体はあんこで出来ていた・・・・・

血は砂糖

肉は小豆

ゆえに体はあんこで出来ているのだろう

 

 

正義の味方になると決心した時から良く見る夢だ

何を求めているのか、いまいち分からない夢だが、ひとつだけ言えるのは・・・・。

この夢が本当なら俺はセイバーに食われてしまうかもしれないと言うことだ!!

 

 

英霊エミヤそれが奴の真名だ

「衛宮士郎、私たちは正義の味方など目指すのではなかった。所詮はかなわぬ夢・・・・。その幻想にとらわれている貴様はここで死んでもらう」

そうかもしれない。けれど俺はそれを認めない。ならば言う事はひとつ!

「それでも俺は正義の味方を突き通す!!」

「良かろう、ならばその決意、私を倒して示して見ろ」

そして奴と俺との最初で最期の戦いが始まった・・・・

 

Interlude

私は今、衛宮士郎と対峙している

奴は解っていない

このまま正義の味方を貫くことによって、自分の目指した正義の味方と言うものとかけ離れた姿になってしまうと言う事を・・・・・

だから私はここで奴を止め、この因果律を止める

残された凛とセイバー、藤ねえは、悲しむと思うが・・・。しかし、このまま、あいつが正義の味方を貫くことによって与えられる、苦痛に比べればどうということもなかろう

ゆえに、私はここで奴を止めなくてはいけない

「私にはもうあまり時間が残されてないのでね。即急に決着をつけさせてもらおう」

「何!?こう言うときは、もっと時間をかけて俺があんたに近づくまで永遠と戦い続けるのが常識だろ!?」

こっちだってそんなに急いで戦いを終わらせたくはない。俺がどれだけの時間待っていたと思ってるんだ!

だが、ここで仕留められなかったもともこうもない。

即急に勝負をつける。

「体はあんこで出来ている・・・・・」

奴の言葉を無視して私は呪文を唱え始めた

Interlude out

な!?

やつはいきなり固有結界を出す気か!

こっちも固有結界を出さないと確実にやられてしまう

というかなんで俺も固有結界が使えるんだ!?

そんな疑問を無視し、俺たちは呪文を唱える。

「体はあんこで出来ている」

奴が唱える呪文を追唱する。

自分の呪文が分からない中、俺には、あいつの呪文を追唱するしかない。

「血潮は小豆で、心は砂糖」

「血潮は小豆で、心は砂糖」

2人の魔力が

「「いくつもの商品になり、

ただ一度の未封もなく、

           ただ一度の完食もなし」」

終わりを待てぬように周囲を取り巻く

「「食らい手はここに孤り、

      あんこの丘で小豆をつぶす」」

だんだんと周囲に甘い香りが

「「ならばわが生涯に意味は下要ず」」

漂ってくる・・・・

真名を口にする瞬間

何もかもが砕け、あらゆる物が再生された

炎が走る火は壁となり境界を作り、世界を一変させる

後には荒野、無限のあんこ入り物品が陳列するあんこの丘だけが広がっていた

その名を

「この体は、

無限のあんこで出来ていた」

「この体は、

きっとあんこで出来ていた」

アンリミテッド あん ワークス

生涯を正義の味方としてすごし手にいれた唯一の答え

「まさかついてこれたとはな、驚きだ」

「ああ・・・、俺も驚いている。しかし何故俺たちの心の中にはあんこの丘なんだ?普通は剣の丘とかだろ」

いや本当、こんなものが、俺の心の風景なんて認めたくない・・・。

「く、それをお前が言うか。いいだろう。最期に教えてやる。何故あんこの丘なのかを」

俺はきっと、

「そのわけは・・・・」

「そのわけは?」

それを聞いてはいけなかったんだ・・・。

「あんぱ○マンを見て、“あんこが無いと正義の味方になれない”と思い込んでしまったからだ!」

「マジっすか!?」

真剣な戦いの間なのに素で聞きなおしてしまいました。

「お前はまだ分かっていない。これがどんな事なのか。この先、お前は、友を捨て、家族を捨て、住処までもを捨て、愛と勇気だけを友達に生きる引きこもり人生を送る事になるのだ」

アーチャーは血の涙を流しながら語っている。

当たり前だ。俺だってそんな話聞くだけで涙が出そうだ。

「そ、そんな。」

「しかし、ここでお前が考えを改めるなら、そんな未来は来ない。だからここで幻想など捨てて全うに生きるのだ!」

郵政民営化は絶対ですと言ってる小泉総理並みに熱弁するアーチャー。

気持ちは分からないでもない。

やつの言っている事はただしく聞こえる・・・・。しかし、俺はそれを認めるわけにはいかない。だって、俺がここであきらめたら、セイバーや遠坂に申し訳が断たない。

それに俺はあいつがキライだ。

だから

「俺はあきらめない。俺はお前にはならないし、最期までその道を突き進む!」

「く、やはり私とお前は所詮相容れない存在か・・・・ならば、この永遠に続くかと思われた運命の連鎖に、決着をつけるとしよう」

アーチャーは、右手に黒あん、左手に白あんを持ち構えながら言った。

まじめな所悪いが、どう控えめに見てもかっこ悪いぞ。

口には出さないがな。

「ああ、俺とお前は所詮違う存在だ。存分にやりやってやるよ」

俺もシリアスだと自負する台詞をはきながら、アーチャーと同じ物を構えた。

格好つかないなぁ・・・・。

あ、涙が出てきた・・・。

「良かろう。ならば満腹で腹を満たされ死ぬが良い!」

俺の心情を知ってか知らずか。

問答無用で攻撃は開始された。

ドンドンドンドンドンドン

奴の周りからアンパンやアンマン、アンドーナツなどあんこの入った商品が俺の口に向かって飛んでくる

ドンドンドンドンドンドン

俺も負けじと奴の口に大福や大判、たいやきを飛ばす

二人とも吹っ切れたような

そんな熾烈を極めた戦い

周りには、あんこの甘いにおい

臭いだけで、吐き気をもよおしそうだ・・・

そして、すでに奴も俺も限界に来ていた

次で勝負がつく

奴もそれが分かってるのだろう

「く、まさかここまでやるとはな!しかし、最期に勝つのは私だ!」

「ほざけ、勝つのは俺だ!」

ドンドンドンドンドンドン

奴と俺のぜんざいが交際し互いに飛びかかろうとしたその時

黒い影があらわれ

バクゥ!!

「「!!!!!!?」」

俺たちのぜんざいを一瞬のうちに食べてしまった

「誰だ」

一度展開したこの結界に入って来られるものなどいるはずが無い

「この程度ではまったく足りません」

しかし何故彼女はここにいるんだ?

「お構いなく、貴方たちの戦いに関与する気はありません」

シュタッ!

そう言うと彼女は凄い勢いで回りにある商品を食べ始めた

「「・・・・・・・」」

まさか空腹のあまり結界内に入ってくるとは思わなかった・・・・

さすが腹ペコ王

食欲で誰も破れない結界を破って入ってくるとは・・・

呆然とする俺たち・・・

周りにあるものすべてを食いつくし

みるみるはなれていく腹ペコ王

「衛宮士郎!一時休戦だ。彼女を止めるぞ!」

先に立ち直ったアーチャーが俺にそう提案を出してきた

「え、何を言ってるんだ。別に気にしないでもいいだろう」

まだあっけにとられている俺。

「いいわけがあるか!彼女がこの空間にあるすべてのあんこを食べてみろ!我々は廃人と化すぞ」

「なんだって!?」

凄く焦った顔で言われ動揺する。

「忘れたのかここは我々の心の中を具現化した空間だ。それを食い尽くされるいうことは心を食い尽くされるということなんだぞ!」

「しかし、無限にあるこのあんこを食べつくされる事なんてあるのか!?」

そうさ。

食い尽くされる事なんてあるわけがない。

「ばか者!お前は忘れたのか!?彼女の食欲を、しかも無限ではなくほぼ無限だ。所詮は我々の作り出しているもの。何時か限界は来る。加えて彼女は彼女の3日分を食う気でいる上に、お前のサーヴァントだった頃をはるかに凌ぐ全開状態だぞ」

!!!?

それはヤバイ早く止めないと

あの腹ペコ王ならすべてを食い尽くさないといい切れない

死ぬのはまだいいが、さすがにそんな情けない理由で廃人にはなりたくない

「わかった。一時休戦だ。しかし、一時だぞ。セイバーを止めたら決着をつけるぞ」

「もとよりそのつもりだ。ついて来い」

そう言うとアーチャーと俺はセイバーの向かった方向へと走っていく

 

数分後

俺とアーチャーはセイバーに追いついた

「ハァハァハァハァ。何とか追いついたが・・・」

周りは散々な状態だった

「まさかこんなに速いペースとはな。私も正直驚いているぞ。これほどとは・・・・」

結論を言うと

セイバーはすでに丘の半分を食べ干していた

「衛宮士郎。2人がかりで抑えて外に押し出すぞ」

「わかった」

認めたくは無いがさすが本人同士。息のぴったり合ったコンビネーションでセイバーに襲いかかる。

「「セイバー覚悟!!!!」」

声までハモっている

しかし

「邪魔をしないでくださいシロウ!!」

「「なっ!!?」」

突然の強風

凄い勢いで俺たちは吹き飛ばされた

舞い狂う風

振り向く腹ペコ王

「いくらシロウでも私の食事を妨害するのなら容赦はしません」

ほとばしる光り

らんらんと輝く金色の瞳

セイバーさん・・・黒セイバーさんになってますよ・・・・

「少し寝すんでいてください」

「まっ、まて、話せば解る!」

ふり上げられる黄金の剣

ああ、もう無理だよアーチャー。

「約束された・・・・・」

ほとばしる魔力の渦

あれはもう止められない・・・・

「分かっているはずだアーチャー。ああなった彼女は誰も止められない」

そう止めるすべなんて無い

今まさに降り下げられんとする死への道しるべ

「よかったなアーチャー。お前の望みはかなえられる」

「俺の望みは廃人になることじゃ無い!!!!」

素に戻って叫ぶアーチャー

でももう遅いんだよ・・・

あれはどうにかなる物じゃ無い

「勝利の剣!!!!!!!」

放たれた瞬間

まばゆい光に包まれ

その最中

「食べ物の恨みは恐ろしいということだ・・・・・」

そんな事を無意識につぶやき

消え行く意識の中で

もし生きていても

もう二度と

意識は戻らないだろう事を悟った・・・・

                               Ded End

 

 

 

 

タイガー道場41回目

 

 

「始まりましたタイガー道場41回目!!!」

「師匠~。タイガー道場は40回で終わりじゃなかったんすか?」

バコンつ!!!!!

「い、痛いです師匠・・・・・」

「言ってはならぬことをいったからじゃブルマ娘」

「き、気を取り直して、今回の死因はなんすか?師匠!」

「うむ、今回の死因はズバリ、セイバーである!」

ボソ

「そんな事は分かってるよ・・・・タイガー」

ガオゥーーーーーーー

「虎って言うなぁ!!!!!!!!!!!」

バコンっ!!!!

「スイマセン師匠、しかし二度同じとこは、かなり痛いです」

「案ずるなブルマ。」

「その声は、先輩!!!おひさっす!」

「本当の事を言われて動揺しただけだ」

「しかし、先輩いたいのは痛いっす・・・」

「私をのけ者にするなぁ~」

バコン!!!!

「ううう、本編とえらい扱いの違いっす・・・・助けてシロウ~」

「ふ、シロウは助けに来ないよ。なぜならここは士郎が死ぬかやばい目にあってないと来る事が無い場所だからだ!!!」

「威張ることじゃないだろ虎。そんな事みなが知ってる」

バコ~ン!!!!!

「虎って言うなぁ~」

「せ、せんぱ~い」

「さ、気を取り直して、今回のエンドの回避方法は・・・・」

「久々だからって引き伸ばしすぎ・・・・」

バコン!!!

「四回目とは・・・・真記録達成じゃないっすか師匠・・・・・」

「おめでとう弟子一号。で、結論から言うとこのエンドの回避方法はありません!!」

「え~。それじゃあ絶対にここに来る事になるじゃないっすか!」

「そこは仕様だから仕方ないのだ。まず“体はあんこで出来ている”の時点で間違えなのだ!」

「じゃあ根本からやり直さないといけないって事っすか?」

「そういうこと。腹ペコ王のセイバーちゃんの前で、体はあんこで出来ているなんていった日にはこうなる事は予想されていた既成事実です!」

「既成事実の使い方間違ってるような気がするけど・・・」

チラ

「あぁ~。し、師匠の言う通りっす。使い方は間違っていないっす。だからそれだけは・・・!」

「分かればよろしい」

「ふぅ。気を取りなおして。このシナリオを見た時点で、ここに直行になるってことっすか?」

「そう!!大体からだがあんこで出来ているなんてふざけるた事を考える士郎が悪い。お姉ちゃん悲しいぞ」

「まあ確かに考えはおかしいっすね・・・」

「そう、だからこれのエンドは防ぎようが無かったって事だね」

「じゃあここに来る意味無いじゃないっすか!」

「????なんで~?」

「だってここヒントの部屋っすよ?戻って選択をし直してくださいって事すらないなんて、存在意義ナッシング」

「は!!だ、大丈夫、タイガー道場を楽しみにしている人だっているはずだから」

「そんな人いるかなぁ」

「いるもん。私に会いたいって人はたくさんいるはずだもん」

「いや、タイガに会いたいって人はいないでしょ。ルートの原案すらも無い人だし」

「人が気にしている事を平気で言うなぁ~!!!!」

ドゴ~ン

                  完