パヴァロッティの45回転盤(496&97頁)について

訳注(4)では「不明」としたシングル盤ですが、2001年にDECCAが発売した10枚組のTHE PAVAROTTI EDITION [470 000-2]のボーナス盤として、CD化されていることが判明しました(輸入盤のみで、同内容の国内盤にはなぜか付属していません)。
エドワード・ダウンズ指揮のコヴェント・ガーデン王室歌劇場管弦楽団の伴奏で、〈冷たき手を〉〈星は光りぬ〉、それに《リゴレット》からの3曲の、計5曲。
カルショーの記述では45回転盤のように書かれていますが、収録時間(15分弱)から見て33回転盤でしょう。
録音日は不明ですが、1964年の製作とあり、オリジナル番号はSEC5532です。

情報を寄せてくださったミン吉さんに感謝いたします。

(2005.5.19補足) 芳岡正樹さんの情報によると、SEC5000番台というのは45回転のEP盤だそうです(CDに再現されたレーベル面にも、同様の表記があります)。
ご教示いただくまで私は知らなかったのですが、同じ45回転7インチ盤でも、片面1曲の「シングル」と「EP」というのは別のもので、後者はヴァリュアブル・ピッチにより、片面に最大8分(つまり数曲)入るものなのだそうです。
このパヴァロッティ最初のレコードは、まさにその形式によるものなのですね。
ですから「パヴァロッティのシングル」は誤りで、「パヴァロッティのEP」と呼ばなければいけないわけです。
カルショーが496頁に「片面に1曲ずつ」の「シングル」と書いているのは、それがローゼンガルテンの最初の指示であり、その後の交渉で、EP盤になったということなのかもしれません。
497頁にも2回「シングル盤」という言葉が出てきますが、こちらは実は原文では「45回転盤」となっていて、シングルともEPとも書いていないのです。。
訳出の段階ではわかりませんでしたが、カルショーはここに含みを持たせていたわけですね。
気がつかなくて申しわけありません。

芳岡さんありがとうございました。