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1960年2月
(最終更新2013.12.29)

2.1(月)(?)





BBCL4105
ショパン:《アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ》ほか全7曲

アントン・ルービンシュタイン(p)
ロンドン
LP〈PARAGON;LBI53001〉

  疑問盤。ルービンシュタイン(1887生)は1月後半にニューヨークのカーネギー・ホールで3回のショ パン・リサイタルを行なっており、ロンドンでショパン・リサイタルを開いたのは4月3日だという。 7曲のうち4曲が59年10月6日BBC放送の公開録音[BBC;BBCL4105-2]と重なっているので、その誤表記である可能性が高い。あるいは放送日かもしれない。パラゴン盤にはさらに2月16日録音とするバラ ード第1番とスケルツォ第4番も収録されているが、これも同様だろう。



2.1(月)

ドビュッシー:バレエ音楽《遊戯》

ヘルマン・シェルヘン指揮北西ドイツpo
ヘアフォート、ノルトライン・ウエストファーレン州(セッション録音)
[TAHRA;TAH729-730](2011)

  2枚組「ENREGISTREMENTS《LIVE》INEDIS」所収。
  シェルヘン(1891-1966)はこのオーケストラの常任指揮者的な存在となり、1月から6月まで複数のテープ録音を行なった。それらはシェルヘンのスイス・グラヴェザーノのスタジオでマスタリングされ、一部は放送局やレコード会社に販売された。ただし世に出なかった録音の方が多い。これも未発売だった録音で、1月26日のチャイコフスキーの交響曲第5番に続く、オーケストラとの2曲目の録音。
  しかし、共演早々からオーケストラのアマチュア同然の水準の低さにいたく失望したシェルヘンは、結局このシーズンだけで共演を取りやめた。



2.1(月)

マーラー:交響曲第4番

レリ・グリスト(S)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
セント・ジョージ・ホテル、ブルックリン(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SICC1058]

  当時のバーンスタイン(1918生)は、毎週の木曜から日曜まで4日間の定期演奏会で取り上げた曲を、翌月曜日にレコード用にセッション録音するという日程を基本にしていた。これも先月28日から31日にかけての定期で演奏した曲。バーンスタインによるマーラー交響曲全集の第1弾となった。
  初発LPのジャケットには、マーラーの生誕100年とニューヨーク・フィル音楽監督就任50周年の記念録音と書かれ、バーンスタインの談話がのせられている。バーンスタインは木曜日の定期を「試演会」と位置づけ、この日だけは指揮台からスピーチすることにしていた。談話はそのスピーチを抜粋したもの。なおソリストのグリストは、58年の《ウエスト・サイド物語》ブロードウェイ上演で〈サムウェア〉を歌った歌手である。



2.1(月)

R・シュトラウス:《ばらの騎士》第1幕より、イタリア人歌手の歌

ウノ・ステルンクイスト(T)
シクステン・エールリンク指揮ストックホルム王室歌劇場o
ストックホルム王室歌劇場、ストックホルム
[Bluebell ABCD084]

  ステルンクイスト(1928生)は母国スウェーデンを中心に活動した歌手。全曲公演からの抜粋。53年からこの歌劇場の首席指揮者をつとめていたエールリンク(1918生)はこのシーズン限りで辞職、秋からはギーレンに譲ることになる。



2.1(月)

プニャーイ:ラルゴ・エスプレッシーヴォ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番より、フーガ
ブラームス:ハンガリー舞曲第17番
マロキン:メキシコの子守唄
サラサーテ:サパテアード
スーク:愛の歌

ヘンリク・シェリング(vn)チャールズ・ライナー(p)
CBC放送局、トロント
DVD〈VAI;4231〉



2.1(月)

ハーマン: レビュー《パレード》

ドディ・グッドマン、リチャード・トーン(vo)ほか
ジェリー・ハーマン(p)ほか計5名
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;440 064 738-2](KAPP原盤)

  ジェリー・ハーマン(1933生)は、1964年に大ヒット作《ハロー・ドーリー!》を作詞作曲したことで名を残している。《パレード》はその4年前の1960年1月20日、オフ・ブロードウェイのプレイヤーズ劇場で開幕したミュージカル・レビュー。オフ・ブロードウェイなので出演者と演奏者各5名、計10人の小規模なものである。
  翌年10月、ハーマンは初の本格的なブロードウェイ・ミュージカル《ミルクと蜂蜜》で成功、1年半のロングランとなる。



2.1(月)
 &3(水)


モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》抜粋(ドイツ語訳詞版)

エリザベート・グリュンマー、ヒルデガルト・ヒレブレヒト、エリカ・ケート(S)フリッツ・ヴンダーリヒ(T)ヘルマン・プライ、カール・コーン、トマス・ステュアート(Br)エルンスト・ヴィーマン(Bs)
ハンス・ツァノテッリ指揮ベルリンso、ベルリン・ドイツ歌劇場cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDZ25 2217 2]

  グリュンマー、ヒレブレヒト、ヴンダーリヒ、プライは、3.20のケルンでの《ドン・ジョヴァンニ》上演にも参加している。



2.1(月)
 -3(水)





ワーグナー:序曲集(4曲)

フランツ・コンヴィチュニー指揮チェコpo
芸術家の家ドヴォルジャーク・ホール、プラハ(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア;COCO75410](SUPRAPHON原盤)



2.2(火)

バッハ(シェーンベルク編):前奏曲とフーガ 変ホ長調BWV.552

ヘルマン・シェルヘン指揮ヘッセン放送o
フランクフルト
[TAHRA;TAH185-189]

  『ヘルマン・シェルヘンに捧ぐ』と題された5枚組に所収。この年のシェルヘン(1891-1966)は各地の放送オーケストラなどへの客演がCD化されている。



2.2(火)


スクリャービン:ピアノ作品集(曲数不明)

ウラジミール・ソフロニツキー(p)
モスクワ音楽院小ホール
[DENON;COCO80385-86]

  上記のデンオン盤では、すべてこの日の録音と表記されている。(参照1.8)



2.2(火)

落語『三枚起請』

五代目 古今亭志ん生
東横ホール、東京渋谷(東横落語会)
[コロンビア;COCF-11895]

  同日の圓生の『宗悦殺し』もソニーでLP化。



2.2(火)
 &4(木)

『オペラ・アリア&二重唱集』(7曲)

ジョーン・ハモンド(S)チャールズ・クレイグ(T)
ヴィレム・タウスキー指揮ロイヤルpo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT1153](EMI原盤)

  1959年10月28日と31日にもセッションが行われていた。曲目は《ラ・ボエーム》《トスカ》《蝶々夫人》《ファウスト》《アイーダ》より。



2.2(火)
 -5(金)

ベートーヴェン:序曲集(3曲)
リスト:前奏曲、ハンガリー狂詩曲第2番

ロベルト・ベンジ指揮ラムルーo
化学館、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈PHILIPS;A02040L〉

  1949年の劇映画『栄光への序曲』での天才少年指揮者役で有名になったベンジ(ベンツィ、1937生)による録音。前奏曲は映画でも演奏された。
  ベートーヴェンの曲目は《レオノーレ》第3番、《コリオラン》《エグモント》。



2.3(水)

レスピーギ:交響詩《ローマの松》

アレクサンドル・ガウク指揮モスクワ放送so
モスクワ(?)
[YEDANG;YCC-0152]

  ムラヴィンスキー、メリク=パシャエフなどを育てた教師としても知られるガウク(1893生)は、このオーケストラの首席指揮者。



2.3(水)

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

フィリップ・アントルモン(p)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
セント・ジョージ・ホテル、ブルックリン(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SBK53512]

  定期演奏会では、翌4日の木曜から7日の日曜まで演奏された。実演後に録音する慣例を破って定期の前に録音した理由は不明だが、アントルモン(1934生)のスケジュールが取れないとか、そんなことではないだろうか。
  定期の曲目はチャベスの交響曲第4番にはじまり、マーラーのリュッケルト歌曲集3曲と《子供の不思議な角笛》から《浮世の生活》(独唱トゥーレル)、そしてこの曲で終わるという構成だった。(参照2.1)



2.3(水)





ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

ゲザ・アンダ(p、指揮)
カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク
シュトゥットガルト
[Hanssler;94223](2013)



2.4(木)

サリエリ:歌劇《タラール》より、アスタジーエのアリアと三重唱

ジュネヴィエーヴ・モアザン(S)ミシェル・アメル(T)アンドレ・ヴェシーレ(Bs)
マリウス・コンスタン指揮フランス国立放送リリックo、同cho
パリ
[LE CHANT DU MONDE;LDC278 898]

  ボーマルシェの台本により1787年パリ・オペラ座で初演された作品。「パリのイタリア人たち」と題する、イタリア人作曲家によるフランス・オペラの抜粋集に所収。全曲録音からの抜粋と思われる。フランス国立放送はこの種の珍しい作品の録音を積極的におこなっている。モアザン(1923生)は当時のパリ・オペラ座のプリマ・ドンナ。



2.4(木)

ジャズ『ビリー・テイラー・トリオ/アップタウン(UPTOWN)』(9曲)

ビリー・テイラー(p)ヘンリー・グライムズ(bs)レイ・モスカ(ds)
ザ・プレリュード、ニューヨーク
[RIVERSIDE;OJCCD-1901-2]

  黒人ジャズ・ピアニスト、テイラー(1921生)のライヴ盤。



2.5(金)

モーツァルト:交響曲第39番
アン・カーチュナー:トッカータ
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲

グレゴール・ピアティゴルスキー(vc)
レオン・バーギン指揮ボストンso(カーチュナーのみ作曲者指揮)
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  ボストン交響楽団の定期演奏会のラジオ生中継。バーギンはボストン交響楽団のコンサートマスターだが、准指揮者として指揮も行なっていた。ピアティゴルスキーは17日後の22日に、ミュンシュ指揮のボストン交響楽団とセッション商業録音している。



2.5(金)







ブラームス:大学祝典序曲、ピアノ協奏曲第2番

アレクシス・ワイセンベルク(p)
ペーター・マーク指揮トリノRAIso
トリノ(ステレオ録音)
[ARTS;43038-2](2曲とも) [CETRA;ARCD2030](協奏曲のみ)

  ARTS盤には8日と表記されている。トリノの演奏会は金曜日が多いようなので、ここではCETRA盤の5日に従う。ワイセンベルク(1929生)は66年の再デビューまで、10年間演奏活動から引退して研鑚したとされるが、その引退さなかの実演ということになる。しかしトリノではチェリビダッケとの62年とするプロコフィエフの第3番も残っており、真相は不明である。
   1960年にしてはあまりにも音質が良すぎるのが疑問。
2.5(金)

ジャズ『MAX ROACH QUINTET/LONG AS YOU’RE LIVING』(7曲)

マックス・ローチ・クインテット
フルフトハレ、カイザースラウテルン
[ENJA;CD4074-2]

  音源は南西ドイツ放送収録。マックス・ローチ・クインテットのヨーロッパ・ツアーでの録音。メンバーはスタンリー・タレンタイン(ts)トミー・タレンタイン(tp)ジュリアン・プリースター(tb)ボビー・ボスウェル(b)マックス・ローチ(ds)。3月1&2日に同メンバーでセッション録音した『PARISIAN SKETCHES』(MERCURY原盤)もある。



2.5(金)
 -7(日)

ベートーヴェン;ヴァイオリン協奏曲

ユーディ・メニューイン(vn)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 74973 2]

  メニューイン(1916生)がウィーンを訪れたさいに録音したもの。EMIは1月から2月にかけ、クーベリック、サージェント、そしてシルヴェストリを指揮者としてウィーンpoの録音をおこなっている。デッカが録音専用にゾフィエンザールを用いるのに対し、EMIは楽友協会大ホールをそのまま録音会場にしている。
  なおシルヴェストリ(1913生)は前年11月にもこの曲をEMIに録音している(独奏はコーガン。オーケストラはパリ音楽院o)。伴奏指揮とはいえ、わずか3ヶ月の間隔で同じ曲を2度商業録音した例は珍しい。



2.6(土)







ハイドン:交響曲第88番
R・シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》

フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[TOWER RECORDS;TWCL-2001](ハイドン)
[BMGファンハウス;BVCC-37144](R・シュトラウス)

  シカゴsoの音楽監督で「中興の祖」とたたえられるライナー(1888生)は、ボストンsoのミュンシュとともに当時のRCAの看板的な存在だった。2日後の8日に《シェエラザード》を録音している。


2.6(土)

マスカーニ:歌劇《イリス》全曲

クララ・ペトレッラ(S)ウンベルト・ボルソ(T)イーヴォ・ヴィンコ(Br)ほか
ガブリエル・サンティーニ指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
LP〈GAO;EJS195〉

  ペトレッラ(1914生)はプッチーニやヴェリズモ作品を得意としたソプラノ・リリコ。録音史的には地味な存在だが、イタリア各地に活躍した。



2.6(土)

ビゼー:歌劇《カルメン》全曲

ルシーン・アマーラ(S)リゼ・スティーヴンス(Ms)リチャード・タッカー(T)フランコ・グァレッラ(Br)ほか
ジャン・モレル指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
CD-R〈IMMORTAL PERFORMANCES:IP-417〉(2011)

  スティーヴンス(1913生)は45年以来、メト随一のカルメン歌いとして名声を得ている。翌61年4月に彼女が引退すると、メトはそれから6年半もこの人気作品を上演しなかった。



2.6(土)






ボロディン:歌劇《イーゴリ公》(ドイツ語訳詞)

ヒルデ・ザーデク(S)ジュゼッペ・サンピエリ(T)エバーハルト・ヴェヒター(Br)ハンス・ホッター、ゴットロープ・フリック(Bs)
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮ウィーン国立歌劇場o
ウィーン国立歌劇場、ウィーン
[GALA;GL100.615](全曲)
[RCA 74321 61592 2](イーゴリ公のアリアのみ)

  GALAの全曲盤は1969年2月6日と誤表記している。「エバーハルト・ヴェヒターに捧ぐ」というライヴ録音集に所収したRCA盤も1962年6月2日とあるが、これも誤り。
  ハーガー演出により新制作された上演の初日で、ほかにザーデク、G・ザンピエリ、ホッター、フリックなどが出演した。全曲録音も残っており、男声陣の充実に圧倒される。マタチッチ(1899生)は前年2月の初登場以来、この歌劇場の重要な指揮者となっており、新演出上演を何本も手がけている。東欧に隣接するウィーンではスラヴ・オペラの人気も高いが、マタチッチはうってつけの指揮者だった。65年にNHKが「スラヴ・オペラ」の指揮者にかれを招いたのは、このウィーンでの活躍の影響と思われる。



2.6(土)
 -12(金)





ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1&2番、F.A.Eソナタ

ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
カール・ゼーマン(p)
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;POCG-90197]



2.7(日)

ヴェルディ:歌劇《リゴレット》よりジルダのアリア〈美しき御名〉

ロバータ・ピータース(S)
指揮者不詳のオーケストラ
CBSテレビ、ニューヨーク(エド・サリヴァン・ショー)
[TVT;TVT 9449-2]

  『エド・サリヴァン・ショー』は史上最も有名なヴァラエティ番組といわれ、48年から71年まで23年間続いた。内容にはポップスだけでなくスタンダップ・コメディやミュージカルのサワリ、そしてクラシックも含まれていた。ニルソンやシミオナートなども出演している。ピータース(1930生)はメトロポリタン歌劇場のコロラトゥーラで、『エド・サリヴァン・ショー』の最多出演記録を持つという。1960年も2,4,8,12月と4回出演した。



2.7(日)

ラジオ・ドラマ『大人狩り』(寺山修司作)

福岡市西高宮小学校、平尾小学校児童、ほか
RKB毎日放送「ラジオホール」、福岡
[キング;KIC541]

  日付は放送日。寺山修司(1935生)の書いたラジオ・ドラマ。音楽は今史朗。九州の子供たちが大人たちに反乱して革命を起こすというドラマ。当時盛んだった全学連の活動や「左翼小児病」的な観念的共産主義者への風刺が込められているのだろう。寺山はのちに『トマトケチャップ皇帝』という題の自主映画に発展させた。



2.7(日)
 &18(木)

リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
スメタナ:交響詩《モルダウ》、歌劇《売られた花嫁》序曲

レオポルド・ストコフスキー指揮RCAビクターso
マンハッタン・センター、ニューヨーク
[BMGファンハウス;BVCC-37449]

  『ラプソディ』と題するアルバム。リストとエネスコが7日、スメタナの2曲が18日の録音。ストコフスキー(1882生)はこの頃、フリーの立場で種々のオーケストラと複数のレーベルで活動していた。ヒューストンsoやシンフォニー・オブ・ジ・エアのような恒常的な団体のほかに、録音用に臨時編成した、あるいは変名を用いたオーケストラともさかんに録音している。

  1955年に専属契約を打ち切られてから、5年ぶりのRCAでの録音。



2.8(月)

リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》

シドニー・ハース(vn)
フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGファンハウス;BVCC37431]

  2日前の6日にもハイドンの交響曲第88番とR・シュトラウスの《ドン・ファン》を録音している。



2.8(月)







ロッシーニ:歌劇《どろぼうかささぎ》序曲
マーラー:リュッケルトの3つの歌、《浮世の生活》

ジェニー・トゥーレル(Ms)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
セント・ジョージ・ホテル、ブルックリン(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SRCR9448](ロッシーニ)
[SONY;SM2K61831](マーラー)

  4日から7日までの定期演奏会のあと、そこで取り上げたマーラーの歌曲を録音している。トゥーレル(1900生)はバーンスタインのデビュー前からの友人である。なおロッシーニは先週の定期で演奏している。(参照2.3)

2.8(月)

フォルトナー:2つのヴァイオリンと弦楽のためのバレエ・ブラン

ヴォルフガンク・フォルトナー指揮シュトゥットガルト室内o、
南ドイツ放送局、シュトゥットガルト(セッション放送録音)
[BMG;74321 73578 2]

  CDシリーズ「ドイツの音楽 1950-2000」中の『BALLET IMAGINAIRE』に所収。



2.8(月)
 -10(水)

ハチャトリアン:バレエ音楽《ガイーヌ》第1組曲

コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[DISKY COMMUNICATIONS;BX707512](EMI原盤)

  6日から10日とあるが、5日から7日にかけ、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を録音しているので、8日からと推定。



2.9(火)

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番

マイケル・レビン(vn)
ソール・カースタン指揮デンヴァーso
デンヴァー(?)
[DOREMI;DHR-7970/1](2010)

  2枚組「MICHAEL RABIN COLLECTION VOLUME3」所収。
  カースタン(1901-70)はデンヴァー交響楽団の指揮者を1945年からつとめ、この年に引退している。



2.9(火)

ハリス:ケンタッキーの春

ロバート・ホイットニー指揮ルイヴィルo
コロンビア公会堂、ルイヴィル、ケンタッキー(セッション商業録音)
[FIRST EDITION MUSIC;FECD-0005]

  ホイットニー(1904生)を指揮者とするルイヴィル管弦楽団は、50人編成の小規模な団体ながら、1949年から毎年5人の作曲家に新作の委嘱を行い、初演する意欲的な活動を行なった。1952年からはコロンビア・レコード(CBS)の協力により「ファースト・エディション・レコーズ」として、それらの作品のレコード化と頒布を開始した。1995年までに、250人超の作曲家による400超の作品が158枚のLPと10枚のCDにまとめられたという。この録音もそのシリーズの一つで、作品自体は1949年4月にこの楽団が初演したもの。



2.9(火)
 &10(水)

プロコフィエフ:《ピーターと狼》
サン=サーンス:組曲《動物の謝肉祭》


ベアトリス・リリー(語り)ジュリアス・カッチェン&ゲーリー・グラフマン(p)ケネス・ヒース(vc)
スキッチ・ヘンダーソン指揮ロンドンso
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[Eloquence;467 470.2](デッカ原盤)

  動物の鳴き声は数日後にロンドン動物園で録音された。語りの脚本はジョン・カルショーが手を入れている。



2.9(火)
 -11(木)





カンプラ:レクイエム

エディト・ゼーリヒ、ジャスリン・シャモナン(S)アンドレ・ムーラン(C-T)ジャン=ジャック・ルジュール(T)ジョルジュ・アブドゥン(Bs)
ルイ・フレモー指揮パイヤール室内o、フィリップ・カイヤールcho、ステファヌ・カイヤーcho
マロニテ教会、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ワーナー;WPCS-22094](ERATO原盤)

2.10(水)

ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》

エドゥアルド・デル・プエヨ(p)
ミラノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;CDMP416.1]

  プエヨ(1905生)はスペインのサラゴーサ生まれ、マドリードとパリで学んだピアニスト。



2.11(木)





落語『うどんや』
八代目 三笑亭可樂
収録場所不明、東京(NHK「ラジオ演芸会」)
[ポニーキャニオン;PCCG-00019]

  日付は放送日。可樂(1897生)は通好みの噺家として知られる。


2.11(木)
 -15(月)

シューベルト:交響曲第7番《未完成》
スッペ:喜歌劇《軽騎兵》序曲
ワーグナー:ジークフリート牧歌
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》
スッペ:喜歌劇《詩人と農夫》序曲
ウェーベルン:管弦楽のための変奏曲


ヘルマン・シェルヘン指揮北西ドイツpo
ヘアフォート、ノルトライン・ウエストファーレン州(セッション録音)
[TAHRA;TAH112](ワーグナー、チャイコフスキー、《詩人と農夫》のみ)
LP〈PANORAMA;2108〉(シューベルト)
7インチ盤〈PANORAMA;1122〉(スッペ)

  ウェーベルン作品は未発売。シェルヘンはステレオも含めて、年の前半にこのオーケストラとさまざまな録音をしている。(参照2.1)



2.12(金)

ベートーヴェン:交響曲第2番
モーヴズ:アッティス
チャイコフスキー:交響曲第2番

ロバート・プライス(T)
レオン・バーギン指揮ボストンso、ラドクリフ・コラール・ソサエティ
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  ボストン交響楽団の定期演奏会のラジオ生中継。ロバート・モーヴズ(ROBERT MOEVES、1920生)はアメリカの作曲家。



2.12(金)
(放送日、録音は1959.9.8)




ワーグナー;歌劇《ローエングリン》全曲(イタリア語訳詞版)

マルチェッラ・ポッベ(S)ラウラ・ディディエル(Ms)シャーンドル・コーニャ(T)アルド・プロッティ(Br)パオロ・ダーリ(Bs)、ほか
フェルディナント・ライトナー(指揮)ミラノRAIo、同cho
テアトロ・デルアルテ、ミラノ
[MYTO;3 CD00224](2009)

2.12(金)

ベートーヴェン;交響曲第7番

ラファエル・クーベリック/バイエルン放送so
ドイツ博物館大ホール、ミュンヘン
CD-R〈EN LARMES;ELM02-171〉

  クーベリック(1914生)のバイエルン放送響との初共演。創設以来の首席指揮者ヨッフム(1902生)の後任をさがしていたバイエルン放送響は、この客演の好評をきっかけに61年秋からクーベリックを招くことになる。ほかの曲目はマルティヌーの協奏交響曲、モーツァルトの協奏交響曲K364。



2.12(金)







プッチーニ:歌劇《ボエーム》より〈私の名はミミ〉〈愛らしいおとめ〉

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)ブライアン・サリヴァン(T)
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォン・アワーo
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録音)
DVD〈VAI:DVD4201〉&〈VAI;DVD4280〉

  DVD「GREAT STARS OF OPERA/TERECASTS FROM THE BELL TELEPHONE HOUR, 1959-68」第1巻と第3巻に所収。NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。
  クラシック、ミュージカル、ジャズなどが演奏されるこの番組は、1940年から59年まで放送された同名のラジオ番組のテレビ版で、9月から4月まで数週間おきに放送された1時間のスペシャル番組(1959.1~1968.4放映)。1960年には10回放送され、そのうち8回分がVAIから抜粋でDVD化されている。すべてカラー放送だった。

2.12(金)

モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》序曲
レスピーギ:交響詩《ローマの松》
ファリャ:バレエ《恋は魔術師》
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

シャーリー・ヴァーレット(Ms)
レオポルト・ストコフスキー指揮フィラデルフィアo
アカデミー・オブ・ミュージック、フィラデルフィア(ステレオ録音)
LP〈LONGANESI;GCL61〉(ファリャのみ)
〈JLSS;0001/2〉(全曲目)

  ストコフスキーがかつての手兵と19年ぶりに共演した復帰演奏会のライヴ。ストコフスキーは向かって左から中央奥へ弦楽器、中央から右へ木管、金管、打楽器という異様な楽器配置で満場の聴衆を驚かせた。幸いにもステレオ録音が残っており、この音響を確認できる(LPは未聴のため未確認)。なお《恋は魔術師》の独唱者ヴァーレット(29歳)は、当時まだジュリアード音楽院の学生だった。



2.12(金)







レズニチェク:歌劇「ドンナ・ディアナ」序曲、
        シャミッソーの詩『悲劇的な話』による、大管弦楽とバリトンのための主題と変奏

バリー・マクダニエル(Br)
カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so
ヴィラ・ベルク・ゼンデザール、シュトゥットガルト放送局(セッション放送録音)
[HANSSLER;CD93.154] [HANSSLER;CD93.292](2012)

  レズニチェクはマーラーやヴォルフと同い年で、この年が生誕100周年。序曲は10枚組「カール・シューリヒト・コレクション第2集」所収。



2.12(金)
 -17(水)



オリジナル


ストラヴィンスキー:バレエ《ペトルーシュカ》組曲、
            ピアノと管弦楽のためのムーヴメンツ(?)

チャールズ・ローゼン(p)
イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[CBS;SX9K64136]

  録音日は12、15、17日の3日間(12-16とするCDもある)。1月のニューヨークにおける演奏会と録音を終えたストラヴィンスキー(1882生)は自宅のハリウッドに帰って《ペトルーシュカ》を録音した。同じコロンビアsoといっても、ニューヨーク周辺の楽員をあつめた《春の祭典》に対し、こちらはハリウッドを中心にした西海岸の音楽家による臨時編成である。西海岸メンバーのほうが技量に優れているので、以後の録音ではかれらが起用されたという。(参照1.5&6)
  ムーヴメンツはCDには1961.2.12とある。しかしスカイラー・チェーピンの回顧録『MUSICAL CHAIRS』によると、1959.12.20の初演からさして日数を置かずに録音したようだ。発売が1967年までずれたため、年度をミスしているのではないか(同様の疑いは春の交響曲やハチャトリアンにもある)。初演のピアニストはマルギット・ヴェーバーで、夫のスイスの富裕な商人ヴェーバーはそのために作曲家に前払金を出していた。しかし録音は作曲家の希望で交替することになった。ヴェーバーはフリッチャイとDGGに録音している。




2.13(土)

プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》抜粋

マリー・コリアー(S)アン・ロブソン(Ms)チャールズ・クレイグ(T)グウィン・グリフィス(Br)
ブライアン・ボークウィル指揮サドラーズ・ウェルズ歌劇o
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 85009 2 9](EMI原盤)

  1959年12月8、11、13日にもセッションが行われていた。



2.13(土)

ヴェルディ:歌劇《トロヴァトーレ》全曲

ミレッラ・パルット(S)フェドーラ・バルビエリ(Ms)フランコ・コレッリ(T)ジャンジャコモ・グェルフィ(Br)ほか
ガブリエッレ・サンティーニ指揮ナポリ・サンカルロ歌劇場o、同cho
サンカルロ歌劇場、ナポリ
[MYTO;2CD 00269](2011)



2.13(土)




ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》全曲

ビルギット・ニルソン(S)ジョン・ヴィッカーズ(T)ヘルマン・ウーデ、オスカー・ツェルヴェンカ(Bs)ほか
カール・ベーム指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[SONY;88697 85309 2](2011)
[WALHALL;WLCD 0308](2010)

  1月28日に新演出上演されたもので、メトでは51年にワルターが指揮して以来9年ぶりの公演となった。このシーズンにメトにともにデビューして、評判をさらったニルソン(1918生)とヴィッカーズ(1926生)のコンビを、《フィデリオ》を「わたしの宿命の歌劇」とよぶベーム(1894生)の熱のこもった指揮があおりにあおり、凄まじい演奏になっている。



2.13(土)

マーラー:歌曲集《亡き子をしのぶ歌》

ジェニー・トゥーレル(Ms)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[Archipel;ARPCD 0529](2011)

  土曜日のラジオ中継の録音。当日の曲目はモーツァルトのピアノ協奏曲第14番とラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲(独奏はともにブラウニング)、休憩後にこの歌曲集とチャイコフスキーのイタリア奇想曲だった。このマーラーの当初の歌手はバリトンのジェラール・スゼーだったが、初日の木曜日に歌っただけで風邪のため降板、トゥーレルが急遽招かれ、先週の定期に続いての出演となった。



2.13(土)




ジャズ『マック・ザ・ナイフ/エラ・イン・ベルリン』(全9曲)

エラ・フィッツジェラルド(Vo)
ポール・スミス・カルテット
ドイチュラント・ハレ、西ベルリン(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ポリドール;POCJ-1805](VERVE原盤)
[ポリドール;POCJ-2180](完全版、モノラル)

  ジャズ・ヴォーカルの歴史上、屈指の名盤といわれるアルバム。アメリカの黒人ジャズ歌手フィッツジェラルド(1918生)が西ベルリンでおこなった公演のライヴ録音で、奔流のようなスキャット唱法でききてを圧倒する。モノーラルだがオリジナル版に4曲を追加した「完全版」もある。
  ノーマン・グランツ主催の「ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック」欧州楽旅の初日。3月5日までシェリー・マンたちと。3月からマイルス・デイヴィスたちが別グループで回る。



2.13(土)
 -25(木)

ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2320~21]

  録音日は13、15、17、25日の4日間。ワルター(1886生)は1月11日から3月3日にかけ、ブラームスやモーツァルト、シューベルトの交響曲などを録音している。15日と17日は上記のストラヴィンスキーの録音と重なっている。ワルターとストラヴィンスキーには、互いの長い芸歴においてほとんど接点がない。そのふたりが、入れかわりに同じスタジオで仕事をしていたことになる。



2.14(日)

ブルックナー:交響曲第3番《ワーグナー》

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン
[ALTUS;ALT071]

  ウィーン・フィルの定期演奏会のライヴ録音。



2.14(日)





ファリャ;《スペインの庭の夜》

アルド・チッコリーニ(p)
ロベルト・ベンツィ指揮フランス国立放送o
RTF放送局、パリ(スタジオ録画)
DVD〈EMI:DVB3101939〉

  チッコリーニ(1925生)とベンツィ(1937生)によるテレビ録画。日付は収録日。


2.14(日)

ジャズ《レスター・リープズ・イン》

ハリー・ジェームズ(tp)&オーケストラ
CBSテレビ、ニューヨーク(エド・サリヴァン・ショー)
[TVT RECORDS;TVT9439-2]

  「ザ・サリヴァン・イヤーズ」シリーズの『ビッグ・バンド・オール・スターズ』所収。



2.14(日)

ジャズ『ミュージック・フロム・ウエスト・サイド・ストーリー』(全4曲)

デイブ・ブルーベック・カルテット
30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[COLUMBIA;CK40455]

  1月30日の項で紹介したLP「バーンスタイン・プレイズ・ブルーベック・プレイズ・バーンスタイン」の片面をCD化したもの。バーンスタイン作曲のミュージカル《ウエスト・サイド物語》は57年9月のブロードウェイ初演以来大ヒットを続け、この60年には映画版の撮影もおこなわれることになっていた。
  当時のジャズ界ではブロードウェイ・ミュージカルのアレンジ版LPが流行しており、この作品もほかにプレヴィンやスタン・ケントン、オスカー・ピーターソンなど多数が制作している。



2.14(日)

ジャズ『Qライヴ・イン・パリ-1960』(7曲)

クインシー・ジョーンズ・ビッグ・バンド
アランブラ、パリ
[ワーナー;WPCR-660]

  17人編成のビッグ・バンドによるライヴ。クインシー・ジョーンズ(1933生)が当時率いた豪華なメンバーによるこのバンドは、本来《フリー&イージー》という題名のミュージカル・ショーのために編成されたものだった。
  このショーは1959年11月にブリュッセルでプレヴュー、12月7日にアムステルダムで開幕、パリとロンドンを巡演した後に、サミー・デイヴィスJr主演でブロードウェイ公演を行うという壮大な計画によるものだった。ところが1月15日に始まったパリのアランブラでの公演は不入りのために2月前半で打ち切りとなり、計画は霧散した。しかしクインシー・ジョーンズにはバンド員への支払い義務があり、また手放すには惜しい強力なメンバーだったので、かれは独自のバンド活動を継続することにし、10か月間にわたってヨーロッパ各地をツアーした。
  これはそうした公演の一つで、ミュージカル打ち切りから間もなく同じ劇場で行なわれたライヴ。1990年にジャズ・ミュージック・イエスタデイ(JMY;JMY1004-2)として初めて世に出たのち、あらためて正規盤化された。放送用などではなく録音の経緯は不明で、クインシー自身その存在をJMY盤で初めて知ったという。



2.14(日)

ジャズ《アイダホ》《パーディド》

バド・パウエル(p)&ジョニー・グリフィン(ts)
パリ
[XANADU;XCD1222]

  『BUD IN PARIS』所収。バド・パウエル(1924生)は前年の1959年春からパリに居を移し、最後の数年を過ごしていた。



2.14(日)
 -23(火)

ブラームス:交響曲第4番

ルドルフ・ケンペ指揮ロイヤルpo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT1278]

  録音日は14、22、23日の3日間。ケンペ(1910生)は1月にもベルリン・フィルとブラームスの交響曲第3番を録音していた。半年後にかれはロイヤルpoの首席指揮者ビーチャムの補佐役となり、翌61年の逝去後にその地位を襲うことになる。



2.15(月)

ヴェルディ:《トロヴァトーレ》より〈Tu vedrai che amore in terra〉

マライケ・ファン・デア・ルーフト(S)
アルフレード・シモネット指揮オランダ放送o
アムステルダム(?)
[PHILIPS 464 385-2 ]

  10枚組『HET PUIK VAN ZOETE KELEN』(The Cream of glorious voices)所収。ルーフト(1919生)はオランダのドランマーティコ。第4幕のアリアのカバレッタ部分。



2.15(月)

ドビュッシー:《ダフニスとクロエ》第2組曲
サティ:バレエ音楽《パラード》
ルーセル:《バッカスとアリアーヌ》第2組曲

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮北ドイツ放送so、同cho
ムジークハレ、ハンブルク
[EMI;4 76732 2](NDR 10142)

  マルケヴィッチ(1912生)はフランスのラムルーoを中心に、各地に客演している。



2.15(月)

デュカス:交響詩《魔法使いの弟子》

アレクサンドル・ガウク指揮モスクワ放送so
モスクワ(?)
[BRILLIANT;8866]

  10枚組「ALEXANDER GAUK EDITION」所収。公開録音あるいは演奏会のライヴ録音。



2.15(月)

アリア・ジョイント・コンサート(8曲)

ガブリエラ・トゥッチ(S)ジュゼッペ・タデイ(Br)
アルトゥーロ・バジーレ指揮トリノRAIso
トリノ
[CETRA;CDMR5029]

  マルティーニ&ロッシ演奏会から。トゥッチ(1929生)は1年前のNHKイタリア・オペラで来日、日本の聴衆にも親しい存在となっている。



2.15(月)

ジャズLP『コンサート・オン・ザ・キャンパス』より7曲

カル・ジェイダー(vib)、ほか
サクラメント市立大学、カリフォルニア(ライヴ商業録音、ステレオ)
[FANTASY;FCD-24771-2]

  CDのタイトルは『CAL TJADER/OUR BLUES』。ウエスト・コースト・ジャズにアフロ・キューバン・リズムを取り入れて、ラテン・ジャズを始めたヴィブラフォン奏者ジェイダー(1925生)のグループによるライヴ。LPは8曲収録だったがCDでは1曲カットされている。



2.15(月)





落語『粗忽の釘』

五代目 柳家小さん
東京放送
書籍〈小学館;ISBN:4-09-480122-7〉

  「五代目 柳家小さん落語全集」(20枚組)に所収。
  他に、同年前後の録音とされる『御神酒徳利』もコロムビアから出ている。



2.15(月)



  この日、大阪の産経ホールで、レ・フレール・ジャックの日本公演の初日が幕を開けた。男性4人によるシャンソンとマイムのグループ。神戸と名古屋をへて、20日と21日には新宿コマ劇場で東京公演を行う。価格は2000円から500円まで。
  1959年パリのシテ・ウニベルシテールでの録音で、同時期のライヴを聴くことができる。
[RYM MUSIQUE;1919792]




2.15(月)
 -17(水)

ウェーバー(ベルリオーズ編):舞踏への勧誘
シューベルト(ヴェニンガー編):軍隊行進曲
ニコライ:歌劇《ウインザーの陽気な女房》序曲
チャイコフスキー:《くるみ割り人形》組曲

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーンpo
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;440 624-2]

  2月13日と14日の両日、クナッパーツブッシュはウィーンpoの定期演奏会でジークフリート牧歌とブルックナーの交響曲第3番を演奏した。クナッパーツブッシュは3月1日にバイエルン国立歌劇場で《ウインザーの陽気な女房》の全曲を指揮している。



2.15(月)
 -19(金)

ワーグナー:歌劇《さまよえるオランダ人》全曲

マリアンネ・シェーヒ(S)ルドルフ・ショック、フリッツ・ヴンダーリヒ(T)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)ゴットロープ・フリック(Bs)ほか
フランツ・コンヴィチュニー指揮ベルリン・ドイツ国立歌劇場o、同cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[BERLIN CLASSICS;BC2097-2]

  西ドイツのエレクトローラと東ドイツのエテルナ、二つのレコード会社の共同制作による全曲盤。録音会場の教会は西ベルリンの外れにあった。オーケストラと合唱団が東ベルリンのものであることを考えると不便そうだが、当時オーケストラの3分の2の楽員は西ベルリンに住み、毎日東側へ通っていたので、むしろ近かったのかも知れない。翌年8月に「ベルリンの壁」が築かれると通行が不可能になったため、かれらのほとんどは退団することになる。



2.15(月)
 -19(金)







メンデルスゾーン:交響曲第4番《イタリア》、《フィンガルの洞窟》序曲

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM 7 63853 2](交響曲)
[東芝EMI;TOCE-13347](序曲)

  録音日は15,17,18日。並行して16、18、19日には《真夏の夜の夢》の残りも録音。
  19日にはシューマンの交響曲第4番も試験的に録音したという(5月4日と5日にあらためて録音した)。

2.16(火)









チャイコフスキー:イタリア奇想曲
マーラー:歌曲集《亡き子をしのぶ歌》
プロコフィエフ:交響的物語《ピーターと狼》

ジェニー・トゥーレル(Ms)
レナード・バーンスタイン指揮(&語り)ニューヨークpo
セント・ジョージ・ホテル、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK47595](チャイコフスキー) [SONY;SM2K61831](マーラー) [SONY;SRCR9250](プロコフィエフ)

  11日から14日までの定期を終え、1日休んで火曜に収録したもの。代役だったトゥーレルがそのままマーラーを録音した。《ピーターと狼》は13日のヤング・ピープルズ・コンサートで演奏された曲である。実演での語りはアレクサンドラ・ワーグナーだったが、録音では指揮者みずからが担当した。(参照2.13)

2.16(火)

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番

ドヴィ・エルリー(vn)
ジャック・フェヴリエ(p)
パリ
[Ina;IMV091](2013)

  2枚組「ドヴィ・エルリー/ヴァイオリン・ソナタ放送録音集」所収。



2.16(火)

ジャズ『Q.JONES AND HIS ORCHESTRA』(10曲)

クインシー・ジョーンズ・ビッグ・バンド
エーテボリ
[JAZZ BIRDIES OF PARADISE;J-BOP045]

  「フリー&イージー・バンド」と呼ばれることもあるクインシー・ジョーンズ(1933生)のビッグ・バンドによるライヴ。14日のパリ公演に続くもの。



2.





ジャズ『クインシー・ジョーンズ/ライヴ・イン`60』より(7曲)

クインシー・ジョーンズ・ビッグ・バンド
ブリュッセル(?)、ベルギー
DVD-R〈ユニバーサル;UCBU-1020〉

  日付と都市名は不明。RTBFの収録した番組を2006年にDVD化したもの。



2.16(火)







  DVD
映画『からっ風野郎』主題歌

三島由紀夫(vo)
深沢七郎(g)キングオーケストラ、ほか
キングレコード・スタジオ、東京音羽(セッション商業録音)
[新潮社;ISBN4106425815] シングル〈キング;EB-314〉

  『決定版 三島由紀夫全集』第41巻所収。三島由紀夫作詞、深沢七郎作曲による、三島由紀夫(1925生)の劇映画初主演作の主題歌。深夜に行われた録音には多数の取材陣もつめかけていたという。なお映画は2月1日クランクインでアップは3月14日、公開23日。主題歌は3月20日発売。カップリングは春日八郎の《東京モナリザ》(当時のシングル盤は無関係なカップリングが多かった)。
  3月1日の西銀座デパートでの撮影中、三島はエスカレーターでの演技テストで頭を負傷して10日間入院した。三島と東大同期の監督、増村保造の「しごき」がスキャダラスな話題となったが、映画自体は評価も集客も冴えなかった。当時はジャズ歌手として活動していた水谷良重の歌も劇中で聴けるが、肝心の主題歌は用いられていない。映画のDVDは〈徳間;TKBU-5058〉。
  三島はこのあと文学座の『サロメ』(岸田今日子主演)を演出。『中央公論』1月号から10月号に連載した長編『宴のあと』でプライバシー裁判の被告となる。短編『憂国』を10月16日に脱稿ののち、11月1日からアメリカ・ヨーロッパ旅行に出発。
  『憂国』と同じ11月10日発売の『中央公論』12月号に掲載された深沢七郎『風流夢譚』が引き金となり、1961年2月1日の嶋中邸テロ事件が起きる。この事件の顛末については『一九六一年冬』(京谷秀夫/晩聲社、現在は平凡社より発売)に詳しい。



2.16(火)
  &19(金)





プッチーニ:歌劇《外套》全曲(ドイツ語訳詞)

イルムガルト・アルノルト(S)ヘルミン・エッサー(T)クルト・レーム(Br)ほか
ロルフ・クライネルト指揮ベルリン放送so
ベルリン(セッション放送録音)
[Profil;PH12064](2013)



2.17(水)





ショパン:舟歌

ヨウラ・ギュラー(p)
ジュネーヴ(?)、スイス・ロマンド放送
[TAHRA;TAH630]

  『YOURA GULLER JOUE CHOPIN』所収。ギュラー(1895-1981?)の放送録音。

2.17(水)







オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》全曲(イタリア語訳詞版)

マルタ・セッラス、ミレッラ・フレーニ、エリザベッタ・フスコ(S)アゴスティーノ・ラッツァーリ(T)セスト・ブルスカンティーニ(Br)ほか
ペーター・マーク指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
CD-R〈OPERA DEPOT;OD10339-2〉
LP〈LONGANESI PERIODICI;GML55〉(抜粋のみ)

  デビュー間もないフレーニ(1935生)が参加している。

2.17(水)

漫才「お笑い姿三四郎」

夢路いとし・喜味こいし
大阪
[日本コロムビア;COCF-13121~28]

  8枚組「上方漫才黄金時代」所収。



2.17(水)
 -23(火)







リムスキー=コルサコフ;スペイン奇想曲
プロコフィエフ:歌劇《3つのオレンジの恋》組曲
ドヴォルジャーク:交響曲第7番

コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;TOCE-16090](2012、ドヴォルジャーク)、[DISKY COMMUNICATIONS;BX707512](EMI原盤)

  シルヴェストリ(1913生)。15-17日のデッカによるクナッパーツブッシュ録音に続くウィーン・フィルのセッション。EMIは楽友協会で録音する。

2.18(木)

モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》
ヘンデル:歌劇《ジュリオ・チェーザレ》よりアリア〈汝のやさしい瞳を〉
ヘンデル:合唱曲《ヘラクレス》よりアリア〈わが父よ〉
R・シュトラウス:歌劇《カプリッチョ》より、終景のモノローグ

エリザベート・シュヴァルツコップ(S)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
LP〈ROCOCO;5374〉(ヘンデル2曲のみ)、他は〈未レコード化〉

  シュヴァルツコップ(1915生)が2月から3月にかけて、アメリカ演奏旅行したさいのライヴ。《カプリッチョ》は5月15日にウィーンで、舞台で初めて全曲を歌うことになっている。



2.18(木)

ベルリオーズ:《海賊》序曲
ドリーブ:劇音楽《王の快楽》バレエ組曲
グノー:歌劇《ロミオとジュリエット》ジュリエットの夢、歌劇《ファウスト》バレエ音楽
ヘンデル:アマリリス組曲
ディーリアス:劇音楽《ハッサン》間奏曲とセレナーデ
ベルリオーズ:歌劇《トロイ人》トロイ人の行進
サン=サーンス:歌劇《サムソンとデリラ》尼僧の踊りとバッカナーレ

トマス・ビーチャム指揮シアトルso
シアトル(ステレオ録音)
LP〈SIR THOMAS BEECHAM SOCIETY;WSA517/20〉

  アメリカ客演中のビーチャムによる『LOLLIPOPS CONCERT』。ロリポップとは棒付きキャンディのことで、アンコールに演奏される小曲のことを指す。そうした小曲だけを集めたビーチャムお得意の演奏会である。
  アメリカのTHE SIR THOMAS BEECHAM SOCIETYが1975年に頒布した4枚組のうちの2枚で、他に1941~59年の商業録音やライヴも含まれている。ビーチャムのライヴでは現時点で唯一のステレオ録音である。



2.18(木)

ヴェルディ:歌劇《椿姫》全曲

ロザンナ・カルテリ(S)アルフレード・クラウス(T)ディノ・ドンディ(Br)ほか
ヴィンツェンツォ・ベレッツァ指揮トリエステ・ヴェルディ劇場o、同cho
ヴェルディ劇場、トリエステ
〈未レコード化〉

  イタリア北東部、ユーゴスラヴィアとの国境の町トリエステでのライヴ。売れ出したばかりのクラウス(1927生)がアルフレード役を歌っている。



2.19(金)

「バッハ&ヘンデル・アリア集」(《メサイア》など全8曲)

カスリーン・フェリア(A)ジョージ・マルコム(cemb)
エイドリアン・ボールト指揮ロンドンpo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;4756411]

  フェリア(53年死去)生涯最後の録音となった、52年10月にモノラル録音されたアリア集の伴奏オーケストラ部分を、ステレオで新規に多重録音したもの。かつてカルーソーのアコースティック録音に電気録音のオーケストラをかぶせたSPがあったが、そのフェリア版である。録音は5月3日にも行なわれたとする説もある。



2.19(金)

ブラームス:ドイツ・レクイエム

アグネス・ギーベル(S)ヘルマン・プライ(Br)
セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso、同cho
ミラノRAI公会堂、ミラノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;HP546.1]

  チェリビダッケ(1912生)は前月以来、ミラノに腰を落ちつけている。(参照1.29)



2.19(金)

グローフェ:組曲《大峡谷》

モートン・グールドと彼のオーケストラ、マックス・ポリコフ(vn)
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGジャパン:BVCC-37466](RCA原盤)

  モートン・グールド(1913-96)による録音。LPではベートーヴェンの《ウェリントンの勝利》と組み合わされた。



2.19(金)

ヘンデル:歌劇《アルチーナ》全曲

ジョーン・サザランド(S)オラリア・ドミンゲス(Ms)ニコラ・モンティ(T)プリニオ・クラバッシ(Bs)ほか
ニコラ・レッシーニョ指揮ヴェネツィア・フェニーチェ劇場o、同cho
フェニーチェ劇場、ヴェネツィア
[BELLA VOCE;BLV107.220]

  サザランド(1926生)は59年2月のロンドンでの《ランメルモーアのルチア》成功以来、ベルカントと古典オペラ歌いの新星として欧米各地に引っぱりだこになった。先輩のマリア・カラスが1年近い休養をとっていたためもある。ゼッフィレッリ演出のこの公演はイタリア・デビューとなったもので、このときにストゥペンダと名づけられた。夫のボニング(1930生)が衣装を着けて舞台でチェンバロを弾いている。この時はまだ指揮者になっていなかった。指揮者デビューは1962年。



2.19(金)
 &20(土)







ドヴォルジャーク:交響曲第9番《新世界より》
ワーグナー:管弦楽曲集(4曲)

ポール・パレー指揮デトロイトso
キャス工業高校講堂、デトロイト(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;434 317-2](ドヴォルジャーク)
[MERCURY;434 383-2](ワーグナー)

  シュヴァルツコップが出演した演奏会の翌日と翌々日、デトロイトsoの音楽監督パレー(1886生)はマーキュリーに商業録音をおこなっている。《新世界》は1月14日の定期で演奏した曲である。パレーのもとでデトロイトsoはアメリカのメジャー・オーケストラのひとつに躍進していた。

2.19(金)
 ~28(日)


ドキュメンタリー番組『FORGOTTEN MIRACLE』

五輪アイスホッケー・アメリカ代表チーム、ほか
スコーバレー・ブライズアリーナ、ほか
DVD〈GOLDEN PUCK PICTURES〉(2009)

  この年の冬季五輪はアメリカのスコーバレーで、2月19日から28日まで開催された。30か国から665名が27種目に参加した。開催国アメリカは金3で、ソ連、東西統一ドイツに次いで第3位となった。うち2つはフィギュアスケートのシングル男女で、もう一つが初優勝となるアイスホッケーだった。これはその活躍を回想する65分のドキュメンタリー番組、『忘れられた奇蹟』。
  プロ参加以前、アマチュアのみの当時の五輪では、古豪カナダと新興ソ連が優勝候補だった。しかし五輪初日の19日からの予選2試合、続いて22日から最終日の28日までの(23日と26日を除く)本選5試合で、アメリカはカナダとソ連を含む相手国すべてに勝って、念願の五輪での初優勝を達成した(それまでは8回参加して、銀5回銅1回)。



2.20(土)



ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》全曲

オーセ・ノルモ・レーヴベリ、ビルギット・ニルソン(S)ジョン・ヴィッカーズ(T)ジェローム・ハインズ(Bs-Br)、デジェー・エルンシュテル(Bs)ほか
カール・ベーム指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
CD-R〈TREASURE OF THE EARTH TOE2053〉

  ノルモ・レーヴベリ(1923生)、ニルソン(1918生)とハインズ(1921生)の3人は、夏のバイロイト祝祭でも同じ役を歌うことになる。
  TREASURE OF THE EARTH盤は、ウィーン国立歌劇場での演奏と誤記している。



2.20(土)

ダイアモンド:《パウル・クレーの世界》
マーラー:交響曲第2番《復活》

フィリス・カーティン(S)レジーナ・レズニク(A)
シーモア・リプキン、レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo、ラトガーズ大学cho
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[NEW YORK PHILHARMONIC;NYP9904](ダイアモンドのみ、マーラーは未レコード化)

  バーンスタイン指揮の《復活》の前に、副指揮者リプキン(1927生)が《パウル・クレーの世界》を演奏した。副指揮者に「オードブル」を振らせてチャンスを与えることを、バーンスタインは好んでいた。
  ダイアモンドの曲は『アメリカの祭典』というニューヨークpoの10枚組の自主制作盤に所収。《復活》がこの直後に商業録音されず、63年になったのは不思議である。ワルター盤が数年前に録音されていたためだろうか。



2.20(土)
(放送日、
録音は1959.10.24)





ベッリーニ:歌劇《清教徒》全曲

アンナ・モッフォ(s)ジャンニ・ライモンディ(T)ウーゴ・サヴァレーゼ、他
マリオ・ロッシ/ミラノRAIo、同cho
ミラノ
[MYTO;2CD00199](2010)

2.20(土)
 -21(日)





フランク:ヴァイオリン・ソナタ

ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
カール・ゼーマン(p)
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;POCG-90198](DGG原盤)

2.20(土)
 &23(火)





モーツァルト:交響曲第39番

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2302]

2.21(日)

ブリッツスタイン:ミュージカル《ゆりかごは揺れる》

タミー・グライムズ、ほか
レーマン・エンゲル指揮ニューヨーク・シティ・オペラo、同cho
シティ・センター、ニューヨーク
〈未レコード化〉

  ニューヨーク・シティ・オペラは春と秋の2シーズン制で、春(といっても11日間のみ)はフォード財団の資金援助により自国アメリカの作品を紹介していた。《ゆりかごは揺れる》は体制側の妨害に屈せず38年に初演されたことで知られる問題作。



2.21(日)

ニールセン:コムモーティオ

フィン・ヴィデレ(org)
イェール大学ベーテル礼拝堂、ニューヘヴン
[DANACORD;DACOCD363-364]

  『CARL NIELSEN COLLECTION VOL..5/KEYBOARD WORKS』所収。デンマーク生まれのヴィデレ(1906生)はイェール大学のオルガン科教授。



2.21(日)







ショパン:バラード第1~4番、、練習曲Op.10-1,2,3,4,10,11,12、Op.25-5,6,7,8,11,12、ポロネーズ第7番《幻想》

スビャトスラフ・リヒテル(p)
芸術家の家(ルドルフィヌム)、プラハ
[PRAGA;PR254 060](バラード)
[SUPRAPHON;SU3796-2](練習曲&ポロネーズ)

  リヒテル(1915生)は亡命を危惧されて西側に出ることを許されない「幻の大ピアニスト」だった。しかし東欧の共産圏諸国へはさかんに旅行している。


2.21(日)

落語『犬の災難』

五代目 古今亭志ん生
NHK放送
[コロンビア;COCF-11894]

  このCDには同年の鈴本演芸場でのライヴとする『五人まわし』『お初徳兵衛』も収められている。



2.22(月)

ヒンデミット:ピアノ音楽

カール・ゼーマン(p)
北ドイツ放送、ハンブルク
[KOCH SCWAHN;3-1570-2H1]

  記録に従えば、ゼーマン(1910生)はシュナイダーハンとフランクのソナタをハノーファーで商業録音した翌日に180キロ移動して、ハンブルクで録音したことになる。(参照2.20-21)



2.22(月)



『小品名曲コンサート』(全8曲)
コレッリ:合奏協奏曲ト短調《クリスマス》より第三楽章、ヴィヴァルディ:協奏曲ニ長調よりメヌエット、モーツァルト:コントルダンス、シューベルト(ウェーベルン編曲):五つのドイツ舞曲、ベルリオーズ:幻想交響曲よりワルツ、チャイコフスキー:《くるみ割り人形》よりワルツ、シベリウス:悲しきワルツ、J・シュトラウス:《ウィーン気質》

セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ(ステレオ録音)
[NUOVA ERA;2393/98](6曲のみ)
LP〈FONIT CETRA;LAR22〉(8曲)

  CDは『THE ART OF SERGIU CELIBIDACHE』所収。曲目はJ・シュトラウスの《ウィーン気質》などだが、シューベルトによる5つのドイツ舞曲のヴェーベルン編曲版を演奏しているのが目を引く。



不詳



シューベルト:劇音楽《ロザムンデ》序曲(魔法の竪琴)

セルジュ・チェリビダッケ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;MP489.1]

  日付不詳だが、この時期の録音と思われる。



2.22(月)







ショパン:ピアノ協奏曲第2番、英雄ポロネーズ
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番(2種)

アルトゥール・ルービンシュタイン(p)
ヴィトルド・ロヴィツキ指揮ワルシャワ・ナショナルpo
ナショナル・フィルハーモニー・ホール、ワルシャワ(ステレオ録音)
[MUZA;PNCD332 A/B]
DVD〈RCA;BVBC31016~17〉(断片)

  ショパンの誕生日とされる(異説あり)この日、ワルシャワで第6回ショパン・コンクールが開幕し、名誉審査委員長ルービンシュタイン(1887生)が記念演奏会を行なった。なおブラームスは本番とリハーサルの2種が収録されている。
  DVD『思い出のルービンシュタイン』に、ショパンの協奏曲の第3楽章の映像が1分ほど含まれている。



2.22(月)


ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲

グレゴール・ピアティゴルスキー(vc)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGファンハウス;BVCC37432](RCA原盤)

  ピアティゴルスキー(1903-76)は2月5日と6日のボストン響の定期演奏会でこの曲を演奏しているが、そのときの指揮はミュンシュではなくコンサートマスター兼准指揮者の、レオン・バーギンだった。録音はレコード専用の顔合わせということになる。



2.22(月)

ファド『ボビノ1960』(全15曲)

アマリア・ロドリゲス(Vo)
ドミンゴス・カマリナ(g)サントス・モレイラ(vl)
ボビノ、パリ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 32297 2 6]

  ポルトガルの国民的歌手で「ファドの女王」といわれるロドリゲス(1920生)がパリのボビノ座へ客演したさいのライヴ録音。ファドとはポルトガルの唄のこと。



2.22(月)

ジャズ『シェリー・マン&ヒズ・メン/イエスタデイズ』より3曲

シェリー・マン&ヒズ・メン
チューリヒ(ライヴ商業録音)
[PABLO;PACD-5318-2]

  ノーマン・グランツ主催の「ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック」欧州楽旅から。2003年に初レコード化された。CDには3月2日コペンハーゲンの2曲も含まれる。ツアーは2月13日から3月5日まで。



2.22(月)
 &23(火)





ビゼー(モートン・グールド編曲):歌劇《カルメン》管弦楽編曲版(20曲)

モートン・グールドと彼のオーケストラ
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGビクター:BVCC37182](RCA原盤)



2.下旬







ショパン:練習曲第1、10番、夜想曲第13番、幻想ポロネーズ

マウリツィオ・ポリーニ(p)
ナショナル・フィルハーモニー・ホール、ワルシャワ(一部ステレオ録音)
[ARKADIA;CDHP506.1] 
[LASERLIGHT;14 064](夜想曲、ポロネーズ)

  ポリーニ(1942生)が第1次予選で弾いた曲目。1次予選には87名の参加が認められ、そのうち78名が実際に参加した。LASERLIGHT盤はムザ原盤のコピーらしく、ステレオ録音である。(参照2.22)
2.23(火)

ドビュッシー:劇付随音楽《聖セバスチャンの殉教》

エステル・ススマン(S)クリスティーヌ・ゲイロー、ソランジュ・ミシェル(A)アンドレ・ファルコン(語り)
デジレ=エミール・アンゲルブレシュト指揮フランス国立放送o、同cho
シャンゼリゼ劇場、パリ(ステレオ録音)
[NA?VE;V4857]

  アンゲルブレシュト(1880生)自身によるオラトリオ版。かれはこの作品の1911年の初演にも合唱指揮で参加した。



2.23(火)

ブラームス:交響曲第1番
ワーグナー(ストコフスキー編):《トリスタンとイゾルデ》からの交響的交淆
ドビュッシー:牧神の午後のための前奏曲

レオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィアo
アカデミー・オブ・ミュージック、フィラデルフィア(ステレオ録音)
[Guild;GHCD2402](2013)(ブラームス&ワーグナー)
[PHILADELPHIA ORCHESTRA;POA 91](ドビュッシー)

  12日に続く2回目の演奏会。ほかにバッハのコラール前奏曲3曲が演奏された。ここでの楽器配置はかつてストコフスキーがはじめた、通常のピアノ型配置に戻されている。しかし滴るような究極の官能美が凄い。指揮者によるしゃれたスピーチもある。(参照2.12)



2.23(火)





ジャズ『JIMMY GIUFFRE QUARTET LIVE IN 1960』より4曲

ジミー・ジュフリー(cl)
ジム・ホール(g)ミルフォード・ミドルブルックス(b)
オランピア劇場、パリ
[JAZZBEAT;503]


2.23(火)

落語『味噌蔵』

三代目 桂三木助
NHK
[ユニバーサル・ミュージック;POCN-1074]
[テイチク;TFC-1261]

  日付は15枚組「ラジオ名人寄席」による。



2.23(火)
 -3.10(木)

ワーグナー:管弦楽曲集(11曲)

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 67896 2]

  生誕75周年祝賀盤として同年5月に2枚組で発売された。23と24日に《タンホイザー》序曲、24と25日に《さまよえるオランダ人》序曲、25日と3月3日に《ローエングリン》第1幕前奏曲、27日に《ローエングリン》第3幕前奏曲とジークフリートの葬送行進曲、3月1と2日に《マイスタージンガー》第1幕前奏曲、3月1‐3日に《トリスタンとイゾルデ》第1幕前奏曲と愛の死、2と3日に《リエンツィ》序曲、3日に《タンホイザー》第3幕前奏曲、8日に《マイスタージンガー》徒弟たちの踊り、10日にワルキューレの騎行。



2.24(水)

ファリャ:組曲《賛歌》

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ
[CASCAVELLE;VEL2005](2009)

  定期演奏会のライヴ録音。この日は他にモーツァルトの40番、ブリテンの《イルミナシオン》(独唱P・ピアーズ)、ラヴェルの《ダフニスとクロエ》などが演奏された。



2.24(水)
 -26(金)





モーツァルト:アダージョK.261、ロンドK.373
ベートーヴェン:ロマンス第2番
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ヴィエニアフスキ:伝説曲
ノヴァチェク:常動曲
ストラヴィンスキー:子守歌(バレエ音楽《火の鳥》より)

ナタン・ミルシテイン(vn)
ワルター・ジュスキント指揮コンサート・アーツo
不明(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;TOCE-13095、13409](CAPITOL原盤)

  ほかにストラヴィンスキーの歌劇《マヴラ》から〈ロシアの乙女の踊り〉も録音されたらしい。



2.25(木)

ストラヴィンスキー:交響詩《ナイチンゲールの歌》

ピエール・ブーレーズ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウo
コンセルトヘボウ、アムステルダム
[RADIO NETHERLANDS;RCO05001]

  『ANTHOLOGY OF THE ROYAL CONCERTGEBOUW ORCHESTRA 1960-1970』所収。



2.25(木)

ピストン:3つのニューイングランドのスケッチ
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》
ラロ:スペイン交響曲

クリスチャン・フェラス(vn)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉



2.25(木)

バッハ:フランス組曲第5番

エミール・ギレリス(p)
タウン・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGファンハウス;BVCC-37331](RCA原盤)

  翌26日にこの曲を含むリサイタルをカーネギー・ホールで行なう。27日のボストン・リサイタルがアメリカ・ツアーの楽日。



2.25(木)









バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番、3つのコラール前奏曲(ストコフスキー編)
ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》第2、3幕からの音楽(ストコフスキー編)
ファリャ:《恋は魔術師》

シャーリー・ヴァーレット(Ms)
ストコフスキー指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;MH2K62345](バッハ)
[PHILADELPHIA ORCHESTRA;POA100](ワーグナー)
[SONY;SB2K64340](ファリャ)

  演奏会に続くセッション商業録音。ワーグナーの演奏からライヴの凄気が失せているのはスタジオ録音の宿命とはいえ、残念。ディレクターの希望だろうか、ファリャの楽器配置も通常のピアノ型配置になっている。(参照2.23)



2.25(木)





DVD



映画『恋をしましょう』主題歌

マリリン・モンロー&フランキー・ヴォーン(vo)
ドミニク・フロンティアー指揮のオーケストラ
ハリウッド(?)
[SONY;CK86799]

  同映画のサントラ盤に所収。ヴォーンの歌う《HEY YOU WITH THE CRAZY EYES》も同日に録音。サントラとは別にシングル盤用に録音されたものらしく、主演のイヴ・モンタンが参加していないのは契約の関係だろうか。モンタン来日公演中止の原因となった映画で、撮影は5月まで行なわれた。映画のDVDは[20世紀フォックス;FXBA-1141]



2.25(木)
 ~3.3(木)







モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》
シューベルト:交響曲第5番

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2304、2316](分売)

  《ジュピター》は25、26、28日。26、29、3.3にシューベルト。
  なお上記CDには《ハフナー》も1960年2月26日録音とあるが1959年1月13-21日の誤り。

2.26(金)

マーラー:交響曲第2番《復活》

ナンシー・カー(S)ユーニス・アルバーツ(A)
レオン・バーギン指揮ボストンso、コーラス・プロ・ムジカ
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  ボストン交響楽団の定期演奏会のラジオ生中継。当日は他にヒンデミットの演奏会音楽(コンツェルトムジーク)が演奏された。



2.26(金)

ショパン:バラード第1、2番

スビャトスラフ・リヒテル(p)
ブカレスト
[メロディア;BVCX-4055](CDには63年モスクワ録音と誤表記)

  チェコからルーマニアの首都ブカレストに移動したリヒテルは、24日から28日まで4回の演奏会をひらいている。(参照2.22)



2.26(金)







ベルリオーズ:幻想交響曲
ドビュッシー:夜想曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、ボレロ

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードpo
フィルハーモニー大ホール、レニングラード
[RUSSIAN DISC;RDCD10 906](ベルリオーズ、ラヴェル)
[RUSSIAN DISC;RDCD11 167](ドビュッシー)

  ムラヴィンスキー(1903生)と手兵レニングラードpoは、秋に渡英旅行を予定している。



2.26(金)

ミュージカル《ミュージック・マン》より3曲

バーバラ・クック、バッファロー・ビルズ
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録画、カラー)
DVD〈VAI:DVD4347〉

  DVD『BARBARA COOK/BELL TELEPHONE HOUR 1960-1965』所収。NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。
  アトランタ生れのバーバラ・クック(1927生)はブロードウェイ・ミュージカルのスター。1956年の《キャンディード》のクネゴンデ役で注目されたあと、翌年の大ヒット作《ミュージック・マン》に出演してヒロインのマリアン役で成功した。バッファロー・ビルズもこのミュージカルに出演していた男声4人組コーラスで、アメリカ独特のバーバーショップ・カルテットのスタイルのグループ。



2.26(金)
 &28(日)

バッハ:カンタータ《愛を裏切る者》BWV.203

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
イルムガルト・ポッペン(vn)エディト・ピヒト=アクセンフェルト(cemb)
福音派教区集会所(エヴァンゲリッシェス・ゲマインデハウス)、西ベルリン、ツェーレンドルフ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 67202 2]

  ヘンデルのカンタータも同時に録音されたが、未CD化。



2.27(土)

ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番

スビャトスラフ・リヒテル(p)
ブカレスト
[AS DISC;AS338](69/71年録音と誤表記)

  ブカレスト公演第3晩。ほかの曲はラフマニノフの練習曲集など。(参照2.26)



2.27(土)





ドビュッシー:交響詩《海》

フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGジャパン;BVCC-37463]



2.27(土)


ヴェルディ:《トロヴァトーレ》全曲

アントニエッタ・ステッラ(S)ジュリエッタ・シミオナート(Ms)カルロ・ベルゴンツィ(T)エットーレ・バスティアニーニ(Br)ほか
ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[MYTO;2MCD071.342]

  ドイツ・オペラ2本の後の中継はやはりイタリア・オペラ。多国籍編成のメトで、これほどイタリア人(それも超一流の)で固めた配役も珍しい。アドラー指揮の《トスカ》全曲盤の余白に所収。(参照2.20)



2.27(土)







ケルビーニ:《メデア》序曲
ブルックナー:交響曲第7番

パウル・ヒンデミット指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[URANIA;URN 22405](2009)
LP〈NYP 861/2〉(序曲)

  ヒンデミット(1895生)が1週だけニューヨークpoの定期に登場。ほかの曲目は自作のチェロ協奏曲(独奏パリゾ)。
  CDにはVOICE OF AMERICAの音源によると書かれている。


2.27(土)

カントリー・ラジオ番組『ルイジアナ・ヘイライド』より4曲(ジョーンズ:《水はもうたくさん》、エドワーズ:《偶然にわざと》、ミラー:《偉大なハーラン・テイラー》、ジョーンズ:《音楽を止めるな》)

ジョージ・ジョーンズ(Vo)
市立公会堂、シュリーヴポート
[SCENA RECORDS;271900-2]

  ジョージ・ジョーンズ(1932生)は「傷心の王」と呼ばれる人気カントリー歌手。ラジオの人気番組「ルイジアナ・ヘイライド」に出演したときのライヴ。



2.28(日)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7、12番

スビャトスラフ・リヒテル(p)
ブカレスト
[ELECTRECORD;ELCD106]

  この日はほかに《熱情》ソナタが演奏された。(参照2.27)



2.28(日)

J・S・バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
マルティヌー:チェロ・ソナタ第2番

レナード・ローズ(vc)ジャック・マクシン(p)
ザ・フリック・コレクション、ニューヨーク
[VAI;VAIA1261-2]

  「LEONARD ROSE・LIVE IN RECITAL・1953-1960」所収。美術館(元は富豪フリックの邸宅)でのリサイタル。



2.28(日)

オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》より2曲

ランナール・オルフンク(T)イェルディス・シンベルイ(S)コルビェーン・ヘイセト(Bs)
ヘルベルト・サンドベルイ指揮ストックホルム王室歌劇場o、同cho
王室歌劇場、ストックホルム
[BLUEBELL;ABCD101]

  オルフンク(1927- )のライヴ録音によるアリア集『RAGNAR ULFUNG /GREAT SWEDISH SINGERS』所収。全曲上演(スウェーデン語訳詞版)からの抜粋。



2.28(日)(?)

グリンカ:《ルスランとリュドミラ》序曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ソビエト国立so
[DANTE LYS576-577]
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ

  疑問盤。マルケヴィッチが初めてソビエトを訪問するのは60年11月のことである。11月28日の誤りではないか。



2.28(日)
 &29(月)





モーツァルト:交響曲第36番《リンツ》

ブルーノ・ワルター指揮コロンビアso
在郷軍人会館、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SRCR2302]



2.29(月)

ラモー:《カストルとポリュクス》全曲

イングリッド・ビョーナー(S)ファビオ・ジョンゴ(Br)ほか
アルベルト・エレーデ指揮ナポリRAIo
ナポリ
LP〈MELODRAM;MEL-165〉

  演奏会形式。エレーデ(1908生)は当時デュッセルドルフのライン・ドイツ歌劇場の音楽監督、ビョーナー(1927生)もジョンゴ(1928生)も同歌劇場の専属だから、この作品の舞台版をかの地で上演していたのかもしれない。ビョーナーは後年ミュンヘンを中心に活躍するワーグナー・ソプラノだが、録音機会に恵まれなかった。



2.29(月)

落語『妾馬』

八代目 三笑亭可樂
第一生命ホール、東京
[ポニーキャニオン;PCCG-00019]

  可樂(1897生)は通好みの噺家として知られる。NHKはラジオ用音源を確保するための公開録音の場として、前年7月から毎月1回の「東京落語会」を、日比谷の第一生命ホール(占領時代にGHQがおかれたビルの6階)で開始した。なお2月のこの第8回を最後に、会場は銀座のヤマハ・ホールに移ることになる。放送は3月12日。



2.29(月)
 &3.1(火)



モーツァルト:交響曲第29番
チャイコフスキー:交響曲第4番

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンpo
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-59118](モーツァルト)
[東芝EMI;TOCE-55449](チャイコフスキー)

  カラヤン(1908生)は28日から3月1日にかけての定期演奏会で、モーツァルトの第29番とマーラーの大地の歌を演奏した。それまでカラヤンはマーラー作品をまったく演奏したことがなく、めずらしく演奏前から興奮していたというが、並行して29日と1日に行なわれたセッションでは大地の歌ではなくチャイコフスキーを録音している。6月にもウィーンpoの定期で大地の歌を演奏したが、やはり商業録音はおこなわなかった。カラヤンによるマーラーの商業録音は13年後の第5番(DG)まで待たなくてはならない。
  なおベルリンpoは1.5-9にもマゼールとチャイコフスキーの第4番をDGに録音している。



2.29(月)
 -3.25(金)

『コルトーのマスター・クラス』より

アルフレッド・コルトー(p&語り)
エコール・ノルマル・ド・ミュジック、パリ
[ソニー;SICC226~8]

  エコール・ノルマルの創立者コルトー(1877-1962)は、2月29日から3月25日にかけての26日間に、全12回の演奏解釈講座(マスター・クラス)を行なった。これは技術的指導よりも解釈の指導に重きを置きたいと考えるコルトーが早くから行なっていたもので、受講生のほかに一般の聴講生も参加できた。この年の12回のうち初めの4回はショパンに充てられていた。ほかにタリアフェロ、マリア・フロイントなども同種の講座をこの年に行なっている。
  2006年初発売のCDは、工科の学生ピエール・トゥーズリがコルトーの許可を得て私的に録音した約30時間のテープから編集された。コルトーの講義と演奏のみを抜粋し、受講生の演奏は含まれていない。データは1954年から60年の録音とあるのみで、収録された30曲のうち、どの部分が1960年の録音かは詳らかでない。ちなみに、1957年と59年の講座はオール・ショパンだったという。



2.





バッハ:イタリア協奏曲、半音階幻想曲とフーガ、パルティータ(フランス風序曲)

ヘルムート・ヴァルヒャ(cemb)
ティーンハウス、ハンブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE3121]

2.

インタビュー『ロジャーズ&ハマースタイン』

リチャード・ロジャーズ、オスカー・ハマースタイン2世、トニー・トーマス(聞き手)
ニューヨーク
[FACET;F/CD8108]

  ブロードウェイ・ミュージカルの象徴的存在であるロジャーズ&ハマースタインへのカナダ放送(CBC)によるラジオ用のインタビュー。ひとり約30分にまとめられている。ロジャーズ(1902生)のは午前中にマディソン街のかれのオフィス、ハマースタイン(1895生)のは午後に東63丁目の自宅で録音された。前年12月に初演された『サウンド・オブ・ミュージック』が成功している最中のインタビューだが、半年後の8月23日にハマースタインが亡くなり、同作はこのコンビ最後のミュージカルとなった。