌を中心にプログラムを構成した。中でも、24年前、まだ6歳だった娘に両親の離婚という重すぎる経験をさせてしまった一人の母が娘に向けて「よく乗り越えてくれたわね」という想いを綴った「きずな」は私の歌の原点である。 他に、かつての私と同じ病気で苦しんでいる方の心の安らぎになってくれればと、病気で眠れなかった時の事、不安に押しつぶされそうだった経験を元に作った「励ましの時」や、どんなに傷ついた心でも、幼い頃の「母」の温もりに包まれる時に人は癒されるだろうと信じて作詞作曲した「聞こえますか、お母さん」等10曲を歌った。
東京は小雨模様のこの日、百名を越える方達が出席されて、熱心にトークと歌に耳を傾けて下さり、会は盛況のもとに終わった。夫が毛筆で書き、大田区民プラザの入り口に立てた「『うつ』をこえて ブーケ オブ メモアール〜歌はいつの日にも」の看板は、これからの私の音楽活動に更なるエールを送っているかのように思えた。
翌日、私のもとへ届いた手紙の一つには次のような言葉が添えられていた。「昨日は、素敵な歌の夕べをありがとうございました。本当に心のこもった歌は聴く者の胸に響き、その思いが伝わるものなのですね。安らぎのひとときを終え、気がつけば、かけがえのない"思いの花束"を手にして家路につきました。」
音楽会へご参加下さった方々、陰でこの会の為に、いろいろとお手伝い下さった方々、そして音楽会の後に、心温まる感想を寄せて下さった多くの方々へ、この場を借りて心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。 |