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1960年1月
(最終更新2012.12.22)

1.1(金)





落語『妾馬』(八五郎出世)

六代目 三遊亭圓生
ラジオ東京「初笑い落語長演」
[日本コロンビア;COCF10951](妾馬)
[日本コロンビア;COCJ33405](八五郎出世)

  志ん生、文楽と並び称された噺家、圓生(1900生)の十八番。当時の落語放送は生中継ではなく数日前の録音の場合が多いが、この噺は「明けましておめでとうございます」ではじまるから、まさしく元旦のおめでたいライヴ。57分間に及ぶ大作で、午後5時から放送された。新聞のラジオ欄には『妾馬』ではなく別名の『八五郎の出世』と書かれている。好評によりこの年の日本民間放送連盟賞(民放賞)を受賞した。ラジオ東京(KR)は現在のTBSラジオである。
  2005年発売の[COCJ33405]は演題を『八五郎出世』に変えている。



1.1(金)

落語『井戸の茶碗』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送「新春志ん生独演会」
[音楽教育センター;OCD-43010]

  12枚組『ザ・ベリー・ベスト・オブ志ん生』所収。午後3時30分から放送された。



1.1(金)

落語『羽衣の松』

五代目 古今亭志ん生
上野鈴本演芸場(NHK第1放送「初笑い東西寄席中継」)
[日本コロムビア;COCF-11766]

  午後7時26分から放送された番組。



1.1(金)

落語『安産』

六代目 三遊亭圓生
上野鈴本演芸場(NHK第1放送「初笑い東西寄席中継」)
[日本コロムビア;COCJ-35046]

  「六代目三遊亭圓生落語名演集」第6巻所収。志ん生の『羽衣の松』に続けて同会場から中継されたもの。



1.1(金)

落語『雪とん』

五代目 古今亭志ん生
東京(?)(ラジオ京都ほか)
[ポニーキャニオン;POCG-00727]

  ラジオ京都で放送された音源。当日のものではなく少し前の録音だろう。



1.1(金)

漫才「スピード時代」

三遊亭柳枝・南喜代子
大阪
[日本コロムビア;COCF-13121~28]

  8枚組「上方漫才黄金時代」所収。



1.1(金)
パーセル:弦楽のための幻想曲
ハイドン:交響曲第95番
W・シューマン:ニューイングランド三部作
ダイアモンド:弦楽オーケストラのためのラウンド
コープランド:交響曲第1番

アーロン・コープランド指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  ボストン交響楽団の定期演奏会のラジオ生中継。2日にも演奏会が行なわれた。



1.1(金)

テレビ番組「ベル・テレフォン・アワー」より、映画主題歌集(4曲)

シャーリー・ジョーンズ、ジャック・キャシディ
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo(?)
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録画、カラー)
DVD〈VAI:DVD4491〉(2010)

  DVD『BROADWAY’S LEADING LADIES/BELL TELEPHONE HOUR 1960-1966』所収。元日のNBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。同番組については2.12の項参照。
  シャーリー・ジョーンズ(1934生)は50年代ハリウッドのロジャース&ハマースタインのミュージカル映画、『オクラホマ!』や『回転木馬』のヒロインとして活躍した。『四十二丁目』『カサブランカ』『ジジ』『波も涙も暖かい』の主題歌を歌っている。
  『波も涙も暖かい』は原題を『A Hole in the Head』といい、1959年制作のフランク・キャプラ監督、フランク・シナトラ主演の喜劇。シナトラの歌う主題歌〈HIGH HOPE〉は、夏の大統領選挙戦ではケネディの応援歌として用いられることになる。



1.2(土)
ヴェルディ:歌劇《マクベス》全曲

レオニー・リザネク(S)レナード・ウォレン(Br)ほか
エーリヒ・ラインスドルフ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
〈未レコード化〉

  1年前の59年2月5日、リザネク(1926生)はカラス(1923生)の代役としてマクベス夫人役でメトロポリタンにデビュー、大評判をとった。その成功を受けて、さっそく翌シーズンに再演されたもの。ラインスドルフ(1912生)は当時メトの音楽顧問として、音楽監督に準ずる存在だった。



1.2(土)



ベートーヴェン/ワインガルトナー編曲:大フーガ
マーラー:交響曲第5番


ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[MUSIC&ARTS;CD-1021] LP〈NEW YORK PHILHARMONIC;NYP811/2〉
CD-R〈NICKSON PRIVATE ISSUE;112-03〉(大フーガ)

  この年ニューヨークpoは、生誕100年を記念するマーラー祭を行なった。50年前に楽団の監督だったマーラーを称えるべく、ときの音楽監督バーンスタイン(1918生)とともに前音楽監督のミトロプーロス(1896生)とマーラーの弟子ワルター(1876生)がその作品を指揮することになった。開幕はミトロプーロスによる、59年の大晦日にはじまる第5番である。この録音は3日目の土曜日の演奏。当時のラジオ中継は毎週土曜日の夜におこなわれていた。ミトロプーロスはこれから4週間の定期演奏会を担当、マーラーの第1、5、9、そして第10番第1楽章を演奏する。なお同日には、ベートーヴェンの大フーガも演奏された。



1.2(土)

カントリー・テレビ番組『タウン・ホール・パーティ』より
      リチャードソン:《白い稲妻》


ジョージ・ジョーンズ(Vo)
タウン・ホール、カリフォルニア州コンプトン
[COUNTRY ROUTES;RFD16]

  「タウン・ホール・パーティ」はロスアンジェルス郊外の町コンプトンで1952年から61年まで営業された、カリフォルニア州最大のバーン・ダンス(カントリー音楽によるダンス・パーティ)。2000人収容の古い納屋風の内装だった。地元のKFIとNBCによってラジオ中継が行なわれ、1953年からはKTTVが毎週土曜日にテレビ放送し、当時の西海岸のカントリー・スターが総出演して、テレビのカントリー音楽番組の草分けの一つとなった。
  この録音は『JOE MAPHIS & FRIENDS/LIVE AT TOWN HALL 1958-1961』所収。他に1月録音とのみ記載されたものが3トラック含まれている(ジョニー・ボンド、トミー・ダンカン、テックス・ウィリアムズの歌)。



1.2(土)

カントリー・ラジオ番組『ルイジアナ・ヘイライド』より1曲
       (レッドベリー&J・ローマックス:《オール・ザ・グッド・タイムズ》)


ジミー・マーティン&ザ・サニー・マウンテン・ボーイズ
市立公会堂、シュリーヴポート
[MUSIC MILL ENTERTAINMENT;MME-71003-2]

  『HIT PARADE OF LOVE』所収。ジミー・マーティンは「キング・オブ・ブルーグラス」と呼ばれる歌手。ラジオの人気番組「ルイジアナ・ヘイライド」に出演したときのライヴ。この番組は毎週土曜日にシュリーヴポートのKWKH放送局が放送していたカントリー番組で、第3土曜日にはCBS系で全国放送されていた。市立公会堂は3800人収容。この町はクライバーンの生まれ故郷である。(参照1.9)



1.2(土)

記者会見「民主党大統領候補選挙出馬表明」

ジョン・F・ケネディ
上院会議室(THE SENATE CAUCUS ROOM)、ワシントンDC
[SPEECHWORKS;JRCD7047]

  CD『JFK/THE KENNEDY TAPESⅡ』所収。1960年はアメリカ大統領選挙の年である。上院議員J・F・ケネディ(1917-63)による民主党大統領候補選への出馬表明。約300人の記者と支持者の前で会見が行なわれた。カトリック教徒が正式に出馬するのは、1928年以来初めてのことだった。
  ケネディにとっては7月の党候補者決定を経て11月の大統領選まで、10か月の長い闘いの始まりである。



1.2(土)
 ~5(火)

エルガー:オラトリオ《ジェロンティアスの夢》(ドイツ語訳詞版)

ユリウス・パツァーク(T)イラ・マラニウク(Ms)ルートヴィヒ・ヴェルター(Bs)
ハンス・スワロフスキー指揮オーストリア放送so、同cho
オーストリア放送局、ウィーン(セッション放送録音)
[ELGER EDITIONS;EECD006-7](2008)

  名教師として知られ、1959年からウィーン国立歌劇場の楽長となっていたスワロフスキー(1899-1975)による放送用録音。パツァーク(1898-1974)の芸歴最後期の記録である。



1.3(日)


落語『厄払い』

八代目 桂文楽
TBSラジオ「落語二題」
[小学館;ISBN978-4-09-480121-7]

  CD10枚と解説本からなるCDブック『八代目桂文楽 完全版』所収。日付は放送日。
  名人文楽(1892-1971)の数少ない1960年録音。ただし、1960~61年頃の鈴本演芸場でのライヴとされる『間抜け泥』『悋気の火の玉』『夢の酒』が、『決定盤 八代目桂文樂落語集』[日本コロンビア;COCJ-34273→4]で発売されている。



1.3(日)
 &4(月)







リスト:前奏曲、交響詩《マゼッパ》、ハンガリー狂詩曲第2番、ラコッツィ行進曲

アーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップスo
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;09026-63532-2]
[BMGファンハウス;BVCC-37452]

  ハンガリー狂詩曲第2番は3日の録音。この4曲を収録したオリジナルLP『THE MUSIC OF FRANZ LISZT』[LSC-2442]は、1960年8月に発売された。ボストン・ポップス管弦楽団は、ボストン交響楽団から首席奏者を除いた楽員たちで構成される。


1.3(日)
 &4(月)

シューマン:ピアノ協奏曲

ヴィルヘルム・バックハウス(p)
ギュンター・ヴァント指揮ウィーンpo
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;433 899-2]

  ヴァント(1912生)がウィーンpoを指揮した唯一の録音として有名なもの。新参者が自己主張することを嫌うオーケストラとの関係がうまくゆかなかったらしい。デッカへの録音もこれだけに終わり、以後のヴァントは30年近くもメジャー・レーベルに無縁の存在となる。



1.4(月)







モッフォ独唱会(アリア6曲)

アンナ・モッフォ(S)
マッシモ・フレッチア指揮ローマRAIso
ローマ
[LEGATO;BIM714-1] 
[CETRA;CDMR5035]

  イタリアの人気ラジオ演奏会番組、マルティーニ&ロッシ演奏会から。



1.5(火)





フランク:ヴァイオリン・ソナタ

ユーディ・メニューイン(vn)
ヘフツィバー・メニューイン(p)
ベルリン自由放送、西ベルリン(セッション放送録画)
DVD〈EMI;DVB4904529〉



1.5(火)





モーツァルト:交響曲第36番《プラハ》

ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ナポリRAIスカルラッティso
ナポリ
[Archipel;ARPCD0483]



1.5(火)
 &6(水)

ストラヴィンスキー:バレエ《春の祭典》

イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮コロンビアso
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[CBS;SX9K64136]

  作曲者ストラヴィンスキー(1882生)による自作自演。かれは前年末から、米コロンビア・レコード後援による数回の演奏会を、カーネギー・ホールでロバート・クラフトとともに行なっていた。《春の祭典》は3日の演奏会で取り上げられたらしい。録音用の臨時編成とされるコロンビアsoが実演に登場した、珍しい機会となった。

  翌1961年度グラミー賞のクラシック部門を受賞している。



1.5(火)
 &6(水)
 &9(土)

チャイコフスキー:交響曲第4番

ロリン・マゼール指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;00289 477 525-4]

  8枚組「LORIN MAAZEL/COMPLETE EARLY BERLIN PHILHARMONIC RECORDINGS 1957-1962」所収。



不詳
 (1960年
    初頭)

フランツ:歌曲8曲
プフィッツナー:歌曲2曲


矢野滋(S)
ヘルタ・クルースト(p)
ベルリン放送スタジオ、西ベルリン
[office Matsuura:OMCDS-001]

  『矢野滋 イン ベルリン』所収。日付不詳だがCDには「1960年初頭」とある。矢野滋(1927生)は二期会創立に参加、1954年から3年間カリフォルニアでロッテ・レーマンに師事したのち、1957年から西ベルリンで学んでいた。翌1961年に松浦豊明と結婚する。



1.6(水)

スクリャービン:ピアノ作品集(前奏曲12曲、詩曲9曲など小品32曲)

ウラジミール・ソフロニツキー(p)
国立スクリャービン博物館、モスクワ市アルバート街
[ARBITER;157]

  ソフロニツキー(1901-61)がモスクワにある国立スクリャービン博物館で行なったリサイタルのライヴ録音。この博物館は作曲家が晩年(1912-15年)を過ごしたアパートを1922年に改装したもの。1階の小さなホールにスクリャービン遺愛のピアノが置かれており、そこでの演奏。12月24日録音のソナタ第8番も同じCDに所収されている。
  2日後とされるモスクワ音楽院でのスクリャービン・リサイタルもCD化されている。



1.6(水)
ウェーバー:《オベロン》序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
マーラー:交響曲第1番《巨人》


ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
ヨーゼフ・クリップス指揮ウィーンso
楽友協会大ホール、ウィーン
〈未レコード化〉

  5日から8日にかけて行なわれた演奏会。「マーラーの都」ウィーンのマーラー生誕100年シリーズのトップは、意外にもクリップス(1902生)が幕をきった。



1.6(水)

落語『七草』

二代目 三遊亭円歌
ニッポン放送、東京
[ポニーキャニオン;PCCG-00073]

  二代目円歌(1891生)が七草にちなむ話をしているので、日付は録音日だろう。このCD『二代目 三遊亭円歌 名演集(二)』には、同年7月の『てれすこ』と9月の『トラタク』という月表記の噺も含められている。前者は8.7放送だが、後者は「また本年も相変わらずのご贔屓をお願い致します」と新年のあいさつをしているので、誤記だろう。



1.6(水)

落語『替り目』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送、東京
雑誌〈小学館;雑誌2718102109〉(2008)

  小学館のCDつきマガジン『落語 昭和の名人決定版』2008年2月3日号「古今亭志ん生1」所収。



1.6(水)
 ~9(土)

プレトーリウス:《テルプシコーレ舞曲集》より5曲
ヴィドマン:《音楽の美徳の鑑》よりダンツとガリヤルド6曲
シャイン:《音楽の饗宴》より組曲第4、5、3番

フリッツ・ノイマイヤー指揮コレギウム・テルプシコーレ
ルドルフ・エトケル・ハレ、ビーレフェルト(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;469 641-2](ARCHIV原盤)

  ホール名はRudolf-oetker-halle。



1.7(木)
ワーグナー:歌劇《リエンツィ》序曲
ウォルトン:《ファサード》第1組曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
ディーリアス:楽園への道
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番


アルトゥール・ルービンスタイン(p)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉



1.7(木)
  -9(土)

チャイコフスキー:幻想序曲《ロメオとジュリエット》

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーンpo
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ロンドン;KICC9293]

  「ヨーロッパの音楽総監督」カラヤン(1908生)は、1960年の活動をウィーンで開始した。国立歌劇場で2日に《オルフェオとオイリディーチェ》、6日に《フィガロの結婚》を指揮したのちにこの録音を行ない、続いて9日と10日には楽友協会主催の「カラヤン・チクルス」で、ウィーンsoとストラヴィンスキーの《カンティクム・サクラム》のウィーン初演と、ブルックナーの交響曲第7番を指揮している。



1.8(金)

ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》

セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ
[ARCHIPEL;ARPCD 0524](2011)

  チェリビダッケ(1912生)は当時フリーだったが、ローマに居を構えていたのでイタリア各地のオーケストラに客演する機会が多かった。この日は《運命》も演奏している(未レコード化)。なおこの年秋からデンマーク王立oの指揮者となることになる。



1.8(金)

スクリャービン:ピアノ作品集(曲数不明)

ウラジミール・ソフロニツキー(p)
モスクワ音楽院小ホール
[DENON;COCO80385-86]

     ソフロニツキー(1901-61)の十八番であるスクリャービン・リサイタル(ソナタ第9&10番、前奏曲26曲、詩曲10曲など、約90分間)は、上記CDではすべて2月2日の演奏となっている。しかし初出のメロディア盤LPには、1月8日と2月2日の2回の演奏会を合わせた録音という表記があるので、ここでは初出盤に従っておく。かれは大空間をきらい、小ホールでの演奏を好んだ。



1.8(金)





チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

イダ・ヘンデル(vn)
ハンス・ミュラー=クライ指揮シュトゥットガルト放送so
リーダーハレ、シュトゥットガルト
[HÄNSSLER;CD 94.205](2010)

1.8(金)

落語『火事息子』

六代目 三遊亭圓生
人形町末広(ラジオ京都ほか)
[ビクター伝統文化振興財団;VZCG-202](東宝原盤)

  日付は放送日。収録は1959年12月27日、人形町末広での独演会。3日後の12月30日の録音(収録場所不明)もコロムビアからCD化されている。
  小学館のCDマガジン『落語昭和の名人決定版』4号では、1か月後の2月8日放送となっている。



1.8(金)
 &10(日)







モーツァルト:交響曲第35番《ハフナー》
シューマン:ピアノ協奏曲
グリーグ:ピアノ協奏曲


レオン・フライシャー(p)
ジョージ・セル指揮クリーヴランドo
セヴェランス・ホール、クリーヴランド(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;88697689722](交響曲、2010)
[ソニー;SRCR1838](協奏曲)

  8日にモーツァルトとグリーグ、10日にシューマンが録音された。

1.9(土)

ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》全曲

ビルギット・ニルソン(S)アイリーン・ダリス(Ms)ラモン・ヴィナイ(T)ジェローム・ハインズ(Bs)
カール・ベーム指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD0307](2011)

  前年12月18日に新演出上演された演目。本来はクレンペラー(1885生)が指揮と演出を兼ねるはずだったが、58年の大火傷の後遺症によりベーム(1894生)とグラーフのコンビに交代した。ニルソン(1918生)は初日のイゾルデ役でメトロポリタンにデビュー、近年にない大評判となった。そのため切符の入手難度はブロードウェイ・ミュージカル以上とさえいわれた。12月28日の公演ではヴィナイ(1951生)不調のためにリープル、ダ・コスタとトリスタン役が幕毎に3人交代する愉快な事件が起きている。



1.9(土)







ブリス:ピアノ協奏曲
マーラー:交響曲第1番《巨人》


ジーナ・バッカウアー(p)
ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[MUSIC&ARTS;CD-1021](マーラー)
CD-R〈CON MOTO;111〉(ブリス)



1.9(土)

ダーク・ヴィレーン:弦楽のためのセレナード

スティグ・ヴェステルベリ指揮ロイヤル・ストックホルムpo
コンセルフース、ストックホルム(セッション商業録音、ステレオ)
[SWEDISH SOCIETY DISCOFIL;SCD1035]

  LPはデッカが発売していた。



1.9(土)

カントリー・ラジオ番組『グランド・オール・オプリ/プリンス・アルバート・ショー』より
     《ヒー・ル・ハフ・トゥー・ゴー》


ジム・リーヴズ(Vo)、ほか
ライマン公会堂、ナッシュビル
[COUNTRY MUSIC FOUNDATION;CMF-008D]

  『JIM REEVES LIVE AT THE OPRY』所収。『グランド・オール・オプリ』は1925年に地方局のWSM放送が始めたカントリー番組で、1939年にNBC放送がタバコ会社のプリンス・アルバートの提供で毎週30分の全米放送を開始してから(1943年にさらに拡大)は国民的人気番組となった。WSMの番組は1974年に会場をグランド・オール・オプリ・ハウスに移して続けられ、世界一の長寿番組ともいわれる。ジム・リーヴズ(1923生)は1953年から、飛行機事故で落命する1964年までここで活躍した人気カントリー歌手。



1.9(土)

カントリー・ラジオ番組『ルイジアナ・ヘイライド』より2曲
    (キルゴア:《ジョニー・レブ》、カーライアル:《カラスが話した同じ昔話》)


ジョニー・ホートン(Vo)
市立公会堂、シュリーヴポート
[SCENA RECORDS;271901-2]

  ジョニー・ホートン(1927生)はシングル《ニューオーリンズの戦い》で1959年のビルボード年間1位を獲得したばかりの人気カントリー歌手。ラジオの人気番組「ルイジアナ・ヘイライド」に出演したときのライヴ。



1.10(日)
グッドスピード歌劇場特別演奏会(アリア15曲)

リチア・アルバネーゼ(S)リゼ・スティーヴンス(Ms)
バリー・モレッル(T)コーネル・マックニール(Br)
サリー・レフ(p)
グッドスピード歌劇場、イースト・ハッダム
LP〈GOODSPEED OPERA;MUS100〉(2枚組)

  アメリカのコネティカット州イースト・ハッダムにあるグッドスピード歌劇場は1876年創建、その後さびれていたが、1959年に修復工事が開始され、63年に正式に再開場した。これはその3年前に、メトロポリタン歌劇場の歌手たちを招いて開かれた特別演奏会らしい。



1.10(日)





ラーション:田園組曲、小行進曲

スティグ・ヴェステルベリ指揮ストックホルムso
コンセルフース、ストックホルム(セッション商業録音、ステレオ)
[SWEDISH SOCIETY DISCOFIL;SCD1020]


1.11(月)

ベートーヴェン:交響曲第8番
ブラームス:二重協奏曲

ヨー・ユダ(vn)ジョン・デクロース(vc)
ベルナルト・ハイティンク指揮オランダ放送o
アムステルダム
CD-R〈KAPELLMEISTER;KMH-1021〉(2008)

  ハイティンク(1929生)はこのオーケストラの首席指揮者を1957年から61年までつとめている。


1.11(月)





イヴァノヴィッチ:ワルツ《ドナウ河のさざ波》
レハール:ワルツ《金と銀》


アーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップスo
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGファンハウス;BVCC-37293]


1.11(月)





ゴルーベフ(1910-1988):チェロ協奏曲

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮モスクワ放送so
モスクワ音楽院大ホール
[MOSCOW STATE CONCERVATOIRE;SMC CD 0029](2012)



1.11(月)
 -14(木)







シューベルト;交響曲第3番、第4番

ラファエル・クーベリック指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[IMG ARTISTS;7243 5 62872 2 8](第3番)
[EMI;CDE7243 5 68534 2 3](第4番)



1.11(月)
 &14(木)
 &16(土)







ブラームス:交響曲第2番、大学祝典序曲

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2326、2314]
  大学祝典序曲は16日の録音。



1.11(月)
 -16(土)

モーツァルト:交響曲第1、28、41番

ロリン・マゼール指揮フランス国立放送o
サル・ド・ミュトゥアリテ、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;00289 477 525-4]
  8枚組「LORIN MAAZEL/COMPLETE EARLY BERLIN PHILHARMONIC RECORDINGS 1957-1962」所収。

  お蔵入りしていたが2004年にこの8枚組で初めて世に出た。マゼールは9日にベルリンで録音したばかり。



1.11(月)
 -27(水)

ベートーヴェン:交響曲全集(9曲)、序曲2曲

ジェニファー・ヴィヴィアン(S)シャーリー・ヴァーレット=カーター(Ms)ルドルフ・ペトラク(T)ドナルド・ベル(Bs)
ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドンso、BBCcho
ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EVEREST;EVC9010/14]

  日付は11-13,15-16&18-27。5月中旬から6月初めにかけ、クリップス(1902生)はロンドンsoと10回目のベートーヴェン連続演奏会(ルービンシュタイン、シュナイダーハンとの協奏曲も演奏された)を催すことになるが、その4か月前に集中して録音されたもの。9曲の全集を短期間に集中して録音した、史上初の試みではないかと思われる。
  60年8月に8枚組のセットでまず発売された。分売はその2か月後以降。



1.12(火)

ベルリオーズ:歌劇《トロイ人》第2部

リジャイナ・レズニック(S)リチャード・キャッシリー(T)ほか
ロバート・ローレンス指揮アメリカ・オペラ協会o、同cho
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[VAI;VAIA1006-3]

  演奏会形式。第1部は59年12月29日に公演されていた。どちらもビーチャム(1879生)が指揮にあたるはずだったが、インフルエンザのため降板してローレンスに交代した。



1.12(火)

シルヴェストリ:前奏曲とフーガop.17a-2
プロコフィエフ:《3つのオレンジの恋》組曲より、道化師たち、行進曲
シューベルト:交響曲第2番


コンスタンティン・シルヴェストリ指揮フランス国営放送o
パリ(?)
CD-R〈VIBRATO;VHL353〉

  シルヴェストリの自作が珍しい。CD-Rには《トッカータとフーガ》とあるが、正規の題は《前奏曲とフーガ》、のちに《トッカータ》と改題した。1939年にバレエ《メタモルフォシス》op.17の第2曲として作曲された(元は前年に書かれたピアノ曲)もので、1956年に改訂、その後は自ら頻繁に演奏した。1964年4月にNHK交響楽団に客演したさいにも指揮している。



1.13(水)

ヴェルディ:歌劇《椿姫》全曲

ヴィルジニア・ゼアーニ(S)ウィリアム・マクアルパイン(T)ほか
ネッロ・サンティ指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o、同cho
コヴェント・ガーデン歌劇場、ロンドン
[LEGENDARY;LR CD1022-2]

  公演初日の8日はジョーン・サザランド(1926生)がヴィオレッタを歌ったが、この日は不調のためゼアーニ(1925生)に交代した。ウィーンで11日にミカエラを歌ったゼアーニはリハーサルなしでこの公演を歌い、とんぼ返りをしてウィーンで15日にミカエラ、17日にヴィオレッタを歌っている。
  サザランドは22日の公演で復帰している。サンティ(1931生)の遅いテンポと合わなかったのも降板の原因らしい。なおサンティは、コヴェント・ガーデンの次期音楽監督候補のひとりとしてこの公演を指揮したが、結果的にはショルティがそのポストにつくことになる。



1.14(木) ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》
フラナガン:交響的賛歌(世界初演)
クレストン:ヴァイオリン協奏曲第1番(世界初演)


ベンノ・ラビノフ(vn)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉

  クレストンのヴァイオリン協奏曲はこの年、第2番も11月17日にレビンによりロスアンジェルスで世界初演されている。
  《新世界より》は2月20日にマーキュリーにセッション録音される。



1.14(木)

ヴェルディ:歌劇《マクベス》全曲

レイラ・ゲンチェル(S)ジュゼッペ・タデイ(Br)ほか
ヴィトリオ・グイ指揮パレルモ・マッシモ劇場o、同cho
マッシモ劇場、パレルモ
[GOP;705]

  南伊シチリア島の古都での公演。ゲンチェル(1928生)は商業録音に縁がなく「海賊盤の女王」といわれたソプラノ。



1.14(木)

ポップス『ナット・キング・コール・アット・ザ・サンズ』(12曲)

ナット・キング・コール(Vo)
アントニオ・モレッリ指揮のオーケストラ、ほか
ザ・サンズ・ホテル、ラスベガス(ライヴ商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 38694 2 7](キャピトル原盤)

  ナット・キング・コール初のライヴ商業録音。翌1961年5月には来日公演も行ったが、入場料が高すぎたのか、予想外の不入りに終わることになる。



1.14(木)
 &15(金)





LP『ウィンナ・ワルツ集』(8曲)

ヘンリー・クリップス指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1(?)、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈COLUMBIA;SCX3346〉
[EMI;CD-CFP4499](皇帝円舞曲とトリッチ・トラッチ・ポルカのみ)


1.15(金)

ワーグナー:歌劇《タンホイザー》序曲
ヒンデミット:ピッツバーグ交響曲
シューベルト:交響曲第2番
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》組曲


ウィリアム・スタインバーグ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  ボストン交響楽団の定期演奏会のラジオ生中継。W・スタインバーグ(1899-78)は当時ピッツバーグ交響楽団の常任指揮者だった。ヒンデミットの交響曲は1959年にスタインバーグによってピッツバーグで世界初演されたもので、おそらくこの演奏がボストン初演だろう。
  スタインバーグは8日の定期演奏会も指揮している(マーラーの《巨人》など)が、録音は現存しないらしい。



1.15(金)







モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》
ワーグナー:ジークフリート牧歌


セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ(ワーグナーのみステレオ録音)
[MEMORIES;HR4190](モーツァルト)
[ARKADIA;CDGI750.1](ワーグナー)

  ジークフリート牧歌はCDに1960.11.20とあるが該当する演奏はなく、この日の録音らしい。他にストラヴィンスキーの《火の鳥》も演奏されたが、未レコード化である。


1.15(金)





R・シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》

ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY:SBK48272]


1.15(金)

ジャズ『サード・ストリーム・ミュージック』より〈エクスポジュア〉

モダン・ジャズ・カルテット
ガンサー・シュラー指揮のオーケストラ
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[ワーナー:AMCY-1094](ATRANTIC原盤)

  1950年代後半からモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のピアニスト、ジョン・ルイスはクラシック畑のシュラーたちとともに、ジャズとクラシックを知的に融合させることを試みていた。これもその一つで、ジョン・ルイス作曲による、国連制作のテレビ・ドキュメンタリーのための音楽。



1.15(金)
 -19(火)

ニュース映像「新安保条約調印」

東京国際空港、東京羽田(日本映画新社撮影)
及びホワイトハウス、ワシントンDC
DVD付書籍〈講談社;ISBN4-06-274730-8〉

  『昭和ニッポン 第10巻 昭和35年・1960』所収。映画館で劇映画の合間に上映されるニュース映画の制作会社、日本映画新社による映像。
  15日夜、日米安全保障条約の改訂条約調印のために明朝渡米する岸信介首相一行を阻止しようと、全学連(全日本学生自治会総連合)主流派の学生700人が検問の隙をついて羽田空港に進入、食堂を占拠した。警官隊2000人による「ゴボウ抜き」で16日午前3時頃に排除され、委員長唐牛健太郎(北大生)以下78人が逮捕された。映画には唐牛や、5か月後に国会前で死亡することになる樺美智子の姿も映っている。
  翌朝、岸全権団を乗せた特別機(まだプロペラ機)は厳戒体制の中で離陸、19日にホワイトハウスで調印式が行なわれた。毛筆で署名する岸首相をアイゼンハワー大統領が興味深げに眺めるさまを観られる。



1.16(土)

ドビュッシー:歌劇《ペレアスとメリザンド》全曲

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)セオドア・アップマン(T)ほか
ジャン・モレル指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0318](2010)

  メトロポリタン歌劇場からの中継は、12月から4月までの毎週土曜日午後に行なわれる。ロス・アンへレス(1923生)は前年12月12日のマノン役(マスネ作曲)に続けてシーズン2回目の中継出演で、その人気ぶりが偲ばれる。指揮者のモレル(1913生)は、当時のメトロポリタンでフランス・オペラの第一人者として活動している。



1.16(土)

マーラー:交響曲第10番第1楽章

ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[NEW YORK PHILHARMONIC;NYP9801/12]

  同日にはシュラー:スペクトラ、リスト:ピアノ協奏曲第1番(独奏バー=イラン)、メフィスト・ワルツも演奏された。ガンサー・シュラーはジャズ・ピアニストのジョン・ルイスらと組んで、クラシックとジャズの融合を図る「サード・ストリーム・ミュージック」なる運動を展開した人物。



1.16(土)
    他

ロックンロール『エディ・コクラン/オン・エアー!』より10トラック

エディ・コクラン(Vo)ほか
ATV、ロンドン
[東芝EMI;TOCP-7940](LIBERTY原盤)

  アメリカのロックンロール歌手、コクラン(1938生)がイギリスのテレビ番組「BOY MEETS GIRLS」に1月と2月に出演したさいのライヴ。3か月後の4月17日、ロンドンでの交通事故により21歳で亡くなる。



1.16(土)
 ~18(月)

シューベルト:シラーとゲーテの詩による歌曲集(14曲)

ヘルマン・プライ(Br)
ジェラルド・ムーア(p)
福音派教区集会所(エヴァンゲリッシェス・ゲマインデハウス)、西ベルリン、ツェーレンドルフ(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-13378](2006)

  新鋭ヘルマン・プライ(1929-98)による歌曲録音。シラー作品が6曲、ゲーテが8曲からなる。



1.16(土)
 &20(水)

シューベルト:ピアノ・ソナタ第17番

エミール・ギレリス(p)
タウン・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;09026-61614-2]

  ソ連の誇るピアニスト、ギレリス(1916生)はソビエト国立交響楽団に帯同して、年明けからアメリカに演奏旅行している。東西冷戦の「雪融け」ムードが前年秋から高まるなか、米ソの演奏家の交換派遣がさかんになっていた。アメリカへの出発直前、12月23日にモスクワで行なわれた壮行演奏会(モーツァルトの協奏曲第21番、チャイコフスキーの協奏曲第2番)のライヴも、メロディアでCD化されている。この協奏曲プログラムは1月18日のニューヨークでくり返された。シューベルトのソナタは1月22日のカーネギー・ホールのリサイタルで演奏した。その後全米ツアーに出発、2月25日には再びニューヨークでバッハのフランス組曲第5番を商業録音している。



1.17(日)

ベルク:ヴァイオリン協奏曲

シモン・ゴールトベルク(vn)
ラファエル・クーベリック指揮ロイヤル・コンセルトヘボウo
コンセルトヘボウ、アムステルダム
[シモン・ゴールドベルク メモリアルファンドCD制作プロジェクト実行委員会;SZY G001]

  わが国の「シモン・ゴールドベルク メモリアルファンドCD制作プロジェクト実行委員会」が制作したCD。未亡人の解説によると「ホールの清掃係が、天井裏で録音した」音源だそうである。クーベリック(1914生)はこの演奏会の前後はウィーンに滞在、ウィーン・フィルを指揮してシューベルトやチャイコフスキーの交響曲をEMIにセッション録音している。



1.18(月)
 &19(火)

ハイドン:交響曲第101番《時計》

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-59001]

  18日から29日までと2月15日から3月10日まで、ほとんど連日録音。 ハイドン、メンデルスゾーン、シューマン、ワーグナー、シュトラウスなど



1.18(月)
 -20(水)



ベートーヴェン:交響曲第2番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》


朝比奈隆指揮北ドイツ放送so
北ドイツ放送スタジオ10、ハンブルク(セッション放送録音)
[ODE; ODCL1002-2](ベートーヴェン)
[ODE;ODCL1004-2](ショスタコーヴィチ)

  公開の演奏会は22日。関西交響楽団の常任指揮者、朝比奈隆(1908生)は1月中旬から3月上旬まで、西ドイツと東欧3カ国に客演した。53年に初渡欧し56年からは毎シーズン、欧州諸国へ単身の「武者修行」を行なっている。当時の朝比奈は東京では聴けないが関西と欧州で聴けるという、不思議な存在だった。しかし前年の夏に関響が演奏水準低下のために規模を縮小、その後も経営基盤の弱さが危惧されていた最中だけに、単身渡欧には批判の声もあった。関響は5月に改組して大阪poとなる。改組後最初の定期でも《革命》が演奏された。



1.18(月)
 &19(火)
 &27(水)





チャイコフスキー;交響曲第4番

ラファエル・クーベリック指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT2 1322]



1.18(月)
 &30(土)





ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2327]

1.19(火)





モーツァルト:アダージョとフーガK.546

フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送so
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリドール;POCG-3088](DGG原盤)

1.19(火)

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

ダヴィート・オイストラフ(vn)
ノーマン・デル・マー指揮ロイヤルpo
ロイヤル・アルバート・ホール、ロンドン
[BBC;BBCL4102-2]

  当日はシベリウスの協奏曲も演奏された。大オイストラフ(1908生)は、ギレリス、ロストロポーヴィチ、コンドラシンなどとともに、当時のソ連が対外宣伝の切り札にした演奏家のひとりだった。プロムスでもないのに巨大なアルバート・ホールで演奏していることは、その絶大な人気をしめしている。イギリス訪問の前にアメリカとカナダを訪れており、この曲も前年12月24日にオーマンディ指揮フィラデルフィアoとCBSに商業録音している。



1.19(火)
 -21(木)





ハイドン:交響曲第98番

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 67032 2 3]

1.19(火)
 &22(金)

サール:交響曲第1番
シャイバー(シェイベル):エレジー

セシル・アロノーウィツ(va)(シャイバー)
エードリアン・ボールト、マティアス・シャイバー指揮ロンドンpo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈DECCA;SXL2232〉

  サールはボールト指揮で19日、シャイバーは作曲者指揮で22日に録音。
  ハンフリー・サール(Humphrey Searle、1915-82)はイギリスの作曲家。交響曲第1番は1953年の作品。3月録音のシャイバーの《『若き日の芸術家の肖像』からの3つの断片》と合せてLP化された。
  CD化は未確認。



1.19(火)
 -23(土)





ブラームス:交響曲第3番、悲劇的序曲

ルドルフ・ケンペ指揮ベルリンpo
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-3266]
[IMG:7243 5 75950 2 5](序曲)

1.20(水)

ジョルダーノ:《アンドレア・シェニエ》抜粋

レナータ・テバルディ(S)フランコ・コレッリ(T)エットーレ・バスティアニーニ(Br)ほか
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
スカラ座、ミラノ
〈未レコード化〉

  3人の主役は5ヵ月後に、ウィーン国立歌劇場での同じオペラの新演出上演(マタチッチ指揮)に参加する。カラヤンによるウィーン=ミラノ提携の一環。なお前日にテバルディ(1922生)は入院中の父を訪ねている。かつて彼女と母(58年11月に死去)を捨てて、ほかの女のもとへ去った父との、19年ぶりの再会だった。
  なお公演の初日8日は、コレッリ不調のためデル・モナコが代演した。じつに豪華な代役で、1月9日の項で触れた「3人トリスタン」事件とは対照的に、イタリアの名テノールは当時まだ数に余裕があった。



1.20(水)

テレビ番組『THE CREATIVE PERFORMER』

アイリーン・ファレル(s)、グレン・グールド(p)
レナード・バーンスタイン、イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮ニューヨークpo
CBSテレビ、ニューヨーク
DVD〈ドリームライフ;DLVC-6008〉(2010)

  5枚組『レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィルハーモニック HISTORIC TELEVISION SPECIALS』に所収。このDVD5枚組は、1958年から62年にかけてCBS系列で11本が不定期に放映されたフォード自動車提供のスペシャル番組『LEONARD BERNSTEIN & THE NEW YORK PHILHARMONIC』のうち、5本をまとめたもの。1960年に制作された3月13日放映の『RHYTHM』と11月24日放映の『LEONARD BERNSTEIN AND THE NEW YORK PHILHARMONIC IN BERLIN』はすべてこのセットに含まれている。
  日付は収録日で、1月31日に放映された。司会役のバーンスタインのほかにグールド(バッハ:ピアノ協奏曲第1番)、アイリーン・ファレル(ポンキエッリ:歌劇《ラ・ジョコンダ》のアリア)、ストラヴィンスキー(自作の《火の鳥》組曲)が出演、音楽作品の印象に重大な影響を及ぼす「創造的な演奏家」がテーマだった。演奏家各自の「解釈」を恣意的行為として退けていたストラヴィンスキーが出演しているのが面白い。
  この番組でグレン・グールドが北米のテレビに初登場した。しかしこの時期から左肩痛を訴えるようになり、この後は半年間にわたってキャンセルをくり返すことになる。

  収録日は『ストラヴィンスキー 友情の日々』(ロバート・クラフト/小藤隆史訳/青土社)の記述によった。クラフトはグールドについて「円錐を下げてピアノの椅子と床の距離を調べ、表紙をとって弾きながら、メトロノームのように舌で頰を打ち、あたかもブードゥー教徒の発作のように口を震わせる。じっさいの撮影まで、この二十七歳の老人は襟巻、セーター、毛布にくるまっている」と書いている。



1.20(水)

大相撲「初場所11日目 大鵬対岩風」

大鵬(西前頭13枚目)と岩風(東前頭4枚目)
国技館、東京蔵前
DVD〈ベースボール・マガジン社;ISDN978-4-583-61665-0〉

  DVDマガジン『映像で見る 国技大相撲』第15号「昭和33~35年 宿命の栃若対決」所収。19才の新鋭大鵬(1940生)が初日から負けなしの11連勝を飾った一番(物言いがついて取直したもの)。
  同じ初場所からは、翌日の柏戸に土をつけられた一番、千秋楽で栃錦が朝潮を破って10回目の、現役最後となる優勝を達成した一番も含められている。このほか、若乃花が優勝した三月大阪場所千秋楽の「若乃花対栃錦」、若三杉が優勝した五月場所から2日目「安念山対栃錦」、8日目「福田山対大鵬」、千秋楽「若三杉対岩風」、若乃花が優勝した七月名古屋場所から13日目「柏戸対若乃花」、千秋楽「若乃花対朝潮」、若乃花が連覇した九月場所の14日目「若乃花対柏戸」、そして大鵬が初優勝した11月九州場所の7日目「房錦対大鵬」、14日目「大鵬対柏戸」、千秋楽「大鵬対北葉山」と、栃若から柏鵬へと時代が移る転換期の計13番が収められている。



1.20(水)







  予定ではこの日から5日間、東京の松竹セントラル劇場でイヴ・モンタンの来日公演が行われるはずだった。「世界の恋人」のキャッチフレーズで大ブームが起きたが、モンタンはマリリン・モンローと共演のハリウッド映画『恋をしましょう』撮影のために来日不可能となった。
  公演はいったん5月18日からに延期されたが、ハリウッドのストライキ(3.7~4.8)のために撮影が遅れ、ついに中止となった。期待が大きかっただけに反動も大きく、「バカにするなモンタン」の国民的ヒステリー現象が起きた。
  1959年10月パリのエトワール劇場での録音で、同時期のライヴを聴くことができる。
[PHILIPS;510 963-2]



1.20(水)
 &25(月)





シューマン:ピアノ協奏曲

ユージン・イストミン(p)
ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2318]

1.21(木)

ヘンツェ:5つのナポリ民謡

ヘルマン・プライ(Br)
ニルス=エーリク・フォウグステッド指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
ライプツィヒ
[RCA;74321 73558 2](2006)

  MUSIK IN DEUTSCHLAND 1950-2000シリーズの『VOKALMUSIK:ORCHSTERLIED』所収。1956年にフィッシャー=ディースカウ独唱によりフランクフルトで初演された作品。フォウグステッド(1910-61)はフィンランドの指揮者。



1.21(木)

エック:オラトリオ《大胆で親切》

フリッツ・ヴンダーリヒ(T)
イシュトヴァン・ケルテス指揮バイエルン放送so、同cho
ヘルクレスザール、ミュンヘン
[ORFEO;C510011B]

  バイエルン放送soは通常の定期演奏会のほかに、ムジカ・ヴィーヴァという現代音楽紹介の演奏会を行なう。この日は「エックの肖像」と題され、ほかに歌劇《アイルランド物語》からの2曲がユリナッチ独唱で演奏された。《大胆で親切》は1931年の作品で、改訂版が59年のウィーン芸術週間で初演されていた。バイエルン放送の記念本では22日の演奏となっている。ケルテス(1929生)は当時、アウクスブルク歌劇場の俊英監督として楽壇の注目を集めつつあった。



1.21(木)

朝日ニュース「故郷に生きる」より〈キーンアリラン〉

永田絃次郎(金永吉)(T)、伴奏ピアノ不明
九段会館、東京
[キング;NKCD 6508]

  『甦る幻の名テナー 永田絃次郎(金永吉)』所収。永田絃次郎(金永吉)(1909-85)は、平安南道江南郡生れのテノール歌手。20歳で渡日し、戦前から戦後にかけて、レコードやラジオを通じて高い人気を得た。戦後は藤原歌劇団の専属となっていたが、1960年1月29日、新潟を出港した第6次帰国船の副団長として北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)へ帰国、以後は同国を代表するテノールとして活動した。これはその8日前に九段会館で夜6時から行われた金永吉帰国記念独唱会(永田絃次郎さよならリサイタル)での、キーンアリランの30秒ほどの抜粋。映画館で公開されるニュース映画「朝日ニュース」のフィルムから、音声のみをCDに収録したもの。
  北朝鮮への在日朝鮮人の帰国事業は、1959年12月14日出港の第1次帰国船に始まり、1984年までに約9万3千人が渡鮮した。



1.21(木)

大相撲「初場所12日目 柏戸対大鵬」

柏戸(東小結)と大鵬(西前頭13枚目)、北出清五郎(実況)
国技館、東京蔵前
DVD〈NHKソフトウェア;NSDS-6909〉

  DVD『大相撲大全集~昭和の名力士~』第参巻に所収。後に柏鵬時代を築くことになる大鵬(1940生)と柏戸(1938生)の初対決となった一番。この場所に新入幕したばかりの19才の新鋭大鵬は初日から負けなしの11連勝で、あるいはいきなり優勝かと騒がれた。しかし12日目に小結柏戸と対戦、ついに土をつけられた。結局は12勝3敗に終わって優勝は14勝1敗の東横綱栃錦(1925生)に譲ったが、敢闘賞を受賞した。
  「動きは固かったが、互いに五分と譲らぬ好勝負となり、結局、一日の長のある柏戸が大鵬を破った。しかし、この一番を見たすべての者が、やがて相撲界はこの二人の若者が背負って立つだろうことを信じて疑わなかった」(『栃若時代』小坂秀二/光人社)
  なおこのときが栃錦10回目の、最後の優勝となる。ライバル若乃花は蓄膿症のため3日目から休場していた。



1.22(金)







チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》
ラヴェル:《マ・メール・ロワ》


セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;CDHP402.1](チャイコフスキー)
[CETRA;ARCD2060](ラヴェル)



1.22(金)

『Ernst Busch 1960 Live In Berlin』(アイスラーなどの歌曲23曲)

エルンスト・ブッシュ(vo)ピアノ伴奏者不明
GDR芸術アカデミーのホール、東ベルリン
[EDEL;0014692BCB](2010)

  東ドイツを代表するキャバレー歌手・俳優のエルンスト・ブッシュ(1900-80)が60歳の誕生日に行なったリサイタルのライヴ。
  ブッシュは1920年代からベルリンのキャバレーで左翼的な労働歌などを歌って人気を得た。その多くは友人のアイスラーが作曲したものである。1931年の映画『三文オペラ』に出演してその名を知られた。1933年の亡命後、1940年にベルギーで侵攻したドイツ軍に捕えられて収監されていたが、1945年にソ連軍によって解放された。
  戦後は東ドイツ最初のレコード会社(のちのドイツ・シャルプラッテン)を設立、1953年に同社が国営化されると、1961年の引退まで、ブレヒトが創立したベルリナー・アンサンブルなどでの俳優活動を中心に、左翼歌の歌手としても活躍した。



1.22(金)
 -28(木)





メンデルスゾーン:交響曲第3番《スコットランド》

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM7 63853 2]

  録音日は22,25,27,28日。コーダは原典版とクレンペラー版の二種を録音したというが、使用されたのはもちろん原典版。



1.23(土)





スメタナ:交響詩《モルダウ》

フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHES GRAMMOPHON;463 650-2]


1.23(土)



ショパン:舟歌op.60、バラード第4番op.52

マルタ・アルゲリッチ(p)
ベルリン(?)
[DG;4777557](このトラックは未発売)

  2009年秋に発売が予告された『ショパン初出音源集(1959-67)』への所収が当初発表されたが、のちに発売された盤からは除かれた。同アルバムにはベルリンなどでの放送録音を集め、他に1959年録音2曲、67年録音11曲が含まれる予定だったが、翌年1月に発売された盤は1959年放送録音1曲、67年の放送録音11曲、同年のライヴ1曲に変更された。
  アルゲリッチ(1941生)は7月上旬にグラモフォンにデビュー盤を録音する。



1.23(土)





ブラームス:悲劇的序曲

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2326]


1.23(土)

オリヴェーロ独唱会(アリア3曲、歌曲1曲)

マクダ・オリヴェーロ(S)リノ・サルヴィアーティ(T)
指揮者不詳ミラノRAIso
ミラノ
ビデオ〈BEL CANTO SOCIETY;BCS-0115〉
DVD〈HARDY CLASICCS;HCD4011〉(アリアのみ)

  日付はおそらく放映日。《椿姫》《イリス》《復活》の各場面。映像(作品ごとの扮装とセット)と音声は別に収録。DVD〈HARDY CLASICCS;HCD4011〉にも同じアリア3曲が収められているが、こちらには1964年ナポリの収録とある。ただしこの年の記録はない。



1.23(土)

ヤング・ピープルズ・コンサート「グスタフ・マーラーの魅力」

レリ・グリスト(S)ヘレン・ラーブ(A)ウィリアム・ルイス(T)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・po
カーネギー・ホール、ニューヨーク
ビデオ〈ソニー;SRVM991〉
DVD〈KURTUR;D1503〉

  マーラー100年祭にあわせて、ニューヨーク・poの子供向け演奏会「ヤング・ピープルズ・コンサート」でもマーラーが取り上げられた。交響曲4番や《大地の歌》、《復活》などが抜粋で演奏されている。この作曲家の一般への認知度がまだ低かったことを反映して、原題は「グスタフ・マーラーって誰?」となっているのが興味深い。テレビ放映は2月7日に行なわれた。
  なお、ヤング・ピープルズ・コンサートはこの後3月と4月にも3回放映されたが、それらは商品化されていない。



1.23(土)

モーツァルト:《フィガロの結婚》全曲

リーザ・デラ・カーザ、エリーサベト・セーデルストレーム(S)チェーザレ・シエピ(Bs)ほか
エーリヒ・ラインスドルフ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0298](2010)



1.23(土)







ヴェーベルン:パッサカリア
マーラー:交響曲第9番


ディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・po
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[AS DISC;AS540](ヴェーベルン)
[MUSIC&ARTS;CD-1021](マーラー)

  昼時の「ヤング・ピープルズ・コンサート」のあと、夜の定期演奏会。


1.23(土)




GL100.769
プッチーニ:歌劇《西部の娘》全曲

ゲルダ・シェイラー(S)ワルデマール・クメント(T)パウル・シェフラー(Br)ほか
アルジェーオ・クアドリ指揮オーストリア放送so、同cho
オーストリア放送、ウィーン
〈未レコード化〉
[GALA;GL100.769](?)

  ドイツ語版による放送録音。イタリア人クアドリ(1911生)は1957年からフォルクス・オーパーでイタリア・オペラを指揮して好評を得ていた。シェイラー(1915生)は、《魔笛》の第1の侍女のような脇役から《運命の力》のレオノーラのような主役まで、国立歌劇場の日常公演で44の役柄をこなしたソプラノで、なんと28年間に1033回出演した。「歌の何でも屋」というにふさわしく、年に300公演もあるウィーン国立歌劇場のような場所では、誰よりも重宝された。商業録音ではアッカーマン指揮の《こうもり》(EMI)が残されている。
  出演者、年月日のデータはアメリカで販売されていたカセット・テープの表記に従ったが、これと同一の音源によるものらしいCDが[GALA;GL100.769]という番号で2005年に発売された。ただしそのCDでは歌手は同じだが、指揮がクアドリではなくルドルフ・モラルト、年月も1958年12月(日付なし)となっている。
  どちらが正しいデータなのかは不明だが、この種の放送録音のデータの場合に月までで日付が欠落しているのは不自然であること、しかもこの月はモラルトが亡くなった月(16日)であること、そしてこの種のオペラを指揮するにはイタリア人クアドリの方が自然だと思えることなどの理由から、テープのデータが誤りとは決めつけられないと判断し、ここに残しておくこととする。



1.23(土)

ラジオ番組「ルイジアナ・ヘイライド」より2曲
   (ドリフトウッド:《サルの甘い唇》、ホートン&フランクス:《ビスマルク沈みぬ》)


ジョニー・ホートン(Vo)
市立公会堂、シュリーヴポート
[SCENA RECORDS;271901-2]

  1.9と同じくジョニー・ホートン(1927生)がラジオ番組「ルイジアナ・ヘイライド」に出演したときのライヴ。《ビスマルク沈みぬ》は代表曲の一つ。



1.23(土)
 &24(日)







R・シュトラウス:交響詩《死と変容》
ワーグナー:ジークフリート牧歌


ピエール・モントゥー指揮サンフランシスコso
カリフォルニア・ホール、サンフランシスコ(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC-37166](シュトラウス)
[RCA;BVCC-37166](ワーグナー)

  モントゥー(1875生)は、当時では現役最高齢の音楽家のひとりとして、欧米各地で敬愛されていた。かつての手兵に客演した機会に、セッション録音されたもの。52年にモントゥーが去ったあとの楽団は、後任のホルダ(1911生)の不人気もあり、この時期には解散が噂されるほどの赤字に苦しんでいた。
(録音会場をCalifornia Masonic Templeとする説あり)


1.24(日)

リスト:ヴェネツィアとナポリ
シューマン:幻想小曲集


エゴン・ペトリ(p)
ベルモント、カリフォルニア州
LP〈VERITAS RECORDS;VM116〉

  ペトリ(1881生)の生涯最後のリサイタルのライヴ録音。直前のリサイタルでのブゾーニの〈イタリア風〉と〈常動曲〉も収録されている。24日には他に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番とショパンの第2番、ブラームスの間奏曲集が演奏されたという。ペトリは当時カリフォルニア大学附属のサンフランシスコ音楽院教授だった。
  没後5周年の1967年に発売された。



1.24(日)





ラフマニノフ:交響曲第2番

アルフレッド・ウォレンステイン指揮ロスアンジェルスpo
サムエル・ゴールドウィン・スタジオのステージ7、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 67247 2 3]



1.24(日)
 -25(水)


ニュース映像「三井三池争議」

三井鉱山三池炭鉱、北九州(日本映画新社撮影)
DVD付書籍〈講談社;ISBN4-06-274730-8〉

  『昭和ニッポン 第10巻 昭和35年・1960』所収。映画館で劇映画の合間に上映されるニュース映画の制作会社、日本映画新社による映像。
  三池炭鉱の労働組合は、九州大学教授向坂逸郎の理論的指導により、日本最強の企業別組合として知られていた。しかし石炭から石油へとエネルギー資源が変化する「エネルギー革命」により炭鉱の経営は悪化し、1959年12月には会社側が組合幹部など1280人の指名解雇を通告した。労使の対立が激化する1月24日夜、会社側は翌日からのロックアウトを発表、組合側もただちに対抗して無期限ストライキに突入した。「総資本対総労働の決戦場」といわれた三井三池争議の始まりである。
  DVDには3月17日の第2組合(会社側組合)結成、28日の両組合の流血の激突、そして11月1日の就労再開まで、300日間の長期争議の映像が収められている。



1.24(日)
 -29(金)





SL-3031
LP『東京のトリオ・ロス・パンチョス』&『東京で歌う』(全24曲)より8曲

トリオ・ロス・パンチョス
東京キューバン・ボーイズ(リズム伴奏)
コロムビア・スタジオ、東京(セッション商業録音)
LP〈日本コロムビア;SL-3031、ZL-1121(分売)〉
[EPIC/SONY;ESCA5064](6曲+2曲)

  1960年代に日本で絶大な人気を誇った、メキシコのラテンコーラス・トリオの日本録音。このときが初来日のかれらは赤坂の伝説的ナイトクラブ、「ニューラテンクォーター」(ホテル・ニュージャパンの地下にあった「ニューラテンクォーター」については、『赤坂ナイトクラブの光と影』[諸岡寛司/講談社]に詳しい)のコケラ落としに選ばれて開店日の12月14日から出演し、続いて各地でホール公演も行った。
  当時ヒット中の「南国土佐を後にして」なども録音。24日から29日まで、1日の休みをはさんで毎日午後1時から6時の間に、計25時間のセッションで24曲が録音された(『レコード芸術』1960年3月号)。3人のメッセージも収録されている。
  来日当初は「3年後に引退する」と語ったトリオだが、日本での熱狂に気をよくしたのか、2月1日の帰国時には引退を撤回、以後は毎年繰り返し来日することになる。海外タレントが客を呼べるのは初来日のときだけ、という状態の続いていた日本では異例のことで、社会が次第に豊かになっていたことの証明といえる。
 24曲を14曲と10曲に分けて2枚のアルバム(1枚は10インチ盤)が発売された。CD「ベスト・ヒット全曲集」に前者から6曲、後者から2曲の計8曲が収められている。CDでは日本向けの曲がすべてカットしてあるあたり、ラテン音楽ファンの心情が面白い。

CD収録分:エストレリータ、ラ・クカラッチャ・アデリータ、キサス・キサス・キサス、情熱の花、キエンセラ、ラ・マラゲーニャ/ラ・パロマ、ラ・ゴロンドリーナ



1.25(月)(?)

ケルビーニ:歌劇《アナクレオン》序曲

ピエール・モントゥー指揮ロイヤルpo
BBCスタジオ、ロンドン
[BBC;BBCL4112-2]

  記録が正しければ、モントゥーはサンフランシスコ録音の翌日にロンドンで録音したことになるが…。
60年11月にこのオーケストラを指揮しているので、その頃(11.25?)かも知れない。10月のドイツ楽旅ではこの曲を演奏したという。



1.25(月)





ステッラ独唱会(アリア4曲)

アントニエッタ・ステッラ(S)
フェルッチョ・スカーリア指揮ローマRAIso
ローマ
[CETRA;CDMR5031]

1.25(月)


モーツァルト:幻想曲K.397、グルックの主題による変奏曲K.455
バルトーク:ルーマニア民族舞曲
シューベルト:即興曲op.90-2

リリー・クラウス(p)
ラジオ・カナダ(CBC)、収録場所不明(トロント?)(スタジオ収録)
DVD〈VAI;DVD4359〉

  『LILI KRAUS IN RECITAL』所収。日付は放映日。収録場所はモントリオールなどの可能性もある。同じDVDに1961年1月31日放映の4曲も含まれており、1960年収録の可能性がある。



1.25(月)
 &29(金)
「ワルツ小品集」(チャイコフスキー、ベルリオーズなど8曲)

ヘンリー・クリップス指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1(?)、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈COLUMBIA;SCX3362〉



1.26(火)

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第2番

ゲアハルト・タシュナー(vn)
エディト・ファーナディ(p)
ベルリン自由放送、西ベルリン(セッション放送録音?)
[MDG;MDG6420985-2]

  第2次世界大戦中にベルリンpoのコンサートマスターをつとめたタシュナー(1922生)の放送録音。この頃はベルリン音楽大学の教授だったらしい。



1.26(火)

落語『中村仲蔵』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送
[ポニー・キャニオン;PCCG-00310]

  日付は放送日。



1.26(木)
 &27(金)
  2.2(木)





『ジャン・ピアース ヘブライ民謡を歌う』(JAN PEERCE SINGS HEBREW MELODIES)(11曲)

ジャン・ピアース(T)
ウォーナー・ボス&エイブラム・エルステイン指揮RCAビクターo&cho
ウェブスター・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[BMG;09026-61687-2]



1.27(水)



ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:三楽章の交響曲
ドビュッシー:《映像》より〈イベリア〉


アルテュール・グリュミオー(vn)
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ
[ANDROMEDA;ANDRCD9116](2013、ブラームスのみ)
CD-R〈KAPELLMEISTER;KMH-1023〉

  ブラームスの協奏曲は4枚組「The Art of Arthur Grumiaux」所収。ロマンド管の1960年最初の定期演奏会のライヴ録音。この日は他にベルリオーズの《海賊》序曲も演奏された。三楽章の交響曲は4月にセッション商業録音される。



1.27(水)

ジャズ『ライヴ・アット・CBCスタジオ1960』(10曲)

オスカー・ピーターソン・トリオ
カナダ放送局、モントリオール(セッション放送録音)
[JUST A MEMORY RECORDS;JAS9507-2]

  カナダ出身のピアノの名手ピーターソン(1925生)によるテレビ用セッション。



1.27(水)
 &28(木)





ボロディン;交響曲第2番、歌劇《イーゴリ公》より〈ポロヴェツ人の踊り〉

ラファエル・クーベリック指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[新星堂;SGR-8008](EMI原盤)



1.27(水)
 &30(土)





ブラームス:交響曲第3番

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2327]

1.27(金)
 -30(土)
 2.17(金)





ハイドン:オラトリオ《天地創造》全曲

エリーザベト・グリュンマー(S)ヨーゼフ・トラクセル(T)ゴットロープ・フリック(Bs)
カール・フォルスター指揮ベルリンso、聖ヘトヴィヒ教会cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CZS7 62595 2]



1.28(木)
ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲


ミッシャ・カトラー(p)ミッシャ・ミシャコフ(vn)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉

  カトラーはキエフ生まれ、オーケストラの独奏ピアニスト、WWWJラジオ局のディレクターも兼任。ミシャコフはコンサートマスター。



1.28(木)

グノー:歌劇《ファウスト》よりバレエ音楽

ゲオルグ・ショルティ指揮コヴェント・ガーデン王室歌劇場o
ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3787](DECCA原盤)

  1959年春に発売された《ラインの黄金》全曲盤の大ヒットで、一躍話題の指揮者となっていたショルティ(1912生)は、1959年12月に《ばらの騎士》を指揮してコヴェント・ガーデン王室歌劇場に初登場した。音楽監督としてのテストを兼ねており、春にはそれが発表された。
  このバレエ音楽はデビュー1か月後に録音されたものだが、当時のデッカの常として実演とは無関係。なお当該CDには2月録音とあるが、ここではJ・ハントのディスコグラフィにある、1月28日の1日のみを挙げておく。次項の《ラ・フィーユ・マル・ガルデ》初日と同じ日のセッションということになる。
  カップリングの《パリの喜び》は5.18-27の録音。



1.28(木)


  ロンドンのコヴェント・ガーデン王室歌劇場で、フレデリック・アシュトン振付によるエロール作曲・ランチベリー編曲のバレエ《ラ・フィーユ・マル・ガルデ》が初日を迎え、近代バレエ史上稀といわれる大成功となった。
  題名は「わがまま娘」の意味だが、日本では《リーズの結婚》として知られている。ランチベリー指揮による抜粋盤は1962年2~3月に商業録音されている。
[DECCA;430 196-2]



1.28(木)

柴田南雄:優しき歌・第二 no.23

田中信昭指揮東京混声cho
旧NHKホール、東京内幸町(ステレオ録音)
[フォンテック;FOCD 9470/75](2010)

  『柴田南雄とその時代 第一期』所収。前年の3月31日に第一生命ホールでこの合唱団によって初演された。



1.28(木)

ラジオ番組「THE GOON SHOW」より「THE LAST SMOKING SEAGOON」

ピーター・セラーズ、ハリー・シーカム、スパイク・ミリガン
マックス・ゲルドリー(ハーモニカ)、レイ・エリントン・クァルテット
BBC放送、ロンドン
[BBC AUDIOBOOKS;ISBN 10:0563 388846](DECCA原盤)

  日付は放送日で、収録は前週日曜の24日。「THE GOON SHOW VOLUME 5 : And There's More Where That Came From!」所収。
  ザ・グーン・ショーは1951年から60年までBBCが放送した30分のラジオ番組で、これはその最終回。ゲルドリー(Max Geldray)の「What More Do You Want?」とクァルテット(The Ray Ellington Quartet)の「Too Marvellous For Words」が番組中で演奏されている。
  ザ・グーンズはセラーズ、ミリガン、シーカムによるコメディ・グループで、ビヨンド・ザ・フリンジ、モンティ・パイソンなど後進にも大きな影響をあたえた。
  BBCは2枚組4本収録のCDを25巻発売している。番組の録音は当初LPがパーロフォンから、後にBBCから発売された。1960年は1月1日放送の「Robin's Post」も録音が残っているが未CD化。
  番組の音楽を担当していたジョージ・マーティンが1967年にビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をプロデュースしたとき、ガヤの音源を1960年録音のザ・グーン・ショーから採取したという。



1.28(木)
 -2.1(月)







「オペラのバレエ音楽」(ヴェルディ:歌劇《オテロ》よりバレエ音楽、歌劇《アイーダ》よりバレエ音楽、グノー:歌劇《ファウスト》よりバレエ音楽、ポンキエッリ:歌劇《ジョコンダ》より〈時の踊り〉、チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》よりワルツとポロネーズ)
モーツァルト:フリーメーソンのための葬送音楽K.477


フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送so
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;427 021-2](バレエ音楽)
[ポリドール;POCG-3088](モーツァルト、DGG原盤)

  モーツァルト作品は29日に録音。

1.28(木)
 -2.19(金)

メンデルスゾーン:劇音楽《真夏の夜の夢》より(9曲)

ヘザー・ハーパー(S)ジャネット・ベイカー(Ms)
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo、同cho
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM7 64144 2]

  録音日は28、29、2月16、18、19日。



1.29(金)









プロコフィエフ:交響曲第5番
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ドビュッシー:《海》


セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso(ステレオ録音)
ミラノRAI公会堂、ミラノ
[ARKADIA;CDMP434.1](プロコフィエフ)
[ARKADIA;CDGI764.3](ブラームス)
[CETRA;ARCD2058](ドビュッシー、モノラル)



1.29(金)

ロス・アンへレス独唱会(歌曲22曲)

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)
パウル・バール(p)
タウン・ホール、ニューヨーク
[VAI;VAIA1025-2]

  ドイツとスペインの歌曲を中心にした、彼女の典型的な構成によるリサイタル。



1.30(土)

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調

マルタ・アルゲリッチ(p)
ミュンヘン(放送録音)
CD-R〈VIBRATO;VHL428〉(2010)

  7日前のショパンに続く、アルゲリッチ(1941生)の放送録音。
  アルゲリッチは7月上旬にグラモフォンにデビュー盤を録音する。


1.30(土)
マスカーニ:《カヴァレリア・ルスティカーナ》
レオンカヴァッロ:《道化師》全曲


ルシーン・アマーラ(S)ネル・ランキン(Ms)ジャン・ピアース、クルト・バウム(T)ほか
ディミトリ・ミトロプーロス指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
CD-R〈IMMORTAL PERFORMANCES:IP-497〉(2011)

  ニューヨーク・フィルに続いて、ミトロプーロスはメトロポリタン歌劇場のピットに立っている。晩年のかれにとって、オペラは重要な活動場所となっていた。デル・モナコやミラノフが歌った1年前の同演目の中継は以前CD化されているが、こちらはキャストが地味なためか未CD化。



1.30(土)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番

バイロン・ジャニス(p)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・po
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[NEW YORK PHILHARMONIC;NYP2003]

  ミトロプーロスに代わって音楽監督バーンスタイン(1918生)が定期に登場。当日のほかの曲目は、ロッシーニの《どろぼうかささぎ》序曲とマーラーの交響曲第4番。この2曲は直後にCBSに商業録音される。



1.30(土)

ハワード・ブルーベック:ジャズ・コンボとオーケストラのための対話

デイブ・ブルーベック・カルテット
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK60566]

  時間の前後関係までは不明だが、バーンスタインとニューヨークpoは上記の演奏会と同日に、セッション録音も行なっている。人気ジャズ・ピアニストのブルーベック(1920生)率いるカルテットとの共演で、かれの兄ハワードの作品を演奏した。定期演奏会で1959年12月10日から13日にかけて取りあげられていた曲である。
  「バーンスタイン・プレイズ・ブルーベック・プレイズ・バーンスタイン」と題されて発売されたLPは、バーンスタインの演奏したアルバムとしてはただひとつ、ビルボード誌のヒット・チャートで週間全米トップ40入りする快挙(最高13位)を達成する。



1.30(土)
ドニゼッティ:歌劇《愛の妙薬》全曲

ジャンナ・ダンジェロ(S)チェーザレ・ヴァレッティ(T)ジュゼッペ・ヴァルデンコ(Br)ほか
アンジェロ・クエスタ指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
〈未レコード化〉

  名歌手スキーパの弟子で、アメリカでも人気があったヴァレッティ(1921生)が主役。



1.30(土)

カルテリ&ベルゴンツィ独唱会(アリア&2重唱7曲)

ロザンナ・カルテリ(S)カルロ・ベルゴンツィ(T)
マッシモ・プラデッラ指揮トリノRAIso
トリノ
[CETRA;CDO402]

  カルテリ(1930生)はフレーニ出現以前にミミ歌いとして高い人気を誇った。



1.30(土)
 -2.4(木)





ロッシーニ;歌劇序曲集(《セビリヤの理髪師》《ウィリアム・テル》《ランスへの旅》《セミラーミデ》)

マルコム・サージェント指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[SERAPHIM(EMI);7243 5 69137 2 1]

1.31(日)

ショパン:ピアノ協奏曲第2番

クララ・ハスキル(p)
ラファエル・クーベリック指揮パリ音楽院o
シャンゼリゼ劇場、パリ
[LIVING STAGE;LS4035178]

  ショパン生誕150年のこの年は国連により「国際ショパン年」と定められ、世界各地でショパン演奏が奨励された。これもそのひとつ。当日は《運命》も演奏された。



1.31(日)

バッハ:トッカータ、アダージョとフーガBWV.564、トッカータとフーガBWV.565
R・シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》
シベリウス:《トゥオネラの白鳥》


ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;MH2K 62345](バッハ)



1.31(日)

ラジオ番組「現代の音楽」より、柴田南雄と小泉文夫の対談

柴田南雄、小泉文夫(出演)
NHK、東京
[NAXOS;NYNG-005](2011)

  日付は放送日。『NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ/柴田南雄』所収。NHKが1957年から放送している「現代の音楽」からの、約3分の抜粋。CDには年月日の記載がないが、インフォーメーションにこの日付が載せられていた。



1.31(日)
 -2.1(月)





ブルックナー:交響曲第9番

カール・シューリヒト指揮北ドイツ放送so
ムジークハレ、ハンブルク
[TAHRA;TAH 689](2011)

1.

『ドイツ・ルネサンス舞曲集』

フリッツ・ノイマイヤー指揮コレギウム・テルプシコーレ
ビーレフェルト(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;POCA-3052](アルヒーフ原盤)

  プレトリウスの舞曲集《テルプシコーレ》など。



1.

R・シュトラウス:歌劇《エレクトラ》全曲

リゼロッテ・トーマミュラー、ハンナ・キストナー(S)ザビーネ・ムザー(Ms)ペーター・オフェルマンス(T)フリートリヒ・オイゲン・エンゲルス(Bs)ほか
ハインツ・ワルベルク指揮ブレーメン・アム・ゲーテプラッツ劇場o、同cho
ブレーメン
CD-R〈CANTUS CLASSICS;CACD 5.01613 F〉(2012)



1.

メンデルスゾーン:劇音楽《真夏の夜の夢》序曲、ほか3曲
シューベルト:劇音楽《ロザムンデ》序曲、ほか4曲


エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;480 0382](2009)

  アンセルメとロマンド管は1.27に定期演奏会を行なっている。
  LPも同様のカップリング。《ロザムンデ》のバレエ音楽第1番だけは未収録で、2009年に初発売された。



1.

モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》全曲

モンセラ・カバリエ(S)エバーハルト・ヴェヒター、エーリヒ・クンツ(Br)ほか
ミハイル・ギーレン指揮リスボン・サン・カルロス劇場o、同cho
サン・カルロス劇場、リスボン
[SRO;SRO-813-2]or[GOLDEN MELODRM;GM6.0013]

  ウィーン国立歌劇場の歌手たちが、まとまってポルトガルに客演したさいのライヴ。日本へも同様の歌手と指揮者のアンサンブルが59年4月に訪れて公演している。外国客演には歌劇場の下位の楽長が帯同することになっていて、日本には第1楽長ホルライザー(1913生)が来たが、ポルトガル公演ではより若いギーレン(1927生)が指揮をした。目をひくのは新人時代のカバリエ(1933生)がエルヴィラ役を歌っていること。カバリエは当時ブレーメン市立歌劇場の専属だった。



1.

ブリテン:ミサ・ブレヴィス

ジョージ・マルコム(org&指揮)ウェストミンスター大聖堂cho
ウェストミンスター大聖堂、ロンドン(ステレオ商業録音)
[Australian Eloquence;4802336](2012、DECCA原盤)

  ミサ・ブレヴィスはブリテンがマルコムのウェストミンスター大聖堂のオルガニスト
兼合唱指揮者を引退するにあたり、1959年に作曲したもの。デッカが珍しくライヴ録音し
、オリジナルはEPで発売された。



1.

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番《幻想》


エルンスト・フォン・ドホナーニ(p)
フロリダ
CD-R〈Dis;PCCD20184〉

  ドホナーニ(1877生)の生涯最後のリサイタルのライヴ録音。学生向けラジオ局が録音したテープを、弟子のバリント・ヴァジョニ(BALINT VAZSONYI)が保管していたもの。2月9日に亡くなる。
  元はCDかLPが存在したものと推測される。



1.





ブラームス:弦楽四重奏曲第3番

アマデウスSQ
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHES GRAMOPHON;457 707-2]

1.

マリピエロ:ピアノ協奏曲第3番

ベンジャミン・オーウェン(p)
ロバート・ホイットニー指揮ルイヴィルo
コロンビア公会堂、ルイヴィル、ケンタッキー(セッション商業録音)
[FIRST EDITION MUSIC;FECD-0036]

  1949年4月にこの楽団が初演した作品の録音。ルイヴィル管弦楽団の「ファースト・エディション・レコーズ」活動については、2.9の項を参照のこと。



1.





ドニゼッティ:歌劇《ラ・ファヴォリータ》全曲(ドイツ語版)

イラ・マラニウク(Ms)ハインツ・ホッペ(T)ライモンド・ヴォランスキー(Br)ほか
ハンス・ミュラー=クライ指揮シュトゥットガルト放送o、同cho
シュトゥットガルト
CD-R〈CANTUS CLASSICS;CACD 5.01377 F〉(2011)

1.&2.





LP 3061
ドホナーニ:ハンガリー牧歌第1,3,4,5,7番、3つの小品、演奏会用練習曲第4,5,6番、ラプソディ
J・シュトラウス(ドホナーニ編):宝のワルツ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30&31番、アンダンテ・ファヴォリ

エルンスト・フォン・ドホナーニ(p)
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[PHILIPS;422 308-2](1989、EVEREST原盤、ソナタ2曲以外)
LP〈EVEREST;3061、3109〉(分売)

  ピアニスト兼作曲家として知られたドホナーニ(1877生)の、生涯最後の録音。
  2月5日、ベートーヴェン作品の録音セッション中に心臓発作に襲われ、4日後に亡くなっている。



1.&2.

シャンソン『オランピアのコレット・ルナール』(12曲)

コレット・ルナール(Vo)
レーモン・ルグラン指揮o
オランピア劇場、パリ(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈VOGUE;STE33 44 008-30〉

  フランス・シャンソンの新星、ルナール(1924生)が夫君のレーモン・ルグラン(ミシェル・ルグランの父)をバックにオランピア劇場に出演したライヴ録音。月日不詳だが、蘆原英了は「1960年冬」としているので、1、2月と推定した。ミュージカル《優しいイルマ》のヒロイン役で有名になった。葦原は「新しいミスタンゲット、新しいピアフ」と絶賛している。



1.&3.



ビゼー:歌劇《カルメン》全曲(ドイツ語版)

マリア・クルーネン(S)ソーニャ・チェルヴェナー(Ms)ロルフ・アプレック(T)ローベルト・ラウヘーファー(Br)ほか
ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送so、同cho
コングレスハレ、ライプツィヒ(セッション商業録音、ステレオ)
[BERLIN CLASSICS;0091072BC]



1.(?)

ジャズ『JAZZ AT THE OLYMPICS』(10曲)

レイフ・サットン・カルテット
スコーバレー・ロッジ(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈OMEGA;OSL-51〉

  2月18日から28日まで、冬季五輪が開催されるスコーバレーのロッジでの録音。