「食うか!」

もちろん俺は即答した。

「そうですか。まあ無理強いはしません」

そういうと、またカレンは黙々と混沌に挑み始めた。

その光景を、ただただ、あきれながら俺たち三人は眺め続けた。

 

翌日

夕食のシチューを、カレンの使っていた皿に入れ藤ねえに食わせたところ。

「いただきまぁぁぁぁす・・・ぶふぁぁぁあああ」

一口目でシチューを噴出した。

何事か、と藤ねえに駆け寄ると、

「シチューが、シチューが物凄くから・・・ガクッ」

とだけ残し気を失った。

よく洗ったにもかかわらず、トラを仕留めるとは・・・・。

恐るべしマーボー!

 

 

ちなみに後日、例のあの店から、満足そうな顔で出て来るカレンを見たのは言うまでもない。

 

トラ Bad End

 

 

出張!タイガー道場

「うぉぉぉぉん、うぉぉぉぉん」

「どうしたんっすか、地下牢に閉じ込められた化け物みたいに泣いて」

「わたしが、私がかわいそう過ぎると思って泣いてるの」

「あ〜。今回は悲惨でしたね師匠」

「悲惨すぎよ〜。なんで、何で私が士郎のとばっちりを受けないといけないのよぉぉぉ」

「運命からは逃れられないっす」

「運命から逃れる方法はないの!?」

「そんなもの・・・・ないっす!」

「そんなの、そんなの嫌だぁぁぁぁぁぁぁ・・・。って、ここはその運命を変えるためのヒント部屋じゃないの?」

「ちっ、気がついたか(ボソ・・・・」

「いま。ちっ、気がついたか、って言わなかった?」

「気のせいっす!」

「即答!?」

「今回のエンドの回避方法は・・・」

「スルー!?」

「もう、がたがたうるさいっすよ?」

「す、すいません。ってなんで謝ってるの私!?」

「気にしない。気にしない」

「くぅ、いつもどおりやり込められた感が抜けないけど。ちゃっちゃと進めちゃいましょう」

「本当、単純すぎてステキっす」

「お褒めの言葉ありがとう。で、今回のエンドの回避方法は?さっさと教えなさい」

「何気に必死っすね」

「そりゃあ、自分のことだからね。必死にもなるわ」

「ここは教えないという手も・・・」

バコンッ!

「す、すみませんでした。ちょっと調子に乗ってました」

「うむ」

「そろそろ時間もなくなってきたし、さっさと言うっす。今回のエンドの回避方法は・・・」

「方法は?」

「カレンに完食させなければいいっす」

「え〜と、具体的には?」

「そこまで聞くんすか!?まあいいっす。具体的には、自分で食べるか誰かにぶつけるかしたらいいんすよ。

というか、ぶっちゃけ、この選択肢以外を選べばいいっす」

「ぶっちゃけすぎだぁぁぁぁぁ!!」

バコォォォォォォォォン!!!!

 

 

 

 

後書き

いちばんまともで、且つ被害者が最も少ないと思われる話しです。

当初はこの話一本でした。