山崎浩太郎

 「はんぶるオンライン」の作者、山崎浩太郎です。
 一九六三年東京生まれで、クラシック音楽についての文章を書くことを生業としています。
「演奏史譚」と名乗っています。

・はんぶるとは
 一九九〇年代の大型レコード店全盛時代に、HMV各店で配布してもらっていた、フリーペーパーのタイトルを継承しています。同時期に、月刊誌『レコード芸術』でのHMVの広告ページに書いていたコラム――この仕事を始めるきっかけになったもの――も、「はんぶる・あうふたくと」とか「はんぶる・ドットこらむ」とか、この名前を使っていました。
 由来は特にありません。HMVに響きが似て、語呂が好きという程度で選んだ言葉です。しいていえば、子供の頃耽読した田河水泡の漫画『のらくろ』に登場する、主人公のらくろと士官学校での同期生だったキャラクター、半分ブルドッグのハンブルから、でしょうか。

・文章の仕事
 月刊誌「音楽の友」と「モーストリー・クラシック」に毎号寄稿しています。フリーペーパー「ぶらあぼ」やムック、公演プログラムやCDのライナーノートなども、声がかかれば執筆します。これらは電子版も増えています。
 日経新聞には月一回の頻度で演奏会評を主に書いています。
 単行本は自著が四冊、共著が二冊、翻訳が二冊あります(拙著紹介をご覧ください)。

・インターネットの仕事
 webサイトでは『レコード芸術ONLINE』に月評を主に書いています。
 ほかに『ONTOMO』と『ぶらあぼONLINE』にも、アーティストのインタビューや公演紹介などを、随時書いています。

・講座の仕事
 朝日カルチャーセンターの新宿教室にて月一回、「名指揮者の歴史的名演奏」という、教室でもオンラインでも自由に受講できる講座を担当しています。ここでは、片山杜秀さんとの年末回顧の講座も毎年の恒例となっています。
 そのほか、各所で単発的な講演を行なうことがあります。

・肩書について
 「演奏史譚」を名乗っています。拙い造語で恐縮ですが、演奏の歴史物語、という意味です。
 あくまでも史実に即して書くものであり、作り話はしません。しかし、厳密に学問的な態度ではなく、推論も自由に挿入します。そこで「演奏史」とはせずに「譚」をつけました。
 とはいえ、フリーランスなので公的な肩書ではありません。仕事をくださる方が内容に合わせて、それぞれのイメージでわかりやすく、自由に肩書をつけてくださればよい、と近年は考えています。
 そのため、音楽評論家や音楽ジャーナリストなどの肩書になっていることも多くあります。税務関係の用語では「文筆業」です。

・縦書きのこと
 すべてが縦書きであるべきとまでは思いませんが、印刷物と同様にコンピューターの画面上も、縦書きと横書きが共存するのが望ましいと、個人的には思っています。
 とはいえ、このサイトを始めた二十年前とは、時代が大きく変わりました。
 生活に欠かせぬものとなったインターネットでは、ほぼすべてが横書きです。縦書きの文章をほとんど読んだことのない若い世代も、増える一方と思います。
 私自身も、このサイトと併用しているフェイスブックのページはもちろん横書きですし、webサイトの仕事も次第に増え、そのために初めから横書きで原稿を書くことが多くなってきました。このサイトで使用している縦書きの画像も、もはやアナクロでありましょう。
 しかしそれでもなお私は、日本語の長文を読むには縦書きが向いており、横書きはあくまで短文向きであることは、これからも変わらないと思っています。そして何よりも縦書きの文章には、ある種の「品」があると感じます。
 私たちが箸とフォークを自由に使いわけるように、縦書きと横書きを簡単に切り替えられるような操作性の実現を、今でも願っています。
                                         (二〇二五年一月一日改訂)