Interlude
彼はエゲーの主人公になりたかった。
それも並みのエゲーの主人公ではない。
ハーレムを築けるほどの主人公になりたかった。
そして、彼は悩んだ。どうすれば、自分の夢がかなうか。夢へ向かう道を彼は欲した。
そして彼は自分の義父に目をつけた。
義父は、あり得ないほどもてる人物だった。
その秘密を探ろうと、何ヶ月もの間、義父の傍に張り付いた。
その結果、原因を知る事は出来なかった。
彼の濁った目には物事の本質を見抜く力はなかった。
だから率直に聞いた。
「もてるにはどうしたらいい!!」
「う〜ん。もてないから、分からん!」
義父は鈍い人間だった。自分がもてている事にすら気がついてなかった。
彼は行き詰った。進むべき道が見つからない。どうすればいい?
そんな彼に、進むべき道を与えてくれたのは1本のアニメだった。
そのアニメの主人公は、彼の義父と同じ、正義の味方みたいだった。
彼は正義の味方なんてうそ臭いとしか思ってはいなかった。
しかし、彼のそんな考えもすぐに消える事となった。
なぜならそのアニメの主人公は凄くもてていた。そして彼の義父ももてている。
「これだぁぁぁ!!!!」
彼は叫んだ。二人の共通点から、彼は、もてる秘訣は正義の味方にあると考えたからだ。
そして、その日から彼は正義の味方となるべく生きて行く事にした・・・・。
Interlude
 out
7
15日
おれはいったいどうしてしまったのだろう?
数日前までは、リアルなんていらん。2Dがすべてだ。と思っていた。
しかし、ここ数日、夢でロリに萌えろと言う声が聞こえる。何度それを否定しようと声は俺を攻め立て続けた。
7
17
イリヤがとてもかわいく見える。これはヤバイと思うほどだ。
本気で危険なので、イリヤには一時うちに近づかないように言った。
俺はまだ犯罪者にはなりたくない。
7
18
今日、あの聖杯戦争の時に遠坂のサーヴァントだったアーチャーが尋ねてきた。
なんでここに!?と思い問いただそうとしたが、彼の両手に持たれた物を見、思いとどまった。
両手の物を見て彼は敵では無いと悟ったからだ。
いや、むしろ同胞と言っても過言ではないだろう。
だって、彼の両手には、俺が欲しかった。そして見たかったマリ見ての、DVDBOXの入った袋が持たれていたのだから。
7
19
学校をさぼって2人でマリ見てとローゼンメイデンを、見た。
マリ見てを見、そして悟った。アヴァロンとは、このような世界の事を言うのだろうと言う事を。
アーチャー曰く、
「これは人類の宝。これを知らずに生きている人間などただ生きているに過ぎない。いうなれば生ける屍だ」
まったくその通りだと思った。
マリ見て春も全話見終わり、ローゼンメイデンに取りかかろうとしたとき、アーチャーが言った。
「この作品を見ることにより君は新たなる至福を得るだろう。そして君は自分の力のすばらしさを改めて知る事になるだろう」
まったくその通りだった。
いままでフィギュアとはただ飾って楽しむものだと思っていた。そうやって楽しむのが一番いいのだと思っていた。
しかし、違った。彼女らの美しさを最大に活かすには、彼女らに命を吹き込むことだったのだ。
今までの俺は中身のないただのフィギュアで満足していた。しかし、それではダメなのだ。
もっともっと精進し、ローゼンメイデンのお父様と呼ばれる彼女らを作った存在と同じ次元に登り詰めたい。
そして、俺に進む道を示してくれたアーチャーは、まさに尊敬に値する存在だった。
7
20
今日はアーチャーに頼みごとをした。
前々から考えてはいたが、俺の能力では不可能な事。
そう、少女たちの生着替え盗撮である。
犯罪なのは分かっている。しかし、しかし!
この思いはもう止められない。
思いだけならば実行しようとしなかっただろう。
力だけならばこのような事を思いつくこともなかっただろう。
しかし!!両方持ってしまえば実行せざるおえない!
そんな俺の気持ちを汲み取ってくれたのだろう。
アーチャーは快く引き受けてくれた。
俺は本当に感謝した。友よありがとう。
俺は、アーチャーに今日の作戦を伝えた。
「うむ、了解した」
アーチャは、任せろとでも言うような表情で答えた。
なんて頼もしい。
そして、彼は戦いに赴くため玄関の戸を開け・・・・立ち止まった。
「ん?どうかしたか?」
「士郎。一つ確認していいかな?」
俺に背中を向けながらアーチャーは言った。
「いいぞ、なんだ?」
「ああ、撮るのはいいが、別に着替えた服を盗んできてもかまわんのだろ?」
そんなとんでもない事を口にした。
「アーチャー。お前・・・・」
俺は一瞬驚いた顔をしただろ。だって俺には、恐れ多く、とてもじゃないが、口に出来る台詞ではない。
しかしすぐに俺は、サムズアップをし、にやりと笑いながら答えた。
「ああ、遠慮はいらない。思う存分取って来い。アーチャー」
そう、それが戦場に赴くアーチャーへ対する最大の賛辞。
「そうか。ならば期待にこたえる事にしよう」
アーチャーもニヤリと笑いながら答え走り去って行った。
その背中はとても遠く、大きく、俺の目指す、憧れの背中だった・・・・。