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気になったディスク、または「達成された浪費の記録」
・2013.12.31 以前の掲載分
Meditations: Oboe & Harp at the Opera
Brod, Donizetti, Godard, Honegger, Ibert, Massenet, Pasculli, Schubert, Wagner
Céline Moinet (oboe & english horn) & Sarah Christ (harp)
2013.5
[Harmonia Mundi HMC902175]
 1984年リール生れのフランス人で、2008年からドレスデン国立歌劇場のソロ・オーボエをつとめるセリーヌ・モワネの第2弾。デビューとなった前作「ソロ・オーボエ」が素晴らしい出来だった。
 今回はハープと共演して、オペラの一節やそのメロディによる幻想曲など11曲。共演のサラ・クリストは、ベルリン・フィルのヴィオラ奏者だったヴォルフラム・クリストの愛娘。(2013.12.31)
 
戸田邦雄: 合奏協奏曲「シ・ファ・ド」
山本直純: 和楽器と管弦楽のためのカプリチオ

日本フィルハーモニー交響楽団、他
下野竜也(指揮)
2012.7.14 サントリーホール
[日本フィル協会 JPS-48CD]
 「日本フィル・シリーズ」で初演された作品を再演するコンサートでのライヴ録音。このシリーズは、1958年に渡邉曉雄の発案で始まった邦人作曲家への委嘱活動。
 この再演では山本直純の作品が特に話題になった。1963年初演で、筝、三味線、尺八、邦楽打楽器、竜笛の和楽器、そしてドラムスとギターがオーケストラと共演する、この作曲家ならではの快作。
 演奏会を聴きにいけなかったのを悔やんでいたが、こうして自主制作盤が出ていた。2月に発売されていたものだが、ミュージックバードの年末番組で片山さんに教えていただくまで、存在に気がつかなかったディスク。(2013.12.24)
 
Fiori Musicali Triberg
Vivaldi, Telemann, Sammartini, Biber, Bach, Händel, Stamitz, u.a.

Barockensemble der Wiener Symphoniker
Christian Birnbaum
2005-2010 Wallfahahrtskirche "Maria in der Tanne" Triberg
[Solo Musica SM190] (6 CDs)
 ウィーン交響楽団の楽員によるウィーン交響楽団バロック・アンサンブルは1989年結成、楽団コンサートマスターのクリスティアン・ビルンバウム(1964年生れ)の指揮のもと、モダン楽器によるピリオド奏法で演奏している。
 この6枚組は、かれらが2005年から毎年招かれている、ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト内の町、トリベルクの巡礼教会(1705年完成)でのコンサートのライヴ録音。派手ではないが、中小都市の教会に息づくバロック演奏の一例として、聴いてみる。(2013.12.23)
 
Schreker: Die Gezeichneten
Anja Kampe, Robert Brubaker, Martin Gantner, James Johnson, Wolfgang Schöne
LA Opera Orchestra and Chorus
James Conlon
2010 LA Opera
[BRIDGE 9400A/C] (3 CDs)
 「頽廃音楽」の作曲家、シュレーカーのオペラのなかでも、比較的上演と録音の機会の多いのが、この《烙印を押された人々》。
 これは2010年ロスアンジェルスでのLAオペラ公演のライヴで、ヒロインをアニャ・カンペが歌っているのが楽しみ。指揮のコンロンはこの団体の音楽監督をつとめている。(2013.12.20)
 
Mozart: Le nozze di Figaro
Simone Kermes (Contessa), Andrei Bondarenko (Conte), Christian von Horn (Figaro), Fanie Antonelou (Susanna), Mary-Ellen Nesi (Cherubino)
MusicAeterna Orchestra
Teodor Currentzis
2012.10 Perm
[SONY] (3 CDs)
 鬼才と呼ぶにふさわしいギリシャ出身の指揮者、クルレンツィス(1972年生れ)が新たにソニーと契約、手兵ムジカエテルナ管弦楽団を指揮してモーツァルトのダ・ポンテ三部作を発売することになったという、嬉しいニュース。
 第1弾がこの《フィガロの結婚》で、クルレンツィスが芸術監督をつとめるロシアのペルミ歌劇場で、現代では異例の11日間をかけてセッション録音された。
 伯爵夫人を歌うケルメスは、ALPHAから出たモーツァルトのレクイエムでもすでに共演しており、続く《コジ・ファン・トゥッテ》でもフィオルディリージを歌っているという。その《コジ》は2014年秋、《ドン・ジョヴァンニ》は2015年秋発売の予定。
 クルレンツィスはこのほか、すでに2012年6月に『ラモー・ガラ』をソニーに録音しているそうで、その発売もとても楽しみ。(2013.12.18)
 
Concerto Köln live - Karneval anno Dazumal
Vivaldi: Bajazet-Ouvertüre
Campra: La Carnaval de Venise
Telemann: Ouverture Burlesque B-Dur Twv 55:B8, Ouvertüre Es-Dur Twv 55:Es1, Ouvertüre E-Moll "l'omphale" Twv 55:E8, Ouvertüre G-Dur "la Putain" Twv Anh. 55:G1, Ouvertüre C-Dur "hamburger Ebb' Und Fluth" Twv 55:C3 (Auszug)
Turacciolo / Stötzel: Heidewitzka

Concerto Köln
Erwin & Lisa Grosche (Sprecher)
Live-Mitschnitt des Kinderkonzerts
2012.2.12 Philharmonie Köln
[Berlin Classics 0300555BC]
 1985年の結成以来、四半世紀をこえて活動するコンツェルト・ケルンの、「子供演奏会」のライヴ録音。「昔々のカーニヴァル」と題し、タレントのグロッシェの語りをまじえ、ヴィヴァルディ、カンプラ、テレマンなどの作品を取りあげている。コンサートマスターは佐藤俊介。(2013.12.16)
 
Beethoven: Complete Piano Concertos
Bernd Glemser (piano)
Duisburger Philharmoniker
Bruno Weil
2003.4.9-12 Duisburg
[MDG 601 1226-2] (3 CDs)
 ベルント・グレムザーとブルーノ・ヴァイル指揮デュースブルク・フィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。グレムザーは1962年生れのドイツのピアニストで、NAXOSやOEHMSに広範囲なレパートリーを録音している。このセットは2003年制作だそうだが、10年後の今になってなぜか再び登場。
 すでに聴くことができたが、ヴァイル指揮のオーケストラ(モダン楽器)が、リズムの弾力と気迫において素晴らしい。ピアノは音色にもう少し変化があれば…。すべてライヴ録音で拍手入り。(2013.12.13)
 
Ravel:
 Gaspard de la Nuit
 Le Tombeau de Couperin
 Valses nobles et sentimentales

Jean Frédéric Neuburger (piano)
2013.5 La Ferme de Villefavard
[Mirare MIR232]
 ヌーブルジェの新作はラヴェル作品集。この人のスタイルにもぴったりの作曲家と思うので、楽しみ。(2013.12.08)
 
Corelli: Violin Sonatas opus V Vol I
Imaginarium Ensemble
Enrico Onofri (Violin & Direction)
2012.10 Crema, Italy
[Passacaille 988]
 バロック・ヴァイオリニストのエンリコ・オノフリとイマジナリウム・アンサンブルの新作は、没後300年のコレッリ。作品5のヴァイオリン・ソナタ集から6曲を演奏している。
 共演はチェロのパルメリなど、オノフリが信頼するメンバー。いつもはヴァイオリンのアレッサンドロ・タンピエリが多芸ぶりを披露して、アーチリュートを担当しているのが愉しい。
 ところでそのタンピエリがヴァイオリンをひいて、アコーディオンのデッラローレと組んだデュオ、インコエレンテ・デュオの『とても遠く、とても近く』というアルバムも、最近出たばかり。(2013.12.05)
 
Haydn: Londoner Symphonien No. 99, 101, 100
 Symphonie No. 99 Es-Dur
 Symphonie No. 101 D-Dur „Die Uhr“
 Symphonie No. 100 G-Dur „Militär“
Cappella Coloniensis
Bruno Weil
2012.9 & 2013.2 Alfred Krupp Saal der Philharmonie Essen
[Ars ARS38063] (SACD Hybrid)
 日本では地味な存在だが、いまも古典派作品の録音で、とてもいい仕事をしているブルーノ・ヴァイル。カペラ・コロネンシスとのロンドン交響曲集第3弾。(2013.11.30)
 
CPE Bach: Württemberg Sonatas
Mahan Esfahani (harpsichord)
2013.1 Henry Wood Hall, London
[Hyperion CDA67995]
 マハン・エスファハニは1984年生れのイラン系アメリカ人のチェンバロ奏者。現在はロンドンを拠点に活動している。
 今年6月4日に東京文化会館小ホールで行なわれた来日公演が、ピリオドとモダンのチェンバロを併用、チェンバロ演奏の歴史をふり返る形になっていて、とても面白かった。ソロのCDでの登場は嬉しい。曲はカール・フィリップ・エマヌエル・バッハが1744年に出版した、6曲からなる《ヴュルテンベルク・ソナタ》集。(2013.11.28)
 
Wagner: Götterdämmerung
Lance Ryan (Siegfried), Petra Lang (Brünnhilde), Matti Salminen (Hagen), Edith Haller (Gutrune), Markus Bruck (Gunther), Marina Prudenskaja (Waltraute), Jochen Schmeckenbecher (Alberich), Susanne Resmark (Erste Norn), Christa Mayer (Zweite Norn), Jacquelyn Wagner (Dritte Norn), Julia Borchert (Woglinde), Katharina Kammerloher (Wellgunde), Kismara Pessatti (Flosshilde)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2013.3.15 Berliner Philharmonie
[Pentatone PTC5186409] (4 Hybrid SACDs)
 この《神々の黄昏》で、ヤノフスキとベルリン放送交響楽団による「バイロイト・テン」、《オランダ人》以後の10作品録音プロジェクトがついに完結。
 10作品を商業録音した指揮者はこれまでにショルティとバレンボイムの2人しかいないが、起用したオーケストラはいずれも複数だった。単独の指揮者&オーケストラとしては、今回が初の偉業となる。来年の「東京・春・音楽祭」の《ラインの黄金》も楽しみ。(2013.11.26)
 
Bratsche !
Hindemith:
 Sonate für Bratsche und Klavier op.11 nr.4
 Sonate für Bratsche allein op.25 nr.1
 Der Schwanendreher
 Trauermusik

Antoine Tamestit (viola)
Markus Hadulla (piano)
HR-Sinfonieorchester, Paavo Järvi
2012&2013 Frankfurt
[Naïve V5329]
 今年が没後50年のヒンデミットのヴィオラ作品集。フランスの若き名手タメスティ(タムスティではないと、本人に確認済み)が、ピアノ伴奏、無伴奏、管弦楽伴奏という3つの異なる編成の作品をひきわけている。
 すでに聴くことができたが、無味乾燥に聴こえがちなヒンデミットの音楽から、甘美さや激しさ、苦衷など、多彩な感情表現を自然に引きだしていて、本当に出色の1枚。 オーケストラがパーヴォ・ヤルヴィ指揮ヘッセン放響というのも魅力。(2013.11.25)
 
MIROIRS
Barber: Adagio pour cordes
JC Bach: “Ach dass ich Wassers genug hätte”
Chostakovitch: Symphonie de Chambre op.110a
Nicolas Bacri: Lamento
JS Bach: “Wie jammern mich doch die verkehrten herzen”

Malena Ernman (ms)
Ensemble Matheus
Jean-Christophe Spinosi
2013.4 Paris
[DG 4810648]
 ディスクではバロック音楽をメインとしてきたスピノジとアンサンブル・マテウスが、近現代曲とバッハ父子の作品を組み合わせてDGから初登場。新日本フィルの演奏会でも個性的で溌剌とした演奏を聴かせてくれるスピノジ、これを期に録音でも活動を広げてほしい。バルシャイ編曲の弦楽四重奏曲第8番が楽しみ。(2013.11.22)
 
Dukas:
 l'Apprenti Sorcier (1897)
 la cantate Velléda (1888)
 l'ouverture Polyeucte (1891)

C. Santon, J. Dran & J.-M.Candenot
Les Siècles
François-Xavier Roth
[Actes Sud ASM12]
 ロトとレ・シエクルの新作はデュカス作品集。初期作品が中心だが、《魔法使いの弟子》をピリオド楽器で聴けるのは楽しみ。(2013.11.20)
 
Beethoven: Cello Sonatas
Beethoven:
 Cello Sonatas Nos. 1-5 (complete) and 3 variations
 Horn Sonata in F major, Op. 17 (arranged by Beethoven)

Steven Isserlis (cello) & Robert Levin (fortepiano)
2012.12 London
[Hyperion CDA67981/2] (2 CDs)
 これもほんとうに楽しみなセット。ガット弦のイッサーリスとフォルテピアノのレヴィンの共演による、ベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全集。(2013.11.17)
 
Tchaikovsky: Piano Trio in A minor, op. 50 'In Memory of a Great Artist'
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, op. 32

Trio Wanderer
2012.11
[Harmonia Mundi HMC902161]
 常設のピアノ・トリオとして、息のあった、そして息の長い活動を続ける、フランスのトリオ・ワンダラー。ベートーヴェンの三重奏曲全集以来の新譜は、待望のチャイコフスキーにアレンスキーの組合せ。(2013.11.16)
 
Bruckner: Symphonie Nr.9 d-Moll
Berner Symphonieorchester
Mario Venzago
2012.9 Bern
[CPO 7777872]
 ヴェンツァーゴによるブルックナー交響曲全集の第5弾。前回の3&6番と同じく、ベルン交響楽団を指揮している。第1弾の4&7番のような爽快な演奏を期待しているが、いい意味でいつも予想を裏切るのが、この全集の面白さ。残るは5&8番。(2013.11.15)
 
My Violin Legends
František Drdla: Souvenir, Serenade, Jaroslav Kocian: Old Folks at Home, Serenáda D dur, Intermezzo Pittoresque, Jan Kubelík: Burlesque, Tenerezza, Ferdinand Laub: Polonéza, Saltarello, František Ondříček : Barcarole, Scherzo Capriccioso, Váša Příhoda: Romance Élégiaque, Otakar Ševčík: Český tanec č. 7 op. 10a, Pavel Šporcl: Česká nostalgie

Pavel Šporcl (violin), Petr Jiříkovský (piano)
2013.5 Praha
[Supraphon SU 4141-2]
 すでに聴くことができたが、1973年チェコ生れのヴァイオリニスト、シュポルツルによる素敵な1枚。コチアン、ドルドラ、ヤン・クベリーク、ラウプ、オンドジーチェク、プシホダ、シェフチーク、そしてシュポルツル自身、「弦の国」チェコ200年の伝統を彩ってきた大ヴァイオリニストたちの小品を集めた、素敵なアルバム。これまでのシュポルツルは録音で聴くと、響きがつねに強すぎる印象を個人的に感じていたのだが、これは強弱の呼吸のつけ方が見事で、歌心の豊かさが適度な粘着性とともに、嫌味なく伝わってくる。(2013.11.14)
 
JS Bach: Das wohltemperierte Klavier II, BWV 870-893
Christophe Rousset (harpsichord)
[Aparté AP070] (2 CDs)
 クリストフ・ルセによる、バッハの平均律クラヴィーア曲集第2巻の待望の録音。(2013.11.13) 
 
Beethoven: Piano Sonatas Vol.3
Nos.15 "Pastorale", 16 & 21 "Waldstein"

Jonathan Biss (piano)
[Onyx ONYX4115]
 ジョナサン・ビスのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集の第3集。前作の第2集やエリアス弦楽四重奏団とのシューマン&ドヴォルジャークの五重奏曲集がとても素晴らしい出来で、充実期を迎えていると思えるだけに、この第3集もとても楽しみ。(2013.11.10)
 
JS Bach: Brandenburgische Konzerte 1-6
Dorothee Oberlinger (recorder), Hille Perl (viola da gamba), Hofkapelle München, Rüdiger Lotter
2013.2 München
[DHM 88765477882]
 ミュンヘンのピリオド楽器アンサンブル、ホーフカペレ・ミュンヘンによるブランデンブルク協奏曲全曲。リュディガー・ロッターがヴァイオリンと指揮を兼ねている。オベルリンガー(オーバーリンガー)とヒレ・パールが参加しているのが魅力。
 バロック・ヴァイオリン奏者としてもディスクが何枚かあるロッター、これまでは発売元が、音質がどうも苦手なOEHMSだったので敬遠していた。しかし今回はヒレ・パールがいるためかDHMでの発売なので、聴いてみる。 (2013.11.08)
 
Paganini Fantasy
Paganini:
 Capriccio n. 5 in la minore
 Concerto per violino e orchestra n. 1, in re maggiore, op. 6
 Cantabile in re maggiore, op. 17
 Capriccio no. 11 in do maggiore
 Sonata No. 12 in mi minore op. 3-6
 Introduzione e variazioni sul' Mosè' di Rossini
 Capriccio no. 24 in la minore ("La marcia")

Nemanja Radulović (violin)
Orchestra Sinfonica Nazionale Della RAI
大植英次
2013.5 Paris
[Deutsche Grammophon 4810655]
 大好きなヴァイオリニストの一人、ネマニャ・ラドゥロヴィチの新譜はDGから、メジャー・レーベルへのデビュー盤となるパガニーニ作品集。この人ならではの、俊敏鮮烈に躍動する演奏を期待。(2013.11.05)
 
Christoph Pregardien singt Orchesterlieder von Mahler & Rihm
Mahler: 6 Lieder aus "Des Knaben Wunderhorn"
Rihm: Lieder nach Rainer Maria Rilke: 4 Gedichte für Singstimme und Orchester
Mahler: Lieder eines fahrenden Gesellen

Christoph Pregardien (tenor)
Bochumer Symphoniker
Steven Sloane
2011.9.26-29 Ruhrkongress Bochum
[CPO 777675]
 深く、燻銀のように暗く輝く声を持つプレガルディエンが、オーケストラ伴奏で歌うマーラーとリームの歌曲集。(2013.11.01)
 
Telemann: Pariser Quartette 1-3
 Quartet No. 1 In D Major, Twv 43-D3
 Quartet No. 2 In A Minor, Twv 43-A2
 Quartet No. 3 In G Major, Twv 43-G4

The Age of Passions (Karl Kaiser, Petra Müllejans, Hille Perl, Lee Santana, Juris Teichmanis, Michael Behringer)
2010 & 2011
[DHM 88697839642]
 半年前に出ていたディスクだが、素晴らしい演奏なので今更ながらにご紹介。ヒレ・パール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)を中心に、カール・カイザー(フラウト・トラヴェルソ)、ペトラ・ミュレヤンス(ヴァイオリン)、リー・サンタナ(リュート)、ユリス・タイヒマニス(チェロ)、ミヒャエル・ベーリンガー(チェンバロ)という豪華メンバーにふさわしい、骨格感とたくましい生命力の共存した、豊かで裕やかな音楽。(2013.10.29)
 
Wagner: Die Meistersinger von Nürnberg
Gerald Finley (Hans Sachs), Marco Jentzsch (Walther von Stolzing), Anna Gabler (Eva), Johannes Martin Kränzle (Beckmesser), Michaela Selinger (Magdalene), Topi Lehtipuu (David), Colin Judson (Kunz Vogelgesang) & Alastair Miles (Veit Pogner)
The Glyndebourne Chorus
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2011.6 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD021-11] (4 CDs)
 グラインドボーン音楽祭のワーグナー、《トリスタンとイゾルデ》に続いて《ニュルンベルクのマイスタージンガー》が、同じくV・ユロフスキ指揮で登場。《トリスタン》も澄明でシャープな音づくりが素晴らしかっただけに、これも楽しみ。すでにDVDで出ているプロダクションだが、音だけでじっくり。(2013.10.28)
 
Bizet: L’Arlésienne Suites
Fauré: Masques et bergamasques, op. 112
Gounod: Faust - Ballet Music

Orchestre de la Suisse Romande
山田和樹 (Kazuki Yamada)
[Pentatone PTC5186358] (Hybrid SACD)
 山田和樹が、首席客演指揮者をつとめるスイス・ロマンド管弦楽団とPentatoneに初録音。ビゼーの《アルルの女》組曲をメインに、、フォーレ、グノーの作品集。
 このフランスものを皮切りに、ドイツ、ロシアと3枚の「ダンス集」を、1年1作のペースでつくる予定という。(2013.10.26)
 
Soviet Experience volume IV
Shostakovich: String Quartets nos. 13-15
Schnittke: String Quartet No. 3

Pacifica Quartet
[Cedille CDR90000145] (2 CDs)
 現代アメリカを代表する弦楽四重奏団、パシフィカ四重奏団によるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集、完結編の第4集が登場。
 1960年代の第9~12番を収めた前回の第3集が素晴らしい出来だっただけに、この晩年の3曲もとても楽しみ。今回はシュニトケの第3番を併録。シリーズ恒例のポスター風の印象的なジャケも健在。(2013.10.25)
 
Handel: Belshazzar
Allan Clayton (Belshazzar, King of Babylon), Rosemary Joshua (Nitocris), Iestyn Davies (Daniel, Hebrew Prophet), Caitlin Hulcup (Cyrus: Persian Prince), Jonathan Lemalu (Gobrias, Assyrian Nobleman), Jean-Yves Ravoux (Arioch, Babylonian Lord), Geoffroy Buffière, Thibaut Lenaerts, Michael-Loughlin Smith, Damian Witheley
Les Arts Florissants
William Christie
[Les Arts Florissants Editions AF001] (3 CDs)
 古楽の名匠、ウィリアム・クリスティ率いるレザール・フロリサンが、自主制作レーベルを設立。第1弾はヘンデルのオラトリオ、《ベルシャザール》。今後の展開も含めて、新たな活動に期待。(2013.10.23)
 
Schubert: String Quintet in C major, D956
Kuss Quartet, Miklos Perényi (cello)
[Onyx ONYX4119]
 新譜が気になるクァルテットのひとつ、クス四重奏団。特にOnyxに移ってからは、その実力に見合う音質のディスクがつくられるようになって楽しみにしている。
 そして新作は、なんとペレーニを加えたシューベルトの弦楽五重奏。パヴェル・ハースQ&石坂団十郎も出たばかりだし、この曲の面白そうな録音が続く。(2013.10.21)
 
Verdi: Oberto
Adrian Gans (Oberto), Francesca Lombardi Mazzilli (Leonora), Manuela Custer (Cuniza), Norman Reinhardt (Riccardo), Naroa Intxausti (Imelda)
Chor und Extrachor des Stadttheater Gießen
Philharmonisches Orchester Gießen
Michael Hofstetter
2012.12 Stadttheater Gießen
[Oehms OC959] (2 CDs)
 同じ生誕200年のワーグナーに較べて、ヴェルディのオペラの新譜は、DVDはともかくCDではとても寂しくて、ハンプソン外題役の《シモン・ボッカネグラ》やムーティの《オテッロ》くらいしか、目ぼしいものがない。
 そのなかで登場したのがこれ。ピリオド様式による《イル・トロヴァトーレ》で評判になった、ホフシュテッター指揮によるヴェルディの第2弾、《オペルト、サン・ボニファーチョ伯爵》。
 ギーセン市立歌劇場での演奏会形式で、今回はモダン楽器の演奏のようだが、上演機会のごく希少なヴェルディのオペラ第1作を、意欲的な指揮で盛り上げてくれることを期待。(2013.10.18)
 
Mozart: Keyboard Music Vol.5 & 6
Kristian Bezuidenhout (fortepiano)
2012 & 2013 London
[Harmonia Mundi HMU907529] (2 CDs)
 今年も来日中のベザイデンホウトのモーツァルトの鍵盤音楽シリーズの新譜は、第5集と第6集を合わせての2枚組。すべてウィーンのアントン・ヴァルター1805年製フォルテピアノのレプリカで演奏している。曲目は以下のとおり。
第5集
(1)ソナタ 第11番 イ長調「 トルコ行進曲つき」 K.331
(2)パイジェッロの歌劇「哲学者気取り」6つの変奏曲 へ長調 K.398
(3)ロマンス 変イ長調 K.Anh.205
(4)アレグレットによる12の変奏曲 変ロ長調 K.500
(5)ソナタ ハ長調 K.309
第6集
(1)フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲ハ長調(キラキラ星変奏曲) K.265
(2)ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
(3)アダージョ ヘ長調 K.Anh. 206a
(4)ソナタ 第3番 変ロ長調 K.281
(5)フランスの歌「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲 変ホ長調 K.353
(2013.10.17)
 
Rimsky-Korsakov: Scheherazade, Op.35
Tchaikovsky: Fantasy Overture 'Romeo and Juliet'

Philadelphia Orchestra
Leopold Stokowski
1962.2.6 Academy of Music, Philadelphia
[Guild Historical GHCD 2403]
 Guild のストコフスキー&フィラデルフィア管弦楽団のステレオ・ライヴ第2弾は、1962年2月の演奏会から。《シェエラザード》に《ロメオとジュリエット》、得意のロシアものだけに、個性的なオーケストラ配置も含めて、今度はどんなサウンドを聴かせてくれるか。(2013.10.16)
 
Prokofiev: Violin Concerto No. 2 in G minor, Op. 63
Stravinsky: Violin Concerto in D

Patricia Kopatchinskaja (violin)
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2012
[Naïve V5352]
 キレキレの演奏で人気のコパチンスカヤ。前作のバルトーク、リゲティ、エトヴェシュ、3人のハンガリー作曲家の協奏曲集が今年のグラモフォン・アワード協奏曲部門賞を受賞するなど、評価も高い。新作はプロコフィエフとストラヴィンスキー、近代ロシアの協奏曲集。
 ヴラディーミル・ユロフスキ指揮LPOと共演というのも大いに楽しみだが、この指揮者とオーケストラは同年にジャニーヌ・ヤンセンのデッカ盤でも同じプロコフィエフの2番を演奏しており、聴き較べも興味深い。(2013.10.13)
 
Wagner: Der fliegende Holländer
Dietsch: Le Vaisseau Fantôme ou Le Maudit des mers
Der fliegende Holländer: Ingela Brimberg (Senta), Hélène Schneidermann (Mary). Eric Cutler (Georg), Bernard Richter (Der Steuermann Dalands), Evgeny Nikitin (Der Holländer), Mika Karès ((Donald)
Le Vaisseau Fantôme: Sally Matthews (Minna), Bernard Richter (Magnus), Eric Cutler (Eric), Russel Braun (Troïl), Ugo Rabec (Barlow), Mika Karès (Scriften)
Eesti Filharmoonia Kammerkoor
Les Musiciens du Louvre - Grenoble
Marc Minkowski
2013 Grenoble
[Naïve V5349] (4 CDs)
 ワーグナー生誕200年記念の、私のような人間にとっては目玉企画が登場。
 ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴル=グルノーヴルによる、ワーグナーの《さまよえるオランダ人》とピエール=ルイ・ディーチュの《幽霊船》の2本立て。
 《幽霊船》は1842年にパリ・オペラ座で初演された作品で、当時無名のワーグナーからオペラ座の監督ピレが買い取った《さまよえるオランダ人》のフランス語梗概を、フーシェが台本に仕立て、ディーチュが作曲したもの。このワーグナー屈辱のオペラを、その翌年にドレスデンで初演された《オランダ人》とともに上演するという、ミンコフスキならではの企画。
 ヴェルサイユ、グルノーヴルなどでの演奏会形式公演のあと、グルノーヴルでセッション録音したもの。実際の公演ではディーチュが先に上演されたが、CDではワーグナーが先。
 ワーグナーの「歌劇」時代の作品は、「楽劇」時代とは異なる演奏スタイルが大いにあり得ると私は思っているので、これは本当に楽しみ。(2013.10.11)
 
Wagner: Der Ring des Nibelungen - Symphonic Excerpts
Nina Stemme (soprano)
Orchestre de l'Opéra national de Paris
Philippe Jordan
[Erato 9999341422] (2 CDs)
Verdi: Messa da Requiem
Kristin Lewis, Violetta Urmana, Piotr Beczala, Ildar Abdrazakov,
Choeurs & Orchestre de l'Opéra national de Paris
Philippe Jordan
[Erato 9999341402]
 フィリップ・ジョルダンとパリ国立オペラ管弦楽団のディスクが、新たにErato (旧Virgin)から一気に2点登場。生誕200年の2人、ワーグナーの《指環》抜粋と、ヴェルディのレクイエム。Naïve から移籍して、このコンビもさらに飛躍してほしいところ。ワーグナーでは〈自己犠牲〉をステンメが歌っているのも楽しみ。(2013.10.10)
 
JS Bach: Matthäus Passion, BWV244
Werner Güra (Evangelist), Johannes Weisser (Christus), Sunhae Im, Christina Roterberg (sopranos), Bernarda Fink, Marie-Claude Chappuis (altos), Topi Lehtipuu, Fabio Trümpy (tenors) & Konstantin Wolff, Artuu Kataja (basses)
RIAS Kammerchor & Staats und Domchor Berlin
Akademie für Alte Musik Berlin
René Jacobs
2012.9 Berlin
[Harmonia Mundi HMC802156/58] (2 Hybrid SACDs + DVD)
 ヤーコプスの新譜は、待望のマタイ受難曲。初演のトーマス教会の構造を鑑みて、合唱を24人のPrincipal合唱団(独唱者も含む)と12人のRemote合唱団の2群に分け、後者をステージ後方に配置することで、響きの遠近感をとりいれているという。
 前作のペルゴレージ:オラトリオ《十字架上のキリストの最後の7つの言葉》にすぐ続けて録音されているあたり、受難劇へのヤーコプスのこだわりがどのようなものなのか、期待。録音風景を収録したDVDつき。(2013.10.06)
 
A Tale Of Two Cellos (Arrangements by Julian Lloyd Webber)
Saint-Saëns: Ave Maria
Piazzólla (arr. Lenehan): The Little Beggar Boy
Monteverdi: Interrotte speranze
Shostakovich: The Gadfly - Prelude
Holst: Hymn to the Dawn
Quilter: My Lady (Greensleeves)
Rubinstein: The Angel
Dvořák: The Harvesters, Op. 38 No. 3
Lloyd Webber: Moon Silver
Schumann: Sommerruh WoO7
Pergolesi: Dolorosa
Dvořák: Autumn Lament, Op. 38 No. 4
Hahn, R: Si mes vers avaient des ailes
Rachmaninov: The Waves are Dreaming, Op. 15 No. 4
Purcell: Lost is my quiet for ever, Z502
Dvořák: Die Bescheidene, Op. 32 No. 8
Schumann: Der Abendstern, Op. 79 No. 1
Nevin, E W: O that we two were maying, Op. 2 No. 1
Barnby: Sweet and low
Quilter: Summer Sunset
Pärt: Estonian Lullaby for female choir and string orchestra

Julian and Jiaxin Lloyd Webber (cellos), John Lenehan (piano), Catrin Finch (harp), Guy Johnston (cello) & Laura van der Heijden (cello)
2013.1.4-6
[Naxos 8.573251]
 1951年生れ、ヴェテランの仲間入りをしたイギリスのチェリスト、ジュリアン・ロイド・ウェッバー。近年はNaxos と契約していて、ディーリアスとアイアランドの歌曲のチェロ編曲版の1枚がすでに出ている。
 今回は夫人のジアシンとともに、自らの編曲で2台のチェロとピアノにより、モンテヴェルディからペルトまでさまざまな作品を21曲演奏した、「2つのチェロの物語」。
 アルバム・コンセプトと選曲のセンスの良さに心ひかれて購入。曲により、カトリン・フィンチのハープなども加わる。(2013.10.05)
 
Berlioz: L'Enfance du Christ, Op. 25
Véronique Gens (Marie), Alastair Miles (Herod/Ishmaelite Father), Yann Beuron (Narrator), Stephan Loges (Joseph)
Swedish Radio Symphony Orchestra & Chorus
Robin Ticciati
[Linn CKD440] (2 Hybrid SACDs)
 1983年生れ、イタリア系イギリス人の俊英ティチアーティ。Linnのベルリオーズ・シリーズ第3弾は、スウェーデン放響に客演しての大作《キリストの幼時》。ジャンス、マイルズなどの独唱に加え、スウェーデン放送合唱団が聴けるのも大いに楽しみ。(2013.10.03)
 
Mahler: Das Lied von der Erde
Sarah Connolly (mezzo-soprano) & Toby Spence (tenor)
London Philharmonic Orchestra
Yannick Nézet-Séguin
2011.2.19 Royal Festival Hall, London
[LPO LPO0073]
 大活躍のネゼ=セガン、ロンドン・フィルでの首席客演指揮者もつとめているが、LPO自主制作盤の第2弾として《大地の歌》が登場。第1弾のドイツ・レクイエムもゆったりとやわらかな呼吸で相性のよさを感じさせただけに、これも楽しみ。ジャケットは折鶴か?(2013.10.02)
 
Wagner: Siegfried
Stephen Gould (Siegfried), Tomasz Konieczny (Der Wanderer/Wotan), Violeta Urmana (Brünnhilde), Anna Larsson (Erda), Matti Salminen (Fafner), Jochen Schmeckenbecher (Alberich), Christian Elsner (Mime), Sophie Klußmann (Stimme eines Waldvogels)
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2013.3.1 Berliner Philharmonie
[Pentatone PTC5186408] (3 Hybrid SACDs)
 ヤノフスキとベルリン放響のワーグナー・シリーズ、《ジークフリート》登場。前作《ワルキューレ》は歌手陣の弱さもあってもう一つ冴えを欠いたが、グールド、ウルマーナと重量級の歌手登場で、盛り返してほしいところ。3枚にすっきり収まっている。(2013.10.01)
 
Saint-Saëns:
 La Muse et le Poète pour violon, violoncelle et orchestre, op. 132
 Concerto pour violon no 3, op. 61
 Concerto pour violoncelle no 1 en la mineur, op. 33

Renaud Capucon (violin), Gautier Capucon (cello)
Orchestre Philharmonique de Radio France
Lionel Bringuier
[Erato 999934134]
 EMIのクラシック部門のワーナーへの吸収にともない、傘下のVirginはEratoに吸収されることになったという。これはその変化を反映して、赤地のEratoのロゴをつけた、サン=サーンスの《ミューズと詩人》と協奏曲集。
 カピュソン兄弟の共演と競演も楽しみだが、指揮がリオネル・ブランギエというのも要注目。
 リオネル・ブランギエは1986年ニース生れ。2006年からロサンゼルス・フィルでサロネンのもとで副指揮者をつとめたのち、2014年から、ジンマンの後任としてチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の音楽監督就任が決定している、将来を嘱望される俊英である。(2013.09.27)
 
Mahler: Symphony No.1, No.2 & No.3
Philharmonia Orchestra
Lorin Maazel
2011.4 - 12 Royal Festival Hall, London
[Signum Classics SIGCD360] (5 CDs)
 このところ、日本での人気がとても高まってきたマゼールの、新しいマーラー・チクルスがフィルハーモニア管弦楽団との組合せでスタート。2011年、没後100年のライヴで、第1弾は5枚組で初期の3曲。(2013.09.26)
 
Debussy:
 Estampes
 Études pour piano Book II
 Images pour piano Book I
 L'isle joyeuse

Nelson Goerner (piano)
[Zigzag ZZT326]
 繊細さとスケールの大きさをかねそなえ、遠近感豊かなピアノを聴かせてくれるネルソン・ゲルネル(ゲルナー)。Zigzagでの録音は、ドビュッシー。(2013.09.25)
 
Shostakovich: Symphony No. 4 in C minor, Op. 43
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko
[Naxos 8.573188]
 ヴァシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプール・フィルによるショスタコーヴィチの交響曲シリーズ、待望の第4番が登場。
 全集まで、残るは第13番と第14番の2曲。(2013.09.24)
 
Rautavaara: Missa a cappella / Sacred Choral Works
Latvian Radio Choir
Sigvards Klava
2013.1
[Ondine ODE1223-2]
 瞑想的で美しい響きを持つ交響曲第7番《光の天使》が人気曲となった、フィンランドの作曲家ラウタヴァーラ(1928年生)の聖歌集。
 Ondineでのラフマニノフの《聖ヨハネス・クリュソストムスの典礼》や《晩祷》が素晴らしかった、シグヴァルズ・クラーヴァ(指揮)のラトビア放送合唱団の歌なので楽しみ。ラフマニノフと異なり、SACDではないのが少し残念。少し前に出ていたが、見のがしていたのでこれから購入。(2013.09.21)
 
R.Strauss:
 Till Eulenspiegels lustige Streiche op. 28
 Don Quixote op. 35
 Macbeth op. 23

SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
Francois-Xavier Roth
2012.6, 12 & 2013.3
[Hänssler 93.304]
 いま最もノッている指揮者の一人、フランソワ=グザヴィエ・ロト(1971年生れ)。《英雄の生涯》他に続くR・シュトラウス管弦楽曲集第2弾は、《ドン・キホーテ》などの3曲。(2013.09.20)
 
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 op.47 《クロイツェル》
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004~シャコンヌ

ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
エマニュエル・ベイ(ピアノ)
1954.4 or 5 神田共立講堂
[ユニバーサル TOGE-11111] (Hybrid SACD)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73
ショパン:練習曲変イ長調 op.25-1
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73~第2,3楽章
(*)
ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ) (*)
東京交響楽団、上田 仁(指揮)
1954.5 & 11 日比谷公会堂
[ユニバーサル TOGE-11114] (Hybrid SACD)
 TBS、かつてのラジオ東京に保存されていたクラシック音源をSACD化する「TBS Vintage Classics」シリーズからの2点。すべて1954年の東京でのライヴで、一部はかつて東芝EMIがHS2088マスタリングで発売したことがあるが、ここで装いを新たに、陣容も拡大してディスク化されるのは嬉しい。
 私が、亀の歩みで進めている「1954、55」年本(最近は『1984』にあやかって、『1954』にしようかと思っている)のなかで、日本における重要なエポックとなっているのが、1954年4~5月の「来朝楽人の春」である。
 このとき、朝鮮戦争による特需景気で外貨が増えたことで、有名演奏家の招聘が一気に拡大、ハイフェッツ、バックハウス、カラヤン、タリアヴィーニの4人の名演奏家が顔を揃えるという、空前の活況を呈したのだった。
 このうち、カラヤンは犬飼法相による指揮権発動当日の、N響との《悲愴》がすでに出ている。そしてここに、初発売のハイフェッツと、久々の再発売のバックハウスも加わることになった。なかでも、入場料が空前の高額で、バックハウスらの3倍に達しただけでなく、一人だけ初日を戦前のように帝国劇場で行なって(他は普通に日比谷公会堂)、ブルジョワ趣味だと主催者の朝日新聞が批判されたハイフェッツ公演の登場は、リサイタルのライヴが少ないだけに嬉しい。

 なお、バックハウスの盤には初登場となる、1954年11月のケンプ(戦後初の来日)の《皇帝》の2,3楽章も収録されている。同じ年のうちにドイツの二大巨匠が来日したことのドキュメントになっているのが嬉しいが、第1楽章は残っていないらしい。
 また、じつはこの日、《皇帝》の前に上田仁指揮東響によるショスタコーヴィチの交響曲第10番の日本初演も行われているのだが、それも現存しないらしいのが残念。ちょうど《森の歌》が大ブームになっていた時期なので、一般の聴衆から多大の期待を集めたが、正反対の重苦しい曲調で失望させたという初演である(その代り、1962年の第12番の日本初演がシリーズに含まれている)。

 今後の予定にも、1954年9月のサージェント&渡辺茂夫、12月のカッチェン、1955年秋のエルマンの来日公演が含まれている。『1954』、いよいよ本腰を入れなければ…。(2013.09.19)
 
JS Bach: Brandenburg Concertos
Dunedin Consort
John Butt
[Linn CKD430] (2 Hybrid SACDs)
 バッハの受難曲やヘンデルのオラトリオで好評を得ているジョン・バットとダンディン・コンソート(ダニーディン・コンソート)による、初の声楽なしの録音がこのブランデンブルク協奏曲集。
 Linnは音が生々しくていいのだが、日本で買うとけっこう高く、この団体のディスクも聴かずに敬遠していたが、これを期に聴いてみようと思う。
 ところでこの団体、スコットランドのエディンバラを拠点として1995年に結成されたそうで、同地にあるピクト人の古い砦、Din Eidyn castle にちなんだ、というのだが、日本語表記ではどちらが近いのだろう。
 アメリカのフロリダ州にあるDunedin(ブルージェイズのキャンプ地)は、ダンイーデンと表記される。元がDin Eidyn なら、これが近い気もするが…。(2013.09.18)
 
「ひばり & 川田 in アメリカ 1950」
美空ひばり、川田晴久
1950.6.24&25 カリフォルニア州サクラメント市
[日本コロムビア COCP-38151]
 1950年、デビュー翌年の美空ひばりが、師の川田晴久と共に行なったアメリカ公演のライヴ。昨年、磁気ワイヤー録音が発見されて話題となったもの。
 ひばりは〈悲しき口笛〉〈河童ブギウギ〉など初期のヒット作、戦前の「あきれたぼーいず」で名高い川田も十八番の〈地球の上に朝が来る〉など、合わせて13曲を披露している。
 デビュー当時のライヴであるだけでなく、興行界とアメリカの日系社会の関係など、さまざまな意味で貴重なドキュメント。(2013.09.16)
 
Mozart: 3 Piano Concerti, A Quattro K413, 414, 415
Mozart:
 Piano Concerto No. 12 in A major, K414
 Piano Concerto No. 11 in F major, K413
 Piano Concerto No. 13 in C major, K415

Slávka Pěchočová-Vernerová (piano)
Pražák Quartet, Pavel Nejtek (contrabass)
2013.1
[Praga DSD250298] (Hybrid SACD)
 秋のチェコ弦楽四重奏シリーズ3回目は、重鎮プラジャークによるモーツァルトのピアノ協奏曲集・ア・クァトロ。コントラバスを加えた6人編成、ピアノのスラーヴカ・ピエホチォヴァー=ヴェルネロヴァーはキンスキー・トリオのメンバーとのことなので、室内楽的な親密な演奏を期待。(2013.09.15)
 
Dvořák:
 String Quartet No. 12 in F major, Op. 96 'American'
 String Quartet No. 14 in A flat major, Op. 105
 Terzetto in C major for two Violins and Viola, Op. 74

Zemlinsky Quartet
2013.5
[Praga DSD250300] (Hybrid SACD)
 大好きなチェコのクァルテットを続けてもう1枚。新鋭パヴェル・ハースに続いては、1994年結成の中堅、ツェムリンスキー四重奏団。結成20周年を記念して、いよいよお国ものの名作を録音。このレーベルは生々しい音質も楽しみ。(2013.09.12)
 
Schubert:
 String Quintet in C major, D956
 String Quartet No. 14 in D minor, D810 'Death and the Maiden'

Pavel Haas Quartet, 石坂団十郎 (cello)
2013.4 & 7
[Supraphon SU41102]
 大好きな弦楽四重奏団の一つ、パヴェル・ハース四重奏団の新譜はシューベルト。石坂団十郎を加えての弦楽五重奏曲に《死と乙女》と、曲目もいい。第2ヴァイオリンが頻繁に交代しているが、今回の男性で落ち着いてほしいところ。(2013.09.10)
 
Witold Malcuzynski - The Polish Master Pianist
Witold Małcużyński (piano)
1949-1962
[Warner Classics 9990] (8 CDs)
 ポーランドのショパン弾きとして名高いヴィトルト・マウツジンスキ(マルクジンスキ、1914~77)のEMI録音をまとめた8枚組。ショパンのほか、リスト、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ブラームスなどの作品が含まれている。
 1970年代にセラフィムの廉価盤LPで出ていたショパンのソナタやバラードは愛聴盤だった。当時、ショパンゆかりのマジョルカ島で亡くなったことでも話題になった。まとまったボックスはこれまでなかったので、あらためて聴いてみる。(2013.09.05)
 
Stravinsky: The Rite of Spring
Paczynski/Pludermacher: From Rite to Fight

Georges Pludermacher (piano)
Georges Paczynski (drums)
2013.2.1 Cergy–Pontoise, Île-de-France
[Arts et Spectacles ASCD130501]
 日本でのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会のアンコール、ディアベリ変奏曲全曲をひいたことで話題のピアニスト、ジョルジュ・プルーデルマッハー。
 ここでは自身の編曲による《春の祭典》ピアノ独奏版をライヴで収録。日本でも東日本大震災の40日後に披露した、猛烈なヴァージョンだという。
 あわせて、ジャズ・ドラムのパチンスキと共演した即興演奏、《祭典から戦闘へ》も収録。(2013.09.03)
 
Ysaye: Six Solo Sonatas Op. 27
Kristóf Baráti (violin)
2013.1.8-10 Kodály Centre, Pécs, Hungary
[Brilliant Classics 94678]
 すでに手元にあるものだが、素晴らしい出来なのでご紹介。クリストフ・バラーティは1979年生れのハンガリーのヴァイオリニスト。1997年のエリザベート王妃国際コンクールで3位、2010年のパガニーニ・モスクワ国際ヴァイオリンコンクールで第1位。
 若手によるイザイの無伴奏は、ただ力押しの腕自慢に終始してしまうことが多いが、これは緩急強弱、そして押しと引きの音楽的呼吸のメリハリが見事で、渋めの響きも魅力的。
 こういう演奏が数百円で買えるとは…。バッハの無伴奏、ベートーヴェンのソナタ全曲も同レーベルで出ている。(2013.08.30)
 
Britten: War Requiem, Op. 66
Susan Gritton (soprano), John Mark Ainsley (tenor), Christopher Maltman (baritone)
Wroclaw Philharmonic Choir, Gabrieli Young Singers Scheme, Trebles of The Choir of New College Oxford
Gabrieli Consort & Players
Paul McCreesh
2013.1 Watford Colosseum
[Signum Classics SIGCD340]
 ブリテン生誕100年、ピリオド・アンサンブルとして知られるマクリーシュとガブリエリ・コンソート&プレイヤーズが、なんと《戦争レクイエム》を録音。ベルリオーズのレクイエム、メンデルスゾーンの《エリヤ》に続く巨大編成シリーズで、これも総勢300人だそう。普通の20世紀型のスタイルとは異なる、個性的な表現を期待。(2013.08.28)
 
THE ITALIAN BACH
JS Bach:
 Capriccio sulla lontana del suo fratello dilettissimo BWV 992
 Aria variata alla maniera italiana BWV 989
 Concerto l (nach Vivaldi) BWV 972
 Concerto lll (nach Marcello) BWV 974
 Concerto Italiano BWV 971
 Nun komm der Heiden Heiland (Bach - Busoni)
 Wachet auf, ruft uns die Stimme (Bach - Busoni)

Andrea Bacchetti (piano)
2013
[SONY 88883751812]
 ファツィオリの甘美な音色と流麗な歌いぶりが美しい、バッケッティのバッハ。DYNAMICからソニーへレーベルを変えての録音シリーズの第2弾は、この人にぴったりの「イタリアン・バッハ」。(2013.08.23)
 
Stravinsky: The Rite of Spring
JS Bach (arr. Stokowski):
 Toccata & Fugue in D minor, BWV565
 Fugue in G minor, BWV578 'Little'
 Passacaglia & Fugue in C minor, BWV582
Stravinsky (arr. Stokowski): Pastorale

Philadelphia Orchestra
Yannick Nézet-Séguin
2013.3 Verizon Hall, Philadelphia
[DG 4791074]
 2012年からフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督就任したネゼ=セガン。このコンビの初CDがDGから登場。
 その就任のちょうど100年前にこのオーケストラのシェフとなり、黄金時代を築いたストコフスキーによるバッハ編曲と、1913年初演の《春の祭典》(ストコフスキーとこのオケが1922年にアメリカ初演し、ディズニー映画『ファンタジア』の演奏でもおなじみ)を組み合わせるという、この名門の偉大な歴史を意識した選曲が秀逸。(2013.08.20)
 
Dvorak: Cello Concertos
Dvorak:
 Cello Concerto in B minor, Op. 104
 Four Songs, Op. 82: No. 1, ‘Leave Me Alone’ (arr. B Leopold)
 Cello Concerto in B minor 'original ending' Op 104
 Cello Concerto in A major, B10 (arr. Günter Raphael)

Steven Isserlis (cello)
Mahler Chamber Orchestra
Daniel Harding
2012.10.20&21 Teatro Comunale di Ferrara
[Hyperion CDA67917]
 イッサーリスが40年間その機会を待っていたというドヴォルジャークのチェロ協奏曲録音を、ついに実現。伴奏がハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラというのも楽しみ。
 協奏曲に引用された歌曲〈私にかまわないで〉、改訂前のオリジナルのエンディング(2分弱)、そして若書きでピアノ伴奏版しか存在しないイ長調の協奏曲の、ラファエルによるオーケストレーション版も収録した1枚。(2013.08.17)
 
Schumann:
 Fantasiestücke op. 73 für Cello & Klavier
 Dichterliebe op.48 (für Cello & Klavier)
 Andante & Variationen op. 46 für 2 Klaviere, 2 Celli & Horn

Jan Vogler (Cello), Hélène Grimaud (Klavier)
Moritzburg Festival Ensemble
2012
[Sony 88697892582]
 大好きなチェリスト、ヤン・フォーグラーの新作は、グリモーと共演した《詩人の恋》のチェロ編曲版と幻想小曲集、そしてモーリッツブルク祝祭アンサンブルによる《アンダンテと変奏》という、シューマン作品集。
 以前から歌曲のチェロ編曲版を愛奏するフォーグラーが、ここではまとまった歌曲集に挑戦しているのが興味をひくし、グリモーもシューマン夫妻とブラームス作品の演奏に情熱を注いでいるピアニストだけに、ぴったりの顔合わせだと思う。(2013.08.16)
 
Wagner: Tristan und Isolde
Torsten Kerl (Tristan), Anja Kampe (Isolde), Sarah Connolly (Brangäne), Andrzej Dobber (Kurwenal), Georg Zeppenfeld (König Marke), Trevor Scheunemann (Melot), Andrew Kennedy (Hirt), Richard Mosley-Evans (Steuermann), Peter Gijsbertsen (Stimme eines jungen Seemanns)
Glyndebourne Chorus
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2009.8 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD019-09] (3 CDs)
 グラインドボーン音楽祭の自主制作盤で《トリスタンとイゾルデ》が登場。2009年のライヴで、カンペとケルルの主役コンビにユロフスキの指揮というシャープな取り合わせが、いかにもグラインドボーンの空間に合いそうなので、楽しみ。
 レーンホフ演出のプロダクションは2003年初演、ビエロフラーヴェク指揮にステンメ&ギャンビルが歌い、DVD化されている。(2013.08.13)
 
Mozart: The Piano Sonatas
Arthur Schoonderwoerd (tangent-action piano based on Spaeth & Schmahl [1775], fortepiano with hammerheads not covered in leather based on Johann Andreas Stein [ca. 1780] , an unfretted clavichord [ca. 1780], fortepiano with hammerheads covered in leather based on Anton Walter [1790] )
2005 - 2009
[Accent ACC24254] (6 CDs)
 極小編成のモーツァルトのピアノ協奏曲シリーズも快調のスホーンデルヴィルトが、モーツァルトのソナタ全集を一気にまとめて発売。全18曲を作曲時期に応じて、タンジェントピアノ、クラヴィコード、そしてヘッドに革張りなしとありの2種のフォルテピアノを使い分けている。その響きの変化と、愉悦感豊かな演奏が楽しみ。(2013.08.12)
 
Busoni: Doktor Faust
Wolfgang Koch, Catharina Naglestad, John Daszak, Steven Humes, Raymond Very
Chor und Extrachor der Bayerischen Staatsoper
Bayerisches Staatsorchester
Tomáš Netopil
2008.6.28, Nationaltheater München
[Oehms OC 956]
 ブゾーニの未完のオペラ《ファウスト博士》。2008年のバイエルン国立歌劇場での上演のライヴ録音で、指揮を私が大好きなネトピルが担当しているのが、とても楽しみ。最新録音のヤナーチェク管弦楽曲集も、この人らしい爽快で見事な音楽だった。(2013.08.08)
 
Elgar: Cello Concerto in E minor, Op. 85
Dvořák: Rondo in G minor, Op.94, Klid [Silent Woods] Op. 68/5
Tchaikovsky: Rococo Variations Op. 33

Jean-Guihen Queyras
BBC Symphony Orchestra
Jiri Belohlávek
2012.5 BBC Maida Vale Studios, London
[Harmonia Mundi HMC902148]
 ハルモニア・ムンディからまた強力新譜が登場。ケラス独奏、ビエロフラーヴェク指揮BBC響によるエルガーの協奏曲とチャイコフスキーのロココ変奏曲、そしそしてドヴォルザークの小品2曲。ケラスはもちろん、ビエロフラーヴェクも近年は非常に充実した深い音楽を深い音楽を聴かせてくれるので、とても楽しみな1枚。(2013.08.06)
 
Suppe: Extremum Judicium (Requiem Oratorio)
Wilfried Zelinka (bass), Margareta Klobucar (soprano), Dshamilja Kaiser (alto), Taylan Reinhard (tenor)
Chor & Extra-Chor der Oper Graz
Grazer Philharmonisches Orchester
Adriano Martinolli d'Arcy
2012
[CPO 7778422] (2 CDs)
 近年、「隠れた名曲」として一部に熱心なファンをもつ、スッペのレクイエム。1855年の作品だが、実はスッペは同年にこの作品を拡大していた。アリアやレチタティーヴォ、間奏曲を挿入した2時間近い大作、レクィエム・オラトリオ「最後の審判」に仕立てたのである。
 これは最近トリエステで発見されたスコアに基づく、最初の録音。金管、オルガン、タムタムを加えたドラマティックな序曲もつくというから、どんなものか楽しみ。教会からコンサートホールへと場所を移した市民音楽ではないかと、勝手に想像しているが、さて。(2013.08.05)
 
Beethoven: The Late Piano Sonatas
Sonatas Nos.28-32

Igor Levit
2013.1&2 Berlin
[Sony 88883747352]
 どんなピアニストなのかまったく知らないが、ソニーへのメジャー・デビュー盤にベートーヴェンの後期6曲をいきなり選ぶという無謀さに呆れて(笑)、買わずにいられなかった。
 イゴール・レヴィットは1987年ロシア生れ、8歳で家族とともにドイツへ移住、ハノーファー音大を卒業。2004年の浜松国際ピアノ・アカデミー・コンクール第1位、2012年には来日もしているという。 (2013.08.02)
 
Offenbach: La Périchole (Wiener Fassung 1874)
Sabine Brohm, Ralf Simn, Gerd Wiemer, Bernd Könnes, Marcus Günzel
Chor und Orchester der Staatsoperette Dresden
Ernst Theis
2009/2010
[CPO]
 最愛の作曲家、ジャック・オッフェンバック。その後期のヒット作《ペリコール》の1874年ウィーン上演版に基づくドイツ語版。シュターツオペレッテ・ドレスデン(ドレスデン国立オペレッタ劇場、か。国立喜歌劇場、と訳すといかにも共産圏みたいだ)が、2008年に上演したプロダクションをセッション録音したものという。
 ドイツ語版のオッフェンバック(オッフェンバッハ)は、フランス語版とはまた異なる、一種下卑た味わいが出てくるのが楽しみ。この劇場ではその後、《ジェロルスタン女大公殿下》や《パリ生活》のウィーン版も続けて上演しているので、これらもCD化してほしいところ。(2013.07.31)
 
Mozart: La Betulia liberata, K118
Christian Zenker (Ozia), Margot Oitzinger (Giuditta), Marelize Gerber (Amital), Markus Volpert (Achior), Elisabeth Breuer (Cabri & Carmi)
L'Orfeo Barockorchester
Michi Gaigg
2012
[Challenge Classics CC72590] (2 Hybrid SACDs)
 DHMでの生彩に富んだ交響曲やオペラの演奏で、新譜が気になる存在が、ミヒ・ガイック率いるオルフェオ・バロック管弦楽団。今回はChallenge Classicsから、モーツァルト15歳のオラトリオ《救われたベトゥーリア》がSACDで登場。(2013.07.30)
 
Schubert:
 Sinfonie Nr. 3 D-Dur D 200
 Sinfonie Nr. 4 c-moll D 417 "Tragische"

Freiburger Barockorchester
Pablo Heras-Casado
2012.7 Auditorium Manuel de Falla, Granada
[Harmonia Mundi HMC902154]
Boccherini: La Clementina (Zarzuela)
Maria Honojosa, Marta Rodrigo, Sonia de Munck, Elena Rivera, David Alegret, Toni Marso, Andres Amoros, Javier Ortiz,
La Compania del Principe
Pablo Heras-Casado
2008.6.23-25 Aranjuez
[Musica Antigua Aranjuez MAA008]
 注目の新譜が交響曲を中心に途絶えることなく登場し、なぜか旬の作曲家、シューベルト。
 1977年グラナダ生れの新鋭指揮者、パブロ・エラス=カサドがこの激戦区に登場。
 イマドキの音楽家らしく、現代音楽も古楽も幅広く指揮し、日本では2009年サントリーホールでの《グルッペン》を指揮、また2011年にブリュッセルでの細川俊夫のオペラ《松風》世界初演のタクトをとったという。現在はニューヨークのセントルークス管弦楽団首席指揮者をつとめながら、ベルリン・フィル、シカゴ交響楽団、メトロポリタン歌劇場など各地で快進撃を続けている。
 故郷グラナダでフライブルク・バロック・オーケストラを指揮したこの1枚も楽しみだが、同時期にSONYから発売されるドミンゴのヴェルディのバリトン・アリア集の指揮も担当しているなど、ブレークの予感もする。

 そこで検索してみると、ボッケリーニの《クレメンティナ》など古典派のサルスエラも数年前に録音している。品切れかも知れないが、面白そうなのでためしにこちらも注文。2007年に共同で設立したバロック期のサルスエラ演奏のための団体、ラ・コンパニア・デル・プリンチペ・アランフエスを指揮している。《クレメンティナ》は1786年の作品。(2013.07.28)
 
Bruckner: Symphony No. 7 in E major
London Philharmonic Orchestra
Stanisław Skrowaczewski
2012.10.24 Royal Festival Hall, London
[LPO LPO0071]
 今年10月3日に90歳の誕生日を迎えるスクロヴァチェフスキ。読響の指揮台でも鋭利にして力強い、矍鑠とした音楽を聴かせてくれている。これはロンドン・フィルを指揮した昨年のライヴ。聴きなれた読響やザールブリュッケンとは異なるオーケストラから、どのような響きを引き出すか。
 なおハース版に基づく独自の楽譜を使用し、第2楽章のクライマックスにはシンバルとトライアングルが加わるという。(2013.07.27)
 
75 Years Ysaÿe & Queen Elisabeth Piano Competition
CD1
 TCHAIKOVSKY: Concerto n. 1
 - Valery AFANASSIEV (Russia, 1st prize 1972)
 LISZT: Concerto n. 1
 - Vladimir ASHKENAZY (Russia, 1st prize 1956)
 LISZT: Concerto n. 2
 - Pierre-Alain VOLONDAT (France, 1st prize 1983)
CD2
 RACHMANINOV: Concerto n. 2
 - Wolfgang MANZ (Germany, 2nd prize 1983)
 RACHMANINOV: Concerto n. 3
 - Andrei NIKOLSKY (Russia, 1st prize 1987)
CD3
 BEETHOVEN: Concerto n. 4
 - Frank BRALEY (France, 1st prize 1991)
 BRAHMS: Concerto n. 1
 - Leon FLEISHER (USA, 1st prize 1952)
CD4
 BRAHMS: Concerto n. 2
 - Denis KOZHUKHIN (Russia, 1st prize 2010)
 PROKOFIEV: Concerto n. 2
 - Anna VINNITSKAYA (Russia, 1st prize 2007)
CD5
 PROKOFIEV: Concerto n. 1
 - Malcolm FRAGER (USA, 1st prize 1960)
 CHOPIN: Concerto n. 1
 - Jeffrey SWANN (USA, 2nd prize 1972)
 CHOPIN: Concerto n. 2
 - Cécile OUSSET (France, 4th prize 1956)

1952-2010
[muso MU005] (5 CDs)
 エリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門の優勝者たちのライヴ録音5枚組。2012年の創設75周年を記念して、1952年のレオン・フライシャーから2010年のデニス・コジュヒンまで、9人の優勝者と3人の入賞者の本選での演奏が集められている。
 昨年出たヴァイオリン部門に続くセットで、このコンクールの名声に恥じぬ豪華な顔ぶれの演奏を廉価に聴けるのが魅力。重複なしに有名ピアノ協奏曲が12曲ずらりと並んだ構成も、巧み。(2013.07.25)
 
Fux: Oratorium germanicum de Passione (1731)
Alois Mühlbacher (Perseus), Simon Boden (Andromeda) , Jakob Kritzinger (Cassiopeia), Matthias Helm (Furor), Markus Miesenberger (Nemesis)
Ars Antiqua Austria
Gunar Letzbor
2012
[Pan Classics PC10284]
 名曲《皇帝レクイエム》によってその存在が広く認知されたウィーンの宮廷作曲家、ヨハン・ヨーゼフ・フックス (1660~1741)。これはその《ドイツ語による受難オラトリオ》。
 イタリアの作曲家カルダーラの作品と誤認されていたために、これまで見過ごされていたというこの作品は、発売元の紹介文によると、「キリストの受難物語を、ギリシャ神話のペルセウスによるアンドロメダ姫救出の物語になぞらえ、象徴的にうたいあげてゆく」ものだそう。つまり表面的にはギリシャ神話、実は聖書の受難物語という二重構造を、啓蒙主義の時代にふさわしくドイツ語で歌うという、知的な仕掛けをした作品らしい。
 作品自体もこのように興味深いし、演奏がオーストリアのバロック音楽の復興に力を注ぐレツボール指揮のアルス・アンティクヮ・アウストリアなので、聴きのがせない1枚。再現の忠実性に重きを置くレツボールらしく、ソリストは聖フローリアン大聖堂少年聖歌隊のメンバーが担当しており、ボーイソプラノの新星として人気を博したアロイス・ミュールバッヒャーが主役ペルセウスを歌っているのも、ききもの。(2013.07.23)
 
Wagner: Die Walküre
Tomasz Konieczny (Wotan), Iris Vermillion (Fricka), Robert Dean Smith (Siegmund), Melanie Diener (Sieglinde), Timo Riihonen (Hunding), Petra Lang (Brünnhilde)
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2012.11.24 Berliner Philharmonie
[Pentatone PTC5186407] (4 Hybrid SACDs)
 ヤノフスキの《指環》再録音、《ラインの黄金》に続いて第2弾の《ワルキューレ》が順調にリリース。ティーレマンのウィーン盤の《指環》CDや、来年以降の「東京・春・音楽祭」では、アルベリヒ役で登場するコニェチュニ、いかなるヴォータンを聴かせてくれるか。(2013.07.22)
 
Bartók:
 Violin Concerto No. 1, BB48a, Sz 36
 Violin Concerto No. 2, Sz 112

Isabelle Faust (violin)
Swedish Radio Symphony Orchestra
Daniel Harding
2012.4 Stockholm
[Harmonia Mundi HMC902146]
 イザベル・ファウストの新譜はバルトークの協奏曲集。ブラームスの協奏曲以来となるハーディングとの共演。キャリアの初期、90年代後半に録音したソナタ集が見事な出来だっただけに、楽しみ。(2013.07.20)
 
Mozart: Così fan tutte
Miah Persson (Fiordiligi), Angela Brower (Dorabella), Adam Plachetka (Guglielmo), Rolando Villazón (Ferrando), Mojca Erdmann (Despina), Alessandro Corbelli (Don Alfonso)
Chamber Orchestra of Europe
Yannick Nézet-Séguin
2012.7.9-14 Festspielhaus Baden-Baden
[DG 4790641]
 バーデンバーデン祝祭劇場でのネゼ=セガン指揮のモーツァルト・オペラ・シリーズ、第2弾は《コジ・ファン・トゥッテ》。プロダクション全体に漂う、高価な香水の匂いで窒息させられそうな、いかにも富裕層向けのビジネスという雰囲気とか、DGの人工的な音質とか、苦手な要素は多々あるけれど、それでも聴いてみないわけにはいかない盤。(2013.07.18)
 
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲 K.384

日本フィルハーモニー交響楽団
山田一雄(指揮)
1988年4月4日 サントリーホール
1988年2月29日 東京文化会館
[タワーレコード TWCO-1013]
 タワーレコードのオリジナル企画「山田一雄&日本フィルの芸術Ⅱ」の3枚のうちの1枚。今回は晩年の1980年代のライヴから、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの作品が選ばれている。直前に出るフォンテック原盤の廉価SACD2枚(最晩年のセッション録音)が、あらためて聴いてみても力強く堂々とした見事な演奏だったので、これにも期待。(2013.07.17)
 
Brahms: Symphony No.1 in c minor op.68
Wagner (Stokowski): Symphonic Synthesis from "Tristan und Isolde"

Philadelphia Orchestra
Leopold Stokowski
1960.2.23 Academy of Music, Philadelphia
[Guild Historical GHCD2402]
 1960年物。1960年2月、ストコフスキーが1941年以来19年ぶりにフィラデルフィア管弦楽団と共演したときの2回の演奏会のうち、2回目の演奏会から、ブラームスの交響曲第1番と、ワーグナー(ストコフスキー編)の《トリスタンとイゾルデ》からのシンフォニック・シンセサイズ(交響的交淆)の2曲をCD化。
 この共演は嬉しいことに真正のステレオ録音で保存されており、今回のディスクもステレオだという。これまで、テープなどで聴いたことがあるが、レコード化されるのはおそらく今回が初めてのはず。《トリスタン》は2日後にCBSがセッション録音したが、このライヴの方がはるかに艶やかで官能的な演奏なので、このCD化はとても嬉しい。
 この日は他にバッハのコラール前奏曲3曲も演奏されたが、それよりも惜しいのは、アンコールの《牧神の午後のための前奏曲》がCDに含まれていないこと。ストコフスキー時代からの看板奏者であり、この春に定年を迎える直前の首席フルート、ウィリアム・キンケイドが見事なソロを吹いているからである。ストコフスキーが演奏後の名物のスピーチでもそれを絶賛しているほどで、1回目の12日の録音とともに、今後のCD化をまちたい。
 なお、その12日の演奏会では舞台下手に弦、上手に管と打をあつめる異様な新型ストコフスキー配置を披露しており、それもステレオで聴くことができる。

・12日の曲目
 モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》序曲
 レスピーギ:交響詩《ローマの松》
 ファリャ:バレエ《恋は魔術師》
 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
(2013.07.15)
 
Schubert: Works for piano 4 hands
 Fantasie in F minor for piano duet, D940
 Allegro in A minor, D947 "Lebensstürme"
 Grand Duo Sonata in C major, D812

Ismaël Margain & Guillaume Bellom (piano)
2012.7 Paris
[Aparté AP056]
 シューベルト晩年の幻想曲は、ヴァイオリンとピアノのためのハ長調D934と同様に、ピアノ連弾用のヘ短調D940も大好きな作品。これはともに1992年生れのフランスの若手ピアニスト、イスマエル・マルゲンとギョーム・ベロンによる、シューベルトの連弾作品集。聴いたことのない2人だが、Aparté のこれまでの人選センスのよさを信頼して、購入。(2013.07.12)
 
Schubert: Complete works for violin and piano
 Sonatina in D major, D384
 Sonatina in A minor, D385
 Sonatina in G minor, D408
 Grand Duo for Violin and Piano in A Major, D574
 Rondo brillant in B minor, D895
 Fantasie in C major for violin and piano, D934
 Sei mir gegrüsst! D741

Alina Ibragimova (violin) & Cédric Tiberghien (piano)
2012.7 & 8 Henry Wood Hall, London
[Hyperion CDA67911/2] (2 CDs)
 イブラギモヴァとティベルギアンのデュオ、ラヴェル全曲集以来の新作は、シューベルトのヴァイオリンとピアノのための作品全集。幻想曲ハ長調は偏愛する曲なので特に楽しみ。
 このデュオの秋の来日では、ベートーヴェンのソナタ全曲が予定されている。(2013.07.11)
 
Trifonov / The Carnegie Recital
Scriabin: Piano Sonata No. 2 in G-sharp minor, Op. 19, "Sonata-Fantasy"
Liszt: Piano Sonata in B minor
Chopin: 24 Preludes, Op. 28
Medtner: Fairy Tale in E-flat major, Op. 26, No. 2

Daniil Trifonov (piano)
2013.2.5 Carnegie Hall
[DG 4791728]
 トリフォノフのDGデビュー盤で、今年2月のカーネギー・ホールでのリサイタルのライヴ。凄まじかった6月14日の東京リサイタルと、まったく同じ曲目というのが嬉しい。
 ただし残念なことに、現時点の情報では、CD1枚に収めるためなのか、アンコールは1曲目のメトネルの《おとぎ話》しか含まれていない。東京で満場を熱狂の坩堝にたたき込んだ、《火の鳥》の〈凶悪な踊り〉も、演奏はされているのだが…。何とか収録してほしいところ。
・当日のアンコール
Medtner: Fairy Tale in E-flat Major, Op. 26, No. 2
Bach: Gavotte from Partita No. 3 in E Major, BWV 1006 (arr. Rachmaninoff)
Stravinsky/Agosti: "Infernal Dance" from The Firebird
(2013.07.07)
 
Shostakovich: Symphony No. 7 in C major, Op. 60 "Leningrad"
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko
[Naxos 8.573057]
 廉価盤だが演奏は充実のヴァシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプール・フィルによるショスタコーヴィチの交響曲シリーズ第8弾は、大作《レニングラード》。
 このシリーズも残るは第4番、そして声楽つきの第13番と第14番の3曲のみ。(2013.07.06)
 
Mendelssohn: String Quartets Nos. 1-6 (Complete)
Talich Quartet
2000 - 2003
[La Dolce Volta LDV1157] (3 CDs)
 フランスのCalliopeレーベルにいい仕事を残したチェコのターリヒ四重奏団。近年はLa Dolce Voltaから、旧譜が復活している。
 これはヤン・ターリヒJr.を第1ヴァイオリンとする新世代のメンバーによる、メンデルスゾーンの全集。先代の父親世代よりもシャープな響きが魅力。(2013.07.05)
 
Britten: Peter Grimes
Alan Oke (Peter Grimes), Giselle Allen (Ellen Orford), David Kempster (Captain Balstrode), Gaynor Keeble (Auntie), Alexandra Hutton (First Niece), Charmian Bedford (Second Niece), Robert Murray (Bob Boles), Henry Waddington (Swallow), Catherine Wyn-Rogers (Mrs Sedley), Christopher Gillett (Rev. Horace Adams), Charles Rice (Ned Keene), Stephen Richardson (Hobson)
Chorus of Opera North, Chorus of the Guildhall School of Music & Drama
Britten–Pears Orchestra
Steuart Bedford
2013.6.7&9 Snape Maltings Concert Hall
[Signum SIGCD348]
 ブリテン生誕100年記念、今年のオールドバラ音楽祭で上演されたばかりの、《ピーター・グライムズ》ライヴ全曲が早くも登場。限定盤らしいので注意。
 この録音なども使用して、音楽祭中の17日には実際の北海沿岸での上演、Grimes on the Beachも行なわれた。Grimes on the Beach - photo galleryで写真を見ることができる。(2013.07.03)
 
Mozart: Messe KV 427 c-moll "Große Messe"
(komplettierung & rekonstruktion: Clemens Kemme)
Elin Rombo, Stella Doufexis, Tilman Lichdi, Tareq Nazmi
Chor des Bayerischen Rundfunks
Münchener Kammerorchester
Peter Dijkstra
2012.12 Prinzregententheater München
[Sony 88765477852]
 ディスクがコンスタントに出る音楽家のひとり、ペーター・ダイクストラ。バイエルン放送合唱団との新譜は、モーツァルトのハ短調ミサ。ここではオランダの音楽学者、クレメンス・ケンメによる補完再構成版が用いられている。(2013.07.02)
 
The Cosima Era - The Early Bayreuth Festival Singers 1876-1906
CD 1 Der fliegende Holländer
CD 2 Tannhäuser
CD 3 Lohengrin
CD 4 Tristan und Isolde
CD 5 Die Meistersinger von Nürnberg
CD 6 Das Rheingold · Die Walküre I/II
CD 7 Die Walküre II/III · Siegfried I/II
CD 8 Siegfried III · Götterdämmerung
CD 9 Parsifal
CD 10 Bayreuth Festival Singers 1876-1894
CD 11 Bayreuth Festival Singers 1894-1899
CD 12 Bayreuth Festival Singers 1901-1906
Tondokumente von insgesamt 93 Wagner-Sängerinnen aus der Ära Cosima Wagner mit 305 Arien & Szenen aus Der fliegende Holländer, Tannhäuser, Lohengrin, Tristan und Isolde, Die Meistersinger von Nürnberg, Der Ring des Nibelungen, Parsifal

Alois Burgstaller, Alfred von Barry, Theodor Bertram, Emmy Destinn, Ernest van Dyck, Wilhelm Grüning, Ellen Bulbranson, Alois Hadwiger, Paul Knüpfer, Ernst Kraus, Felix von Kraus, Anton van Rooy, Erik Schmedes, Ernestine Schumann-Heink, Walter Soomer, Hermann Winkelmann u. v.a.
1905-30
[Pan Classics PC10288] (12 CDs)
 草創期のバイロイト音楽祭に参加した歌手93人のさまざまな録音305種を集め、まず演目ごとに9枚に並べ、続いて曲目違いやワーグナー以外の作品を3枚にまとめたもの。Gebhardtの100 Jahre Bayreuth Auf Schallplatte (JGCD62、2004) の再発売だが、これだけまとまると壮観というほかない。なぜかPan Classicsという、これまでヒストリカルに縁の薄いレーベルから出るのも面白い。タイトルとしては、Pan Classics盤のほうが内容に正確。(2013.06.30)
 
The Sound of Weimar Vol.6
Liszt: Ungarische Rhapsodien Nr. 1-6 (Orchesterfassungen von Franz Liszt & Franz Doppler)

Orchester Wiener Akademie
Martin Haselböck
2012.10 österreichischen Lisztzentrum Raiding
[CPO]
 2012.12.12の欄で取りあげた、ハーゼルベック&ウィーン・アカデミー管弦楽団によるピリオド演奏のリスト作品集「The Sound of Weimar」シリーズ。NCAから発売された5枚組で完結かと思っていたら、ハンガリー狂詩曲の管弦楽版をあつめた続編がCPOから登場。
 ライディングのリスト音楽祭ではこれ以外にもファウスト交響曲などを演奏しているので、管弦楽作品全集の完成が期待される。 (2013.06.28)
 
Schubert:
 Sinfonie Nr. 6 C-Dur D 589 "Kleine C-Dur Sinfonie"
 Rosamunde op. 26 D 797 (Schauspielmusik) (Auszug)

Svenska Kammarorkestern
Thomas Dausgaard
2012.2 Örebro
[BIS BIS-1987 SACD] (Hybrid SACD)
 ブラームス、ワーグナーと、休むことなく疾駆するダウスゴーとスウェーデン室内管の今年3枚目の新譜は、シューベルト。《未完成》&《グレート》に続く第2弾となる。《小ハ長調》に、組合せがロザムンデの間奏曲とバレエ音楽というのも楽しみ。(2013.06.27)
 
Rossini: La Cenerentola
Ruxandra Donose (Cenerentola), Maxim Mironov (Don Ramiro), Alessandro Corbelli (Don Magnifico), Raquela Sheeran (Clorinda), Lucia Cirillo (Tisbe), Umberto Chiummo (Alidoro) & Pietro Spagnoli (Dandini)
Orchestra of the Age of Enlightenment
Vladimir Jurowski
2007.6-8 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD018-07] (2 CDs)
 ユロフスキ指揮の《ラ・チェネレントラ》は、ほぼ同一のキャストによる2005年の映像がDVDで以前から出ているが、これは2007年の再演時の録音で、オーケストラがLPOからピリオド楽器のエイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団に変わっているのがききもの。ユロフスキがピリオド楽器と奏法を実践しはじめた時期のものだけに、面白そう。(2013.06.26)
 
Brahms:
 Sinfonie Nr. 1 c-moll op. 68
 Sinfonie Nr. 3 F-Dur op. 90

WDR Sinfonieorchester Köln
Jukka-Pekka Saraste
2013.1 Kölner Philharmonie
[Profil PH13028]
 着実に実績を築いて、それをディスクに記録してくれているサラステ&ケルンWDR響。ブラームスも正攻法の響きを期待。WDRはライスキン&ライン・フィルのブラームス交響曲全集の録音が素晴らしかったので、ここでも楽しみ。(2013.06.23)
 
Stravinsky:
 Concerto in E flat "Dumbarton Oaks" for Chamber Orchestra (1938)
 Danses Concertantes for Chamber Orchestra (1942)
 Suite - Histoire du Soldat (1924)

Zürcher Kammerorchester
Roger Norrington
[Sony 88725470102]
 活動の主舞台をチューリヒ室内管弦楽団に移したノリントン。かれらとのソニーでの第1弾はストラヴィンスキー作品集。新古典主義時代の作品を、どのような響きで聴かせてくれるか。(2013.06.21)
 
Fire & Ice
Cristóbal Galán:
Vuele, vuele feliz mariposa;Atencion al retratro de Filis;Fuentecillas lisonjeras;O que mal vamos Amor;Humano ardor;Pintar quiero una imagen;Mariposa no corras al fuego;Pajarillo que cantas ausente;Ay, ay, cruel delito;Pajarillo que al alba saludas;Ya los caballos de jazmin y rosa;Que ha de tener Ilegare

Accentus Austria, Thomas Wimmer
2009.11 Wien
[DHM 88765445182]
 前作「Serenata Hungarica」がめっぽう面白かったウィーンの古楽アンサンブル、アッチェントゥス・アウストリアの新作は、マドリードの王宮礼拝堂楽長などを歴任したスペインの音楽家、クリストバル・ガラン (1620? - 1684)の教会音楽や世俗歌曲をあつめたもの。
  前作ではトルコ支配下のハンガリーを舞台に、バロック音楽とロマやトルコ音楽の響きの組合せが生彩に富んで、愉しかった。今回はスペインの民族楽器が加わるらしいので、炎と氷、ラテンの聖俗音楽の対照と融合が楽しみ。(2013.06.20)
 
The Romantic Piano Concerto 60 - Théodore Dubois
Dubois:
 Concerto Capriccioso (1876)
 Piano Concerto No. 2 in F minor (1897)
 Suite for piano and string orchestra in F minor (1917)

Cédric Tiberghien (piano)
BBC Scottish Symphony Orchestra
Andrew Manze
2012.6.13-14 Glasgow
[Hyperion CDA67931]
 19世紀から20世紀への変わり目にパリ音楽院院長の座にあり、またそれ以前から和声と作曲の教授として、パリ楽壇の重鎮だった作曲家、テオドール・デュボワ(1837-1924)。 このところ、ピアノと管弦楽のための作品を中心に、新録音をよく見かける。これもその一つで、 Hyperion の「ロマン派のピアノ協奏曲」シリーズ、第60巻。若き名手ティベルギアンが、マンゼ指揮のBBCスコティッシュ響と共演というのがききもの。(2013.06.18)
 
Rossini: Petite Messe Solennelle
Kirchheimer Vokal-Consort:
 Andrea Lauren Brown, Sarah Wegener (Sopran)
 Ulrike Andersen, Ulrike Bartsch (Alt)
 Michael Feyfar, Georg Poplutz (Tenor)
 Jonathan de la Paz Zaens, Dominik Wörner (Bassbariton)
Simon Bucher (Klavier), Andreas Gräsle (Harmonium)
Tonu Kaljuste
2012.7.28-30 Noblessner Hall, Tallin, Estonia
[CARUS 83.406/00]
 ドイツの合唱団キルヒハイマー・ヴォカール・コンゾートによる、ロッシーニの傑作《小ミサ・ソレムニス》。各パート2人の8人の合唱と、ピアノにハルモニウムという小編成版。
 この合唱団は、ドイツのラインラント・プファルツ州の小都市キルヒハイム・アン・デア・ヴァインシュトラーセで1990年から開催されている古楽演奏会シリーズ「キルヒハイマー・コンツェルトヴィンター」の一環として、2010年に《小ミサ・ソレムニス》を取りあげたさいに結成されたものという。
 指揮のトヌ・カリユステ(1953年生れ)はタリン生れ、実演でも録音でも日本でおなじみの優れた合唱指揮者。2010年のキルヒハイムの演奏会の指揮も担当していた。この録音はその2年後に、かれの生地で行なわれたものである。地味だが、澄んだ美しい響きと音質の、いいディスクになりそう。(2013.06.14)
 
Schubert: Symphony No.8 in C Major, D.944 "The Great"
NDR Sinfonieorchester
Thomas Hengelbrock
2012.9.10-12 Kongresshalle, Lübeck
[Sony 88883729982]
 ヘンゲルブロック&NDR響の第3弾は、シューベルトの《グレート》。前作のドヴォルジャークの4番もよかったし、昨年あたりからシューベルトの交響曲には示唆に富んだ、優れたディスクがいくつも出ているだけに、これにも期待している。すべての反復を行い、演奏時間は1時間をこえているという。北ドイツ放送響の《グレート》といえばヴァントの十八番でもあっただけに、ききくらべも面白そう。(2013.06.13)
 
Alain Vanzo: Airs Francais
Faust : Cavatine (Gounod). Mireille : Anges du paradis (Gounod). Romeo et Juliette : Cavatine (Gounod). Romeo et Juliette : Air du tombeau (Gounod). Richard Coeur de Lion : Si l'univers entier m'oublie (Gretry). Benvenuto Cellini : Sur les monts les plus sauvages (Berlioz). Mignon : Adieu Mignon courage (Thomas). Les Pecheurs de perles : Romance de Nadir (Bizet). La Jolie Fille de Perth : Serenade (Bizet). Le Roi d'Ys : Aubade (Lalo). Lakme : Ah! viens dans la foret profonde (Delibes). Manon : Le reve de des Grieux (Massenet). Manon : Air de Saint Sulpice (Massenet). Le Reve passe (Krier). Interview : 1982 avec Jacques Bertrand. Werther : Pourquoi me reveiller (Massenet). La Navarraise : O bien aimee (Massenet). Les Vepres siciliennes : O jours de peine (Verdi). Don Carlos : Je l'ai perdue (Verdi). Elle etait si jolie (Alain Barriere).

Alain Vanzo (tenor)
1954-1962
[Malibran CDRG201]
 20世紀後半のフランス最高のリリック・テノールで、最愛の歌手の一人であるアラン・ヴァンゾ(1928~2002)のフランス・アリア集。このディスクは少し前に出ていたが、中身がどのようなものなのかわからなかったので紹介しなかった。現物を聴いたところ、素晴らしいものなので紹介。
 1954年のヴァンゾ最初の録音というクリエールの〈過ぎ去りし夢〉から、1962年までの放送録音19曲と1982年のインタビューからなる。個々の録音データや共演の指揮者&オーケストラが何も書かれていないのは不親切だが、ヴァンゾの声そのものは音場感豊かに、独特の空気を細かく振るわせて伸びる物哀しい響きと、理想的なレガート唱法が見事に再現されていて、ファンにはたまらない。
 現在入手容易な Accordのアリア集が、音質的にヴァンゾの魅力をもう一つ伝えていないのとは対照的で、いまヴァンゾを語るならこれを聴け、という1枚。個人的には《真珠採り》の〈耳に残るは君の歌声〉で、最後のcharmant souvenir を繰り返してくれていたのが、ものすごく嬉しかった。初期の録音では、ここを歌っていないことが多いからである。(2013.06.12) 
 
Edicson Ruiz spielt Kontrabaßkonzerte
 Sperger: Kontrabaßkonzert D-Dur
 Hoffmeister: Kontrabaßkonzert D-Dur
 Zimmermann: Kontrabaßkonzert D-Dur
 Dittersdorf: Kontrabaßkonzert Es-Dur

Edicson Ruiz (Kontrabaß)
Sinfónica Juvenil Teresa Carreño de Venezuela
Christian Vasquez
2011
[Phil.harmonie PHIL06020]
 昨日に続いて、エル・システマ関係で買いそびれていたディスクを紹介。エル・システマ育ちのベルリン・フィルのコントラバス奏者、エディクソン・ルイスがひく、18世紀後半、モーツァルトと同時代にウィーンで活躍した作曲家たちのコントラバス協奏曲集。
 エディクソン・ルイスは1985年ベネズエラのカラカスに生れ、エル・システマで学び、17歳でベルリン・フィルに入団。オーケストラ史上最年少、そして南米人として初の同楽団員となっている。
 ベネズエラ・テレサ・カレーニョ・ユース交響楽団は、エル・システマによる多数のオーケストラの一つで、2007年結成、14歳から20歳まで160人の青少年で構成される。
 指揮をするのがやはりエル・システマ育ちの1984年生れの指揮者、クリスチャン・バスケスというのもききもの。
 なおルイスとバスケスのコンビで、シモン・ボリバル交響楽団と2009年に録音した別のコントラバス協奏曲集も、同じPhil.harmonieから出ている。(2013.06.11)
 
Rameau in Caracas
Rameau:
 Zoroastre: orchestral suite
 Dardanus Suite
 Suite from Castor & Pollux
 Orchestral Suite: Acante et Céphise
 Les Indes galantes: Suite

Soloists of the Simon Bolivar Symphony Orchestra of Venezuela
Bruno Procopio
2012
[Paraty PARATY512120]
 ベネズエラのシモン・ボリバル交響楽団のメンバーが、ブルーノ・プロコピオを指揮に招いてオール・ラモーのプログラムを演奏。おそらくはモダン楽器のままの演奏だろうが、どんな熱いラモーを聴かせてくれるのやら。
 プロコピオは1976年ブラジル生まれのチェンバリスト・指揮者で、フランスでクリストフ・ルセ、ピエール・アンタイらに師事しているという。(2013.06.10)
 
Wagner: Die Walküre Akt 1
Nina Stemme (Sieglinde), Johan Botha (Siegmund) & Ain Anger (Hunding)
Orchester der Wiener Staatsoper
Franz Welser-Möst
2007.12.2 Wiener Staatsoper
[Orfeo C875131B]
 ウィーン国立歌劇場2007年の公演から、《ワルキューレ》第1幕。ウェルザー=メストの指揮に、ステンメとボータという重量級のヴェルズング兄妹が豪華で楽しみ。小澤征爾の音楽総監督時代に、次期音楽監督のウェルザー=メストがこの作品を新演出初演したときの初日のライヴ。ボータはこのときが初役だったそう。(2013.06.07)
 
ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 (ノーヴァク版)
新日本フィルハーモニー交響楽団
ゲルハルト・ボッセ(指揮)
2003.6.27 & 28 すみだトリフォニーホール
[フォンテック FOCD-9598/9] (2 CDs)
 ボッセ90年の生涯で、ブルックナーを指揮したのはただこの2日間だけだったという。その貴重な記録がCD化。(2013.06.05)
 
Mahler: Symphony No. 4 (chamber arrangement by Erwin Stein)
Debussy: L‘Apres midi d‘un faune

Sonia Grané (soprano)
Royal Academy of Music Soloists Ensemble
Trevor Pinnock
[Linn Records CKD438]
 室内楽版編曲によるマーラーの交響曲第4番の録音は、もはや珍しくない。しかしここでは、トレヴァー・ピノックが指揮をしている、というのがききもの。
 エルヴィン・シュタインによる「私的演奏協会」のための編曲は、ソプラノ、フルート、オーボエ、クラリネット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ、打楽器、ハーモニウムという編成による。(2013.06.04)
 
Hindemith: Complete Viola Works Volume 1
Hindemith:
 Der Schwanendreher
 Trauermusik
 Kammermusik No. 5 Op. 36 No. 4 Bratschenkonzert
 Konzertmusik Op. 48a
(early edition, world premiere recording)
Tabea Zimmermann (viola)
Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
Hans Graf
[Myrios MYR010] (Hybrid SACD)
 今年はヒンデミット没後50周年。地味だがとてもいい仕事をMyriosで続けているタベア・ツィンマーマンの新譜は、そのヒンデミットが得意としたヴィオラのための作品全集。
 この第1集は《白鳥を焼く男》など、オーケストラ伴奏の作品ばかりを収めている。無伴奏、ピアノ伴奏のソナタを集めた2枚組の第2集も、夏に発売予定。(2013.06.01)
 
Bach Re-invented
 JS Bach: Invention No. 1 in C Major, BWV 772
 Gene Pritsker (1971): Reinventions (Piano Concerto)
 JS Bach: Invention No. 4 in D Minor, BWV 775
 Daniel Schnyder (1961): toopART Reinventions - Concerto Grosso for Chamber Orchestra two keyboards and Saxophone
 JS Bach: Invention No. 8 in F Major, BWV 779
 Tom Trapp (1980): Headless Snowman

Simone Dinnerstein (piano)
Absolute Ensemble
Kristjan Jarvi
[Sony 88691941682]
 「バッハ・リインヴェンティド」は、2012年にクリスチャン・ヤルヴィとかれが率いるアブソリュート・アンサンブルが、ディナースタインを独奏に北米で行なったコンサート・ツアー。バッハのインヴェンションと、それにインスパイアされたダニエル・シュニーダーなどの新作を並べた「境界なき音楽」。バロックからロックへの、ジプシー音楽とヒップホップも交えた音楽の旅。いかにもK・ヤルヴィらしい企画だけに、期待。(2013.05.30)
 
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 Op.56《スコットランド》
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 Op.60

神戸市室内合奏団
ゲルハルト・ボッセ(指揮)
2011.6.11、2007.10.13 神戸文化ホール中ホール
[コウベレックス KRS461]
 昨年亡くなったボッセが、1998年から首席指揮者、音楽監督をつとめた神戸市室内合奏団を指揮したライヴ録音。神戸市室内合奏団の自主制作盤で、メンデルスゾーンは初登場、ベートーヴェンはLPで出ていた演奏の初CD化。2010年9月の紀尾井シンフォニエッタとのベートーヴェン演奏会が素晴らしかっただけに、同様の室内オーケストラとのこの2曲も楽しみ。(2013.05.28)
 
Richard Tucker: The Song and Cantorial Album Collection
DISC 1 Songs from Sunny Italy
DISC 2 Sorrento
DISC 3 The fabulous voice of Richard Tucker
DISC 4 Vienna, City of my dreams
DISC 5 The Art of Bel Canto
DISC 6 The Soul of Italy
DISC 7 What now my love
DISC 8 Cantorial Jewels
DISC 9 Israel Sings / Goldfaden Songs
DISC 10 Welcoming the Sabbath - A Friday Evening Service
DISC 11 Kol Nidre Service
DISC 12 Passover Seder Festival
DISC 13 Hatikvah! Richard Tucker Sings Great Jewish Favorites
DISC 14 First Performance - Lincoln Center Sept 23, 1962

Richard Tucker (tenor)
1950~1969
[Sony 88765444742] (14 CDs)
 最愛の歌手の一人、リチャード・タッカー(1913-1975)。日本では「ヴェルディを妙な声で歌うアメリカのテノール」として軽侮されることが多いけれど、東欧ユダヤの伝統を受け継いだ哀愁と陰りのある歌声に、私は心惹かれてやまない。その抜群の歌のうまさを味わうには、イタリア・オペラよりもフランス・オペラや、ここに収められた各国の歌のほうがわかりやすい。CDでは断片的にしか出たことがなかったが、生誕100年の今年、集大成されてボックス化。
 後半の6枚はユダヤ教会の聖歌やイディッシュによる歌曲。『クレンペラーとの対話』(白水社)で、クレンペラーは1910年にハンブルクのオペラで共演したエンリコ・カルーソーについて、こんなことを語っている。
「カルーソーはポーランドのユダヤ教会の歌手から学んだものがいかに大きかったかを話してくれました。彼はユダヤ教会がある町に滞在したときには、いつでも金曜日の夜に歌を聴きに行ったものです。東ヨーロッパの聖歌隊の独唱者はすぐれています。ふつう彼らはテノールではなく、ハイ・バリトンの声をしていますが…」(佐藤章訳)
 カルーソーが活躍したニューヨークの下町ブルックリンに貧しいユダヤ移民の子として生れ、町のユダヤ教会で歌いながらカルーソーの歌声に憧れ、プロのテノールに育った歌手、タッカー。
 同時に10枚組のオペラ・アリア集も発売。(2013.05.25)
 
Brahms:
 Cello Sonata No. 1 In E Minor, Op. 38
 Cello Sonata No. 2 in F major, Op. 99
 Clarinet Trio in A minor, Op. 114

Ophélie Gaillard (cello), Louis Schwizgebel-Wang (piano), Fabio di Càsola (clarinet)
2012.8
[Aparté AP053]
 バロックからモダンまで、各時代の様式と楽器を弾きわけながら、柔和で叙情的な歌を聴かせてくれる女性チェリスト、オフェリー・ガイヤール。
 ロマン派では昨年のシューマンの協奏曲とリスト作品集に続くものとなる新作は、ブラームス。中国系スイス人ピアニストのルイ・シュヴィッツゲーベル=ワン(1987年生れ)は以前からCDでおなじみだが、昨年のリーズ・ピアノ・コンクールで2位となるなど、順調に成長しているらしい。その共演も楽しみ。(2013.05.23)
 
Mendelssohn:
 Symphony No. 4 in A major, Op. 90 'Italian'
 Symphony No. 3 in A minor, Op. 56 'Scottish'
Bach, J S:
 Cantata BWV107 'Was willst du dich betrüben': Herr, gib, dass ich dein’ Ehre (transcribed for orchestra)

Orchestra of the Eighteenth Century
Frans Brüggen
2009.9 & 2012.11 Utrecht
[Glossa GCD921117]
 4月の「ブリュッヘン・プロジェクト」での最後の来日公演も大好評だった、ブリュッヘン&18世紀オーケストラ。《スコットランド》とアンコールのバッハは日本でも演奏されたもの。フィリップス時代以来の再録音。 (2013.05.22)
 
Rossini: Semiramide
Myrtò Papatanasiu (Semiramide), Ann Hallenberg (Arsace), Josef Wagner (Assur), Robert McPherson (Idreno), Igor Bakan (Oroe), Julianne Gearhart (Azema) & Eduardo Santamaria (Mitrane)
Symphonisch Orkest van de Vlaamse Opera
Alberto Zedda
2010.12 Vlaamse Opera, Antwerpen
[Dynamic CDS674] (3CDs)
名匠ゼッダの指揮するロッシーニの傑作《セミラーミデ》。2010年のフランダース歌劇場でのライヴ録音で、 パパタナシウ(パパタナシュ)、ハレンベリと旬の歌手が主役。
 ゼッダには1992年のペーザロ・ライヴのリコルディ盤(タマール、スカルキ、ペルトゥージ)もあるが、「学者らしく」が枕詞だった当時よりもはるかに懐の深い、闊達な指揮を近年は聴かせてくれているので、この新録音がとても楽しみ。(2013.05.18)
 
Kyung-Wha Chung, Itamar Golan
Tokyo, Suntory Hall Live April 26th 1998
『チョン・キョンファ 衝撃の東京ライヴ第1夜(1998年4月26日)』
 シューベルト: ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ長調「二重奏曲」 D.574 Op.162
 シューベルト: 幻想曲 ハ長調 D.934 Op.159
 シューマン: ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調 Op.121
 J.S. バッハ: G線上のアリア BWV1068-2
 クライスラー: 愛の哀しみ
 ポルディーニ( クライスラー編): 踊る人形
 ドヴォルジャーク: ユモレスク
 ドビュッシー( ハイフェッツ編): 美しい夕暮れ

チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
イタマール・ゴラン(ピアノ)
1998.4.26 サントリーホール、東京
[King International KKC4009/10] (2 CDs)

Kyung-Wha Chung, Itamar Golan
Tokyo, Suntory Hall Live April 28th 1998
『チョン・キョンファ 衝撃の東京ライヴ第2夜(1998年4月28日)』
 J.S.バッハ: G線上のアリア BWV1068-2
 ストラヴィンスキー: 協奏的ニ重奏曲
 J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
 バルトーク: ヴァイオリン・ソナタ第2番
 ラヴェル: ツィガーヌ
 ラフマニノフ: ヴォカリーズ
 クライスラー: 美しきロスマリン
 クライスラー: 中国の太鼓
 ドビュッシー( ハイフェッツ編): 美しい夕暮れ

チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
イタマール・ゴラン(ピアノ)
1998.4.28 サントリーホール、東京
[King International KKC4011/12] (2 CDs)
 チョン・キョンファの1998年来日公演のサントリーホールでの2回のリサイタルのライヴ録音。リサイタルでサントリーホールを満員にできたヴァイオリストは多くないが、彼女はその一人で、当時大評判になった公演の貴重な記録。放送用ではなく、主催者側の記録用音源らしい。(2013.05.17)
 
Händel / Mozart / Mosel
Timotheus oder Die Gewalt der Musik

Roberta Invernizzi (soprano), Werner Güra (tenor), Gerald Finley (bass)
Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
Concentus musicus Wien
Nikolaus Harnoncourt
2012.11.28 & 29 Großer Musikvereinssaal, Wien
[Sony 88883704812]
 市民の音楽団体であるウィーン楽友協会が発足したのは1814年。そのきっかけになったのは、2年前の1812年11月29日にウィーンのスペイン乗馬学校で行われた、巨大な慈善演奏会だった。
 そのとき、600人の市民合唱団とオーケストラによって上演されたのが、ヘンデルのオラトリオ《アレクサンダーの饗宴》をモーツァルトがドイツ語訳詞で編曲したものを基に、フランツ・フォン・モーゼルが管弦楽を大幅に拡大した《ティモテウス、あるいは音楽の力》。
 このCDはその200周年を記念して、ウィーン楽友協会が主催したアーノンクール指揮の演奏会のライヴ録音。
 音楽の中心が宮廷から市民社会へと移っていく歴史を象徴するのが、自国語で市民参加の合唱団によって歌われる、ヘンデルのオラトリオ。その影響がウィーンにも波及し、楽友協会を生み出すことになる。
 オペラや交響曲とともにヨーロッパ市民社会の「クラシック音楽」の柱となっていたオラトリオというジャンルを考えるのに、好適のディスクになるはず。(2013.05.14)
 
The Scarlatti Restored Manuscript
D. Scarlatti:
Sonate per cembalo, libro I
1 Sonata in Do minore K174
2 Sonata in Sol maggiore K171
3 Sonata in Re minore K176
4 Sonata in Do maggiore K170
5 Sonata in Mi maggiore K162
6 Sonata in Re maggiore K164
7 Sonata in La minore K149
8 Sonata in Si bemolle maggiore K154
9 Sonata in La minore K148
10 Sonata in Si bemolle maggiore K172
Soler:
11 Sonata in Do maggiore
12 Sonata in Si maggiore
13 Sonata in Re bemolle maggiore
14 Sonata in Mi maggiore

Andrea Bacchetti (piano)
2012 Fazioli Concert Hall, Sacile
[RCA 88765417252]
 発売を知ってからずいぶん待たされた、待望のバッケッティの新譜。現在、ソニーでバッハ、RCAでイタリア・バロックの作曲家たちと、2つのラインを並行して録音中。RCAでは前作のベネデット・マルチェッロがとにかく素晴らしかったので、このスカルラッティも楽しみ。バッケッティとマルカリーニによる、手稿譜に基づく新版を用いている。 (2013.05.13)
 
Mahler: Symphony No.4 in G major
Dukas: L'Apprenti sorcier

Sena Jurinac (soprano)
Vienna Symphony Orchestra
Karl Rankl
1954.1.23 Großer Musikvereinssaal, Wien
[Guild GHCD 2397]
カール・ランクル(ランケル、1898-1968)はウィーン近郊に生れてシェーンベルク、ウェーベルンなどに学び、戦前はドイツ語圏の歌劇場で活動、1946~51年にコヴェントガーデン・ロイヤル・オペラの初代音楽監督をつとめた人物。
 世界史的には英語圏で活動した数多くの亡命ユダヤ人指揮者の一人、というにすぎないが、自分にとっては、グッドオール伝を書いたときの印象的な登場人物として思い入れがある。
  まだマイナーな音楽家が大半を占めていたSP時代末期のデッカに、LSOなどと交響曲を数曲録音しているそうだが、覆刻盤は見たことがなく、これまではコヴェントガーデンでのあまり音質のよくないワーグナーの抜粋が世に出ている程度だったので、故郷ウィーンでの演奏会のマーラーの交響曲がどのようなものなのか、興味深い。この頃はロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者(1952~57)をつとめていた。(2013.05.11)
 
Elgar:
 Symphony No. 2 in E flat major, Op. 63
 Sospiri, Op. 70
 Elegy for strings, Op. 58

Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
Sakari Oramo
2011.6 & 2012.8
[BIS BIS-1879](Hybrid SACD)
 気になる指揮者の一人、サカリ・オラモ(1965年生れ)。近年は北欧での録音が主体で、Ondineからフィンランド放響とのプロコフィエフの交響曲などが出ているが、これはBISからで、2008年から首席指揮者をつとめるロイヤル・ストックホルム・フィルとの録音。(2013.05.10)
 
Schubert: Winterreise D911
Alice Coote (mezzo-soprano) , Julius Drake (piano)
2012.1.26 & 28 Wigmore Hall, London
[Wigmore Hall Live WHLIVE0057]
 オペラに演奏会に録音、各分野で活躍中のイギリスのメゾソプラノ、アリス・クートによる《冬の旅》。ボストリッジの《美しい水車小屋の娘》の来日公演で素晴らしいピアノを聴かせてくれたドレイクの伴奏も楽しみ。(2013.05.09)
 
Legende: Music of the French Foreign Legion
01 Le Boudin [Traditional]
02 Le soleil brille [Alford]
03 Adieu Vieille Europe [Traditional]
04 Un dur, un vrai, un tatoué [Manse]
05 Non, Je ne regrette rien [Dumont]
06 La Marseillaise [Rouget de Lisle]
07 Lili Marleen [Schultze]
08 Le Chant de l'oignon [Anonymous]
09 Sous le ciel de Paris [Giraud]
10 El Deguello [Tiomkin]
11 Le Fanion de la Légion [Monnot]
12 La Mer [Lasry, Trenet: ]
13 Boléro [Ravel]
14 Le Boudin [Traditional]

Musique de la Légion étrangère
[DG 4791687]
 なんとあのフランス外人部隊の軍楽隊の、国際デビュー盤。世界中の30か国から集まった兵士たち100名によって構成され、その多くは外人部隊直属のコンセルヴァトワールで訓練を受けているという。
 伝統の白いケピ帽が勇ましいが、それにしてもいまなぜ、突然かれらがCDをDGから出すのか? なによりもそれが「気になる」。(2013.05.07)
 
Dvorak:
 Symphony No. 9 in E minor, Op. 95 'From the New World'
 The Hero's Song, Op. 111

Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Andris Nelsons
2010.10 & 2012.4
[BR Klassik 900116]
 快進撃のネルソンスが、師ヤンソンスがシェフをつとめるバイエルン放送響を指揮した、ドヴォルジャークの《新世界より》と《英雄の歌》。Orfeoのバーミンガム市響のディスクの響きとの聴き比べも楽しみ。(2013.05.02)
 
Cherubini: Lodoïska
Nathalie Manfrino (Lodoïska), Hjördis Thébault (Lysinska), Sébastien Guèze (Florerski), Philippe Do (Titzikan), Armando Noguera (Varbel), Pierre-Yves Pruvot (Dourlinski) & Alain Buet (Altama)
Choeur Les Eléments & Le Cercle de L’Harmonie, Jérémie Rhorer
2010.10 Venezia & Roma
[Naïve AM209] (2 CDs)
 躍動感と緊張感あふれる演奏で、新譜を心待ちにしているピリオド・アンサンブル、ジェレミー・ロレール指揮のル・セルクル・ド・ラルモニー。今回はケルビーニのオペラ《ロドイスカ》。フランス革命の混乱真っ只中の1791年7月にパリで初演されたにもかかわらず、上演が200回をこす大ヒットになったという作品。フランス人を中心とする歌唱陣にも期待。(2013.05.01)
 
Mahler: Kindertotenlieder (bearb. für Kammerensemble von A. Schönberg / R. Riehn)
Berg: Konzert für Violine und Orchester "Dem Andenken eines Engels"
(bearb. für Kammerensemble von N. Tarkmann)
Berg: Altenberg Lieder op. 4
(bearb. für Kammerensemble von D. Wagenaar)
Winfried Rademacher (violine)
Marion Eckstein (mezzo-soprano)
Linos Ensemble
[Capriccio C5135]
 1977年結成のリノス・アンサンブルは、既存の室内楽作品に加えて、シュトラウスのワルツ集のような新ウィーン楽派の「私的演奏協会」のための室内アンサンブル版や、その精神に倣ったマーラーの交響曲第4番、ブルックナーの交響曲第7番などの新たな縮小版を録音してきた団体。今作もマーラーとベルク、曲目がよいので楽しみ。(2013.04.29)
 
Mozart:
 Clarinet Concerto in A major, K622
 Requiem in D minor, K626

Benjamin Dieltjens (clarinet)
Lucy Hall (soprano), Angélique Noldus (alto), Hui Jin (tenor), Josef Wagner (bass)
Choeur de Chambre de Namur
New Century Baroque Orchestra
Leonardo García Alarcón
[Ambronay AMY038]
 生彩豊かな演奏がいつも楽しみな指揮者、アラルコン。新譜はモーツァルト最晩年の名作2曲、レクイエムとクラリネット協奏曲。これまではバロック期の作品ばかりだったので、どんな響きを聴かせてくれるか。
 クラリネット独奏は1973年ベルギー生れのベンヤミン・ディールティエンス(チェロ奏者のロエル・ディールティエンスとの関係は不明)。オーケストラはアンブロネのヨーロッパ・バロック・アカデミーで学んだ若い奏者によって2011年に結成されたものという。(2013.04.28)
 
Mahler: Symphony No. 1 in D major 'Titan'
 including ‘Blumine’

London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2010.12.4 Royal Festival Hall, London
[LPO LPO0070]
 《復活》に続く、ユロフスキ&LPOのマーラー第2弾。「花の章」を第2楽章として挿入しているという。(2013.04.23)
 
Fait pour les Anglois
JS Bach: Englische Suiten BWV 806-811

Pascal Dubreuil (harpsichord)
[Ramée RAM1207]
 バンジャマン・アラールとともに新譜の発売に注目しているチェンバロ奏者、パスカル・デュブリュイユ。独特の柔らかい、たわみをもった構造感(木製の枠組のような、とでもいうか)が心地よい。
 パルティータ集、鍵盤練習曲集第2巻に続くRaméeでのバッハの第3弾は、イギリス組曲。(2013.04.21)
 
Berlioz:
 Les Nuits d'été, Op. 7
 Roméo et Juliette, Op. 17: Love Scene
 La Mort de Cléopâtre - Scène lyrique

Karen Cargill (mezzo-soprano)
Scottish Chamber Orchestra
Robin Ticciati
[Linn CKD421](Hybrid SACD)
 イギリス期待の俊英ティチアーティ(1983年生れ)と、2009年からかれを首席指揮者に戴くスコットランド室内管弦楽団による第2弾は、前作の幻想交響曲に続いてベルリオーズ作品集。メゾソプラノのカーギルを独唱とする《夏の夜》《クレオパトラの死》と、《ロメオとジュリエット》の〈愛の情景〉。ティチアーティのしなやかで優美な音づくりはベルリオーズにはまっているだけに、これも楽しみ。(2013.04.19)
 
CHOPIN:
 12 Études op. 10
 12 Études op. 25

Jan Lisiecki (piano)
2013.1 Toronto
[DG 0289 479 1039 8]
 軽やかに躍動する響きが美しいピアニスト、ヤン・リシエツキ。1995年生まれ、まだ17歳のかれのDG第2弾は、ショパンのエチュード集。これまでは協奏曲(ショパンとモーツァルト)しか出ていないので、初の独奏曲となる。(2013.04.18) 
 
Wagner:
 Der Fliegende Holländer-Ouvertüre (Fassung von 1841)
 Wesendonck-Lieder (orchestriert von Mottl/Wagner)
 Der Fliegende Holländer-Ouvertüre (Fassung von 1880)
 Siegfried-Idyll
 Träume (Wesendonck-Lied-Nr. 5) für Violine & Orchester
 Vorspiel zu "Die Meistersinger von Nürnberg"

Nina Stemme (Soprano), Katarina Andreasson (Violin)
Swedish Chamber Orchestra
Thomas Dausgaard
2012.5-8
[BIS BIS-2022 SACD] (Hybrid SACD)
 ブラームスの交響曲第1番も刺激的に素晴らしかったダウスゴーとスウェーデン室内管弦楽団の新作は、嬉しいワーグナー。
 ステンメ独唱のヴェーゼンドンク歌曲集を、《さまよえるオランダ人》の初版と救済つきの最終版の2つの演奏ではさむという一捻りした構成は、いかにもダウスゴー。ジークフリート牧歌に《マイスタージンガー》など、他の曲もとても楽しみ。(2013.04.17)
 
The Panufnik Legacies
 McCormack: Incentive
 Mason, C: … from bursting suns escaping …
 Piper, C: Fleotan
 Gynn: Sakura
 Nesbit: Parallels I; Parallels II
 Yarde: Rude Awakening!
 Suckling: Fanfare for a Newborn Child
 Mayo: Therma
 Winters: Sudden Squall, Sudden Shadow
 Maistorovici: Halo

London Symphony Orchestra
François-Xavier Roth
2012.10 LSO St Luke’s
[LSO Live LSO5061]
 ロンドン交響楽団の The LSO Panufnik Scheme のために若手作曲家が書いた新作を収録したディスク。これはオーケストラと関係の深い作曲家サー・アンジェイ・パヌフニクを記念して、毎年6名の作曲家に演奏時間3分の楽曲を委嘱する企画で、2005年に開始された。ここには最初の5年間から、10人の作品が選ばれている。
 ライヴではなくセッション録音で、今をときめくフランソワ=グザヴィエ・ロトの指揮というのが興味深い。ロトはLSOが隔年で主催する指揮者コンクールの2000年の優勝者として、やはりオーケストラと縁が深いのだそう。
 録音会場も18世紀の教会を改装して2003年にオープンさせた、LSOのリハーサル、コンサート用のホール。ランチタイムコンサートや音楽教育プログラムなど、聴衆の開拓目的にも使用されているという。
 3分の作品が11曲だから収録時間は短そうだが、そのぶん価格は安いし、次世代の作曲家と指揮者の育成、自前のホールと聴衆の開拓、そして自主制作盤と、21世紀のオーケストラ運動の一つの典型として、聴いてみる。(2013.04.16)
 
Weber: Der Freischütz
Christine Brewer (Agathe), Sally Matthews (Ännchen), Lars Woldt (Kaspar), Simon O’Neill (Max), Stephan Loges (Ottokar/Zamiel), Martin Snell (Kuno), Gidon Saks (A Hermit), Marcus Farnsworth (Kilian), Lucy Hall (Bridesmaid) & Malcolm Sinclair (narrator)
London Symphony Orchestra & Chorus
Sir Colin Davis
2012.4.19,21 Barbican Centre, London
[LSO Live LSO0726](2 Hybrid SACDs)
 4月14日に85歳で急逝したコリン・デイヴィスの、《魔弾の射手》演奏会形式ライヴ。シュターツカペレ・ドレスデンとのセッション盤以来、22年ぶりの再録音。セリフ部分は英語によるナレーションで進められているという。亡くなるほぼ1年前の演奏会。(2013.04.15)
 
Lalo: Cello Concerto in D minor
Berlioz: Roméo et Juliette, Op. 17: Love Scene
Saint-Saëns: Cello Concerto No. 2 in D minor, Op. 119

Peter Wispelwey (cello)
Flanders Symphony Orchestra
金聖響
[Onyx ONYX4107]
 前作、バッハの無伴奏チェロ組曲3回目の録音(Evil Penguin Records)が圧倒的に素晴らしかったウィスペルウェイの新作は、ラロとサン=サーンスのチェロ協奏曲集。
 金聖響&フランダース交響楽団とは、同じレーベルからブリテンのチェロ交響曲が3年前に出ている。(2013.04.14)
 
Wagner: Das Rheingold
Tomasz Konieczny (Wotan), Christian Elsner (Loge), Iris Vermillion (Fricka), Günther Groissböck (Fasolt), Jochen Schmeckenbecher (Alberich), Andreas Conrad (Mime)
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2012.11.22 Berliner Philharmonie
[Pentatone PTC5186406]
 ペンタトーンのヤノフスキ・ワーグナー・チクルスもいよいよ7作目、最終コーナーの《指環》4作品へ。30年前の1回目の録音からどれほどの円熟を聴かせてくれるか、そして来年の「東京・春・音楽祭」での上演に向けて、本当に楽しみ。
 なお、実際の演奏と録音は、3月でめでたく完了している(はず)。ベルリン放響のサイトによると、主要キャストは以下のとおり。ジークフリートやブリュンヒルデが分担されているのは、実演ではよくあることとはいえ、録音では少し残念。(2013.04.10)

Die Walküre (2012.11.24)
Tomasz Konieczny (Wotan), Iris Vermillion (Fricka), Robert Dean Smith (Siegmund),、Melanie Diener (Sieglinde), Timo Riihonen (Hunding), Petra Lang (Brünnhilde)

Siegfried (2013.3.1)
Tomasz Konieczny (Der Wanderer), Stephen Gould (Siegfried), Violeta Urmana (Brünnhilde), Anna Larsson (Erda), Matti Salminen (Fafner), Jochen Schmeckenbecher (Alberich), Christian Elsner (Mime)

Götterdämmerung (2013.3.15)
Lance Ryan (Siegfried), Petra Lang (Brünnhilde), Matti Salminen (Hagen), Markus Brück (Gunther), Edith Haller (Gutrune), Jochen Schmeckenbecher (Alberich), Marina Prudenskaja (Waltraute)
 
JS Bach:
 Ein Musikalisches Opfer BWV 1079
 Sonate Für Flauto, Violino Discordato Und B.C. Bwv 1038

Concerto Melante
2013.1 Jesus-Christus-Kirche, Berlin
[DHM 88765446602]
 コンチェルト・メランテの《音楽の捧げ物》(フーガの技法、と当初書いたのは誤り)。コンチェルト・メランテは2008年結成のベルリン・フィルのメンバーによるピリオド・アンサンブルで、中心になっているのはヴァイオリニストのライマー・オルロフスキー。
 ここではクリストフ・ヴォルフの研究成果にもとづき、ヴァイオリン2、ガンバ、フラウト・トラヴェルソ、チェンバロの5人が曲によって編成を変えながら演奏している。
 ヒレ・パール、オルフェオ・バロック・オーケストラ、アッチェントゥス・アウストリア、ウエルガス・アンサンブル、アンサンブル・オニ・ヴィータルスなど、近年のDHMの新譜は面白いものばかりなので、これも聴いてみる。同時に出るバリトン歌手&リュート奏者のヨエル・フレデリクセンの、『ヴォルケンシュタイン・リフレクシオーネン』も面白そう。(2013.04.09)
 
Mercadante: I due Figaro
Antonio Poli (Il Conte di Almaviva), Asude Karayavuz (La Contessa), Rosa Feola (Inez), Annalisa Stroppa (Cherubino), Mario Cassi (Figaro), Eleonora Buratto (Susanna), Anicio Zorzi Giustiniani (Torribio) & Omar Montanari (Plagio)
Philharmonia Chor Wien
Orchestra Giovanile Luigi Cherubini
Riccardo Muti
2011.6 Teatro Alighieri, Ravenna
[Ducale Music DUC045-47]
 《二人のフィガロ》は、ボーマルシェのフィガロものへのオマージュとして、オノレ=アントワーヌ・リショウ・マルテリー (Honoré-Antoine Richaud Martelly, 1751 - 1817)が1790年(あるいは1795年)にフランス語で書いた戯曲。
 ケルビーノは伯爵夫妻の娘イネスと恋仲になっているが、金に困ったフィガロがイネスを偽貴族と結婚させ、持参金をだまし取ろうとする。そこでケルビーノが使用人に身をやつし、フィガロと名乗ってその計画を阻止しようとする…という話らしい。
 ここでムーティが指揮しているのは、フェリーチェ・ロマーニがオペラ化した台本を、メルカダンテが1826年に作曲し、1835年にマドリードで初演されたもの。
 2011年6月にラヴェンナ音楽祭とザルツブルク聖霊降臨祭で蘇演され、モーツァルト、ロッシーニではないベルカント時代の別のフィガロとして話題となった。(2013.04.06)
 
Beethoven:
 String Quartet No. 11 in F minor Op. 95 'Serioso'
Mozart:
 Adagio & Fugue in C minor for Strings, K546
 String Quartet No. 16 in E flat, K428

Chiaroscuro Quartet
2012.5 & 10 Port-Royal-des-Champs
[Aparté AP051]
 イブラギモヴァが第1ヴァイオリンをつとめるキアロスクーロ四重奏団の第2弾。シューベルトとモーツァルトからなるデビュー盤でも、ノン・ヴィブラートのピリオド奏法による澄んだ響きと表現が印象的だっただけに、今度のベートーヴェンとモーツァルトも楽しみ。(2013.04.04)
 
Leonard Bernstein: Humor in Music
 Dukas: The Sorcerer's Apprentice
 Mussorgsky: A Night on the Bare Mountain
 Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40
 Strauss, R: Till Eulenspiegels lustige Streiche, Op. 28

New York Philharmonic
Leonard Bernstein
1959 - 67
[Sony 88765452722]
 バーンスタインがピアノを弾きながら語った「音楽のユーモア」に、小品4曲を加えたもの。もとは1959年録音の《ティル》と60年11月録音の語りで構成されていた。他の3曲は65年と67年の録音。
 1960年ものなのだが、日本ではCDは特典盤で出ただけで手に入れ損ねていたので、嬉しい一般発売。(2013.04.03)
 
JS Bach: Sei Solo a Violino senza Basso accompagnato Vol. 1
JS Bach:
 Sonata for solo violin No. 1 in G minor, BWV1001
 Sonata for solo violin No. 2 in A minor, BWV1003
 Sonata for solo violin No. 3 in C major, BWV1005

Gunar Letzbor (baroque violin)
[Pan Classics PC10286]
 ビーバーの《ロザリオのソナタ》の凄演で名高いレツボールが、バッハの無伴奏ソナタ3曲をついに録音。全集の完成も楽しみ。(2013.03.31)
 
Janáček:
 Sinfonietta
 Taras Bulba
 The Ballad of Blaník
 The Fiddler's Child

Prague Radio Symphony Orchestra
Tomáš Netopil
2012.6 & 9 the Rudolfinum, Prague
[Supraphon SU41312]
 チェコの俊英ネトピルの久々の新譜は、待望のヤナーチェク作品集。歌劇場ではこの作曲家を非常に得意としているだけに、キレキレの本領発揮を大いに期待。(2013.03.27)
 
Spain Through Strings
 Arriaga: String Quartet No. 3
 Castelnuovo-Tedesco: Quintet for guitar and string quartet, Op. 143
 Toldrá: Vistas al mar
 Turina: La Oración del torero, Op. 34

Zemlinsky Quartet
Miriam Rodriguez Brüllova (guitar)
2012.12 Prag
[Praga DSD250295](SACD Hybrid)
 新譜がとだえることなく継続的に発売されるのが嬉しい、チェコのツェムリンスキー四重奏団。新作はアリアーガ、カステルヌオーヴォ=テデスコ、トルドラ、トゥリーナと、スペインの作品を特集。選曲のセンスのよさはもちろんのこと、いつものように音へのこだわりが嬉しいSACDハイブリッド。(2013.03.26)
 
悪魔のトリル
 タルティーニ:ソナタ ト短調《悪魔のトリル》
 ヴェラチーニ:ソナタ第8番ホ短調
 モッシ:ソナタ第2番イ長調
 ヴェラチーニ:ソナタ第5番 ト短調
 ボンポルティ:インヴェンション第4番 ト短調

Enrico Onofri (Violino barocco)
Imaginarium Ensemble (Alessandro Palmeri, Riccardo Doni)
2012.7.30 - 8.1 Cremona
[Anchor Records UZCL-1019]
 今年はオーケストラ・アンサンブル金沢の出演など、日本でも活躍の場をひろげたエンリコ・オノフリ。新譜は、《悪魔のトリル》をメインに、18世紀前半のヴィルトゥオジティックなヴァイオリン・ソナタをあつめたもの。(2013.03.25)
 
ベートーヴェン:交響曲全集
 第1番 (ウィーンフィル、1960年4月スタジオ・ステレオ)
 第2番 (ボストン響、1960年8月12日ライヴ・モノ)
 第3番《英雄》 (ボストン響、1960年8月8日ライヴ・ステレオ)
 第4番 (北ドイツ放送響、1959年スタジオ・ステレオ)
 第5番 (ボストン響、1959年8月8日ライヴ・ステレオ)
 第6番《田園》 (ボストン響、1959年8月8日ライヴ・ステレオ)
 第7番 (NBC響、1953年11月15日ライヴ・モノ)
 第8番 (ロスアンジェルス・フィル、1960年7月5日ライヴ・モノ)
 第9番《合唱》 (ボストン響、1960年7月31日ライヴ・ステレオ)

ピエール・モントゥー(指揮)
[Memories MR2231/2235] (5 CDs)
 久々に1960年ものから。モントゥーのベートーヴェンの交響曲全集。1番と4番は権利切れの商業録音、他はラジオ用のライヴ録音によるもので、2,3,5,6,9番はタングルウッド音楽祭の演奏会から。
 ボストン響のアーカイフ用の録音は1959年頃からステレオ録音されていたが、火災のため59年秋から60年夏までのテープが失われ、モノラルしか現存しない。この全集にモノとステレオが混在するのも、おそらくそのため。第2番は1962年とあるが60年の誤り。《英雄》の録音年も疑問だが、CD表記のままにしておく。
 モントゥーのタングルウッドのライヴはWHRAが継続的にCD化しているので、これらもいずれより優れた音質で出る可能性があるが、Memories盤は安いのが何よりも魅力。(2013.03.23)
 
Mediterraneo
Nuria Rial (soprano, Catalonia), Raquel Andueza (soprano, Spain), Misia (voice, Portugal), Vincenzo Capezzuto (voice, Italy) & Katerina Papadopoulou (voice, Greece)
L’Arpeggiata, Christina Pluhar
[Virgin 4645472]
 プルハール率いる古楽アンサンブル、ラルペッジャータの新作は、地中海で結ばれた5か国の民族音楽をあつめたもの。ゲストの各国の歌手や楽器奏者たちとの共演が愉しそう。(2013.03.22)
 
ベートーヴェン: 交響曲第9番 ニ短調 Op.125「合唱」
木下美穂子(ソプラノ), 林 美智子(メゾソプラノ), 小原啓楼(テノール), 与那城 敬(バリトン)
新国立劇場合唱団
読売日本交響楽団
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
2012.12.22&23 東京芸術劇場コンサートホール
[ライヴノーツ WWCC-7722]
 絶好調のカンブルラン&読響の、《ペトルーシュカ》&フランク:交響曲に続く、ライヴノーツのライヴ盤第2弾。22日は私も聴いた演奏会で、精妙にして明朗、独自性の高い見事な《合唱》だったので、ディスクで聴きなおすのが楽しみ。(2013.03.21)
 
Bruckner: Messe Nr. 3 F-Moll
Lenneke Ruiten (Soprano), Iris Vermillion (Mezzo), Shawn Mathey (Tenor), Franz Josef Selig (Bass-Baritone)
Rundfunkchor Berlin
Orchestre de la Suisse Romende
Marek Janowski
2012.6 Victoria Hall, Genève
[Pentatone PTC5186501] (SACD Hybrid)
 ヤノフスキはスイス・ロマンド管とブルックナーの交響曲全集を進行中で、すでに7枚出ている。しかし個人的にはこのミサ曲こそ、ヤノフスキとオーケストラの音楽性に合う気がする。合唱がベルリン放送合唱団というのも楽しみ。柔らかい曲線の聖母像のジャケットが、演奏スタイルそのものを暗示しているかのようだ。(2013.03.19)
 
Debussy:
 La Mer
 Première Suite d'Orchestre
(first recording)
Les Siècles
François-Xavier Roth
[Actes Sud ASM10]
 
Richard Strauss:
 Ein Heldenleben op.40
 Tod und Verklaerung op.24

SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
François-Xavier Roth
2012.11 & 6 Freiburg
[Hänssler 93299]
 ピリオド楽器のレ・シエクルとモダン楽器のSWR交響楽団、フランスとドイツの2種のオーケストラを率いて、意欲的な活動を繰り広げているフランソワ=グザヴィエ・ロト(1971年生れ)。両者を指揮した新譜2枚が、ほぼ同時に発売される。19世紀から20世紀にかけての仏独の管弦楽法の名手2人の交響詩を、それぞれピリオドとモダンの楽器でというのが、とても面白そう。
 ドビュッシーの管弦楽組曲第1番は2008年に発見された20歳頃の初期作品で、1.Fete(祭) 2.Ballet(バレエ) 3.Reve(夢) 4.Cortege et Bacchanale(行列とバッカナール)の4曲からなるが、第3曲はピアノ連弾譜しか現存しない。ここではPhilippe Manouryによる管弦楽編曲版で演奏されている。(2013.03.18)
 
山田一雄:
 大管弦楽のための小交響楽詩「若者のうたへる歌」(1937)
 交響的木曽 Op.12(1939)
 交響組曲「印度」(1940)
 おほむたから(大みたから) 作品20(1944)

ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)
2007年5月18-22日 モスクワ
[Naxos 8.570552J]
 オーケストラ・ニッポニカ盤(エクストン)に続く、山田一雄(和男)のオーケストラ作品集。《おほむたから》がロシアのオーケストラによってどのように響くのか、とても楽しみ。(2013.03.14)
 
Mozart: Piano Concertos No.18 K.456, No.19 K.459
Arthur Schoonderwoerd (fortepiano)
Ensemble Cristofori
2012.5 France
[Accent ACC24278]
 オランダのフォルテピアノ奏者、スホーンデルヴィルトと弦楽各1人の極小編成のオーケストラ、アンサンブル・クリストフォリによる、モーツァルトのピアノ協奏曲集の第2弾。
 スホーンデルヴィルト、アルファ・レーベルの代理店マーキュリーは「スホーンデルヴルト」としていたが、アクサンに移ってからの代理店キングインターナショナルはこう表記しているので、それに従っておく。(2013.03.13)
 
JS Bach: 6 Suiten für Cello solo BWV 1007-1012
Jan Vogler
2012.12 New York
[Sony 88697892572]
 ヤン・フォーグラーが、バッハの無伴奏全曲をようやく録音。Berlin Classics時代には最初の2曲だけを録音していた。近年はあまりにも多くの人が録音しすぎた気もするこの組曲だが、そのなかでどのような演奏を聴かせてくれるか。(2013.03.08)
 
The Eton Choir Book
 Sutton: Salve Regina a 7
 Horewud: Magnificat a 5
 Sturton: Gaude Virgo Mater a 6
 Browne: Stabat Mater a 6
 Wylkynson: Salve Regina a 9

Huelgas Ensemble, Paul Van Nevel
2011.7
[Deutsche Harmonia Mundi 88765408852]
 昨年末に入手していて、紹介し損ねていたものだが、内容が素晴らしく、もったいないのでここに紹介。イギリスのウィンザーにあるイートン・カレッジに現存する古い聖歌集から、16世紀初めまでのチューダー朝時代の作品をあつめたもの。シンプルだが充実感のある作品を、澄明で濁りのない、しかし温もりのある合唱で聴かせてくれる。音質もとてもいい。
 1971年結成のネーヴェル率いるウエルガス・アンサンブルは、いまさら何をいうまでもない実績を誇る団体。ソニー、フランス・ハルモニア・ムンディに続いて、近年はドイツ・ハルモニア・ムンディ(DHM)で活動中。
 それにしても近年のDHMの新譜は、演奏はもちろんのこと、録音水準もきわめて高いのが嬉しい。(2013.03.06)
 
Shostakovich:
 Cello Concerto No.1 in E flat major, Op. 107
 Cello Sonata in D minor, Op.40
 Moderato in A minor for Cello and Piano

Emmanuelle Bertrand
BBC National Orchestra Of Wales、Pascal Rophe
Pascal Amoyel
2012.1 & 3
[Harmonia Mundi HMC902142]
 ハルモニア・ムンディの常連の一人、フランスの若き名手エマニュエル・ベルトランの新譜は、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番とチェロ・ソナタ。(2013.03.05)
 
The Soviet Experience Vol. 3
Shostakovich: String Quartets Nos. 9-12
Weinberg: String Quartet No. 6

Pacifica Quartet
[Cedille Records CDR 90000 138] (2 CDs)
 アメリカのパシフィカ・クァルテットがショスタコーヴィチとその仲間の弦楽四重奏曲を演奏する「ザ・ソヴィエト・エクスペリエンス」シリーズの第3弾。ショスタコーヴィチの60年代の作品4曲に、ヴァインベルクの第6番というプロ。
 このシリーズは毎回、左翼モダニズムのスローガン・ポスター風のジャケットが愉しいが、今回はダム建設。
 次回の第4弾が完結編で、13-15番とシュニトケの3番を併せて、10月に出るという。(2013.03.01)
 
R Strauss: Die schweigsame Frau
Franz Hawlata (Sir Morosus), Monika Straube (Seine Haushälterin), Julia Bauer (Aminta), Bernhard Berchtold (Henry Morosus), Andreas Kindschuh (Der Barbier)
Chor der Oper Chemnitz
Robert-Schumann-Philharmonie
Frank Beermann
2012 Opernhaus Chemnitz
[CPO 777757-2]
 現代を代表するオックス男爵歌いのフランツ・ハヴラタがモロズスを歌う、《無口な女》の新録音。CPOではおなじみの指揮者フランク・ベールマンが音楽総監督を務めるケムニッツ歌劇場で、2012年春に新制作初演された公演のライヴ録音。(2013.02.28)
 
JS Bach:
 Concerto for Two Violins in D minor, BWV1043
 Violin Concerto No. 2 in E major, BWV1042
 Violin Concerto No. 1 in A minor, BWV1041
 Concerto for 3 Violins in D major, BWV1064R

Petra Müllejans, Gottfried von der Goltz, Katherine Schreiber (violins)
Freiburger Barockorchester
2012.4
[Harmonia Mundi HMC902145]
 昨年結成25周年を迎えたフライブルク・バロックオーケストラの新作は、バッハのヴァイオリン協奏曲集。3台のチェンバロのための協奏曲の編曲版も含まれている。近作の管弦楽組曲も素晴らしかったし、不安なく期待。(2013.02.27)
 
Schubert: Symphonien Nr.5 & 6
 Symphonie Nr. 5 B-Dur D 485
 Symphonie Nr. 6 C-Dur D 589

Kammerakademie Potsdam
Antonello Manacorda
2012.8 Berlin
[Sony 88765426962]
 モダン楽器による折衷式ピリオド奏法によるシューベルト。前作の第3番&《未完成》が辛口の演奏でなかなかよかったので、これも楽しみ。 (2013.02.26)
 
Bruckner: Symphonien Nr.3 & 6
 Symphonie Nr.3 D-Moll (dritten Fassung 1889)
 Symphonie Nr.6 A-Dur (Fassung von 1881)

Berner Symphonieorchester
Mario Venzago
2012/2011
[CPO 777690-2]
 続編を心待ちにしているヴェンツァーゴのブルックナー・シリーズ、4&7、0&1、2に続く第4弾は、第3番と第6番という中期の組合せ。今回は2010年から首席指揮者を務めるベルン交響楽団が起用されている。毎回オーケストラを変えて、新鮮にして爽快なブルックナーを聴かせてくれているだけに、今回も非常に楽しみ。(2013.02.22)
 
Zakhar Bron Chamber – Impressions
1.Sibelius: Impromptu für Streichorchester op.5, No. 5
2.Saint-Saëns: Rondo Capriccioso, op. 28
3.Sibelius: Romanze in C, op. 42
4.WAXMAN: Carmen Fantasie, op. 25
5.WIENIAWSKI: 2me Mazurka "Kuyawiak" a-moll
6.KREISLER: Syncopation; La Gitana; Serenade Espagnole
7.BARBER: Adagio for strings, op. 11
8.PANISELLO: "The Song" from the 3 mov's for String Quartet Version for String Orchestra
9.Paganini: Moto Perpetuo, op. 11

Zakhar Bron Chamber
Solisten: Zakhar Bron (5, 6), 弓新 (2), 服部百音 (4)
2012.6 Zürich
[Ars 38 133] (Hybrid SACD)
 ザハール・ブロン・チェンバーのデビュー盤。現代を代表するヴァイオリンの名教師、ザハール・ブロン(1947年生れ)のケルン、マドリード、チューリヒでの教え子を中核とする弦楽オーケストラで、第1コンサートマスターはアレクサンダー・ギルマンが務めている。
 このディスクでのブロンは指揮だけでなく、ヴィエニャフスキ、クライスラーの4曲で独奏を披露。また、樫本大進、庄司紗矢香、川久保賜紀など日本の俊英が多いことでも知られるブロン門下らしく、ソリストには弓新(ゆみあらた、1992年生れ)、服部百音(はっとりもね、1999年生れ)が起用されている。(2013.02.20)
 
Hasse: Didone Abbandonata
Theresa Holzhauser (Didone), Flavio Ferri-Benedetti (Enea), Valer Barna-Sabadus (Iarba), Magdalena Hinterdobler (Selene), Maria Celeng (Araspe) & Andreas Burkhart (Osmida)
Hofkapelle München
Michael Hofstetter
2011.5.24-6.1 Prinzregententheater, München
[Naxos 8.660323-25] (3 CDs)
 このところ脚光を浴びているドイツの作曲家ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783)。ナポリに学び、ドレスデンの宮廷楽長として成功した。《捨てられたディドーネ》はメタスタージオが1724年に書いた傑作台本により、1742年にドレスデンで初演されたもの。
 このディスクは最近大活躍のバルナ=サバドゥスなどが出演、そしていつも新譜が楽しみなホーフシュテッター(ホフシュテッター)の指揮に期待。これまでのかれらの録音を発売していたOEHMSではなく、NAXOSからの発売ということで、音質も向上したりしたら、とても嬉しいが。(2013.02.19)
 
Puccini: La Boheme (deutsch gesungen)
Lucia Popp (Mimi), Francisco Araiza (Rodolfo), Barbara Daniels (Musetta), Wolfgang Brendel (Marcello), Ludwig Baumann (Schaunard), Jan-Hendrik Rootering (Colline)
Münchner Kinderchor, Chor des Bayerischen Rundfunks
Münchner Rundfunkorchester
Stefan Soltesz
1985
[EMI 9723562] (2 CDs)
 《ラ・ボエーム》のドイツ語訳詞による全曲盤で、ポップ、アライサ、ブレンデルと、懐かしいスター歌手たちが歌っているのが大きな魅力。LPからCDへと移行する端境期の録音で、ドイツ語訳詞というのが特殊視されたか、日本ではあまり知られていない録音。自分も今回の再発まで気がつかなかった。
 個人的にはドイツ語によるイタリア・オペラには妙な味わいがあって好きなので、聴くのをとても楽しみにしている。(2013.02.17)
 
Wagner at the MET - Legendary Performances from The Metropolitan Opera
Der Fliegende Holländer
(1950.12.30)
 Varnay, Svanholm, Hotter; Reiner
Tannhäuser (1954.1.9)
 Harshaw, Varnay, Vinay, London, Hines; Szell
Lohengrin (1943.1.2)
 Varnay, Thorborg, Melchior; Leinsdorf
Rheingold (1951.1.27)
 Harshaw, Svanholm, Hotter, Hines; Stiedry
Die Walküre (1940.2.17)
 Lawrence, Flagstad, Melchior, Huehn; Leinsdorf
Siegfried (1937.1.30)
 Flagstad, Melchior, Laufkoetter, Schorr; Bodanzky
Götterdämmerung (1936.1.11)
 Lawrence, Melchior, Schorr, Hofmann; Bodanzky
Tristan und Isolde (1938.4.16)
 Flagstad, Melchior, Hofmann; Bodanzky
Die Meistersinger von Nürnberg (1953.1.10)
 de los Ángeles, Hopf, Schoeffler; Reiner
The Metropolitan Opera
1936-1954
[Sony Classical 88765427172] (25 CDs)
 ワーグナー生誕200年の記念盤で、メトロポリタン歌劇場公演のラジオ生中継の録音から、黄金時代といわれた1930年代半ばからほぼ20年にわたる公演をまとめたボックス。「バイロイト・テン」のうち、なぜか《パルジファル》だけが欠けている。
 珍しいのは全曲では初登場となる38年のボダンツキー指揮の《トリスタンとイゾルデ》くらいだが、ほかにも私にとっては至高の存在である37年の《ジークフリート》、ホッターとヴァルナイの《さまよえるオランダ人》など、一つにまとまっているのは嬉しい。
 頭に来たセルが、支配人ビングに公開の絶縁状を叩きつけてメトを去った公演として有名な、54年の《タンホイザー》(吉田秀和がその騒動に出くわした)も入っている。
 このシリーズは正直なところ、これまではブックレットがペラペラ、マスタリングも薄くキンキンして安っぽく、かなり投げやりな雰囲気が漂っていた。しかし今回から担当者が変ったそうで、ボックス・スタイルはそのあらわれなのだろう。できれば音も変にいじらないでくれると、最高に嬉しいが。(2013.02.14 )
 
Rodrigo:
 Concerto d'Aranjuez
 Fantaisie pour un gentilhomme

Emmanuel Rossfelder (guitar)
Orchestre d'Auvergne
Arie Van Beek
2012.3.4 & 5 Vichy
[Loreley Production LY050]
 フランスの俊英ギタリストで、来日経験もあるエマニュエル・ロスフェルデルが、アリー・ヴァン・ビーク指揮のオーヴェルニュ管弦楽団と演奏した、ロドリーゴのアランフェス協奏曲と《ある貴紳のための幻想曲》。
 すでに手元にあるが、ロスフェルデルの若々しく、冴えのあるギターがいいし、オーケストラもすばらしい。この楽団がエドナ・ステルン(スターン)と共演したモーツァルトのピアノ協奏曲集(Zigzag)は大切な愛聴盤だが、ここでも同様に、呼吸感と躍動感に満ちた演奏を聴かせてくれる。小編成の録音だけにギターとのバランスも見事。
 ロスフェルデルはフランスのマイナー・レーベルでソロなどの録音が5、6枚すでに出ているようなので、これらもいずれ聴いてみるつもり。(2013.02.13)
 
Beethoven: Symphonie Nr.3 Es-dur, Op.55 “Eroica”
R.Strauss: Tod und Verklarung Op.24

Rotterdam Philharmonic Orchestra
Yannick Nezet-Seguin
2007.11 Rotterdam
[Rotterdam Philharmonic Orchestra KKC4003]
 来日公演中のネゼ=セガン&ロッテルダム・フィルの《英雄》と《死と変容》。オーケストラの自主制作盤。国内盤ではグラモフォンからも《悲愴》が発売中。(2013.02.08)
 
JS Bach: Lute Suites Nos. 1, 2, 3
JS Bach (Transcriptions by Hopkinson Smith):
 Suite No. 1, BWV1007
 Suite No. 2, BWV1008
 Suite No. 3, BWV1009

Hopkinson Smith (German theorbo Joël van Lennep, Rindge, New Hampshire, 1986)
2012.10
[Naïve E8937]
JS Bach: Lute Suites Nos. 4, 5, 6
JS Bach:
 Suite No. 4, BWV1010
 Suite BWV995 (No. 5, BWV1011)
 Suite No. 6, BWV1012

Hopkinson Smith (13-course baroque lute by Nico van der Waals & Joel van Lennep)
1980 & 92
[Naïve E8938]
 現代を代表する名手の一人ホプキンソン・スミス(1946年生れ)による、バッハの無伴奏チェロ組曲のリュート版。
 2枚バラ売りで、ドイツ・テオルボを用いた前半3曲が新録音、13コースのバロック・リュートを用いた後半はAstrée原盤の旧譜の再発売。(2013.02.06)
 
My RSO - Greatest Hits for Contemporary Orchestra
ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Cornelius Meister & Andere
1970-2012
[ORF CD 3156] (24 CDs)
 1月9日に取りあげたコルネリウス・マイスター率いるウィーンORF放響の、創立早々からの録音を集めた24枚組。マイスターを中心にホルヴァート以下の歴代の首席、大野和士、キリル・ペトレンコなど多彩な客演の指揮で、放送オーケストラらしい多様な曲目を楽しめる。最後が《4分33秒》のライヴだったり、選曲のセンスが冴えているのが嬉しい。オーケストラ支援の意味もこめて、期待。(2013.02.05)
 
Debussy: Prelude a L'apres-Midi d'un Faune
Stravinsky: Le Sacre du Printemps
Ravel: Bolero

L'Orchestre de L'Opera de Paris
Philippe Jordan
2012.5 Paris
[Naïve V5332]
 初演100年の《春の祭典》など、20世紀パリの舞踏界の名品3曲を、フィリップ・ジョルダン指揮のパリ・オペラ座管弦楽団の演奏で。近年のオペラ座のオーケストラは非常に高い水準にあるので、その響きを聴くのが楽しみ。ジョルダンは2009年からこの歌劇場の音楽監督をつとめ、好評により、2018年まで契約が延長されている。(2013.02.04)
 
Prokofiev: The War Sonatas
 Piano Sonata No. 6 in A major, Op. 82
 Piano Sonata No. 7 in B flat major, Op. 83
 Piano Sonata No. 8 in B flat major, Op. 84

Denis Kozhukhin (piano)
[Onyx ONYX4111]
 自分は見事にきき損ねてしまったが、来日公演が各所で絶賛された、デニス・コジュヒン。1986年ロシア生れで2010年のエリザベート王妃国際コンクリートの覇者。得意とするプロコフィエフの「戦争ソナタ」3曲。(2013.02.03)
 
Françaix: Le Gai Paris
Françaix:
 Le Gay Paris
 Concerto pour clarinette et orchestre
 Divertimento pour flute et piano
 Sonatine pour trompette et piano
 Theme et variations pour clarinette et piano
 Cinq Danses exotiques pour saxophone et piano
 Divertimento pour basson et quintette a cordes

Eric Aubier (trompette), Philippe Cuper (clarinet)
Lola Descours (basson), Jean Francaix (piano)
Pascal Gallet (piano) , Vincent Lucas (flute)
Nicolas Prost (alto saxophone)
Jean-Louis Sajot (clarinet), Laurent Wagschal (piano)
Octuor de France, Octuor a Vent de Paris
Orchester de Bretagne
1992, 1996, 2012
[Indésens! INDE045]
 昨年が生誕百年だったジャン・フランセの作品集『陽気なパリ』。組物もいくつか出たが、これは1枚なのが買いやすい。
 フランセ自らが指揮したクラリネット協奏曲(1992年録音)のほか、昨年7月3日に紹介したドビュッシーの室内楽集でも魅力的な演奏を聴かせてくれたオービエ、リュカ、プロストたちによる最新録音の室内楽が聴けるのが、とても楽しみ。(2013.02.01)
 
JS Bach: St John Passion, BWV245
Ian Bostridge (Evangelist), Carolyn Sampson (soprano), Nicholas Mulroy (tenor), Neal Davies (bass), Iestyn Davies (countertenor) & Roderick Williams (baritone)
Polyphony
Orchestra of the Age of Enlightenment
Stephen Layton
[Hyperion CDA67901/2]
 先日のブリテンの《キャロルの祭典》も美しい出来だったスティーヴン・レイトンが、今度は自らの合唱団ポリフォニーと、エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団を指揮して、バッハのヨハネ受難曲をリリース。ボストリッジ、サンプソンなど、独唱陣も充実。(2013.01.30)
 
David Oistrakh in China
(大卫 奥伊斯特拉赫在中国)
Bach: Violin Concerto No. 1 in A minor, BWV 1041 (piano accompaniment)
Beethoven: Violin Concerto in D major Op. 61
Mozart: Violin Concerto No. 5 in A major, K.219
Brahms: Violin Sonata No. 3 in D minor Op. 108
Wagner: Albumblatt (arr. Wilhelmj)
Vladigerov: Fantasia on Bulgarian Folk Dance "Hora" Themes Op. 18-1
Prokofiev: 3 Pieces from "Romeo & Juliet"
Bruch: Violin Concerto No. 1 in G minor, Op. 26 (piano accompaniment)
Prokofiev: Violin Sonata No. 2 in D major Op. 94bis
Tchaikovsky: Meditation Op. 42-1
Tchaikovsky: Valse-Scherzo Op. 34
Debussy: Clair de Lune
Tartini: Variaions on a Themes of Corelli
Suk: Chant d'amour Op. 7-1
Leclair: Violin Sonata No.3 in D major Op. 9-3
Chausson: Poème Op. 21

David Oistrakh (violin)
Vladimir Yampolsky (piano)
China Central Experimental Opera Orchestra, Li Guoquan
(中国中央实验歌剧院管弦乐队;指挥:黎国荃)
China Central Philharmonic Orchestra, Li Delun
(中国中央乐团管弦乐队;指挥:李德伦)
1957.10 北京 & 上海
[China Record Shanghai Co.(中国唱片上海公司) HCD-0955] (4 CDs)
 中国のレコード会社が発売した、オイストラフの1957年の中国親善公演のライヴ録音。北京でのオーケストラと共演した2曲の協奏曲とソナタ、小品、上海でのピアノ伴奏の協奏曲とソナタ、小品が収められている。
 この時期のオイストラフの国外公演の録音は日本(1955年)など、各国で残されているが、中国は初めて。文化大革命前の北京のオーケストラがどのようなものだったのかを聴けるのが興味深い。できれば上海のオケも聴きたかったが、そちらはピアノ伴奏版。
 前年のフルシチョフのスターリン批判により、水面下では中ソ対立が激化しつつあったはずだが、この親善訪問にはどのような意味があったのか、そのあたりも面白そう。
 文革、中ソ対立の状況下でなお録音が破棄されずに保存されていたことにも、何かドラマがありそうな気がする。(2013.01.29)
 
Elgar:
 Cello Concerto in E minor, Op. 85
Smetana:
 Má Vlast: Vysehrad / Vltava / Sárka

Zuill Bailey (cello)
Indianapolis Symphony Orchestra
Krzysztof Urbanski
2012.3
[Telarc TEL-34030-02]
 チェロ奏者、ズイル・ベイリー(1972年生れ)は、継続的にCDに登場する、現在ではほんのひと握りのアメリカの音楽家の一人。近年はTelarcと契約を結んでおり、これが5点目。インディアナポリス響とは準メルクルの指揮でドヴォルジャークの協奏曲をCD化しており、これが2枚目の共演となる。
 今回は、2011年から同オケの音楽監督にして、今年4月から東京交響楽団の首席客演指揮者に就任する、1982年ポーランド生れのクシシュトフ・ウルバンスキが指揮をしているのが、ききもの。ベイリーとのエルガーに加え、《わが祖国》の前半3曲が収録されている。実際の演奏会でも、この3曲だけの演奏だった。(2013.01.26)
 
Scarlatti and the Neapolitan Song: Sonatas and Canzonas
anon.:
 Lo guarracino
 Michelemmà
 La nova gelosia
 Facimmo mo l’amore — No quarto d’ora
Liguori:
 Quanno nascette ninno
Pergolesi:
 Chi disse ca la femmena
Scarlatti, D:
 Keyboard Sonata K103 in G major
 Keyboard Sonata K214 in D major
 Keyboard Sonata K9 in D minor
 Keyboard Sonata K176 in D minor
 Keyboard Sonata K153 in G major
 Keyboard Sonata K174 in C minor
 Keyboard Sonata K241 in G major
 Keyboard Sonata K513 in C major
 Keyboard Sonata K202 in B flat major
Vinci, Leonardo:
 So’ li sorbe e le nespole amare

Letizia Calandra (soprano), Francesco Cera (harpsichord) & Michele Pasotti (baroque guitar)
2009.9
[Brilliant Classics 94488]
 「スカルラッティとナポリの歌」というタイトル通り、ナポリ生れのドメニコ・スカルラッティのソナタと、影響を与えたとおぼしきナポリ民謡を合わせて収録したもの。
 チェンバロのフランチェスコ・チェーラはボローニャ生れの鍵盤楽器奏者・指揮者で、TactusやArtsなどイタリアのマイナー・レーベルに多数の録音がある。レティツィア・カランドラも同様に、イタリア・ローカルに録音するソプラノ。
 Brilliantの廉価盤で企画が面白そうなのと、窓と窓のあいだに洗濯物を吊した、イタリアならではのジャケットに惹かれて購入。(2013.01.23)
 
JS Bach: Magnificat D-Dur BWV 243
Händel: Dixit Dominus

Maarten Engeltjes (counter-tenor), Diana Haller (mezzo-soprano),
Maximilian Schmitt (tenor), Christina Landshamer (soprano) & Konstantin
Wolff (bass-baritone)
Chor des Bayerischen Rundfunks, Concerto Köln
Peter Dijkstra
2011
[BR Klassik 900504]
 ダイクストラとバイエルン放送合唱団の新作は、バッハのマニフィカトとヘンデルのディクシット・ドミヌス。コンチェルト・ケルンが参加しているのもききもの。(2013.01.22)
 
Pour passer la Melancolie
 Froberger: Suite XXX A minor
 D’Anglebert: Des Pièces de Claveçin (1689)
 JKF Fischer: Musicalischer Parnassus, de la Suite „Uranie“ D minor
 Couperin, Louis: Suite in F major
 JKF Fischer: De Ariadne Musica
 JKF Fischer: Da Jesus an dem Creutze stund
 Clérambault: Suite in C minor
 Muffat: Passacaglia in G minor
 Froberger: Lamento sopra la dolorosa perdita della Real Mstà. di Ferdinando IV, Ré de’ Romani

Andreas Staier (anon. French harpsichord, late 17th century, Joseph Collesse, 1749, restored by Laurent Soumagnac 2000-4)
[Harmonia Mundi HMC902143]
 ゴルトベルク、ディアベッリと圧倒的な変奏曲集2枚が続いたアンドレアス・シュタイアーの新譜は、17世紀のチェンバロ作品による『憂鬱を晴らすために』。
 アルブレヒト・デューラーの銅版画『メランコリア I』(1514)などをヒントに、フローベルガーのPlainte faite a Londres pour passer la Melancholie(憂鬱を晴らすためにロンドンで作られた嘆きの曲)を含む組曲第30番イ短調など、憂鬱(メランコリー)をテーマに選曲されている。シュタイアーならではの独創と遊び心による、多様にして奥深い「憂鬱」に浸りたい。(2013.01.20)
 
Dutilleux:
 Correspondances - for Soprano and Orchestra
 Tout un monde lointain - Concerto for cello and orchestra
 The Shadows of Time

Barbara Hannigan (soprano), Anssi Karturen (cello)
Orchestre Philharmonique de Radio France
Esa-Pekka Salonen
2011.12.19-22 OPÉRA BASTILLE, Paris
[DG 479 1180]
 来日公演の期待も高まるサロネンが、作曲の師であるデュティユーの作品3曲を録音。《コレスポンダンス》は世界初録音で、1916年1月22日生れ、今年97歳になる作曲家が、自らも立ち会えるうちにと希望して実現した録音という。ヤノフスキとチョン・ミョンフンの下で著しく技量を高めた、フランス放送フィルの演奏も楽しみ。(2013.01.17)
 
Poulenc:
 Stabat Mater
 Les Biche

Marlis Petersen (soprano)
SWR Vokalensemble Stuttgart, NDR choir
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart
Stéphane Denève
2012 Stuttgart
[Hänssler 093.297]
 2011年にノリントンの跡を襲ってシュトゥットガルト放送交響楽団の首席指揮者となった、ステファヌ・ドゥネーヴのヘンスラーへのデビュー盤。お国もののプーランクの《スターバト・マーテル》とバレエ《牝鹿》全曲。
 ドゥネーヴは1971年生れのフランス人で、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団 のシェフ時代(2005年~12年)にはトビュッシーやルーセルの作品集などのCDを残しているが、音質がイマイチのChandosとNaxosの制作だったので、新天地のHänsslerではよい音を期待したいところ。
 ところで南西ドイツ放送は経費節減のため、傘下にあるシュトゥットガルトとバーデン・バーデン&フライブルクの2つの放送交響楽団を2016年に1つに合併することを決定している。現在はどちらもフランス人シェフが率いている(ドゥネーヴとロト)が、そのときにはどうなるのだろう……。 (2013.01.15)
 
Groschenblues (Sultry night blues by Brecht & Weill)
1 Mack the Knife /2 Zuhälterballade /3 Havana Song /4 'Erst kommt das ficken, dann das Bad' /5 Salomon Song /6 'They burnt down the cabaret' /7 Surabaya Johnny /8 Das Lied der harten Nuss /9 Was die Herren Matrosen sagen (Matrosen Song) /10 Youkali /11'She went with every man' /12 Seeräuberjenny /13 'He Johnny' /14 Nanna's Lied /15 Der Song von Mandelay /16 Alabama Song /17 Liebeslied /18 'I am a stranger here myself'

Sven Ratzke & Claron McFadden
[Buzz Records ZZ 76103]
 スヴェン・ラツケとクラロン・マクファッデンのヴォーカル・コンビによる、ワイルのブレヒト・ソング集。伴奏はピアノ、打楽器、ギター他のトリオ。
 ラツケはオランダ人とドイツ人を両親に、アムステルダムとベルリンを拠点に活躍、1920年代のキャバレーソングを現代的感覚で甦らせて、大人気という。
 共演のマクファッデンはアメリカ生れ、現代作品とバロック双方のジャンルで活躍するソプラノで、グラインドボーンで《ルル》の外題役、またガーディナー指揮のバッハのカンタータ集の録音などに参加している。
 このCDは、大成功したショウ「三文ブルース(Dreigroschenblues)」をそのままセッション録音したもの。オランダのChallenge recordsの子レーベル、Buzz Recordsからの発売。(2013.01.14)
 
Historical Moment in Bayreuth
 Cohen, S: Hatikvah
 Avni: Prayer
 Mahler: 4 Rückert-Lieder (arr. Henschel)
 Mendelssohn: Symphony No. 4 in A major, Op. 90 'Italian'
 Liszt: Angelus R. 389, S. 378

 Wagner: Siegfried Idyll
Dietrich Henschel (baritone)
Israel Chamber Orchestra (התזמורת הקאמרית הישראלית)
Roberto Paternostro
2011.7.26 Stadthalle Bayreuth
[ARS ARS38100]
 2011年、新体制によるバイロイト音楽祭の開幕時期に同市に客演、大きな話題となった、イスラエル室内管弦楽団による歴史的演奏会のライヴ。
 ユダヤ系作曲家に加えてワーグナーの《ジークフリート牧歌》を演奏しており、ホロコースト問題がいまだに尾を引くイスラエルでは批判の声もあがったというが、世界的には好意的に迎えられた。
 イスラエル室内管弦楽団は指揮者ベルティーニが1965年に設立、ここで指揮をしているパーテルノストロが、2010年から芸術監督をしている団体。
 1年ほど前に出ていた旧譜だが、日本では残念ながら情報のとても少ないARSのためもあってタイミングを逸し、買いそびれていたもの。(2013.01.12) 
 
Beethoven:
 Sinfonie Nr. 1 C-Dur op. 21
 Sinfonie Nr. 7 A-Dur op. 92

 (für Klavier bearb. von Franz Liszt)
Yury Martynov (Érard piano 1837)
[Zigzag ZZT317]
 リスト編曲によるピアノ独奏版のベートーヴェンの交響曲録音は珍しくないが、これはリストと同時代、1837年製エラールのフォルテピアノを使用している点が魅力。ユーリ・マルティノフはロシアの中堅のフォルテピアノ奏者で、モスクワ音楽院教授もつとめている。
 全集完成を目指しているらしく、既発売の第2番&《田園》も好評だった。そちらも未聴なので、この第2集とあわせて聴いてみるつもり。(2013.01.11)
 
Humperdinck: Hänsel und Gretel
Marcel Cordes (Peter), Gertrud Burgsthaler-Schuster (Gertrud), Barbara Scherler (Hänsel), Gisela Pohl (Gretel), Lilian Benningsen (Die Knupshexe), Gisela Knabba (Sandmännchen), Oda Balsborg (Taumännchen),
NDR Sinfonieorchester, -Chor, -Kinderchor and -Knabenchor
Carl Schuricht
1962 Hamburg
[Archipel ARPCD0538] (2 CDs)
 シューリヒト指揮の《ヘンゼルとグレーテル》。この指揮者のオペラ録音は珍しく、全曲盤はたしかこれが唯一だったと思う。独唱つきの場面も、単一のアリアをのぞくと、Altusから出たフランス国立放送管との《指環》抜粋くらいしか、まとまったものはないはず。
 そしてレコードとしても、以前日本向けのCD-Rで出たことがあるくらいで、これが初出なのではないか。(2013.01.10)

追記(1.11): 吉田光司棟梁のご教示によると、1999年に出たCD-Rでは、グレーテルがGisela PohlではなくRia Urbanとなっているという。どちらが正しいのか確定することはできないが、Großes Sängerlexikonによればポールは1937年生れのメゾで、67年に舞台デビュー。ウルバン(ウアバン)は1925年生れのソプラノで、57年から70年にはハンブルクの歌劇場を拠点に活躍とあるから、これはウルバンの方が正しそうである。
 
Bruckner: Sinfonie Nr.4 Es-Dur `Romantische`
ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Cornelius Meister
[Capriccio C5150]
Bartók:
 Kossuth, Sz. 75a, BB 3
 Concerto for Orchestra, Sz. 116, BB 123
 Romanian Folk Dances, Sz. 56, BB 68

ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Cornelius Meister
[CPO 777784-2](SACD Hybrid)
 ドイツ語圏では次代を担う俊英として、非常に期待されているという指揮者、コルネリウス・マイスター(1980年ハノーファー生れ)。2010年からウィーンORF放響の首席指揮者兼芸術監督をつとめている。
 これまでは実演でも録音でも、真価がいま一つわからなかったが、別レーベルから続けて登場したブルックナーにバルトーク、ごまかしのきかない本格的レパートリーの新譜2点で、その才能を確かめてみたい。(2013.01.09)
 
Sonatas for Viola & Piano Vol. 2
Brahms: Viola Sonata No. 1 in F minor, Op. 120-1
Schubert: Sonata in A minor, D. 821 "Arpeggione"
Franck: Violin (Viola) Sonata A Major

Tabea Zimmermann (viola) & Kirill Gerstein (piano)
2011.7 Deutschlandfunk Kammermusiksaal
[Myrios MYR008] (SACD Hybrid)
 タベア・ツィンマーマンとゲルシュタインのデュオによる第2集。ブラームスの第2番やヴュータンのソナタを演奏した第1集でも、名コンビぶりを聴かせてくれただけに楽しみ。今回はブラームスの第1番、フランクのソナタに《アルペッジョーネ》と、有名曲揃い。(2013.01.07)
 
JS Bach: Matthäuspassion, BWV244
Ernst Haefliger (Evangelist), Heinz Rehfuss (Jesus),Erna Spoorenberg (soprano), Annie Hermes (alto), Simon van der Geest (tenor arias), David Hollestelle (bass arias), Hans Willbrink (bass - small parts)
Concertgebouw Orchestra
Eduard van Beinum
1958.3.30 Amsterdam
[Audiophile APL101302](3 CDs)
 メンゲルベルク以来、コンセルトヘボウ伝統の棕櫚の日曜日のマタイ受難曲。ベイヌムが死の前年に指揮したライヴで、全曲は初CD化と思われる。19年前のメンゲルベルク盤とはどのように変ったか。またオランダの歌手に混じって、ヘフリガーがエヴァンゲリストというのも楽しみ。有名なリヒター盤の数か月前のライヴということになる。(2013.01.05)
 
Turina: Danzas fantásticas
Turina:
 Danzas fantásticas, Op. 22
 Poema en forma de canciónes, Op. 19
 Saeta en forme de Salve a la Virgen de la  Esperanza, Op. 60
 Farruca (from Triptico, Op. 45)
 Ritmos (Fantasía coreográfica), Op. 43
 Sinfonia Sevillana, Op. 23

Clara Mouriz (mezzo soprano)
BBC Philharmonic
Juanjo Mena
[Chandos CHAN10753]
 好調のメナ&BBCフィルの「ラ・ムジカ・デ・エスパーニャ」第3弾は、トゥリーナ作品集。1920年代の作品を集めていて、幻想的舞踏曲、リトモス、セビリア交響曲の管弦楽の代表作3曲に、管弦楽伴奏の歌曲を挿入した構成。
 20世紀初頭にパリに滞在、ファリャ、アルベニスとともにスペイン国民音楽の確立に功績があったとされながら、他の二人よりも聴く機会の少ないトゥリーナ(1882-1949)。昨年出たナッシュ・アンサンブルの室内管作品集が、アンダルシア民謡調の哀愁漂う旋律が美しくて印象的だったので、これも聴かずにはいられない。(2013.01.04)
Brahms:
 Sinfonie Nr. 1 c-moll, op. 68
 Liebeslieder Walzer op. 52-1,2,4,5,6,8,9,11, op. 65-9 (Arr. W. Weismann)
 Ungarische Tänze Nr. 1,3,10

Svenska Kammarorkestern
Thomas Dausgaard
2011 Örebro
[BIS BIS1756](SACD Hybrid)
 前回の《悲愴》もラディカルな表現で楽しませてくれたダウスゴー&スウェーデン室内管の新作は、ブラームスの交響曲第1番と《愛の歌》9曲、ハンガリー舞曲3曲というプログラム。いつものようにSACDなのも嬉しいところ。今回も軽快に暴れ回ってほしい。(2012.12.28)
 
Bottesini: Belcanto
Bottesini:
 Fantasia Norma
 Fantasia on Bellini's La sonnambula
 Tutto: Il mondo serra
 Reverie
 Elegia e Tarantella
 Romanza: Une bouche aimée
 Nel cor più non mi sento (Arietta di G. Paisiello)

Alberto Lo Gatto (double bass)
Emanuela Galli (soprano) & Luca Antoniotti (piano)
[Pan Classics PC10271]
 「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれた名手、ボッテジーニ(1821-1889)の作品集。ボッテジーニは全音高く調弦した「ソロ・チューン」をウリにしていたそうで、ロ・ガットはそのスタイルを19世紀イタリア製のコントラバスで再現、伴奏のアントニオッティも1871年エラール製のピアノを用いている。
 さらに、ヴェネシアーノでの活躍でおなじみのガッリが、オペラの原曲の旋律などを歌っているというのも、とても嬉しいききもの。(2012.12.27)
 
Lutoslawski: The Symphonies
 4 Symphonies
 Fanfare For LAPO

Los Angeles Philharmonic
Esa-Pekka Salonen
1985-2012 LA
[SONY 88765440832] (2 CDs)
 ブリテンとともに来年生誕100年を迎えるポーランドのルトスワフスキ。その4曲の交響曲全集を、サロネンとロス・フィルの演奏で。前世紀に録音した2~4番に、新録音の第1番とファンファーレを組み合わせたもの。サロネンは来年2月のフィルハーモニアとの来日も本当に楽しみ。(2012.12.25)
 
JS Bach: Cello Suites Nos. 1, 3 & 5 (arr. for viola)
JS Bach:
 Cello Suite No. 1 in G major, BWV1007
 Cello Suite No. 3 in C major, BWV1009
 Cello Suite No. 5 in C minor, BWV1011

 (arranged for viola)
Antoine Tamestit (viola)
2012.5&9 Köln
[Naïve V5300]
 1979年生れ、若手世代を代表するフランスのヴィオラの名手、タムスティの新譜は、バッハの無伴奏チェロ組曲3曲のヴィオラ版。タムスティは以前無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番を録音しているが、近年一段と成長しているように感じるので、さらに深まった表現を期待。(2012.12.24)
 
Sondheim: SWEENEY TODD - The Demon Barber of Fleet Street.  A Musical Thriller
Mark Stone (Sweeney Todd), Jane Henschel (Nellie Lovet), Gregg Baker(Anthony Hope), Rebecca Bottone (Joanna), Diana DiMarzio (Lucy Barker), Pascal Charbonneau (Tobias Ragg), Jonathan Best (Judge Turpin),
Chor des Bayerischen Rundfunks
Münchner Rundfunkorchester
Ulf Schirmer
2012.5.6 Prinzregententheater, München
[BR Klassik 900316] (2 CDs)
 ミュージカル作家ソンドハイムの代表作、ミュージカル・スリラー《スウィーニー・トッド》の演奏会形式ライヴ。シルマー指揮ミュンヘン放送管弦楽団の創立60周年記念行事の一環として公演されたもので、ドイツ語訳詞ではなく原語版。
 この作品のコンサート・ヴァージョンは、以前ニューヨーク・フィルも自主製作盤として発売したことがあった。オーケストラの音が物凄かったという記憶があるが、このミュンヘン盤は如何に。(2012.12.23)
 
Mozart: Keyboard Music Volume 4
Mozart:
Fantasia in D minor, K397
Piano Sonata No. 9 in D major, K311
Fantasia (Prelude) & Fugue in C major, K394
Zwölf Variationen in Es-Dur, K354 (299a) über die Romanze 'Je suis Lindor' aus der Komödie 'Le Barbier de Seville' (Antoine-Laurent Baudron)
Piano Sonata No. 5 in G, K283

Kristian Bezuidenhout (fortepiano)
2011.10 London
[Harmonia Mundi HMU907528]
 日本でも評価がいよいよ高まってきたベザイデンホウト。モーツァルトの鍵盤音楽集の第4集は、ピアノ・ソナタ第5番と第9番、2つの幻想曲、変奏曲。K.397の変奏曲は、初版と原稿版の2種を収録。(2012.12.22)
 
Wagner: Tannhäuser
Albert Dohmen(Landgraf), Robert Dean Smith(Tannhäuser), Christian Gerhaher(Wolfram), Peter Sonn(Walther), Nina Stemme(Elisabeth), Marina Prudenskaya(Venus)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2012.5.5 Berlin Philharmonie
[Pentatone PTC5186405] (3 CDs)
 ヤノフスキとベルリン放響によるワーグナー・シリーズの第6作。今回も高水準のオーケストラに加え、ステンメ、R・D・スミス、ゲルハーヘル、ドーメンと充実した歌手陣。高音質の録音も楽しみ。いよいよ残るは《指環》全曲。
 ヤノフスキ自身に限っていえば、《指環》は80年代に一度全曲録音しているので、この《タンホイザー》をもって、ワーグナーの主要10作品(舩木篤也さんいうところの「バイロイト・テン」)の商業録音を完成した、ショルティとバレンボイムに次ぐ3人目の指揮者、という栄誉を得ることになる。
 もちろん、演奏自体は現在の方がはるかに円熟しているので、予定される再録音こそが、本当の意味で「ヤノフスキの《指環》」と呼ぶにふさわしいものになるはず。(2012.12.20)
 
Stravinsky:
 L'oiseau de feu (1919)
 Le sacre du printemps (1913)

Orchestre National du Capitole de Toulouse
Tugan Sokhiev
2011.9
[Naïve V5192]
 来日公演も好評だったソヒエフとトゥールーズ・キャピトール管弦楽団の新譜は、来年が初演100年の「春の祭典」と「火の鳥」組曲の、バレエ・リュス2本立て。ハルサイはDVDもついている。キレがよく豪快で、熱い音楽が聴けそう。(2012.12.18)
 
Brundibár
Music by composers in Theresienstadt (1941–1945)
Pavel Haas: String Quartet No. 2, Op. 7 'From the Monkey Mountains'
Gideon Klein: String Trio (1944)
Krasa: Brundibár: Suite (arr. David Matthews)
Viktor Ullmann: String Quartet No. 3, Op. 46

The Nash Ensemble
[Hyperion CDA67973]
 前作のトゥリーナ作品集も味のある、いい1枚だったイギリスのナッシュ・アンサンブルの新作。ナチスによってテレージェンシュタットの強制収容所に拘引され、全員が大戦末期に生命と未来を奪われた、ユダヤ系チェコ人作曲家たち(パヴェル・ハース、ギデオン・クライン、ハンス・クラーサ、ヴィクトル・ウルマン)の、収容所内での作品を含む弦楽のための曲を集めたもの。《ブルンディバール》は歌劇からの組曲版。
 勇気と誇りと人間性を忘れぬために。(2012.12.17)
 
Mendelssohn:
 String Quartet No. 2 in A minor, Op. 13
 String Quartet No. 6 in F minor, Op. 80
Fanny Mendelssohn-Hensel:
 String Quartet in E flat major

Quatuor Ebène
[Virgin 4645462]
 Virginへ移籍して絶好調のエベーヌ四重奏団の新譜は、メンデルスゾーン。姉のファニーの作品も取りあげているのが面白い。ヴィヴィッドな音楽に触れることができそう。(2012.12.16)
 
Britten: The Rape of Lucretia
Angelika Kirchschlager (Lucretia), Peter Coleman-Wright (Tarquinius), Ian Bostridge (Male Chorus), Susan Gritton (Female Chorus), Christopher Purves (Collatinus), Benjamin Russell (Junius), Claire Booth (Lucia), Hilary Summers (Bianca)
Aldeburgh Festival Ensemble
Oliver Knussen
2011 Aldeburgh Festival
[Virgin 6026722]
 オリヴァー・ナッセンが指揮をして、キルヒシュラーガー、ボストリッジらが歌った《ルクリーシャの凌辱》とくれば、興味を持たずにいられようか。2011年のオールドバラ音楽祭でのライヴ。
 来年が生誕100年ということで、イギリスのレコード界はブリテンの新録音ラッシュ。ヴェルディもワーグナーもかすみそう(笑)。(2012.12.14)
 
Weber:
 6 Sonaten für Violine & Klavier op.10a
 Klavierquartett op. 8

Isabelle Faust (violin), Alexander Melnikov (piano), Boris Faust (viola) & Wolfgang Emanuel Schmidt (cello)
[Harmonia Mundi HMC902108]
 ベートーヴェン&ベルクのヴァイオリン協奏曲が各国のレコード賞に選ばれたイザベル・ファウスト。新譜はウェーバーのソナタ6曲とピアノ四重奏曲。
 意外な選択で一瞬虚を衝かれたが、そういえば王子ホールでのメルニコフとのベートーヴェンのソナタ全曲演奏会で、アンコールにウェーバーを取りあげて「その次」(音楽史的にも、レパートリー的にも)を暗示していたのを思い出した。あの演奏も見事なものだっただけに、それがまとめて聴けるのはとても楽しみ。(2012.12.13)
 
Liszt: The Sound of Weimar 1-5
Liszt:
 Dante Sinfonie (Chorus sine nomine)
 Evocation à la Chapelle Sixtine
 Les Préludes, Symphonische Dichtung Nr.3
 Orpheus, Symphonische Dichtung Nr.4
 „Ce qu‘on entend sur la montagne“ (Berg-Sinfonie), Symphonische Dichtung Nr.1
 Hunnenschlacht, Symphonische Dichtung Nr.11
 Hungaria, Symphonische Dichtung Nr.9
 Mazeppa, Symphonische Dichtung Nr.6
 Tasso, Lamento e trionfo, Symphonische Dichtung Nr.2
 Le Triomphe funèbre de Tasse
 Héroide Funèbre, Symphonische Dichtung Nr.8
 Die Ideale, Symphonische Dichtung Nr.12
 Prometheus, Symphonische Dichtung Nr.5
 Festklänge, Symphonische Dichtung Nr.7
 Hamlet, Symphonische Dichtung Nr.10
 Von der Wiege bis zum Grabe, Symphonische Dichtung Nr.13

Orchester Wiener Akademie
Martin Haselböck
2010.10-2011.10 Der Konzertsaal vom Lisztzentrum, Raiding
[NCA (New Classical Adventures) 60260] (5 CDs)
 オルガニスト、指揮者として活躍するオーストリアのハーゼルベックが1985年に結成したピリオド楽器オーケストラ、ウィーン・アカデミー管弦楽団による、リストの13の交響詩とダンテ交響曲のボックス。
 これまではバラで出ていて、買おうと思っているところへ5枚組のお買得ボックスとなったので、とても嬉しい。ベルリオーズからマーラーへ至るロマン派交響楽のつなぎ目としてのリストの交響詩、あらためてしっかり聴いてみたい。(2012.12.12)
 
Handel: Agrippina, HWV 6
Susanne Geb (Agrippina), Judith Braun (Nerone), Elizabeth Wiles (Poppea), 松井浩i (Claudio), David Cordier (Ottone), Guido Baehr (Lesbo)
Saarbrücken State Theater Orchestra
Konrad Junghänel
2008 Saarbrücken
[Intergroove Classics IGC0042] (2 CDs)
 ヘンデル初期の傑作オペラ、《アグリッピーナ》をユングヘーネル指揮のザールブリュッケン歌劇場のライヴ録音で。この人の指揮するバロック・オペラは派手ではないが、呼吸感がよくて聴きやすいのでディスクが出るたび買っている。(2012.12.08)
 
1.チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64
2.プロコフィエフ:交響曲第7番 嬰ハ短調 作品131

山田一雄 (指揮)日本フィルハーモニー交響楽団
1972年1月(1)、1971年1月27日(2)
[タワーレコード TWCO-1010]

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47
山田一雄 (指揮)日本フィルハーモニー交響楽団
1965年12月27日
[タワーレコード TWCO-1011]

R.シュトラウス:
1.アルプス交響曲 作品64
2.楽劇「サロメ」作品54より 7つのヴェールの踊り

山田一雄 (指揮)日本フィルハーモニー交響楽団
1969年1月16日(1)、1971年1月27日(2)
[タワーレコード TWCO-1012]
 山田一雄が旧日本フィルと共演したライヴ録音の初発売。チャイコフスキー以外はディスクでは初のレパートリーという選曲が嬉しい。日本初演を指揮しただけでなく、その前に音楽を担当した1946年の東宝映画『浦島太郎の後裔』にも一部を使用していたショスタコーヴィチの第5番の登場が、特に楽しみ。しかもこれだけは山田夏精と名乗っていた時期、65年の演奏である。
 解散騒動前の日フィルの演奏というのも興味をひかれるし、放送はモノラルなのにもかかわらず、保存用音源は特にステレオ録音してくれていたおかげで、こうしてそれが聴けることも、よき時代の人々の心意気に触れるようで、ワクワクする。(2012.12.06)
 
Britten: Cello Symphony, Cello Sonata & Cello Suites
Britten:
 Symphony for Cello and Orchestra, Op. 68
 Sonata for cello and piano in C major, Op. 65
 Suite No. 1 for cello solo, Op. 72
 Suite No. 2 for cello solo, Op. 80
 Suite No. 3 for cello solo, Op. 87
 Temas 'Sacher'

Alban Gerhardt (cello)
BBC Scottish Symphony Orchestra, Andrew Manze
Steven Osborne (piano)
2011&12
[Hyperion CDA67941/2] (2 CDs)
 来年が生誕100年となるブリテン。かれがロストロポーヴィチと親交を結んだことで生れたチェロのための作品をまとめた2枚組。チェロのゲルハルトは1969年生れのドイツ人で、Hyperionをはじめいくつかのマイナー・レーベルで活躍中。ピアノのオズボーン、マンゼ指揮のBBCスコティッシュ響と、共演の顔ぶれも期待させる。(2012.12.04)
 
Hoffnung des Widersehens - Telemann Arias
Telemann:
 Concerto in D major for violin, strings and bc (for Keiser's Nebucadnezar)
 'Vernunft, Geduld und Zeit'
 'Stirbt mein Geist durch dein Verlangen'
 6 Cantatas (from Cantata 2da:'Mein Vergnügen wird sich fügen')
 Cantata 'Die Hoffnung des Wiedersehens'
 Concerto in E minor for oboe d'amore, strings & b.c. TWV 51:e2
 'Fließen nichts als bitt're Tränen' (TvWV 22:7, for Keiser's Janus)
 'Quillt, ihr überhäuften Zähren' (for Handel's Almira)
 'Weine nur, gekränkte Seele' (for Handel's Riccardo Primo)
 'Genung, genung geklaget' (for Handel's Riccardo Primo)
 3 Arias from the Opera Fragment Omphale
 Concerto in D major for violin, strings and bc: Allegro

Dorothee Mields (soprano)
Martin Jopp (violin),Carin van Heeren (oboe d'amore)
L'Orfeo Barockorchester, Michi Gaigg
[DHM 88697901822]
 ブリュッヘン、ヘレヴェッヘ、ヘンゲルブロック、鈴木雅明など名だたる古楽指揮者と共演を重ね、ソロの録音も多いソプラノ、ドロテア・ミールズのテレマン・アリア集。カイザーやヘンデルのオペラに挿入したアリアがいくつか含まれているのが面白い。
 このところ注目しているオーストリアのアンサンブル、ガイック(ガイグ)指揮のオルフェオ・バロック管の共演というのが、心惹かれるポイント。 (2012.12.02)
 
Schönberg: Barock Modern
Schönberg:
 Concerto for String Quartet & Orchestra
  (arr. of Händel's Concerto Grosso, op. 6 no. 7)
 Theme and Variations, Op. 43b
 Cello Concerto (1932)
  (arr. of Matthias Georg Monn's Concerto in G minor for Harpsichord and Orchestra)

Quartuor Diotima, Johannes Moser (cello)
MDR Sinfonieorchester
Jun Märkl
2008.1.28-31 Leipzig MDR Studio
[MDR KLASSIK MDR1205]
 「バロックモダン」と題された、メルクルとMDR響によるシェーンベルクのバロックもの編曲の1枚。ヘンデルの合奏協奏曲の弦楽四重奏と管弦楽への編曲、モンのチェンバロ協奏曲のチェロ協奏曲への編曲、そして主題と変奏の3曲。メルクルはブラームスのピアノ四重奏曲のシェーンベルクによる管弦楽版を十八番にしている人だけに、これも聴いてみたい。ドイツのMDR(中部ドイツ放送局)の自主制作。(2012.12.01)
 
Dowland: Tunes of Sad Despaire
Dowland:
 Go Crystal Teares
 If My Complaints could passions move
 Sorrow Come
 Paduan (John Dowland / Thomas Simpson)
 What If A Day
 Fine Knacks For Ladies
 Goe Nightly Cares
 Flow My Teares
 My Lord of Dehims Lamentacio (Anonymous)
 In Darkness Let Mee Dwell
 In This Trembling Shadow Cast
 Away With These Selfe Louing Lads
 Dr Case's Pauen
 From Silent Night
 Come Heauy Sleepe
 All Ye Whom Loue of Fortune or Fortune Hath Betrayd
 Now O How I Needs Must Part

Dominique Visse (haute-contre)
Fretwork, Renaud Delaigue & Eric Bellocq
[Satirino SR121]
 オートコントルのドミニク・ヴィスによるダウランド歌曲集。フレットワークの共演、というのがまた楽しみ。(2012.11.29)
 
Bach: Arias
JS Bach:
 Cantata BWV68 'Also hat Gott die Welt geliebt'
 Chorale Prelude BWV645 'Wachet auf, ruft uns die Stimme'
 Cantata BWV41 'Jesu, nun sei gepreiset'
 Cantata BWV199 'Mein Herze schwimmt im Blut'
 Cantata BWV85 'Ich bin ein guter Hirt'
 Cantata BWV6 'Bleib bei uns, denn es will Abend werden'
 Cantata BWV49 'Ich geh und suche mit Verlangen'
 Cantata BWV175 'Er rufet seinen Schafen mit Namen'
 Chorale Prelude BWV650 'Kommst du nun, Jesu, vom Himmel herunter'
 Cantata BWV115 'Mache dich, mein Geist, bereit'
 Cantata BWV183 'Sie werden euch in den Bann tun'
 Cantata BWV159 'Sehet, wir gehn hinauf gen Jerusalem'
 Chorale Prelude BWV639 'Ich ruf' zu dir, Herr Jesu Christ'
Hoffmann, G M:
 Schlage doch, gewünschte Stunde cantate BWV 53

Sandrine Piau (soprano), Christophe Dumaux (alto), Emiliano Gonzalez Toro (tenor)
Pulcinella
Ophélie Gaillard (cello, direction)
[Aparté AP045]
 女性チェリスト、オフェリー・ガイヤール率いるプルチネッラによる、バッハのカンタータからのアリア集。ボッケリーニ作品集でもガイヤールの息の合う歌唱を聴かせてくれたピオーなど、独唱陣の歌声も楽しみな1枚。(2012.11.26)
 
Beethoven : Intégrale des Quatuors à cordes
Quatuor Talich
(Petr Messiereur, Jan Kvapil, Jan Talich Sr. & Evzen Rattay)
1977-81
[La Dolce Volta LDV1217] (7 CDs)
 温かく自然体の演奏といえば、旧メンバーによるターリヒ四重奏団も好例。La Dolce Voltaが復活させたモーツァルトの弦楽四重奏曲、五重奏曲の全集によって、浅学の私は初めてその魅力を知った。
 このベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集はそれらに続く復活なので、とても楽しみ。(2012.11.22)
 
Haydn: Londner Symphonien Nr.96, 95, 93
 Sinfonie Nr. 96 D-Dur Hob. I:96 "The Miracle"
 Sinfonie Nr. 95 c-moll Hob. I:95
 Sinfonie Nr. 93 D-Dur Hob. I:93

Cappella Coloniensis
Bruno Weil
[ARS ARS38061] (SACD Hybrid)

 
Haydn: Die Schöpfung
Sibylla Rubens, Jan Kobow, Hanno Müller-Brachmann
Tölzer Knabenchor, Cappella Coloniensis
Bruno Weil
2009 Essen
[ARS ARS38082] (2 SACD Hybrid)
 ヴァイル指揮のロンドン交響曲集(第1集)は3年も前の新譜で、何がいまさら「気になる」だ、と嫌味を言われても反論しようもないのだが、少し前に出た、下欄の《天地創造》の見事な演奏と録音を聴いて、とにかくものすごく欲しくなったので。
 ブルーノ・ヴァイルは、1954年創立と古楽団体では有数の長い歴史を誇る、カペラ・コロネンシスの芸術監督を2003年からつとめている。そして2009年のハイドン・イヤーのあたりから、ハイドンの作品のSACDを出しているのだが、レーベルが日本では代理店の関係か、ほとんどまともな紹介をされないARSであること、また、ヴァイルがターフェルムジーク・バロック管とハイドン作品を多数SonyのVivarteに録音済みで、それらが廉価盤で手軽に買えることなどもあるのだろう、まるで話題になっていなかった。情けないことに、私も手を出していなかった。
 しかし、ターフェルムジークでの近年の録音を聴いて、ヴァイルがVivarte時代と較べて、実にいい年輪の重ね方をしていることに気づき、同時に90年代よりも録音が長足の進歩をしていることから、《天地創造》を試しに買ってみた。するとこれが自然体でしかも生き生きと温かい、期待を裏切らない優れたディスクだった。音場感豊かな録音も素晴らしい。カペラ・コロネンシスのドイツ系らしい堅固な骨格感にも、カナダのターフェルムジークとはまた異なる魅力がある。
 というわけで、、《奇蹟》を含むロンドン交響曲集を次に購入決定。おいおい、《驚愕》ほかの第2集、《四季》と《十字架上のキリストの最後の七つの言葉》などの既発盤を買いながら、ロンドン交響曲の後期6曲の発売も楽しみに待つつもり。
 この指揮者は、その自然な音楽性と構築力、悪ふざけをしない、はしゃがない落ち着きという点から、ピリオド嫌いの方も受けいれやすいように私は思うのだが…。(2012.11.21)
 
Janáček:
 Mša Glagolskaja
 Taras Bulba

Aga Mikolaj (soprano), Iris Vermillion (mezzo soprano), Stuart Neill (tenor), Arutjun Kotchinian (bass)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonie Orchester Berlin
Marek Janowski
2010.11
[PentaTone Classics PTC5186388]
 ワーグナー・シリーズが絶好調のヤノフスキ&ベルリン放送交響楽団による、ヤナーチェクの《グラゴル・ミサ》と狂詩曲《タラス・ブーリバ》。演奏はもちろん、録音も毎回素晴らしいだけに、ヤナーチェクのサウンドがどのように響くか、その点も大いに期待。(2012.11.20)
 
La Monarcha ; 17th Century music from the Spanish territories
Corriente dicha la Cuella. La Suave Melodia y su corrente. Il Rosso brando (Andrea Falconieri). Sinfonia a due (Francesco Corbetta). Tarantelas (Santiago de Murcia). Canzon terza (Bartolome de Selma y Salaverde). Pavane de Spanje (Pieter de Vois). Pavana hispanica (Jan Pieterszoon Sweelinck). Corrente dicha l'Avellina. Il Spiritillo brando. Alemana dicha Villega (Andrea Falconieri). Follie in G sol re ut (Francesco Corbetta). La Monarcha (Andrea Falconieri). Follia (Bernardo Storace). Corrente (Bartolome de Selma y Salaverde). Repicavan (Jacob van Eyck). Canzon seconda (Bartolome de Selma y Salaverde). Diferencias sobre la pavana italiana (Antonio de Cabezon). La Esfachata de Napoles. La Cavalleria de Napoles con dos clarines (Gaspar Sanz). La Benedetta. La Prudenza corrente. Corriente dicha la Mota echa para D Pedro dela Mota. Brando dicho el Melo (Gaspar Sanz). Pavaniglia (Girolamo Montesardo / Carlo Calvi).

Cordevento -- Erik Bosgraaf (recorders), Izhar Elias (baroque guitars) & Alessandro Pianu (harpsichord & organ)
[Brilliant Classics 94352]
 玉石混淆のBrilliantのなかで、楽しみにしているのがオランダの俊英リコーダー奏者、ボスグラーフ。音色はややドライだが、リズムと躍動感に優れている。
 これは少し前に出た新譜だが、個人ではなくかれのグループであるコルデヴェントの名義が前面に出ていたので見落としていた。17世紀、栄華の絶頂期にあったスペイン帝国の版図で活躍した、スペイン、イタリア、フランドルなどの音楽家たちの作品をあつめたもの。リコーダー、ギター、鍵盤楽器のトリオ編成。(2012.11.18)
 
JS Bach:
 Partita for solo violin No. 2 in D minor, BWV1004
 with:
 St John Passion, BWV245: Ach Herr, lass dein lieb Engelein
 Cantata BWV4 'Christ lag in Todesbanden': 'Den Tod niemand zwingen kunnt'
 St Matthew Passion, BWV244: Wenn ich einmal soll scheiden
Fauré:
 Requiem, Op. 48

Gordan Nikolitch (violin)
Grace Davidson (soprano) & William Gaunt (baritone)
Tenebrae
London Symphony Orchestra Chamber Ensemble
Nigel Short
2012.5 the Church of St Giles', Cripplegate, London
[LSO Live LSO0728](SACD Hybrid)
 とても面白い構成のアルバムで、フォーレのレクイエムをメインに、バッハのパルティータ第2番とコラールを組み合わせたもの。
 まず、ニコリッチ独奏の無伴奏パルティータ第2番の各曲の合間に、追悼的なコラールが歌われる。最後のシャコンヌは最初の妻へのレクイエムとする説に従い、ヴァイオリンに合唱がからむスタイルとなる。
 その後、フォーレのレクイエムの室内オーケストラ伴奏版が演奏される。
 ナイジェル・ショート率いるテネブレは、ロンドンを拠点に宗教曲を主なレパートリーとする合唱団。かれらとロンドン響楽員による室内合奏団の共演で、2011年6月の「シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル」のセント・ポール大聖堂での同じ曲目のコンサートが大成功したの受けて、2012年5月にセント・ジャイルズ・クリップルゲイト教会でおこなわれた再演をライヴ録音したもの。
 こうした制作の経緯から、LSOレーベルにとって自信作だろうと思えるので、とても楽しみ。(2012.11.15)
 
Après un rêve...
(Chopin, Tchaikovsky, Bartók, Ravel, etc)

Nemanja Radulovic (violin), Marielle Nordmann (harp)
2011.6 Paris
[Transart TR174]
 キレのある躍動感が比類なく、強烈に愉しませてくれるヴァイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロヴィチ。
 新作はハーピストのマリエル・ノールマンとのデュオで、ショパンの遺作のノクターンやバルトークのルーマニア民族舞曲、ラヴェルのハバネラ形式による小品、マスネのタイスの瞑想曲、フォーレの《夢のあとに》といった、スタンダードな名曲を演奏。(2012.11.14)
 
Brahms: The Complete Piano Trios
Brahms:
 Piano Trio No.3 in C minor op.101
 Piano Trio No.2 in C major op.87
 Clarinet Trio in A minor op.114
 Piano Trio No.1 in B major op.8
 Horn Trio in E flat major op.40

Ludmila Peterková (clarinet), Přemysl Vojta (french horn)
Smetana Trio
2011.6 & 2012.6 Prague
[Supraphon SU40722] (2 CDs)

Brahms: Chamber Music
Brahms:
 String Sextet No.1 in B flat op.18
 String Sextet No.2 in G op.36
 Piano Quartet No.1 in G minor op.25
 Piano Quartet No.3 in C minor op.60
 String Quintet No.1 in F op.88
 String Quintet No.2 in G op.111
 Clarinet Trio in A minor op.114
 Piano Quartet No.2 in A major op.26

The Nash Ensemble
2006-2009 England
[Onyx ONYX4093] (4 CDs)
 ブラームスの室内楽のセットを2つ。
 上はチェコの中堅で、スメタナ・トリオによるピアノ三重奏曲全集とクラリネット、ホルン三重奏を収めた2枚組。ホルン独奏のヴォイタはシュターツカペレ・ベルリンの首席をつとめる俊英。
 下はイギリスのナッシュ・アンサンブルが近年Onyxに録音した室内楽曲をまとめた、お買い得の再発ボックス。どちらも派手ではないが、お国柄にふさわしく中身のつまった音楽を聴かせてくれる実力派で、曲の重複もクラリネット三重奏曲だけなので、無駄がない。晩秋はブラームスにどっぷり。(2012.11.13)
 
Handel: Messiah
Karina Gauvin (soprano), Robin Blaze (countertenor), Rufus Müller (tenor) & Brett Polegato (baritone)
Tafelmusik Baroque Orchestra & Chamber Choir
Ivars Taurins
2011.12.14-17 Toronto
[Tafelmusik TMK1016CD2]
 トロントのターフェルムジーク・バロック管による《メサイア》全曲。ヴァイルのベートーヴェンでの演奏ぶりがとても気に入ったので、これも聴いてみる。指揮のタウリンスは1956年トロント生れ、ヴィオラ奏者として1979年のターフェルムジーク・バロック管の創設に参加、2002年までヴィオラの首席奏者をつとめた。1981年に25人編成のターフェルムジーク室内合唱団を創設、現在はその監督をつとめている。壮麗ではなくとも、ターフェルムジーク・ファミリーによる親密な演奏が聴けるのではないかと思う。カナダの歌姫ゴーヴァン、BCJでおなじみのロビン・ブレイズなど、独唱陣も楽しみ。(2012.11.12)
 
Mozart In-Between
Mozart:
 Symphonie Nr. 23
 Klavierkonzert Nr. 9 "Jeunehomme"
 2 Sätze aus Thamos, König in Ägypten KV 345
Denis Schuler:
 In-between für Streichquartett & Orchester
Mozart:
 5 Sätze aus Thamos, König in Ägypten KV 345
 Arie "Venga pur, minacci e frema" aus Mitridate, Re di Ponto KV 87

Orchestre de Chambre de Geneve
Lawrence Zazzo
David Greilsammer
2011 Le Chaux-de Fonds
[Sony 88725430252]
 何となく、聴かず嫌いのままだったグレイルザンマー。1977年イスラエル出身のピアニストで、近年はジュネーヴ室内管弦楽団の音楽監督など、指揮者としても活動している。これはその手兵を指揮したモーツァルトの初期作品集で、ピアノを弾くのは《ジュノーム》のみ。Naiveでデビューして、Sonyへ移籍してこれが2枚目。順調にリリースが続いていることもあり、これを機に聴いてみようと思う。(2012.11.10)
 
Beethoven: The Complete String Quartets Vol. 1
Beethoven: String Quartets
 No. 6 in B flat major, Op. 18 No. 6
 No. 12 in E flat major, Op. 127
 No. 2 in G major, Op. 18 No. 2
 No. 9 in C major, Op. 59 No. 3 'Rasumovsky No. 3'
 No. 11 in F minor Op. 95 'Serioso'
 No. 14 in C sharp minor, Op. 131
 No. 1 in F major, Op. 18 No. 1
 No. 4 in C minor, Op. 18 No. 4

Belcea Quartet
2011 Aldeburgh
[Zigzag ZZT315](4 CDs)
 ロンドンを拠点とするベルチャ四重奏団が、いよいよベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を録音。これは半数の8曲を収めた第1集4枚組。現在のメンバーは2回の交替をへて、ルーマニア、スイス、ポーランド、フランスと、イギリス生れがひとりもいない構成だそうである。キアロスクーロ四重奏団など、いまはこうしたヨーロッパ内での多国籍化が、アメリカよりもイギリスで目につくのが21世紀風で、面白い。EMIからZigzagへの移籍なので、音質の向上も期待。(2012.11.09)
 
Rachmaninov: All-Night Vigil Op. 37
Latvian Radio Choir, Sigvards Kļava
[Ondine ODE12065](SACD Hybrid)
 クリャーヴァ指揮のラトヴィア放送合唱団は、ラフマニノフの宗教曲のもう一つの傑作、《聖ヨハネス・クリュソストムスの典礼》(2008年録音)も重厚かつ澄んだハーモニーで見事な出来を聴かせてくれたし、録音もよかった。だから今回の《晩祷》にも、大いに期待している。前回と同じリガ大聖堂での録音だろうか。(2012.11.08)
 
Dvořák:
 Piano Quintet in A Major, Op. 81
 String Quartet In F Major, Op. 96 'American'

Teo Gheorghiu, Carmina Quartett
2012 Winterthur
[SONY 88725479482]
 沈滞するメジャーのなかで気を吐くドイツ・ソニーの1枚。結成28年、逸早くピリオド奏法をとりいれたことでも名高いスイスのカルミナ四重奏団による、ドヴォルジャークの名品2曲。《アメリカ》は15年ぶりの再録音。
 共演のテオ・ゲオルギューは1992年スイス生れの若手ピアニストで、2006年公開の映画『僕のピアノコンチェルト』の主役として有名だという。(2012.11.06)
 
Prokofiev & Britten: The Cello Symphonies
Britten: Symphony for Cello and Orchestra, Op. 68
Prokofiev: Sinfonia Concertante in E minor for cello & orchestra, Op. 125

Daniel Müller - Schott (cello)
WDR Köln, Jukka-Pekka Saraste
[Orfeo C847121A]
 ネルソンズとともにOrfeoの看板アーティストであるミュラー=ショットの新作は、プロコフィエフとブリテンの「チェロ交響曲集」。共演がサラステ指揮ケルンWDR交響楽団というのも、嬉しいところ。(2012.11.05) 
 
Shostakovich: Symphony No. 7 in C major, Op. 60 'Leningrad'
City of Birmingham Symphony Orchestra
Andris Nelsons
[Orfeo C852121A]
 熱い、いや暑っ苦しいくらいの音楽をいつも聴かせてくれるネルソンズ&バーミンガム市響の新譜は、《レニングラード》。冬にぴったりか。(2012.11.03)
 
Janacek: Jenůfa
Anny Schlemm, Christl Goltz, Ernst Kozub, Gerald McKee, Rosi Zapf
Städtisches Opernhaus und Museumsorchester Frankfurt
Lovro von Matačić
1961.9.29 Oper Frankfurt
[Myto MCD00319]
 モノラルだろうがドイツ語歌唱だろうが、マタチッチの指揮する《イェヌーファ》とくれば、聴かずにはいられない。ショルティに代ってフランクフルトの音楽総監督に就任して早々の上演だから、力が入っているはず。シュレム、ゴルツなど歌手も実力派だし、カルショーが「我らがジークフリート」とすべく、一抹の不安と同時に多大の期待を寄せていた、ちょうどその時期のコツープが参加しているので、その声を聴く楽しみもある。(2012.11.02)
 
Mozart: Piano Concertos Nos. 17 & 22
Mozart:
 Piano Concerto No. 17 in G major, K453
 Rondo for Piano & Orchestra in A major, K386
 Piano Concerto No. 22 in E flat major, K482

Kristian Bezuidenhout (fortepiano)
Freiburger Barockorchester, Petra Müllejans
2012.5 Freiburg
[Harmonia Mundi HMC902147]
 1979年南アフリカ生れのフォルテピアノの俊英、ベザイテンホウト(ベズイデンホウトではないそうだ)によるモーツァルトの協奏曲集。 すでに3枚出ているモーツァルトの独奏曲集もニュアンス豊かな好演なので、これもとても楽しみ。フライブルク・バロック管とは、メンデルスゾーンの協奏曲集のディスクもある。(2012.11.01)
 
Giovanni Giorgi: Ave Maria
Giorgi:
 Ave Maria a 4
 Angelus Domini descendit de caelo
 Improperium expectavit cor meum
 Dextera Domini
 Tui sunt caeli
 Ascendit Deus in jubilatione
 Messa a due Cori tutti piena
 In omnem terram a 4
 Credo
 Sanctus
 Agnus Dei

Choeur de Chambre de Namur
Cappella Mediterranea
Clematis
Leonardo García Alarcón
2010.8 Festival de la Chaise-Dieu
[Ricercar RIC313]
 アラルコンのディスクを探していて、気がついた1枚。試聴した1曲目の《アヴェ・マリア》があまりにも美しい旋律と響きなので、迷わず購入をきめた。他の曲も同様の美しい呼吸感に満ち、大当たりだったのでここで紹介することにする。変化には乏しいが、そのゆったりした響きに身を浸していていると、じつに気持ちがいい。
 ジョヴァンニ・ジョルジ(?~1762)はイタリア生れの作曲家で、1719年から25年までローマのサン・ジョヴァンニ・ラテラーノ聖堂の楽長をつとめたのち、亡くなる1762年までポルトガルのリスボンで楽長と作曲家をつとめたことしかわかっていない、その後はほぼ完全に忘れられていた人物。
 このCDと同じメンバーによる、2010年8月20日のフランス・オーベルニュ地方のラ・シェーズ・デューの音楽祭での演奏会が、現代では最初の演奏になったという。まだまだ美しい音楽が埋もれていることを、いまさらながらに痛感した1枚。オススメ。
 Ricercarの情報は日本ではごく限られている。マーキュリーが丁寧な日本語訳の解説をつけて国内盤化してくれる日の早く来ることを願うのみ。(2012.10.30)
 
Vivaldi: Concerti "Nuova Stagione"
Vivaldi:
 Concerto for Violin and Organ in C Major, RV 808
 Concerto for Cello in A Minor, RV 420
 Concerto for Traverso in E Minor, RV 431a "Il Gran Mogol"
 Concerto for Violin in C Major, RV 194
 Concerto for Traverso in A Minor, RV 440
 Concerto for Cello in D Major, RV 403
 Concerto for Violin in D Minor, RV 235
 Concerto for Violin and Organ in G Minor, After RV 517

Gli Incogniti, Amandine Beyer
[Zigzag ZZT310]
 ヴァイオリニストのアマンディーヌ・ベイエ率いるリ・インコーニティ(グリ・インコグニティは誤まった読み)による、ヴィヴァルディの協奏曲集。題して『新しい季節』。4年前に出した《四季》が生気に満ちた素晴らしい演奏だっただけに、さまざまな独奏楽器によるこの新・四季にも期待したい。ヴィヴァルディの協奏曲ディスクではすっかり恒例になっていることだが、RV808とRV194は世界初録音だそうである。(2012.10.28)
 
Opéra Fantaisie
Damase: Fantaisie on Tales of Hoffmann
Parish-Alvars: Introduction & Variations on Bellini's La Norma
Walter-Kühne: Fantaisie on Eugene Onegin
Ceysson: Paraphrase on Carmen
Spohr: Variations on 'Je suis encore dans mon printemps', Op. 36
Zabel: Fantaisie opus 12 sur from Faust (Gounod)
Damase: Fantaisie sur des motifs des Contes d’Hoffmann
Parish-Alvars: Fantasie on Lucia di Lammermoor

Emmanuel Ceysson (harp)
2012.1 Paris
[Naïve V5297]
 1984年生れのハープ奏者、エマニュエル・セイソンのソロで、オペラの名旋律のパラフレーズを集めた『オペラ・ファンタジー』。セイソンは2006年からパリ国立オペラの首席ソロ奏者を務めており、2009年のミュンヘン国際コンクールでの優勝経験をもつ。Naïveからの登場だけに、聴くのが楽しみ。(2012.10.26)
 
JS Bach: 6 Suites for Cello Solo
Pieter Wispelwey (cello)
2012.6
[Evil Penguin EPRC012]
 すでに手元にある盤だが、内容があまりに素晴らしいので紹介。オランダの名手ウィスペルウェイの50歳を記念した、バッハの無伴奏チェロ組曲全曲。早くも3度目の全曲録音で、これまでは90年と98年にChannel Classicsに録音していた。私はChannel Classicsの音質が苦手で(平面的で生気を感じない)、ウィスペルウェイの旧盤にも特別な印象はなかったのだが、この新録音にはひきこまれた。ピリオド楽器とカンマーピッチ(モダンより全音低い392Hz)による、語るような歌うような、謙虚だが雄弁な、濁りなく奥深い音楽が、自然な録音で捉えられている。それにしても「邪悪なペンギン」とは、不思議なレーベル名。(2012.10.25)
 
A Second of Silence
Satie: Gymnopédie I
Glass: Company
Schubert: Gretchen am Spinnrade, Op. 2, D. 118
Schubert: Symphony No. 7(8) in B Minor "Unfinished", D. 759
Satie: Gymnopédie II
Schubert: Symphony No. 3 in D Major, D. 200
Feldman:Madame Press Died Last Week at Ninety
Schubert: Die Schöne Müllerin, Op. 25, S. 795: Des Baches Wiegenlied

The Knights
Erik Jacobsen
2010.6.23-25 New York
[Ancalagon ANC 137](SACD Hybrid)
 19日に取りあげたアメリカの室内管弦楽団ザ・ナイツの、少し前に出ていたCD「A Second of Silence」。タイトルだけで中身をよく見ていなかったが、シューベルトの第3番と《未完成》と歌曲をメインに、サティ、グラス、フェルドマンの小品をはさんでいる。いかにもアメリカの音楽家らしい古今取り混ぜた選曲が面白そうだし、今年気になっているシューベルトだし、SACDだし、ということで買ってみることに。レーベルはララ・セント・ジョンのアルバムを出しているAncalagon。(2012.10.23)
 
ストラヴィンスキー: バレエ音楽《ペトルーシュカ》 (1947年版)
フランク: 交響曲 ニ短調

読売日本交響楽団
シルヴァン・カンブルラン
2012.4.13, 14, 21 東京オペラシティコンサートホール、サントリーホール
[ライヴノーツ WWCC-7909]
 絶好調のカンブルラン&読売日本交響楽団による露仏の名曲2曲。《ペトルーシュカ》は4月16日にサントリーホールで聴いた実演が精妙にして幻想性豊かな素晴らしい出来だったので、CDという形で残るのは嬉しい(このCDには数日前のオペラシティでのライヴが使われている)。(2012.10.21)
 
Beethoven:
Concerto in C major, Op. 56 "Triple Concerto"
Symphony No. 5 in C minor, Op. 67

Colin Jacobsen (Violin), Jan Vogler (Violoncello), Antti Siirala (Piano)
The Knights
Eric Jacobsen
2012.1 NY
[Sony 88725471762]
 ヤン・フォーグラーの新作は、ピアノのシーララとともにアメリカの室内オーケストラ「ザ・ナイツ」と共演したベートーヴェンの三重協奏曲(と交響曲第5番)。アメリカ・ソニーではなく、ドイツ・ソニーが発売。
 エリック・ジェイコブセン率いるザ・ナイツは、ニューヨークを拠点とする約40人の室内管弦楽団。フォーグラーとのショスタコーヴィチや、ララ・セント・ジョンとのモーツァルトの協奏曲などのCDが出ている。キメはやや粗いが意欲的な音楽づくりをしており、壊滅的といっても過言ではないアメリカのクラシックCD界で、継続的に新譜を出している数少ない団体でもあるので、注目したいと思っている。(2012.10.19)
 
F Couperin,: Les Nations
Les Ombres
2012.4 Lyon
[Ambronay AMY035]
 看板アーティストのアラルコンを代表に、活躍が目立つAmbronayレーベル。これは2006年結成の古楽団体レゾンブルによる、F・クープランの「諸国の人びと」。
 レゾンブルは、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のマルゴ・ブロンシャールとフラウト・トラヴェルソ奏者のシルヴァン・サルトルによって創設されたフランスの団体ということだが、個人的に心ひかれるのは、オルガンをイチオシの俊英鍵盤楽器奏者、バンジャマン・アラールが担当しているということ。かれの見せ場も用意してあるらしいというのが、とても楽しみ。(2012.10.18)
 
Xuefei Yang plays Bach Concertos
JS Bach, :
(arranged for guitar and string quartet)
 Keyboard Concerto No. 1 in D minor, BWV1052
 Violin Concerto No. 2 in E major, BWV1042
 Violin Concerto No. 1 in A minor, BWV1041
(arranged for solo guitar)
 Prelude & Fugue Book 1 No. 1 BWV846: Prelude
 Sonata for solo violin No. 1 in G minor, BWV1001
 Orchestral Suite No. 3 in D major, BWV1068: Air ('Air on a G String')

Xuefei Yang (guitar)
Elias String Quartet
[EMI 6790182]
 イギリスのエリアス弦楽四重奏団が、中国の女性ギタリスト、スーフェイ・ヤンの伴奏をしてバッハの協奏曲3曲を演奏した1枚。
 今年2月に出ている旧譜だが、音質が気にかかって買わずにいた。しかし9.13に紹介した、かれらがジョナサン・ビスと共演したシューマンとドヴォルジャークのピアノ五重奏曲(Onyx)が、コクのある響きと爽快な空気感の両立であまりに素晴らしかったので、とにかくその演奏をもっと聴きたいと思って注文。
 スーフェイ・ヤンは1977年北京生れで、中国の若手ギタリストを代表する存在という。EMIからはこれを含めて4枚のCDがすでに出ていて、大植英次指揮のカタルーニャ国立バルセロナ交響楽団と共演した、アランフェス協奏曲の録音もある。(2012.10.17)
 
Beethoven:
 String Quartet no.11 in F minor Op. 95 "Serioso"

  (arr. for strihg orchestra by Antje Weithaas & Käthi Steuri)
 Violin Sonata no. 9 in A major, Op. 47 "Kreutzer"
  (arranged for solo violin & strings by Richard Tognetti)
Antje Weithaas (Violin & Leader)
Camerata Bern
2012.4 Zürich
[Avi 8553226]
 カメラータ・ベルンの創立50周年記念アルバム。アルカント四重奏団の第1ヴァイオリンとしても活躍するアンティエ・ヴァイトハースをリーダーに戴き、ベートーヴェンの《セリオーソ》と《クロイツェル・ソナタ》の弦楽合奏版を取りあげている。
 前者はマーラー編曲版が有名だが、ここではヴァイトハースが楽団のコントラバス奏者シュトイリと共同で、バスの役割をより積極的に発展させた独自の編曲が用いられている。
 後者はオーストラリア室内管のトニェッティ(トネッティ)によるもので、7.13のこの欄でブラッハー&マーラー室内管の演奏を紹介したばかり。さっそく聴き較べ。(2012.10.14)
 
Bruckner: Symphony No. 7 in E Major
Gustav Mahler Jugendorchester
Franz Welser-Möst
1989.8.19 Salzburg
[Orfeo C868121B]
 29歳のヴェルザー=メストがザルツブルク音楽祭でグスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラを指揮した、ブルックナーの7番。
 個人的な話だけれども、私が、ひょっとしたら演奏の潮流が変ってきているんじゃないか、リズムの弾力と呼吸感が、若い世代の音楽に戻ってきつつあるのではと感じたのは、メストがLPOとライヴ録音した、1991年の同じ曲のEMI盤を聴いたときだった。
 嬉しいことにその予感はほぼ当たったと思っているが、これはその「暁の鶏鳴」盤からさらに2年前のものということで、どのような演奏をしているのか、とても興味深い。オーケストラが、やはりその新しい潮流の「水源」の一つであるGMJOであることも、じつに意義がある。発足わずか3年目の演奏ということは、のちのマーラー室内管弦楽団の主要メンバーもいるのではないだろうか。いまの私自身の「源流」といってはおこがましいが、とにかく楽しみ。(2012.10.12)
 
Toscanini at Queen's Hall: the June 1935 BBC Concerts
CHERUBINI: Anacreon – Overture; BRAHMS :Symphony No. 4 in e, Op. 98; WAGNER: Götterdämmerung Act 3 – Siegfried’s Death and Funeral March; A Faust Overture; Parsifal – Prelude to Act 1 and Good Friday Music; ELGAR: Enigma Variations; GEMINIANI: Concerto Grosso in b [prev. unissued]; BEETHOVEN: Symphony No. 7 in A, Op. 92; DEBUSSY: La Mer; ROSSINI: Semiramide – Overture; MOZART: Symphony No. 35 in D, KV385 (Haffner); MENDESSOHN: A Midsummer Night’s Dream
BBC Symphony Orchestra
Arturo Toscanini
1935.6 Queen's Hall, London
[West Hill Radio Archive WHRA6046](4CD)
 トスカニーニが1935年にBBC交響楽団に客演して行なった、4回の演奏会のライヴ録音をまとめたボックス。EMIなどから既発の音源が大半で、初登場はジェミニアーニの合奏協奏曲だけだそうだが、1箱にまとめられているのと(CDが演奏順の収録かどうかは不明)、WHRAなら音質の向上も期待できそうなので、躊躇なく買うことに決定。(2012.10.10)
 
Beethoven: Symphony No. 3 in E flat major, Op. 55 'Eroica'
Mendelssohn: Symphony No. 4 in A major, Op. 90 'Italian'

Tafelmusik Baroque Orchestra
Bruno Weil
2012.5 Koerner Hall, Toronto
[Tafelmusik TMK1019CD]
 メジャー・レーベルもピリオド演奏を重視するようになった1990年代、SONYのVivarteシリーズで活躍したブルーノ・ヴァイルとターフェルムジーク・バロック管。
 このオーケストラは1981年創立のカナダの団体で、その後も安定した活動を続けており、2012年には創立30周年を記念して自主レーベルを立ち上げ、新録音の発売やソニーや他社での旧譜の再発売を開始した。
 これはその新録音。このコンビはすでに5番から8番の4曲をCDで出しているが、自主レーベルでの発売ということで注目してみる。楽団のサイトで一部を試聴するかぎり、気持ちのいい演奏を聴かせてくれそう。(2012.10.08)
 
Britten:
 A Ceremony of Carols, Op. 28
 St Nicolas, Op. 42

Sally Pryce (harp), Allan Clayton (tenor)
Trinity College Choir Cambridge, Holst Singers, Temple Church Choristers, City of London Sinfonia
Stephen Layton
2007 & 2012
[Hyperion CDA67946]
 来年生誕200年のワーグナーとヴェルディに隠れがちだが、生誕100年を迎えるのがブリテン。その代表的な宗教曲である《キャロルの祭典》と《聖ニコラス》を、スティーヴン・レイトン(1966)の指揮で。
 レイトン、Hyperionへの録音量(60枚を越える)の割に日本での知名度は高くないが、イギリスでは各所で活躍しており、ここに登場するケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団、ホルスト・シンガーズ、テンプル教会聖歌隊、シティ・オブ・ロンドン・シンフォニアには、すべてポストを持っている。(2012.10.07)
 
Schubert:
 Fantasie in C major, D760 'Wanderer'
 4 Impromptus, D935
 Piano Sonata No. 16 in A minor, D845
 Moments Musicaux, D780, Op. 94
 Allegretto in C minor, D915

Paul Lewis (piano)
2012.2
[Harmonia Mundi HMC902136/37]
 なぜか今年はシューベルト・イヤー。これはポール・ルイスのシューベルト・シリーズの新作。《さすらい人》幻想曲に即興曲に《楽興の時》、ソナタ16番と人気作がならんで、楽しみ。(2012.10.04)
 
Israel in Egypt - from slavery to freedom
An oratorio of the three world religions
Yair Dalal, Tölzer Knabenchor, The Al Ol Ensemble, Benno Schachtner,
L’arte Del Mondo
Werner Ehrhardt
[Capriccio C5151]
 ヘンデルの歌劇からの音楽とトルコ民俗音楽を組み合わせたアルバム『アモール・オリエンタル』(DHM)で好評だったエールハルト率いるラルテ・デル・モンド。今度は同じくヘンデルの傑作オラトリオ《エジプトのイスラエル人》を、そのキリスト教世界の西洋音楽をベースに、イスラムとユダヤの音楽を組み合わせて演奏した「三つの世界的宗教のオラトリオ」。
 歴史的根拠があるわけではないから、キワモノ的上演、として片づけるのは簡単だけれど、私は注目したい。現代のヨーロッパにおいてイスラム教との共存が切実な問題になっていることに、近年の古楽の分野はとても敏感に反応していると、感じるからだ。
 互いに殺し合うしかなかった、不寛容の過去の歴史を見つめなおすことで、現在と未来を考えようとしている、とでもいえばいいだろうか。ここでもいくつか取りあげたように、そのようなディスクが増えつつある。聴き続けたいと思う。(2012.10.03)
 
Rachmaninov:
 Symphony No. 2 in E minor, Op. 27
 Aleko - Intermezzo & Women's Dance, Men's Dance

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko
[EMI 9154732]
 第3番に続く、EMIのワシリー・ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルのラフマニノフの交響曲シリーズは、本命の第2番。顔色悪そうなジャケ写はともかく、演奏には期待。(2012.10.02)
 
JS Bach:
 Orchestersuite Nr.1 C-Dur BWV 1066
 Konzert für Violine E-Dur BWV 1042
Mozart: Divertimento Nr.7 D-dur K.205
Haydn: Sinfonie Nr. 6 D-Dur Hob.I:6 "Le Matin"
J.S.Bach: air aus der Orchestersuite Nr.3 D-Dur BWV 1068

Bachorchester des Gewandhauses zu Leipzig
Gerhard Bosse (violin)
1966.10 Camden Thatre, London
[Orchestral Concert CDs CD8/2009]
 日本でも数年前から入手可能だったレーベルだそうだが、今まで気がつかなかったので注文。
 ゲルハルト・ボッセが1962年に自ら創設したゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団を率いて、1966年にロンドンを訪れた際の演奏会のライヴ録音。新即物主義とピリオド様式を見事に合致させた音楽を21世紀に聴かせてくれたボッセが、60年代にどんな合奏をしていたのか、非常に興味深いところ。指揮専業ではなくコンマスとしてリードしていたこの時代の、入手容易な録音はあまりないと思うので楽しみ。バッハのヴァイオリン協奏曲では、もちろん独奏も担当している。
 このレーベルは、冷戦時代に訪英した共産圏のオーケストラのライヴ録音を担当していた人物が設立し、所蔵の音源をCD化しているものだという。ステレオ録音だそうなので、それも嬉しい。(2012.10.01)
 
Benjamin Grosvenor plays Rhapsody in Blue
Saint-Saëns:
 Piano Concerto No. 2 in G minor, Op. 22
 Le carnaval des animaux: Le Cygne
Ravel:
 Piano Concerto in G major
 Prélude
Gershwin:
 Rhapsody in Blue
 Love Walked In

Benjamin Grosvenor (piano)
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
James Judd
2011.4 Liverpool
[Decca 4783527]
 グロヴナーの第2弾は協奏曲集。1992年生れのイギリスのこの若者、ショパン、リスト、ラヴェルの独奏曲を弾いたデビュー盤も、鮮やかに冴えたテクニックといい、「夜」に人が見せるさまざまな貌の明暗を描きわけた選曲と配列のセンスといい、只者ではない印象だった。今回も、華麗で技巧的な協奏曲3曲にそれぞれの小品を組み合わせているあたりにこだわりが見えて、聴かせてもらうのが楽しみ。(2012.09.30)
 
Schütz: Musicalische Exequien
Schütz:
 Herr, nun lässest du deinen Diener, SWV 432
 Ich bin die Auferstehung, SWV 464
 Herr, nun lässest du deinen Diener, SWV 433
 Das ist je gewißlich wahr, SWV 277
 Wir glauben all an einen Gott (Scheidt)
 Musikalische Exequien, SWV 279-281 (Op. 7)

Vox Luminis, Lionel Meunier
鈴木優人(Org)
[Ricercar RIC311]
 「Gramophone Awards 2012」の「Record of the Year」を受賞した盤。日本では昨年7月に出ていたらしいが、存在さえ完全に見落としていた盤が大賞に輝いてしまうという事実に驚き、不明を恥じつつあわてて注文。この賞の価値をけっして盲信するわけではないが、無視することはできない(バロックの合唱曲が大賞、というのもさすがだが)。
 シュッツの《葬送音楽》(ドイツ・レクイエム)を、ベルギーの12人編成の合唱団ヴォクス・ルミニスが歌ったもの。オルガンをひくのは鈴木雅明の息子。少し前にヒリアー指揮の「宗教的物語集」を聴いて、シュッツの厳しく簡素な美しさと魅力にようやく気がついたところだったので、その意味でもいい機会なので、期待している。(2012.09.29)
 
Twilight of the Gods: The Ultimate Wagner Ring Collection
Wagner: Der Ring des Nibelungen (excerpts)

Bryn Terfel (Wotan/Wanderer), Deborah Voigt (Brünnhilde), Jay Hunter Morris (Siegfried), Eva-Maria Westbroek (Sieglinde), Jonas Kaufmann (Siegmund), Stephanie Blythe (Fricka), Eric Owens (Alberich)
The Metropolitan Opera Orchestra and Chorus,
James Levine & Fabio Luisi
2010.10 - 2012.2 Metropolitan Opera
[DG 4790638]
 メトの「ライヴ・ビューイング」でおなじみの、ルパージュ演出の《指環》。これはそのなかの聞きどころだけを集めた2枚組CD。現代もっとも豪華な配役による《指環》上演を、あえて耳だけで聴いてみたいと思う。「ワーグナー・デラックス21」というところか。前半2作がレヴァイン、後半がルイージ指揮。(2012.09.27)
 
Le Boeuf sur le Toit - Swinging Paris
1. Chopinata (C. Doucet, after Chopin)
2. The Man I love (G. Gershwin)
3. Yes sir, that's my baby (W. Donaldson)
4. Do it again (G. Gershwin)
5. Hungaria (C. Doucet, after Liszt)
6. Let's do it (C. Porter)
7. Doll dance (N.H Brown)
8. J'ai pas su y faire (Cartoux - Costil)
9. Blue River (A. Bryan - arr. Wiéner & Doucet)
10. Why do I love you ? (G. Gershwin - arr. Wiéner & Doucet)
11. A Little slow fox with Mary (E. Kalman - arr. Wiéner & Doucet)
12. Covanquinho (N. Milano - arr. Wiéner & Doucet)
13. Poppy Cock (P. Segnitz)
14. Blues (J. Wiéner)
15. Isoldina (C. Doucet, after Wagner)
16. Blues chanté (J. Wiéner)
17. Gonna get a girl (H. Simon & P. Ash)
18. Henri, pourquoi n'aimes - tu pas les femmes ? (P. Parès & S. Verber)
19. Tango des Fratellini (D. Milhaud)
20. Five o'clock (M. Ravel)
21. Caramel mou (D. Milhaud)
22. Haarlem (J. Wiéner)
23. Collegiate (M. Jaffe & N. Bonx)
24. Georgian Blues (J. Wiéner)
25. Saint Louis Blues (W.C Handy)
26. Clement's Charleston (J. Wiéner)

Alexandre Tharaud(piano)
Natalie Dessay(soprano), Jean Delescluse(tenor), Juliette, Bénabar, Madeleine Peyroux, Guillaume Gallienne(vocals), The Virgin Voices, Frank Braley(piano), Florent Jodelet(percussion), David Chevallier(banjo)
[Virgin 4407372]
 ピアノのアレクサンドル・タローの新作は、コクトーをはじめ、後世に名を残す尖鋭的な芸術家が毎夜集った1920年代パリのナイトクラブ/キャバレー「屋根の上の牛」をテーマに、当時の音楽をジャンルの枠にしばられずにあつめたもの。 ウッディ・アレンの映画『ミッドナイト・イン・パリ』の音楽版か。同じVirginのエベーヌ四重奏団の『フィクション』みたいな、洒落て素敵なアルバムを期待。(2012.09.26)
 
Orff: Carmina Burana
Kiera Duffy(soprano), Marco Panuccio(tenor), Daniel Schmutzhard(baritone),
MDR Rundfunkchor, MDR Kinderchor,
MDR Sinfonieorchester
Kristjan Järvi
[Sony 88725446212]
 この秋にドイツのMDR交響楽団の音楽監督に就任したクリスチャン・ヤルヴィが、新しい手兵と録音したもの。父や兄とは異なる、この人のドライに弾むリズム感もとても好きなので楽しみ。それにしてもドイツ・ソニーは活発に新譜を出している。(2012.09.25)
 
Monteverdi - Piazzolla
Monteverdi:
 Lamento della Ninfa (Book 8)
 L'Orfeo (highlights)
Piazzólla:
 Balada para un loco
 Milonga del ángel

Quito Gato (theorbo, Fender guitar), William Sabatier (bandoneon) & Mariana Flores, Diego Flores (voice)
Cappella Mediterranea
Leonardo García Alarcón
[Ambronay AMY034]
 
Sogno Barocco
Cavalli:
 Instrumental (from Elena)
 Vivo per te (from La Calisto)
 Dolcissimi baci (from La Calisto)
 Lamento (from Doriclea)
Monteverdi:
 Si dolce è'l tormento (from Libro Nono di Magrigali e Canzonette)
 Pur ti miro (from L'Incoronazione di Poppea)
 Signor, hoggi rinasco (from L'Incoronazione di Poppea)
 Di misera Regina (from Il ritorno d'Ulisse in patria)
Provenzale:
 Squarciato appena havea
Rossi, Lauro:
 Lamento de la Regina di Suecia

Anne Sophie von Otter (mezzo soprano)
Sandrine Piau (soprano), Susanna Sundberg (contralto)
Cappella Mediterranea
Leonardo García Alarcón
2012.1 Sweden
[Naïve V5286]
 活力あふれる演奏で、バロック音楽界の新たな台風の目となりつつある指揮者、レオナルド・ガルシア・アラルコン。先日紹介したバッハもの2点に続き、カペラ・メディテラネアを指揮した2点が新たに登場。
 1枚目は、バロックのモンテヴェルディにタンゴのピアソラを組み合わせたもの。前者の《ニンファの嘆き》と《オルフェオ》抜粋に、後者の《ロコへのバラード》《天使のミロンガ》がどのように交響するのか。アラルコンは1976年アルゼンチン生れだから、ピアソラはお国ものということになる。テオルボとフェンダーのエレキを持ちかえるという独奏者にも期待。
 2枚目は、メゾソプラノのオッターの伴奏をしたもので、『バロックの夢』と題した、モンテヴェルディやカヴァッリなど17世紀イタリアの作曲家たちのアリア集。先日の来日公演も素晴らしい出来だったサンドリーヌ・ピオーが3曲の二重唱で共演しているのが嬉しい。(2012.09.24)
 
Bartók, Eötvös & Ligeti: Violin Concertos
Bartók: Violin Concerto No. 2, Sz 112
Eötvös: Seven
Ligeti: Violin Concerto

Patricia Kopatchinskaja (violin)
HR Sinfonieorchester [Bartók & Eötvös] & Ensemble Modern [Ligeti]
Peter Eötvös
[Naïve V5285]
 強烈なテンペラメントと鮮やかな斬れ味で圧倒するヴァイオリニスト、コパチンスカヤ待望の新譜。近現代のハンガリーの作曲家3人の協奏曲集。自作も含めてエトヴェシュが指揮をしているのもききもの。オーケストラもヘッセン放響にアンサンブル・モデルンと強力。今回もキレキレか。(2012.09.23)
 
Wagner: Tristan und Isolde
Stephen Gould(Tristan), Nina Stemme(Isolde), Kwangchul Young(Konig Marke), Johan Reuter(Kurwenal), Michelle Breedt(Brangane)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2012.3.27 Berlin Philharmonie
[Pentatone PTC 5186 404](3 SACD Hybrid)
 精妙さと重量感を併せ持つオーケストラ演奏と、明快で音場感豊かな音質によって、近年のワーグナー録音のスタンダードとなりつつあるヤノフスキのワーグナー・シリーズ。折返点の5作目は、《トリスタンとイゾルデ》。ステンメにグールド、ユンと重量級の歌手が充実。このあとは《タンホイザー》と、そして《指環》再録音が待っている。(2012.09.21)
 
Schönberg:
Pelleas und Melisande, Op. 5
Erwartung, Op. 17
Jeanne-Michele Charbonnet (soprano)
WDR Sinfonieorchester Köln
Jukka-Pekka Saraste
2011.3 & 2011.1 Köln
[Profil PH12021]
 日本では少し前に出ているが、買いもらしていたので取りあげる。派手さや強烈な個性の持ち主ではないけれども、有機的な音響体としてのオーケストラを楽しませてくれる点では、現代屈指の能力をもつ指揮者、サラステ。とりわけWDRの録音はその音質の素晴らしさもあって、とても充実している。今回はシェーンベルクの《ペレアスとメリザンド》と《期待》。いやが上にも期待。(2012.09.20)
 
Resonanzen 2011 "Glänzende Geschäfte"
Werke von Moulinie, Tessier, Dutronc, Telemann, Fernandes, Zespedes, Händel, Hasse, Perugia, Ciconia, Landini, Firenze, Compere, Obrecht, Mouton, Frescobaldi, L. Couperin, Eyck, Huygens, Ariosti

Sara Mingardo, Jörg Dürmüller, Vivica Genaux, Lars Ulrik Mortensen, Maria Keohane, Capilla Flamenca, Le Poeme Harmonique, Holland Baroque Society, Europa Galante u. a.
2011.1 Wiener Konzerthaus
[ORF CD3150](3CD)
 これは本家ORFが制作した、2011年レゾナンツェン音楽祭のエッセンスを集めた3枚組「商売繁盛」。下記のヴィヴァルディを演奏したビオンディとエウローパ・ガランデによるアリオスティの《裏切りの中の誠》抜粋、ヴィヴィカ・ジュノーとマリア・ケオハネ、コンチェルト・コペンハーゲンによるヘンデル:《時と悟りの勝利》抜粋、来日公演も好評だったル・ポエム・アルモニーク、さらにオランダ・バロック協会、コンフント・デ・ムシカ・アンティガ・アルス・ロンガ、ラ・フォンテ・ムジカ  カピッラ・フラメンカ 、カメラータ・トライエクティナという各国のアンサンブル、そしてリナルド・アレッサンドリーニのチェンバロ・リサイタルなど、今回も盛りだくさんの内容。(2012.09.18)
 
Vivaldi: L’Oracolo in Messenia
Julia Lezhneva (Trasimede), Ann Hallenberg (Merope), Vivica Genaux (Epitide), Romina Basso (Elmira), Franziska Gottwald (Licisco), Xavier Sabata (Anassandro), Magnus Staveland (Polifonte)
Europa Galante
Fabio Biondi
2011.1 Wiener Konzerthaus (Resonanzen 2011)
[Virgin 6025472]
 下記のボノンチーニに続いて、レゾナンツェン音楽祭のライヴから。創設20周年にあたる2011年の開幕を飾ったヴィヴァルディの《メッセニアの神託》全曲。世界初録音で、1738年ヴェネツィアでの初演から2年後のウィーン版に基づくものという。レージネヴァ、ハレンベルク、ジュノーなどの歌唱陣にビオンディ指揮のエウローパ・ガランテと強力なメンバーで、この音楽祭の活況を端的に示すもの。
 1989年生れながら早くも大活躍のレージネヴァは、デッカからもペトルー指揮のヘンデルの《アレッサンドロ》が発売予定。こちらもチェンチッチ、ゴーヴァンなど、充実した配役で楽しみ。(2012.09.17)
 
AM Bononcini (1677-1726) :
Messa a cinque concertata
Stabat Mater

Silvia Frigato, Raffaella Milanesi (sopranos), Andrea Arrivabene
(countertenor), Elena Biscuola, Sara Mingardo (contraltos), Valerio
Contaldo, Raffaele Giordani (tenors) & Salvo Vitale (bass)
Concerto Italiano choir & orchestra
Rinaldo Alessandrini
2012.1 Wiener Konzerthaus (Resonanzen 2012)
[Naive OP30537]
 前作「1600」も素晴らしかったアレッサンドリーニの新作は、アントニオ・マ
リア・ボノンチーニなるイタリアの作曲家の珍しい宗教曲。モデナ生れで後半生
は生地の宮廷に仕えたが、その前の1705~13年にウィーンの宮廷楽長をつとめた
人物。ミサ曲は世界初録音だそうだ。ウィーン・コンツェルトハウスで毎年1月に
開催される古楽音楽祭「レゾナンツェン」でのライヴ録音。ミラネージ、ミンガ
ルドなど実力派の歌手たちの歌も楽しみ。(2012.09.16)
 
Dvořák: Piano Quintet in A major, Op. 81
Schumann: Piano Quintet in E flat major, Op. 44

Jonathan Biss (piano), Elias String Quartet
[Onyx ONYX4092]
 地味だが、良質なディスクの多いOnyxから、ジョナサン・ビスとエリアス弦楽四重奏団という、やはり派手ではないが将来の楽しみな若手が登場。曲がドヴォルジャークとシューマンのピアノ五重奏曲というのも、いかにもぴったり。ジャケットも秋らしくて、よさげ。(2012.09.13)
 
Rodgers & Hammerstein: South Pacific
Sandra Pires, Ferruccio Furlanetto, Marjana Lipovsek
Chor und Orchester der Volksoper Wien
David Levi
2010.1 Volksoper Wien
[ORF CD3123]
 昨年出ていた盤だが、見落としていたので取りあげる。映画でも名高いブロードウェイ・ミュージカル《南太平洋》を、ウィーン・フォルクスオーパーが演奏会形式で上演したライヴ盤。ドイツのオペレッタ劇場はミュージカルをよく取りあげるので、てっきりドイツ語訳詞かと思ったらオリジナルの英語版。ミュージカルでも原語版の時代がきつつあるのか。
 ヒロインをピレス、ピンツァが初演したド・ベックをフルラネット、ブラッディ・メアリーをリポヴシェクという、強力な配役。指揮のレヴィはアメリカ人で、フォルクスオーパーやパリ・オペラ座などで活動する指揮者。プティボンの伴奏指揮者として来日したことがある。(2012.09.12)
 
Wagner: Die Meistersinger von Nürnberg
Josef Greindl (Hans Sachs), Wolfgang Windgassen (Walther von Stolzing), Elisabeth Grümmer (Eva), Karl Schmitt-Walter (Sixtus Beckmesser), Gerhard Stolze (David), Elisabeth Schärtel (Magdalena), Ludwig Weber (Kothner), Theo Adam (Veit Pogner), David Ward (Nachtwächter)
Chor und Orchester der Bayreuther Festspiele
Josef Krips
1961
[Myto 4CD00315]
 これまで未レコード化だった、1961年バイロイトのクリップス指揮の《マイスタージンガー》が初登場。クリップス唯一のバイロイト出演の記録である。歌手は前年にクナッパーツブッシュが指揮した公演とほぼ同一。グラインドルのザックスは懐の深い温かさがあって、20世紀後半のザックスとして最愛の配役だけに、クリップスとの顔合わせが楽しみ。そのほかにもヴィントガッセン、シュトルツェ、アダムと、男声陣が充実。(2012.09.11)
 
La porte de Félicité, Constantinople 1453
Doulce Mémoire, Denis Raisin Dadre
Ensemble Kudsi Erguner
[Zigzag ZZT314}

Luther in Rome 1511
The Sounds of the Eternal City in 1511: Music in Churches, Palaces & Alleyways

Concerto Romano, Allessandro Quarta
[Christophorus CHR77361]
 ある特定の年、特定の場所に響いたさまざまな音楽を並べてみることは、演奏会でもディスクでもよく行われる。特にバロック以前の音楽ではさかんだ(音楽之友社風の「音楽史」というジャンル区分にまさにぴったり)。
 たまたま同時期に発売されたこの2枚も、そうした趣向によるもの。上は、コンスタンティノープル陥落の1453年の音楽がテーマ。陥落を嘆いてこの年にデュファイが作曲したラメントに始まり、トルコの宮廷音楽、そしてコンスタンティノープルのガラタ地区で響いたであろう音楽が続く。
 ガラタはジェノヴァ共和国の居住区だったから、ルネサンス時代のイタリア音楽が入っていたと考えられる。それらと征服者トルコ軍の音楽との出会いを、ルネッサンス音楽専門のフランスの団体ドゥルス・メモワールが、トルコ音楽のクドゥシ・エルグネル・アンサンブルと共演して再現している。
 次の「1511年ローマのルター」はその名の通り、1511年のルターによるローマ巡礼から500年を記念したアルバム。ルターが「地上の地獄」とまでその堕落を非難した当時のローマを、教会音楽や世俗音楽により音で再現するもの。
 演奏するコンチェルト・ロマーノは、17世紀ローマの音楽を専門とするイタリアのバロック・アンサンブル。
 西と東、南と北、対立する世界が衝突した瞬間の、音の対話を楽しみたい。(2012.09.08)
 
Mozart: Don Giovanni & Le Nozze di Figaro
Mozart:
 Don Giovanni

 Ezio Pinza (Don Giovanni), Rose Bampton (Donna Anna), Charles Kullman (Don Ottavio), Jarmila Novotná (Donna Elvira), Alexander Kipnis (Leporello), Norman Cordon (Il Commendatore), Mack Harrell (Masetto), Bidù Sayão (Zerlina)
 Le nozze di Figaro
 Ezio Pinza (Figaro), Ezio Pinza (Susanna), John Brownlee (Il Conte Almaviva), Eleanor Steber (La Contessa Almaviva), Jarmila Novotná (Cherubino), Irra Petina (Marcellina), Salvatore Baccaloni (Bartolo), Alessio De Paolis (Basilio), John Garris (Curzio), Louis d'Angelo (Antonio), Marita Farell (Barbarina)
Metropolitan Opera Orchestra & choir
Bruno Walter
1942.3.7 & 1944.1.29
[West Hill Radio Archive WHRA6045](5CD)
 これは非常に楽しみなセット。戦時下メトでのワルターの《フィガロの結婚》と《ドン・ジョヴァンニ》はこれまでにも各社からCD化されているが、音質ではおそらくこれがトップのはず。West Hill Radio Archive社の戦前メトものは、ワルターの《フィデリオ》やパピの《カヴァレリア・ルスティカーナ》など、音質の生々しい実在感と落ち着き、明快さにおいて段違いの実績を誇っているからである。マスタリングの差よりも、音源そのものがオリジナルに近いのではないかと思われる。
 先日のM&Aのマーラーといい、ワルターの没後50年にあたって、聞き応えのある新譜が続くのが嬉しい。(2012.09.07)
 
Nielsen:
 Symphony No. 3, Op. 27 (FS60) 'Sinfonia espansiva'
 Symphony No. 2, Op. 16 (FS29) 'The Four temperaments'

Erin morely(Soprano), Joshua Hopkins(Baritone)
New York Philharmonic
Alan Gilbert
2012.6 & 2011.1-2 New York
[Dacapo 6.220623](Hybrid SACD)
 ニューヨーク・フィルと音楽監督アラン・ギルバートのコンビの初の交響曲CDは、なんとデンマークのDacapoから。
 このレーベルでのニールセンの交響曲と協奏曲の全集録音プロジェクトが予定されており、その第1弾がこの、第2番《4つの気質》と第3番《ひろがりの交響曲》という交響曲のライヴ録音。
 このコンビの交響曲はこれまでにマーラーの《復活》がDVDで出ているのみで、CDではムターの伴奏をしたカリアーの《タイム・マシーン》、ボチェッリの伴奏をした「セントラル・パークLIVE」があるだけだった。
 アメリカのメジャー・オーケストラの北欧レーベルの録音というと、フィンランドのOndineのエッシェンバッハ&フィラデルフィア管に続くものか。ギルバートがストックホルムで活躍していたことと関係がありそう。いずれにしても、21世紀ならではの事態という印象。(2012.09.05)
 
Montsalvatge:
 Partita 1958
 Sinfonía de réquiem
 Canciones negras
 Calidoscopi simfònic

Ruby Hughes (soprano)
Clara Mouriz (mezzo-soprano)
BBC Philharmonic
Juanjo Mena
[Chandos CHAN10735]
 今年生誕100年のカタルーニャの作曲家、モンサルバーチェのオーケストラ作品集。BBCフィルの新首席指揮者メナによる「スペインの音楽」シリーズの第2弾。
 《黒人の歌》しか聴いたことのない作曲家なので、これを期に知識を得たい。他の収録曲はミヨー風という《パルティータ1958》、ソプラノ独唱がつく《シンフォニア・デ・レクイエム》と、未完のバレエ音楽《守護天使》に基づく《交響的万華鏡》。(2012.09.04)
 
Brahms: Violinkonzert D-dur op.77
Berg: Violinkonzert "Dem Andenken eines Engels"

Renaud Capucon
Wiener Philharmoniker
Daniel Harding
2011.12 ORF Radiokurturhaus, Wien
[Virgin 9733962]
 カピュソンのソロ、ハーディング指揮ウィーン・フィルによるブラームスとベルクの協奏曲という豪華盤。
 ハーディングはブラームスをファウストとともにマーラー室内管を指揮して録音しているので、これが2回目。同じ協奏曲を複数回録音するあたりは、アバドを想わせる。それにしてもウィーン・フィル、ニューイヤーとシェーンブルン以外の新録音、それもセッション録音は珍しい。(2012.09.02)
 
The Beethoven Journey
Beethoven:
 Piano Concerto No. 1 in C Major, Op. 15
 Piano Concerto No. 3 in C minor, Op. 37

Leif Ove Andsnes (piano & direction)
Mahler Chamber Orchestra
2012.3 Prag
[Sony 88725420582]
 アンスネスの新譜も、やはりソニーから。マーラー室内管を弾き振りしたベートーヴェンの協奏曲第1番と第3番。EMIでのアンスネスの録音は音質がもうひとつだっただけに、抜けがよくなるといいが。(2012.09.01)
 
Schostakowitsch: Cellokonzert Nr.1 op.107
Rachmaninoff: Sonate für Cello & Klavier op. 19

Sol Gabetta(cello)
Olga Kern(piano)
Münchener Philharmoniker
Lorin Maazel
2011
[Sony 88725435752]
 ソニーで継続的に録音しているチェロ奏者ソル・ガベッタの新譜は、ショスタコーヴィチの協奏曲第1番とラフマニノフのソナタという組合せ。マゼール指揮ミュンヘン・フィルという伴奏が濃そうで楽しみ。(2012.08.31)
 
Mahler:
 Totenfeier
 Lieder eines fahrenden Gesellen

Sarah Connolly (mezzo-soprano)
Orchestra of the Age of Enlightenment
Vladimir Jurowski
[Signum SIGCD259]
Tchaikovsky:
 Symphony No. 4 in F minor, Op. 36
 Symphony No. 5 in E minor, Op. 64

London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2011.3 & 2011.5 RFH
[LPO LPO0064]
Prokofiev:
 Violin Concerto No. 2 in G minor, Op. 63
 Sonata for Two Violins in C Major, Op. 56
 Violin Sonata No. 1 in F minor, Op. 80

Janine Jansen (violin)
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2012.6 London & Berlin
[Decca 4783546]
 ユロフスキ新譜三連発。いま最も新譜を楽しみにしている指揮者の一人だけに、とても嬉しい。ピリオド楽器オーケストラによるマーラーの《葬列》と《さすらう若人の歌》、《悲愴》が素晴らしかっただけに期待のチャイコフスキーの4番と5番、そしてヤンセンの伴奏をしたプロコフィエフの2番の協奏曲。
 このほかに先日紹介したイブラギモヴァとのメンデルスゾーンの協奏曲、DVDだがグラインドボーンでの《マイスタージンガー》と、まるで前世紀のマリナーやガーディナーのような連続発売(といってもユロフスキの発売レーベルはバラバラだし、なにより先の二人の指揮はあまり好きではないが)。

 なおヤンセンのアルバムのソナタでは、イタマール・ゴラン(ピアノ)とボリス・ブロヴツィン(ヴァイオリン)が共演している。(2012.08.29)
 
Dvořák:
 Sinfonie Nr. 4 d-Moll op.13
 Böhmische Suite op. 39

NDR SO
Thomas Hengelbrock
[Sony 88725464672]
 ヘンゲルブロック&NDR響のシューマンに続く2枚目は、ドヴォルジャークの交響曲第4番とチェコ組曲という、意表をついた選曲。来日公演ではモダンの大交響楽団の指揮者として未熟な部分も感じられただけに、こうしたメジャーではない作品で、かれならではの個性が発揮されることを期待。私にとっては苦手な作曲家だけに、新たな切り口を教えてもらいたいと特に思う。(2012.08.28)
 
Végh in Hungary
Beethoven: Coriolan Overture, op. 62
Mozart: Symphony No. 35 in D major, K. 385, "Haffner"
Haydn: Symphony No. 103 in E flat major "Dromroll"
Schubert: Symphony No. 9 (7) in C major, D. 944 "The Great"

Camerata Salzburg (formerly Camerata Academica of the Mozarteum Salzburg)
Sándor Végh
1993.3.23 & 1995.3.20 the Budapest Spring Festival
[BMC Records CD 194](2CD)
 1912年生れの名指揮者の一人として、地味だが忘れてはならないのがシャーンドル・ヴェーグ。
 これはBMC(Budapest Music Center)なるハンガリーの会社から出たもので、ヴェーグがカメラータ・ザルツブルクを連れてブダペストに里帰りした2回の演奏会からのライヴ録音集。
 ヴェーグは何度か共産時代のハンガリーに帰っているが、音楽家としては1984年にマスタークラスを開いたのが久々で、実演者としては1986年が40年ぶりの登場だったという。カメラータ・ザルツブルク以外にはブダペスト祝祭管弦楽団、ブダペスト室内管弦楽団を指揮しているそうだ。
 CDでもおなじみのコンビだが、自由化まもない時期の指揮者の母国でどんな演奏を聴かせてくれるか、期待。(2012.08.27)
 
Schubert: Complete Symphonies
Les Musiciens du Louvre
Marc Minkowski
2012.3 Wiener Konzerthaus
[Naive V5299](4CD)
 「気になるディスク」の王、といっても過言でないセット。ミンコフスキ&ルーヴル宮音楽隊のシューベルト・チクルス。
 すでに書いた通り、今年のディスクはなぜか、どう考えても「シューベルト・イヤー」になっている。ガイック、マナコルダ、ノリントン、ジンマン、カザルスQにアルカント、マンメルなどなど。そしてここにその本命が。
 なぜいまシューベルト? (2012.08.26)
 
Tchaikovsky:
 Symphony No. 6 in B minor Op. 74 "Pathétique"
 Romeo and Juliet

Swedish Chamber Orchestra
Thomas Dausgaard
2011.9
[BIS-SACD-1959](Hybrid SACD)
 ドヴォルジャーク、ブルックナーなどの交響曲でも、中規模の澄んだ響きで小回りの利く音楽を聴かせてくれたダウスゴー&スウェーデン室内管。今回はチャイコフスキー。荒っぽく、ふかす響きが気になることもあるが、この種の曲にはそれが合いそう。(2012.08.24)
 
Meraner Curmusik
(Arrangements aus den Archiven des Meraner Kurchorchesters)
J. Strauss II: Fledermaus-Ouvertüre; Mein Herr Marquis aus "Die Fledermaus; Unter Donner und Blitz op. 324; Frühlingsstimmen op. 410; Kaiser-Walzer op. 437
Puccini: Fantasie aus dem 1.Akt von "La Boheme"; O mio babbio caro aus "Gianni Schicchi"
Lehar: Dein ist mein ganzes Herz aus "Das Land des Lächelns"; Vilja Lied aus "Die lustige Witwe"
Wagner: Waldweben aus "Siegfried"
Mascagni: Intermezzo Sinfonico aus "Cavalleria Rusticana"
Zeller: Schenkt man sich Rosen in Tirol aus "Der Vogelhändler"
Josef Strauss: Ohne Sorgen op. 271

Dima Bawab (Sopran)
Musica Saeculorum
Philipp von Steinaecker
2011.1.2 Dobbiaco (Toblach)
[ORF CD3152]
 日本での輸入盤タイトルは「メランの湯治音楽」。南チロル地方の温泉町メランで行われていたサロン・コンサートを再現したもの。メランに残されていた小編成用の編曲譜により、19世紀のピリオド楽器を用いて演奏するというコダワリがいい。
 同じ南チロルにあるドッビアーコ(オーストリア名トプラッハ。マーラー音楽週間という音楽祭などが開かれる保養地)での、ニューイヤー・コンサートのライヴをORFがCD化したもの。ムジカ・セクロルムは、マーラー室内管のチェリスト出身の指揮者、フィリップ・フォン・シュタイネッカーが2008年に結成したアンサンブル。バッハのミサ曲ロ短調からマーラーの《大地の歌》室内楽版まで、幅広く演奏して活躍しているらしい。
 なおシュタイネッカーは今年12月に単身で来日して、武蔵野市民文化会館で新日本フィルを指揮するそうで、ムジカ・セクロルムともども、新進の指揮者の一人として注目しておいてよいかも。ただしそちらでの表記は「シュタインネッカー」となっているので、要注意。(2012.08.22)
 
Smetana: The Bartered Bride
Tomás Juhás (Jeník), Dana Buresová (Marenka), Jozsef Benci (Kecal), Svotapluk Sem (Krusina), Stanislava Jirku (Ludmilla), Ales Vorácek (Vasek), Jaroslav Brezina (Ringmaster), Katerina Knezíková (Esmeralda), Ondrej Mráz (Indian), Lucie Hilscherová (Háta), Gustáv Belácek (Micha), Maxim Dusek (First Child) & Babette Rust (Second Child)
BBC Singers & BBC Symphony Orchestra
Jirí Belohlávek
2011.5 Barbican
[Harmonia Mundi HMC902119/20]
 チェコ・フィルのシェフに復帰するビエロフラーヴェクの指揮する《売られた花嫁》。おそらく演奏会形式のライヴ。先日のアーノンクール盤は新発見の初演当時のドイツ語訳を用いていたが、こちらは当然ながらチェコ人キャストによる原語版。てらいのない正統派の演奏が聴けそう。(2012.08.19)
 
Chopin:
 Waltz in C-sharp minor, op. 64/2
 Sonata No. 2 in B-flat minor, op. 35 "Funeral March"
 Ballade No.4 in F minor, op.52
 Piano Concerto No. 2 for in F minor, op. 21 (*)
 Mazurka in A minor, op.17/4

Khatia Buniatishvili(Piano)
Orchestre de Paris, Paavo Jarvi (*)
[Sony 88691971292]
 デビュー盤のリストが好評だったグルジアのピアニスト、ブニアティシヴィリ。第2弾もショパンで、これまた王道路線。協奏曲第2番をP・ヤルヴィ指揮パリ管が伴奏しているというのがポイント高し。(2012.08.17)
 
Concentus musicus in Concert - Live at the Holland Festival 1973
Vivaldi: Violinkonzert g-moll RV 439 op. 10 Nr. 2 "La Notte"
Händel: Oboenkonzert Nr. 3 g-moll HWV 287
Marais: Alcyone-Suite
Rameau: Castor et Pollux-Suite
Biber: Sonaten Nr. 1, 8,10 aus "Fidicinium sacro-profanum"

Concentus musicus Wien, Nikolaus Harnoncourt
1973.6.26 Den Haag
[Warner 2564662119]
 少し前に出ているが、紹介し損ねていたのであらためて。コンツェントゥス・ムジクスの1973年オランダ音楽祭での演奏会のライヴ録音で、初CD化という。
 結成20周年記念ということらしく、ヴィヴァルディ、ヘンデル、マレ、ラモー、ビーバーと、当時のレパートリーを俯瞰するような構成なのが嬉しい。LP時代の「イン・コンサート」は、すでに録音のある有名曲を外し、マイナー曲だけ残してLP1枚にしてしまうことも少なくないが、これは2枚にしていたのか、CDは74分とたっぷり入っている。
 古楽演奏の著しい発展を思えば、40年前のライヴ演奏は現代とは比較にならないだろうが、歴史的ドキュメントとして聴いてみるつもり。(2012.08.16)
 
Beethoven:
 Sonatina for viola and cello in C major WoO 33 No. 4 & 5
 Duo for viola and cello in E flat major, WoO 32 'Eyeglass'
 Theme & variations for viola and piano from Serenade for string trio in D major, Op. 8 (arr. Kleinheinz)
 Cello Sonata No. 5 in D major, Op. 102 No. 2
 Trio for clarinet (arr. for viola), cello and piano in B flat major, Op. 11
Maxim Rysanov (viola), Kristine Blaumane (cello) & Jacob Katsnelson (piano)

2011.4 Lithuania
[Onyx ONYX4108]
 1978年ウクライナ生れのヴィオラ奏者マキシム・リザノフは、バシュメットの後継者と目される俊英。これまでにOnyxやBISからブラームス作品集やバッハの無伴奏チェロ組曲のヴィオラ版などを出して好評を得ている。
 新譜はベートーヴェンの作品集。《街の歌》のヴィオラ版のほか、音楽時計のための曲WoO.33や、「2つの眼鏡必須の」デュオWoO.32など、ユーモラスな小品も楽しみ。共演のチェロ奏者ブラウマネはラトヴィア出身で、ロンドン・フィルの首席奏者。(2012.08.15)
 
Mendelssohn: Elijah, Op. 70
Rosemary Joshua (soprano), Sarah Connolly (mezzo-soprano), Robert Murray (tenor) & Simon Keenlyside (bass)
Wroclaw Philharmonic Choir, Gabrieli Young Singers' Scheme, Gabrieli Consort & Players
Paul McCreesh
2011&2012
[Signum SIGCD300]
 快調にリリースされるSignumのマクリーシュ・シリーズ。新作はメンデルスゾーンの傑作《エリヤ》。セッション録音で、初演会場であるバーミンガム・タウン・ホールでの録音も含まれるという。ヘンデルの伝統を継ぐ、「ドイツ人作曲家によるイギリス国民音楽」としての《エリヤ》に接してみたい。(2012.08.12)
 
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
新日本フィルハーモニー交響楽団
山田一雄(指揮)
1978.5.7 藤沢市民会館
[TOWER RECORDS TWCO-1008]
 ヤマカズの音源復活に力を注いでくれるのが嬉しいタワーレコードからの「山田一雄 生誕100周年記念リリース」。
 藤沢市民会館で1978年から79年にかけて4回シリーズで行われた「山田一雄の世界」第1回のライヴ録音。同時に第3回のモーツァルトのセレナード集も出る。
 70年代から80年代にかけての藤沢では、福永陽一郎を中心に市民オペラ(ロッシーニの《ウィリアム・テル》全曲の日本初演もあった)など、意欲的な市民音楽運動が行われていた。この「山田一雄の世界」もその企画の一環である。
 ヤマカズだけでなく、福永と藤沢市民の活動を記念する意味からも、広く聴かれてほしい。(2012.08.11)
 
Mendelssohn: Violin Concertos
Mendelssohn:
Violin Concerto in E minor, Op. 64
Hebrides Overture, Op. 26
Violin Concerto in D minor, Op. post.

Alina Ibragimova (violin)
Orchestra of the Age of Enlightenment
Vladimir Jurowski
[Hyperion CDA67795]
 まだ少し先の発売だが、内容があまりにも楽しみなものなので。イブラギモヴァとユロフスキのコンビで、ピリオド奏法によるメンデルスゾーンとくれば、これを期待せずにいられようか。
 イブラギモヴァは来日公演で演奏したバッハの無伴奏では、既発売のディスクよりも徹底したノンヴィブラート、積極的な表現を聴かせてくれた。ユロフスキもこのところピリオド奏法に力を入れていて、「ロンドンのロシア人」たちがどんな演奏を聴かせてくれるか、鶴首して待つ。(2012.08.04)
 
Liszt:
Dante Symphony, S. 109
Orpheus, symphonic poem No. 4, S98

Maîtrise de Caen
Les Siècles
François-Xavier Roth
[Actes Sud ASM07]
 ロト&レ・シエクルの新譜は、リストのダンテ交響曲と《オルフェウス》。ともにワイマール時代の1850年代の作品だけに、ピリオド楽器でどのような響きが出現するのか、とても楽しみ。
 前期ロマン派の晩期という時期、ベルリオーズからの影響など、フランスとドイツをつなぐ存在としてのリストを考えるきっかけになるようなサウンドを期待。(2012.08.03)
 
Schütz: The Complete Narrative Works
Schütz:
Lukas-Passion SWV 480
Weihnachtshistorie SWV 435
Auferstehungshistorie SWV 450
Die sieben Worte SWV 478
Johannes-Passion SWV 481
Matthäus-Passion SWV 479

Ars Nova Copenhagen, Paul Hillier
2007-2010 Copenhagen
[Dacapo 8204035]
 少し前に出ていたものだがようやく聴いて、非常に素晴らしいので取りあげる。バラで分売されていた4枚を箱にまとめた徳用盤。3つの受難曲、クリスマス物語と復活の物語、「十字架上の最後の七つの言葉」という、シュッツの残した聖書にもとづく物語音楽をすべて集めたもの。ヒリアー指揮のデンマークの団体による澄んだハーモニーが心地よく、自然な広がりと明快さのある音質も素晴らしい。受難曲はどれもアカペラで1時間弱、バッハに較べて小規模だが、その簡素さが今の自分にはとても好ましく、親密に感じられる。(2012.08.02)
 
Renata Scotto and Placido Domingo sing Romantic Opera Duets
Giordano: È lui! È lui! Andate! (from Fedora)
Gounod: Va, je t’ai pardonné…Anges du ciel (from Roméo et Juliette)
Mascagni: Giorgio si batte (from I Rantzau)
Massenet: Toi ! Vous ! Oui ! Je fus cruelle… N’est-ce plus ma main (from Manon)

Renata Scotto (soprano), Placido Domingo (tenor)
National Philharmonic Orchestra, Kurt Herbert Adler
1978
[Sony 88691958392]
 メトロポリタン歌劇場で大活躍していた時代のレナータ・スコットが、名コンビのドミンゴと録音したデュエット集。オリジナルLPの形式は、箱物以外の単品では初CD化(吉田光司氏のご教示による)。かなり珍しいマスカーニの《ランツァウ》の二重唱も聴ける。(2012.07.31)
 
Bach - Böhm: Music for Weddings and other Festivities
Böhm: Mein Freund ist mein und ich bin sein
JC'ph Bach: Meine Freundin, du bist schön
JS Bach:Quodlibet, BWV524; Cantata BWV196 'Der Herr denket an uns' (Wedding Cantata)

Clematis, Leonardo García Alarcón
2011.11 Beaufays
[Ricercar RIC323]
 大バッハ、ヨハン・クリストフ・バッハ、ベーム作の、雅歌と婚礼のカンタータ集。先日のAmbronay盤の「バッハ・ドラマ」でも生彩に富むバッハの世俗カンタータを聴かせてくれた指揮者アラルコンが、ここでは古楽器アンサンブルのクレマチスの一員として、指揮とチェンバロを担当しているのがききもの。クレマチスは2001年結成のベルギーの団体。ボーフェの福音者聖ヨハネ教会での録音。(2012.07.28)
 
Nordic Sounds 2
Alfvén: Och jungfrun hon går i ringen ; Aftonen
Hillborg: Muoayiayaoum
Jersild: Min Yndlingsda
Mantyjarvi: Kosijat
J Sandstrøm: Sloabbme-njunnje ; Biegga Njunnjí ; Biegga Luothe
Wikander: Kung Liljekonvalje ; Forvarskvall
trad.: Gjendines Bådnlåt ; Kristallen den fina

Swedish Radio Choir
Peter Dijkstra
[Channel CCSSA32812](Hybryd SACD)
 ダイクストラとスウェーデン放送合唱団による「ノルディック・サウンズ2」。大半は初めて聴く作曲家だが、大自然の響きを想わせるサンドストレム、神秘的ハーモニーが深く涼やかなアルフヴェーンなど、来日公演で聴くことのできた作品が含まれるのが嬉しい。(2012.07.26)
 
Berlioz: Romeo et Juliette op.17 (sung in Czech)
Beno Blachut (tenor)
Vera Krilová (mezzo soprano)
Ladislav Mráz (bass)
Czech Philharmonic Chorus
Czech Philharmonic Orchestra
Lorin Maazel
1960.5.19 the Smetana Hall
[Czech Radioservis CR0599]
 久々の1960年物。期待の俊英として、この年各地で活躍していたマゼールが「プラハの春」音楽祭で指揮した《ロミオとジュリエット》。歌唱がチェコ語訳詞、というあたりはいかにもこの時代らしい。同じ音楽祭のシェイナ指揮の《大地の歌》もチェコ語訳詞である。
 チェコ放送の正規音源だから音はよさそうだが、モノラルを最新技術で2チャンネル用にマスタリングしてあるという。イスラエル・フィルのシリーズのような音なら、けっしていやではないが…。(2012.07.25)
 
Schubert:
Streichquartett Nr. 10 Es-Dur op. 125 Nr. 1 D 87
Streichquartett Nr. 15 G-Dur op. 161 D 887

Cuarteto Casals
2011.6 Berlin
[Harmonia Mundi HMC902121]
 ハルモニアムンディ3連発。その爽快な演奏で個人的にはイチオシのカザルス四重奏団の新譜も、シューベルトの弦楽四重奏曲集。アルカントとはまた異なるアプローチに期待。それにしても今年は、記念年でもないのにシューベルトによいCDが集中しつつある気がする。(2012.07.24)
 
JS Bach: Sonatas & Partitas for solo violin, BWV 1001-1003
Sonata No. 1 in G minor, BWV 1001
Partita No. 1 in B minor, BWV 1002
Sonata No. 2 in A minor, BWV 1003

Isabelle Faust (violin)
[Harmonia Mundi HMC902124]
 これまた超強力盤。いや、個人的にはこちらこそ本当に本当に楽しみ。イザベル・ファウストのバッハ無伴奏第2弾。前回は2009年録音で翌年発売。活力と深さと苦さを兼ね備えたバッハが聴けるはず。(2012.07.22)
 
Schubert: Streichquintett C-Dur D.956
Arcanto Quartet, Olivier Marron (Cello)
2010.12
[Harmonia Mundi HMC902106]
 これも超強力盤。現代のスーパー・クァルテット、アルカント四重奏団によるシューベルトの弦楽五重奏曲。第2チェロのマロンはメンバーのケラスの弟子。
 さえざえと、しかも深い響きの世界を期待。(2012.07.20)
 
The greatest film scores of Dmitri Tiomkin
Tiomkin:
 Cyrano de Bergerac: Overture
 The Alamo: Suite
 The Old Man and the Sea: Theme, Cubana and Finale
 The Four Poster: Overture
 Giant: Suite
 The Fall of the Roman Empire: The Fall of Love
 High Noon: Do Not Forsake Me
 Rawhide: Theme
 The High and the Mighty: Suite
 Dial 'M' for Murder & Strangers on a Train: Hitchcock Suite
 Wild is the Wind: Theme
 The Sundowners: Theme
 Circus World: The John 'Duke' Wayne March
 Land of the Pharaohs: Theme and Pharaoh's Procession
 Friendly Persuasion: The Fair, Thee I Love

Whitney Claire Kaufman, Andrew Playfoot (vocals)
London Voices & London Symphony Orchestra
Richard Kaufman
2011.10.27 Barbican
[LSO Live LSO0720](Hybrid SACD)
 ハリウッド映画音楽の巨匠、ティオムキンの作品を集めた演奏会のライヴ。いい音でその旋律を楽しみたい。個人的には『ナバロンの要塞』が入っていないのが残念だが。(2012.07.19)
 
Serenata Hungarica
1 Chorea Polonica - Codex Caioni, Siebenbürgen, ca. 1670
2 Partita, K 329 - Johan Joseph Fux
3 Balletti - Johan Heinrich Schmelzer
4 4 Tänze - Handschrift von Sepsiszentgyörgy, Siebenbürgen, 1757
5 Dade Zingaricum - Codex Caioni, Siebenbürgen, ca. 1670
6 Symphonia ex C 'Turcaria' - Johan Joseph Fux
7 Arazbar - Nefiri Behram
8 5 Tänze - Codex der Anna Szirmay Keczer, Szepes/Lipto varmegye, ca. 1730
9 Pöngeset koboznak - Codex des Janos Madach-Rimay, Siebenbürgen, 1629-1638
10 O, mely csudalatos Isten - Ujvari Tamas/Codex Caioni, Siebenbürgen, ca. 1670
11 Transsylvanische Tänze - Codices Caioni und Vietoris, Siebenbürgen, ca.1670

Accentus Austria
2011.8 Wien
[DHM 88697911052]
 取りあげそこねたまま、すでに手に入れた盤なのだが、とても面白かったのであらためて紹介。17世紀、オスマン・トルコの支配下にあった時代のハンガリーの舞曲などを集めたもの。西欧のピリオド楽器にハンガリーのツィンバロンや中東のウードなどを交えて、民俗音楽的な響きと旋回するようなノリが気持ちいい。西と東が多彩に混交する地域の音楽。フックスの《トルコ風》交響曲もあれば、完全にアラブ風の舞曲もあって、聴きあきない。
 同時に購入したカンマーアカデミー・ポツダムとロルフェオ・バロックオーケストラのシューベルト作品集も、折衷式と純ピリオド、それぞれの長所を活かした、主張の明快な演奏で、得るものが大きかった。(2012.07.17)
 
Mascagni: Cavalleria Rusticana
Leoncavallo: I Pagliacci

Leonie Rysanek (Santuzza), Plácido Domingo (Turridu, Canio), Astrid Varnay (Mamma Lucia), Teresa Stratas (Nedda), Wolfgang Brendel (Silvio), Benito di Bella (Alfio, Tonio)
Chor der Bayerischen Staatsoper
Bayerisches Staatsorchester
Nello Santi
1978.12 München
[Orfeo C845122I] (2CD)
 オルフェオのバイエルン州立歌劇場ライヴ・シリーズの新作は、ドミンゴがトゥリッドゥとカニオを歌う《カヴァレリア・ルスティカーナ》と《道化師》の2本立て。アルフィオとトニオが同じ歌手というのもポイントで、歌うのはベニート・ディ・ベッラ。この人は1976年のNHKイタリア・オペラでドミンゴがこの2本を歌ったときも、トニオを歌っていた。女声陣もミュンヘンらしく、リザネク、ヴァルナイ、ストラータスと猛女揃い。(2012.07.14)
 
Beethoven: Violin Sonata No. 9 in A major, Op. 47 ‘Kreutzer' (arranged for solo violin and strings by Richard Tognetti)
Eichberg: Endorphin - Concerto Grosso for String Quartet & Chamber Orchestra

Kolja Blacher (solo violin)
Mahler Chamber Orchestra
[Phil. Harmonie PHIL06022]
 コーリャ・ブラッハーとマーラー室内管の《クロイツェル・ソナタ》。オーストラリア室内管の主宰者として日本でもおなじみのトニェッティの編曲による、独奏と弦楽合奏版というのが面白そう。もう1曲の《エンドルフィン》はマーラー室内管の委嘱作で、デンマーク出身のドイツの作曲家セーレン・ニルス・アイヒベルク(1973年生れ)の作品。いかにもPhil. Harmonieらしい新譜。(2012.07.13) 
 
Tchaikovsky:
 Piano Concerto No.1 Op.23
 Un Poco di Chopin Op.72-15
Chopin: Barcarolle Op.60
Liszt:
 5 Lieder von Franz Schubert
 Widmung von Robert Schumann

Daniil Trifonov (piano)
Mariinsky Orchestra
Valery Gergiev
2011 & 2012
[Mariinsky MAR0530](SACD Hybrid)
 これは掛値なしの超強力盤。ショパンにチャイコフスキーと、来日公演で協奏曲を聴くたびに度肝を抜かれる21歳の大ヴィルトゥオーゾ、ダニール・トリフォノフがMariinskyに登場して、ゲルギエフ指揮マリインスキー管と、待望のチャイコフスキーを録音。
 しかもMariinskyなのに、フィルアップがオーケストラ曲ではなく、トリフォノフの独奏曲になっているのがさすが。ゲルギエフは引き立て役で、トリフォノフのためのアルバムなのだ。ゲルギエフがそれだけ買っている、評価しているということなのだろう。
 このレーベルなのでSACDハイブリッドというのも嬉しい。(2012.07.12)
 
Korngold:
 Der Schneemann
 Caprice Fantastique (Wichtelmannchen from Marchenbilder, Op. 3)
 Glück, das mir verbleib 'Marietta's Lied' (from Die Tote Stadt)
 Mädchen im Brautgemach
 Holzapfel und Schlehwein
 Garden scene
 Mummenschantz (Hornpipe) (from Much Ado About Nothing, Op. 11)
 Glück, das mir verbleib 'Marietta's Lied' (from Die Tote Stadt)
 Tanzlied des Pierrot from Die tote Stadt, Op. 12
 String Sextet in D, Op. 10

Daniel Gaede (violin) & Xuesu Liu (piano)
Philharmonisches Streichsextett Berlin
2011.5 Berlin
[Phil. Harmonie PHIL06013]
 コルンゴルトのヴァイオリン小品集と、神童時代の17歳で作曲した弦楽六重奏曲の組合せ。独奏のダニエル・ゲーデはウィーン・フィルの元コンサートマスター。ベルリン・フィルハーモニー六重奏団はその名の通りベルリン・フィルのメンバーで、演奏者も強力。
 ベルリンを拠点に、ドイツ語圏で室内楽や協奏曲などで意欲的な制作をするPhil. Harmonieの新譜。コーリャ・ブラッハーやマーラー室内管など、ここの人脈も面白い。(2012.07.10)
 
BRUNO WALTER'S MAHLER: THE EARLY NEW YORK RECORDINGS
MAHLER:
 Symphony No.1 in D "Titan"
(25 Oct. 1942)
 Symphony No.2 in C "Resurrection"
(Nadine Conner, Mona Paulee, Westminster Choir, 25 Jan.1942)
NYPSO
BRUNO WALTER
[Music & Arts CD-1264(2)]
 初登場となる、ワルターの1942年ライヴのニューヨーク・フィルとのマーラー2曲。アメリカ時代のマーラー録音は、1939年のNBC響との《巨人》ライヴと1945年のNYPとの第4番セッションとの間が空白になっていた。ワルターの疾風怒濤時代の演奏だけに、特に《復活》はどんな演奏なのか、楽しみ。ニューヨーク・フィルの初登場音源というのは意外に音質がしっかりしていることが少なくない(同じM&A発売の、ブッシュ兄弟のベートーヴェンの協奏曲のライヴとか)ので、その点にも期待している。(2012.07.09)
 
François Couperin:
 Pièces de clavecin II: Ordre 7ème in G major/minor
 Pièces de clavecin II: Ordre 8ème in B minor
 Pièces de clavecin IV: Ordre 25ème in E flat major
 Pièces de clavecin IV: Ordre 26ème in F sharp minor
 Pièces de clavecin IV: Ordre 27ème in B minor

Blandine Verlet (clavecin)
2011.11
[Aparté AP036] (2 CD)
 先日ゴルトベルク変奏曲の再発を紹介したヴェルレ女史。XRCD化されて話題になった11枚組のF・クープラン全集は1976~80年の録音なので、30年ぶりの再録音。1942年生れ、「生ける伝説」とまでいわれるフランスのクラヴサン奏者の新譜。ジャケも迫力。(2012.07.07)
 
Bloch:
 Schelomo
 From Jewish Life (arr. for cello, strings and harp)
 Voice in the Wilderness
Bruch:
 Kol Nidrei, Op. 47

Natalie Clein (cello)
BBC Scottish Symphony Orchestra
Ilan Volkov
2011.9 Glasgow
[Hyperion CDA67910]
 メジャー曲に安易に手を出さないため、日本での知名度は今一つだが、ブリテンやリスト作品で充実した実績を残している指揮者、イラン・ヴォルコフ。苦みとコクのある響きが素晴らしい。その新譜はイギリスの若手女性チェリスト、ナタリー・クラインの伴奏をしたユダヤ系作品集。《コル・ニドライ》も《シェロモ》も、ヴォルコフにはぴったりのはず。(2012.07.06)
 
Messiaen: Turangalîla Symphony
Steven Osborne (piano) & Cynthia Millar (ondes Martenot)
Bergen Philharmonic Orchestra
Juanjo Mena
2011.6 Bergen
[Hyperion CDA67816]
 1965年生れのスペインの指揮者、ファンホ・メナはビルバオ交響楽団を経て、現在はBBCフィルハーモニックの首席指揮者。この《トゥーランガリラ交響曲》は、2007年から首席客演指揮者をつとめるベルゲン・フィルとの録音。Hyperionにはこれが初登場のはず。オズボーンがピアノを担当しているのがききもの。(2012.07.04)
 
Debussy: Musique de chambre avec vents
Debussy:
 Fêtes pour trompette et piano (1)
 Prélude à l’après-midi d’un faune pour flûte et piano (2)
 Rhapsodie pour clarinette et piano (3)
 Syrinx (deux versions: pour flûte et pour trompette)
 Sonate pour flûte, alto et harpe
 Rhapsodie pour saxophone et piano (4)
 Sonate pour violoncelle et piano (version pour violoncelle et harpe)
 Danses sacrée et profane pour harpe et quintette à cordes (5)

Vincent Lucas (flûte), Philippe Berrod (clarinette), Nicolas Prost (saxophone alto), Eric Aubier (trompette), Lise Berthaud (alto), Ludwig Quandt (violoncelle), Marie-Pierre Langlamet (harpe),
Pascal Gallet (1), Emmanuel Strosser (2), Claire Désert (3), Laurent Wagschal (4) (piano),
Membres de la Philharmonie de Berlin (5)
2010&2012
[Indésens! INDE040]
 アンサンブル・カルペ・ディエムの《トリスタン》を出したIndésens!発売の、ドビュッシーの管楽つきの室内楽作品集。
 パリ管の首席フルートのリュカ、同首席クラリネットのベロ、サクソフォンのプロスト、トランペットのオービエ、ヴィオラのベルトー、ベルリン・フィルの首席チェロのクヴァント、同首席ハープのラングラメ、そしてピアノのシュトロッサーやデゼールなど、一流ソリストの競演にベルリン・フィルの弦楽と、恐ろしく豪華な1枚。
 Indésens!も目を離せないレーベルになりそう。(2012.07.03)
 
Britten: Choral Works
Britten:
 Five Flower Songs, Op. 47
 Two Two-Partsongs
 Chorale after an Old French Carol
 A Shepherd's Carol
 The Ballad of Little Musgrave and Lady  Barnard
 Choral Dances from Gloriana, Op. 53
 Old Abram Brown
 Oliver Cromwell
 O can ye sew cushions?
 Down by the Salley Gardens

 Wilfrid Parry (piano)
 Elizabethan Singers, Louis Halsey
 A Hymn to the Virgin
 London Symphony Chorus, George Malcolm
 Missa Brevis in D major, Op. 63
 Westminster Cathedral Choir, George Malcolm
1960-64 London
[Australian Eloquence 4802336]
 1960年物。「我こそはデッカ」とばかりに気を吐くオーストラリアのEloquenceのシリーズの新譜で、ブリテンの合唱曲集。ほとんどが初CD化の珍しい音源だが、最後に1960年1月、ウェストミンスター大聖堂での《ミサ・ブレヴィス》のライヴ録音が含まれている。当時のデッカのステレオ・ライヴはごく珍しく、EPでのみ発売されたものという。(2012.07.02)
 
Louis Spohr: The Forgotten Master
Spohr:
 Clarinet Concerto No. 1 in C minor, Op. 26 (1808)
 Clarinet Concerto No. 2 in E flat, Op. 57 (1810)
 Clarinet Concerto No. 3 in F minor, WoO 19 (1821)
 Clarinet Concerto No. 4 in E minor, WoO 20 (1828)

Paul Meyer (conductor & clarinet)
Orchestre de Chambre de Lausanne
[Alpha ALPHA605]
 名手ポール・メイエによる、「忘れられた巨匠」シュポーア(1784-1859)のクラリネット協奏曲集。(2012.07.01)
 
Virtuosi
Tárrega: Fantasia sobre motives de 'La Traviata'
Giuliani: Rossiniana No. 1, Op. 119
Tansman: Hommage à Venise
Paganini: Grand Sonata in A major
Castelnuovo-Tedesco: Sonata in D major, Op. 77 'Omaggio a Boccherini'
Vivaldi: Concerto for Guitar and 2 Violins in D major, RV 93
Giuliani: Guitar Concerto No. 1 in A major, Op. 30
Paganini: Quartet for Guitar & Strings No. 2, MS 29

Liat Cohen (guitar)
Talich Quartet
2009
[Warner Classics 2564 68530-7]
 ターリヒ四重奏団の旧譜を眺めていて、気になったもの。2009年だから新世代のターリヒ四重奏団のメンバーによるもので、イスラエル出身の女性ギタリスト、ライアット・コーエンを伴奏して協奏曲を演奏している。
 2枚組で、前半がギター・ソロでタレガ、ジュリアーニ、タンスマン、パガニーニ、カステルヌオーヴォ=テデスコの曲。後半がヴィヴァルディ、ジュリアーニ、パガニーニの協奏曲。
 どんなギタリストか知らないが、曲目が魅力的なので、買ってみる。(2012.06.28)
 
Magnificat - G.Gabrieli, Praetorius, Schütz
Giovanni Gabrieli: Magnificat anima mea Dominum; O magnum mysterium
Praetorius: Magnificat "Meine Seel erhebt den Herren"; "Aus tiefer Not"
Schütz: Deutsches Magnificat "Meine Seele erhebt den Herren“ SWV 494; "Alleluja! Lobet den Herren in seinem Heiligtum" SWV 38
Chor und Orchester der Ludwigsburger Schlossfestspiele

Michael Hofstetter
2011.9.11
[GLOR Classics GC12481]
 ホフシュテッターが指揮者をつとめるルートヴィヒスブルク城音楽祭管弦楽団&合唱団の新譜は、G・ガブリエリ、プレトリウス、シュッツのマニフィカト集。いつもはOehmsから出ているが、立体感のないレーベル自体の音質にいつも不満が残るので、このGLORではもっと生々しい音を期待したところ。
 毎年初夏の音楽祭とは異なる時期の録音だが、9.11という日付(それもちょうど10年目)には、意味があるのだろうか(きっとあると思うが)。(2012.06.24)
 
Aram Khachaturian: Composer - Conductor - Pianist
Khachaturian:
 Violin Concerto in D minor
 Cello Concerto in E minor
 Funeral Ode in memory of Vladimir Ilyich Lenin
 Sabre Dance from Gayane
 Song 'Garun Yerevan'
 Song 'Zdravitsa'
 Masquerade Suite
 Gayane (ballet highlights)
 Piano Concerto in D flat major

Aram Khachaturian (piano, voice), Leonid Kogan (violin), Antonin Jemelik (piano) & Sviatoslav Knushevitsky (cello)
USSR State Radio and Television Symphony Orchestra, Prague Radio Symphony Orchestra & Czech Philharmonic Orchestra, Aram Khachaturian, Karlovy Vary, Alexander Gauk & Alois Klima
1950-60
[Supraphon SU41002]
 近年のSupraphonは冷戦時代の放送音源の発掘にも力を注いでいて、面白い盤がいくつもあるが、これがその新譜。ハチャトゥリアン(1903-78)が衛星国チェコを訪れたさいの放送用の録音をあつめた2枚組。
 かれの自作自演盤はほかに何枚もあるが、1950~60年という早い時期の録音であることと、歌曲でのピアノ弾き語り、《剣の舞》のピアノなどが入っているのが珍しい。曲目もこの人の代表作が並んでいる(作曲家としてのキャリアが50歳前にほとんど終っていたことを示している)。(2012.06.22)
 
Dvořák:
String Quartet No. 9 in D minor, Op. 34 (B.75)
String Quartet No. 13 in G major, Op. 106 (B192)

Zemlinsky Quartet
[Praga DSD250292](SACD Hybrid)
 「チェコの充実」を感じさせてくれる団体の一つ、ツェムリンスキー四重奏団。Pragaからの継続的な新譜登場はその活躍の証明。今度はドヴォルジャーク。「アメリカ」が入っていない、というのがいい。(2012.06.21)
 
J.S.Bach: French Suites BWV.812-BWV.817
Andrea Bacchetti (piano)
[Sony 88691965102]
 ファツィオリの甘美な音とバネの利いたリズム感が魅力のイタリアのピアニスト、バケッティ(バッケッティ)。新譜はなんとイタリア・ソニーから。
 これまで、イギリス組曲をデッカに録音したあとは、バッハをDynamic、バロック期のイタリア音楽をRCAにと分けて録音していたのだが、新たにソニーと契約したのだという。
 噂によると、ソニーではこの後、ゴルトベルク変奏曲の新録音、それも反復なしと反復つきの2種の録音が予定されているとか。これまで既に3種の録音が存在するが(素晴らしい演奏だったDynamicのCDと、ARTHAUSの別演奏のDVDとCDで、計3種)、本当に「新録音」なのだろうか。なんだかよくわからないが、それでも追いかけて損をしないのがこのピアニスト。
 CDの音質が常に素晴らしいのも魅力なので、このフランス組曲の1回目(たぶん…)の録音も、とても楽しみ。ソニーらしく、これも国内では輸入盤が安価で買えるのが◎。(2012.06.20) 
 
JS Bach : Goldberg Variations, BWV988
Blandine Verlet (clavecin Hemsch, 1751)
1992.9
[Naive V5302]
 1942年生れのフランスのクラヴサン奏者、ブランディーヌ・ヴェルレが20年前にAstreeに録音した名盤の復活。ヴェルレが70年代に同レーベルに録音したクープラン作品集はXRCD化されて話題を呼んだ。なおクープランは昨年の新録音がAparteから出るそうで、ヴェテラン健在が嬉しい。(2012.06.18)
 
20th Century String Quartets
Debussy: String Quartet in G minor, Op. 10
Zemlinsky: String Quartet No.2 op.15
Ravel: String Quartet in F major
Toldra: Vistas al mar
Turina: La oracion del torero

Cuarteto Casals
Iván Sinyol (voice)
2004 & 2006 Girona
[Harmonia Mundi HMG508390.91]
 カザルス四重奏団の旧譜2枚を2枚組にまとめた再発の廉価盤。特に2枚目のラヴェル、トルドラ、トゥリーナの爽快さと、その陰の叙情味が素晴らしいので、多くの方に聴いてほしいセット。(2012.06.17)
 
Schubert:
Overture in B flat major, D 470
Symphony No. 5 in B flat major, D 485
Overture in D major, D 556
Overture in the Italian Style in C major, D 591
Overture in the Italian Style in D major, D 590
Overture in E minor, D 648

L'Orfeo Barockorchester
Michi Gaigg
2011.7 Linz
[DHM 88697911382]
 下段とは対照的に、オーストリーのピリオド・オーケストラによるシューベルトの演奏会用序曲集と交響曲第5番。遠近の過去と現在の、様々なスタイルが百花斉放し続けてくれる状況こそ、望ましきもの。(2012.06.15)
 
Schubert:
Symphony No. 3 in D major, D. 200
Symphony No. 7 in B minor, D. 759 'Unfinished'

Kammerakademie Potsdam
Antonello Manacorda
2011.4 & 6 Potsdam
[Sony 88691960642]
 ドイツのカンマーアカデミー・ポツダムの演奏するシューベルトの交響曲集。指揮のマナコルダはマーラー・チェンバーオーケストラのコンサートマスターから指揮に転じた人で、2011年からこの楽団の首席指揮者をつとめている。演奏はモダン楽器に一部ピリオド楽器を加えた折衷式という。
 コンマス出身の指揮者と折衷式のオケという組合せは、ドイツで一つの潮流となっているようだ。それを確かめるためにも聴いてみる。これも国内で安く買えるドイツ・ソニー盤。(2012.06.14)
 
Domenico Gabrielli: Cantate
Gabrielli:
 Perché mai nume adorato (cantata)
 Sonata for Cello and b.c. in A major
 Amor m'hai così vinto (cantata)
 Poiché ad Irene (cantata)
 Premea d'Ilio superbo (cantata)
 Nella sidonia riva (cantata)
 Sonata for cello & basso continuo in G major
 Allor che dal bel nido (cantata)
Monari:
 Sonata
 Quando penso a quel tuo labbro
 Sonata per l’elevazione
 Se in amor cerco lo scampo
 Sonata per organo

Sistite Sidera: Emanuela Galli (soprano), Marco Testori (cello), Gabriele Palomba (theorbo) & Davide Pozzi (harpsichord, organ)
[Stradivarius STR33878]
 ラ・ヴェネシアーナのメンバーとしても活躍、ソロでも「苦しまなくてはならなくて?」という素敵な一枚をE Lucevan le Stelleから出している、ソプラノのエマヌエラ・ガッリ。これはドメニコ・ガブリエッリ(1651-90、ガブリエリ家とは無関係)のカンタータとチェロ・ソナタを中心に、バルトロメオ・モナーリ(1662-1707)の曲を合わせたもの。作曲家はかなりマイナーだが、このソプラノがまた聴いてみたいので。(2012.06.13)
 
Charles Koechlin: Magicien Orchestrateur
 Debussy (arr. Koechlin): Khamma
 Koechlin: Sur les flots lointains, Op. 130
 Fauré (arr. Koechlin): Pelléas et Mélisande, Op. 80
 Schubert (arr. Koechlin): Fantasie in C major, D760 'Wanderer'
 Chabrier (arr. Koechlin): Bourrée Fantasque

Sarah Wegener (soprano) & Florian Hoelscher (piano)
Radio-Symphonieorchester Stuttgart des SWR
Heinz Holliger
2010.11 Stuttgart
[Hänssler 93286]
 「オーケストレーションの魔術師」という副題が興味をそそる、シャルル・ケクラン(1867-1950)の編曲と自作を集めた作品集。シューベルトの《さすらい人》幻想曲は1933年にバランシン振付のモンテカルロ・ロシア・バレエ団のバレエ上演のためにフル・オーケストラ用に編曲されたもので、これが世界初録音だという。指揮がホリガーというのもききもの。(2012.06.11)
 
Haydn:
Piano Concerto in F major, Hob.XVIII-3
Piano Concerto in G major, Hob.XVIII-4
Piano Concerto in D major, Hob.XVIII-11

Oliver Schnyder (Piano)
Academy St. Martin in the Fields
Andrew Watkinson
2011.12 London
[RCA 88725405932]
 オリヴァー・シュニーダーの新譜は、ハイドンのピアノ協奏曲集。珍しくスイスではなく、ロンドンでの録音。シュニーダーの軽快な音楽はハイドンにぴったりと思われるので、楽しみ。なおカデンツァはサクソフォン奏者、作曲家として活躍するダニエル・シュニーダーがつくったもの。二人は同姓だが、オリヴァーによれば「友人」とのこと。(2012.06.10)
 
Mozart:
Oboenkonzert KV 314
Fagottkonzert KV 191
Concertone KV 190 für 2 Violinen,Oboe,Cello,Orchester

Paolo & Alberto Grazzi
Ensemble Zefiro
Alfredo Bernardini
2006.12
[DHM 88697924082]
 録音は6年前だが新譜。ゼフィーロによるモーツァルトの協奏曲集で、オーボエとファゴットの独奏を名手グラッツィ兄弟が担当しているのがききもの。ドイツ・ソニーやDHMは、このところ輸入盤の国内価格が廉価盤なみなので、財布の紐がいつも以上にゆるむ…。(2012.06.08)
 
Mozart: The Complete String Quintets
Talich Quartet, Karel Rehak(2nd Viola)
1990-95
[La Dolce Volta LDV109.1] (3CD)
Schönberg: Verklarte Nacht, Op. 4
Dvořák: String Sextet in A major, Op. 48, B. 80

Talich Quartett, Jiri Najnar(viola), Vaclav Bernasek(cello)
1989
[Phaia Music PHU011]
ターリヒ四重奏団の再発盤を2種。原盤はともにCalliope。恥ずかしいことに今まで聴いたことのなかったこのモーツァルトの弦楽五重奏曲全集が、深い呼吸感と自然な流れをもった、素晴らしい演奏だったので。録音もいい。都合よく《浄夜》も別レーベルから廉価盤で再発されるので、併せて取りあげる。
 ターリヒ四重奏団は1964年結成、名指揮者ターリヒの甥ヤンがヴィオラ奏者をつとめていた。1997年に息子のヤン2世を中心に次世代に交代して活動を続けているが、これらは第1世代の録音。
 La Dolce Volta からはすでにモーツァルトの弦楽四重奏曲全集が再発されているし、ベートーヴェンの全集も近日復活の予定だそうなので、これは楽しみ。(2012.06.06)
 
Mahler: Symphony No.5
Monte Carlo Philharmonic Orchestra
Yakov Kreizberg
2010.9
[OPMC Classics 006]
 クライツベルクの死去半年前のライヴ。奇をてらわないスタイルが好きだった(ときに生ぬるく感じられたけれど)。最後の手兵となったモンテカルロ・フィルの自主制作盤シリーズから。このオーケストラとは、ディアギレフゆかりの作品やショスタコーヴィチの11番などが出ている。クライツベルクのマーラーはこれが初めてではないか。(2012.06.05)
 
Cimarosa: Requiem
Valérie Gabail(Soprano) Katalin Várkonyi(Mezzo) Etienne Lescroart(Ténor) Ronan Nédelec(Baryton)
Chœur de Chambre des Musiciens du Louvre
La Philharmonie de Chambre
Jérémie Rhorer
2002 Deauville
[Ligia Digital Lidi202243-42]
 
Haydn: Konzert für Orgel Nr1, Nr2, Nr6
Olivier Vernet(Orgue)
Stéphanie-Marie Degand(violon)
Eensemble les Sauvages
Jérémie Rhorer
2001.05.24-27 Thouet
[LIGIA LIG2044100]
 ジェレミー・ロレール指揮の初期のCDを2枚。ル・セルクル・ド・ラルモニー結成以前、10年ほど前にフランスのLigiaというマイナー・レーベルに録音していたもの。上段はレーベル創立20周年を記念して再発されたもので、カタログとレーベルの聞きどころを集めたベスト盤を合わせた2枚組。ドーヴィル復活祭音楽祭のライヴで、ルーヴル宮音楽隊の合唱団が参加しているのは、ロレールがミンコフスキの助手をつとめていた関係だろうか。
 下段はこのレーベルを検索して見つけたもので、ヴェルネのオルガンと共演したハイドンの協奏曲集。(2012.06.04)
 
Johann Joseph Fux:
Kaiserrequiem K.51-53
Sonata a quattro K. 347
Sonata a tre K. 370
Libera me K.54
miserere

La Capella Ducale
Musica Fiata
Roland Wilson
2010
[DHM 88697959972]
 クレマンシック指揮のArte Nova盤により、日本にもファンの多いフックス (1660-1741) の《皇帝レクィエム》。これはアメリカ生れの指揮者ローランド・ウィルソン指揮による新録音で、ムジカ・フィアタはウィルソンが1976年にドイツで設立した団体というから、すでに30年以上の歴史を持つ古楽アンサンブル。ラ・カペラ・ドゥカーレも併設の合唱団。
 クレマンシック盤はArte Nova独特の平板でキンキンした音質が苦手なので、とにかくまともな音でこの名曲を聴いてみたい。(2012.06.01)
 
Humperdinck: Hänsel und Gretel
Alice Coote (Hänsel), Lydia Teuscher (Gretel), Irmgard Vilsmaier (Mother),
William Dazeley (Father), Wolfgang Ablinger-Sperrhacke (Witch), Tara
Erraught (Sandman) & Ida Falk Winland (Dew Fairy)
Glyndebourne Opera Chorus
London Philharmonic Orchestra
Robin Ticciati
2010 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD01510]
 1983年生れの新鋭ティチアーティによる初めてのオペラ全曲は、2010年グラインドボーン音楽祭での「ヘンゼルとグレーテル」。2014年からユロフスキの後任として同音楽祭の音楽監督に就任する予定だそうで、その前祝いか。楽しみ。(2012.05.29)
 
Smetana: Die Verkaufte Braut
Anton Scharinger, Elisabeth Kulman, Dorothea Röschmann, Yasushi Hirano, Elisabeth von Magnus, Markus Schafer, Kurt Streit, Ruben Drole
Arnold Schoenberg Chor
Chamber Orchestra of Europe
Nikolaus Harnoncourt
2011.7.2 Helmut-List-Halle, Graz
[Styriarte Festival Edition SFE0042012][3CD+DVD]
 スメタナの《売られた花嫁》全曲を、アーノンクールの指揮で。シュティリアルテ音楽祭のライヴで、同音楽祭の自主制作盤。CDとDVDの双方に全曲を収録という配慮が嬉しい(DVDに多い、歌を過度に強調したバランスは苦手なので、それも違うとさらに嬉しいが…)。
 いまどきドイツ語訳詞なの、という気もするが、グラーツの観客が無理なく親しめるようにという配慮なのだろうか。ともかくこの指揮者らしい、突っ込んだ演奏を期待。(2012.05.28)
 
Offenbach:
 Un Mari à la porte
 Les fables de la Fontaine

Gabrielle Philiponet (soprano), Anaïk Morel (mezzo-soprano), Séphane Malbec- Garcia (tenor), Marc Canturri (baritone)
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra,
Vasily Petrenko
[Liverpool Philharmonic LPOFFCD00211]
 オッフェンバックは最愛の作曲家の一人。1859年初演の1幕物のオペレッタ《Un Mari à la porte》(扉の向うの新郎、という感じか)と、ラ・フォンテーヌの寓話詩による歌曲集を、ワシリー・ペトレンコとロイヤル・リヴァプール・フィルが演奏するというのだから、これは面白そう。
 このコンビのオペラは、フライシュマンの《ロスチャイルドのヴァイオリン》ほかと、《スザンナの秘密》がAvieから出ているが、今回はオーケストラの自主レーベル。(2012.05.26)
 
Le Paris des Romantiques
REBER: Symphony No. 4 in G major, Op. 33
BERLIOZ: Reverie et Caprice pour violon et orchestre, Op. 8
LISZT: Piano Concerto No. 1 in E flat major, S124/R455

Bertrand Chamayou (piano)
Julien Chauvin (violon)
Le Cercle de l'Harmonie
Jérémie Rhorer
2011 Metz
[Ambroisie AM207]
 ベートーヴェンを扱った前作「巨匠の誕生」が素晴らしい出来で(特に交響曲第1番!)、最注目の指揮者となっているジェレミー・ロレール。「ロマン派のパリ」と題された新作は、ナポレオン=アンリ・ルベル(1807-1880)、ベルリオーズ、リストの19世紀半ばの作品を集めたもの。非常に楽しみ。(2012.05.24)
 
Wagner: Lohengrin
Klaus Florian Vogt (Lohengrin), Annette Dasch (Elsa), Susanne Resmark (Ortrud), Gerd Grochowski (Telramund), Günther Groissböck (König Heinrich), Markus Brück (Heerrufer)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2011.11.12 Berlin Philharmonie
[Pentatone Classics PTM1021](SACD Hybrid)
 Pentatoneのヤノフスキ&ベルリン放響のワーグナー・シリーズ第4弾は、フォークト主役の《ローエングリン》。新国立劇場の公演に合わせて、日本で先行発売される。これまでは海外のサイトなどに較べて、国内の販売価格がかなり割高だったが、これは差が縮まりそう。(2012.05.23)
 
A New Venetian Coronation 1595
Gabrieli Consort & Players
Paul McCreesh
2012
[Signum SIGCD287]
 マクリーシュとガブリエリ・コンソート&プレイヤーズが結成30周年を記念して、1990年にVIRGINから出した「ヴェネツィアの戴冠1595」を再録音。1595年にサンマルコ大聖堂で行なわれた、総督就任式を再現したプログラム。音質の進化も楽しみ。(2012.05.22)
 
Nielsen: Violin Concerto, Op. 33 (FS61)
Tchaikovsky: Violin Concerto in D major, Op. 35

Vilde Frang (violin)
Danish Radio Symphony Orchestra
Eivind Gullberg Jensen
2011 Copenhagen
[EMI 6025702]
 来日公演では聴き損ねたニールセンと、チャイコフスキーの協奏曲が、ヴィルデ・フラングのEMI第3弾。アイヴィン・グッルベルグ・イェンセンは彼女と同じノルウェー出身の指揮者。これまでにグリーグのピアノ協奏曲のディスクが2種ある(独奏はディリュカとクルティシェフ)(2012.05.21)
 
Motion of the Heart
Motion of the Heart - Music by: John Dowland / William Lawes / Henry Lawes / John Ward / John Coperario / Hank Williams Sr and the Irish traditional lament Donal Og.
Viva Frida!- Music by: Antonio de Salazar / Gaspar Fernandes & Sebastian Duron

Dublin Drag Orchestra
[Heresy Records HERESY003]
 なんだかよくわからないが、ダブリン・ドラッグ・オーケストラというアホな名称と、明らかに男も混じった妙なジャケットに惹かれて購入。「sensational new counterculture early music group」だそうである。イギリスの初期バロック音楽を集めた「Motion of the Heart」と、17世紀メキシコ音楽を集めた「Viva Frida!」のダブル・アルバム。後者のタイトルは画家フリーダ・カーロのことらしい。
 ソプラノのクララ・サナブラスなどが参加しているらしい歌と音楽は、試聴するかぎりは奇矯さよりも愉しさが勝っているようなので、とにかく聴いてのお楽しみ。
(2012.05.18)
 
Chopin:
Etudes op. 10
Trois nouvelles Etudes
Etudes op. 25

Hardy Rittner (Conrad Graf Piano 1835)
2011.11
[MD+G 90417476] (SACD Hybrid)
 前作の、すべてピリオド楽器によるブラームスのピアノ協奏曲第1番(オケはエールハルト指揮ラルテ・デル・モンド)がとても面白かった、1981年ドイツ生れのハーディ・リットナー。これまでにシェーンベルク、ブラームスの独奏曲を作曲年と同時代のピアノを用いて録音して好評を得ている。新作はショパンの27のエチュード。op.25と同年代、1835年製のコンラート・グラーフを用いている。モダンピアノでも難しい作品を、フォルテピアノでどのように響かせるか、期待。SACDなのも嬉しい。(2012.05.17)
 
Berlioz: Benvenuto Cellini
Marcello Giordani, Isabel Bayrakdarian, Kristine Jepson, Peter Coleman-Wright, John Del Carlo, Robert Lloyd
The Metropolitan Opera Orchestra & Chorus
James Levine
2003.12.27
[The Met Opera Shop 1000008339]
Wagner: Lohengrin
Ben Heppner, Deborah Voigt, Deborah Polaski, Hans-Joachim Ketelsen, Eric Halfvarson
The Metropolitan Opera Orchestra & Chorus
James Levine
1998.3.21
[The Met Opera Shop 1000008344]
 レヴァインのメトロポリタン歌劇場デビュー40周年を記念して2010年に発売された、11作品32枚組のライヴ録音ボックスからの分売。メトのサイトのショップのほか、アメリカのamazonでも手軽に買える。廉価なのも魅力。ただし、32枚組も現時点では$130.00にディスカウントされているから、バラで数作品買うのなら、それを買った方が得かも。
(2012.05.16)
 
Schönberg:
 Moses und Aron

 Heribert Fiedler, Helmut Krebs, Ilona Steingruber, Ursula Zollenkops, NDR SO, Hans Rosbaud
 Pierrot Lunaire op. 21
 Alice Howland, Gilbert Kalish, Louise Burge, Herbert Zipper
1954 & 1962
[BOR]
 ドイツのサイトJPCで売られているもので、BORというのは20世紀音楽の歴史的録音の復刻専門レーベルのようだ。CD-Rである可能性も高いが、未確認。
 ロスバウトの《モーゼとアロン》全曲は1954年3月12日の世界初演のライヴ録音。米CBSとフィリップスがLP化していたから(国内盤も出た)、おそらくはその板起しだろう。
 《月に憑かれたピエロ》はアメリカでのステレオ録音らしく、Concert-Discというマイナー・レーベルのLPがある。指揮のツィッパー(1904-76)はウィーン生れでカリフォルニアに没した音楽家。(2012.05.15)
 
Pergolesi:
 Stabat Mater
 Laudate Pueri

Valer Barna-Sabadus (Countertenor),Terry Wey (Countertenor),
Ensemble Barock Vocal Mainz, Neumeyer Consort
Michael Hofstetter
2011 Mainz
[Oehms OC831]
 ホフシュテッター(ホーフシュテッター)の新作は、ペルゴレージのスターバト・マーテルとラウダーテ・プエリ(詩篇112番)。女性ではなく、男性2人が歌っているのがききもの。バルナ=サバドゥスとは前作のハッセでも共演していた。(2012.05.12)
 
Hans Rott:
 Symphonie Nr.1 E-Dur
 Suite B-Dur

HR SO
Paavo Järvi
2010 Frankfurt
[RCA SICC1537]
 マイナー・レーベルの世界ではすっかり人気曲となっている、ハンス・ロットの交響曲。これまでのディスクはあまり聴いてみたいと思う顔ぶれではなかったが、これはいかにも、聴き甲斐がありそう。(2012.05.10)
 
Great Czech Conductors / MARTIN TURNOVSKÝ
Martinů : Symphony No. 4, Tre ricercari, Concertino for cello
Ibert : Concerto for cello and wind instruments
Hindemith : Trauermusik for viola and string orchestra
Mysliveček : Symphony in D major
Bizet : Jeux d’enfants, Op. 22
Saint-Saëns : Le carnaval des animaux
Prokofiev : Violin Concerto No. 2 in G minor, Op. 63

A. Navarra (cello), L. Černý (viola), I. Hurník, P. Štěpán (piano), L. Jásek (violin)
Czech Philharmonic Orchestra, Prague Chamber Orchestra, Prague Symphony Orchestra
Martin Turnovský
1955 - 1967 Prague
[Supraphon SU 4082-2]
 クーベリック、シェイナと続いたスプラフォンの「チェコの偉大な指揮者」シリーズ、第3弾は意外にも、そして嬉しいことに、トゥルノフスキー。1928年生れでアンチェルに学び、60年代はプラハを中心に活躍していたかれは、1967年に東独のシュターツカペレ・ドレスデンのカペルマイスターに抜擢される栄誉を得たが、翌年の「プラハの春」事件を期に西側へ亡命した。その後の活動はけっして華やかなものではなかったが、1998年から群馬交響楽団の首席客演指揮者をつとめるなど、日本にもなじみが深く、熱心なファンを持っている。
 私も高崎でその演奏を聴いたが、新即物主義の流れを汲む、引き締まった響きとリズムが魅力的だった。
 この2枚組はチェコ時代の録音を集めたもので、マルチヌーの第4番のように名盤として知られる録音もあるが、亡命の影響か、大半がスプラフォン本体では初CD化の音源だという。(2012.05.08)
 
Shostakovich:
 Orango Prologue (World Premiere Recording)
 Symphony No. 4 in C minor, Op. 43

Los Angeles Philharmonic
Esa-Pekka Salonen
2011.12 Walt Disney Hall, Los Angeles
[DG 4790249]
 《オランゴ》はショスタコーヴィチが1932年に着手しながら、未完に終った歌劇。人間と猿の「ハイブリッド」、オランゴを主人公に、人間社会を風刺する作品らしい。2004年にプロローグ(40分ほどらしい)のピアノ・スコアが発見され、ジェラルド・マクバーニーによってオーケストレーションされた。
 これは2012年12月2~4日のロス・フィル定期演奏会での、その世界初演のライヴ録音。同じ演奏会で演奏された、交響曲第4番と組み合わされている。
 DGやソニーでのサロネン&ロス・フィルは、つるりと滑らかだが生々しさのない音質になるのが不安だが、それ以上に1930年代のショスタコーヴィチを、このコンビがどんな響きで聴かせてくれるのかが、興味津々。(2012.05.07)
 
Bach Drama:
JS Bach:
 Cantata BWV201 'Geschwinde, ihr wirbelnden Winde'
 Cantata BWV205 'Zerreißet. Zersprenge, zertrümmert die Gruft'
 Cantata BWV213 'Laßt uns sorgen. Laßt uns wachen' (Hercules auf dem Scheidewege)

Céline Scheen (soprano), Clint Van der Linde (countertenor), Makoto Sakurada, Fabio Trümpy (tenors) & Christian Immler, Alejandro Meerapfel (basses)
Les Agrémens & Choeur de Naumur
Leonardo Garcia Alarcon
[Ambronay AMY031]
 生彩に富んだ演奏で愉しませてくれる、アラルコン(1976年アルゼンチン生れ)率いるナミュール室内合唱団とレザグレモン。新作はバッハの世俗カンタータというのが嬉しい。それも「フェーブスとパンの争い」「満足するエーオルス」「岐路に立つヘラクレス」と、イタリア・オペラ的な性格を持つ3作を集め、題して「バッハ ドラマ」。どんなバッハになるのか。CDとDVDの2枚組。(2012.05.05)
 
Gounod: Roméo et Juliette
Alain Vanzo (Roméo), Huguette Riviere (Juliette), Jacques Mars (Frère Laurent), Henri Perotte (Mercutio), Jane Berbié (Stéphano), Michel Roux (Le Comte Capulet), Freda Betti (Gertrude), Jean Mollien (Tybalt) & André Mallarmé (le Comte Pâris)
Orchestre et Choeur Radio Lyrique
Pierre Michel Le Conte
1960.12.2
[Walhall WLCD0356]
 愁いをおびた甘美な声と豊かな歌心の持ち主で、戦後のテノールのなかでも最愛の一人が、アラン・ヴァンゾ。《真珠採り》や《微笑みの国》の全曲は愛聴盤である。今年はちょうど没後10年。
 この1960年物の《ロメオとジュリエット》は放送録音なので音質も期待できる。これまではLP1枚分の抜粋しかなかったので、全曲の初レコード化はとても嬉しい。(2012.05.04)
 
Massenet: Don Quichotte
José van Dam (Don Quichotte), Silvia Tro Santafé (Dulcinée) & Werner Van Mechelen (Sancho Panza)
Orchestre symphonique et choeurs de La Monnaie
Marc Minkowski (conductor)
Laurent Pelly (director)
2010.5 La Monnaie
[Naive DR2147]
 ここではDVDは二の次になっているのだが、これはあまりにも魅力的なアイテムなので。
 ベルギーの誇るバス、ヴァン・ダムが69歳の引退公演を自国の劇場で、ドン・キショット(ドン・キホーテ)を歌って飾るというだけでも素敵なのに、さらに指揮がミンコフスキで演出がペリとくれば、これをば観ずにいらりょうか。
 マスネ没後100年にぴったり。(2012.05.02)
 
Mozart:
 Piano Concerto No. 20 in D minor, K466
 Piano Concerto No. 21 in C major, K467

Jan Lisiecki (piano)
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Christian Zacharias
2012
[DG 4790061]
 放送用にサンプル盤を聴いたら素晴らしかったので、たまにはメジャー盤から。1995年生れのポーランド系カナダ人、リシエツキのグラモフォン・デビュー盤。軽やかなリズム感と響きの遠近感が素晴らしい。デッカが昨年出したグローヴナーとともに、メジャーの見識を感じる1枚。といっても、近年のメジャーは継続して出す気があるのかどうかがまるで読めないし、エッジの甘い音質も好みではないけれど。
 すでに何度か来日しているそうだ。リサイタルを聴いてみたい人。(2012.05.01)
 
The Complete Vladimir de Pachmann
(Chopin, Godowsky, Schumann, Liszt, Raff, Mendelssohn, Henselt, Badarzewska-Baranowska, Brahms)

Vladimir de Pachmann (piano)
1907-27
[Marston 54003-2]
 伝説的ショパン弾き、パハマン(1848-1933)の録音を未発表音源やアウトテイクまで集めた全録音集4枚組。ここまで網羅的な復刻盤は初めてで、まさしくマーストンならではの仕事。曲目はほとんどがショパンで、大半がアコースティック録音だが、一部電気録音とピアノロールを含む。(2012.04.29)
 
Beethoven: Diabelli Variations, Op. 120
Diabelli Variations by Czerny, Hummel, Kalkbrenner, Kerzkowsky, Kreutzer, Liszt, Moscheles, Pixis, Mozart, Schubert & Beethoven

Andreas Staier (fortepiano after Conrad Graf)
2010.9 Berlin
[Harmonia Mundi HMC902091]
 ゴルトベルク変奏曲の壮麗な演奏が素晴らしかっただけに、期待せずにはいられないシュタイアーのディアベッリ変奏曲。同じ主題による他の49人の変奏の中から10人を選んで演奏したあと、シュタイアー自作の導入部で間をあけてからベートーヴェンに入る、独自の工夫がこらされているという。
 正直なところ、個人的には、フォルテピアノよりもチェンバロを弾くときのシュタイアーの方が素直に愉しめる気がしている。フォルテピアノの録音ではまずその奇抜な仕掛けが強調され、喧伝されることが多いからだと思うが、今回はそんなことを忘れさせてもらいたいもの。(2012.04.28)
 
Shostakovich:
 Piano Concerto No. 1 in C minor, Op. 35
 Piano Concerto No. 2 in F major, Op. 102
 Concertino for two pianos, Op. 94

Alexander Toradze (piano)
Jurgen Ellensohn (trumpet)
George Vatchnadze (piano)
Frankfurt Radio Symphony Orchestra (hr-Sinfonieorchester)
Paavo Järvi
[Pan Classics PC10261]
 Pan Classicsがヘッセン放送(HR)の録音を発売することになったそうで、第1弾がこのトラーゼ独奏のショスタコーヴィチのピアノ協奏曲集。指揮はもちろんパーヴォ・ヤルヴィ。この指揮者とオケのコンビはRCAとVirginから出ているが、これからはどうなるのだろう。(2012.04.25)
 
Darknesse Visible
Ravel: Gaspard de la Nuit
Adès: Darknesse Visible
Debussy: Suite Bergamasque
Stevenson: Fantasy on Peter Grimes
Ravel: La Valse

Inon Barnatan (piano)
2010 New York
[Avie AV2256]
 イノン・バルナタンは1979年テル・アヴィヴ生れ、現在は米国を拠点とするピアニスト。数年前にBridgeからシューベルトのソナタ21番などが出ている。
 といっても、私はどんなピアニストかまるで知らない。このAvieでの最初の1枚の選曲に、只者ではない印象を受けるので、とにかく聴いてみる。(2012.04.24)
 
Shostakovich:
Symphony No. 2 in B major, Op. 14 'To October'

with Royal Liverpool Philharmonic Choir
Symphony No. 15 in A major, Op. 141
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko
[Naxos 8.572708]
 ヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチの交響曲録音シリーズに第15番が登場。音質がもう少しまともだったら、と私が書くこともシリーズになってしまっているが、それでも楽しみ(笑)。(2012.04.21)
 
Schumann:
Piano Quartet in E flat major, Op.47
Piano Quintet in E flat major, Op.44

Alexander Melnikov
Jerusalem Quartet
2011.7 Berlin
[Harmonia Mundi HMC902122]
 2月の来日でのショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガの演奏に度肝を抜かれたメルニコフの新譜は、シューマンのピアノ四重奏曲と五重奏曲。共演がイェルサレム四重奏団というのも、ハルモニア・ムンディならではの非常に楽しみな組合せ。(2012.04.20)
 
Schumann: Chamber Music
Schumann:
 Adagio and Allegro in A flat major, Op. 70
 Märchenbilder, Op. 113
 Fantasiestücke, Op. 73
 Märchenerzählungen for Clarinet, Viola & Piano, Op. 132
 Romances, Op. 94
 Violin Sonata No. 1 in A minor, Op. 105

The Nash Ensemble
2011.7
[Hyperion CDA67923]
 13日のトゥリーナ作品集に続いて出る、ナッシュ・アンサンブルのシューマン作品集。本作ではヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、オーボエ、ホルン、ピアノの6人編成だが、三重奏の《おとぎ話》以外はすべて各楽器とピアノによる二重奏という、このアンサンブルらしい変化を楽しめるアルバム。トゥリーナも派手ではないが充実感があり、音質もとてもよかったので、これも購入決定。(2012.04.17)
 
Monteverdi: Il ritorno d'Ulisse in patria
Anicio Zorzi Giustiniani, Jose Maria Lo Monaco, Roberta Mameli, Vincenco Di Donato
La Venexiana
Claudio Cavina
2011.10
[Glossa GCD920920]
 ラ・ヴェネシアーナ(ヴェネクシアーナ)による、モンテヴェルディ・オペラの第3弾。ドラマの起伏がいちばんはっきりしている「ウリッセ」を、どのように聴かせてくれるか。(2012.04.16)
 
Britten: War Requiem
Sabina Cvilak, Ian Bostridge, Simon Keenlyside
London Symphony Chorus, Choir of Eltham College
London Symphony Orchestra
Gianandrea Noseda
2011.10 London
[Lso Live LSO0719]
 BBCフィルを離れたノセダが、ロンドン響のライヴ・シリーズに登場。ボストリッジ、キーンリーサイド、ツビラクという豪華な独唱者との戦争レクイエム。シャンドス時代は音質がもう一つだったので、ノセダの指揮と大編成の響きを生々しい録音で聴けるのも楽しみ。(2012.04.14)
 
Turina: Chamber Music
Turina:
Piano Quartet in A minor, Op. 67
Sonata n°2 Op. 82 "Española"
Escena Andaluza Op. 7
Piano Trio No. 1, Op. 35
La Oración del torero, Op. 34

The Nash Ensemble
2010.12 London
[Hyperion CDA67889]
 イギリスのナッシュ・アンサンブルによるトゥリーナの室内楽作品集。このアンサンブルらしい柔軟性を活かして、二重奏から六重奏まで、さまざまな編成の曲を一枚に聴くことができるのが嬉しい。
 トゥリーナ(1882-1949)もまた、20世紀前半に活動した穏健なアカデミズム系の、広範なジャンルの多作家の一人。(2012.04.13)
 
Bruckner: Symphonie Nr. 2 c-moll
Northern Sinfonia,
Mario Venzago
2011
[CPO]
 進行中のシリーズのなかでは、ヤノフスキのワーグナーとともに目が離せないのが、このヴェンツァーゴのブルックナー交響曲全集。オーケストラを曲によって変えるのが特色で、室内管弦楽団のタピオラ・シンフォニエッタを起用した前作の、第0番と第1番が爽快な響きで素晴らしかっただけに、第3弾となるこの第2番も、非常に楽しみ。
 今回のオーケストラは、イギリスのニューカッスル近郊のゲイトヘッドを拠点とする室内管弦楽団、ノーザン・シンフォニア。ヴェンツァーゴは、この楽団の三人のプリンシパル・コンダクターの一人となっている(その上に芸術監督のツェートマイアーがいる)。
 版は不明だが、昨年11月の演奏会では1877年版が用いられていたらしい。(2012.04.12)
 
Ernst von Gemmingen: Violinkonzerte Nr. 1 & 2 (A-Dur & C-Dur)
Johann Matthias Sperger: Symphonie F-Dur "Ankunftssinfonie"

Kolja Lessing (Violin)
RO München, Ulf Schirmer
2010
[CPO 7774542]
 シルマー&ミュンヘン放送管弦楽団の新作は、古典期のマイナー作曲家の作品集。
 エルンスト・フォン・ゲンミンゲン(1759–1813)の2曲のヴァイオリン協奏曲よりも、ネタ的に面白いのは、ヨハン・マティアス・シュペルガー(1750-1812)の《登場》交響曲。ハイドンの《告別》へのアンサー・シンフォニーで、ヴァイオリン二重奏から始まって、次第に楽員が増えていくものだという…。(2012.04.10)
 
Theodore Dubois:
Ouverture Frithiof (1880)
Piano Concerto No.2 (1897)
Dixtuor (1909)

Vanessa Wagner(piano)
Les Siècles
Francois-Xavier Roth
2011
[Actes Sud ASM09]
Theodore Dubois: Le Paradis Perdu (1878)
Chantal Santon (Eve), Mathias Vidal (Adam), Jennifer Borghi (Archangel) & Alain Buet (Satan)
Les Cris de Paris & Les Solistes des Siècles,
Geoffroy Jourdain
[Aparté AP030]
 フランスの作曲家、テオドール・デュボワ(1837-1924)のアルバムを2枚。1枚はロト指揮レ・シエクルによるフリチョフ序曲、ピアノ協奏曲第2番、十重奏曲。もう1枚はジョフロイ・ジュールダン率いるアンサンブル(名前が同じだが、共通するのだろうか?)によるオラトリオ、《失楽園》。

 最近、アカデミズムの頂点に立って世俗的権威となり、穏健な作風で多数の曲を残しながら、没後あまり人気がなくなっている作曲家が、なぜか目につく。
 19世紀後半から20世紀にかけ、市民向けの音楽教育システムが確立されたとき、その頂点、目標となった国立の音楽院。その長をつとめた作曲家たちである。穏健派ゆえに、20世紀後半の前衛全盛期には無視された人々。
 サンクトペテルブルクのグラズノフ、プラハのフェルステル、そして3人目が、パリ音楽院長のこのデュボワ。グラズノフはまだしもだが、かれとても、その作品の全体像が知られているとは言い難いだろう。
 どうもこのところの音楽界では、そうした人々に関心が向いているらしく、面白そうなディスクが少しずつ出ている。
 デュボワの場合、ミラールからエッセール指揮ポワトゥ=シャラント管弦楽団による協奏曲集が先日出たと思ったら、間をおかずにこの2種が出てきた。
 1つは、話題のロト&レ・シエクルによる管弦楽曲集であり、もう1つは指揮者のことはよく知らないが、絶好調のレーベル、アパルテが出すオラトリオである。
 この連中が関わっているということは、すなわち、目を離してはならない、ということ。
 だから、聴いてみる。(2012.04.09)
 
Arvo Pärt: Creator Spiritus
Pärt:
Veni creator; The Deer's Cry; Psalom; Most Holy Mother of God; Solfeggio; My Heart's in the Highlands; Peace upon you; Jerusalem; Pilgrims' Song; Morning Star; Stabat Mater

Christopher Bowers-Broadbent (organ)
Theatre of Voices, Ars Nova Copenhagen & NYYD Quartet,
Paul Hillier (artistic director)
2010.6 Copenhagen
[Harmonia Mundi HMU807553]
 ポール・ヒリアーによるペルトの室内合唱曲集。かれが率いる合唱団、シアター・オブ・ヴォイセズとアルス・ノヴァ・コペンハーゲンによる。SACDなのも期待度を増している。(2012.04.06)
 
Haydn: String Quartet, Op. 64 No. 6 in E flat major
Schumann: String Quartet No. 1 in A minor, Op. 41 No. 1
Donald Grant: Lament for Mulroy

Elias String Quartet
2010.9.12 Wigmore Hall
[Wigmore Hall Live WHLIVE0051]
 エリアス弦楽四重奏団は1998年結成のイギリスのカルテット。Wigmore Hall Liveでは2枚目となる。前回の2008年のライヴ(メンデルスゾーン、モーツァルト、シューベルト)が素晴らしい出来だったので、今回も大いに期待。最後の曲はアンコールで、第2ヴァイオリン奏者の自作だそう。(2012.04.04)
 
Such A Night In Pearl Harbor
Elvis Presley
1961.3.25 Honolulu
[Memphis MRS30025361]
 エルヴィス・プレスリーが1961年3月25日にホノルルのブロック・アリーナで行なったコンサートのライヴ。1960年に陸軍を除隊したプレスリーは、劇映画に重点を移していく。7年後の1968年のTVショー『エルヴィス・カムバック・スペシャル』をきっかけにショー・ビジネスに復帰する前の、これが最後のライヴとなった。
 映画『ブルー・ハワイ』撮影のために訪れたハワイで、20年前の真珠湾攻撃で湾内に沈んだままになっている戦艦アリゾナの記念館建設基金募金のために行なったチャリティ公演であり、収益6万ドルの寄付によって、現在も残る白亜の記念館の建設が一気に可能になったという。
 モノラルの個人録音だが、RCAも『エルヴィス・アーロン・プレスリー』という4枚組の記念盤で正規にCD化している。
 この盤はプレスリー専門のマイナー・レーベルが独自にCD化したもので、同時期に放送された「エルヴィス、戦艦アリゾナに捧ぐ」という30分のラジオ番組と、写真満載の100ページのブックレットにより、立体的にこのコンサートを再現している。
 1960年話に近いということもあるが、日本人として何か因縁を感じるライヴなので、買ってみる。ちなみに、以前紹介したローゼンストック指揮のメトの《エレクトラ》と、同じ日の録音である。(2012.04.03)
 
Busoni:
Berceuse élégiaque, Op. 42
Mahler:
Kindertotenlieder (arr. Rainer Riehn)
Piano Quartet in A minor
Lieder eines fahrenden Gesellen (arr. Arnold Schoenberg)

Sara Mingardo (contralto)
Musici Aurei, Luigi Piovano
[Eloquentia EL1233]
 ミンガルドが歌うマーラー、というだけでも興味深いのだが、しかも伴奏がシェーンベルクとR・リーンによる室内アンサンブル版とくれば、これが聴かずにいらりょうか。
 ブゾーニの名作、悲歌風子守歌があるのも高ポイント。イタリアのチェロ奏者、ピオヴァノが率いるアンサンブルの演奏。(2012.03.31)
 
The Complete HMV Stereo Recordings 2
Louis Kentner
London Mozart Players
Harry Blech
1954-59
[First Hand Records FHR15]
 First Hand Recordsは初期ステレオ録音の復刻で見事な業績を残しているレーベル。ボールトのシューマンなどは予想外の俊敏な演奏で評判になった。
 これはハリー・ブレックとロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの第2集。第1集がいかにも1950年代らしいキビキビした演奏で魅力的だっただけに、この続編もとても楽しみ。曲目は《リンツ》、ピアノ協奏曲第24番、12のメヌエット。
 面白いのは、《リンツ》が1954年12月22-23日のステレオ録音とあること。このレーベルは、試験的に録音されたまま未発売になっていたステレオ音源を見つけてCD化してくれるのが特長の一つなのだが、この日付は「早過ぎる」のだ。
 EMIグループはRCAやデッカに較べてステレオ録音の導入が遅く、これまでは1955年2月7日のマルコ指揮フィルハーモニアのプロコフィエフの交響曲第7番が最初とされていた。しかし本盤の情報が事実で、1955年の誤記などではないのなら、それより2か月早く、他社と同じ1954年中に(それでも数か月遅れだが)始めていた、ということになる。(2012.03.30)
 
Foerster: The Complete Piano Trios
Foerster:
Piano trio in F minor, Op. 8
Piano trio in B flat major, Op. 38
Piano trio in A minor, Op. 105

Janacek Trio
2009、2010
[Supraphon SU40792]
 このところ気になっているのが、このヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951)というチェコの作曲家。第1次世界大戦後の後半生は、プラハ音楽院の院長をつとめるなど、チェコ音楽界の重鎮として型通りの名声に包まれている人だが、前半生はハンブルクやウィーンなど、ドイツで活躍した作曲家・評論家だった。
 1歳違いのマーラーの擁護者として知られ、その夫人ベルタ・フェルスター=ラウテラーは、ハンブルクとウィーンの歌劇場で、マーラーが最も信頼するソプラノ歌手の一人だった。
 「普遍的音楽芸術」としての19世紀のドイツ文化と、20世紀チェコの国民文化との狭間に生きた人である点が私には興味深い。その作風はいかにもアカデミズムの人らしく、シューマンやブラームスなどの穏健なドイツ・ロマン派の影響を受け、派手な大衆性はないが、充分な聞き応えをもつ実力派。
 スプラフォンは「チェコの作曲家」として以前からその作品(歌劇から室内楽までまんべんなくあって、こうした点は同じアカデミズムの人、グラズノフを思わせる)を録音しているが、特に近年のCDには充実したものが多く、この作曲家の再評価を促している。
 というわけで、これもぜひ聴いてみようと思う次第。(2012.03.29)
 
Beethoven: Concerto pour piano n°4, op. 58
Tchaïkovski: Concerto pour piano n°1, op. 23

Rudolf Serkin, Van Cliburn (piano)
New York Philharmonic
Dimitri Mitropoulos
1950.1.8 & 1954.11.14 New York
[Tahra TAH724]
 3月23日の可変日記で紹介した、ゼルキンとクライバーンを独奏とするミトロプーロス&ニューヨーク・フィルのピアノ協奏曲集。2曲とも録音の存在は知られており、CD-Rなどで入手可能だったが、LPやCDにはなったことのない、未レコード化の珍しい音源。
 クライバーンはまだ20歳で、これがニューヨーク・フィルとの初共演である。チャイコフスキー・コンクール優勝4年前の貴重な記録。(2012.03.28)
 
シューベルト:《ロザムンデ》序曲
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67

新日本フィルハーモニー交響楽団
ゲルハルト・ボッセ(指揮)
2010&11 すみだトリフォニーホール
[Altus ALT231]
 ブランデンブルク協奏曲に続く、故ボッセの遺作。2011年5月のシューベルトとモーツァルト、2010年4月のベートーヴェンという、最晩年のライヴ。ミュージック・アドヴァイザーとして関係の篤かった新日本フィルとの演奏だけに、楽しみ。(2012.03.26)
 
Schumann:
 Cello Concerto in A minor, Op. 129
Liszt:
 Elegie No. 1, S130
 Elegie No. 2, S131
 Romance oubliée, S. 132
 Die Zelle in Nonnenwerth, S382
 La Lugubre Gondola, S134

Ophélie Gaillard (cello) & Delphine Bardin (piano)
Orchestre de la Radio Nationale de Roumanie, Tiberiu Soare
[Aparté AP031]
 優美にして繊細、新譜がいつも楽しみなチェリスト、オフェリー・ガイヤールの最新作は、シューマンのチェロ協奏曲とリストの小品という、一昨年と去年が記念年だった作曲家たちの作品集。この選曲も魅力的。オーケストラはルーマニア国立放送。(2012.03.25)
 
Handel: Il pastor fido, HWV8a (1712 first version)
Lucy Crowe, Anna Dennis, Katherine Manley (soprano), Madeleine Shaw (mezzo-soprano), Clint van der Linde (countertenor), Lisandro Abadie (bass baritone)
La Nuova Musica, David Bates
2010 London
[Harmonia Mundi HMU907585/86]
 ヘンデルの歌劇《忠実な羊飼い》全曲。デイヴィッド・ベイツ率いるラ・ヌオヴァ・ムジカがどんな団体なのかまるで知らないのだが、ハルモニア・ムンディが出すのだから、きっと何か聴く意義のあるCDのはず。(2012.03.24)
 
Berlioz:
 Symphonie Fantastique op.14
 Overture Beatrice et Benedict

Scottish Chamber Orchestra
Robin Ticciati
2011.7
[Linn CKD400]
 1983年生れのイギリスの俊英ティチアーティが、2009年から首席指揮者をつとめるスコットランド室内管弦楽団と初録音。Linnレーベルというのも期待。
 柔和な歌いくちの中に光るセンスで勝負するタイプだけに、これまでのTUDORでのバンベルク響との盤では、残響多めの音質にその個性が埋もれている印象があった。別のレーベル、そして室内管ということで、日本でエイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団を指揮した《フィガロの結婚》公演の響きを思い出させてくれるような、より明快で抜けのいい響きで聴ければ嬉しい。(2012.03.22)
 
R Strauss: Friedenstag
Josef Metternich (Kommandant), Hildegard Hillebrecht (Maria, his wife), Max Proebstl (Wachtmeister), Richard Holm (Schütze), Benno Kusche (Konstabel), Albrecht Peter (Musketier), Wolfgang Anresos (Hornist), Hand Hermann Nissen (Offizier), Josef Knapp (Front offizier), Kurt Böhme (Der Holsteiner, Kommandant), Lorenz Fehenberger (Bürgermeister) & Karl Hoppe (Prälat)
Bayerischen Staatsoper
Joseph Keilberth
1961.8.13 München
[Walhall WLCD0357]
 いくつかのサイトには1960年8月13日録音とあるが、1961年8月13日の誤り(このレーベルの情報にはよくあるミス)。つまり、「ベルリンの壁」が築かれていた、まさにその当日に、ミュンヘン音楽祭で新演出初演された《平和の日》のライヴ録音。
 演目は全くの偶然なのだろうが、歴史の神の大いなる皮肉という気がする、ドキュメント。プライベートLPで出たきりで、あとはテープしかなかった音源が、初めてCD化。
 カイルベルトの指揮、ルドルフ・ハルトマンの演出で、モーツァルトの《タモス》とともに上演された。(2012.03.21)
 
Great Czech Conductors: Rafael Kubelik
Dvořák:
 Symphony No. 8, Op. 88 (1944.11.30)
 Piano Concerto, Op. 33 (1946.6.4)
 Rudolf Firkušný (piano)
Shostakovich:
 Symphony No. 9, Op. 70 (1945.12.13)
Martinu:
 Symphony No. 4 (1948.6.10)
 Memorial to Lidice, H. 296 (1946.3.14&15)
Dobias: Stalingrad (1945.11.7)

 Zdeněk Otava (baritone)
 Army Recitation Corps, Typografia Male Chorus
Czech Philharmonic Orchestra
Rafael Kubelik
1944-48
[Supraphon SU40802]
 ターリヒの《我が祖国》ライヴ発売で喜ばせてくれたスプラフォンから、クーベリック&チェコ・フィルのライヴが登場。戦時中から亡命直前までのライヴ、あるいは放送録音が収められている。
 ドヴォルジャークの2曲は、以前Multisonicから出ていたものと同一音源ではないかと思われるが、収録日のデータは異なっており、こちらが真正なのかも知れない。旧盤はノイズカットのしすぎで演奏の特徴がつかみにくかっただけに、音質改善を期待。
 ショスタコーヴィチは初演数か月後の、現時点では最古の録音だという(ソ連では長く録音されなかった)。《リディツェ追悼》と《スターリングラード》はいかにも終戦直後にふさわしい選曲であり、マルチヌーの第4番は亡命前の最後の「プラハの春」での録音。
 チェコ時代のクーベリックを知るためのドキュメントとして、とても楽しみ。(2012.03.20)
 
Hasse Reloaded
Hasse: Sinfonia & 4 Arien aus "Didone abbandonata"; Cantate da camera "La Geloisa"; Arie "Or la nube" aus Artasere (Einlagearie von Porpora)
Valer Barna-Sabadus(Countertenor)
Hofkapelle München
Michael Hofstetter
2011 München
[Oehms OC830]
 1986年ルーマニア生れ、ドイツで育った若手カウンターテノール、 ヴェラール・バルナ=サバドゥスの歌うハッセ作品集「ハッセ再装填」。ホフシュテッターが伴奏指揮というのも魅力。
 この歌手、トルコの民族楽器アンサンブル「ペーラ・アンサンブル」と共演した「バロック・オリエンタル」なんてアルバムもある。活動そのものが面白そう。(2012.03.19)
 
Mahler: Symphony No. 9 in D major
Israel Philharmonic Orchestra
Leonard Bernstein
1985.8.25 Tel Aviv
[Helicon HEL029656]
 バーンスタイン&イスラエル・フィルの1985年の伝説的な来日公演の直前に、本拠地で行なわれた演奏会のライヴ録音。
 私も2週間後の9月8日にNHKホールでこの曲を聴いたが、おそろしく濃密な、強烈な体験として忘れがたい。当時のレコ芸の黒田恭一氏によるインタビューには、バーンスタイン自身が「CDになる(当時は未発売)アムステルダムの演奏もよかったが、今日は特別だ。マーラーも喜んで電話をかけてきたくらいだ(?)」というような意味(記憶で書いているので不正確)の、とりわけ満足している様子の発言が載っていた。
 しかし放送などは行われなかったから、27年たって初めて、そのときの演奏に近いものを再体験することになる。
 正直なところ、聴きかえすのが怖い気もする。この時代の演奏だけに、いま聴けばオケのフォルムの崩れが気になるかも知れない。技術的にも完璧ではないだろう。演奏にしても、当時すでに「くどい」といっていた知人がいたし、会場には行かずに、誰かが(大阪?)盗み録りしたテープを手に入れて、「そんなに凄い演奏かなぁ?」と言った友人もいた。
 私にとっては、その演奏が客観的にみていい演奏かどうかは、どうでもいいことだった。あの異様な雰囲気こそが何物にも替えがたく、それは当日の会場にいた人間にしか、わからないかも知れないとおもった。当時のクオリティの低い、不明瞭な盗み録りの音で中途半端な再体験はしたくもなかったので、そのテープ自体を聴かせてもらうこともしなかった。
 だから、わからないまま。2週間前のこの録音を、とにかく、聴いてみるほかない。(2012.03.16)
 
Thème Russe
Scriabin, Glazunov, Vitols, Rimsky-Korsakov, Lyadov, Blumenfeld et al:
 Variations On A Russian Folk Song
Schnittke:
 Canon in memoriam Igor Stravinsky for string quartet
Stravinsky:
 Concertino for String Quartet
Tchaikovsky:
 String Quartet No. 1 in D major, Op. 11
 Album for the Young, Op. 39 (extracts)

Kuss Quartet
[Onyx ONYX4090]
 ドイツの実力派、クス四重奏団のOnyx第2弾。Oehms、Sonyなど発売レーベルが安定しなかったが、前作のシューベルト&ベルクもよい出来だったし、ようやく腰を据えられたのかも。ロシアものでも選曲にひとひねりあるのが、いかにもかられらしい。(2012.03.14)
 
Beethoven: Complete Piano Trios
Trio Wanderer
[Harmonia Mundi HMC902100/03]
 大好きなピアノ・トリオ、フランスのトリオ・ヴァンダラーが、活動25周年記念に、ついにベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集を録音。いままで、あえて1曲も録音していなかっただけに、これは本当に本当に、楽しみ。(2012.03.12)
 
もう直き春になるだらう―山田一雄 交響作品集―
山田和男(一雄):
 大管弦楽の為の交響詩「若者のうたへる歌」
 交響組曲「呪縛」
 もう直き春になるだらう
 日本の歌
 おほむたから
 大管弦楽の為の交響的「木會」

オーケストラ・ニッポニカ
田中良和(指揮)
山田英津子(ソプラノ)
2011.10.30 紀尾井ホール
[エクストン OVCL-00459]
 オーケストラ・ニッポニカが行なった山田一雄作品の演奏会が、生誕100年の今年CD化。可変日記で触れた幻の傑作《おほむたから》が、とうとう市販ディスクになる。(2012.03.10)
 
Affettuoso: Emilio Percan
Geminiani: 2 Sonatas from Op. 1
Handel: Sonata in D major for violin and continuo, HWV371, Op. 1 No. 13
Piani: 4 Sonatas from Op. 1

Emilio Percan (baroque violin),
Oriol Aymat-Fusté (baroque cello) & Luca Quintaville (harpsichord)
[Onyx ONYX4099]
 18世紀のジェミニアーニ、ヘンデル、ピアー二の作品をひくのは、1982年マケドニア生れのヴァイオリニスト、エミリオ・ペルサン(パーカン)。このところ快盤の続く、エールハルト率いる古楽アンサンブル、ラルテ・デル・モンドのメンバーということで、興味がわいた。
 ラルテ・デル・モンドは6月にハープのグザヴィエ・ド・メストレとともに来日予定。このヴァイオリニストも聴けると嬉しい。(なお、来日と同じ顔ぶれのディスクも、近くソニーから出る)(2012.03.08)
 
Sullivan: The Mikado
Richard Alexander (The Mikado), Kanen Breen (Nanki-Poo), Taryn Fiebig (Yum-Yum), Mitchell Butel (Ko-Ko), Warwick Fyfe (Pooh-Bah) & Jacqueline Dark (Katisha)
Opera Australia Chorus & Orchestra Victoria
Brian Castles-Onion (conductor)
2011 The Arts Centre, Melbourne
[Opera Australia OPOZ56016CD]
 オペラ・オーストラリアの自主制作盤。オーストラリアのオーケストラやオペラというのは、あまりにも明朗で屈託がなさ過ぎという印象があるので敬遠しがちだが、《ミカド》のライヴ録音ならけっこうあうかも知れない、と思って聴いてみる。DVDも同時発売。(2012.03.06)
 
KOCZALSKI PLAYS CHOPIN: BROADCAST RECORDINGS FROM GERMAN RADIO · 1945 AND 1948. CD 1: (65:56) Mazurka No. 25 in B minor, Op. 33, No. 4*; Nocturne No. 1 in B flat minor, Op. 9, No. 1*; Nocturne No. 19 in E minor, Op. 72, No. 1*. Waltz No. 14 in E minor, Op. Posth.*; Prelude in C sharp minor, Op. 45*; Mazurka No. 17 in B flat minor, Op. 24, No. 4*;Waltz No. 6 in D flat, Op. 64, No. 1 ("Minute") *. Prelude No. 15 in D flat major, Op. 28, No. 15 ("Raindrop") *; Waltz No. 3 in A minor, Op. 34, No. 2 ("Valse brillante")*. Polonaise No. 3 in A, Op. 40, No. 1 ("Military") * [all Rec. Feb. 6, 1948 in Studio Kleistsaal, RIAS, Berlin]. Mazurka No. 31 in A flat, Op. 50, No. 2* [Rec. Feb. 9, 1948 in RIAS Studio I, Berlin]. Fantaisie in F minor, Op. 49 [Rec. April 5, 1948 in RIAS Studio I, Berlin*]. Nocturne No. 9 in B, Op. 32, No. 1 [Rec. Feb. 9, 1948 in RIAS Studio I, Berlin*]. Fantaisie-Impromptu in C sharp minor, Op. 66 [Recorded 1945 in Berlin]. CD 2: (74:25) Etude No. 8 in F, Op. 10, No. 8* [ Rec. April 5, 1948 in RIAS Studio I, Berlin]; Impromptu No. 1 in A flat, Op. 29* [Rec. Feb. 9, 1948 in RIAS Studio I, Berlin]. Sonata No. 3 in B minor, Op. 58* [ Rec. Apr. 5, 1948 in RIAS Studio I, Berlin]; Waltzes: No. 3 in A minor, Op. 34, No. 2 ("Valse brillante"); No. 4 in F, Op. 34, No. 3 ("Valse brillante"); No. 8 in A flat, Op. 64, No. 3 [Rec. Oct. 24, 1948 in Berlin]. Ecossaises, Op. 72: No. 1 in D; No. 2 in G minor; No. 3 in D flat [Rec.Oct. 24, 1948 in Berlin]. Piano Concerto No. 2 in F minor, Op. 21, with Berlin Radio Orchestra [Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin] conductor, Sergiu Celibidache [Rec. Sept. 25, 1948 in Berlin].
* previously unreleased
Raul von Koczalski, piano
[Music & Arts CD-1261(2)]
 ショパン直系のピアニスト、ポーランドのラウル・フォン・コチャルスキ (1884~1948) のショパン放送録音集。楽譜にない、ショパンが実演で加えていたという装飾などを実践したことでも知られる。
 これは戦後のベルリンでの録音を集めた2枚組で、70分以上が初登場音源だという。大半が亡くなる1948年(ショパン没後100年記念の前年)のもの。チェリビダッケと共演した協奏曲はロココのLPで出た記憶があるが、CD化はされていたかどうか。(2012.03.03)
 
1600: Masterpieces of 17th-century Italian Instrumental Music
Abaco: Concerto a quattro da chiesa, Op. 2 No. 1 in D minor
anon.(Luigi Rossi?): Fantaisie
G B Bononcini: Sinfonia quarta
Castello: Sonata decima sesta à 4 per stromenti d’arco
Frescobaldi: Canzona quinta
G Gabrieli: Canzone a quattro detta la spiritata
Legrenzi: Sonata Seconda à sopran solo
Macque: Consonanze stravaganti
B Marini: Passacaglio a quattro e a tre
Merula: Canzon Quinto; Capriccio cromatico a 4
Salvatore: Canzone francese seconda
Torelli: Concerto for strings, Op. 6 No. 1
Zanetti: Il scolaro… per imparare a suonare di violino

Concerto Italiano
Mauro Lopes Ferreira, Nicholas Robinson (violins), Ettore Belli (viola), Luca Peverini cello), Ugo di Giovanni (theorbo)
Rinaldo Alessandrini (harpsichord, organ & director)
2011.3 Roma
[Naive OP30531]
 アレッサンドリーニとコンチェルト・イタリアーノの新譜は、バロック初期、17世紀イタリアの器楽曲をあつめた『1600』。清新にして颯々とした音楽を期待。(2012.03.02)
 
Strauss Wagner Mahler
R Strauss:
 Der Abend op. 34 Nr. 1
 3 Männerchöre nach Gedichten von Rückert
 Hymne op. 34 Nr. 2
Wagner:
 Drei Gesänge zu "Tristan und Isolde"
Mahler:
 Die zwei blauen Augen
 Ich bin der Welt abhanden gekommen

(Arr. Clytus Gottwald)
Chor des Bayerischen Rundfunks
Peter Dijkstra
2009-2011
[BR Klassik 900503]
 ダイクストラ指揮のバイエルン放送合唱団の無伴奏合唱による、ドイツ後期ロマン派作品集。ワーグナーとマーラーは16声部のための編曲版で、前者は「愛の死」のほかにヴェーゼンドンク歌曲の「温室」と「夢」。この合唱団を指揮したときは温かな響きが特徴。(2012.02.29)
 
Classica Española
Acosta:
 Jazmin (tango)
 Por alegrias
 Bulerias de Anette
Albéniz:
 Malagueña, Op. 165, No. 3
 Sevilla (from Suite Española, Op. 47)
 Recuerdos de Viaje, Op. 71: No. 6 - Rumores de la caleta
 Tango
Corea:
 Spain
Falla:
 Danse Espagnole (from La Vida Breve)
 Ritual Fire Dance (from El amor brujo)
Granados:
 Danza española, Op. 37 No. 5 'Andaluza'
 Orientale
 Danza española, Op. 37 No. 4 'Villanesca'
Lama, J:
 La risa
Rabbath:
 Ode d'Espagne

Anette Maiburg (flute), Andreas von Wangenheim (guitar), Wlodzimierz Gula (double bass), Alberto Alarcón (castenets), Juan Lama flamenco (guitar), Luis Llorente (cajón & tinaja), Jesus González Brito (cuatro & bandola)
2011
[MDG 9101727]
 ドイツのフルート奏者アネット・マイブルクは、MD+Gに「クラシカ・クバーナ」「クラシカ・アルゼンティーナ」「クラシカ・ベネゾラーナ」など、南米の民俗音楽とクラシックのスタイルを融合したアルバムをつくっている。これはそのスペイン編「クラシカ・エスパニョーラ」。アルベニス、ファリャ、グラナドスのほか、チック・コリアの曲も取りあげられている。(2012.02.27)
 
Pfitzner: Palestrina
Peter Bronder, Britta Stallmeister, Claudia Mahnke, Wolfgang Koch, Johannes Martin Kränzle, Frank van Aken, Alfred Reiter, Magnus Baldvinsson, Peter Marsh, Franz Mayer, Michael Nagy, Richard Cox, Hans-Jürgen Lazar, Dietrich Volle, Sungkon Kim, Katharina Magiera
Frankfurter Opern und Museumsorchester
Kirill Petrenko
2010.6 Frankfurt
[Oehms OC 930]
 2013年のワーグナー生誕200年記念のバイロイト音楽祭で《指環》を指揮し、その秋からバイエルン州立歌劇場の音楽総監督に就任と、ドイツで大活躍中の指揮者、キリル・ペトレンコ。 フランクフルトで指揮した《パレストリーナ》でOehmsに登場。
 CPOに録音したスークの交響詩集以後、録音が途絶えていたので、オペラでの登場は嬉しい。(2012.02.23)
 
Glazunov:
String Quartet No. 3 in G major 'Slavonic'
Idyll for horn and string quartet
String Quartet No. 4 in A minor Op. 64
Zemlinsky Quartet
Christoph Eb (horn)
[Praga DSD250281]
 パヴェル・ハースQとともに、チェコの若い世代を代表するツェムリンスキー四重奏団。かれらの新譜はSACDなのも魅力で、つねに楽しみ。今回は今年の「ラ・フォル・ジュルネ」でも演奏する予定のグラズノフ。ジャケも渋くて好き。(2012.02.22)
 
Wagner: Parsifal
Christian Elsner, Franz-Josef Selig, Michelle DeYoung, Evgeny Nikitin, Elke Wilm Schulte, Dimitry Ivashchenko
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2011.4.8 Berlin
[Pentatone PTC5186401]
 前作《マイスタージンガー》で素晴らしい響きを聴かせてくれた、ヤノフスキとベルリン放響のワーグナー10作禄音シリーズの第3弾。《パルジファル》の音楽もスタイルが合いそうなので楽しみ。オケの充実に較べて歌は…という印象のあるシリーズだけれど、今回はフランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ、デ・ヤングなどの登場で、改善されるか?(2012.02.21)
 
Schubert: Die schöne Müllerin
Hans Joerg Mammel (tenor)
Arthur Schoonderwoerd (fortepiano by Nanette Streicher, Vienna 1814)
[Raum Klang RK3104]
 マンメルとスホーンデルヴルトのコンビによる歌曲集というと、2006年にαから出た《冬の旅》が素晴らしかった。その次のメンデルスゾーン(Carus)はもう一つだったが、再びシューベルトということで期待が高まる。レーベルはまた変って、Raum Klang。(2012.02.19)
 
R Strauss: Elektra
Inge Borkh (Elektra), Leonie Rysanek (Chrysothemis), Jean Madeira (Klytämnestra), Ramón Vinay (Aegisth), Hermann Uhde (Orest) & Mignon Dunn, Mary Mackenzie, Carlotta Ordassy, Margaret Roggero, Teresa Stratas (Maids)
Metropolitan Opera Orchestra & Chor
Joseph Rosenstock
1961.3.25 New York
[Walhall WLCD0354]
 ローゼンストックのメト・ライヴ、1.6紹介の《トリスタン》に続いて、翌週放送の《エレクトラ》もやはり登場。嬉しい。Walhallのメト物は、どういう音源によるのか、ときにやたらにいい音のものがあるが、これも「Superb sound!」とあるので、とても楽しみ。
 余白に、ヴァンデルノート指揮の《ワルキューレ》第1幕後半がついている。Mytoのケンペの《サロメ》余白にあったのと同じ演奏だろう。(2012.02.17)
 
Fauré:
Thème & Variations, Op. 73
Barcarolles Nos. 1-13

Giulio Biddau (piano)
2010
[Aparté AP026]
 1985年、イタリアのサルディニア出身のピアニスト、ジュリオ・ビダウのデビュー盤。チッコリーニの弟子だという。どのような演奏をするのか知らないが、Apartéが出すのだから聴いてみる。(2012.02.16)
 
Bruckner: Symphonie Nr. 9 d-moll
RSO Stuttgart des SWR
Roger Norrington
2010
[Hänssler CD93.273]
 ノリントンとシュトゥットガルト放響のブルックナー・シリーズ。3、4、6、7に続く第5弾は、交響曲第9番。このコンビのCDもあといくつ出るのかを思うと、感慨深い。(2012.02.15)
 
Rachmaninov: Piano Concerto No. 3 in D minor, Op. 30
Rubinstein: Piano Concerto No. 4 in D minor, Op. 70

Joseph Moog (piano)
Deutsche Staatsphilharmonie Rheinland Pfalz
Nicholas Milton
2010
[ONYX ONYX4089]
 1987年生れのドイツの若きヴィルトゥオーゾ、ヨーゼフ・モーク。これまではClavesに録音していたが、これはOnyxでのデビュー盤。ラフマニノフとルビンシテイン、ともにヨーゼフ・ホフマンゆかりの協奏曲というのがポイント。旧譜の選曲を見ても、東欧系のロマン派のヴィルトゥオーゾたちに対する思い入れの深さがうかがえるので、楽しみ。ジャケがこれも「マシーン・エイジ」風で、シブイ。(2012.02.14)
 
Berlioz en Italie - Suite instrumentale d'après Roméo et Juliette / Harold en Italie / Carnaval Romain
Ensemble Carpe Diem
[Ambroisie]
 アンサンブル・カルペ・ディエム、《展覧会の絵》などのロシア管弦楽曲集も気に入ったので、さらに検索。これは《キリストの幼時》の翌年、2006年に出たベルリオーズ作品集。《ロメオとジュリエット》《イタリアのハロルド》《ローマの謝肉祭》の抜粋を組曲にして、題して「イタリアのベルリオーズ」。このタイトルに感心して、買ってみる。さらに《夏の夜》も出ていたらしいが…。(2012.02.13)
 
The Soviet Experience Volume II
Prokofiev:
String Quartet No. 2 in F major, Op. 92
Shostakovich:
String Quartet No. 1 in C Major, Op. 49
String Quartet No. 2 in A major, Op. 68
String Quartet No. 4 in D major, Op. 83
String Quartet No. 3 in F major, Op. 73

Pacifica Quartet
[Cedille CDR90000130]
 アメリカの誇る俊英、パシフィカ四重奏団。ショスタコーヴィチとその同僚の弦楽四重奏曲を集めた「ソビエト・エクペリエンス」シリーズの第2集は、1938年から49年にかけてのスターリン圧政と戦争の時代につくられた初期4曲と、同時期1941年作曲のプロコフィエフの第2番。
 第1集ではシャープにしてしなやかな、現代的なアプローチが冴えていたので、この巻も楽しみ。前回に続いて、強烈なジャケットが楽しい。(2012.02.12)
 
Music From The Machine Age
Bartók: The Miraculous Mandarin, Op. 19, Sz. 73 (suite)
Holst: The Perfect Fool, Op. 39/H 150: Ballet Music
Prokofiev: Scythian Suite, Op. 20
Ravel: La Valse
Schulhoff: Ogelala (excerpts)

Borusan Istanbul Philharmonic Orchestra,
Sascha Goetzel
2011
[ONYX ONYX4086]
 数年前からPMFや東響などに客演して、怪人ぶりが話題の指揮者、ゲッツェル。いまも神奈川フィルに登場。
 私は聴いたことがないのだけれど、評判にひかれて、かれが率いるトルコの交響楽団の新譜を買ってみる。「機械時代の音楽」という選曲も好きなので。ボルサンというのはトルコの大企業の名前だという。ONYXではこれが2枚目。(2012.02.10)
 
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲
神戸市室内合奏団
ゲルハルト・ボッセ(指揮)
2011.3.10 神戸文化ホール 中ホール
[Altus ALT227]
 2月1日にボッセが90歳で亡くなったため、残念ながら追悼盤となってしまったブランデンブルク全曲。東日本大震災前日の神戸でのライヴ。2日後には紀尾井ホールでの東京公演が予定されていたが、震災の余波で中止となった。
 私も半年前、紀尾井シンフォニエッタを指揮した2010年9月25日の演奏会での《エロイカ》の素晴らしさに感動していたので、この東京公演をぜひ聴きたいと思っていたが、はたせなかった。
 あの日の《エロイカ》の素晴らしさは、20世紀前半の新即物主義と21世紀前半のピリオド様式とを、高い次元で厳しくも見事に融合させた点にあった。その希有の芸術を、このディスクで偲びたい。(2012.02.08)
 
Berlioz: L'Enfance du Christ, Op. 25
(arr. Jean-Pierre Arnaud)
Françoise-Marie Drieux (soprano), Lionel Peintre (baritone), Christian Fromont (speaker)
Ensemble Carpe Diem
Jean-Pierre Arnaud
2003.2 Paris
[Ambroisie AMB9939]
 1.15に紹介した同団体の「Tristan et Yseult」にツボをつかれ、とても気に入ったので購入決定。《キリストの幼時》の縮小編曲で、合唱なし。中世音楽を意識したベルリオーズの作品をどのように料理してくれるか、とても楽しみ。(2012.02.07)
 
Lekeu: l'œuvre pour quatuor à cordes
 Molto Adagio
 Quatuor à cordes
 Méditation
 Menuet

Quatuor Debussy
2010.3
[Timpani 1C1182]
 愛好者の多い作曲家ルクーの、弦楽四重奏のための作品集。モーツァルトのレクイエムの弦楽四重奏版で名高いフランスのドビュッシー四重奏団による演奏だけに、期待度高し。(2012.02.06)
 
Mahler: Symphony No. 1 D Major
Webern: "Im Sommerwind"

SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
François-Xavier Roth
2011.10 & 11 Freiburg
[Hänssler 093.294.000]
 2月半ばに来日するロト&SWR響のライヴ。カンブルランに代って、2011年秋からこの長い名前のオケ(日本公演では南西ドイツ放送~)のシェフに就任したロトとの初録音。派手ではないが味のある指揮者が、レ・シエクルを指揮したときとはどんな違いを聞かせてくれるのだろうか。(2012.02.03)
 
Mozart: Piano Concertos No.20 K.466, No.21 K.467
Arthur Schoonderwoerd (Fortepiano)
Ensemble Cristofori
[Accent ACC24265]
 極小編成のオーケストラ、アンサンブル・クリストフォリとのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集とか、マンメルと共演した《冬の旅》など、αレーベルに面白い盤を録音してきたオランダのフォルテピアノ奏者、スホーンデルヴルト。最近はPan Classicsに録音するなど、αを離れたらしい。Accentでの新作は、モーツァルトのピアノ協奏曲集。ベートーヴェン同様の編成と思われるので、楽しみ。(2012.02.02)
 
Richard Strauss: Lieder
Ständchen; Herr Lenz; Ich liebe dich; Freundliche Vision; Befreit; 4 Lieder op. 27; Lieder op. 10; 6 Lieder op. 19

Daniel behle(Tenor),
Oliver Schnyder(Piano)
2011
[Capriccio C5110]
 ダニエル・ベーレとオリヴァー・シュニーダーのコンビによるR・シュトラウス歌曲集。ベーレはシュニーダーと組んだリート・リサイタル盤がとても面白かったのに、ピアニストを変えたその後のディスクは《美しき水車小屋の娘》など、薄味でさっぱりよくなかった。ここで再びシュニーダー登場、しかもR・シュトラウス作品ということで、これは期待できそう。(2012.02.01)
 
Ysaye: Six Sonatas for solo violin Op. 27
Tai Murray (violin)
2011.3 New York
[Harmonia Mundi HMU907569]
 シカゴ生まれのヴァイオリ二スト、タイ・マレイのデビュー盤。イザイでデビューするヴァイオリ二ストにはあまりいい思い出がないのだけれど、ハルモニア・ムンディが選んだアーティストに、ここでそのジンクスを吹き飛ばしてもらいたい。(2012.01.31)
 
Falla: Works for Stage and Concert Hall
Noches en los jardines de Espana
El sombrero de tres picos

HomenajesJean-Efflam Bavouzet (piano)
Raquel Lojendio (soprano)
BBC Philharmonic
Juanjo Mena
[Chandos CHAN10694]
 ノセダに代って、昨年秋からBBCフィルの首席指揮者をつとめるファンホ・メナ。お国ものの「ラ・ムジカ・デ・エスパーニャ」シリーズ第1弾が、このファリャ。「スペインの夜」にシャンドスのエース・ピアニスト、バヴゼが参加しているのも聞き物。シャンドスというと、音量が小さめで響きの抜けが悪い、いかにも20世紀末風のままの音質というイメージがあるが、スペイン音楽ではスパッと一新してほしいところ。(2012.01.29)
 
1700 The Century Of The Portuguese
 Almeida, F A: Cantata "A quel leggiadro"
 anon (attributed to Carlos Seixas): Concerto in G minor
 Avondano, P A: Scena de Berenice; Aria "Ah, non sai bella Selene"
 Avondano, P G: Sinfonia in D major; Sinfonia in F major

Gemma Bertagnolli (soprano)
Fernando Miguel Jaloto (harpsichord)
Divino Sospiro,
Enrico Onofri
2010 Lisbon
[Dynamic CDS709]
 指揮者としてのオノフリの面白さを知ったのは、ラ・フォル・ジュルネにポルトガルのアンサンブル、ディヴィーノ・ソスピーロとともに登場したときだった。そのかれらを指揮して、18世紀ポルトガルの作曲家の珍しい作品を集めた1枚。バロック音楽で大活躍中のソプラノ、ベルタニョッリがカンタータやアリアを歌っているのも期待させる。Dynamicの活動も、このところとても面白い。(2012.01.27)
 
Céline Moinet: Solo Oboe
 CPE Bach: Oboe Sonata in A minor, Wq. 132, H. 562
 JS Bach: Partita in A minor for solo flute, BWV1013
 Berio: Sequenza VII for oboe
 Britten: Six Metamorphoses after Ovid for solo oboe, Op. 49
 Carter: Inner Song for oboe

Céline Moinet (oboe)
[Harmonia Mundi HMC902118]
 セリーヌ・モワネは1984年フランスのリル生れ。2008年からシュターツカペレ・ドレスデンの首席オーボエ奏者をつとめている。2011年秋のウィーン・フィル来日公演にも参加したという。どのような演奏か、とにかく聴いてみる。(2012.01.26)
 
Britten:
 Violin Concerto in D minor Op. 15
 Double Concerto
 Lachrymae for viola & strings, Op. 48a

Anthony Marwood (violin) & Lawrence Power (viola)
BBC Scottish Symphony Orchestra
Ilan Volkov
2011.1 Glasgow
[Hyperion CDA67801]
 ヴォルコフ&BBCスコティッシュ響の新譜は、実力派の独奏者2人と共演したブリテンの協奏曲集。グラインドボーンでの《夏の夜の夢》やオズボーンとのピアノ協奏曲など、ブリテンを得意とするヴォルコフだけに楽しみ。(2012.01.25)
 
Schubert:
 Impromptu in B flat major, D935 No. 3

Beethoven:
 Piano Sonata No. 6 in F major, Op. 10 No. 2
 Piano Sonata No. 29 in B-flat major, Op. 106 'Hammerklavier'
Wilhelm Backhaus (piano)
1959.9.24 Bonn
[ica classics ICAC5055]
 バックハウスの1959年、ボンでのライヴ・リサイタル。メインの《ハンマークラヴィーア》は、1952年のデッカ録音、56年のカーネギー・ホール・ライヴに続く3種め。(2012.01.22)
 
L'Arpeggiata: Los Pajaros Perdidos The South-American Project
Philippe Jaroussky (countertenor)
L'Arpeggiata
Christina Pluhar (direction)
[Virgin 0709502]
 プルハール率いる古楽アンサンブル、ラルペッジャータの新作は、17世紀から現代までの南米音楽を集めた1枚。アルバム・タイトルはピアソラの〈迷子の小鳥〉から。民俗音楽やジャズなどの響きを採り入れた、自由で新鮮なアプローチが魅力の団体だけに、南米の楽器などの使用が楽しみ。ジャルスキーも大活躍するらしい。(2012.01.21)
 
Mozart:
 Piano Concerto No. 11 in F major, K413
 Piano Concerto No. 12 in A major, K414
 Piano Concerto No. 13 in C major, K415

Andrea Bacchetti (piano)
Orchestra Di Padova E Del Veneto, Carlo Goldstein
2010.7
[Dynamic CDS713]
 バッハとイタリア・バロック期の鍵盤曲演奏に、モダン・ピアノで新風を吹き込んでいるバケッティ(バッケッティ)。前作のB・マルチェッロ(イタリアRCA)はとりわけ素晴らしかった。新作はモーツァルトのピアノ協奏曲集。第11番と第12番は2006年に別レーベルにライヴ録音しているから、再録音ということになる。しかしここ数年で一段と表現が深まっているだけに、楽しみ。今年は夏にPMFで来日するので、それにも期待している。(2012.01.20)
 
Russian Piano Trios
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32
Rimsky Korsakov: Piano Trio in C minor (ed. Maximilian Steinberg)

Kinsky Trio Prague: Lucie Sedlakova Hulova (violin), Martin Sedlak (cello) & Slavka Pechocova (piano)
2011
[Praga Digitals DSD250285]
 19世紀末のロシアのピアノ三重奏を2曲。チェコのキンスキー・トリオは1998年結成の若手。マルチヌーやチェコ作品集などがPRAGAから出ている。「チェコは要注意」なので聴いてみる。(2012.01.17)
 
Brahms:
 Symphonien Nr. 1-4
 Haydn Variationen op. 56a
 Tragische Ouvertüre op. 81
 Akademische Festouvertüre op. 80

Helsingborg Symphony Orchestra
Andrew Manze
2009 & 2010
[CPO] (3SACD)
 アンドルー・マンゼ指揮ヘルシンボリ交響楽団によるブラームスの交響曲全集が、なんとCPOから登場。ヴェンツァーゴのブルックナー全集といい、最近のCPOは珍曲路線だけでなく名曲録音の分野でも、じつに冴えている。
 マンゼとかれが2006年から首席指揮者をつとめるこのオケとのコンビは、ハルモニア・ムンディに録音した《エロイカ》の躍動的な演奏が素晴らしかった。それだけにこのブラームスも、本当に楽しみ。序曲なども含めてSACD3枚組というのも聴きごたえがありそうで、嬉しい。(2012.01.16)
 
Wagner: Tristan et Yseult
(Prélude / Philtre / Passion / Lumière / Rêve / Avertissement / Renaissance / Trahison / Confidence / Pastorale / Soleil / Sacrifice / Amis / Mort de Yseult)

Lambert Wilson (narrator), Christine Schweitzer (soprano)
Ensemble Carpe Diem
Jean-Pierre Arnaud (Transcription and musical direction)
[Indesens INDE035]
 ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》をソプラノ独唱と室内楽用に編曲抜粋し、ナレーションを加えたもの。アンサンブル・カルペ・ディエムはオーボエ奏者のジャン=ピエール・アルノーが1993年に創設、音楽監督をつとめる団体で、これまでに《キリストの幼時》や《展覧会の絵》の室内楽版などのCDが出ている。
 ちなみに編成は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、フルート、トランペット、ホルン、ティンパニ、それにアルノー自身のオーボエ&イングリッシュ・ホルンの10人。
 こうした縮小版は、編曲のセンスがすべてを左右するだけに、聴いてみないと判断できないが、「交響よりも合奏を」が今年の自分のモットーなので、聴いてみる。《キリストの幼時》も好きな曲なので、これが気に入ったら買ってみるつもり。(2012.01.15)
 
Shostakovich: Piano Concertos
Shostakovich:
 Piano Concerto No. 2 in F major, Op. 102
 Violin Sonata, Op. 134
 Piano Concerto No. 1 in C minor, Op. 35

Alexander Melnikov (piano)
Isabelle Faust (violin), Jeroen Berwaerts (trumpet)
Mahler Chamber Orchestra,
Teodor Currentzis
[Harmonia Mundi HMC902104]
 メルニコフのピアノによるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲集とヴァイオリン・ソナタ。個人的にはファウストのヴァイオリンと、指揮にあのクルレンツィスを起用していることが注目点。ハルモニア・ムンディの素早いクルレンツィスの起用には快哉を叫ぶし、ますますこのレーベルが「闇夜のともしび」のようにも思えてくる。(2012.01.12)
 
Barbarian Beauty
Baroque Virtuoso Concertos for Viola da Gamba and Orchestra
JG Graun: Concerto in D major for Viola da Gamba
Tartini: Concerto in A Major for viola da gamba, strings and basso continuo
Telemann: Double Concerto in A minor for Recorder, Gamba and String Orchestra
Vivaldi: Concerto for Violin & Viola da gamba, 'La maggiore' RV546

Dorothee Oberlinger (recorder), Mayumi Hirasaki (violin), Marcel Comendant (cymbalon)
Vittorio Ghielmi (viola da gamba and direction)
Il Suonar Parlante Orchestra
2010
[Passacaille PAS972]
 ヴィオラ・ダ・ガンバの名手ギエルミが、自身の主宰するイル・スオナール・パルランテを指揮してパッサカイユに録音した協奏曲集。リコーダーのオバーリンガー、ヴァイオリンの平崎真弓、タンピエリ、チェロのテストーリなどをそろえているだけでなく、「蛮人の美」と題して、ツィンバロンも参加した東欧民俗音楽風の響きらしいのが面白そう。(2012.01.11)
 
Poulenc: Dialogues des Carmélites
Sally Matthews, Deborah Polaski, Heidi Brunner, Michelle Breedt, Hendrickje van Kerckhove
Arnold Schönberg Chor
ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Bertrand de Billy
2008 & 2011 Theater an der Wien
[Oehms OC931]
 近年はDVDでもよく発売される《カルメル会修道女の対話》。これはCDで、ド・ビリーがアン・デア・ウィーン劇場で指揮したライヴ録音。2008年と11年の上演を編集したものという。(2012.01.09)
 
Bartok: Duke Bluebeard's Castle
John Tomlinson, Jeanne-Michele Charbonnet, Matyas Sarkozi
BBC Symphony Orchestra
Jukka-Pekka Saraste
2004 BBC Proms
[Warner 2564619532]
 LPOとのシベリウス&ルトスワフスキ、ケルンWDR響とのマーラーの第9などで、俄然興味のわいたサラステ。これはBBC響の首席客演指揮者だった時期の2004年に、プロムスで指揮した《青ひげ公の城》。2005年の旧譜だが、サラステの20世紀音楽をとにかく聴いてみたいので。(2012.01.07)
 
Wagner: Tristan und Isolde
Birgit Nilsson, Karl Liebl, Jerome Hines, Irene Dalis, Walter Cassel,
Metropolitan Opera Orchestra & Chor
Joseph Rosenstock
1961.3.18 New York
[Walhall 0344]
 ローゼンストックがメトで指揮した《トリスタン》全曲。ニルソンとの共演。本来はベームが前シーズンに引き続いて指揮するはずだったが、1960年12月に眼病のために急遽帰墺して降板したため、ローゼンストックが代役として登場し、《エレクトラ》とともに指揮した。好評により、その後数年間にわたってローゼンストックはメトで指揮することになる。
 CD化された《マイスタージンガー》(ユダヤ人感情を意識して、最後のザックスのドイツ芸術讃歌がばっさりカットされたもの)《ローエングリン》《マクベス》のほか、ダ・ポンテ三部作や《ファルスタッフ》などもラジオ中継の録音が残っている。この《トリスタン》はテープなどでは聴けたが、初レコード化のはず。
 後年になるにつれ緊張感が緩む傾向が否定できないので、早い時期のライヴの登場は嬉しい。翌週の《エレクトラ》も出してほしいもの。(2012.01.06)
 
Brahms:
Piano Trio No. 3 in C minor, Op. 101
Liszt:
Tristia, S723 (arranged from Vallée d'Obermann S160/6)
Schönberg:
Verklärte Nacht, Op. 4 (arranged by Eduard Steuermann)

Boulanger Trio
2011.7 Köln
[Profil PH11042]
 ブーランジェ・トリオは2006年にハンブルクで結成され、現在はベルリンを拠点とする、女性ばかりのドイツのピアノ・トリオ。これまでにARSから2枚CDが出ていて、このプロフィル盤が3枚目となる。その演奏はまったく聴いたことはないのだが、ブラームス、リスト、シェーンベルクという選曲のよさに惹かれた。
 シュトイアマン編曲の《浄夜》のピアノ三重奏版は、昔デ・レーウ、ベス、ビルスマの演奏会で聴いて面白かったもので、ここで久しぶりに聴く。(2012.01.05)
 
D. Scarlatti: Vivi Felice
Sonatas for harpsichord
D. Scarlatti:
Sonata K11 in C minor
Sonata K87 in B minor
Sonata K127 in A flat major
Sonata K141 in D minor
Sonata K175 in A minor
Sonata K206 in E major
Sonata K213 in D minor
Sonata K214 in D major
Sonata K235 in G major
Sonata K274 in F major
Sonata K318 in F sharp major
Sonata K319 in F sharp major
Sonata K422 in C major
Sonata K423 in C major
Sonata K429 in A major
Sonata K450 in G minor
Sonata K454 in G major
Sonata K455 in G major

Diego Ares (harpsichord)
[Pan Classics PC10258]
 2012年最初の1枚は、1983年生れのスペインの新鋭チェンバロ奏者、ディエゴ・アレスの演奏で。同レーベルからソレルのソナタ集がすでに出ているが、全部ソレルというのが個人的に苦手で、敬遠していた。スカルラッティだけというのもやはり得意ではないが、とにかくこの奏者を聴いてみたいので。(2012.01.04)
・2011.12.31 以前の掲載分
マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』
カスリン・フェリア(コントラルト)
ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団&合唱団
オットー・クレンペラー(指揮)
1951年7月12日、アムステルダム
[Otaken Records TKC-341]
 音を聴いてみるまでは何とも言えないと思っていた盤を聴きおえたので、2011年の最後に。
 LP時代、「クレンペラーのライヴは凄まじい」と初めて教えてくれたのが、米ワルター協会の発売した、1951年アムステルダムでのフェリアとの《復活》のライヴ盤だった。しかしその後に正規発売されたデッカ盤はノイズカットのしすぎでひどい音になり、ギルド盤はそれよりもずっとよかったが、テープの劣化によるらしい歪みや、やはりノイズカットによる鼻づまりが否めず、ワルター協会盤の生々しい、乾坤一擲の圧倒的な迫力は失われたままだった。
 今回、「未開封非発売見本盤」を板起ししたというオタケン盤は、いったい何の「未開封非発売見本盤」なのかは不明だが、音の印象は記憶の中にあるワルター協会盤に、とても近い。再評価の進んでいる「1950年代のクレンペラー」の、最良の実例の一つとして、強力に推薦。(2011.12.31)
 
JS Bach: Goldberg Variations BWV988
(arranged for 6 viols by Richard Boothby)

Fretwork
2011.3
[Harmonia Mundi - HMU907560]
 入手済だが、紹介しそこねていた盤。演奏がとても素晴らしかったのでここで。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者6人によるアンサンブル、フレットワークによるゴルトベルク。メンバーのブースビーが編曲したもの。
 絶妙な呼吸感をもった演奏で、それによる各楽器の対話が響きの変化を生む。似たような響きで単調になるかと思ったが、それは的外れもいいところだった。明暗法と濃淡による、奥深いアンサンブルの妙。(2011.12.30)
 
Schostakowitsch: Cellokonzert Nr. 1 op. 107
Britten: Cello Symphony op. 68

Johannes Moser
WDR SO Köln
Pietari Inkinen
2011
[Hänssler 98643]
 ヘンスラーが継続的に録音を発売しているドイツの若手チェリスト、モーザーの新譜は、ショスタコーヴィチとブリテン。日フィルの客演指揮者としておなじみのインキネンが指揮しているのに惹かれて。(2011.12.27)
 
Albéniz:
Suite Iberia,
Navarra

2006 Madrid
Luis Fernando Pérez (piano)
[Verso VRS2045]
 2007年の旧譜なのだけれど、未入手だったので。日本でもラ・フォル・ジュルネで一躍人気者となった、1977年生れのペレス。最新盤のグラナドス作品集は未聴だが、いくつか聴いた既発売のMirare盤は音質のせいもあって、今一つよくわからなかった。そこで、別レーベルの旧譜を、いまさらながら聴いてみようと思った次第。もちろんMirareのグラナドスも聴いてみるつもり(2011.12.26)
 
Mozart: Keyboard Music Volume 3
Mozart:
Acht Variationen in F-Dur, K613 ("Ein Weib ist das herrlichste Ding")
Piano Sonata No. 12 in F major, K332
Piano Sonata No. 13 in B flat major, K333
Fantasia in C minor, K396

Kristian Bezuidenhout (fortepiano)
[Harmonia Mundi HMU907499]
 1979年南アフリカ生れの鍵盤楽器奏者、ベザイテンホウト(ベズイデンホウト)のモーツァルト・シリーズ第3弾。第2集がとてもよくなって、鮮やかさが増していたので、今回も楽しみ。(2011.12.23)
 
Lieder von Liebe und Tod (Brahms, Schubert, Spohr)
Christoph Prégardien (tenor) , Tilman Hoppstock (guitar)
[Christophorus CHR77320]
 これは2010年の旧譜。プレガルディエン (息子も活躍しはじめたから、大プレガルディエンと呼ぶべきか) とギターのホップシュトックによるドイツ・ロマン派歌曲集24曲。先に入手した同コンビの 《冬の旅》 抜粋などの 「ライヴ録音集」 がとてもよかったので、購入。最近のチャレンジ・クラシックス・レーベルでのプレガルディエンは、音質もあって表現がやや重すぎるように感じられるので… 。(2011.12.22)
 
Toscanini conducts various Orchestras 1929-1952
Schubert:Symphony No. 9 in C major D.944, Elgar:Enigma Variations Op.36, etc.

Philadelphia Orchestra, BBC Symphony Orchestra, Philharmonic-Symphony Orchestra of New York, La Scala Orchestra, Vienna Philharmonic Orchestra, Philharmonia Orchestra,
Arturo Toscanini
1929-1952
[Guild Historical GHCD 2384/85]
 ギルドのトスカニーニ・シリーズの新作は、NBC交響楽団以外の各国のさまざまなオーケストラを指揮した録音を集めたもの。商業録音や放送音源など、既発のものが大半で新味に欠けるが、一つだけ、1934年8月26日のザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィルとの《ジークフリートの葬送行進曲》は、これが初CD化ではないかと思う。オペラ公演ではない演奏会では、これがウィーン・フィルとの現在唯一の録音のはず。ロッテ・レーマンも出演したというこの日のワーグナー演奏会の全曲が、もし残っていたら素晴らしいのだが…。(2011.12.21)
 
Beethoven: Piano Sonatas Volume 1
Beethoven:
Piano Sonata No. 5 in C minor, Op. 10 No. 1
Piano Sonata No. 11 in B flat major, Op. 22
Piano Sonata No. 12 in A flat major, Op. 26 'March Funebre'
Piano Sonata No. 26 in E flat major, Op. 81a 'Les Adieux'

Jonathan Biss (piano)
[Onyx ONYX4082]
 ウィグモア・ホールでのリサイタル・ライヴ盤などは素晴らしい出来なのに、EMIではくぐもった音質の関係で本領を発揮できていないように感じられたピアニスト、ビス。オニックス(オニキス)でお得意のベートーヴェンのソナタ全集に着手するということで、これがその第1弾。がっしりした演奏にふさわしい音質を期待。(2011.12.20)
 
Mozart: Le nozze di Figaro
Fernando Corena (Figaro), Elisabeth Söderström (Susanna), Ernest Blanc (Almaviva), Elisabeth Schwarzkopf (Countess), Teresa Berganza (Cherubino), Giorgio Tadeo (Bartolo), Edda Vincenzi (Marcelina), Hugues Cuénod (Basilio, Don Curzio) & Heather Harper (Barbarina)
Philharmonia Orchestra & Chorus
Carlo Maria Giulini
1961.2.6 Royal Festival Hall
[Walhall WLCD0339]
 ジュリーニ、シュヴァルツコップの1961年の《フィガロの結婚》ライヴという情報を見て、てっきり既発売の6月のオランダ音楽祭の上演と思い込んだのだが、よく見たら4か月前のロンドンでの演奏会形式のライヴで、キャストもコレナやベルガンサなど、大幅に異なるものだった(アントニオは若きカプッチッリだそうだ)。テープなどでも見たことのない、珍しい音源の初登場。
 この時期のジュリーニはウォルター・レッグに重用され、実演でも録音でもフィルハーモニア管弦楽団とよく共演していた。特にこのときは直前の1月22日にヴェルディのレクイエム、続いて2月20日に《ドン・ジョヴァンニ》の演奏会形式と、声楽つきの大曲を3連続で指揮している。会場は発売情報にロイヤル・アルバート・ホールとあるが、これは誤りで、当時の『OPERA』にロイヤル・フェスティヴァル・ホールとある。
 このあとレッグは5月に、クレンペラー指揮で《魔笛》の演奏会形式上演を行なっている(ゲッダやベリーの出演)。この《フィガロ》が出てきたということは、ひょっとするとそれも、前述の《ドン・ジョヴァンニ》とともに残っているのかも知れない。ぜひ世に出てほしいもの。(2011.12.17)
 
Berg: Konzert für Violine und Orchester "Dem Andenken eines Engels"
Beethoven: Konzert für Violine und Orchester D-Dur op.61

Isabelle Faust(Violine)
Orchestra Mozart
Claudio Abbado
2010.11 Bologna
[Harmonia Mundi HMC902105]
 イザベル・ファウストの強力新譜。アバド&モーツァルト管をバックに、ベルクとベートーヴェンの協奏曲。初録音のベルクはもちろん、後者も旧盤のオケがもう一つ冴えなかっただけに、期待の大きい再録音。グラモフォンではない音質でアバド&モーツァルト管が聴けるというのも、とても楽しみ。(2011.12.16)
 
Sibelius:
Pohjola's Daughter, Op. 49
Symphony No. 5 in E flat major, Op. 82
Lutoslawski:
Concerto for Orchestra

London Philharmonic Orchestra
Jukka-Pekka Saraste
2008.10 & 2 London
[LPO LPO-0057]
 ということで、すでに入手した盤だが、タイミングが合わず紹介しそこねた、サラステとLPOによるシベリウスとルトスワフスキを、せっかくなのでここで。イギリスのサイトなら廉価盤で気楽に買えるのに、日本だとフルプライスみたいに高いのが残念だが…。(2011.12.15)
 
Stravinsky:
L’Oiseau de feu
Scherzo Fantastique, Op. 3

WDR Sinfonieorchester Köln,
Jukka-Pekka Saraste
2010.9 & 12 Köln
[Profil PH11041]
 活動歴も録音歴もそれなりにある人だが、近年になってその演奏の充実が、以前とは格段の差で注目されはじめているサラステ(1956年生れ)。特に、2010年から首席指揮者をつとめるケルンWDR交響楽団とのマーラーの第9番などは日本でも評価が高い。私もLPOの自主制作シリーズで出たシベリウスとルトスワフスキを聴いて、構造感の把握の確かさと鮮やかな手際に驚いた。これはケルンでの第2弾。ビシュコフ時代からWDR響のProfil盤は音質の良さも有名なだけに、その点にも期待。(2011.12.14)
 
Rachmaninov:
Caprice Bohémien, Op. 12
Vocalise, Op. 34 No. 14 - arrangement for orchestra
Symphony No. 3 in A minor, Op. 44

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
Vasily Petrenko
2010 Liverpool
[EMI 6790192]
 ナクソスのショスタコーヴィチの交響曲シリーズで人気の高まったV・ペトレンコとロイヤル・リヴァプール・フィルのコンビが、EMIにラフマニノフの交響曲第3番などを録音。数年前のタヴナーのレクイエムに続いて、EMIでは2枚目となる。目の覚めるような音質改善があったりしたら、とても素敵だけれど…。(2011.12.13)
 
Paul Paray - Live à Détroit
Beethoven: Concerto pour piano n°2, op. 19
Mendelssohn: Concerto pour violon op. 64
Mahler: Symphonie n° 5

Glenn Gould (piano)
Arnold Steinhardt(violon)
Detroit Symphony Orchestra
Paul Paray
1959&1960 Detroit
[Tahra TAH721]
 パレーとデトロイト交響楽団の定期演奏会のラジオ中継のライヴ録音。パレーのデトロイトでの定期演奏会の大半は、モノラルだが良質な録音が残っており、これもその一つ。マーラーの5番の快速の演奏は以前から大好きな演奏なので、CD化はとても嬉しい。
 演奏会形式の《カルメン》や英語版の《サムソンとデリラ》の全曲などなど、ほかにも颯爽とした録音が多数残されているので、どんどんCD化してほしいところだが、EC内の著作隣接権が70年に延長されると、難しくなるか…。(2011.12.12)
 
Verdi: La Traviata
Ileana Cotrubas (Violetta Valéry), Nicolai Gedda (Alfredo), Cornell MacNeil (Germont pere), Edita Gruberova (Flora Bervoix), Emmy Loose (Annina), Kurt Equiluz (Gastone), Ernst Gutstein (Barone Douphol), Harald Pröglhöf (Marchese d'Obigny), Herbert Lackner (Dottore Grenvil)
Chor & Orchester der Wiener Staatsoper
Josef Krips
1971.12.25 Wien
[Orfeo C816112i]
 オルフェオのウィーン国立歌劇場シリーズの新譜は、1971年クリスマスのクリップス指揮の《椿姫》。コトルバス、ゲッダ、マックニール、それに端役を歌っていた頃のグルベローヴァがいる。以前アルカディアから出ていたが、正規音源で音質向上を期待。(2011.12.10)
 
Shostakovich: Festive Overture, Op. 96
Tchaikovsky: Symphony No. 5 in E minor, Op. 64

Orchestre National du Capitole de Toulouse
Tugan Sokhiev
2010.7 Toulouse
[Naive V5252]
 日本でも人気の高いソヒエフの新譜は、手兵トゥールーズとのチャイコフスキーの交響曲第5番。
 ところで、ソヒエフは2012年からベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督になるそうだ。ご承知の通り、いまや独英仏の西欧では、旧ソ連出身の指揮者たちが大活躍して、欠かせない存在になっている。
 それぞれに個性の差はあれ、共通するのは、大編成でも響きを混濁させずに骨格を形成し、筋肉質で骨太の強い輪郭で、各声部を明確に描き分けられる能力だ。
 いまや20世紀型の大交響楽団を活性化できるのは、ピリオド奏法の導入を除くと、派閥としては(特定の個人的才能は別として)かれらしかいないのかも知れない。
 しかしそうすると、危機に瀕した大交響楽団がたくさんあるはずのアメリカでかれらの存在が目立たないのは、どうしてなのだろう? 米側が歓迎しないのか、かれらが行きたがらないのか? 長い冷戦の影響は、案外こんな部分にわだかまっているのか? それとも?
(とはいえ、先日のライヴビューイングの《アンナ・ボレーナ》でも痛感したが、メトロポリタン歌劇場は例外らしく、ロシアン・コネクションが強い。オペラだけは西欧との結びつきを無視できないからか?)(2011.12.09)
 
Liszt: Funérailles (Harmonies poétiques et religieuses, S. 173 No. 7)
Neuburger: Maldoror
Barraqué: Piano Sonata
Debussy: Et la lune descend sur le temple qui fût (No. 2 from Images pour piano - Book 2)

Jean Frédéric Neuburger (piano)
2011 Cité de la musique, Paris
[Mirare - MIR145]
 ヌーブルジェの新譜は、自作の《マルドロール》(ロートレアモンの『マルドロールの歌』による)とジャン・バラック(1928-73)のソナタがメインという、意欲的なプログラム。2011年1月のシテ・ド・ラ・ムジクでのリサイタルのライヴ。(2011.12.08)
 
JS Bach: Weihnachtsoratorium BWV 248
(+Werkeinführung von Wieland Schmid, gesprochen von Christian Brückner, Gert Heidenreich und Udo Wachtveitl)
Rachel Harnisch, Anke Vondung, Maximilian Schmitt, Christian Immler
Chor des Bayerischen Rundfunks
Akademie für Alte Musik Berlin
Peter Dijkstra
2010.12 München
[Br Klassik 900902]
 快進撃の続くダイクストラの新譜は、昨年のミュンヘンでの《クリスマス・オラトリオ》。ベルリン古楽アカデミーの器用も嬉しい。4枚組で、後半2枚はこの録音を使用したヴィーラント・シュミット作の音楽劇。それで価格が高かったら考えてしまうところだが、そうでもないようなのでありがたい。DVDも同時発売。(2011.12.07)
 
Brahms:
Variations on a theme by Haydn for orchestra, Op. 56a
Serenade No. 1 in D major, Op. 11
Hungarian Dance No. 1 in G minor, No. 3 in F major, No. 10 in F major

Bamberger Symphoniker
Robin Ticciati
[Tudor TUDOR7183]
 1983年生れのイギリスの俊英、ティチアーティのテューダーでの第2弾は、前回のブラームスの合唱曲集同様にバンベルク響を指揮した、ハイドン変奏曲やセレナード第1番など。友人から「これはいい」と推薦がきたので、購入を決定。交響曲の録音を後回しにしているのは、なかなか作曲しなかったブラームスの生涯をなぞってのことだろうか。(2011.12.06)
 
Mendelssohn:
Verleih uns Frieden
Christus
O Haupt voll Blut und Wunden
Von Himmel hoch, chorale cantata

Sandrine Piau (soprano), Robert Getchell (tenor) & Markus Butter (baritone)
Accentus & Ensemble Orchestral de Paris,
Laurence Equilbey
2011.6 Paris
[Naive V5265]
 エキルベイ率いるアクサンチュスの新作は、メンデルスゾーンの未完の遺作オラトリオ《キリスト》とカンタータ集。ピオーの参加も楽しみ。(2011.12.05 )
 
Telemann: Suite in B flat major (Tafelmusik)
CPE Bach: Cello Concerto No. 2 in B flat major, Wq 171

Hamburger Rundfunkorchester, Carlos Kleiber
1960.12 Hamburg
[Profil PH11031]
 1960年物。地方歌劇場の楽長としてその名を知られ始めていた時期のカルロス・クライバーが、北ドイツ放送局の若手紹介番組に登場したときのもの。以前から海賊CD-Rで出ていたが、嬉しい正規発売。オーケストラはNDR響とは別の団体。チェロ独奏の記載がないが、Irene Guedelという人らしい。(2011.12.02)
 
Brahms: Symphonien Nr. 1-4
Staatsorchester Rheinische Philharmonie
Daniel Raiskin
2007-2009
[Two Pianists TP1039121]
 これまでは協奏曲の伴奏が多かったが、次第に評価が高まってきた実力派指揮者、ライスキン。1970年サンクトペテルブルク生れで、2005年からライン・フィルハーモニー国立管弦楽団の首席指揮者をつとめている。これは2007年から2009年にかけてのコブレンツやザルツブルク、アムステルダムでのライヴを集めたブラームスの交響曲全集で、オーストリアのレーベルからの発売。3枚組だが日本のサイトではかなり安く買える。
 少し前にCAVI(AVI)から出たショスタコーヴィチの交響曲第4番が、ロシア人らしい骨太な響きと緊張感、しっかりした手応えで聴かせてくれたので、これも楽しみ。CAVI盤は鮮明で実在感の高い音質も大きな魅力だったが、こちらはどうだろう。(2011.12.01)
 
Brian: Symphony No 1 in D minor 'The Gothic'
SUSAN GRITTON(soprano), CHRISTINE RICE(mezzo-soprano), PETER AUTY(tenor), ALASTAIR MILES(bass)
THE BACH CHOIR, BBC NATIONAL CHORUS OF WALES, BRIGHTON FESTIVAL CHORUS, CBSO YOUTH CHORUS, CÔR CAERDYDD, ELTHAM COLLEGE BOYS’ CHOIR, HUDDERSFIELD CHORAL SOCIETY, LONDON SYMPHONY CHORUS, SOUTHEND BOYS’AND GIRLS’CHOIRS,
DAVID GOODE(organ)
BBC National Orchestra of Wales and BBC Concert Orchestra
Martyn Brabbins
2011.7.17 London
[Hyperion CDA67971/2]
 マーラーの《千人の交響曲》を上回る巨大な規模で有名な、イギリスの作曲家ブライアンの交響曲第1番《ゴシック》。2011年のプロムスでの800人が参加した最新ライヴのCD化。高音質を期待。(2011.11.30)
 
Festliches Adventskonzert aus der Dresdner Frauenkirche
1 Glocken der Frauenkirche Dresden
2 Pezelius: Intrada
3 Vivaldi: Gloria aus Gloria In Excelsis Deo
4 Mozart: Laudate Dominum aus Vesperae Solennes de Confessore
5 Hammerschmidt: Machet die Tore weit
6 Franck: Panis Angelicus
7 Haydn: Te Deum - Für die Kaiserin Marie Therese
8 Rossini: Domine Deus aus Petite Messe solennelle
9 Rossini: Cum Sancto Spiritu aus Petite Messe solennelle
10 Praetorius: Der Morgenstern ist aufgedrungen
11 Händel: Rejoice greatly, o daughter of Zion aus Der Messias
12 Tschaikowsky: Ouverture miniature aus Nussknacker Suite
13 Schubert: Ave Maria
14 Hört der Engel helle Lieder

Vittorio Grigolo, Carolina Ullrich
Chöre der Frauenkirche & Semperoper, Staatskapelle Dresden
Bertrand de Billy
2010.11 Frauenkirche Dresden
[Sony 88697963272]
 ドレスデンのフラウエン教会で、シュターツカペレ・ドレスデンなどが出演するアドベント(待降節)の祝賀演奏会のライヴ録音。最新作の2010年盤はド・ビリーの指揮だというので、購入決定。ソニーがイチ押しのグリゴーロ、ドレスデン州立歌劇場で活躍するチリ人ソプラノ、カロリーナ・ウルリヒも出演。なおこのコンサートはエッシェンバッハ指揮の2009年盤や、シュライヤー指揮の2006年盤なども入手可能。ちなみに今年はティーレマンが指揮したそうだ。(2011.11.28)
 
De Seixas: Sonatas
Nicolau de Figueiredo (harpsichord)
[Passacaille PAS971]
 ブラジル出身で、現在はパッサカイユ・レーベルで継続的に演奏を発表しているフィゲイレドの新譜は、ポルトガルの作曲家、カルロス・デ・セイシャス(1704-42)のソナタ集。D・スカルラッティに学び、鍵盤楽器のためのソナタや教会音楽を多数残したバロック~古典派の作曲家だが、作品の大半は1755年のリスボン大地震で失われた人だという。活力に満ちた演奏に期待。(2011.11.27)
 
Elgar Conducts Elgar
The complete recordings 1914 -1925 in new digital transfers from Elgar’s own record library
The Symphony Orchestra & Royal Albert Hall Orchestra
Edward Elgar
1914-1925 London
[Music & Arts MACD1257]
 エルガーのアコースティック録音時代の自作指揮をすべて集めた4枚組。SP11面に及ぶ交響曲第2番やエニグマ変奏曲、チェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、威風堂々第1番と第4番などが含まれるはず。本人の遺品からの新しい復刻とあるので、音質も楽しみ。
 ほとんどは電気録音で再録音されているとはいえ、エルガーはレコード大国イギリスに生れて、自作自演でオーケストラ曲を多数録音した史上初の作曲家といえるから、最初の記録であるこのアコースティック録音全集は、その意味で歴史的意義のあるセットだと思う。(2011.11.25)
 
Tschernobylkonzert 2011- 1. Teil Wort und Musik
Für die Opfer der atomaren Katastrophen in Tschernobyl und Japan
Schostakowitsch: Streichersymphonie op. 110a (orch. R. Barschai)
Russische und ukrainische Chorsätze

Texte von Swetlana Alexijewitsch, Till Bastian, Roland Scholz und Günther Anders
Streicher der Berliner Philharmoniker
Kammerchor CREDO (Bogdan Plish , Leitung)
Therese Affolter und Christian Brückner, Sprecher
2011.4.26 Berliner Philharmonie
[IPPNW CD#73]

Tschernobylkonzert 2011 - 2. Teil Requiem und Pathétique
Für die Opfer der atomaren Katastrophen in Tschernobyl und Japan
Takemitsu: Requiem für Streichorchester
Tschaikowsky: Symphonie Nr.6 h-Moll op.74 "Pathétique"

Staatskapelle Berlin
Andrey Boreyko
2011.4.26 Berliner Philharmonie
[IPPNW CD#74]

 IPPNW(核戦争防止国際医師会議)がベルリンで主催したチェルノブイリ演奏会2011のライヴ録音。チェルノブイリの原発事故から25年目、そしてフクシマの原発事故から46日目のもので、双方の犠牲者に捧げられた。
 ベルリン・フィルの弦楽によるショスタコーヴィチの室内交響曲op.110a、キエフの室内合唱団クレドによるロシアとウクライナの合唱曲、ボレイコ指揮のベルリン・シュターツカペレによる武満徹の《弦楽のためのレクイエム》とチャイコフスキーの《悲愴》などが演奏されている。DVDも同時発売。(2011.11.23)
 
Nemanja Radulovic / The 5 Seasons
Vivaldi: The Four Seasons
Sedlar: Spring in Japan

Nemanja Radulovic (violin)
Double Sens, The Devil’s Trills
2011
[Art Act AR004]
 エキサイティングな演奏を聴かせてくれるヴァイオリニスト、ラドゥロヴィチの新譜は、ヴィヴァルディの《四季》に現代セルビアの作曲家セドラーの《日本の春》を組み合わせた『5シーズンズ』。後者は、震災の惨状を知ったラドゥロヴィチが委嘱したものだという。(2011.11.22)
 
JS Bach: Johannes Passion BWV245 (Version IV, 1749)
Sabine Goetz (Ancilla - soprano), Amaryllis Dieltiens (soprano), Elisabeth Popien, Alexander Schneider (alto), Hans Jorg Mammel (Evangelist - tenor), Georg Poplutz (Servus - tenor), Wolf Matthias Friedrich (Petrus, Pilatus - bass), Markus Flaig (Jesus - bass)
Cantus Cölln
Konrad Junghänel
2011
[Accent ACC24251]
 しっかりした構成感と生命力でバッハを聴かせてくれるユングヘーネルとカントゥス・ケルン。アクサンでの第1作は、ヨハネ受難曲。各パート2人の澄明な響きが楽しみ。(2011.11.20)
 
Shostakovich:
Symphony No. 6 in B minor, Op. 54
Symphony No. 12 in D minor, Op. 112 'The Year 1917'

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra,
Vasily Petrenko
2010 & 2009 Liverpool
[Naxos 8.572658]
 シャープな演奏で好評の続くV・ペトレンコのショスタコーヴィチ交響曲シリーズの新作は第6番と第12番。もう少し抜けのいい音質だったらと、いつも思うのもたしかだが…。(2011.11.18)
 
Wagner: Die Meistersinger von Nürnberg
Albert Dohmen(Hans Sachs), Dietrich Henschel(Sixtus Beckmesser), Robert Dean Smith(Walther von Stolzing), Peter Sonn(David), Edith Haller(Eva), Michelle Breedt(Magdalene)
Rundfunkchor Berlin
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin
Marek Janowski
2011.6.3 Berlin Philharmonie
[Pentatone PTC 5186402]
 ペンタトーン・レーベルはワーグナー記念年の2013年に向けて、主要オペラ10作をヤノフスキ指揮ベルリン放響の演奏会形式上演のライヴ録音で発売する計画という。最初に出た《さまよえるオランダ人》に続く第2弾が、この《マイスタージンガー》。10作をヤノフスキ独りで商業録音すれば、ショルティとバレンボイムに次ぐ偉業となる。(2011.11.17)
 
Liszt: Piano Works
Années de Pélegrinage - Suisse S.160
Deux Légendes S.175
Malédiction for Piano and String Orchestra S.121

Oliver Schnyder (Piano)
Members of Tonhalle-Orchester Zürich
2011
[RCA 88697972242]
 バッケッティとともに個人的に入れ込んでいるピアニストの一人、オリヴァー・シュニーダーの新作は、昨年のシューマンに続く記念年物で、リストの作品集2枚組。《巡礼の年 第1年 スイス》と《2つの伝説》、そしてトーンハレの団員と共演した《呪い》。俊敏なるピアニズムのリストを期待。(2011.11.15)
 
JS Bach: Concertos for Recorder
JS Bach:
Concerto in G major (Arias from Cantatas BWV 215 and 32, transcribed by Thiemo Wind)
Concerto in B flat major BWV1055
Concerto in D major BWV1053
Concerto in D minor ‘BWV1059’
Liebster Jesu, wir sind hier BWV731

Erik Bosgraaf (recorder)
Ensemble Cordevento
2011
[Brilliant Classics 94296]
 玉石混淆のブリリアントのアーティストのなかでも、あまり多くない「玉」がこのボスグラーフ。バッハのチェンバロ協奏曲などをリコーダー協奏曲にしたもの。コルデベントとの協奏曲録音は数年前のヴィヴァルディも溌剌として素晴らしい演奏だっただけに、これも非常に楽しみ。(2011.11.14)
 
Schubert: Piano Sonatas & Impromptus
Schubert:
Piano Sonata No. 15 in C major, D840 'Reliquie'
Piano Sonata No. 17 in D major, D850
Piano Sonata No. 18 in G major, D894
4 Impromptus, D899
3 Klavierstücke, D946

Paul Lewis (piano)
2011 Berlin
[Harmonia Mundi HMC902115/16]
 ハルモニア・ムンディの看板ピアニスト的存在のポール・ルイス。新作は、日本でもシリーズ演奏中のシューベルトのソナタ集&即興曲。パドモアとの歌曲集もすばらしかっただけに、楽しみ。(2011.11.11)
 
Edition Otto Klemperer: The Berlin Recordings 1950-58
Beethoven:
Symphony No. 2 in D major, Op. 36
Symphony No. 6 in F major, Op. 68 'Pastoral'
Egmont Overture, Op. 84
Symphony No. 3 in E flat major, Op. 55 'Eroica'
Piano Concerto No. 3 in C minor, Op. 37
Hindemith:
Nobilissima Visione
Mahler:
Symphony No. 4 in G major
Mozart:
Serenade No. 6 in D major, K239 'Serenata Notturna'
Don Giovanni, K527: Overture
Symphony No. 25 in G minor, K183
Symphony No. 29 in A major, K201
Symphony No. 38 in D major, K504 'Prague'

Hans-Erich Riebensahm (piano)
RIAS Symphony Orchestra Berlin
Otto Klemperer
1950-58 Berlin
[AUDITE 21408]
 アウディーテのRIAS音源ものの新譜は、嬉しいクレンペラー5枚組。1950年と、腰骨折と米当局のいやがらせで出国できなかった時期を経て、捲土重来を期して再起した1954年以降の録音をあつめたもの。この時期の演奏も以前にくらべて高く評価されるようになっているだけに、正規音源の登場はとても楽しみ。ケルンでも名演を残しているヒンデミットの「気高い幻想」など、特に期待。(2011.11.10)
 
Tchaikovsky:
Francesca da Rimini, Op. 32
Symphony No. 4 in F minor, Op. 36

City of Birmingham Symphony Orchestra,
Andris Nelsons
2011 Birmingham
[Orfeo C860111A]
 オルフェオのネルソンスとバーミンガム市響シリーズの最新盤は、チャイコフスキーの第4番。第5番と《悲愴》に続いて、後期3曲が揃うことになる。チャイコフスキーはその情熱的な指揮ぶりにぴったりで好評が続いている。(2011.11.09)
 
Berlioz:
Harold en Italie, Op. 16
Les Nuits d'été, Op. 7
La Damnation de Faust, Op. 24: Le Roi de Thulé

Antoine Tamestit (viola)
Anne Sofie von Otter (mezzo-soprano)
Les Musiciens du Louvre-Grenoble
Marc Minkowski
2011 Paris
[Naive V5266]
 欧州で充実した活動を続けているミンコフスキとルーヴル宮音楽隊の待望の新譜は、ベルリオーズ作品集。《イタリアのハロルド》にタムスティ、《夏の夜》と〈テューレの王〉のオッターと、ソリストも充実。(2011.11.08)
 
Beethoven: Missa Solemnis in D major, Op. 123
Rosamund Illing (soprano), Elizabeth Campbell (mezzo), Christopher Doig (tenor)
Rodney Macann (bass)
Sydney Philharmonia Choir
Sydney Symphony Orchestra
Charles Mackerras
[ABC ABC4763517]
 マッケラスは1994年のエイジ・オブ・インライトゥンメントとの《第九》もシグナムから出ばかりだが、これは母国のシドニーでの《ミサ・ソレムニス》。再発の廉価盤で、いつ頃のものかは不明(1987年とも)。(2011.11.07)
 
Beethoven: Symphony No. 4 in B flat major, Op. 60
Mozart: Piano Concerto No. 23 in A major, K488
R. Strauss: Sinfonia Domestica, Op. 53

Friedrich Gulda (piano)
Dresden Staatskapelle
Franz Konwitschny
1961.8.4 Saltzburg
[Orfeo C839112B]
 1961年ザルツブルク音楽祭にシュターツカペレ・ドレスデンがコンヴィチュニーとともに初めて招かれたときのライヴ。音楽祭ではセル、カイルベルト、カリディス、ベームの指揮でも演奏した。
ベルリンを通じて、大量の亡命者が東独から西独へ移住している時期のライヴで、9日後に突如としてベルリンの壁が築かれ、以後28年間にわたって東西ベルリンの通行は制限される。その日の夜に演奏したベーム指揮でのブルックナー第7番なども、聴いてみたいところ。SKDは問題ないが、西ベルリンの自宅から通う楽員が大半を占めていたベルリン・シュターツカペレやベルリン交響楽団は、いったん崩壊状態となった。
 余談だが、友人の音楽評論家のお義母さんは、まさにこのギリギリの時期に東ドイツを脱出したそうだ。
 オルフェオのザルツものは1960年のカイルベルト&ベルリン・フィルも出るが、これは珍しくテスタメントとバッティング。(2011.11.06)
 
Honegger:
Pastorale d'été
Symphony No. 4 'Deliciae Basilienses'
Une cantate de Noë
l
Christopher Maltman (baritone)
London Philharmonic Choir, New London Children’s Choir
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski
2007&09 London
[LPO LPO-0058]
 ユロフスキ&LPOの新譜は、クリスマス向けらしく《クリスマス・カンタータ》を中心に、《夏の牧歌》と《バーゼルの喜び》を組み合わせたオネゲル作品集。冴えた手腕をどのように発揮してくれるか、今回もとても楽しみ。(2011.11.04)
 
JS Bach: Orchestral Suites No. 1-4, BWV1066-1069
Freiburger Barockorchester
2011 Freiburg
[Harmonia Mundi HMC902113/14]
 言わずと知れた、ドイツのバロック・オーケストラの雄による管弦楽組曲全曲。来年1月には日本で全曲を演奏するそうなので、予習もかねて。(2011.11.03)
 
Beecham in Toronto
CBC Symphony Orchestra
Toronto Symphony Orchestra
Sir Thomas Beecham
1960.4 Toronto
[Music & Arts CD-1255]
 1960年物。1960年の1月から4月にかけて、ビーチャムはアメリカに滞在して各地に客演した。2月のシアトル、3月のシカゴなどでの録音録画が現存しているが、これはそれに続く4月初めの3回の演奏会(1回はテレビ用)の録音。ハイドンの94番と102番、モーツァルトの38番、ブラームスの2番の交響曲のほか、お得意の「ロリポップス」と呼ぶ小品演奏会もある。これまで世に出ていなかった音源で、現時点ではビーチャムの生涯最後の録音ということになるので、その意味でも貴重。このあと、5月にロンドンでロイヤル・フィルを指揮したのが、生涯最後の演奏会となる。
 4枚組で、1枚は1958、59年のロンドンでのライヴ録音集らしい。(2011.11.02)
 
Bach - Concertos for Several Instruments, Vol. 6
JS Bach :
Brandenburg Concerto No. 1 in F Major, BWV1046
Keyboard Concerto No. 2 in E major, BWV1053
Orchestral Suite No. 4 in D major, BWV1069
Concerto for Four Keyboards in A minor (after Vivaldi), BWV1065

Café Zimmermann
[Alpha 181]
 小編成の新鮮な響きで楽しませてくれた、カフェ・ツィンマーマンによるバッハの「さまざまな楽器による協奏曲集」シリーズも、この第6巻で完結。同時に限定ボックスも出る。(2011.11.01)
 
Britten: A Midsummer Night's Dream
Bejun Mehta (Oberon), Íride Martínez (Tytania), Jack Morlen (Puck), Timothy Robinson (Lysander), Jared Holt (Demetrius), Tove Dahlberg (Hermia), Kate Royal (Helena) & Matthew Rose (Bottom)
London Philharmonic Orchestra & Trinity Boys Choir,
Ilan Volkov
2006 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD01306]
 2006年グラインドボーン音楽祭でのブリテンの《夏の夜の夢》。指揮をするのが、Hyperionでのリスト作品集のコクのある響きが素晴らしかったヴォルコフというのが楽しみ。ベジュン・メータのオベロンにも期待。(2011.10.31)
 
クナッパーツブッシュ・イン・ドレスデン1959
ハイドン:交響曲第88番ト長調Hob.I:88『V字』
R.シュトラウス:交響詩『死と変容』 作品24
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73

シュターツカペレ・ドレスデン
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)
1959.11.28 & 27 ドレスデン
[ドリームライフ DLCA-7031]
 1956年ライヴに続くドリームライフの第2弾。ドイツ放送アーカイフ(DRA)所蔵のテープに基づく正規音源で、前作がとても生々しい良好な音質だったので、こちらも期待できる。
 クナッパーツブッシュが1959年11月28日にシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した演奏会の全曲で、そのうちブラームスの交響曲第2番は、前日にリハーサルを放送用に録音した別ヴァージョンもついている。ブラームスの第2番が2種あるという謎もこれで解決。当時のドイツの放送局は、聴衆ノイズのない録音も保存しておきたかったらしい。(2011.10.29)
 
Verdi: Falstaff
Geraint Evans (Sir John Falstaff), Ilva Ligabue (Alice), Anna Maria Rota (Meg), Oralia Dominguez (Mistress Quickly), Sesto Bruscantini (Ford), Mariella Adani (Nannetta), Juan Oncina (Fenton) & Hugues Cuénod (Dr Caius)
The Royal Philharmonic Orchestra,
Vittorio Gui
1960 Glyndebourne
[Glyndebourne GFOCD01260]
 1960年物。グラインドボーン音楽祭のグイ指揮の《ファルスタッフ》。1955年から上演されているもので、BBCの中継(エアチェック?)を元にした既発盤は1957年だが、嬉しいことに1960年の上演を選んでくれた。同年の《清教徒》と同じく、音楽際のアーカイヴズ所蔵の録音だろう。《清教徒》が放送音源とは段違いに優秀な音質だっただけに、この《ファルスタッフ》も楽しみ。グイはもっと評価されていい指揮者だと思う。(2011.10.28)
 
Zemlinsky:
String Quartet No. 2, Op. 15
String Quartet No. 4 (Suite), Op. 25
Two Movements for String Quartet

Zemlinsky Quartet
2011
[Praga DSD250277]
 前作の第1次ウィーン楽派傑作集もコクのある響きと活力豊かな演奏で、新鮮な感動を与えてくれたツェムリンスキー四重奏団。パヴェル・ハース四重奏団(ドヴォルジャークがグラモフォン誌のレコード・オブ・ジ・イヤーに選ばれたのには驚いたが)とともに、現代チェコを代表する弦楽四重奏団である。
新作は、その名を冠したツェムリンスキーの弦楽四重奏曲第2集。(2011.10.26)
 
JS Bach: Sonatas & Partitas for solo violin, BWV1001-1006
Amandine Beyer (violin)
[Zigzag ZZT110902]
 前作、ヴィヴァルディの「四季」の躍動的な演奏が素晴らしかったアマンディーヌ・ベイエ、待望の無伴奏全曲。エドナ・スターンの「シャコンヌ」に入っていたシャコンヌもよかったので、これも楽しみ。
ところでこのBeyer、いまZigzagの輸入をしているマーキューリーはベイエールと表記、以前のキングインターナショナルはベイェと表記している。(2011.10.25)
 
Beethoven:
Violin Concerto in D major, Op. 61
Romance No. 1 for Violin and Orchestra in G major, Op. 40
Violin Sonata No. 7 in C minor, Op. 30 No. 2

David Oistrakh (violin)
Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin, Hermann Abendroth
Lev Oborin (piano)
1952.5.31 & 1960.10.16 Berlin
[Archipel ARPCD0537]
 1960年物。オイストラフの1952年アーベントロートとの協奏曲&ロマンスは珍しくないが、1960年の東ベルリンの祝祭日々でのソナタのライヴは初CD化。ライプツィヒの国立歌劇場のこけら落としに参加(10.8)したあと、14日にベルリン国立歌劇場でコンヴィチュニーと演奏したベートーヴェンの協奏曲がWEITBLICKから出ているので、その2日後のリサイタルということになる。オボーリンとのデュオは、同じベートーヴェンの8番の月日不詳のレニングラード・ライヴが、ICONから出ていた。
 Archipelからは同時に、トスカニーニ&スカラ座の1949年ヴェネツィア演奏会も出る。こちらも楽しみ。(2011.10.24)
 
Birth of the String Quartet Volume 2
Telemann: Quatrieme livre de 6 quatuors: Quartet No. 5 in G major, TWV 43:G5
Louis-Gabriel Guillemain: Flute Quartet in B minor, Op. 12, No. 2
Mozart: String Quartet No. 10 in C major, K. 170
Haydn: String Quartet No. 60 in G major, Op. 76, No. 1, Hob.III:75

casal quartet
[Solo Musica SM143]
 素晴らしい演奏でドイツのエコー・クラシック賞を受賞した、カザル四重奏団の「弦楽四重奏の誕生」。その第二弾が登場。今回はテレマン、ギルマンと、モーツァルトにハイドン。今回もすべて、17世紀オーストリアのヴァイオリン製作者、シュタイナーの楽器なのだろうか。
 それにしても発売元のソロ・ムジカ、日本ではあまり情報が流れないのだが、なかなか面白そうな盤もある。前作の「弦楽四重奏の誕生」も「ヴァイオリンの誕生」「チェロの誕生」と組み合わせた「弦楽器の誕生」というセットになったりしているし、贔屓のピアニスト、オリヴァー・シュニーダーが参加したTrio Opus 100というピアノ・トリオのシューベルト演奏も出ている。ハイコ=マティアス・フェルスター指揮のノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレンのCDも、気にかかってはいるのだが…。こうしたマイナー・レーベルのつねで玉石混淆の気味もあるのだろうが、目を離さないつもり。(2011.10.23)
 
Stravinsky: L’Oiseau de feu
Les Orientales (ballet by Arensky, Glazunov, Grieg & Sinding)

Les Siècles,
François-Xavier Roth
[Actes Sud ASM06]
 フランソワ=クサヴィエ・ロト率いるピリオド楽器オーケストラのレ・シエクルは、これまでにActes Sudから幻想交響曲や《オルガン付》のピリオド演奏を出して好評を得ている。
これは《火の鳥》の初演当時の響きを再現し、さらに、その前座に演奏された《レ・オリエンターレ》を復元したもの。(2011.10.21)
 
Fasch: Concertos for various instruments
Fasch:
Concerto in D, FaWV L: D3
Concerto in B minor for flute and oboe, FaWV L: h1
Concerto in G, FaWV L: G11
Concerto in D, FaWV L: D9
Concerto in C minor for bassoon, 2 oboes & strings, FaWV L: c2
Concerto in D for trumpet, 2 oboes, strings and continuo, FaWV L: D1

Il Gardellino
2011
[Accent ACC24252]
 このところ再評価の著しい作曲家、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688-1758)。これはその管楽器や弦楽器のための協奏曲集。パッサカイユのバッハのカンタータ集でも好評の、オーボエのマルセル・ポンセール率いるアンサンブル、イル・ガルデリーノの演奏も楽しみ。(2011.10.20)
 
Mahler: Symphony No. 6 in A minor 'Tragic'
Philharmonia Orchestra,
Esa-Pekka Salonen
2009 London
[Signum SIGCD275]
 20世紀型の大交響楽団の新譜では、最大級の楽しみなのがシグナムのサロネン&フィルハーモニアのシリーズ。マーラーの第6番は第9番に続くもの。(2011.10.19)
 
Chopin: 12 Études, Op. 10; 12 Études, Op. 25
Maurizio Pollini (piano)
1960.9 London
[Testament SBT1473]
 1960年物。驚きのポリーニ、もう一つの練習曲集。1960年9月というから、3月のショパン・コンクール優勝から半年後のセッションである。
 コンクール絡みのポーランド録音を除くと、4月にEMIと契約してショパンの協奏曲第1番をロンドンで録音したのが、これまでは1968年の録音再開前の唯一の商業録音だった。その後も、5月のパリ・デビュー、夏のクロアチア・ドゥブローブニーク夏期音楽祭の録音や映像が残っているだけ。
 10月24日、パリの国連デー記念演奏会でクレツキ指揮のN響と共演するはずだったがキャンセル、この頃を最後に動向が不明となる(11月に予定されていたロンドン・デビューも、実現したのかどうか不明)。
 9月のこの録音がお蔵入りになったのも、こうした行動と関係するのだろう。(2011.10.18)
 
Donizetti: La Fille du Régiment
Lily Pons (Marie), Raoul Jobin (Tonio), Salvatore Baccaloni(Sulpice), Irra Petina (La Marquise), Louis D'Angelo(Hortensius), Wilfred Engelman (Corporale), Lodovico Oliviero(Un Paysan), Maria Savage (La Duchesse)
The Metropolitan Opera,
Gennaro Papi
1940.12.28 New York
[Sony 88697961912]

Offenbach: Les Contes d'Hoffmann
Richard Tucker (Hoffmann), Roberta Peters (Olympia), Risë Stevens (Giulietta), Lucine Amara (Antonia), Martial Singher(Coppélius/Dapertutto/Miracle)
The Metropolitan Opera,
Pierre Monteux
1955.12.3 New York
[Sony 88697961902]

 ソニーのメト・ライヴ・シリーズの新作はフランス・オペラ4本。パピの《連隊の娘》が入って喜ばせてくれた。フランスがナチス占領下にあった時代のドキュメントでもある。モントゥーの《ホフマン物語》も嬉しい選択。ともに初登場ではないし、音質の程度もきいてみないとわからないが、広く流通するのがありがたい。(2011.10.17)
 
Falvetti: Il diluvio universale
Magali Arnault, Mariana Flores, Caroline Weynants , Evelyn Ramirez Munoz, Fabián Schofrin, Fernando Guimarães, Matteo Bellotto, Keyvan Chemirani
Choeur de Chambre de Namur,
Cappella Mediterranea,
Leonardo Garciá Alarcón
2010
[Ambronay AMY026]
 優秀なナミュール室内合唱団などを率い、バロック音楽の新鋭として、アンブロネを拠点に注目され始めた指揮者アラルコン。その新作は、珍しいファルヴェッティの《大洪水》ミケランジェロ・ファルヴェッティ(1642-1692)はシチリア島のメッシーナ大聖堂の楽長だった人物で、旧約聖書のノアの洪水を題材にしたこのオラトリオは、1682年に同地で初演された。忘れられた作品がアラルコンの手でどのように甦るのか、楽しみ。(2011.10.15)
 
Boston Concerts 1959
arr. Barbirolli: An Elizabethan Suite
Delius: The Walk to the Paradise Garden
Walton: Partita for Orchestra
Brahms: Symphony No.2 in D major op.73

Boston Symphony Orchestra
John Barbirolli
1959.1.30 & 31 Boston (Stereo)
[Barbirolli Society SJB1057-58]
 バルビローリが1959年にアメリカを訪れたさいの、ボストン響とのライヴ。ボストン響アーカイフのステレオ録音使用というのが嬉しい。ブラームスの第2番以外は、30日と31日の2種が入っているらしい。
 この客演は、2月3日のハーヴァード大学サンダース劇場での映像がVAIから出ている。また、同時期のニュヨーク・フィルとの演奏は、WHRAから。
 バルビローリのブラ2は、1962年コヴェントリー大聖堂のベルリン・フィルとの演奏も、TESTAMENTからまもなく出る。(2011.10.14)
 
Schubert:
12 Lieder aus Winterreise D911
Heidenröslein, D257
Am feierabend (No. 5 aus Die schöne Müllerin, D795)
Der Tod und das Mädchen, D531
Der König in Thule, D367
Wohin? (No. 2 aus Die schöne Müllerin, D795)

Christoph Prégardien (tenor)
Tilman Hoppstock (guitar)
2006 & 2003
[Christophorus CHR77352]
シュタイアーとの共演でもおなじみの名テノール、プレガルディエンがギタリストのホップシュトックとドイツでライヴ録音した、シューベルト歌曲集。2006年の《冬の旅》からの12曲に、2003年の他の5曲という組合せ。(2011.10.13)
 
Verdi: Il Trovatore
Simone Kermes, Herbert Lippert, Mijenko Turk, Yvonne Naef, Josef Wagner,
Orchester der Ludwigsburger Schlossfestspiele,
Michael Hofstetter
2009 Ludwigsburg
[Oehms OC951]

Stefanie Irányi - Lamenti
Hasse: Arien aus "Didone Abbandonata"
Haydn: Arianna a Naxos
Händel: Lucrezia
Stefanie Irányi,
Hofkapelle München,
Michael Hofstetter
2010 München
[Oehms OC811]

キレのいい演奏で、新譜をいつも楽しみにしている指揮者ホフシュテッターが、エームスから2組同時に発売。ピリオド奏法による《イル・トロヴァトーレ》と、若手ソプラノのイラーニのソロ・カンタータ集。(2011.10.12)
 
The Romantic Cello Concerto, Vol. 3
Stanford:
Cello Concerto in D minor (1879-80)
Rondo in F major for cello and orchestra
Ballata and Ballabile, Op. 160
Irish Rhapsody No. 3 for Cello and Orchestra Op. 13

Gemma Rosefield (cello)
BBC Scottish Symphony Orchestra,
Andrew Manze
2011 Glasgow
[Hyperion CDA67859]
ハイペリオンの「ロマン派のチェロ協奏曲」第3巻は、アイルランド生れのチャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード(1852-1924) の作品集。独奏のジェマ・ローズフィールドは1981年生れの女性チェリスト。その演奏ぶりも興味をひくが、個人的にはアンドルー・マンゼの指揮が大好きなので、そのロマン派作品の響きを特に楽しみにしている。(2011.10.11)
 
Bach & Sons: Piano Concertos
JS Bach: Klavierkonzerte BWV1052 & 1053
CPE Bach: Klavierkonzert Wq.14
JC Bach: Klavierkonzert op.7-5

Sebastian Knauer(Klavier)
Zürcher Kammerorchester
Roger Norrington
2011
[Berlin Classics 0300270BC]
シュトゥットガルト放響の首席指揮者を勇退、チューリヒ室内管弦楽団の首席指揮者に転じたノリントン。この楽団との初録音は、ドイツのピアニスト、クナウアーとのバッハ父子のピアノ協奏曲集。クナウアーとはカメラータ・ザルツブルクでモーツァルトの協奏曲を録音していたが、ここではどんな響きになるか。新天地に期待。(2011.10.10)
 
Mussorgsky:
A Night on the Bare Mountain(original version)
Pictures at an Exhibition (orch. Ravel)
Tchaikovsky:
Symphony No. 2 in C minor, Op. 17 'Little Russian'

Bournemouth Symphony Orchestra,
Kirill Karabits
[Onyx ONYX4074]
前作のハチャトゥリャンのバレエ曲集が冴えた演奏だったカラビッツとボーンマス響のオニキス第2作は、ムソルグスキーの有名曲にチャイコフスキーの《小ロシア》。(2011.10.09)
 
Bruckner: Symphonie Nr. 0 & 1
Tapiola Sinfonietta,
Mario Venzago
2010.11
[CPO]
ヴェンツァーゴのブルックナー交響曲全集、嬉しいことに早くも第2弾登場。
第0番と第1番の2曲で、オーケストラがなんと、室内管弦楽団のタピオラ・シンフォニエッタだそうだ。40人くらいの編成だろうか。すべてバーゼル響で録音するものと思い込んでいたので、ちょっとびっくり。
じつはヴェンツァーゴ、第1集に寄せた一文に「ブルックナーの交響曲は金太郎飴じゃない。曲ごとにまったく違う響きでなければいけない」と書いていた。
ただ、その割にバーゼル響との4番と7番の2曲は同一傾向の響きだったので、「?」と思っていたのだが、曲(のグループ)によってオーケストラを替え、規模を違えるという意味だったのだ。納得。
ヴェンツァーゴの公式サイトを見ると、今年7月には第5番を、デュッセルドルフ響(今度《ライン》のCDを出すオケ)と録音した、とある。こういう風に替えていく気らしい。
ブルックナーの交響曲全集を、一人の指揮者が複数のオーケストラを計画的に(偶然ではなく)起用して完成するケースって、あまりなかったのではないか。この意味でも、面白みと楽しみが増した。
なお同じサイトには今年12月に第1番を録音する予定とあって、これは疑問。第00番、それとも第2番か?
第0番は1869年の第2稿、第1番は1866年の第1稿(リンツ稿)を使用、とある。(2011.10.08)
 
Deux à deux
(works by Francois Joseph Naderman / Frederic Duvernoy)
Teunis van der Zwart (horn)
長澤真澄 (singleaction harp)
[Etcetera KTC1430]
フライブルク・バロック管とのモーツァルトの協奏曲や、ブラームスのホルン三重奏の録音で、超人的なナチュラル・ホルン演奏を聴かせるファン・デア・ズヴァールトと、オランダを拠点に活躍するバロック・ハープの名手、長澤真澄という強力な顔合わせの1枚。ズヴァールトの新譜はどんなものでも楽しみだが、これにはとりわけ期待している。(2011.10.07)
 
Brahms:
Piano Concerto No. 1 in D minor, Op. 15
Intermezzo in B minor, Op. 119 No. 1
Hardy Rittner (Erard piano)
L’arte del mondo, Werner Ehrardt
2011 Leverkusen
[MDG 9041699]
ブラームスのピアノ協奏曲第1番を、作曲と同年代の1854年製エラールのフォルテピアノとピリオド楽器で演奏するという、ありそうでなかったもの。ブラームスの独奏曲も録音しているというリットナーの演奏は聴いたことがないのだが、指揮のエールハルトは、イキのいい演奏で好きな指揮者。コンツェルト・ケルンの音楽監督を長く務めた人で、ラルテ・デル・モンドのヘンデルとトルコ民俗音楽のアルバムなども愉しかったので、これも期待。(2011.10.06)
 
Berlioz: Grande Messe des Morts Op. 5(Requiem)
Robert Murray (tenor)
Gabrieli Consort and Players,
Wroclaw Philharmonic Choir & Orchestra,
Chetham's School of Music Brass Ensemble,
Paul McCreesh
2010.9 Wroclaw
[Signum SIGCD280]
アルヒーフで活躍したマクリーシュ&ガブリエリ・コンソートが、シグナム・クラシックスに移籍。第1弾はベルリオーズの大作、レクイエム。マクリーシュが芸術監督をつとめる、ポーランドのヴラティスラヴァ・カンタンス音楽祭のライヴで、演奏者は400人を超えるという。CDで聴く場合、巨大編成というのはいいことなのかどうか微妙な気もするが、マクリーシュの録音活動に新たな地平が展けるのは嬉しい。(2011.10.04)
 
Beethoven: Fidelio
Evangelos Markelos (Don Fernando), Costantino Ego (Don Pizarro), Giuseppe Zampieri (Florestan), Martha Mödl (Leonore), Dezsö Ernster (Rocco), Zoe Vlachopoulou (Marzelline) & Aristos Pantzinakos (Jaquino)
Orchestra of the Athens Festival
Jascha Horenstein
1957.9.6 Theater Erodou Atticou, Athens
[Walhall WLCD0352]
ホーレンシュタインのオペラの指揮というのは、録音ではニールセンの《サウルとダヴィド》くらいしかなかったはずで、とても珍しい。歌手もギリシャ人に混じって、メードルとG・ザンピエリ、エルンスターの名がある。アテネでは秋口に古代遺跡の野外劇場ヘロド・アティコスでオペラが上演されていたが、その一つらしい。音質的には、宝くじを買うようなものだろうけれど、とにかくホーレンシュタインのオペラ、ということで聴いてみる。
なおWalhallからは同時に、テバルディのメト・デビューの演目である1955年の《オテロ》も出る。デル・モナコの主役にシュティードリーの指揮。メトの初発売音源も音質の当り外れが大きいので、これもとにかく聴いてみるのみ。(2011.10.03)
 
Dvořák: Violin Concerto in A minor, Op. 53
Gershwin: An American in Paris

Liza Ferschtman (violin)
Netherlands Philharmonic Orchestra
Mario Venzago
[Challenge Classics - CC72530]
ブルックナーの好評を予期していたかのように、続けて出るヴェンツァーゴ。これはロシア系オランダ人の若手ヴァイオリニストで、チャレンジ・クラシックスと契約中のフェルシュトマンの伴奏をしたドヴォルジャークの協奏曲と、併せてガーシュインの《パリのアメリカ人》。(2011.10.02)
 
Otto Klemperer conducts Beethoven Volume 5
Beethoven:
Symphony No. 7 in A major, Op. 92
Symphony No. 8 in F major, Op. 93
Egmont Overture, Op. 84

Philharmonia Orchestra, Otto Klemperer
1960.6 Wien
[IDIS IDI6623]
1960年物。クレンペラーの伝説的ウィーン・ベートーヴェン・チクルスの新発売3種のうち、チェトラ盤に一番近くて生々しいのは、結果的にはIDISだった。これはその完結編。(2011.09.30)
 
Mozart:
String Quartet No. 19 in C major, K465 'Dissonance'
Schubert:
String Quartet No. 13 in A minor, D804 'Rosamunde'

Quatuor Chiaroscuro: Alina Ibragimova, Pablo Hernan Benedi, Emilie Hörnlund, Claire Thirion
[Aparté AP022]
四重奏団は、アリーナ・イブラギモヴァを第1ヴァイオリンとする弦楽四重奏団で、2005年にロンドン王立音楽大学の学生4人によって結成された。キアロスクーロは「明暗法」という意味。アパルテのこの1枚が、デビュー盤ではないか。イブラギモヴァの率いる団体というのがまず楽しみだが、それにしてもアパルテ・レーベルの活動は発足以来じつに面白く、目が離せない。(2011.09.27)
 
Schubert:
Schwanengesang, D957
Auf dem Strom, D943
Die Sterne, D939

Mark Padmore (tenor) & Paul Lewis (piano)
with Richard Watkins (horn)
2010.10 London
[Harmonia Mundi HMU907520]
《冬の旅》《水車小屋》と素晴らしい成果を挙げてきた、パドモアとルイスのコンビによる《白鳥の歌》。(2011.09.26)
 
Chopin:
Piano Concerto No. 1 in E minor, Op. 11
Andante spianato & Grande Polonaise, Op. 22
Ballades Nos. 1-4
Mendelssohn:
Capriccio Brillant in B minor Op. 22

Gary Graffman (piano)
Boston Symphony Orchestra, Charles Munch
1959 & 1960
[Newton Classics 8802083]
1960年物。グラフマンのステレオ初期のRCA録音のCD化で、ミュンシュ&BSOの伴奏によるショパンの協奏曲とメンデルスゾーンのカプリッチョは、1960年3月14日の録音。そして前者はこれが初CD化と思われる。RCA録音の大半が日本でCD化されたミュンシュだが、案外と協奏曲は手つかずになっているらしい。バラードなどのショパンの独奏曲は、おそらく1959年録音と思われる。(2011.09.25)
 
Sviatoslav Richter’s Boston Debut
Beethoven:
The Creatures of Prometheus Overture, Op. 43
Piano Concerto No. 1 in C Major, Op. 15
Brahms:
Piano Concerto No. 2 in B flat major, Op. 83

Sviatoslav Richter (piano)
Boston Symphony Orchestra
Charles Munch
1960.11.1 Boston
[West Hill Radio Archive WHRA6035]
1960年物。リヒテルのアメリカ・デビュー・ツアーの一環で、ボストンで行われたボストン響との特別演奏会のライヴ。これまでにも出ているけれど、ラジオのオリジナル音源使用という、WHRAならではの強みがある。
ボストン響のライヴ中継は、1958年から試験的にステレオ録音されていて、テープをオーケストラが保存している。WHRAからもモントゥーのセットがステレオで出ているので存在を確認できるが、このリヒテル客演の前後、1960年秋から翌年前半にかけての時期のテープは、火災のために焼失し、ラジオ用のモノラルしか現存しないという。この点がちょっと残念。(2011.09.23)
 
Bernard Herrmann:
Moby Dick – A Cantata
Sinfonietta for Strings

Richard Edgar-Wilson (tenor), David Wilson-Johnson (baritone)
Danish National Symphony Orchestra and Choir,
Michael Schønwandt
2011.
[Chandos CHSA5095]

Bernard Herrmann: Moby Dick - A Cantata
Charles Wakefield Cadman: Dark Dances of the Mardi Gras

William Hain & William Horne(tenor), Robert Weede(baritone), Charles Wakefield Cadman(piano)
New York Philharmonic Symphony Orchestra,
John Barbirolli
1940.4.14 & 1937.12.5 Carnegie Hall
[Barbirolli Society SJB1056]

今年が生誕百年、ヒッチコック作品などの映画音楽で有名なバーナード・ハーマンの「芸術音楽」。
カンタータ《白鯨》は、メルヴィルの文章の抜粋をほぼそのまま歌詞とするもの。1940年にバルビローリ指揮のニューヨーク・フィルによって初演された。弦楽のためのシンフォニエッタはシェーンベルクの影響のもとに1936年に書き上げた曲で、あの『サイコ』の音楽の原型になったものという。『白鯨』といい1960年の『サイコ』といい、個人的興味にタイミングばっちりの1枚。

と、シャンドス盤の登場を喜んでいたら、なんとバルビローリによる世界初演のときのライヴ録音(厳密には3日後)も、バルビローリ協会から出るという。ハーマンは30年後の出版のさいに改訂しているそうなので、あるいはシャンドス盤とは版が違うのかも。新旧の聴き比べで立体的に楽しむつもり。(2011.09.21)
 
The Soviet Experience Volume I
Miaskovsky:
String Quartet No.13 in A minor, Op. 86
Shostakovich:
String Quartet No. 5 in B flat major, Op. 92
String Quartet No. 6 in G major, Op. 101
String Quartet No. 7 in F sharp minor, Op. 108
String Quartet No. 8 in C minor, Op. 110

Pacifica Quartet
[Cedille CDR90000127]
メンデルスゾーンやカーターの弦楽四重奏曲のCDや、サントリーホールでのベートーヴェン・チクルスで人気の、アメリカのパシフィカ四重奏団。その新譜は「ソビエト・エクスペリエンス第1集」と題した、ショスタコーヴィチ壮年期の4曲にミャスコフスキーの最後の曲を組み合わせた2枚組(1枚価格)。ジャケも迫力。(2011.09.19)
 
Václav Talich Live 1939
Smetana: Má Vlast
Dvořák: Slavonic Dances Ⅱ Op. 72

Czech Philharmonic Orchestra & Radiojournal Orchestra
Václav Talich
1939.6. Prague
[Supraphon SU40652]
2009年にチェコ・フィルの自主制作盤として出た、ターリヒ指揮の1939年6月ライヴの《わが祖国》とスラヴ舞曲第2集が、スプラフォンから大々的に再発売。音質は最良とはいえないが、セッション録音とはまるで次元の異なる圧倒的な名演の貴重な記録だけに、広く入手しやすくなるのは、ほんとうに素晴らしいこと。全力で推薦。(2011.09.17)
 
Schumann: Symphony No. 3 Es-Dur Op. 97 "Rheinische"
Düsseldorfer Symphoniker
Mario Venzago
2008. Düsseldorf
[Orchid Classics ORC100011]
先日のバーゼル響とのブルックナー2曲では、スケールは大きくないが爽やかな響きの心地よい呼吸感で、この作曲家に食傷している私のような聴きてにも、新鮮な音楽を体験させてくれたヴェンツァーゴ。これはデュッセルドルフ響とのシューマンの《ライン》。ヴェンツァーゴにとって2回目の録音だそうだが、近年の充実した演奏を期待する1枚。(2011.09.15)
 
Music@Menlo Live 2009 - Being Mendelssohn 1-6 (Mendelssohn, Mozart, J.S.Bach, etc.)
St. Lawrence String Quartet, Pacifica Quartet, etc
2009. Menlo Park
[Music@Menlo 2009]
サンフランシスコ湾岸地区、シリコンバレーの中心地メンロパークで毎年開催される室内楽の音楽祭「ミュージック@メンロ」のライヴ録音集から、これは「Being Mendelssohn」と題して、メンデルスゾーンとその周辺の作品を演奏した2009年の6枚組。
 日本ではあまり知られていない音楽祭だと思う。エマーソン弦楽四重奏団のチェロ奏者、デイヴィッド・フィンケルがピアニストのウー・ハンと共同で2003年に創始した音楽祭で、シリコンバレーのいくつかのホールや教会を会場としている。
 アメリカの実力派が参加していて、例えばこのセットでは、パシフィカ四重奏団によるベートーヴェンの第6番や、セントローレンス弦楽四重奏団によるバッハの《フーガの技法》抜粋などが聴ける。前者はサントリーホールでベートーヴェンの全曲演奏をして評判になったし、後者はカナダの誇る団体で、シリコンバレーのスタンフォード大学のレジデンスをつとめている。
 ヴェテラン勢では、ボーザール・トリオのピアニスト、メナヘム・プレスラー(1923年生れ)が仲のよいエマーソンSQのメンバーとメンデルスゾーンのトリオ2曲を演奏したり、デガエターニの伴奏者としても名高いギルバート・カリッシュ(1935年生れ)が無言歌集やブラームスのピアノ四重奏曲第2番を弾いていたりするのが面白そう。

音楽祭のサイトに案内が出ている。
https://www.musicatmenlo.org/live/home.php?year=2009
CD‐Rではなく正規のCDのようで、2003年の開始当初から毎年ボックスを発売しているが、日本にはあまり入っていないらしい。私はアマゾンで新古盤を購入。
2010年の8枚組にもミロ四重奏団が参加しているし、購入を検討するつもり。(2011.09.13)
 
Faure: Requiem op. 48
Poulenc: 4 Motets pour un temps de penitence

Sunhae Im(S), Konrad Jarnot(Br), Max Hanft(org),
BR Chor, Kammerorchester München,
Peter Dijkstra
2011. München
[SONY 88697911082]
1978年オランダ生れと若いが、すでに現代を代表する合唱指揮者となっているペーター・ダイクストラ。バイエルン放送合唱団とストックホルム放送合唱団のシェフとして活躍中で、これは前者とのフォーレのレクイエム。チャンネル・クラシックスからも、後者を指揮したプーランクの無伴奏合唱曲集が出たばかり。(2011.09.10)
 
J.S. Bach: Clavier Übung II
Italian Concerto, BWV971
French Overture in B minor, BWV831
Benjamin Alard (clavecin)
[Alpha ALPHA180]
先日のラ・プティット・バンドの来日公演で、ひときわ鮮やかな印象を残してくれた鍵盤楽器奏者、バンジャマン・アラール。1985年生れのフランスの俊英で、2004年のブルージュ古楽コンクールのチェンバロ部門第1位。その新譜はクラヴィーア練習曲集第2巻の、イタリア協奏曲とフランス序曲。アルファからはオルガンをひいたバッハのトリオ・ソナタ集と、チェンバロでのパルティータ全曲が出ているが、まずはこれから聴いてみようと思う。(2011.09.09)
 
Thomas Hengelbrock dirigiert das NDR SO
Mendelssohn: Symphony No. 1 in C minor Op. 11; Scherzo from Octet in E flat major Op. 20
Schumann: Symphony No. 4 in D minor Op. 120

NDR SO,
Thomas Hengelbrock
2010 & 2011.
[Sony 88697940022]
北ドイツ放送響の首席指揮者に就任して、いよいよ雄飛が期待される鬼才ヘンゲルブロックによる、シューマンの交響曲第4番(初稿)とメンデルスゾーンの1番ほか。これまでロマン派の録音は協奏曲ばかりだったから、これはとても楽しみ。(2011.09.08)
 
Wolf-Ferrari: Orchesterwerke
Trittico op. 19; Arabesken op. 22;
Divertimento op. 20; Suite Veneziana op. 18

RO München
Ulf Schirmer
2008.
[CPO 777567]
好調シルマーによる、ヴォルフ=フェラーリの管弦楽曲集。このあたりの音楽もスタイルがよく合いそう。(2011.09.07)
 
Liszt: Les Preludes; Hungarian Fantasy;
Ce Qu'on Entend Sur. La Montaigne.

Gabor Farkas(Piano)
Hungarian National Philharmonic
Zoltan Kocsis
2011.1
[Warner 2564.667226]
指揮者としては、バルトーク演奏で評価の高いコチシュによる、リスト作品集。ハンガリー幻想曲でピアノを弾くファルカスは、前作の「リストの夕べ」が、ハンガリー・リスト協会の2009年フランツ・リスト国際グランプリ・ディスクに選ばれる栄誉を受けたという。(2011.09.06)
 
Dukas: Ariane et Barbe-Bleue
Marilyn Schmiege, Roderick Kennedy, Jocelyn Taillon, Mitsuko Shirai, Monique Baudoin
Kölner Rundfunkchor, Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester
Gary Bertini
1986. Köln
[Capriccio C7112 PC]
初CD化となる、ベルティーニ指揮の《アリアーヌと青ひげ》全曲。マーラーとともにフランス物も得意としていたから、期待できそう。白井光子もメリザンド役で参加している。(2011.09.04)
 
Prokofiev: Piano Concerto No. 3
Schumann: Piano Concerto

Samson Francois(Piano)
Czech Philharmonic Orchestra, Karel Ancerl
Orchestre National de Paris, Carlo Maria Giulini
1958&1959. Paris
[Archipel ARPCD0533]
フランソワのライヴ録音自体があまり出ていない上に、これはアンチェル&ジュリーニとの共演ということで、 面白そう。ムラが多かったといわれるだけに、過度の期待をしてはいけない気もするが…。(2011.09.03)
 
Mozart: Dissonances
Mozart:
String Quartet No. 15 in D minor, K421
Divertimento in F major, K138
String Quartet No. 19 in C major, K465 'Dissonance
'
Quatuor Ébène
[Virgin 0709222]
前作「Fiction」がとても愉しかったエベーヌ四重奏団の新作は、一転してモーツァルトの「不協和音」。Mirare時代のハイドンも見事な出来だったので、これも大いに期待。(2011.09.02)
 
Falla:
Noches en los jardines de Espana(*); Fantasía Bética; Cancion
Homenaje 'Pour le Tombeau de Paul Dukas'; Nocturno;
Mazurka in C minor; Serenata Andaluza

Javier Perianes (piano)
BBC Symphony Orchestra, Josep Pons(*)
2011.1, the Barbican, London
[Harmonia Mundi HMC952099]

1978年生れのスペインの俊英ピアニスト、ペリアネスのファリャ。これまでモンポウ、シューベルト、ネブラ、モラレスなどの作品集が出ているようだが、まだ聴いたことがない。ハルモニア・ムンディが推すアーティストとなれば、否応なく気になるので、聴いてみる。《スペインの庭の夜》は、ロンドンでのデビュー演奏会のライヴ録音らしい。(2011.08.31)
 
J.S.Bach: The Art of Fugue, BWV1080: Contrapunctus XI
Beethoven:
String Quartet No. 15 in A minor, Op. 132

Cello Sonata No. 1 in F major, Op. 5 No. 1
Antje Weithaas & Christian Tetzlaff (violins), Rachel
Roberts (viola) & Tanja Tetzlaff (cello)
Gustav Rivinius (cello) & Aaron Pilsan (piano)
2010.6.13, Heimbach
[Avi Music AVI8553225]
シュパヌンゲン音楽祭の室内楽ライヴ・シリーズからの1枚で、ベートーヴェンがメイン。テツラフ、ヴァイトハースらによるカルテットと、16歳のピアニスト、ピルサンらによるチェロ・ソナタ。国民楽派やロマン派が多めで、ベートーヴェンは意外と少なかった印象のあるシリーズなので、それだけに楽しみな1枚。(2011.08.30)
 
Quartet Masterworks of The First Viennese School
Haydn: String Quartet, Op. 76 No. 3 in C major 'Emperor'
Mozart: String Quartet No. 19 in C major, K465 'Dissonance'
Beethoven: String Quartet No. 6 in B flat major, Op. 18 No. 6

Zemlinsky Quartet
2011, Prague
[Praga DSD250287]
チェコの俊英、ツェムリンスキー四重奏団によるウィーン古典派名曲集。近年のシューベルトやメンデルスゾーンの録音もよかったので、楽しみ。(2011.08.25)
 
Mendelssohn:
Sinfonie Nr. 3 a-moll op. 56 "Schottische"
Sinfonie Nr. 4 A-Dur op. 90 "Italienische"

Musikkollegium Winterthur,
Heinz Holliger
2010
[MD+G MDG9011663]
指揮者としての活動も、このところ非常に充実しているホリガー。ムジークコレギウム・ヴィンタートゥールを指揮しての、メンデルスゾーンの代表作2曲。これは期待作。(2011.08.23)
 
Busoni: Doktor Faust
Dietrich Fischer-Dieskau (Faust), Richard Lewis
(Mephistopheles), Ian Wallace (Wagner), Heather Harper
(Duchess of Parma) & John Cameron (Duke of Parma)
London Philharmonic Orchestra and Choir,
Sir Adrian Boult
1959.11.13, Royal Festival Hall
[LPO LPO0056]
ブゾーニの遺作オペラ《ファウスト博士》を、ボールトが自ら編集した短縮版により、1959年に演奏会形式で上演したライヴ。ファウストをディースカウが歌っている。ボールトがこうした作品の上演に意欲を燃やしたということも興味深い。LPOの自主制作シリーズ。(2011.08.22)
 
Shostakovich: Symphony No. 10 in E minor, Op. 93
Rimsky Korsakov: The Legend of the Invisible City of Kitezh and the Maiden Fevronia; Massacre at Kerzhentz, Hymn to Nature
Tchaikovsky: The Snow Maiden, Op. 12; melodrama

USSR State Symphony Orchestra,
Evgeny Svetlanov
1968.8 Royal Albert Hall, London,
[ica classics ICAC5036]
スヴェトラーノフ&ソビエト国立フィルがロンドンのプロムスに登場したときのライヴだが、ちょうど「プラハの春」事件でソ連の戦車がチェコを蹂躙した直後の演奏会だったため、騒然たる雰囲気のなかで演奏された。
このときの演奏会シリーズからはすでに、ロストロポーヴィチとのドヴォルジャークのチェロ協奏曲(よりによってボヘミアの作品)がBBCレジェンズから出ていて、異様な熱演として知られている。それに続くロシア・プロの登場ということで、「1968年」のドキュメントとしても貴重になるだろう1枚。(2011.08.17)
 
Ravel: Complete music for violin & piano
Ravel: Violin Sonata in G major; Violin Sonata in A minor 'Sonate posthume'; Tzigane; Berceuse sur le nom de Fauré
Lekeu: Violin Sonata in G major

Alina Ibragimova (violin) & Cédric Tiberghien (piano)
2010, Henry Wood Hall
[Hyperion CDA67820]
ウィグモア・ホールでのベートーヴェン・ソナタ全曲が好評だったイブラギモヴァとティベルギアンのデュオの新作は、ラヴェルとルクー。このレパートリーなら、ティベルギアンのピアノがいかにも本領を発揮しそう。(2011.08.16)
 
Wagner: Der fliegende Holländer
Albert Dohmen (Baritone), Ricarda Merbeth (Soprano), Matti Salminen (Bass), Robert Dean Smith (Tenor), Silvia Hablowetz (Mezzo Soprano), Steve Davislim (Tenor)
Berlin Radio Chorus
Berlin Radio Symphony Orchestra
Marek Janowski
2010.11.13 Philharmonie, Berlin
[Pentatone PTM1018]
ヤノフスキによる《さまよえるオランダ人》全曲。ドーメン、メルベート、サルミネン、スミスと歌手も揃い、オーケストラもアメリカやスイスではなくベルリン放響ということで、重厚な演奏が期待できそう。ヤノフスキのワーグナー全曲は、1980年代の《指環》以来ではないかと思うが、当時よりもはるかに円熟した現代のライヴだけに、楽しみ。
なお、海外サイトだと国内サイトの半額くらいで買えることもある。(2011.08.12)
 
Beethoven: The Birth of a Master
Beethoven:
The Creatures of Prometheus Overture, Op. 43
O wär' ich schon mit dir vereint (Marzelline)
No, non turbati WoO92a
Romance No. 2 for Violin and Orchestra in F major, Op. 50
Ah! Perfido, Op. 65
Symphony No. 1 in C major, Op. 21

Alexandra Coku (soprano), Julien Chauvin (violin)
Le Cercle de l'Harmonie, Jérémie Rhorer
2011
[Ambroisie AM204]
1973年生まれの指揮者ジェレミー・ロレール率いる、ル・セルクル・ドゥラルモニーによるベートーヴェン初期作品集。アリアやヴァイオリン曲も取り混ぜ、当時の演奏会を再現するようなプログラムが面白そう。この団体はヴァージンにモーツァルトの交響曲集や、ダムラウ、ジャルスキの伴奏をした盤がある。(2011.08.11)
 
Live From The Marlboro Music Festival Vol. 1
Mozart: String Quintet No.5 in D, K.593
Beethoven: Piano Trio in Bb, Op.97 'Archduke'
Schubert: Andante of Piano Trio No.2 in Eb, D.929, Op.100

2005~2008, Marlboro
内田光子 (Piano), Soovin Kim (Violin), David Soyer (Cello)
[Marlboro Recording Society MLB80001]
マルボロ音楽祭の自主製作盤らしい。近年のライヴを中心に3枚出ているうち、内田光子がピアノ三重奏に参加したこの第1集が話題となりそう。2006年の《大公》トリオと、2008年のシューベルトの第2番第2楽章が入っている。(2011.08.09)
 
Fritz Busch - 1919?, 1931, 1948-51
Beethoven, Mozart, Reger, Brahms,

Orchester des Württembergischen Landes-Theaters,
Sächsische Staatskapelle Dresden,
Dansk Radiosymfoniorkestret - Copenhagen
Fritz Busch
1919-51
[Guild Historical GHCD 2371]
ギルド・ヒストリカルのフリッツ・ブッシュのシリーズの新譜は、1919(?)年のシュトゥットガルトでのアコースティック録音による《英雄》スケルツォやモーツァルトの《フィガロの結婚》序曲とドイツ舞曲、レーガーのモーツァルト変奏曲、1931年のドレスデンでのブラームスの交響曲第2番、それに1948-51年デンマークでのモーツァルトのドイツ舞曲とコントルダンス、という組合せ。ブラームスは既出だが、拍手とアナウンスつきは初登場だそう。なかでもアコースティック録音の復刻が楽しみ。(2011.08.06)
 
Bruckner: Complete Symphonies Volume 1
Bruckner:
Symphony No. 4 'Romantic' (1879/80)
Symphony No. 7

Sinfonieorchester Basel
Mario Venzago
[CPO 7776152]
ヴェンツァーゴは1948年生れのスイスの指揮者。名誉指揮者をつとめるバーゼル交響楽団とのブルックナーで、どんな演奏なのかわからないが、全集をめざすという意気に感じて、聴いてみる。(2011.08.04)
 
Shostakovich: Piano Trio No. 2
Tchaikovsky: Piano Trio 'In Memory of a Great Artist'

David Trio: Claudio Trovajoli (piano), Daniele Pascoletti (violin) & Patrizio Serino (cello)
[Stradivarius STR33861]
2004年デビューというイタリアの若いピアノ三重奏団、ダーヴィト・トリオによるチャイコフスキーとショスタコーヴィチ。このトリオは2年ほど前にALTARAから出たシューベルトの三重奏曲集が、生き生きとした演奏でよかった記憶があるので、これも聴いてみる。(2011.08.01)
 
Isle of Man TT 1960
Graham Walker(Commentator)
1960.6.13-17, Isle of Man
[Duke DMCD9944]
1960年物。イギリスのマン島で毎年6月に行なわれるバイクレースの実況録音2枚組(モノラル)。TTレースとはトゥーリスト・トロフィー・レースの略で、バイクレースの世界最高峰とされ、1959年から参加を開始したホンダは、このレースで大活躍したことで国際的な評価を確立した。原盤はSTANLEY SCHOLFIELD SOUND STORIESのLPで、1958年から68年までのレースが計18枚のシリーズで発売されている。2008年にイギリスでCD化されていたが、最近になってやっと気がついたので、あわてて注文した次第。買ってはいないが、ホンダが軽量級で初めて圧勝した翌61年のセットももちろん出ている。
レースものでは、アメリカのリバーサイド(ジャズで有名なレーベル)がF1グランプリなどの録音を出していて、ステレオでより臨場感と迫力があるだけに、こちらもCD化して欲しい。(2011.07.29)
 
Schubert: Winterreise D911
Nataša Mirković-De Ro (voice)
Matthias Loibner (hurdy-gurdy)
[raumklang RK3003]
ボスニア出身でドイツ語圏を中心に活躍する女性歌手、ナターシャ・ミルコヴィチ=デ・ロー(ヴォーカル)が、マティアス・ロイプナーのハーディ・ガーディ伴奏で歌う《冬の旅》全曲。普段はクラシック以外のジャンルで活躍する彼女のシューベルトがいかなるものなのか、ためしに。(2011.07.28)
 
Donizetti: Lucia di Lammermoor
Natalie Dessay (Lucia), Piotr Beczala (Edgardo), Vladislav Sulimsky (Enrico), Dmitry Voropaev (Arturo), Ilya Bannik (Raimondo), Zhanna Dombrovskaya (Alisa) & Sergei Skorokhodov (Normanno)
Mariinsky Orchestra & Chorus, Valery Gergiev
2010, St Petersburg
[Mariinsky MAR0512]
ゲルギエフ&マリインスキーの新作は、意外にもベルカント・オペラの「ルチア」。主役にデセイ(ドゥセ)とベチャワを迎えたイタリア語版。演奏会形式のライヴで、狂乱の場ではグラス・ハーモニカが用いられているという。ゲルギエフのスタイルはけっこう合うのでは、と期待している。(2011.07.26)
 
Leo Blech - Live in Berlin 1950
Chopin: Klavierkonzert Nr. 2
Schubert: Symphonie Nr. 8 C-Dur "Große"

Julian von Karolyi(Klavier),
RIAS SO Berlin,
Leo Blech
1950.6.4, Berlin
[AUDITE AU95640]
ドイツの名指揮者、ブレッヒが1950年にベルリンで遺した貴重なライヴ録音を、アウディーテがオリジナル音源からCD化。弾力に富んだ生気あふれる演奏がこのレーベルから甦えるのは本当に楽しみ。CD1枚に収めるためか、《シチリア島の夕べの祈り》序曲などがないのは残念だが…。(2011.07.25)
 
Sophia Loren 4-Film Collection (Neapolitan Carousel / Attila / Madame Sans-Gene / Sunflower)
Lions Gate(2008)
これは映画で、ソフィア・ローレンの出演作4本をまとめたアメリカの3枚組DVD(Region 1)。日本では未DVD化の音楽映画『ナポリの饗宴』が入っているのに気がついて、大喜びで注文。『ナポリの饗宴』は、恩師のオペラ演出家三谷礼二が「自分の演出の原点」と語っていた、1955年日本公開のイタリア映画。ジーリの歌などが使われている。ジョルダーノの歌劇《無遠慮夫人》と同じ戯曲に基づく『戦場を駆ける女』も入っている(これは国内盤もあるが)。
なお、本国イタリアでも昨年DVDが出ている。こちらは『ナポリの饗宴』(Carosello Napoletano)単独での発売。(2011.07.22)
 
Boccherini:
String Quintet Op. 30 No. 6 in C major (Quintettino), G324 'La musica notturna delle strade di Madrid
Quintet No. 4 in D G448 'Fandango'
String Quintet Op. 11 No. 5 in E major, G275
String Quartet in G minor, Op. 32 No. 5

Cuarteto Casals
Eckart Runge (2nd cello), Carles Trepat (guitar) & Daniel Tummer (castanets)
[Harmonia Mundi HMC902092]
新譜が最も楽しみな弦楽四重奏団の一つ、カザルス四重奏団の、待望のボッケリーニ。ギター五重奏曲「マドリードの帰営ラッパ」のほか、四重奏と五重奏の代表作を、かれらの爽快な演奏で聴ける。(2011.07.18)
 
Franck: Le Chasseur maudit; Les Djinns, Op. 45: Les Eolides;
Symphonic Variations for piano & orchestra

Cedric Tiberghien (piano)
Orchestra Philharmonique Royal de Liege,
Francois-Xavier Roth
2009,
[Cypres CYP7612]
フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮のリエージュ・フィルによるフランクの交響詩集。ティベルギアンの共演も面白そう。(2011.07.15)
 
Dvořák: Symphonie Nr. 7 & Nr. 8
RSO Stuttgart,
Roger Norrington
2010, Stuttgart
[Hänssler 93277]
出たばかりのエルガーに続いて、ドヴォルジャークの交響曲第7&8番。《新世界より》以来のドヴォルジャーク。(2011.07.10)
 
Orff: Orpheus (nach Claudio Monteverdis "Orfeo"); Klage der Ariadne
Janina Baechle, Michaela Selinger, Kay Stiefermann, orpheus chor münchen, Münchner RO,
Ulf Schirmer
2010
[Cpo 777656]
オルフの補筆と編曲によるモンテヴェルディの歌劇《オルフェオ》。シルマーの指揮なのがとりわけ楽しみ。(2011.07.08)
 
Schubert die Forelle ; Trout Variations
Schubert: Forellenquintett D. 667; Die Forelle D. 550
Tomter: Fiellörreten
Whittall: Hors d'oeuvre
Schmid / Carstenden: Forelle blue

Jan Vogler(violoncello), Moritzburg Festival Ensemble
2011.3, Dresden
[SONY 88697892622]
ヤン・フォーグラーを中心に、ピアノのシーララなどからなるモーリツブルク祝祭アンサンブルによる、シューベルトの「ます」の変奏をテーマにした一枚。後半は民俗楽器をまじえた即興的な作品だそうで、愉しい演奏を期待。(2011.07.06)
 
Schumann: Symphony No.3 'Rheinische', No.2
Israel Philharmonoic,
Paul Paray
1976&1971, Tel Aviv
[Helicon HEL029640]
イスラエル・フィルのアーカイヴズからの発売で、このオーケス
トラとの関係の深かったパレーの80歳台後半、晩年のライヴによ
るシューマンの交響曲集。 同じシリーズでモントゥー、ドラティ
も発売されている。(2011.07.03)
 
Rossini: Guillaume Tell
Gerald Finley (Guillaume Tell), John Osborn (Arnaud), Malin Byström (Mathilde), Marie-Nicole Lemieux (Hedwige), Matthew Rose (Walter Furst), Frédéric Caton (Melchtal), Elena Xanthoudakis (Jemmy), Carlo Cigni (Gesler), Carlo Bosi (Rodolphe), Celso Albelo (Ruodi), Dawid Kimberg (Leuthold), Davide Malvestio (Un Chasseur)
Orchestra e coro dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia, Antonio Pappano
2010, Roma
[EMI 0288262]
ロッシーニの傑作《ギョーム・テル》の演奏会形式ライヴ。ラトルとともにEMIの看板指揮者となったパッパーノの指揮で、フィンリー、ルミュー、新人オズボーンという歌手陣。(2011.07.02)
 
Ravel: Daphnis et Chloé
Debussy: Prélude à l'après-midi d'un faune

Orchestre Philharmonique de Monte Carlo, Berlin Radio Chorus,
Yakov Kreizberg
2010.7, Monte Carlo & Berlin
[OPMC Classics OPMC002]
モンテカルロ・フィルの自主制作盤第二弾で、やはりディアギレフゆかりのラヴェルとドビュッシーの作品。今年3月に亡くなったクライツベルクの指揮による。《ダフニスとクローエ》ではベルリン放送合唱団も参加。クライツベルク&モンテカルロのコンビでは、第3弾の《シェエラザード》も既発売。(2011.07.01)
 
Mahler:
Kindertotenlieder; Lieder eines fahrenden Gesellen; Rückert-Lieder

Katarina Karnéus (mezzo-soprano)
Gothenburg Symphony Orchestra,
Susanna Mälkki
2007&2010,
[BIS SACD1600]
フィンランドのカルネウスが歌うマーラー。なかなか評判がいいが、CDは現代音楽ばかりで紹介しにくい女性指揮者、マルッキの指揮というのも楽しみ。(2011.06.27)
 
Mozart: Violin Concerto No. 5 "Turkish"
Ravel: Boléro
Prokofiev: Symphony No. 7

Arthur Grumiaux (violin),
Sinfonieorchester des Bayerischen Rundfunks,
Rudolf Kempe
1960.11, München
[Archipel ARPCD0530]
1960年物。1960.11.10&11に行われたバイエルン放響の定期演奏会から、ラモーの《優雅なインドの国》序曲以外の曲目をまとめたもの。ただしモーツァルトとラヴェルは9日、プロコフィエフが11日という日付表示。モーツァルトとプロコフィエフはGOLDEN MELODRAMで出ているが、ラヴェルは初CD化。以前、録音年不詳の《ボレロ》が海賊盤にあったと思うが、それと同一なのかどうか。(2011.06.23)
 
Elgar:
Enigma-Variations op. 36;
Concert overture "In the South" op. 50;
Introduktion & Allegro op. 47

RSO Stuttgart des SWR,
Roger Norrington
2007 & 2010, Stuttgart
[Hänssler 93191]
10年以上前の交響曲第1番とセレナード以来、久々のノリントン&シュトゥットガルトによるエルガー。ピュアトーンによるエニグマが特に楽しみ。(2011.06.22)
 
Beethoven:
Symphony No. 7
Piano Concerto No. 5 'Emperor
'
Rudolf Serkin (piano),
New York Philharmonic Orchestra,
Pierre Monteux
1953 & 1959, New York
[Archipel ARPCD0532]
モントゥーのニューヨーク・ライヴ。トスカニーニの代役でNBC響を指揮した1953年の交響曲第7番と、ゼルキンと共演した1959年のニューヨーク・フィルとの《皇帝》。後者は初CD化だと思う。(2011.06.20)
 
Mendelssohn: Motets & Psalms
Felicity Palmer (soprano), Gillian Weir (organ), Heinrich Schütz Choir,
Roger Norrington
[Eloquence 4802475]
ノリントン初期のデッカ録音で、1962年にかれが結成したシュッツ合唱団とのメンデルスゾーンのモテットと詩篇集。ボーイ・ソプラノの定番、《主よ、我が祈りの声を聞きたまえ》をフェリシティ・パーマーが歌っている。オーストラリアのエロクェンスらしい、珍しい録音の復活。クレオベリーとキングズ・カレッジの録音2曲つき。(2011.06.18)
 
Tchaikovsky: Eugene Onegin
Ekaterina Godovanets (Tatyana), Vladislav Sulimsky (Onegin), Dmitry Voropaev (Lensky), Irina Rubtsova (Larina), Irina Dolzhenko (Olga), Margarita Nekrasova (Filipyevna), Andrey Telegin (Gremin), Valentin Sukhodolets (Triquet)
Yurlov State Academic Choir Cappella of Russia,
State Symphony Orchestra of Russia
Mark Gorenstein
2009, Moskow
[MDG Live MDG6091695]
スヴェトラーノフの跡を襲って、ロシア国立響の芸術監督兼首席指揮者をつとめるゴレンシテインによる、演奏会形式の《オネーギン》。どのような演奏なのかわからないが、試しに。(2011.06.17)
 
Mahler:Symphony No. 6 'Tragic'
Stravinsky:Le Chant du Rossignol
Webern: Passacaglia Op. 1, Variations Op. 30

Lucerne Festival Academy Orchestra, Pierre Boulez
2010, Lucerne
[Accentus Music ACC30230]
ブーレーズとルツェルン音楽祭の講習会オーケストラとのライヴ。若手を指揮してどんなサウンドが生れるのか、そこに期待。(2011.06.16)
 
マーラー:交響曲第9番 ニ長調
新日本フィルハーモニー交響楽団
山田一雄(指揮)
1986.6.7 東京文化会館
[フォンテック FOCD-9525]
没後20周年の山田一雄による、1986年ライヴのマラ9。初発売。芸術院賞受賞記念のライヴで、レコード化を予定して録音されながら、お蔵入りしたソースの四半世紀ぶりの発掘という。ムラの大きい人だけれど、得意のマーラーだけに、とにかく楽しみな盤。タワーレコードでは7/6に先行発売。(2011.06.14)
 
Reich: The Desert Music, 3 Movements
Chorus sine nomine, Tonkünstler-Orchester Niederösterreich,
Kristjan Järvi
2006 & 2007, Wien
[Chandos CHSA5091]
2009年までトンキュンストラーの音楽監督だったK・ヤルヴィによるライヒ。もともと現代音楽を得意にしているだけに、どのような演奏なのか楽しみ。(2011.06.13)
 
Bartók: Bluebeard's Castle, Sz. 48, Op. 11
Laszló Polgár (Bluebeard) & Ildikó Komlósi (Judith)
Budapest Festival Orchestra,
Iván Fischer
2002.8, Budapest
[Channel CCSSA90311]
フィリップスから出ていた、I・フィッシャーの《青ひげ公の城》のSACDハイブリッド盤が、レーベルを変えて復活。(2011.06.12)
 
Shostakovich:
24 Preludes Op. 34
Piano Quintet in G minor Op. 57

David Kadouch (piano), Quatuor Ardeo
[Transart TR162]
まもなくルノー・カプソンとともに来日する1985年生れのフランスのピアニスト、カドゥシュの弾くショスタコーヴィチ。Art Actから、同じくアルデオ四重奏団と共演したシューマン作品集も出ている。(2011.06.03)
 
Mendelssohn: A Midsummer Night's Dream Overture, Op. 21
Tchaikovsky: Symphony No. 6 in B minor, Op. 74 'Pathétique
'
Philharmonia Orchestra,
Sir Charles Mackerras
2009, London
[Signum SIGCD253]
シグナムのフィルハーモニア管弦楽団ライヴ・シリーズの新作は、マーラーの第4番に続いて故マッケラスの登場。(2011.05.30)
 
`Remembering JFK: 50th Anniversary Concert'
Bernstein: Fanfare for the Inauguration of JFK
Lieberson: Remembering JFK (An American Elegy)
Bernstein: West Side Story: Symphonic Dances
Gershwin: Piano Concerto in F major

Richard Dreyfuss (narrator), Tzimon Barto (piano)
National Symphony Orchestra,
Christoph Eschenbach
2011.1, the Kennedy Center, Washington, D.C.

J.S.Smith: The Star-Spangled Banner
Montaine: From Sea to shining Sea (Overture)
R.Thompson: The Testament of Freedom (1st Mov.)
Gershwin:Rhapsody in Blue

Earl Wild (piano)
Georgetown University Glee Club,
National Symphony Orchestra,
Howard Mitchell
1961.1.19, Washington, D.C.
[Ondine ODE11902D]

ナショナル響の創立80周年の記念盤で、今年1月のJFK就任50周年記念演奏会と、50年前の就任記念演奏会のライヴを組み合わせた2枚組。1961年の演奏は、ナショナル響の自主制作盤に国歌と《ラプソディ・イン・ブルー》の2曲が含められていたが、他は初CD化ではないか。
2011年盤には、バーンスタインの《JFK就任式のためのファンファーレ》の「初録音」が入っているのが嬉しい。これはナショナル響の演奏会とは別に行われた、練兵場でのフランク・シナトラ制作の前夜祭コンサートのために作曲されたもの。以前、マイナー・レーベルでブラス・アンサンブルの録音があったが、シド・ラミンによるオーケストラ版の録音は初めて、という意味だろうか。
そういえば、バーンスタインやマーマン、マヘリア・ジャクソンなどが参加したシナトラ制作のコンサートの方は、シナトラの個人レーベルであるリプリーズが正式に録音しているが、全曲は出演者が豪華なだけに権利関係が複雑で、発売されなかった。シナトラの歌った曲だけは以前にシナトラ本の附録でCD化されたが、全曲はどうなのだろう。(2011.05.27)
 
Lully: Bellérophon
Cyril Auvity (Bellérophon), Céline Scheen (Philonoé), Ingrid Perruche (Sténobeé), Jennifer Borghi (Argie/Pallas), Evgeniy Alexiev (Pan/Jobate-Le Roy), Jean Teitgen (Apollon/Amisodar) & Robert Getchell (Bacchis/La Pythie)
Chamber Choir of Namur & Les Talens Lyriques,
Christophe Rousset (direction)
2010, France
[Aparté AP015]
チャリティ演奏会のためにまもなく来日するルセが指揮した、リュリの歌劇《ベレロフォン》全曲。フランスやイギリスで絶賛されている上演なので、大いに楽しみ。(2011.05.26)
 
Mendelssohn: Symphony No. 2 B-dur, Op. 52 'Lobgesang'
Christiane Oelze, Simona Saturova (sopranos), Ian Bostridge (tenor)
Chorus Sine Nomine, Tonkunstler Orchester Niederosterreich,
Andres Orozco-Estrada
2010.10, Wien
[Preiser PR90796]
トンキュンストラーの新シェフ、1977年コロンビア生れのオロスコ=エストラーダの第2弾は、メンデルスゾーンの《讃歌》。ボストリッジが参加しているのもききもの。(2011.05.24)
 
Wagner: Tristan und Isolde
Birgit Nilsson, Ramón Vinay, Jerome Hines, Irene Dalis, Walter Cassel
Orchestra & Chorus of the Metropolitan Opera House,
Karl Böhm
1960.1.9, New York
[Walhall WLCD0307]
1960年物。予告する前に現物が届いたので、ここではまず音質の感想。先に出たGOLDEN MELODRAM盤はモヤモヤと濁った、いかにも安物のラジオで聴くような音だったが、これははるかに良好な別音源。高音が少し割れ、ハイあがりを抑える必要はあるが、かなりよい。WALHALLのメトものは、これまでの盤も既発盤とは異なる良好なソースを使用していることが多く、これもひょっとしたらと期待したのだが、大当たり。GM盤になかった、ミルトン・クロスのアナウンスも入っている。(2011.05.21)
 
Apres Un Reve
songs of R. Strauss, Fauré, Mendelssohn, Chausson, Bouchot, Poulenc, Britten

Sandrine Piau(Soprano), Susan Manoff(Piano)
2010.6
[Naive V5250]
旧譜"Evocation"が圧倒的な出来だった、ピオーとマノフの名コンビによる歌曲集。「夢」をテーマにした、独仏英の作品をあつめている。(2011.05.20)
 
Beethoven: Complete Symphonies
Philharmonia Orchestra,
Otto Klemperer
1960, Wien
[Music & Arts MACD1252]
1960年物。あのクレンペラーのベートーヴェン・チクルスが、M&A盤もリマスタリングして新装発売。以前のは疑似CD風で少し濁った響きだったが、どうなるか。同社のリマスタリングはおおむね好結果なので、これもとにかく聴いてみる。このチクルスは、ほかにIDISからも順次分売中。なお海外サイトと国内サイトでは、かなり価格が異なるので要注意。(2011.05.18)
 
Mahler: Symphony No. 3, Debussy: La Mer
Lucretia West (contralto)
Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester,
Dimitri Mitropoulos
1960.10.31 & 24, Köln
[ica classics ICAC5021]
1960年物。ミトロプーロスがケルン放響を指揮した2週の演奏会から、ドビュッシーの《海》と生涯最後の演奏となったマーラーの交響曲第3番を組み合わせたもの。《海》の正規音源は初発売(同日の《スコットランド》はMEDICIから出ていた)だし、マーラーはTAHRAが以前に出しているが、これもマスタリングの差が楽しみ。(2011.05.16)
 
SONGS WITHOUT WORDS
SCHUMANN, BRAHMS, MENDELSSOHN, SCHUBERT, LISZT, GRIEG , DEBUSSY, POULENC, JANÁCEK, BARTÓK, BRITTEN

Julius Drake, piano
2008, London
[ATMA ACD22616]
ボストリッジなどの名伴奏で知られるイギリスのピアニスト、ジュリアス・ドレイクの独奏による小品集。近年は表現の幅を増しているので楽しみ。ちょうど同時期に、プレガルディエンとのコンビでおなじみのミヒャエル・ゲースの、サティと自作演奏の1枚も、チャレンジ・クラシックスから出る。(2011.05.15)
 
J. S. Bach: Cello Suites Nos. 1-6, BWV1007-1012
Ophélie Gaillard (cello)
2010
[Aparté AP017]
優美な音色と心地よい呼吸感で、聴く者を魅了するオフェリー・ガイヤール。新作は11年ぶりの再録音となるバッハの無伴奏。前作ショパン、数年前のボッケリーニなど、好調が続いているだけに楽しみ。(2011.05.13)
 
Boito: Mefistofele
Ferruccio Furlanetto (Mefistofele), Giuseppe Filianoti (Faust), Dimitra Theodossiou (Margherita / Elena), Sonia Zaramella (Marta), Mimmo Ghegghi (Wagner / Nereo) & Monica Minarelli (Pantalis, Elena’s companion)
Orchestra, Chorus and Children’s Chorus of Teatro Massimo, Palermo, Stefano Ranzani
2008, Palermo
[Naxos 8.660248-49]
日本ではドリームライフからDVDが出ている《メフィストーフェレ》全曲ライヴ。フルラネット、フィリアノーティ、テオドッシュウと、キャストがそろっているのが魅力。近年のイタリアの地方歌劇場では、オケや合唱に多くは期待できないだろうけれど…。(2011.05.12)
 
Alois Unerhört / The boy and his Voice
Alois Mühlbacher (soprano), Franz Farnberger (piano),
Chor der St. Florianer
[Preiser PR91185]
ザンクト・フローリアンの聖歌隊所属で、オーストリアで人気のボーイソプラノ、アロイス・ミュールバッヒャーのアリア集。《ナクソス島のアリアドネ》《魔笛》《死の都》《ジャンニ・スキッキ》《ラ・ワリー》など13曲。(2011.05.11)
 
Memorial Tribute to Toscanini
J.S. Bach :
Brandenburg Concerto No. 2
Passacaglia & Fuge in C minore(Respighi)
Rossini: String Sonata No. 3
Vivaldi: Concerto, Op. 3 No. 11
rehearsal footage of excerpts from Die Zauberflote Overture, the final movement of Beethoven Symphony No. 9, and Act 1 & 2 of La Traviata

introduced by Marcia Davenport
NBC Symphony Orchestra, Arturo Toscanini, 1938-1954
[GUILD GHCD2364/65]
トスカニーニの長男ワルターが、ミュージシャンズ・ファンデーションの募金用に自主制作したLPのCD化。1枚目のバッハほかは既発だが、2枚目のリハーサル集は待望の発売。トスカニーニのリハーサルは、つねに必聴の価値がある。アルマ・グルックの娘で、俳優エフレム・ジンバリスト・ジュニアの父親違いの姉の作家・音楽評論家、マーシャ・ダヴェンポートによる英語解説つき。(2011.05.10)
 
Giuseppe Borgatti
Wagner, Puccini, Verdi, Schumann: Aria & Songs

Giuseppe Borgatti (tenor)
1905-1928
Bonus - Isadoro Fagoaga (tenor)
[Preiser PR89747]
イタリアのヘルデン・テナーとして有名なボルガッティ(1871~1950)の全録音集。世紀のかわり目にトスカニーニ指揮のミラノ・スカラ座でジークフリートとトリスタンを歌って成功しただけでなく、アンドレア・シェニエとカヴァラドッシの創唱者(世界初演者)であることも、大いに興味をかきたてる歌手。1913年、スカラ座での《トリスタン》リハーサル中に突然視力を失い、1925年には全盲となった。全15曲のうち5曲は1905年、7曲が1919年、3曲は1928年と29年の録音。付録は、ボルガッティの後継者とみなされたファゴアーガ(1895~1976)の1929年録音を7曲。(2011.05.09)
 
Rossini: Ouvertures
La Scala di seta; Il Signor Bruschino; L'Inganno felice; L'Italiana in Algeri; Il Turco in Italia; Matilde di Shabran; Il Barbiere di Siviglia; Guglielmo Tell

Kammerorchester München, Alexander Liebreich
2010.6&7. München
[Sony 88697771412]
1968生れのドイツの指揮者、リープライヒが手兵ミュンヘン室内管を指揮したロッシーニ序曲集。まもなく紀尾井シンフォニエッタのベートーヴェン・チクルスを指揮するので、実演への期待も込めて。(2011.05.07)
 
R. Strauss: Salome
Inge Borkh, Josef Metternich, Fritz Uhl, Ira Malaniuk
Bayerischen Staatsoper Orchester
Rudolf Kempe
1960, München
Bonus - Wagner:Die Walkure Act I
Inge Borkh, Sebastian Feiersinger
Orchestre National de Belgique, Andre Vandernoot
[Myto MCD00282]
1960年物。初登場のケンペの《サロメ》。月日不詳だが、8月25日か9月3日のミュンヘン音楽祭のライヴだろう。いい顔ぶれだけに楽しみだが、付録の、ヴァンデルノート指揮ベルギー国立管とボルクとファイアージンガーによる《ワルキューレ》第1幕(抜粋?)というのも未知の音源で、1960年物でなくても面白そう。(2011.05.06)
 
Mihaela Ursuleasa / Piano & Forte
Beethoven: 32 Variationen WoO 80
Brahms: 3 Intermezzi op. 117
Ravel: Gaspard de la nuit
Ginastera: Klaviersonate Nr. 1 op. 22
Constantinescu: Joc Dobrogean

Mihaela Ursuleasa(p), 2009.5, Köln
[Berlin Classics 0016542BC]
1978年生れのピアニスト、ウルスレアサ(ウルズレアサ)のデビュー・アルバム。先日紹介した第2弾の「ルーマニアン・ラプソディ」が民俗音楽風の強靱なリズムでとても面白かったので、こちらも注文してみる。(2011.05.05)
 
Mozart: Requiem
Simone Kermes (soprano), Stéphanie Houtzeel (alto), Markus Brutscher (tenor), Arnaud Richard (bass)
MusicAeterna & The New Siberian Singers,
Teodor Currentzis (director)
2010, Novosibirsk
[Alpha ALPHA178]
俊敏な演奏による《ディドーとエネアス》やショスタコーヴィチの交響曲第14番で評判のシベリアの鬼才、クルレンツィスによるモーツァルトのレクイエム。なにか仕掛けがあるとか、ないとか。(2011.05.03)
 
Liszt: 12 etudes d'execution transcendante, Sonate in si
mineur, Ballade No. 2, Bagatelle sans tonalite, Isolde's
Liebestod (Wagner), Mephisto Waltzer No. 1

Nelson Goerner (piano)
1999&2007
[Cascavelle VEL3157]
冴えた技巧と呼吸感の豊かなスケールの大きな演奏に、目が離せないゲルネル。1999年と2007年のリスト演奏を2枚組にまとめた廉価盤で、これは非常にお買い得。(2011.05.01)
 
Beethoven: Fidelio
Birgit Nilsson (Leonore), Jon Vickers (Florestan), Hermann
Uhde (Don Pizarro), Oskar Czerwenka (Rocco), Laurel Hurley
(Marzellina), Charles Anthony (Jaquino) and Giorgio Tozzi (Don
Fernando)
The Metropolitan Opera & Chorus,
Karl Böhm
1960.2.13 New York
[Sony Met Matinées 88697853092]
Walhallによる初CD化で知名度が上がった1960年メトのベームの凄絶な《フィデリオ》が、ソニーからオーソライズドで発売。ソニーのメト・ライヴは、アイテム選択の基準が私などは違うようで、もう一つ食指が動かないのだけれど、これは大期待。音質向上を期待したい。(2011.04.29)
 
J.S.Bach :
Goldberg Variations, BWV988
Minuet in G major, BWV Anh. 114
Chorale Prelude BWV691 'Wer nun den lieben Gott lässt walten'
March in D major, BWV Anh. 122
Goldberg Variations, BWV988:Aria
Prelude in C (from the Well-Tempered Clavier BWV846)

Andrea Bacchetti (piano), 2010
[Dynamic CDS659]
1977年生れ、流麗かつ構築的なバッハ演奏で次第に評価を高めつつあるイタリアの若手ピアニスト、バッケッティ。新作はゴルトベルク変奏曲と「アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳」からの5曲。この人の演奏は、ファツィオリのピアノの柔らかな音色も魅力。(2011.04.27)
 
Verdi: Otello
Mario Del Monaco (Otello), Tito Gobbi (Jago), Floriana Cavalli (Desdemona)
Orchestra e Coro del Teatro dell'Opera di Roma, Franco Capuana
1960.12.26, Roma
[Myto 2CD00267]
1960年物。1960年12月のデル・モナコ&ゴッビによるローマの《オテロ》。全曲は初レコード化。イタリア国歌が演奏されているのは、大統領臨席なのか。
MYTOが同時に発売する1960年2月ナポリの《イル・トロヴァトーレ》も初レコード化、同年12月メトの《ナブッコ》も初CD化で、権利公有化のたまもの。(2011.04.25)
 
Schubert: Die schöne Müllerin, D795
Christopher Maltman (baritone) & Graham Johnson (piano)
[Wigmore Hall Live WHLIVE0044]
ウィグモア・ホール・ライヴの新作は、マルトマンとグレアム・ジョンソンによる「水車小屋の娘」。続いてイブラギモヴァとティベルギアンのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の完結編も出るので、合わせて楽しみ。(2011.04.22)
 
Vivaldi:
The Four Seasons
Violin Concerto, Op. 3 No. 6, RV 356
Violin Concerto, Op. 3 No. 9, RV 230

Olivier Charlier (violin/director), Orchestre d'Auvergne
[Transart TR157]
フランスの実力派ヴァイオリニスト、シャルリエがオーベルニュ管弦楽団と演奏する《四季》。充実した演奏を期待。(2011.04.19)
 
Romanian Rhapsody
Bartók:Two Romanian Dances Op. 8a ; Rhapsody for Violin & Orchestra No. 2
Constantinescu: Suite for Piano
Enescu: Romanian Rhapsody, Op. 11 No. 1
Schubert: 3 Klavierstücke, D946

Mihaela Ursuleasa (piano)
Gilles Apap (violin)
[Berlin Classics 0016642BC]
ルーマニア生れ、1995年クララ・ハスキル・コンクール優勝のウルズレアサ。コパチンスカヤやソル・ガベッタとの共演でもおなじみの彼女のセカンド・アルバムは、自国にちなむ作品集。(2011.04.17)
 
Amor Oriental- Handel Alla Turca
L'arte Del Mondo, Pera Ensemble
2010.10.10, Berlin
[DHM 88697857492]
ヘンデルとトルコの民俗音楽を対比させるコンサートのライヴ。エールハルト(指揮)のラルテ・デル・モンドがヘンデルのオペラを、ペーラ・アンサンブルがトルコ音楽を演奏。愉しい音楽を期待。(2011.04.16)
 
Mahler: Symphony No. 1 'Titan'
Orchestra del Teatro La Fenice di Venezia, Lorin Maazel
1960.9.11, Venezia, Palazzo Ducale, Sala dello Scrutinio
[Archipel ARPCD0516]
1960年物。ヴェネツィア国際現代音楽祭の開幕コンサートでのライヴ。マーラー生誕百年記念演奏会。《巨人》と《大地の歌》という珍しい曲目で、《大地の歌》はLONGANESI PERIODICIのLPで出たことがあるが、《巨人》は初レコード化。《大地の歌》も出てほしい。フィルアップは、1952年のペルとフルトヴェングラーによる《さすらう若人の歌》。(2011.04.12)
 
Glenn Gould in Concert 1951-1960
Glenn Gould (piano)
[West Hill Radio Archive WHRA6038](6CD)
ウエストヒルの新譜はグールドのライヴ6枚組。ゴルトベルク1958年ヴァンクーヴァー・ライヴとか、1960年ヴァンクーヴァーでの「架空庭園の書」とか、1959年バーンスタインとのモーツァルトの24番とか、1960年パレーとのブランデンブルク5番とか、初レコード化の音源がかなり含まれているのが嬉しい。基本的に良質な音源を使用するレーベルだけに、音質面も期待できそう。(2011.04.09)
 
 「ラクリメ・アモローゼ」
(1)エリンナの涙(フォンテーイ)
(2)恋するヘラクレイトス(ストロッツィ)
(3)さあ,眠りなさい~子守歌による宗教的カンツォネッタ(メールラ)
(4)さようならローマ(モンテヴェルディ)
(5)アルペッジャータ(カプスベルガー)
(6)嘆きの言葉を(サンチェス)
(7)戻っておいで,坊や(カッチーニ)
(8)死なねばならないのか(カッチーニ)
(9)愚かな恋人(メールラ)
(10)ディドーネの嘆き(ディンディア)

ロベルタ・マメリ(ソプラノ), つのだたかし(リュート/ティオルバ)
2010.9, 軽井沢コルネ
[パルドン TR6436]
みずみずしく艶のある歌声と劇的な表現力が魅力的な歌手、マメリの新譜。ラ・ヴェネシアーナの一員でもある彼女が、昨年単独で来日したときの録音。私が大久保の教会で聴いたリサイタルと同じ曲目なので、愛聴盤となること必至の一枚。こういう良質なCDの存在があまり宣伝されず、広く知られないのは、非常にもったいない。(2011.04.08)
 
Rossini Opera Arias
La donna del lago : Tanti affetti. Guillaume Tell : Ils s'eloignent enfin. Semiramide : Bel raggio lusinghier. Otello : Assisa a' pie d'un salice. La Cenerentola : Sinfonia / Della fortuna istabile… Nacqui all'affanno. L'assedio di Corinto : L'ora fatal s'apressa
.
Julia Lezhneva, Sinfonia Varsovia, Marc Minkowski, 2010
[Naive V5221]
まだ21歳と若いロシアの歌手、レージネヴァのロッシーニ・アリア集。伴奏のミンコフスキがイチオシの歌手ということで、いやが上にも期待させられる1枚。ミサ曲ロ短調の録音に参加したのがきっかけだとか。(2011.04.07)
 
Shostakovich:Piano Concerto No. 1 & No. 2, Piano Quintet
Martin Helmchen (piano), London Philharmonic Orchestra, Vladimir Jurowski, 2008&09, London
[LPO LPO0053]
ユロフスキ&LPOの新作は、ヘルムヒェンとのショスタコーヴィチのビアノ協奏曲。来月にはマーラーの「復活」が出るそうで、あわせて待望。(2011.04.05)
 
J.S.Bach : Johannes-Passion, BWV245
Hans-Jörg Mammel (Evangelist), Matthias Vieweg (Christus), Maria Keohane, Helena Ek (soprano), Carlos Mena, Jan Börner (alto), Jan Kobow (tenor) & Stephan MacLeod (bass), Ricercar Consort, Philippe Pierlot, 2010,
[Mirare MIR136]
前作、マニフィカトの清新で快活な演奏が素晴らしかったピエルロとリチェルカール・コンソートによる、ヨハネ受難曲。マンメルの福音史家も楽しみ。(2011.04.01)
 
Chausson:Poème for Violin & Orchestra, Op. 25
Respighi:Poema autumnnale
Suk:Fantasy for Violin & Orchestra, Op. 24
Vaughan Williams:The Lark Ascending

Julia Fischer (violin)
Orchestre Philharmonique de Monte Carlo, Yakov Kreizberg
[Decca 4782684]
ブラームスやチャイコフスキーの協奏曲など、PENTATONEに素晴らしい録音を残したフィッシャーとクライツベルクの共演が、フィッシャー移籍先のデッカで、指揮者の新しい手兵とともに実現。
ところが、クライツベルクが3月15日に51歳で亡くなったため、嗚呼、期せずして追悼盤に。残念。合掌。(2011.03.26)
 
Shostakovich: Lady Macbeth of Mtsensk
Angela Denoke (Katerina), Misha Didyk (Sergey), Kurt Rydl (Boris), Marian Talaba (Zinovy), Chorus & Orchestra of the Vienna State Opera, Ingo Metzmacher
2009, Wien
[Orfeo C812112I]
デノケがヒロインを歌い、メッツマッハーが指揮する《ムツェンスク郡のマクベス夫人》のウィーン・ライヴ。これはもう、三重丸で楽しみ。(2011.03.23)
 
Mahler: Symphonie Nr. 8
Johan Botha, Ricarda Merbeth, Elza van den Heever, Kwangchoul Young, Wiener Singakademie, RSO Wien, Bertrand de Billy, 2010.3.27, Wien
[Oehms OC768]
昨年オーストリア放響のポストを離れてしまったドゥ・ビリーによる、マーラーの「千人」。演奏には期待しつつ、Oehmsの音質はやや不安。(2011.03.19)
 
Bellini: I Puritani
Joan Sutherland, Nicola Filacuridi, Giuseppe Modesti, Ernest Blanc
The Royal Philharmonic Orchestra & The Glyndebourne Opera Chorus,
Vittorio Gui, 1960.9.8, King’s Theatre, Edinburgh,
[Myto MCD00263]
1960年物。先に出たグラインドボーン音楽祭の自主制作盤は6月5日のライヴ録音(音楽祭の記録用テープを音源とする、素晴らしい音質)だったが、これは同じプロダクションが秋のエディンバラ音楽祭で上演されたさいの、9月8日のライヴ(元はBBCの中継)。
さらにGolden Melodramから、6月18日のグラインドボーンでのライヴ録音(元はBBCの中継)の発売も予定されているので、同一のプロダクションが3種、日付違いで揃うことになる(ちょっとびっくり)。
同年のグラインドボーン音楽祭のライヴは、Golden Melodramから7月24日のプリッチャード指揮の《ドン・ジョヴァンニ》、Walhallから7月のC・デイヴィス指揮の《魔笛》も発売される。ほかにグイの《ファルスタッフ》とプリッチャードの3本立て(《アルレッキーノ》《スザンナの秘密》と《人間の声》)の録音も確認されているので、これらも出てほしいところ。(2011.03.11)
 
Liszt:
Von der Wiege bis zum Grabe, symphonic poem No. 13, S107
Trois Odes funèbres, S112
2 Episoden aus Lenaus Faust S100

BBC Scottish Symphony Orchestra, Ilan Volkov, 2010, Glasgow
[Hyperion CDA67856]
俊英ヴォルコフ率いるBBCスコティッシュ響によるリストの管弦楽曲集。「3つの葬送頌歌」が珍しい。(2011.03.08)
 
Walton: Belshazzar's Feast, Symphony No. 1 in B flat minor
Peter Coleman-Wright (baritone)
London Symphony Chorus, London Symphony Orchestra, Sir Colin Davis
2008&2005, London
[LSO Live LSO0681]
拙日記「黙示録の土曜日」で取りあげた、ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」の最新録音。高音質を期待。(2011.03.07)
 
Mahler:Symphonie Nr. 10, Kindertotenlieder
Debussy: La Mer

Jennie Tourel(Mezzosoprano)
New York Philharmonic, RSO Köln, Dimitri Mitropoulos, Leonard Bernstein
1958.3.13, 1960.2.12, 1960.10.24
[Archipel ARPCD 0529]
1960年物。ミトロプーロス指揮の10番の2つの楽章と《海》、バーンスタイン指揮でトゥーレル独唱の《亡き子をしのぶ歌》。テープしかなかった《亡き子をしのぶ歌》のライヴ録音の初CD化が嬉しい(セッション録音の4日前)。第10番が表記のとおり、1960年盤ではなく1958年のニューヨーク初演時のライヴだとしたら、第1楽章は完全な初レコード化、第3楽章もNYPの自主制作セット以外では初登場の珍しいヴァージョンということになる。《海》はケルン放響の演奏で、これはよくあるもの。(2011.03.06)
 
Mahler: Das klagende Lied
Gundula Janowitz (soprano), Sonja Draksler (alto), Julius Patzak (tenor)
Chor des Osterreichischen Rundfunks, Grosses Wiener Rundfunkorchester,
Kurt Richter, 1960.3, Wien
[Archipel ARPCD0515]
1960年物。初登場の音源。第3稿による2部構成の演奏だろう。CDには録音年しか記載がないが、「レコード芸術」1960年5月号に3月の演奏とある。指揮者クルト・リヒターはこの時期ウィーンの放送局などで仕事をしていた人だが、詳細不明。デビュー間もないヤノヴィッツが参加している。(2011.03.04)
 
Bartók: Sonata for Solo Violin, BB 124, Sz. 117
Grieg: Violin Sonata No. 1 in F major, Op. 8
R Strauss: Violin Sonata in E flat major, Op. 18

Vilde Frang (violin), Michail Lifits (piano)
[EMI 9476392]
デビュー作のシベリウス&プロコフィエフの協奏曲が素晴らしい出来だったので、俄然注目の若手ヴァイオリニスト、ヴィルデ・フラングの第2作。(2011.03.03)
 
Shostakovich:
Symphony No. 1 in F minor, Op. 10
Symphony No. 3 in E flat major, Op. 20 'The First of May

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra, Vasily Petrenko
[Naxos 8.572396]
快調に進行中の、V・ペトレンコのショスタコーヴィチ交響曲シリーズの第5弾。(2011.02.28)
 
Verdi:Quattro Pezzi Sacri, Inno delle nazioni, Libera me, Domine from ‘Messa per Rossini’, La Vergine degli Angeli (from La Forza del Destino)
Barbara Frittoli (soprano) & Francesco Meli (tenor), Orchestra and Chorus of Teatro Regio, Torino, Gianandrea Noseda, 2010, Torino
[Chandos CHAN10659]
ノセダがトリノのオーケストラとヴェルディの聖歌物を録音。録音の少ないフリットリが出てくるだけで嬉しいが、こうした音楽は特にうまいだけに大期待。(2011.02.26)
 
Brahms: Ein Deutsches Requiem, Op. 45 for piano, four hands
Philip Mayers, Philip Moll (piano), Marlis Peterson (soprano) & Konrad Jarnot (baritone), Rundfunkchor Berlin, Simon Halsey, 2009
[Coviello COV41006]
ラトルの盟友、ハルジーが指揮したドイツ・レクイエム。ピアノ連弾版の録音で、作曲者のものではなくピアノのモルによる編曲版だという。優秀録音で美しい響きが聴けることを期待(2011.02.22)。
 
J.S.Bach: Johannes Passion, BWV245
Peter Pears (Evangelist), Elisabeth Grümmer (soprano), Marga Höffgen (alto), John van Kesteren (tenor), Hans Hotter (bass), Kieth Engen (bass), Chor und Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks,
Eugen Jochum, 1960.4.1, Munch
[Andromeda ANDRCD9080]
1960年物。受難節に演奏した受難曲。ヨッフムがミュンヘンで不人気で、バイエルン放響首席を辞任に追い込まれた時期だからか、間近に演奏されたリヒター&ミュンヘン・バッハのマタイと比較されて、批評家には不評だったという演奏。(2011.02.19)
 
Brahms:
Violin Concerto in D Major, Op. 77
String Sextet No. 2 in G major, Op. 36

Isabelle Faust (violin)
Concerto:Mahler Chamber Orchestra, Daniel Harding
Sextet: Julia-Maria Kretz (violins), Stefan Fehlandt, Pauline Sachse (violas) & Christoph Richter & Xenia Jankovic (cellos), 2010.2, Bilbao & Berlin
[Harmonia Mundi HMC902075]
前作バッハの無伴奏が素晴らしかった、イザベル・ファウストのブラームスの名曲2曲。協奏曲と室内楽という、この人おなじみの組合せ。ハーディングの指揮が、グラモフォンの音質以外で聴けるのも、期待大。(2011.02.15)
 
Haydn: The Seven Last Words of Our Saviour on the Cross, Hob XX/2 (Choral version)
Lisa Milne (soprano), Ruxandra Donose (mezzo soprano), Andrew Kennedy (tenor) & Christopher Maltman (baritone), London Philharmonic Orchestra and Choir, Vladimir Jurowski, 2009.11.28, London
[LPO LPO0051]
絶好調のユロフスキ&LPOの新作は、ハイドンの「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」、オラトリオ版。古典派オラトリオでどんな演奏を聴かせてくれるのか、楽しみ。(2011.02.13)
 
Franck: Symphony in D minor
Florent Schmitt: La Tragédie de Salomé, Op. 50

Orchestre Métropolitan, Yannick Nézet-Séguin
[Atma ACD22647]
欧米で引張り凧のネゼ=セガンが、原点というべき母国のメトロポリタン管弦楽団と録音した、フランクの交響曲と《サロメの悲劇》。(2011.02.10)
 
Boccherini: String Quintets Volume 9
Boccherini:Six String Quintets, Op. 28

La Magnifica Comunità
[Brilliant Classics 93977]
廉価盤とは思えぬ充実した演奏で大好評の、ラ・マニフィカ・コムニタによるボッケリーニの弦楽五重奏曲集。2枚組の第9集は作品28の6曲。(2011.02.09)
 
Schumann: Scenes from Goethe's Faust, WoO 3
Iwona Hossa (soprano I), Christiane Libor (soprano II), Anna Luban´ska (alto I), Ewa Marciniec (alto II), Daniel Kirch (tenor), Jaakko Kortekangas (baritone) & Andrew Gangestad (bass), Warsaw Philharmonic Choir and Orchestra & Warsaw Boys’ Choir, Antoni Wit
[Naxos 8.572430-31]
ポーランドのベテラン、ヴィトの指揮する《ファウストからの情景》全曲。(2011.02.07)
 
Glenn Gould - The Secret Live Tapes
Bach: Klavierkonzert BWV 1052
Beethoven: Klavierkonzert Nr. 5
Schönberg: Klavierkonzert op. 42

Glenn Gould(Piano), Concertgebouw Orchestra, Dimitri Mitropoulos (Bach); Buffalo PO, Josef Krips (Beethoven); New York PO, Dimitri Mitropoulos (Schönberg), 1958&1960
[SONY 88697808092]
ドイツ・ソニーのグールド正規ライヴ。国内盤も発売予定だったが中止になったというアイテムが登場。特に、初出の音源であるクリップス指揮バッファロー・フィルとの《皇帝》は、1960年11月のライヴというのが嬉しい。この演奏は1990年代からソニーからの発売が予告されながら、実現していなかった。(2011.02.05)
 
Grieg: Chasing the Butterfly
Grieg:
Piano Concerto in A minor, Op. 16
Lyric Pieces Op. 65: No. 6 - Wedding Day at Troldhaugen
Lyric Pieces Op. 43: No. 6 - To Spring
Lyric Pieces Op. 54: No. 2 - Gangar
Lyric Pieces Op. 54: No. 1 - Butterfly
Humoresker, Op. 6 No. 2
Norwegian Bridal Procession, Op. 19, No. 2
Lyric Pieces Op. 71: No. 7 - Remembrances
Piano Sonata in E minor, Op. 7
Ballade in G minor, Op. 24

Sigurd Slåttebrekk (Grieg's own piano at Troldhaugen), Oslo Philharmonic, Michail Jurowski, Edvard Grieg (piano, 1903 acoustic recordings), 1903~2009,
[Simax PSC1299]
グリーグの1903年自作自演の録音と、その演奏をグリーグ遺愛のピアノで、スロッテブレクが再現してみるという試み。併せて収録されたピアノ協奏曲では、ヴラディミールの父、ミハイル・ユロフスキが伴奏。(2011.02.03)
 
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱」 ~第4楽章(一部日本語)、シューベルト:軍隊行進曲、ほか序曲7曲
伊藤京子(ソプラノ)、佐々木成子(メゾ・ソプラノ)、石井昭彦(テノール)、中山悌一(バリトン)、東京混声合唱団, フィルハーモニア交響楽団(ベートーヴェン&シューベルト)、日本フィルハーモニー交響楽団(序曲集), 山田一雄(指揮), 1960.4.3&1969, 東京
[キング NKCD-6533]
1960年物の商業録音のなかでも、とりわけ希少性の高い幻の《第9》終楽章が51年後に初CD化。山田一雄、当時の山田夏精(かせい)によるスタジオ録音。小中学校の鑑賞用教材とすることを目的として録音されたもので、そのために合唱が歓喜の歌を総唱する部分(543小節以下)のみを教科書掲載の日本語訳詞(岩佐東一郎訳)で歌い、他の部分をドイツ語で歌うという「珍盤」。オーケストラの実態はNHK交響楽団で、東混と二期会の歌手など、当時の日本のベストといっていい陣容。キングレコードの自社録音では初めてのステレオ。(2011.02.02)
 
Verdi: Il Trovatore
Robert Merrill (Luna), Lucine Amara (Leonora), Jean Madeira (Azucena), Carlo Bergonzi (Manrico), William Wilderman (Ferrando), Teresa Stratas(Ines) & Charles Anthony (Ruiz)
Orchestra & Chorus of the Metropolitan Opera, Fausto Cleva, 1960.5.6, Atlanta Fox Theatre
[Walhall WLCD0321]
1960年物。これまでテープなどでも未確認の上演の、初レコード化。ステレオ録音だという。メトが地方巡業に出たさいのライヴで、アトランタでは4日前の《アンドレア・シェニエ》の録音も入手可能だが、そちらはモノラルだった。(2011.01.30)
 
ASC Edition 6
Bernstein: Chichester Psalms
Carl Orff: Carmina Burana

Anna Siminska, Kenneth Tarver, Artur Rucinsky, Arnold Schoenberg Chor, Tölzer Knabenchor, Wiener Kammerorchester, Erwin Ortner, 2010, Wien
[ASC Edition 9-120035-0700-67]
アーノンクールとの共演でおなじみの、アルノルト・シェーンベルク合唱団の自主制作盤第6集。主宰者のオルトナーが自ら指揮した、チチェスター詩篇とカルミナ・ブラーナのライヴ録音。どんなものなのか、とにかく聴いてみる。よければ第5集のミサ曲ロ短調も買うつもり。(2011.01.28)
 
Together
Clarice Assad: Impressions
Piazzolla: The Four Seasons of Buenos Aires
Bartók: Romanian Folk Dances
Gershwin: Bess, You Is My Woman Now

New Century Chamber Orchestra, Nadja Salerno-Sonnenberg, 2008.9&2009.5, Skywalker Studio
[NSS MUSIC]
 昨年出た旧譜だが、最近聴いた新譜の「LIVE」の、濃密だが鈍重でない、熱くて深い呼吸の歌が非常に素晴らしかったので、注文。ナージャは2008年から、このサンフランシスコに拠点をおく新世紀室内管弦楽団の音楽監督をつとめている。(2011.01.26)
 
Beethoven:String Quartet No. 8 'Rasumovsky No. 2'
Bartók:String Quartet No. 5&.6
Beethoven:String Quartet No. 9 'Rasumovsky No. 3
'
Hungarian Quartet, 1955.7.6&7, Edinburgh
[Testament SBT2 1461]
セーケイ率いるハンガリー四重奏団による、1955年エディンバラ音楽祭のライヴ。バルトークとベートーヴェンという十八番が並ぶだけに期待。(2011.01.25)
 
Mendelssohn:
Klaviertrio c-moll(1820)
Sonate für Viola & Klavier c-moll(1823/24)
Sonate für Klarinette & Klavier Es-Dur(1824)

Ana Chumachenko (violin), Hasriolf Schlichtig (viola), Edouard Brunner (clarinet) & Adrian Oetiker (piano), 2010
[TUDOR 7154]
ユリア・フィッシャー、バティアシビリなどを指導し、名教師として知られるチュマチェンコ。近年の録音は少ない彼女が、メンデルスゾーンのトリオに参加しているのがききもの。(2011.01.23)
 
Monteverdi: Vespro della beata Vergine
L'Arpeggiata, Christina Pluhar, 2010, Metz
[Virgin 6419942]
前々作のモンテヴェルディ作品集「Teatro d'Amore」が、圧倒的に素晴らしい出来だったラルペッジャータの新譜は、なんと《聖母マリアの夕べの祈り》全曲。ジャズ風など、センスのいい斬新なアレンジで楽しませてくれる団体なので、どんな響きを聴かせてくれるのか、大期待。(2011.01.21)
 
Mahler: Symphony No.10
CD 1 Deryck Cooke's illustrated BBC talk, 19 December 1960
CD 2 Studio performance of Cooke's incomplete first version, broadcast on the BBC Third Programme, 19 December 1960
the Philharmonia Orchestra/Berthold Goldschmidt
Recorded at the BBC's Maida Vale Studios, 1960
CD 3 The 1964 Proms première of the full-length performing version of Mahler's draft
World première performance recorded live at the Royal Albert Hall, 6 August 1964
London Symphony Orchestra/Berthold Goldschmidt
[Testament SBT31457]
デリック・クック補作によるマーラーの交響曲第10番の初期のヴァージョンの、ゴルトシュミット指揮によるBBC録音をCD化したもの。1960年の第1稿の準全曲(他に録音なし)とクックの解説、未出版のスケッチを用いた64年の第2稿のライヴを集めた3枚組。
テスタメントのサイトには近日発売とあるのだが、イギリスのショップ・サイトではすでに売っている。このレーベルではよくあることだが、ちょっと不可解。 (2011.01.20)
 
Smetana: Piano Trio, Liszt: Elegies
Liszt: Tristia, Die Zelle in Nonnenwerth, Romance oubliée,
Smetana: Piano Trio in G minor, Op. 15
Liszt: Elegie No. 1& 2, La Lugubre Gondola

Trio Wanderer, 2009.9, Berlin
[Harmonia Mundi HMC902060]
新譜がつねに楽しみなトリオ・ワンダラー。リストの晩年作品の間にスメタナという、センスのいい構成。(2011.01.19)
 
R. Strauss: Capriccio
Elisabeth Schwarzkopf, Christl Goltz, Erika Köth, Anton Dermota, Walter Berry, Hermann Uhde, Paul Schöffler, Giuseppe Zampieri, Chor & Orchester der Wiener Staatsoper, Karl Böhm, 1960.5.15 Wien
[Melodram GM3.0001]
1960年物。ベームがウィーン国立歌劇場で指揮した《カプリッチョ》全曲。終幕のヒロインのモノローグだけはRCAが出していたが、全曲はこれが初レコード化。(2011.01.18)
 
Humperdinck: Königskinder
Klaus Florian Vogt, Juliane Banse, Christian Gerhaher, Gabriele Schnaut, Rundfunkchor Berlin, Deutsches SO Berlin, Ingo Metzmacher, 2008.12, Berlin
[Crystal Classics]
新日フィルへの客演が素晴らしかったメッツマッハーが、前の手兵のベルリン・ドイツ響を指揮したライヴ。フンパーディンクのおとぎ歌劇《王の子供たち(王子と王女)》の作曲百年記念の全曲。フォークト、バンゼ、ゲルハーヘル、シュナウトと配役も非常に充実しているので、特に楽しみな3枚組。(2011.01.16)
 
Wagner: Tristan Und Isolde
Birgit Nilsson, Ramon Vinay, Irene Dalis, Walter Cassel, Jeerome Hines, Metropolitan Opera Orchestra, Karl Böhm, 1960.1.9 New York
[Melodram GM1.0085]
 1960年物。メトでのベームの《トリスタン》。このシーズンにメトにデビューしたニルソンが熱狂的人気を博した公演のドキュメント。2幕の二重唱がヴィナイのアリア集に入っていたが、全曲はこれが初レコード化。 (2011.01.15)
 
Handel: Il Trionfo del Tempo e del Disinganno, HWV46a
Lucy Crowe (Bellezza), Anna Stephany (Piacere), Hilary Summers (Disinganno) & Andrew Staples (Tempo), Early Opera Company, Christian Curnyn, 2010.1, London
[Wigmore Hall Live WHLIVE0042/2]
 ウィグモア・ホールのライヴ・シリーズ。このレーベルの新譜は基本的にすべてチェックすることにしている。新作はヘンデルのオラトリオ。創立者カーニンとアーリー・オペラ・カンパニーはこれまでにシャンドスからヘンデルの作品などを出しているが、未聴なのでとにかくこれを機会に聴いてみるつもり。このレーベルには、そういう期待感を抱かせるものがある。(2011.01.12)
 
Purcell: Dido and Aeneas
Teresa Berganza (Dido), Hanny Steffek (Belinda), Gérard Souzay (Aeneas), Jane Berbié (Sorceress), Choeur du Conservatoire de Paris & Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire, Pierre Dervaux, 1960.8.3, Aix en Provence
[Walhall WLCD0326]
エクス=アン=プロヴァンス音楽祭でデルヴォーが指揮し、ベルガンサとスゼーが歌った《ディドーとエネアス》。テープなどでも見かけたことのない、未レコード化の音源。この年のエクスでは、エレーデ指揮の《ドン・ジョヴァンニ》とボド指揮のグノーの《いやいやながら医者にされ》の映像がブートレグで入手可能。なお、上演日は7.23と28の2回とされるので、8.3という日付は、あるいは放送日かも。(2011.01.10)
 
The Italian Intermezzo: Music without words
Catalani:La Wally: Act III & IV Intermezzo
Catalani:Loreley: Danza delle ondine
Cilea:Adriana Lecouvreur: Intermezzo, Act II
Giordano, U:Siberia: Preludio
Fedora: Intermezzo, Act 2
Leoncavallo:Pagliacci: Intermezzo
Mascagni:L'Amico Fritz: Intermezzo
Ponchielli:Dance of the Hours (La Gioconda)
Puccini:Edgar - Preludio (Act 1 & 3)
Puccini:Suor Angelica - Intermezzo
Puccini:Manon Lescaut - Intermezzo
Verdi:La traviata: Prelude to Act 3
Wolf-Ferrari:I quattro rusteghi (The School for Fathers): Intermezzo
Wolf-Ferrari:The Jewels of the Madonna - Act III Intermezzo

BBC Philharmonic Orchestra, Gianandrea Noseda
[Chandos CHAN10634]
昨年のトリノ歌劇場来日公演も快調だったノセダの、イタリア・オペラ間奏曲集。(2011.01.08)
 
Mozart: Keyboard Music Volume 2
Piano Sonata No. 10 in C major K330, Rondo in A minor K511, Rondo in D major K485, Adagio in B minor K540, Piano Sonata No. 14 in C minor K457

Kristian Bezuidenhout (fortepiano), 2010.1
[Harmonia Mundi HMU907498]
1979年南アフリカ生れ、30歳を過ぎたばかりで大活躍の俊英フォルテピアノ奏者、ベズイデンホウト。モーツァルト独奏曲集の第2集。(2011.01.06)
 
Dvořák: Complete Cello Works
Dvořák: Cello Concerto Op. 104, Waldesruhe Op. 68-5, Rondo Op. 94, Cello Concerto B10

Tomáš Jamník (cello), Prague Radio Symphony Orchestra, Tomáš Netopil, 2010.6&9, Prague
[Supraphon - SU40342]
ヤムニクによるドヴォルジャークのチェロ協奏曲集成。ネトピルが指揮をしているのが、個人的には何といっても、非常に大きな楽しみ。(2010.12.31)
 
"Intenso" Beethoven: String Quartet No.11, Janacek: String Quartet No.1 "Kreutzer Sonata", Ammann: String Quartet No.1 "Geborstener Satz"
Casal Quartet, 2008&2010,
[Solo Musica SM139]
少し前の発売だが、このカザルQの前作で、巷で評判のいい「弦楽四重奏曲の誕生」を聴いてみたら、なるほど素晴らしかった。そこで、あわてて発注。スペインのカザルスQとともに、今後注目することになりそうなスイスの四重奏団。(2010.12.29)
 
Puccini: Crisantemi; Boccherini: Stabat Mater; Rossini: Giovanna d'Arco
Isabel Rey, Daniela Barcellona, Spanish National Youth Orchestra, Riccardo Frizza, 2005, Spain
[Decca 0028947659549]
デッカのスペイン・ローカル盤。フリッツァが指揮して、レイがボッケリーニのスターバト・マーテルを、バルチェッローナがロッシーニのカンタータ《ジョヴァンナ・ダルコ》を歌っている。少し前のライヴだが、面白そう。
前者は、フリットリがスカラ座のオケとライヴ録音したイタリア・ローカルのソニー盤を聴いたばかりだし、後者も半年ほど前に、ゼッダ指揮東フィルの演奏会で聴いた曲。(2010.12.26)
 
Beethoven: Violin sonata No.5,7,8
Nemanja Radulovic (violin), Susan Manoff (piano), 2008.7, Reims
[ARTACT AR002]
目が離せない存在、ネマニャ・ラドゥロヴィッチの新譜は、待望のソナタ集。ピオーの傑作盤「エヴォカシオン」で見事な伴奏をしたマノフのピアノも、とても楽しみ。(2010.12.23)
 
August Enna:
Fairy Tale - Symphonic Pictures
Hans Christian Andersen Overture
Symphony No. 2
NDR Radiophilharmonie Hannover, Michael Hofstetter, 2004&05
[CPO 7770352]
キレのいい演奏で注目する指揮者、ホフシュテッターが指揮した、デンマークのエナ(1859-1939)の作品集。エナはアンデルセン原作の歌劇《マッチ売りの少女》などで知られる。(2010.12.21)
 
Schumann: Manfred, Op. 115
Martin Schwab, Sigrid Plundrich, Michelle Breendt, Johannes Chum, Florian Boesch
Wiener Singverein & Tonkünstler-Orchester Niederösterreich, Bruno Weil, 2010.4.11, Wien
[Preiser PR90788]
プライザーのトンキュンストラー・シリーズ、今回は指揮にヴァイルが登場して、記念年のシューマンの劇音楽。語りつきなので、K・ヤルヴィの《夏の夜の夢》と同趣向の演奏か。(2010.12.19)
 
Beethoven:Violin Concerto, Symphony No. 7
David Grimal (violin & conductor), Les Dissonances
[Aparte AP009]
フランスの若手ヴァイオリニスト、グリマルが手兵のオーケストラを指揮した、ベートーヴェン作品集。どんな演奏か、ともかく聞いてのお楽しみ。(2010.12.17)
 
The World of Ballet(Lecocq, Walton, Verdi, Mussorgsky, Saint-Saëns, Rossini, J. Strauss II, Weber, Minkus)
Paris Conservatoire Orchestra, New Symphony Orchestra & Orchestra of the Royal Opera House, Covent Garden, Anatole Fistoulari, 1953-58, Paris &L ondon
[Eloquence 4802391]
エロクエンスでヴォルフと同時に出る、フィストゥラーリ指揮のバレエ音楽集2枚組。もう1枚、グレトリーなども出る。(2010.12.16)
 
Bruckner: Symphony No. 2 (1877)
Swedish Chamber Orchestra, Thomas Dausgaard, 2009
[BIS SACD1829]
聞き逃せない室内管弦楽団はいま少なくないが、ダウスゴーとスウェーデン室内管のコンビもその一つ。小編成のブルックナーといえば飯森&山形響のシリーズもあるが、より俊敏な演奏を期待。BISの新譜では、他にブラウティハムのモーツァルトの協奏曲集も聴くつもり。(2010.12.15)
 
Mozart:Divertimento in E flat major, K563
Schubert:String Trio in B flat major, D471

Trio Zimmermann: Frank Peter Zimmermann (violin), Antoine Tamestit (viola) & Christian Poltéra (cello), 2009&2010, Stockholm
[BIS SACD1817]
ツィンマーマン、タムスティ、ポルテラの強力メンバーによる「トリオ・ツィンマーマン」の弦楽三重奏曲集。これは特に楽しみな1枚。(2010.12.14)
 
Glass : Violin Concerto No. 2 'The American Four Seasons'
Robert McDuffie (violin), London Philharmonic Orchestra, Marin Alsop, 2010.4.17 London
[Orange Mountain OMM0072]
21世紀の俊敏様式との親和性の高さを感じさせる作曲家、フィリップ・グラス。このところ次々と新譜が出ているが、これはその新作「アメリカの四季」の、ヨーロッパ初演のライヴ録音。オールソップが指揮している。(2010.12.13)
 
Van Cliburn plays Schumann & Brahms
Brahms:Piano Concerto No. 2, Schumann:Piano Concerto
Van Cliburn (piano), Chicago Symphony Orchestra, Fritz Reiner, 1960.4, Chicago
[Testament SBT21460]
1960年物。シカゴでのクライバーンとライナーの共演ライヴ。ステレオ録音らしい。テスタメントからの1960年物は、エディンバラ音楽祭でのスターンとマイラ・ヘスとのリサイタルもでる。(2010.12.11)
 
Invitation to the Dance
Adam:Giselle(abridged), Falla:Three dances from El Sombrero de Tres Picos, Glazunov:The Seasons, Liszt:Hungarian Rhapsody No. 2, Ravel:Boléro, Alborada del gracioso (Miroirs No. 4), Weber(arr. Berlioz):Invitation to the Dance
Paris Conservatoire Orchestra, Albert Wolff, 1954-58, Paris
[Australian Eloquence 4802388]
オペラ・コミークで活躍したフランスの老練指揮者、ヴォルフのバレエ曲集。この指揮者の演奏が他に2セット、計6枚も出る。エロクエンスならではの、マニアックな仕事ぶりが素晴らしい。(2010.12.10)
 
An Evening With Leopold Stokowski
BACH/STOKOWSKI Toccata in D minor, Fugue in D minor, Aria from Overture no. 3, CESTI/STOKOWSKI Tu mancavi a tormentarmi, HANDEL/EGARR Water Music Suite, PURCELL/STOKOWSKI Suite of Five Pieces, PALESTRINA/STOKOWSKI Adoramus te, OCKEGHEM/EGARR Intemerata Dei Mater, TCHAIKOVSKY Slavonic March
Brussels Philharmonic, Richard Egarr 2008,
[Glossa GCDSA922209]
古楽の鍵盤奏者、指揮者として活躍中のエガーが、20世紀オケを指揮してストコフスキー編曲集に挑戦。さて。(2010.12.08)
 
Schumann:Klavierwerke & klavierbegleitete Kammermusik XI
Abegg-Variationen op. 1;Toccata op. 7;Kinderszenen op. 15;Etüden über ein Thema von Beethoven;Carnaval op. 9; 3 Romanzen op. 28;Arabeske op. 18;Albumblätter op. 124; Blumenstück op. 19;7 Fughetten op. 126;Thema mit Variationen WoO 24 ('Geistervariationen')
Eric Le Sage, Klavier 2009
[Alpha ALPHA169]
エリック・ル・サージュによるシューマンのピアノ&ピアノ室内楽曲集の第11巻。初期と晩年の代表作を含んでいる。(2010.12.03)
 
Toscanini - Gala Concert 1945
Philharmonic Symphony Orchestra Of New York, Arturo Toscanini
1945.1.13, New York
[Guild GHCD 2368]
聴きやすいリマスタリングで好調のギルド・ヒストリカルのシリーズに、トスカニーニ&NYPの最後の共演が登場。(2010.12.02)
 
Purcell: Dido and Aeneas
Solenn’ Lavanant Linke (Dido), Alejandro Meerapfel (Æneas), Yeree Suh (Belinda), Fabián Schofrin (Sorceress), La Nouvelle Ménestrandie & Cappella Mediterranea, Leonardo García Alarcón (direction) 2009
[Ambronay AMY022]
1976年アルゼンチン生れでスイスを拠点とする新鋭、アラルコンの指揮する「ディドーとエネアス」の新録音。(2010.12.01)
 
J. S. Bach: Fantasy
Fantasia BWV922, Fantasia & Fugue BWV904, Prelude & Fughetta BWV901, Capriccio BWV992, Prelude, Fugue & Allegro BWV998, Adagio BWV968, Prelude & Fughetta BWV902, Prelude & Fugue BWV894, Aria Variata BWV989 ‘alla Maniera Italiana'
Christophe Rousset (Ruckers harpsichord) 2010
[Aparte AP010]
L・クープランに続くルセのAparte録音は、Fantasyと題されたバッハ作品集。ということで期待大。(2010.11.30)
 
Humperdinck:Dornröschen
Brigitte Fassbaender, Christina Landshamer, Kristiane Kaiser, Tobias Haaks, Chor des Bayerischen Rundfunks, Münchener Rundfunkorchester, Ulf Schirmer 2008.12.14, München
[CPO 7775102]
シルマー指揮による、フンパーディンクのおとぎ歌劇「いばら姫」(眠りの森の美女)の全曲盤。放送録音などをひっくるめても、史上初の全曲レコードという貴重な演奏。ファスベンダーが魔女の役で出演している。(2010.11.28)
 
Bach: Christmas Oratorio
The King’s Singers & WDR Big Band, Bill Dobbins (director) 2009, köln
[Signum SIGCD215]
キングズシンガーズとWDRビッグバンドによる、ジャズ・アレンジ版のクリスマス・オラトリオ。(2010.11.27)
 
Darmstadt Aural Documents Box 1 Composers - Conductors
1948-2002, Darmstadt
[NEOS 11060]
ダルムシュタット音楽祭でのライヴ録音集6枚組。COL LEGNOが以前に出したセットとは別内容らしい。(2010.11.25)
 
ショパン:ピアノ作品集
アレクサンドル・ブライロフスキー(ピアノ) 1960-63
[ソニー SICC1427-31]
1960年物。ピアノ独奏曲を集めた5枚組で、前奏曲、ワルツ、マズルカなどCD4枚弱が1960-61年のフランス録音(フィ リップス原盤)となっている。
ブライロフスキーはショパン生誕150年の1960年春に、パリのシャンゼリゼ劇場で6回連続のショパン演奏会を行なった。この商業録音はおそらくそれと並行して録音されたもの。きちんとまとまった形でのボックス化が嬉しい。
なお、ブリュッセルでも同じく6回、ウィーンとミュンヘンでも3回のショパン・シリーズを行ない、秋には北米でも同様の演奏会を行なっている。
 
Bruckner: Symphony No. 7
Wiener Symphoniker, Otto Klemperer 1958.2.26, Wien
[Testament SBT1459]
クレンペラーとウィーン交響楽団によるブルックナーの7番ライヴ。この曲には同年9月のベルリン・フィルとのルツェルン・ライヴもある。
 
Beethoven: Violin Sonatas Volume 2
Beethoven:Violin Sonata No. 5, No. 2, No. 10

Alina Ibragimova (violin) & Cédric Tiberghien (piano) 2010, London
[Wigmore Hall Live WHLIVE0041]
第1集(1、4、7、8番)が素晴らしい出来だっただけに、非常に期待されるイヴラギモヴァとティベルギアンのベートーヴェン第2集。
 
The Creators of Verismo vol. 1
Bellincioni, Pandolfini, and the Siberia creator-recordings 1902-14, Milano & Paris
[Marston 52062-2]
ヴェリズモ・オペラの創唱者から、女性5人とジョルダーノの《シベリア》初演キャストの録音を集めた2枚組。マーストンならではの好復刻に期待。個人的にはパンドルフィーニ、ピントの二人が楽しみ。
 
Mozart: Piano Concertos Nos. 9, 12 & 14
Edna Stern (piano) Orchestre d’Auvergne, Arie van Beek 2009, Vichy
[Zigzag ZZT100901]
アルバムごとに出来不出来があるが、はまると素敵なエドナ・スターン。初の協奏曲録音。
 
Stravinsky : L’Oiseau de feu, Petrouchka, Le Sacre du printemps, Pulcinella
Orchestre Philharmonique de Monte Carlo, Jakov Kreizberg 2010
[OPMC 001]
注目する指揮者の一人、クライツベルクとモンテカルロ・フィルの自主制作盤シリーズの第一弾。ストラヴィンスキーのバレエ音楽を集めた3枚組。クライツベルクは2008年からこのオーケストラの芸術監督を務めている。
 
Wagner : Das Rheingold
Terje Stensvold, Dietrich Volle, Richard Cox, Alfred Reiter, Museumsorchester Frankfurt, Sebastian Weigle 2010, Frankfurt
[Oehms OC935]
ドイツ歌劇界で着実に地歩を築くヴァイグレの《ラインの黄金》。全曲になるのだろうか。
 
Chopin:Piano Sonata No. 3, Scherzi No.1-4
Ivo Kahánek (piano) 2010.5&6, Prague
[Supraphon SU40302]
1979年生れのチェコの若手、カハーネクの弾くショパン。軽妙な音の持ち主なので楽しみ。
 
Verdi : Requiem (NEW STEREO VERSION)
Herva Nelli, Fedora Barbieri, Giuseppe di Stefano, Cesare Siepi, The Robert Shaw Chorale, NBC Symphony Orchestra, Arturo Toscanini 1951.1.27 New York
[Pristine Classical Recorded Music PACO048]
これはCDではなく、http://www.pristineclassical.comから、ダウンロードあるいはCD-Rで購入するもの。
正規のステレオ録音でもないが、疑似ステレオでもない、いわゆる偶発ステレオ"Accidental stereo"である。
RCAが発売したのと同じ音源だが、NBCは放送のさい、主ラインとは別に予備のラインも準備していた。これはマイクも主ラインとは異なっていて、別に録音されていた。そこで、この2種の録音を別チャンネルでシンクロ再生すれば、マイクの位置が異なるために、ステレオ(バイノーラルというべきか)の音場が出現することになる。
これを偶発ステレオと呼び、1930年前後のSPでも例があって、エルガーの自演盤やエリントン楽団などがCDで手に入る。トスカニーニの場合も話としてはあったが、広く聴けるようになったのはこれが初めでだろう。
パッケージ・ソフト偏愛者としては、どこかきちんとCD化してほしいものだが…。
 
Tchaikovsky : Symphony No. 6 'Pathétique', Fantasy Overture 'Romeo & Juliet'
City of Birmingham Symphony Orchestra, Andris Nelsons
[Orfeo C832101A]
ウィーン・フィルとの来日で話題のネルソンス、手兵バーミンガムとのチャイコフスキーの交響曲シリーズ、第2弾。
 
Cherubini : Requiem in c-moll
Staatsorchester und Staatsopernchor Stuttgart, Gabriele Ferro
[Animato ACD6027]
詳細不明だが、フェッロがシュトゥットガルト歌劇場の音楽監督をしていたのは1991~97年。このコンビでのCDはなかったように記憶するが…。これも、とにかく聴いてのお楽しみ。
 
Vitali : Chaconne in G minor, Beethoven : Violin Sonata No. 9 ‘Kreutzer', Debussy : Violin Sonata, Dvořák : Slavonic Dance No. 15, Boulanger, L:Cortège, Strauss, R : Ein einsamer Quelle, Wieniawski : Capriccio Valse, Ravel : Tzigane
Jascha Heifetz (violin), Brooks Smith (piano) 1955.5.12, Montevideo, Uruguay
[AlphaOmega AOS061001]
香港のレーベルから登場した、ハイフェッツの1955年モンテビデオ・ライヴ。ハイフェッツは協奏曲のライヴは数多いが、リサイタルはほとんどなかったと思われるので、貴重な初登場音源。来日1年後というのも嬉しい。音質は不明だが、ともかく聴いてのお楽しみ。
 
Leclair : Violin Sonata, Book 1, No. 3, Sibelius : Violin Concerto, Chausson : Poème
David Oistrakh (violin), Vladimir Yampolsky (piano) 1954.4.9, Montevideo, Uruguay
[AlphaOmega AOS061002]
上記同様、オイストラフのモンテビデオ・リサイタル。シベリウスの協奏曲をピアノ伴奏でひいている。日本では54年にハイフェッツ、55年にオイストラフが来たが、ウルグアイでは逆になっていたことになる。
 
The 1956 Nixa-Westminster stereo recordings Vol.2
Schumann:Complete Symphonies, Berlioz:Overtures
London Philharmonic Orchestra, Sir Adrian Boult 1956
[First Hand FHR07]
第1集が、意外にも俊敏な演奏スタイルで嬉しい驚きを与えてくれた、ボールトのニクサ録音集第2弾。このレーベルは地味にとてもいい仕事をしているので、これも楽しみ。
 
Verdi: La forza del destino
Renata Tebaldi, Richard Tucker, Mario Sereni, Mignon Dunn, Jerome Hines, Salvatore Baccaloni, Orchestra & Chorus of the Metlopolitan Opera, Thomas Schippers 1960.3.12, New York
[WALHALL WLCD0301]
1960年物。全曲は初レコード化。8日前のこの演目の上演中、カルロ役のウォレンが舞台上で急死、そのまま公演中止となった事件後の、最初の上演。カルロはセレーニに代っている。
 
Khachaturian: Spartacus (excerpts), Gayane (ballet highlights)
Bournemouth Symphony Orchestra, Kirill Karabits
[ONYX4063]
先日東響に客演して好評だった指揮者カラビッツが、現在首席指揮者をつとめるボーンマス響を指揮したハチャトゥリヤンのバレエ音楽集。指揮者自身の選曲によるという。
 
Tschaikowsky: Violinkonzert op. 35
Tartini, Vivaldi, Kreisler, Brahms, Wieniawski

Erica Morini(violin), Fricsay, Raucheisen, 1952.10, Berlin
[AUDITE 95606]
モリー二の1952年ベルリン録音集。十八番のチャイコフスキーの協奏曲と名品集。明快で音のいいAUDITEの放送録音物だけに楽しみ。
 
Schumann : Dichterliebe, Liederkreis op.24
Lachner : 5 Lieder

Mark Padmore (tenor), Kristian Bezuidenhout (fortepiano) 2010.6
[Harmonia Mundi HMU907521]
ポール・ルイスとのシューベルト《冬の旅》《水車小屋》が好評だったバドモアと、注目の俊英フォルテピアノ奏者、ベズイデンホウトとの共演による、シューマン歌曲集。
 
Mozart: Le nozze di Figaro
Cesare Siepi, Elisabeth Söderström, Kim Borg, Lisa Della Casa, Mildred Miller, Metropolitan Orchestra & Chorus, Erich Leinsdorf 1960.1.23, New York
[Walhall WLCD0298]
1960年物。テープで出回ってはいたが、CDやLPでは未発売だった録音。同レーベルの1958.1.11のライヴとよく似た陣容だが、シエピがフィガロというのが強み(58年盤はトッツィ)。
 
Furtwängler : Symphonie Nr. 2
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks, Eugen Jochum 1954.12.10, münchen
[BR Klassik 900702]
フルトヴェングラー没後10日目の録音。バイエルン放送交響楽団60周年記念のボックスからの分売。
 
Vaughan Williams : The First Nowell
Bach : Cantata BWV63
Mendelssohn:Von Himmel hoch

Lisa Milne (S), Ruxandra Donose (Ms), Andrew Staples (T) , Christopher Maltman (Br) London Philharmonic Orchestra and Choir, Vladimir Jurowski 2009.12.9, London
[LPO LPO0050]
絶好調のユロフスキとLPOによる、クリスマス向けのカンタータ集。
 
Gounod: Filemone e Bauci
Renata Scotto, Alvino Misciano, Rolando Panerai, Coro e Orchestra Sinfonica di Milano della RAI, Nino Sanzogno 1960.10.4, Milano
[Myto 2CD 00254]
1960年物。既発のFoyer盤などでは1961.5.7と表記されてきたが、それは放送日で、今回の1960.10.4が収録日か。
 
Verdi : La Traviata
Daniela Dessi, Fabio Armiliato, Claudio Sgura, Coro del Teatro Municipale di Piacenza, Orchestra Teatro Regio di Parma, John Neschling 2010.1, Parma
[SoloVoce 8553203]
ボダンツキーを祖父(一説に大おじ)にもち、祖母のいとこがシェーンベルクという指揮者、ネシュリングの指揮する《椿姫》。この人はサンパウロ響着任以前に、欧州の歌劇場で20年活動した経歴をもつという。デッシーとアルミリアートの主役コンビは、同じレーベルに《エルナーニ》と《西部の娘》の全曲盤もある。
 
Jussi Björling Live Broadcast Concerts 1937-1960
Jussi Björling (tenor) 1937-60, USA & Sweden
[West Hill Radio Archives WHRA6036]
没後50年のビョルリンクの、アメリカとスウェーデンでの放送コンサートを集めた4枚組。リマスタリングに定評のあるWHRAだけに、音質に期待。
 
Donizetti : Pigmalione
Doro Antonioli, Orianna Santunione, Teatro Donizetti di Bergamo Orchestra, Armando Gatto, 1960.10.13, Bergamo
[Myto 1CD00241]
1960年物。ドニゼッティ19歳の処女作。作曲後144年目の世界初演のライヴ。メロドラムのLP以来、初CD化。
 
Dvořák: String Quartets Nos. 13 & 12 'American'
Pavel Haas Quartet, 2010,
[Supraphon SU40382]
指揮者ネトピルとともに、「時代はチェコ」と私が思い込む原動力になっているパヴェル・ハース四重奏団の、期待の新譜。
 
Bernstein:Symphony No. 2 'The Age of Anxiety', Shostakovich:Symphony No. 5
Seymour Lipkin (piano), New York Philharmonic, Leonard Bernstein 1959.8.16, Salzburg
[Orfeo C819101B]
8月5日から10月10日まで行われた、欧州、中近東大演奏旅行中の記録。この後ワルシャワ経由でソ連に入る。バーンスタインとカラヤンとの関係が壊れかけたころの、最後の記録。
ザルツブルク音楽祭物では他にシュヴァルツコップ、E・フィッシャーのボックスも購入予定。
 
Beethoven: Egmont Ouvertüre, Mahler: Symphonie No. 4
Irmgard Seefried (soprano), Wiener Philharmiker, Bruno Walter 1950.8.23, Salzburg
[Orfeo C818101B]
マーラーはヴァレーズ盤では金属的な音質だったが、はたして改善されているか。55年盤、60年盤と比較したとき、俊敏から荘重、ガット弦からスチール弦への、演奏様式の過渡期の記録ともなることを期待。当日はもう一曲、《ジュピター》も演奏された。
Mendelssohn: Ein Sommernachtstraum
Christiane Oelze, Michelle Breedt, Nicholas Ofczarek, Tonkünstler-Orchester Niederösterreich & Damenchor des Wiener Singvereins, Kristjan Järvi 2007.9.3-5, Wien
[Preiser PR90786]
ハイドンのパリ・セット、ベートーヴェンの《合唱》で生きのいい演奏を聴かせてくれた、K・ヤルヴィとトンキュンストラーの新譜。メンデルスゾーンも合いそう。
 
Bizet: I Pescatori di Perle
Pina Malgarini, Alfredo Kraus, Giuseppe Taddei, Orchestra Sinfonica e Coro di Milano della RAI, Alfredo La Rosa Parodi 1960.10.12 Milano
[Walhall WLCD0299]
1960年物。他社でも出ている録音だが、これはステレオ録音という表記が一部サイトにある。Walhallからは同時に、オリヴェロの歌う1960年の《トスカ》も発売予定。
Rebecca Clarke : Sonate 1919, Vieuxtemps : Sonata, Brahms : Sonata No.2
Tabea Zimmermann(viola), Kirill Gerstein(piano) 2010,
[Myrios MYR004]
このレーベルでの前作、Soloが素晴らしい出来だっただけに期待の大きい、タベア・ツィンマーマンの新録音。
 
The Italian Tenor
Vittorio Grigolo (tenor) 2010,Italy
[Sony 88697723842]
このところ話題のイタリア人テノール、グリゴーロのアリア集。すでに店頭に並んでいる盤だが、未聴なので。
Sarah Nemtanu: Gypsic (Monti,Ravel,Enescu,Sarasate,Boulanger)
Sarah Nemtanu (violin) 2010, France
[Näive V5235]
映画「オーケストラ!」のヒロインの吹替演奏をしたネムタヌのアルバム。この一枚のほか、コパチンスカヤのRapsodiaとか,Cigánski DiabliのAdagio&Furiosoとか、欧州では最近ジプシー風ヴァイオリンのCDが流行らしい。
 
Toscanini et Maestri di Parma
Simona Cianchi, Yuko Murakami, Dzenana Mustafić, Raffaele Cortesi(Piano) 2009,
[Tactus TC.820001]
トスカニーニが学生時代に作曲した歌曲集。かれの師ダッチ、ボッテシーニ、ピツェッティ、それに指揮者として有名なカンパニーニなどの作品も。
Nelson Goerner: Chopin
Nelson Goerner (piano) 2009.10.1, Wigmore Hall, London
[Wigmore Hall Live WHLIVE0039]
ウィグモア・ホール・ライヴの新作。ゲルネルによるオール・ショパンで、ポロネーズ第7番、12の練習曲op.10、など。
 
Bellini: I Puritani
Joan Sutherland, Nicola Filacuridi, Giuseppe Modesti, Ernest Blanc, The Royal Philharmonic Orchestra & The Glyndebourne Opera Chorus, Vittorio Gui 1960.6.18, Glyndebourne(?)
[Glyndebourne GFOCD00960]
1960年物。奇しくもサザランド追悼盤となった。この年のグラインドボーン・オペラ祭の《清教徒》は6.18と、エディンバラでの9.8の2種の録音があるが、おそらくグラインドボーンでの上演の方だろう。
 
Mendelssohn: Elijah
Ruth Ziesak, Claudia Mahnke, Christoph Genz, Ralf Lukas, MDR Symphony Orchestra & MDR Radio Choir,
Jun Märkl 2008&2009, Leipzig
[Naxos 8.572228-29]
メルクルと中部ドイツ放響による《エリア》。この指揮者とメンデルスゾーンの相性のよさに期待。
Shostakovich: Symphony No. 10
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra, Vasily Petrenko 2010, Liverpool
[Naxos 8.572461]
V・ペトレンコによるショスタコーヴィチ交響曲シリーズの新譜。
R. Strauss : Der Rosenkavalier
Anna Tomowa-Sintow, Ann Murray, Barbara Bonney, Kurt Moll, The Royal Opera Chorus & Orchestra of the Royal Opera House, Andrew Davis 1995.3.3, London
[Opus Arte OACD9006D]
オパス・アルテが発売している、コヴェント・ガーデンのライヴ・シリーズの一つ。
 
Donizetti : La Favorita
Fiorenza Cossotto, Piero Guelfi, Luigi Ottolini, Chor & SO RAI Torino, Nino Sanzogno 1960.6.17 Torino
[Myto 2CD00257]
1960年物。コッソット初期の歌唱で、メロドラムのLP以来、ようやく初CD化。
Rameau : Les Paladins
Anna Virovlansky, Iulia Elena Surdu, Laimonas Pautientius, Neue Düsseldorfer Hofmusik, Konrad Junghänel, 2010.3&4,Duisburg
[Coviello COV 21013]
ユングヘーネル指揮のラモー。
 
Pierre Monteux with the Boston Symphony Orchestra
Ten Concerts from the 1958 & 1959 Seasons
[West Hill Radio Archives WHRA 6034]
ボストン響のアーカイヴズには、1959年頃からステレオ録音が残されているはず。
 
Beethoven : Fidelio
Anton Dermota, Martha Mödl, Paul Schöffler, Ludwig Weber, Irmgard Seefried, Waldemar Kmentt, Chor & Orchester der Wiener Staatsoper, Karl Böhm 1955.11.5, Wien
[Orfeo C813102I]
これまで正規未発売だった、ウィーン国立歌劇場再建ガラの《フィデリオ》。
 
Verdi : Otello
Hans Nocker, Ernst Gutstein, Anny Schlemm, Chor & Orchester der Komischen Oper Berlin, Václav Neumann 1959.11.10, Berlin
[Walhall WLCD 0319]
コーミッシェ・オーパーでのフェルゼンシュタイン演出による《オテロ》。ドイツ語訳詞版。海賊CD-Rで出ていたことがある。
 
Schubert : Piano Duets
Paul Lewis (piano) & Steven Osborne (piano)
[Hyperion CDA67665]
ポール・ルイスとオズボーン、楽しみなデュオ。
 
Smetana : Ma Vlast
Jakubu Hrusa, Prague Philharmonia, 2010, Prague
[Supraphon SU4032]
フルシャの「プラハの春」ライヴ。 

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