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1960年4月
(最終更新2013.12.29)

4.1(金)

バッハ:管弦楽組曲第3番
ピストン:交響曲第6番
フォーレ:バラード
ラヴェル:ピアノ協奏曲

ニコル・アンリオ=シュヴァイツァー(p)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
[Music and Arts:CD236(2)](バラードのみ) 〈他は未レコード化〉

  定期演奏会のライヴ。アンリオ=シュヴァイツァー(1925生)はシュヴァイツァーの甥と結婚したフランスのピアニスト。レジタンス活動で勲章を受けた女闘士で、ミュンシュとはレジタンス仲間だった関係もあってよく共演していた。2年後にミュンシュとともに初来日している。
  M&A盤には4月2日という日付が表記されている。



4.1(金)

ショスタコーヴィチ:交響曲第8番

ルドルフ・ケンペ指揮ミラノRAIso
ミラノRAI公会堂、ミラノ(?)
CD-R〈KARNA MUSIK;KA-291M〉

  ケンペによるショスタコーヴィチの録音は珍しい。他に第1番(BBC)があるくらい。



4.1(金)

バッハ:ヨハネ受難曲

ピーター・ピアーズ(T)ハンス・ホッター(Bs)エリーザベト・グリュンマー(S)マルガ・ヘフゲン(A)ヨーン・ファン・ケステレン(T)キート・エンゲン(Bs)
オイゲン・ヨッフム指揮バイエルン放送so、同cho
ヘラクレスザール、ミュンヘン
[GOLDEN MELODRAM;GM4.0076]

  バイエルン放送交響楽団の定期演奏会のライヴ。聖金曜日を2週間後に控えて受難曲を演奏している。
  『レコード芸術』昭和35年6月号掲載の村上紀子による「故国ミュンヘンにおけるヨッフム」によると、ちょうど1日後にカール・リヒターたちも同じ曲を演奏したという。また当時、ミュンヘンでのヨッフムは批評家から目の敵にされていて、リヒターの引き立て役にすぎないような書き方をされたという。



4.1(金)











ファリャ:火祭の踊り(ピアノ独奏)
リスト:ピアノ協奏曲第1番第3楽章
フォーレ:エレジー
サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート
プーニ:バレエ音楽《パ・ド・カトル》

ホセ・イトゥルビ(p)(ファリャ&リスト)
グレゴール・ピアティゴルスキー(vc)(フォーレ&サン=サーンス)
アリシア・アロンソ、メリッサ・ヘイデン、ノラ・ケイ、ミア・スラヴェンスカ(舞踊)(プーニ)
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo、
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録画、カラー)
DVD〈VAI:DVD4372〉 〈VAI:DVD4215〉 〈VAI:DVD4343〉

  NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。後半⒋曲は管弦楽伴奏による。イトゥルビは『THE ART OF JOSE ITURBI』所収。同DVDには年月日の表示がないが、ファリャの同じ映像(音質は前者の方がよい)を所収した『GREAT PIANISTS ON THE BELL TELEPHONE HOUR(1959-1967)』〈VAI:DVD4216〉に「4月1日放映」と表記されている。
  ピアティゴルスキーの映像は『GREAT VIOLINISTS ON THE BELL TELEPHONE HOUR(1959-1964)』に所収。
  《パ・ド・カトル》は『ALICIA ALONSO/PRIMA BALLERINA ASSOLUTA』所収。4人のスター・バレリーナによる豪華な競演。なおこの作品はドニゼッティの《アンナ・ボレーナ》の幕間音楽として書かれたもの。


4.1(金)

ロッシーニ:歌劇《ウィリアム・テル》序曲

カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロイヤル・ストックホルムpo
コンセルフース、ストックホルム(ライヴ放送録音、ステレオ)
[IMG/ROYAL STOCKHOLM PHILHARMONIC ORCHESTRA;RSPO1000-2]

  ロイヤル・ストックホルムpoの創立100周年記念の自主製作盤(8枚組)所収。



4.1(金)

レスピーギ:交響詩《ローマの松》

セルジュ・チェリビダッケ指揮トリノRAIso
RAI公会堂、トリノ(ステレオ録音)
LP〈CETRA;LAR32〉

  チェリビダッケはミラノ、ローマを経てトリノのRAI(イタリア国営放送)に登場。RAIのオーケストラは他にナポリにもあった。



4.1(金)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番

ブダペスト弦楽四重奏団
国会図書館クーリッジ講堂、ワシントンDC
[BRIDGE 9099A/C]

  ブダペスト弦楽四重奏団は1940年以来、国会図書館のカルテット・イン・レジデンスとして活動、同館所蔵のストラディヴァリウスを貸与されていた。59/60年シーズンにはかれらの演奏会86回のうち22回が国会図書館クーリッジ講堂(席数500)でおこなわれ、60年春にはここで6回のベートーヴェン全曲演奏会が開催された。これはそのひとつ。
  同時期のセッション商業録音では第9~11番と第16番が、5月16~20日にニューヨークのCBS30丁目スタジオで録音されている。



4.1(金)

ジャズ《オン・グリーン・ドルフィン・ストリート》《ウォーキン》《ザ・テーマ》

マイルス・デイヴィス・クインテット
ラインハレ、デュッセルドルフ
CD-R〈RX-15/16〉

  2枚組CD-R『MILES DAVIS & JOHN COLTRANE LIVE IN EUROPE 1960』所収。



4.1(金)

フォーク『ザ・ウィーヴァーズ・アット・カーネギー・ホール VOL.2』(18曲)

ザ・ウィーヴァーズ
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[VANGUARD;VMD79075]

  ザ・ウィーヴァーズはモダン・フォーク運動の草分けで、女性1人、男性3人の白人4人によるコーラス・グループ。このときにはオリジナル・メンバーのピート・シーガーに代わってエリック・ダーリンが参加している。
 「VOL.2」とあるが、「VOL.1」は1955年クリスマスのライヴで、それから5年後の続編である。



4.1(金)
 &4(月)

ドヴォルジャーク:聖書歌曲集より6曲(ドイツ語訳詞)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)イェルク・デムス(p)
ランクヴィッツ・スタジオ、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;453 073-2]

  全10曲のうち6曲のみを録音。続けて5&6日にシューマン歌曲を録音する。CDはアンチェル指揮のドヴォルジャークのレクイエムの余白に所収。



4.2(土)





チャイコフスキー:交響曲第5番

カール=アウグスト・ビュンテ指揮ベルリンso
ベルリン
[Bella Musica;BM312424](2009)



4.2(土)

サン=サーンス:歌劇《サンソンとダリラ》全曲

リゼ・スティーヴンス(Ms)ラモン・ヴィナイ(T)ほか
レナート・チェッリーニ指揮ニューオリンズ歌劇o、同cho
市立公会堂、ニューオリンズ(ステレオ録音)
[VAI;VAIA1055-2]

  ダリラはスティーヴンス(1913生)の当たり役だが、これはその最後の歌唱となったもの。



4.2(土)

ヴェルディ:歌劇《シモン・ボッカネグラ》全曲

ジンカ・ミラノフ(S)カルロ・ベルゴンツィ(T)フランコ・グァレッラ(Br)ほか
ディミトリ・ミトロプーロス指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0309](2010)

  3月1日にウォレンを外題役として新制作された演出だが、その3日後にかれが急死したため、グァレッラ(1923生)が代役に立っている。



4.2(土)



モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブラント:アンティフォニー・ワン
ブーレーズ:《マラルメによる即興第1》

ミエチスラフ・ホルショフスキ(p)
マーニ・ニクソン(S)
レナード・バーンスタインほか指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
CD-R〈VIBRATO;VHL166〉(モーツァルト)
[NYP 2003](ブラント&ブーレーズ)

  3月31日から4月3日にかけての定期の曲目後半で、バーンスタイン(1918生)は最新の現代音楽を紹介した。
  この定期は「音楽における20世紀の課題」と題されたシリーズのひとつで、「無の探求」と名づけられていた。2曲とも演奏前に指揮者による説明のスピーチがある。ブラント(1913生)の作品ではオーケストラは5群に分かれ、弦楽器群はバーンスタインとともにステージ上に、木管群と打楽器群と2群の金管が4人の副指揮者たち(ステファン・バウアー=メンゲルベルク、アーノルド・ギャムソン、シーモア・リプキン、ハワード・シャネット)に率いられてホールの各所に配置され、聴衆の周囲から演奏した。
  次のブーレーズ(1925生)の《マラルメによる即興第1》はアメリカ初演となる。71年に音楽監督になるかれの作品を、ニューヨークpoが演奏するのはこのときが初めてだった。
  独唱のニクソン(1930生)は《マイ・フェア・レディ》のオードリー・ヘップバーンなど、ハリウッド・ミュージカル映画の主役女優の影武者歌手として有名。4か月後には《ウエスト・サイド・ストーリー》のナタリー・ウッドの吹替をすることになる。
  モーツァルトの協奏曲は前半に演奏されたもの(CD‐Rには4月3日録音とあるが誤り)。ホルショフスキとの共演が珍しい。当日は他にペルゴレージの弦楽のためのコンチェルティーノ第4番と、ルーニング=ウッサチェフスキー(Luening-Ussachevsky)の『テープ・レコーダーと管弦楽のためのコンサーティド・ピース』とラヴェルのラ・ヴァルスが演奏された。



4.2(土)

ジャズ『エッセン・ジャズ・フェスティヴァル・オールスターズ』(9曲)

コールマン・ホーキンス(ts)バド・パウエル(p)オスカー・ペティフォード(b)ケニー・クラーク(dr)
グルーガハレ、エッセン(ライヴ商業録音、ステレオ)
[徳間;TKCB70884](DEBUT原盤)

  初期の秋吉敏子は「和製バド・パウエル」の印象があった。それほど影響を与えたパウエル(1924生)が同日のライヴ録音を残しているのは面白い。ただし場所はドイツ、第2回エッセン・ジャズ・ターゲの会場である。パウエルは59年からパリに移住していた。テナー・サックスの草分けホーキンス(1904生)などとの豪華な顔合わせ。



4.2(土)
 or3(日)

ジャズ『Dave Brubeck Quartet / Essen Grugahalle 1960』(6曲)

デイヴ・ブルーベック・クァルテット
グルーガハレ、エッセン
[DELTA;N 77 003](2010)

  1959年に開始されたエッセン・ジャズ・ターゲの2年目のライヴで、音源はケルンの西部ドイツ放送(WDR)提供。12000人収容の巨大なグルーガハレで2日と3日に開催されたこのジャズ祭には、ミハエル・ナウラ・クインテット、コールマ・ホーキンズ・クァルテット、オスカー・ペティフォード・トリオ、クインシー・ジョーンズとそのオーケストラ、マキシム・サウリとそのニューオリンズ・サウンド、ピーナッツ・ホランド、シャンピオン・ジャック・デュプレ、ステファン・グラッペリ、マギー・スパニア、ダッチ・スウィング・カレッジ・バンドが参加した。


4.2(土)

カントリー・ラジオ番組『グランド・オール・オプリ/プリンス・アルバート・ショー』より《ラブシック・ブルース》

パッツィ・クライン(Vo)、ほか
ライマン公会堂、ナッシュビル
[MCA RECORDS;MCAD-42142]

  『PATSY CLINE LIVE AT THE OPRY』所収。『グランド・オール・オプリ』については1.9のジム・リーヴズの項を参照。パッツィ・クライン(1932生)は1963年に飛行機事故で早世したこともあって伝説的存在となった女性カントリー歌手。



4.2(土)

ジャズ『ライヴ・アット・バードランド』(4曲)

トシコ=マリアーノ・カルテット
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[FRESH SOUND RECORDS;FSCD-1021]

  秋吉敏子(1929生)はアメリカで認められた最初の日本人ジャズ奏者。56年渡米、ボストンのバークリー音楽院に学んで59年卒業、同年秋にアルト・サックス奏者のチャーリー・マリアーノと結婚、かれと結成したカルテットで本格的に活動を始めた。「ワールド・ジャズ・コーナー」と呼ばれ、憧れのジャズ・クラブだったバードランドに出演したさいのライヴ。



4.3(日)

ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》

ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送so
コーミッシェ・オーパー、東ベルリン
[ODE;ODCL1014]

  ケーゲル(1920生)が手兵とともに東ベルリンを訪れたライヴ。名演出家フェルゼンシュタインが活躍するコーミッシェ・オーパーは、演奏会場としても用いられていた。ケーゲルは1月と3月に《カルメン》全曲をセッション商業録音している。



4.3(日)

コープランド;歌劇《セカンド・ハリケーン》

音楽芸術高校のソリストと合唱団
レナード・バーンスタイン(語り)指揮ニューヨークpo
コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK60560]

  午後の定期演奏会の前か後かに録音されたもの。いつもの月曜日ではなく日曜日録音なのは、高校生が出演しているためだろうか。同じメンバーによる実演は同月23日のヤング・ピープルズ・コンサートで行われた。(参照4.2)



4.3(日)


ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》第4楽章
シューベルト:軍隊行進曲

伊藤京子(S)佐々木成子(A)石井昭彦(T)中山悌一(Br)
山田夏精指揮フィルハーモニー交響楽団、東京混声合唱団
文京公会堂、東京(セッション商業録音、ステレオ)
[タワーレコード;NKCD 6533](2011)
25cmLP〈キング;SKF-3001〉

  夏精(かせい)こと山田一雄(1912生)によるスタジオ録音。キングレコード初のステレオ録音。小中学校の鑑賞用教材とすることを目的として録音されたもの。合唱が歓喜の歌を総唱する部分(543小節以下)のみを、小学校の必修歌唱教材の日本語訳詞(岩佐東一郎訳)で歌い、他の部分をドイツ語で歌うという「珍盤」になっている。その後、録音の存在さえほとんど忘れられているのは、この歌い分けのためかもしれない。
  当時のキングレコードのプロデューサー長田暁二によると、このオーケストラ(長田は「フィルハーモニア交響楽団」と呼んでいる)の実態は、NHK交響楽団だったという。



4.3(日)


ハイドン:交響曲第102番
モーツァルト:交響曲第38番《プラハ》
ヘンデル(ビーチャム編):組曲《ラヴ・イン・バス》

トマス・ビーチャム指揮CBCso
トロント
[MUSIC & ARTS;CD-1255](2011)

  4枚組『BEECHAM IN TORONTO』所収。ビーチャム(1879生)は前年12月から4月にかけてアメリカ楽旅をおこなった。北米のピッツバーグ、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ワシントン、そしてカナダで演奏会を行なったうち、シアトル、ヴァンクーバー、シカゴ、トロントの演奏会の録音や録画が残っている。4月3日から7日までのこのトロント客演が、現時点ではかれの最後の録音となる。4月12日に帰英後、5月7日のロイヤルpoとの演奏会が生涯最後の演奏会となる。



4.3(日)(?)

ジャズ『MILES DAVIS QUINTET WITH JOHN COLTRANE / THE 1960 GERMAN CONCERTS』より4曲

マイルス・デイヴィス・クインテット
ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン(ステレオ録音)
[JAZZ LIPS;JL776](2010)

  この年のマイルスの2回のヨーロッパ・ツアーを通じて、唯一のステレオである点で貴重な録音。
  2枚組CD-R『MILES DAVIS & JOHN COLTRANE LIVE IN EUROPE 1960』では、3月22日ストックホルムでの録音とするもの。だが本CDでは月日場所は不明なものの「ドイツ国内であることは確実」とし、《ソー・ホワット》が2回演奏されていることから、ミュンヘンでの録音と推定している。



4.3(日)
 &4(月)





ワーグナー:ジークフリート牧歌

ヴォルフガンク・サヴァリッシュ指揮ウィーンso
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[PHILIPS;422 4802]

4.4(月)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番

ゲザ・アンダ(p)
コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ケルン放送so
ケルン
[AUDITE;23.407]

  2枚組「EDITION GEZA ANDA VOL.Ⅰ」所収。翌日のシューマン、2日後のブラームスの独奏曲もCD化されている。



4.4(月)

ブラームス:交響曲第1番

フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(?)
CD-R〈HOSANNA;HOS-11〉

  CD-R表示の日付が正しければ、ロンドンへの客演ということになる。ただし『レコード芸術』60年6月号には、この日の曲目はブラームスのピアノ協奏曲第2番(カッチェン独奏)と《エロイカ》などだったとある。カッチェンは同じ協奏曲を8日後の12日と13日にフェレンチーク指揮でデッカに録音している。



4.4(月)


ヴェルディ:歌劇《アイーダ》全曲(スウェーデン語版)

アニタ・ヴェルッキ(S)バルブロ・エリクソン(Ms)セット・スヴァンホルム(T)ジーグルト・ビョルリング(Br)エリク・セデン(Bs)ほか
シクステン・エールリング指揮ストックホルム王室歌劇場o、同cho
王室歌劇場、ストックホルム
CD-R〈PREMIERE OPERA CD1636-2〉



4.4(月)

プロコフィエフ:バレエ《ロミオとジュリエット》より2曲
ベルリオーズ:劇的交響曲《ロミオとジュリエット》より第2部
チャイコフスキー:幻想序曲《ロミオとジュリエット》

セルジュ・チェリビダッケ指揮トリノRAIso
RAI公会堂、トリノ(ステレオ録音)
[FONIT CETRA;CDAR2013](1994)

  シェークスピアの『ロミオとジュリエット』による音楽を集めた演奏会。



4.4(月)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
カセッラ:パガニニアーナ

ルドルフ・ゼルキン(p)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SICC536](ブラームス、CBS原盤)

  カセッラは未CD化。ブラームスは翌5日のカーネギー・ホールでの演奏会で取りあげられたという。




4.4(月)




  この日、安益泰(アン・イクテ)がABC交響楽団を指揮して日比谷公会堂で演奏会を開いた。
  1905年(06年とも)にソウルで生まれ、東京高等音楽学院(現在の国立音楽大学)を経てフィラデルフィアとウィーンに留学してR・シュトラウスなどに師事した。欧米各地で活動したのちスペイン貴族の女性と結婚してスペイン国籍となり、マリョルカ交響楽団の指揮者となった。
  当夜の曲目は、自作の交響的幻想曲《朝鮮》(当時の日本語表記は《韓国》だが、南北のつかないKOREAだから、この方が適当だろう)と、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と《悲愴》交響曲。この曲の後半では安が曲をつけた《愛国歌》が合唱つきで引用されてクライマックスをなす。《愛国歌》は大韓民国(韓国)の実質的な国歌で、当初は《蛍の光》の旋律で歌われていたが、滞米中の安が1935年に新たに曲をつけた(このとき交響的幻想曲自体がつくられたのかどうかは不明)もの。1948年の韓国建国の際に実質的国歌となった。
  この演奏会の前後、韓国は国家的混乱状態にあった。3月15日の大統領選挙での李承晩(イ・スンマン)現大統領による不正に対して、その失政と独裁に不満を強めていた国民の怒りが爆発しつつあり、4月26日のデモによって李大統領がハワイに亡命して李政権は打倒される。
  翌1961年のライヴ録音がCD化されている[NICES;SCO-079ETA]。作曲者がロスアンジェルス・フィルを指揮したもので、合唱はおそらく現地の朝鮮人移民たちだろう。



4.4(月)
 -6(水)

メンデルスゾーン:交響曲第4番《イタリア》
ベートーヴェン: 12のドイツ舞曲(一部分)

ロリン・マゼール指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;00289 477 525-4]

  8枚組「LORIN MAAZEL/COMPLETE EARLY BERLIN PHILHARMONIC RECORDINGS 1957-1962」所収。ドイツ舞曲は6日に録音。1959.11.24と1960.3.29も録音日として表記されている。



4.上旬(?)











ショパン(ストコフスキー編);マズルカ第13番、前奏曲第24番、ワルツ第7番
ワーグナー(ストコフスキー編);ヴォータンの告別と魔の炎の音楽
バルトーク;管弦楽のための協奏曲
キャニング;賛美歌の旋律による幻想曲

レオポルド・ストコフスキー指揮ヒューストンso
シヴィック・センター、ヒューストン(セッション商業録音、ステレオ)
[EVEREST;EVC9048(ショパン)、9024(ワーグナー)、9008(バルトーク)、9004(キャニング)]

  日付不詳。ストコフスキー(78歳)は当時ヒューストンsoの音楽監督。4日と5日に定期演奏会(ドイツ・レクイエムなどブラームスの作品)を行っているので、その前後の録音だろう。
  ショパンとワーグナーの曲は3月14日と15日の定期演奏会で《田園》交響曲などとともに演奏され、バルトークとキャニングは3月28日と29日にモーツァルトのホルン協奏曲第4番、カウエルの交響曲第12番とともに演奏されている。

4.5(火)





ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

ダヴィート・オイストラフ(vn)
ヴィットリオ・グイ指揮ミラノRAIso
RAI公会堂、ミラノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;CDMP418.1]



4.5(火)

スッペ:《ウィーンの朝昼晩》
サン=サーンス:交響詩《オンファールの糸車》
シベリウス:《カレリア》組曲より行進曲
マスネ:オラトリオ《聖母》より「聖母の永眠」
ロッシーニ:歌劇《どろぼうかささぎ》序曲

トマス・ビーチャム(指揮と解説)トロントso
トロント
[MUSIC & ARTS;CD-1255](2011)

  4枚組『BEECHAM IN TORONTO』所収。3日の演奏会に続くテレビ用の公開番組(現存するのは音声のみ)で、ビーチャム得意の『LOLLIPOPS』。ただし2月18日シアトルでのロリポップスも録音が残っているが、まったく曲目が異なっているのが、さすが。ビーチャム自身による解説で聴衆を笑わせている。



4.5(火)

映画『プライマリー』(予備選挙)

ジョン・F・ケネディ、ヒューバート・ハンフリー、ほか
ロバート・ドリュー監督
DVD〈DOCURAMA;NVG-9562〉

  4月5日にウィスコンシン州で行なわれた、民主党の予備選挙(プライマリー)のドキュメンタリー映画。ケネディとハンフリーの一騎打ちの模様を描く。
  全米16州で行なわれる予備選挙は、民主・共和両党の大統領候補を目指す人物が出馬を強制されるものではない。しかし新進の志望者にとっては、自分の人気を党の内外に示す好機となる。とくに有望な者同士が激突する場合には、そこで勝利する意味が大きい。最初の予備選挙である3月8日のニュー・ハンプシャー州では有望者がケネディ一人だったため、ほとんど影響がなかった。しかし4月のウィスコンシン州では、かれとハンフリーの一騎打ちが実現し、俄然注目されることになった。このモノクロ映画は3月末から投票日までの両者の活動を描いたもの。
  勝利したのはケネディだが、楽勝という予想は外れて接戦となり、その人気を印象づけることができなかった。この結果、かれは民主党全国大会までの計8州の予備選挙で苦闘することになる。



4.5(火)

連続テレビ映画『快傑ハリマオ』第1回「拳銃少年」

勝木敏之(ハリマオ)、町田泉(太郎)、ほか
日本テレビ(カラー)
DVD〈ファーストトレーディング;TVH-001〉

  DVD『快傑ハリマオ』魔の城篇第1巻に所収。『快傑ハリマオ』はこの日午後7時30分に放送開始、翌年6月27日まで65回にわたって放送された30分間のテレビ番組で、最初の5回分はカラーで制作され、日本初のカラー・テレビ映画となった。1958年から59年まで日本初の連続テレビ映画として大人気を集めた『月光仮面』の影響で多数の「正義のヒーロー」物が制作されたうちの一つ。製作の宣弘社、監督の船床定男などは『月光仮面』と同じ。
  以後の放送もすべてDVD化されている。

  なお主題歌は三橋美智也の歌唱によるものが有名だが、第5回までは使われていない。三橋のスケジュールに空きがなく、なかなか録音できなかったためという。第1回は表記なしの男性歌手、第2回から第5回までは東京メール・クァルテットが歌った録音が使用されている。



4.5(火)
 &6(水)





シューマン:12の歌曲、歌曲集《ミルテの花》より7曲

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)イェルク・デムス(p)
ランクヴィッツ・スタジオ、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;POCG-30175](DGG原盤)



4.5(火)
 &6(水)







シューマン:《謝肉祭》、ロマンツェop.28-2
ブラームス:3つの間奏曲op.117

ゲザ・アンダ(p)
西部ドイツ放送局第2ザール、ケルン(セッション放送録音)
[AUDITE;23.408]

  2枚組「EDITION GEZA ANDA」VOL.ⅡとⅢ所収。《謝肉祭》のみ5日、他は6日の録音。



4.5(火)
 ~7(木)

チャイコフスキー:歌曲集(曲数不明)

ボリス・クリストフ(Bs)
アレクサンダー・ラビンスキー(p)
サル・ワグラム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;6 82937 2](2013)

  11枚組『BORIS CHRISTOFF』所収。1959.9.28-10.8にかけての録音と併せて、14曲が収録されている。



4.上旬(?)

談話『岩下社長 中南米視察帰朝談』

岩下文雄(談話)
東京芝浦電気本社(?)、東京
LP〈東芝;LR2〉

  月日不詳。東京芝浦電気の社長岩下文雄は2月1日から3月19日まで、北米と中南米を訪問した。帰国後、幹部社員を前に語った談話をLP化したもの(非売品)。
  営業所と工場進出の下見を目的とした中南米視察のことも後半で語られるが、前半の北米訪問のほうに時間が割かれている。日本の国際的競争力が増しつつある状況を反映して、GEやRCA、キャピトル等の幹部と会談し、アメリカでも日本と東芝が認められつつあること、一方的に援助を受ける関係からライバル関係に変わりつつあることなどが語られている。東芝の売上は前年比45パーセント増だと話しているから、たしかに凄い成長ぶりだ。まだ海外渡航は自由化されておらず(自由化は64年)、商用か留学などでしか渡航が許されず、所持できる外貨にも制限があるという時代である。そんな特別な機会の視察旅行だからこそ、わざわざLP化されたのだろう。市販LPが現在の価値なら2万以上もしたという時代の話である。東芝自慢のホコリのつきにくい「エバークリーン」(赤い半透明の材質)盤。



4.6(水)

モーツァルト:交響曲第35番《ハフナー》
ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》

エリナー・スティーバー(S)フレイダ・グレイ=マッセ(Ms)ジョン・マッカラム(T)デイヴィッド・ローラン(Bs)
ピエール・モントゥー指揮ボストンso、プロムジカcho
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
CD-R〈KAPELLMEISTER;KMS 046〉(ベートーヴェンのみ、他は未レコード化)

  4日に85歳になったモントゥーの誕生日を祝う年金基金演奏会。RCAが録音したとする説もあるが、現在まで陽の目を見ていない。ボストン交響楽団のアーカイヴズには、放送局音源のステレオ録音(実際のラジオ中継はモノーラルだったが、実験的にステレオ録音も行なわれていた)が現存している。
  この後モントゥーはロンドンに渡って13日にロイヤル・フィルを指揮、20日から24日はウィーンで録音と実演を行い、29日には再びロンドンでロンドン交響楽団を指揮してドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》の演奏会形式上演、5月6日には《ダフニスとクロエ》などのラヴェル演奏会、10日と11日にはセッション録音など、精力的に活動している。



4.6(水)



  大阪国際フェスティバルの招きにより、この日、チェコ室内oが来日した。大阪に続いて4月13日の文京公会堂から東京公演を行なったが、東京の方は入場者が150人程度しかおらず、「戦後最低」(週刊新潮)といわれるほどの不入りに終わった。宮澤縦一によると初日は開演10分前になっても一階席に客が5、6人しかいなかったという。
  5月のボストンso来日にそなえて、ファンが買い控えてしまったらしい。当時の日本では、演奏会に通える余裕のある人はとても限られていたのである。
  1960年にセッション録音したモーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークと喜遊曲K136がCD化されている[SUPRAPHON;SU3565-2 011]。
  この2曲は来日公演でも演奏されており、『レコード芸術』昭和35年6月号でのヴラフへのインタビュー(訊き手:藁科雅美)によると、「来日前に(…)録音した」とあるから、3月頃の録音かも知れない。



4.7(木)

ヴェルディ:歌劇《シモン・ボッカネグラ》全曲

レナータ・テバルディ(S)リチャード・タッカー(T)フランコ・グァレッラ(Br)ほか
ディミトリ・ミトロプーロス指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
〈未レコード化〉

  5日前の2日のラジオ放送とはキャストが異なる。3月5日の《アンドレア・シェニエ》同様、これもプロンプター・ボックスでの録音らしい。



4.7(木)







マーラー:交響曲第3番

ルート・ジーベルト(A)
カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so、同cho、エバーハルト=ルートヴィヒ・ギムナジウム少年cho
リーダーハレ、シュトゥットガルト
[ARCHIPHON;ARCH-2.6/7]or[HANSSLER;CD93.151]

  シューリヒト(1880生)のマーラーは商業録音が残されていないが、実際にはかなり好んでおり、芸歴の初期から何度も演奏していた。



4.7(木)

ハイドン:交響曲第94番《驚愕》
R・シュトラウス:歌劇《火の欠乏》より〈愛の場面〉
ブラームス:交響曲第2番

トマス・ビーチャム指揮CBCso
トロント
[MUSIC & ARTS;CD-1255](2011)

  4枚組『BEECHAM IN TORONTO』所収。3日と7日の演奏会に続き、現時点でのかれの最後の録音。有名交響曲の間に《火の欠乏》なんて曲を挟むのが、ビーチャム流。



4.7(木)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番、大フーガ

ブダペスト弦楽四重奏団
国会図書館クーリッジ講堂、ワシントンDC
[BRIDGE 9072A/C]

  全曲演奏会から。(参照4.1)



4.7(木)
 -14(木)


ビゼー:歌劇《カルメン》抜粋

ジャーヌ・ロード、アンドレア・ギオ(S)アルベール・ランス(T)ロベール・マッサール(Br)ほか
ロベルト・ベンジ指揮パリ・オペラ座o&cho
サル・アポロ、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[PHILIPS;446 118-2](1994)

  オペラ座で1959年11月10日に初演されたプロダクションに基づく抜粋盤。主要キャスト、指揮者ともすべて初演と同一である。パリでは《カルメン》は初演以来オペラ・コミークで上演されており、これがオペラ座での初の上演だった。
  映画監督レイモン・ルローによる演出は、合唱100人、その他の出演者100人、バレエ40人、馬15頭、ロバ、犬、猿、オウムなどが登場し、衣裳463着などを用いる超豪華版で、1970年まで用いられた。1961年9月には日本公演も行なっている。
  天才少年指揮者といわれたベンジ(ベンツィ、1937生)とカルメン役のロード(1929生)は1966年に結婚することになる。



4.8(金)(?)

ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》

コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ベルリンpo
ベルリン高等音楽院コンツェルトザール、西ベルリン
CD-R〈リヒトホーフェン ディスク;RICHT-88080〉(2010)

  日付も演奏者も推測による。偽名盤、覆面盤として有名なLP〈ALLEGRO;ALL701〉の板起しのCD-R。オリジナル盤にはフリッツ・シュライバー指揮ドレスデン国立交響楽団と表記されているが、この指揮者は実在しない。雄渾な演奏ぶりからフルトヴェングラー指揮ではないかと噂されたことで同レーベルのなかでも特に有名になった盤の一つだが、現在はフルトヴェングラーではないとされる。その後、カラヤン指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団の戦時中の録音と同一とする説も出たが、これも否定されている。
  CD-Rは、4月8日から10日にかけて行われたシルヴェストリ指揮ベルリン・フィルの定期演奏会でのライヴ録音ではないかと表記している。ただし制作側の個人的推測によるもので、明確な根拠があるわけではない。



4.8(金)

ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》
レスピーギ:交響詩《ローマの泉》
R・シュトラウス:交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》

ピエール・モントゥー指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
[VIRTUOSO;3502](R・シュトラウスのみ) 〈他は未レコード化〉

  定期演奏会のライヴ。『THE MONTEUX LAGACY』[VIRTUOSO;3502]は9日と誤記。フリッチャイが指揮する予定だったが急病でモントゥーに交替。(参照4.6)



4.8(金)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ヴァン・クライバーン(p)
フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT2 1460](2010)
  RCAが演奏会を録音していたが、テスタメントが発売したのは50年後。クライバーンとライナーの初顔合わせのライヴ。以後、二人は深い信頼関係を築き、実演と録音で共演を重ねることになる。4日後の演奏会のシューマンと同じCD。シューマンは16日に商業録音されたが、このブラームスは1年後の1961年5月に収録された。



4.8(金)

ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》

パウル・ヒンデミット指揮ヘッセン放送o
フランクフルト
[RED HEDGEHOG;CD 03-010]



4.8(金)

ルイス・フレイタス・ブランコ:交響曲第4番

ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ指揮リスボン国立so
ポルトガル国営放送スタジオA、リスボン
[PORUTUGALSOM;SP4111]

  ルイスはブランコ(1896生)の実兄で、ポルトガルを代表する作曲家。



4.8(金)

ヴェルディ:歌劇《マクベス》全曲

アミー・シュアード(S)アンドレ・タープ(T)ティト・ゴッビ(Br)ほか
フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o、同cho
コヴェント・ガーデン劇場、ロンドン
[BELLA VOCE;BLV107.203]

  3月31日に新演出初演されたもの。マクベス夫人役は当初の予定ではカラスだったともサザランドだったともいわれるが、結局シュアード(1927生)が歌った。演劇の『マクベス』は、オペラの《運命の力》(ウォレンが急死した作品)や歌舞伎の『東海道四谷怪談』と同様に、不吉な芝居といわれる。偶然だがシェークスピアの母国イギリスのこの公演では、ゴッビがこの日の公演で上演中にインフルエンザで咽喉を傷め、その後2ヶ月間、歌唱不能になった。7月前半の《道化師》録音が復帰となるらしい。舞台復帰は8月6日のヴェネツィアの《オテロ》からである。



4.8(金)

ガブリエリ:戦争のアリア(ゲディーニ編曲)

セルジュ・チェリビダッケ指揮トリノRAIso
RAI公会堂、トリノ(ステレオ録音)
LP〈CETRA;LAR32〉

  この日はガブリエリの作品ばかりが4曲取りあげられた。



4.8(金)

フォーク『オデッタ・アット・カーネギー・ホール』(15曲)

オデッタ(vo&g)ビル・リー(b)
主キリスト教会cho
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音)
[キング;KICP138](VANGUARD原盤)

  アメリカの大都市の大学生などインテリ層は、ロックンロールよりもアコースティックなモダン・フォークに目を向けていた。黒人女性オデッタ(1930生)はそのスターのひとり。フォークの主舞台はコーヒーハウスだが、ここではカーネギー・ホールの晴れ舞台を踏んでいる。ホールが取り壊される前に録音しておこう、という意図があったのかも知れない。



4.8(金)





ジャズ『ライヴ・イン・チューリヒ』(4曲)

マイルス・デイヴィス・クインテット
コングレスハウス、チューリヒ
[JAZZ UNLIMITED;JUCD2031]

4.9(土)

ワーグナー:舞台聖祓祝典劇《パルジファル》全曲

マーガレット・ハーショウ(S)カール・リープル(T)ジェローム・ハインズ(Bs)ほか
エーリヒ・ラインスドルフ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0335](2011)

  欧米では《パルジファル》は復活祭の前後によく上演される。メトでは15日の聖金曜日(受苦日)にも上演された。ラインスドルフ(1912生)がメトでワーグナーを指揮するのは15年ぶりのことである。



4.9(土)

ジャズ『ソー・ホワット』(4曲)

マイルス・デイヴィス・クインテット
クアザール、スヘーベニンゲン、オランダ
[LONEHILLJAZZ;LHJ10206]

  午後8時15分から演奏され、そのままアムステルダムに移動して午前0時からコンセルトヘボウで公演したという。マイルスのヨーロッパ・ツアーは翌10日のシュトゥットガルト公演で終わる。



4.9(土)


落語『三軒長屋(下)』

六代目 三遊亭圓生
東横劇場(?)、ラジオ東京
[テイチク;TECR-20029]

  放送は22日。圓生(1900生)は1時間の長い噺の、後半のみをやっている。



4.10(日)

モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より〈悪者の正体がわかったでしょう〉

レオンティン・プライス(S)
ピーター・ハーマン・アドラー指揮NBCテレビ・オペラo、同cho
NBCテレビ、ニューヨーク
[LEGATO;LCD234-1]〈全曲は未レコード化〉

  テレビ用の全曲録音からの抜粋。英語訳詞。NBCテレビは49年からオペラ全曲をスタジオ収録で放送していた。CDには登場しないが外題役はシエピである。アドラー(1899生)はテレビ・オペラの音楽監督だった。

  なおこのCDには1960年カーネギー・ホールでのバーンスタイン指揮による《アイーダ》の〈おお、我が祖国〉という録音も含まれているが、これはバーンスタイン&ニューヨーク・フィルの1961年1月22日放送のテレビ番組『Romanticism in Music", 22 January 1961』内での歌唱。



4.10(日)



ロッシーニ;歌劇《アルジェのイタリア女》序曲
ブロッホ;聖なる礼拝(アヴォダート・ハコデシ)

ロバート・メリル(Br)Dr.ユダ・カーン(ラビ)
メトロポリタン・シナゴーグ聖歌隊、ニューヨーク・コミュニティ・チャーチ聖歌隊
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
マンハッタン・センター、ブルックリン(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SRCR9448](ロッシーニ) [SONY;SRCR8991~2](ブロッホ)

  《聖なる礼拝》は59年に亡くなったブロッホが33年に完成した、ユダヤ教の安息日礼拝のための音楽。アメリカのユダヤ人社会を意識しての録音だろう。この定期は「音楽における20世紀の課題」と題されたシリーズのひとつで、「神の探求」と名づけられていた。曲目はカーネギー・ホールでの午後の演奏会終了後、会場を移して夜に録音。セッションを見学した松田十四郎(東芝の音楽ディレクター)によると、3時間ほどでテキパキと完成させたという。日曜日に録音しているのは、合唱団がアマチュアのためだろう。



4.10(日)









バッハ:パッサカリアとフーガBWV.582
J・C・バッハ:2つのオーケストラのためのシンフォニアop.18-1
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》、弦楽のためのセレナード

ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;MH2K 62345](バッハ)
[ソニー;SRCR1508](悲愴)
[SONY;SBK46538](セレナード)



4.10(日)








池野成:映画『電送人間』サウンドトラック

オーケストラ
東宝撮影所録音センター、東京世田谷(?)
[ソウブンレコード;SOWR-1001/2]
DVD〈東宝;TDV151770〉

  2枚組『池野成の音楽』所収。日付は封切日。池野成(1931~2004)は伊福部昭の愛弟子で、映画音楽の分野でも活躍した。
  『電送人間』は福田純監督、鶴田浩二、白川由美、中丸忠雄出演の特撮映画。東宝の同種の怪奇SFには『美女と液体人間』『ガス人間第一号』などがある。



4.10(日)
 -14(木)





ハイドン:交響曲第100番《軍隊》、交響曲第103番《太鼓連打》

ベルンハルト・パウムガルトナー指揮カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク・モーツァルテウム
モーツァルテウム、ザルツブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア;COCQ-84385](EURODISC原盤)

  パウムガルトナー(73歳)は1917年からモーツァルテウム音楽院の院長を務める人物。

4.11(月)





ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》序曲、レオノーレ序曲第3番

ヨーゼフ・カイルベルト指揮ベルリンpo
リヒターフェルダー・フェストザール、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[ワーナー;WPCS-6057](TELDEC原盤)

4.11(月)

ヘンデル:歌劇《ジュリアス・シーザー》抜粋

イルムガルト・ゼーフリート(S)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)ヴォルフガンク・マイヤー(cemb)
カール・ベーム指揮ベルリン放送so
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;445 061-2]

  ベーム(1894生)の録音歴では珍しい作品。イタリア語版。



4.11(月)

ビゼー:歌劇《真珠採り》全曲(英語訳詞版)

エヴァ・ジューン(S)チャールズ・クレイグ(T)ピーター・グロソップ(Br)ほか
ヴィレム・タウスキー指揮サドラーズ・ウェルズ劇場o、同cho
サドラーズ・ウェルズ劇場、ロンドン
CD-R〈OPERA DEPOT;OD 10597-2〉(2012)

  ロンドンのもう一つの歌劇場で、英語で大衆的なプログラムをメインにするのがサドラーズ・ウェルズ劇場(現在のイングランド・ナショナル・オペラ)。これは2月17日に初日を迎えた公演。初日はソプラノがジューン・ブロンヒルだった。



4.11(月)





シューベルト:交響曲第5番

カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so
ヴィラ・ベルク・ゼンデザール、シュトゥットガルト放送局
[HANSSLER;CD93.292](2012)

  10枚組「カール・シューリヒト・コレクション第2集」所収。



4.11(月)
 &12(火)

チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》

パウル・クレツキ指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[MEDICI MASTERS;MM018-2](EMI原盤)

  クレツキは続けて13&14日に《シェエラザード》を録音しているが、未CD化。9日後にはポリーニとショパンのピアノ協奏曲第1番を録音する。



4.11(月)
 -13(水)





ジャズ『ヨーロピアン・コンサート』(15曲)

モダン・ジャズ・カルテット
ストックホルム&エーテボリ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ATLANTIC;AMCY-1023~4]

  11日と13日がストックホルム、12日がエーテボリのライヴ。

4.12(火)





ヘンデル(ハーティ編):《水上の音楽》
ブラームス:交響曲第2番

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
サンダース劇場、ハーヴァード大学、ケンブリッジ
DVD〈ICA Classics;ICAD5057〉(2012、ヘンデル)
DVD〈ICA Classics;ICAD5029〉(2011、ブラームス)

4.12(火)

シューマン:ピアノ協奏曲

ヴァン・クライバーン(p)
フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT2 1460](2010)

  4日前のブラームスと同じCD。4日後にこの曲をRCAに商業録音している。



4.12(火)(?)

モーツァルト:モテット《踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ》、ほかアリア計6曲

エレノア・スティーバー(S)
ロバート・ローレンス指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[VAI;VAIA1031](ST/AND原盤)

  スティーバー(1914生)は13日にカーネギー・ホールでオーケストラ伴奏によるリサイタルを開いた。自身のレーベルST/ANDにライヴ録音しようとしたところ、ホール側の許可がおりなかったため、別のスタジオで行なったドレス・リハーサルをステレオ録音した。
  CDにはオーケストラ名の記載はないが、スティーバーの自伝にシンフォニー・オブ・ジ・エアだったとある。



4.12(火)
 &13(水)





モーツァルト:ピアノ協奏曲第23、24番

ヴィルヘルム・ケンプ(p)
フェルディナント・ライトナー指揮バンベルクso
クルトゥーアラウム、バンベルク(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;POCG-3393/4](DEUTSCH GRAMMOPHON原盤)

4.12(火)
 &13(水)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ジュリアス・カッチェン(p)
ヤーノシュ・フェレンチーク指揮ロンドンso
アセンブリー・ホール、ウォルサムストウ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;POCL-90102](DECCA原盤)

  カッチェンは4月4日にコンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウス管弦楽団のロンドン客演でこの曲を演奏していた。



4.13(水)

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番

ヘンリク・シェリング(vn)
パウル・ザッヒャー指揮南西ドイツ放送so
南西ドイツ放送局音楽スタジオ、バーデン・バーデン
[HÄNSSLER;CD93.129]

  南西ドイツ放送交響楽団のモーツァルト演奏を集めた2枚組『W.A.MOZART:CONCERTOS & ARIAS』に所収。音楽スタジオは現在ハンス・ロスバウト・スタジオと呼ばれている。



4.13(水)





落語『稽古屋』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送「お楽しみ演芸会」
[ポニーキャニオン;POCG-00294]

4.13(水)
 &14(木)





モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲
ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲

フリードリヒ・グルダ(p)
ウィーン・フィルハーモニー管楽アンサンブル
コンツェルトハウス・モーツァルトザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;POCG-6012](DEUTSCH GRAMMOPHON原盤)

4.13(水)
 -16(土)





オネゲル:交響曲第3番《典礼風》、第5番《3つのレ》

セルジュ・ボド指揮チェコpo
芸術家の家ドヴォルジャーク・ホール、プラハ(セッション商業録音、ステレオ)
[SUPRAPHON;11 0667-2]
4.13(水)
 -25(月)、 6.21(火)


ベートーヴェン:32の変奏曲、ピアノ・ソナタ第22番
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番、幻想曲

クラウディオ・アラウ(p)
アビー・ロード・スタジオNo.3、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;50999 9 184322 7](2011)

  アラウのEMI録音を集めた12枚組、ICONシリーズ所収。
  録音日はベートーヴェンの32の変奏曲が13、ソナタが13と14、ショパンのソナタが4.14、24、25と6.21。幻想曲は6.21。



4.14(木)

バッハ:カンタータ第4番《キリストは死の絆につかせたまえり》
モーツァルト:レクイエム

サラメー・エンディック(S)ベティ・アレン(Ms)チャールズ・カール・デイヴィス(T)マック・モーガン(Bs)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso、ニューイングランド音楽院cho
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  聖木曜日の定期演奏会のライヴ。



4.14(木)

バッハ:マタイ受難曲より〈汝、尊き救い主のきみよ~悔いの悲しみは〉

エルゼ・ブレームス(Ms)
モーゲンス・ウェルディケ指揮デンマーク放送so
デンマーク放送コンサート・ホール、コペンハーゲン
[DANACORD;511-512]

  『ELSE BREHMS /THE DANISH MEZZO-SOPRANO OF THE 20TH CENTURY』所収。ウェルディケ(1897生)は当時、北欧諸国を代表する合唱指揮者である。おそらく全曲演奏。キリストが「最後の晩餐」を行った日にちなむ聖木曜日は、1960年には4月14日だった。ボストンもコペンハーゲンも、この日にふさわしい曲目を選択している。また16日クリーヴランドのショーによる録音もある。録音の存在は確認できないが、カール・リヒター(1926生)もミュンヘンでマタイを指揮していた。


4.14(木)

チャイコフスキー:歌劇《マゼッパ》よりアリア

ハンス・ウィルブリンク(Br)
ボゴミル・レスコヴィチ指揮オランダ放送o
オランダ放送、ヒルベルスム
[PHILIPS 464 385-2]

  10枚組『HET PUIK VAN ZOETE KELEN』(The Cream of glorious voices)所収。レスコヴィチ(1909生)はスロヴェニア国立歌劇場の指揮者。



4.14(木)
 -20(水)

ヴォルフ:ゲーテ歌曲集(35曲)

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)ジェラルド・ムーア(p)
福音派教区集会所(エヴァンゲリッシェス・ゲマインデハウス)、西ベルリン、ツェーレンドルフ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 62188 2]

  7枚組のヴォルフ歌曲集に所収。セッションは14,16,19,20日に行われた。ディースカウとムーアによるゲーテ歌曲集は23日にベルリンで実演され、その後7月28日(ザルツブルク音楽祭)、8月21日(ミュンヘン音楽祭)、10月28日(ロンドン)でも歌われた。
  ハンス・A・ノインツィヒによる評伝『ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ』(小場瀬純子訳/音楽之友社)記載の公演記録によれば、この年のディースカウの「リートの夕べ」32回のうち、実に28回がヴォルフの歌曲だけで構成されていた(ゼーフリートとの共演による《スペイン歌曲集》2晩を含む。計33回とする資料もある)。



4.15(金)

ショパン:マズルカ第11、21、41、1、25、19、26、37、32番

パウル・フォン・シルハウスキー(p)
スコラ・カントルム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ACCORD;476 9011](2006、CLUB FRANCAIS DU DISC原盤)

  シルハウスキー(1918生)はザルツブルク生まれのピアニスト。当時は生地のモーァルテウム音楽院で歌曲解釈の講座を担当。1971年から校長を務めた。



4.16(土)





ブラームス:セレナード第2番

カール=アウグスト・ビュンテ指揮ベルリンso
ベルリン
[Bella Musica;BM312424](2009)


4.16(土)

バッハ:マタイ受難曲(英語版)

ブレーク・スターン(T)カーヴィン・マーシュ(Br)アデーレ・アッディソン(S)フローレンス・コプレフ(A)ジョン・マッカラム(T)ハーバート・ビーティ(Bs)
ロバート・ショー指揮クリーヴランドo、同cho、クリーヴランド・ハイツ高校グリーグラブの女生徒たち
セヴェランス・ホール、クリーヴランド(ステレオ放送録音)
[MUSICAL ARTS ASSOCIATION;MAA-40602]

  クリーヴランド管弦楽団の自主製作盤『ロバート・ショーの遺産』(7枚組)所収。ロバート・ショー(1916-99)は1956年以来クリーヴランド管弦楽団の准指揮者と合唱団の指揮者をつとめている。15日から17日まで演奏された。ショーはこの直後からミサ曲ロ短調のツアーを開始し、6月初めに商業録音することになる。



4.16(土)

チャイコフスキー:歌劇《イオランタ》より4曲

フシェリー・ド・フルーツ(S)ハンス・ウィルブリンク、レオン・コンベ(Br)フース・ホックマン(Bs)
ボゴミル・レスコヴィチ指揮オランダ放送o
オランダ放送、ヒルベルスム
[PHILIPS 464 385-2]

  10枚組『HET PUIK VAN ZOETE KELEN』(The Cream of glorious voices)所収。



4.16(土)

プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》全曲

ドロシー・カーステン(S)ユージン・フェルナンディ(T)ほか
ディミトリ・ミトロプーロス指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0297](2010)

  当日のヒロインはステッラ(1929生)が予定されていたが、代わってカーステン(1910生)が3年ぶりにメトに復帰した。3月24日の《蝶々夫人》でステッラは第2幕の後で単独のカーテンコールを求めたが、許されなかったために首脳陣と衝突したらしい。56年以来活躍していたステッラは、3月31日に《アンドレア・シェニエ》を歌ったのを最後にメトから離れる。メトはこの日で今シーズンの本拠地公演を終了、1か月半の地方巡業に出発する。



4.16(土)



シューベルト:交響曲第7番《未完成》
マーラー:大地の歌

モーリン・フォレスター(A)リチャード・ルイス(T)
ブルーノ・ワルター指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[WING;WCD27](シューベルト) [MUSIC & ARTS;CD-4206](マーラー)

  ニューヨーク・フィルのマーラー祭の掉尾を飾って、マーラーの弟子ワルター(1876生)が登場した。ワルターにとってはニューヨークでの最後の演奏会になる。57年の心臓発作以来、ワルターが実演に登場する機会はごく限られ、スタジオでの録音活動がメインになっていた。かれの健康に留意して定期の日程も変則化され、木曜から日曜までの4日間のうち、まず15日と16日の金曜と土曜、次に21日の木曜、24日の日曜と、分散して登場するように配慮された。



4.16(土)





シューマン:ピアノ協奏曲

ヴァン・クライバーン(p)
フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;09026-62691-2]

4.16(土)





ジャズ『LEE MORGAN/UNFORGETTABLE LEE!』より3曲

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[FRESH SOUND RECORDS;FSR-CD357]

4.16(土)

ラジオ・コマーシャル「自動車店レイ・フォード」

ジョニー・ホートン(Vo)
KWKH放送局(?)、シュリーヴポート
[SCENA RECORDS;271901-2]

  1.9、1.23と同じくジョニー・ホートン(1927生)の『ルイジアナ・ヘイライド・ライヴ録音集』所収。ヒット曲《ビスマルク沈みぬ》の旋律でシュリーヴポートの自動車店のコマーシャルをしている。ホートンは7か月後の11月5日、テキサス州オースティンで交通事故により急逝する。



4.16(土)






  ストコフスキー指揮のシンフォニー・オブ・ジ・エアのチルドレン・コンサート(《ピーターと狼》など)で、カーネギー・ホールの取り壊し中止と存続の決定が発表された。
  同時期にエヴェレスト盤の《ピーターと狼》(59年録音、ニューヨーク・スタジアムso)が発売されている。ナレーションをしたのは「キャプテン・カンガルー」ことボブ・キーシャン(1927生)で、当時CBSの子供番組で人気を得ていたコメディアンである。


4.中旬



ブロッホ;叙事的狂詩曲《アメリカ》
(?)トムソン;組曲《河》、《大平原を耕す鋤》組曲

レオポルド・ストコフスキー指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア、アメリカン・コンサートcho
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD;08 8014 71](ブロッホ)
[コロムビア(VANGUARD);COCQ83790](トムソン)

  日付不詳。ストコフスキーとシンフォニー・オブ・ジ・エアは16日昼に子供向け演奏会を行っているから、その前後だろう。このオーケストラは旧NBCsoの楽員たちによる自主運営楽団だが、苦しい経営状態が続いていた。5月から6月にかけてのストコフスキーとのヨーロッパ楽旅が発表されて話題となった。しかしマネージャーが誇大妄想狂的な若者の法螺話にだまされたもので、実現しなかった。
  トムソン作品は月日不詳だが、同時期の録音ではないかと思われる。ハントのディスコグラフィには1961年1月とあるが、年末にストコフスキーが臀部を負傷していることを考えると、不可能だろう。



4.16(土)

漫才『僕の漂流記』

中田ダイマル・中田ラケット
朝日放送(?)、大阪
[日本コロムビア;COCF-13121~28]

  8枚組「上方漫才黄金時代」所収。



4.16(土)
 -19(火)









シュラー:パウル・クレーの主題による7つの習作
ブロッホ:シンフォニア・ブレーヴェ
レスピーギ:交響詩《ローマの噴水》、《ローマの松》
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、前奏曲op23-6、3-2

バイロン・ジャニス(p)
アンタル・ドラティ指揮ミネアポリスso
ノースロップ公会堂、ミネアポリス(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;434 329-2](シュラー&ブロッホ)
[MERCURY;432 007-2](レスピーギ)
[MERCURY;432 759-2](ラフマニノフ)

  シュラーは16&17日、ブロッホは17日、ラフマニノフは前奏曲が17日、協奏曲が18&19日の録音。19日に《ローマの噴水》と《ローマの松》も録音された。
  このほか、16&17日にはドラティ自作の交響曲、フェトラーの《オーケストラのためのコントラスツ》も録音されたが、未CD化。



4.18(月)

歌舞伎十八番『勧進帳』

八代目松本幸四郎、七代目尾上梅幸、十七代目中村勘三郎、ほか
キングレコード・スタジオ、東京音羽(セッション商業録音、ステレオ)
[キング;KICX 7036]

  当時の名優たちがレコード用にステレオ録音した盤。長唄囃子連中も山田抄太郎(三味線)、藤舎呂船(小鼓)など、実際の歌舞伎の舞台にはまず出ないような、芸大の教授連が顔を揃えた豪華なものである。役者も幸四郎と勘三郎など吉右衛門劇団を主体に、菊五郎劇団の梅幸が加わる形で、実際の舞台とは異なるレコードならではの顔合わせとなっている。
  この月の吉右衛門劇団は木挽町の歌舞伎座で「三代目中村時蔵追善、四代目中村時蔵襲名披露」と銘打ち、1日から25日まで連日公演していた。4月の歌舞伎座公演を終えると、勘三郎は翌5月の大阪新歌舞伎座での時蔵襲名披露公演に出演。さらに翌々6月には、訪米歌舞伎の一員としてアメリカに渡る。幸四郎の方は6月産経ホールでの『オセロ』公演(新珠三千代、森雅之、沢村貞子など、特定の劇団の枠に縛られずにプロデューサー吉田史子が選抜した出演者によるもので、日本初の本格的なプロデューサー・システムによる公演と謳われていた)に備えて、1か月の稽古期間に入る。1か月かけての稽古など、自転車操業でひたすらに公演するだけの松竹歌舞伎では考えられないことだった。
  こうした松竹歌舞伎への不満から、幸四郎とその息子染五郎と万之助以下の一門30余人は、翌1961年2月に東宝への移籍を発表することになる。吉右衛門劇団は団員の約半数を失い、松竹の二大劇団制は事実上崩壊した。結局、幸四郎は69年に松竹とも復縁する。
 レコードは2か月半後の7月上旬に発売された。



4.18(月)
 &19(火)







チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ウェーバー:コンツェルトシュトゥック

クラウディオ・アラウ(p)
ガリエラ指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE1226](チャイコフスキー)
[EMI;7243 5 62885 2 2](ウェーバー)

  コンツェルトシュトゥックは19日だけで録音。4.14~のショパンのソナタと同じCD。



4.18(月)
 &25(月)

マーラー:大地の歌

ミルドレッド・ミラー(Ms)エルンスト・ヘフリガー(T)
ブルーノ・ワルター指揮ニューヨークpo
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SRCR2336]

  実演と並行して2度の月曜日に録音されたもの。ただし歌手は契約の関係で(実演の2人は同曲をRCAに去年録音したばかりだった)交代している。18日にテノール部分、25日にメゾ部分と分けて録音されたらしい。



4.18(月)
 &21(木)

ベートーヴェン;ミサ・ソレムニス

アイリーン・ファレル(S)キャロル・スミス(A)リチャード・ルイス(T)キム・ボルイ(Bs)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo、ウエストミンスターcho
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SM2K47522]

  ワルターの変則日程に合わせて、バーンスタインは14、17、22、23の定期でミサ・ソレムニスを演奏した。録音はその間の月曜と木曜に行っている。18日はワルターが終えてから録音した。調整室でワルターの録音を見学したバーンスタインは「なぜこうするんだろう」と文句ばかりつけていたという。
  両方の演目に出たテノールのルイス(1914生)は実演8日と録音が1日、11日間に9日歌ったことになる。



4.19(火)

ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調Hob.XVII-6

アルトゥール・ルービンシュタイン(p)
ニューヨーク(?)(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCY-34009~100]

  94枚組「アルトゥール・ルービンシュタイン大全集」第36巻。ルービンシュタインの1960年の数少ない商業録音。



4.20(水)





ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》

ヴィルヘルム・バックハウス(p)
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
コングレスハレ(?)、ライプツィヒ
[PILZ;CD78 001]

4.20(水)

ベートーヴェン:交響曲第1番

ヴィルヘルム・シュヒター指揮NHKso
杉並公会堂、東京荻窪(NHKによるセッション放送録音)
〈未レコード化〉

  シュヒター(1911生)は前年からN響の常任指揮者。放送は7月10日に行なわれた。



4.20(水)
 &21(木)

ショパン:ピアノ協奏曲第1番

マウリツィオ・ポリーニ(p)
パウル・クレツキ指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 67549 2 8]

  ショパン・コンクール優勝から1ヶ月後、EMIはすばやくポリーニ(1942生)と契約して録音を行なわせた。しかしその後は68年まで、ポリーニは一切の商業録音をしないことになる。贅沢なことに録音のためだけのロンドン訪問で、実演でのロンドン・デビューは11月にロンドンsoとの共演で予定されていた。



4.20(水)
 -24(日)

ベートーヴェン:交響曲第1番

ピエール・モントゥー指揮ウィーンpo
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3372](DECCA原盤)

  モントゥーは23日と24日にウィーン・フィルの定期演奏会に客演して、ストラヴィンスキーの詩篇交響曲とドビュッシーの3つの夜想曲などを指揮している。ベートーヴェンのこの曲が演奏されたか否かは不明。



4.21(木)

レーガー:希望に寄せて

マルガレーテ・ベンス(A)
ヘルマン・シェルヘン指揮北西ドイツpo
ヘアフォート、ノルトライン・ウエストファーレン州(ブレーメン放送局によるセッション放送録音)
[CPO;999143-2]

  2枚組のレーガー作品集に所収。ほかは6.15の録音。



4.21(木)

ヴェルディ:歌劇《アイーダ》全曲

ビルギット・ニルソン(S)ジュリエッタ・シミオナート(Ms)ピエロ・ミランダ=フェッラーロ(T)ニコライ・ギャウロフ(Bs)ほか
ニーノ・サンゾーニョ指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
スカラ座、ミラノ
[MYTO;2 CD 00266](2011)

  毎年4月後半、ミラノでは大規模な見本市が開催され、多くの人が集まる。スカラ座はそれに合わせて人気演目を取りあげることにしており、この年は14日初日の《アイーダ》だった。ランフィス役のギャウロフ(1929生)は2ヶ月前にスカラ座へデビューしたばかり。ミランダ=フェッラーロはデル・モナコの代役である。



4.21(木)
 &22(金)

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

クラウディオ・アラウ(p)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM 7 69177 2]

  フィルハーモニアoは、18日から5日間でピアノ協奏曲を3曲録った。



4.21(木)
 &22(金)





メンデルスゾーン;交響曲第3番《スコットランド》、序曲《フィンガルの洞窟》

ペーター・マーク指揮ロンドンso
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
  (デッカ原盤)



4.22(金)

マルティノン:前奏曲とトッカータ(世界初演)
ブラックウッド:交響曲第1番
ブラームス:交響曲第2番

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(ステレオ録音)
〈未レコード化〉

  定期演奏会のライヴ。のちにシカゴ交響楽団の首席指揮者となるマルティノンの作品が演奏されているのが珍しい。(参照4.14)



4.22(金)





ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番

クララ・ハスキル(p)
マリオ・ロッシ指揮トリノRAIso
RAI公会堂、トリノ(ステレオ録音)
[CETRA;CDAR2027]

4.23(土)

チャイコフスキー:交響曲第4番

フランツ・コンヴィチュニー指揮ドレスデン国立歌劇場o
ドレスデン(?)
CD-R〈VIBRATO;VHL277〉

  コンヴィチュニーのこの曲には3月24日のベルリンでのライヴとされる演奏もある。このドレスデン盤の方がテンポは速い。
  CD-Rにはスタジオ録音とあり、たしかに聴衆ノイズはほとんど聴かれない。放送用の録音かも知れない。



4.23(土)





ジャズ『LEE MORGAN/UNFORGETTABLE LEE!』より3曲

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズwithバディ・リッチ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[FRESH SOUND RECORDS;FSR-CD357]


4.23(土)
 -29(金)(?)

『無伴奏ヴァイオリン・リサイタル』(バルトーク、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ヒンデミットの作品、全5曲)

ルッジェーロ・リッチ(vn)
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[ロンドン;POCL4626]

  上記CDに録音日は23,24,28,29とあるのだが、これはおかしい。リッチ(1918生)はこの月の19日から5月まで、日本に滞在して公演しているからである。4月27日に行なった東京の産経ホールのリサイタルでは、このアルバムと同じプロコフィエフの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを弾いている。日本での録音なら可能となるが、それはありえまい。来日直前の録音ではないか。



4.24(日)

ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》全曲

アニータ・チェルクェッティ(S)ディノ・ドンディ(Br)ウーゴ・トラーマ(Bs)ほか
フルヴィオ・ヴェルニッツィ指揮オランダ放送o、同cho
オランダ放送、ヒルベルスム
[EKRIPSE;EKR P-8]

  チェルクェッティ(1931生)は将来を嘱望されたドランマーティコだったが、61年に神隠しのように突然引退する。ノイローゼが原因ともいわれる。ヴェルニッツィ(1914生)は録音に恵まれなかったが、イタリアの名指揮者である。なおEJS423のLPには、1961.4.13という日付がある。



4.24(日)







モーツァルト:フルート協奏曲第1番
オルフ:カルミナ・ブラーナ

ウィリアム・キンケイド(fl)
ジャニス・ハーサニール(S)ドルフ・ペトラク(T)ハーヴ・プレスネル(Br)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo、ラトガーズ大学cho
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK60129](モーツァルト)
[SONY;SBK47668](オルフ)

  フルートの名手キンケイド(1895生)は1921年以来フィラデルフィア管弦楽団の首席を務めてきたが、1960年5月末に退団する。65歳の誕生日の2日前の録音。



4.24(日)

ストルース:ミュージカル《バイ・バイ・バーディ》

チタ・リヴェラ、ディック・ヴァン・ダイク(vo)
エリオット・ローレンス指揮o
コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SK89254]

  14日に開幕した《バイ・バイ・バーディ》は、プレスリーをモデルにした人気歌手が登場したり、テレビの「エド・サリヴァン・ショウ」を見る場面があったりなど、当時のアメリカの風俗を背景にした楽しい作品で、607公演の大ヒットになった。ブロードウェイ・ミュージカル史上初めてロックンロールを取りいれた作品だが、エレキ・ギターが登場するのは1曲のみで、基本的には伝統的なミュージカル音楽である。



4.24(日)
 -26(火)

ハイドン:ピアノ三重奏曲第44番
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番《大公》

トリエステ三重奏団
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;477 030-2]

  5枚組『TRIO DI TRIESTE/THE COMPLETE RECORDING ON DEUTSCHE GRAMMOPHON』所収。ハイドンは25日だけで録音された。



4.25(月)

ジャズ『GRETSCH DRUM NIGHT AT BIRDLAND』(5曲)

アート・ブレイキー、チャーリー・パーシップ、エルヴィン・ジョーンズ、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)ほか全8人
バードランド・クラブ、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ROULETTE;8 28641 2]

  人気ドラマー4人が競演したライヴ盤。グレッチはアメリカの楽器メーカーで、ドラムはその看板製品である。



4.25(月)
 &26(火)







J・シュトラウス:ワルツ&ポルカ(6曲)

フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGジャパン;BVCC-37464](4曲のみ、RCA原盤)
[RCA;60844-2-RG]



4.26(火)







モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》全曲

テレサ・スティッヒ=ランダル、レイラ・ゲンチェル、グラツィエラ・シュッティ(S)ルイージ・アルヴァ(T)マリオ・ペトリ、セスト・ブルスカンティーニ(Br)ほか
ベルナルディーノ・モリナーリ=プラデッリ指揮ミラノRAIso、同cho
ヴェルディ音楽院講堂、ミラノ
[DATUM;DAT12321]
DVD〈VAI;4314〉

  日付はテレビ放送が行なわれた日。



4.26(火)

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番

サルヴァトーレ・アッカルド(vn)
キリル・コンドラシン指揮ナポリRAIスカルラッティo
ローマ
[ARKADIA;CDMP405.1]

  アッカルド(1941生)は2年前のパガニーニ国際コンクールで優勝、完璧な技巧で「パガニーニの再来」といわれていた。ナポリでの録音と考えた方が自然だが、ここではCDの表記に従う。



4.26(火)
 ~6.1(水)

O・シュトラウス;喜歌劇《ワルツの夢》抜粋(英語版)

ジューン・ブロンヒル、マリオン・グリマルディ(S)デヴィッド・ヒューズ(T)、ほか
マイケル・コリンズとそのオーケストラo、リタ・ウィリアムズ・シンガーズ
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;3 35990 2]

  サドラーズ・ウェルズ歌劇団のオペレッタのスター歌手、ブロンヒルを起用したセッション商業録音。日付は4.26、5.31、6.1の3日間。



4.27(水)





シューベルト:交響曲第5番

フリッツ・ライナー指揮シカゴso
オーケストラ・ホール、シカゴ(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;09026 61793 2] (1995)

4.27(水)

ファリャ:交響的印象《スペインの夏の夜》

アルトゥール・ルービンシュタイン(p)
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ
[CASCAVELLE;VEL2005](2009)
LP〈I GRANDI CONCERTI;GCL61〉

  「ERNEST ANSERMET COLLECTION」シリーズの1枚。2.24の《讃歌》も所収されている。



4.27(水)

ベートーヴェン:交響曲第4番、序曲4曲
ブラームス:交響曲第1番

ヘルマン・シェルヘン指揮北西ドイツpo
ヘアフォート、ノルトライン・ウエストファーレン州(セッション録音)
LP〈PANORAMA;3113〉(序曲4曲、他は未発売)



4.27(水)
 &28(木)、
 5.6(金)







映画『G.I.ブルース』サウンドトラック(12+8トラック)

エルヴィス・プレスリー(vo)ほか
RCAスタジオ&ラジオ・レコーダーズ、ハリウッド(セッション録音、ステレオ)
[BMG;BVCZ-1069](RCA原盤)
DVD〈パラマウント;PDF-109〉 (映画)

  プレスリーの除隊後第1作のサウンドトラック。5月6日のセッションのみラジオ・レコーダーズで録音された。映画は5月2日から6月上旬まで、ハリウッドのパラマウント・スタジオで撮影された。11月23日に全米で公開され、翌年には日本でも上映された。LPもビルボード誌で10週連続1位を獲得する大ヒットとなった。CDはオリジナルの12曲(1曲は日本盤のみ差し替えたもので、本来は11曲)に未発表テイク8曲を加えたもの。



4.28(木)

プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番

ヨーゼフ・シゲティ(vn)
アーサー・バルサム(p)
ラジオ・カナダ(CBC)、収録場所不明(モントリオール?)(スタジオ収録)
DVD〈VAI;DVD4269〉

  『ジ・アート・オブ・ヨーゼフ・シゲティ』所収。収録場所はトロントなどの可能性もある。日付は放送日。



4.28(木)

シューマン;チェロ協奏曲

ルートヴィヒ・ヘルシャー(vc)
オイゲン・ヨッフム指揮バイエルン放送so
ヘラクレスザール、ミュンヘン
[GREENHILL;GH-0011/0012]

  この夏かぎりで首席指揮者を退任するヨッフム(1902生)の演奏会から。当時のインタビューでは、退任が本人の意思によるものではないことを話している。他にベートーヴェンの交響曲第8番などが演奏された。直後の30日にクーベリックの1961年秋からの就任決定が公表される。



4.28(木)

レスピーギ:交響詩《ローマの泉》
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》

アルトゥール・ベネデッティ=ミケランジェリ(p)
マッシモ・フレッチア指揮ローマRAIso
祝福の間、ヴァチカン
[AURA;AUR250]

  音楽好きで知られるローマ教皇ヨハネ23世臨席の演奏会。ミケランジェリは御前演奏を恒例としていたらしい。《皇帝》の終了直前、雷鳴のために演奏が一瞬中断するハプニングがある。



4.28(木)
 -30(土)

チャイコフスキー:イタリア奇想曲

トーマス・シャーマン指揮ハンブルク国立po
クルトゥアラウム、ハンブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア:COCQ-84442](EURODISC原盤)

  アメリカ人指揮者シャーマン(1917-79)によるオイロディスク録音。シャーマンは手兵のリトル・オーケストラ・オブ・ニューヨークとともに1959年に来日公演を行なっている。
  ルートヴィヒのチャイコフスキーの交響曲第5番のフィルアップ。



4.28(木)
 -5.17(火)



ヴィヴァルディ:2つのマンドリンのための協奏曲ハ長調RV425

ジーノ・デル・ヴェスコーヴォ、トマソ・ルータ(マンドリン)
イムジチ合奏団
ローマ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCP-9037](PHILIPS原盤)

  ヴィヴァルディの協奏曲集(フルート協奏曲RV.427&441、オーボエ協奏曲RV.461、ファゴット協奏曲RV.484)〈A02054L〉のほか、ロカテッリの4つの協奏曲op.1〈A02023L〉、レオのチェロ協奏曲、ドゥランテのヴァイオリン協奏曲、ペルゴレージのフルート協奏曲第1番、A・スカルラッティの合奏協奏曲第3番〈A02057L〉も録音された。



4.28(木)
 ~11.17(木)



連続テレビドラマ『AN AGE OF KINGS』(全15回)

ロバート・ハーディ、ジュディ・デンチ、ポール・デーンマン、ジュリア・グローヴァー、アイリーン・アトキンズ、ショーン・コネリー、ほか
マイケル・ヘイズ演出
BBC制作
DVD〈BBC VIDEO;8 8392905826 6〉(2009)

  14世紀と15世紀のイングランド歴代の国王を主役とするシェークスピアの史劇8作品を、15回のシリーズに短縮再編したBBCのテレビドラマ。高額な予算と綿密な準備と豪華な俳優陣による、絢爛たる歴史絵巻となり、非常に成功したシリーズとされる。
  計947分、1回が60分あるいは75分で、原作のほぼ半分となる。リチャード2世2回、ヘンリー4世4回、ヘンリー5世2回、ヘンリー6世5回、リチャード3世2回という構成。4月28日から隔週の木曜日(8月だけ4日と25日で、2週空いた)に放映された。テーマ音楽の作曲はアーサー・ブリス。



4.29(金)

フランク:歌劇《ユルダ》全曲(イタリア語訳詞版)

オリエッタ・モスクッチ(S)ジャチント・プランデッリ(T)、ほか
ヴィットリオ・グイ指揮ミラノRAIso、同cho
ミラノ
LP〈MELODRAM;MEL155〉

  作曲者没後の1894年にモンテカルロで初演された珍しいオペラ。



4.29(金)









メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ビゼー(ワックスマン編):カルメン幻想曲

レオニード・コーガン(vn)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソビエト国立o
モスクワ音楽院大ホール
[ARLECCHINO;ARL36](メンデルスゾーン)
[ARLECCHINO;ARL6](ショスタコーヴィチ)
[ARLECCHINO;ARL36](ビゼー)



4.29(金)







サリヴァン:喜歌劇《ミカド》抜粋

バーバラ・マイスター(S)ヘレン・トローベル(Ms)ロバート・ラウンズヴィル(T)グルーチョ・マルクス(Bs)、ほか
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo、ノーマン・ルボフcho
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録音、ステレオ)
[DRG RECORDS;CD19106](2007)
DVD〈VAI AUDIO;4554〉(2012)

  NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」でこの日に放送されたテレビ版(1時間)の音声をLP化したもの。グルーチョ・マルクスがコ・コを歌っているのがセールス・ポイント。NBC系列のRCAではなく、ライヴァルのコロンビアがLP化したのは面白い。トローベルも出演している。カラー放送。



4.29(金)

カントリー・ラジオ番組『ザ・ペット・ミルク・グランド・オール・オプリ』より《ハウ・キャナイ・フェース・トゥモロー?》

パッツィ・クライン(Vo)、ほか
WSM放送局スタジオC、ナッシュビル
[MCA RECORDS;MCAD-42142]

  『PATSY CLINE LIVE AT THE OPRY』所収。この番組はラジオ局のスタジオで収録されていた。(参照4.2)



4.29(金)

ジャズ『セロニアス・モンク・アット・ザ・ブラックホーク』(8曲)
セロニアス・モンク・カルテット・プラス2
ブラックホーク、サンフランシスコ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[RCA;CD 61793]

  サンフランシスコのクラブでのライヴ録音。ジャズ・ピアノの雄モンク(1920生)のこの年唯一の商業録音。オリジナルLPの6曲にCDは2曲を追加している。本来はシェリー・マンとモンクと共演作の予定だったがうまくいかず、マンと演奏するために呼ばれた2人の金管奏者をモンクのカルテットに加える形になったという。



4.30(土)

ドビュッシー:バレエ《遊戯》
コープランド:バレエ《ロデオ》4つの舞踏エピソード

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
〈未レコード化〉

  当日の曲目は他に、チャイコフスキーのバレエ《くるみ割り人形》組曲とベートーヴェンの《プロメテウスの創造物》抜粋。バーンスタインはこの演奏会を「劇音楽による春祭」(スプリング・フェスティヴァル・オブ・シアター・ミュージック)と名づけた。



4.30(土)

『ファビュラス・マーチズ・フォー・オーケストラ』(7曲)

フレデリック・フェネル指揮イーストマン管楽Ens
イーストマン劇場、ロチェスター(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;289 434 394-2]

  ウォルトンの戴冠式行進曲《宝玉と王の杖》、グリーグの劇音楽《十字軍の戦士シーグル》より忠誠行進曲など。



4.30(土)

サン=サーンス:ロンド・カプリチオーソ
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番、カプリース第17番

ルッジェーロ・リッチ(vn)
山田夏精指揮東京so
杉並公会堂、東京
[東芝;TOCE8857]

  リッチの来日公演。CD表記の25日は誤り。
  曲目は他に《ローマの謝肉祭》序曲と、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。



4.30(土)

ジャズLP『RAMSEY LEWIS TRIO IN CHICAGO』より6曲

ラムゼイ・トリス・トリオ
ブルーノート、シカゴ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[A CHESS REISSUE 0002;GRD2-814](ARGO原盤)

  2枚組CD『RAMSEY LEWIS TRIO IN PERSON 1960-1967』所収。ヒット曲《ジ・イン・クラウド》で有名なラムゼイ・ルイス(1935生)の初期録音。



4.30(土)

ジャズ『THE 1960 BIRDLAND SESSIONS』より4曲

ビル・エヴァンズ・トリオ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[COOL N`BLUE RECORDS;C&B-CD106]

  夭折の名ベーシスト、スコット・ラファロが在籍した当時の伝説的なビル・エヴァンズ・トリオによるライヴ。CDは3.12、3.19、5.7の録音も含めて全12曲。



4.30(土)

カントリー・ラジオ番組『ルイジアナ・ヘイライド』より4曲

ジョージ・ジョーンズ(Vo)
市立公会堂、シュリーヴポート
[SCENA RECORDS;271900-2]

  ジョージ・ジョーンズ(1932生)は「傷心の王」と呼ばれる人気カントリー歌手。ラジオの人気番組「ルイジアナ・ヘイライド」に出演したときのライヴ。



4.





シューベルト:楽興の時、ピアノ・ソナタ第18番《幻想》、ドイツ舞曲集D.783

イングリッド・ヘブラー(p)
バッハザール、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCP-3094](楽興の時のみ、PHILIPS原盤)


4.





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番《月光》、第26番《告別》、第32番

ヴィルヘルム・バックハウス(p)
BBC放送局、ロンドン(放送録音)
[Testament;SBT1487]

4.





ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3028](DECCA原盤)

4.

ストラヴィンスキー:交響曲ハ長調、3楽章の交響曲

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;467 818-2]

  8枚組『STRAVINSKY ORCHESTRAL WORKS』所収。



4.







ベートーヴェン:劇音楽《アテネの廃墟》序曲とトルコ行進曲
ブラームス:交響曲第4番

ヨーゼフ・カイルベルト指揮ハンブルク国立o
ハンブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[ワーナー;WPCS-6055、6050](TELDEC原盤、分売)

  26日の可能性もあるが日付不明。



4.





ホッター独唱会(ワーグナー《さまよえるオランダ人》など計4曲)

ハンス・ホッター(Bs)
マインハルト・フォン・ツァリンガー指揮バイエルン放送so
バイエルン放送、ミュンヘン
[ORFEO;C501991B]

4.

スメタナ:歌劇《ダリボル》第2幕第3場、ミラダとダリボルの二重唱

ミラダ・シュブルトヴァー(s)ベノ・ブラフト(テノール)
フランチシェク・ディク指揮プラハ放送so
チェコ放送局スタジオ、プラハ
[RADIOSERVIS;CR365-2]

  シュブルトヴァー(1924)のアリア集『MILADA SUBRTOVA OPERATIC RECITAL』所収。チェコ放送の音源による。



4.









フォーク『PETE SEEGER AT THE VILLAGE GATE Vol.1&2』
ブルース『MEMPHIS SLIM AND WILLIE DIXON AT THE VILLAGE GATE WITH PETE SEEGER』

ピート・シーガー、メンフィス・スリム、ウィリー・ディクソン
ヴィレッジ・ゲイト、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈FOLKWAYS;FA2450,2451 & FW02386(分売)〉

  白人モダン・フォークの大御所ピート・シーガーが、ブルースのメンフィス・スリムなどと共演したライヴ録音で、LP3枚が発売された。
  シーガーお得意の「シング・アロング」(歌詞を聴衆に教えながら、合唱する)で次々と歌われており、当時の日本で流行していた「うたごえ喫茶」の雰囲気にも通じるものがある。
  このうち〈MIDNIGHT SPECIAL〉だけが、『MEMPHIS SLIM / THE FOLKWAYS YEARS 1959-1973』[SMITHSONIAN FOLKWAYS RECORDINGS;SFW CD 40128]に所収されてCD化されている。
  全曲は未CD化だが、スミソニアン・フォークウェイズ・レーベルのサイトで、CD-Rのコピー盤を購入できる。



4.

浪曲『風流忠治しぐれ』

初代 玉川福太郎(三代 玉川勝太郎、浪曲)
滝とよ(三味線)
収録場所不明(キングレコード・スタジオ?)(セッション商業録音)
[キング;KICH2439]

   『蔵出し浪曲名人選19』所収。玉川福太郎(1933-2001)は二代玉川勝太郎の娘婿で、四年後に三代玉川勝太郎を襲名。天保水滸伝を十八番とした二代目に対し、三代目はそれに加えて国定忠治物を得意とした。



4.~12.

朗読『シェークスピア・アット・ストラトフォード』(『トロイラスとクレシダ』『ヴェローナの二紳士』『十二夜』『ヴェニスの商人』『じゃじゃ馬ならし』『冬物語』より)

ドロシー・テューティン、パトリック・ワイマーク、ほかロイヤル・シェークスピア劇団
シェークスピア記念劇場&オールドウィッチ劇場、ストラトフォード・アポン・エイボン
LP〈ARGO;ZRG5289〉(セッション商業録音、ステレオ)

  イギリスのストラトフォードで毎年4月から12月までロイヤル・シェークスピア劇団が行なうシェークスピア祭の録音。61年の6作品と併せてLP1枚にまとめている。シェークスピア記念劇場は現在のロイヤル・シェークスピア劇場のこと。聴衆ノイズが一切ないので、リハーサルなどの録音ではないか。
  この年の9作品のうち6作品が選ばれている。各公演の初日は『トロイラスとクレシダ』(7.26)、『ヴェローナの二紳士』(4.5)、『十二夜』(12.19)、『ヴェニスの商人』(4.12)、『じゃじゃ馬ならし』(6.21)、『冬物語』(8.30)。



4.


再プレス盤
のジャケット

  西田佐知子の歌う《アカシアの雨がやむとき》が、原田信夫の《夜霧のテレビ塔》との組み合わせのシングル盤(当時は無関係な2曲の組み合わせが珍しくなかった)で発売された。
  ティオムキンの《皆殺しの歌》によく似たトランペット・ソロに導かれて始まるこの歌は、2か月後に展開された六〇年安保闘争の「血と雨と泥と汗」(大島渚)と、その後の挫折感と虚脱感とを象徴するものとなった。ただし発売後すぐに有名になったわけではなく、聴きつがれていくうちに2年後の1962年後半になって本格的な大ヒットとなり、その年のレコード大賞特別賞を受賞することになる。[ポリドール;DJ-1062]



不詳





『カザルス・マスター・クラス』

パブロ・カザルス(vc)ジャネット・グッドマン(p)ほか
カリフォルニア大学バークレー分校
VHS〈HOMEVIDEO EXCLUSIVES;201V~215V、分売〉

  日付不詳。春とあるのみ。カザルス(1876生)がバークレーで行った若手チェリストのためのマスター・クラスの映像。ビデオ15巻、計8時間弱の映像が残されている。生徒の大半が女性なのは、いかなる理由なのだろう。なお8月末から9月にかけてはスイスのツェルマットで同種のマスター・クラスが開かれ、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945生)が参加することになる。