「マクラッケン夫妻の二重唱集」について(493、494&504頁)


訳注で「詳細不明」とした上記の録音につき、芳岡正樹さんからデータを教えていただきました。
いただいたメールから転載させていただきます。

  SXL6144 Operatic Duets by McCracken/Warfield
  (Samson and Dalilah,Otello,Carmen,Aida)
  ROHCG/Downes

  「THE DECCA BOOK OF NUMBERS(Niel Ellingham著)」によると、
  このSXL6144という番号のLPは1965年に発売され、
  1970年まではカタログに残っていたようです。

さらに驚いたことには国内盤(邦題「愛と情熱の二重唱」)もあったそうで、

  @サン=サーンス:《サムソンとダリラ》〜二重唱(カタログ表記のままです)
  Aヴェルディ:《オテロ》〜すでに夜もふけて
  Bビゼー:《カルメン》〜私はあなたのために踊るは
  Cヴェルディ:《アイーダ》〜ラダメスをここへ
  ジェームズ・マクラッケン(T)サンドラ・ワーフィールド(S)ダウンズ指揮
  キング(ロンドン):SLC1427(1965年7月発売)

録音時期については、ロストロポーヴィチとブリテンの盤の後とするカルショーの記述から、1964年7〜8月頃と推定されます。
指揮者とオーケストラは、奇しくも「パヴァロッティの45回転盤」と同じダウンズ&コヴェント・ガーデンというのが、なんというか皮肉な感じでいいですねえ。
それにしても国内盤が1965年7月発売とは、イギリス盤発売からあまり間をおかずに出たのではないでしょうか。

なおマクラッケンの妻サンドラ・ワーフィールドは1929年カンザス生まれ、現在の存否は不明ですが、少なくとも2000年までは存命でした。マクラッケンとともにチューリヒの歌劇場に属し、ダリラが当たり役だったそうです。

なお通常メゾソプラノとされる声種が上記の引用ではソプラノとなっており、また「ワーフィールド」よりも「ウォーフィールド」の方が原発音に近いかとも思いますが、ここでは2点とも、発売当時のレコード芸術「洋楽レコード総目録」の記述のママとしておきます。

芳岡さんありがとうございます。