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1960年5月
(最終更新2013.9.16)

5.1(日)









ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》
シベリウス:交響曲第7番
ルーセル:バレエ《バッカスとアリアドネ》第2組曲

ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;886977689612](ヴィヴァルディ、2010)
[SONY;SBK53509](シベリウス) 
[SONY;SBK62644](ルーセル)

  《四季》は3.19、4.11にも録音。
  独奏ヴァイオリンのブルシーロフ(ブルシロウ、1928生)は、フィラデルフィア管弦楽団のコンサートマスター。1959年から66年までこの地位にあった。その後は指揮者専業に転じ、1970年代初めにダラス交響楽団音楽監督を務めた。
5.1(日)

フェイン:ミュージカル《クリスティーヌ》

モーリン・オハラ、モーリー・メレディス、ほか
ジェイ・ブラックトン指揮o
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[DRG:19021](COLUMBIA原盤)

  4月28日初日。台本はパール・バック。しかし不評のため、わずか12公演で打ち切り。そんな作品でも録音されたのは、事前に契約していたためだろう。



5.1(日)

ジャズ『STAN GETZ/BORN TO BE BLUE』より4曲

スタン・ゲッツ・カルテット
ストックホルム
[BANDSTAND:BDCD1533]

  ゲッツ(1927生)は1958年春からヨーロッパに移住、コペンハーゲンに居をかまえていた。10.1のフレズレグスベル、10.31のワルシャワ録音も同CD所収。



5.1(日)

ニュース素材「ボストン交響楽団来日」

シャルル・ミュンシュ、ボストンso他
東京国際空港、東京羽田
DVD〈NHKエンタープライズ;NSDS-9486〉
  DVD『ミュンシュ ボストン交響楽団/1960年日本特別演奏会』付録のニュース素材(音声なし)。台北から羽田に到着したプロペラ機から降り立ち、歓迎を受けるさまや入国手続書類記入の場面が録画されている。
  ボストン交響楽団はアメリカ国務省の派遣で4月末から2ヶ月間、台湾~日本~フィリピン~オーストラリア~ニュージーランドの友好5か国を歴訪する親善楽旅を行なった。予定では最初の公演地は韓国のソウルだったが、革命騒動の混乱を避けて台北に変更された。4月25日にボストンを出て40時間かけて台北に到着、2公演を行なったあと5月1日に日本に移った。
  それから日米修好100周年記念公演と謳って、1か月間に10都市で21公演を行なった。帯同の指揮者は音楽監督ミュンシュ(1891生)とコンサートマスター兼任のバーギン(1892生)、それにコープランド(1900生)の3人である。

  このニュース素材には、翌2日にミュンシュや楽団支配人のトーマス・D・ペリー(黒船のペリー提督の孫)たちが内幸町のNHKを表敬訪問する場面や、4日の特別演奏会前の皇太子夫妻到着の場面なども含まれている。



5.1(日)

落語『厩火事』

五代目 古今亭志ん生
東京(NHK収録)
[ビクター;VICG15073]

  日付は放送日。5月1日はメーデー、世界共通の労働者の祭日である。ソ連では赤の広場で大規模な閲兵式が行なわれる。「領空内でアメリカのU2型スパイ偵察機を撃墜」の第1報がフルシチョフの耳に入ったのは、霊廟上のひな壇で観閲している最中のことだったという。



5.1(日)

落語『とどいつ/小唄』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送
[ポニーキャニオン;PCCG-00693](2005)

  『五代目 古今亭志ん生 名演大全集1』所収。



5.1(日)

落語『居酒屋』

三代目 三遊亭金馬
東京(NHK収録)
[東宝ミュージック:OCD-95009]
CT〈東宝ミュージック〉

  14枚組『ザ・ベリー・ベスト・オブ落語』第9巻、及びカセット15本組『愛蔵版 三代目三遊亭金馬傑作選』所収。



5.1(日)
 &2(火)



ハンソン:《モザイク》
M・グールド:バレエ音楽《フォール・リヴァーの伝説》

ハワード・ハンソン指揮(&語り)イーストマン=ロチェスターo
イーストマン劇場、ロチェスター(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;434370-2](ハンソン)
[MERCURY;B00035VV82](グールド)

  ハンソンの自作は『HOWARD HAMSON/THE COMPOSER AND HIS ORCHESTRA』所収。グールドは3枚組『HOWARD HANSON CONDUCTS AMERICAN MASTERWORKS』所収。
  作曲者ハンソン(1896-1981)指揮による演奏が1日に、ハンソン自身による「音楽の色彩が、作曲者の心中において、音楽的形式にどのように影響するか」という25分弱の説明が2日に録音されている。
  ほかにロジャーズの《銀の世界》、メニーニのオーヴァーチュラ・ブレーヴェも録音されたが、現在まで未発売。



5.2(月)

ジョルダーノ:歌劇《アンドレア・シェニエ》全曲

ジンカ・ミラノフ(S)カルロ・ベルゴンツィ(T)マリオ・セレーニ(Br)ほか
ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
フォックス劇場、アトランタ
CD-R〈PREMIERE OPERA;233-2〉

  メトロポリタン歌劇場は4月18日から地方巡業を開始し、ボストンとクリーヴランドを経て、5月2日から7日までアトランタで6公演した。この後も6月4日までにバーミンガム、メンフィス、ダラス、オクラホマ、セントルイス、ブルーミントン、ミネアポリス、デトロイト、ロチェスター、トロントの10都市を訪問し、シーズンを終える。次シーズンの開幕は10月24日である。(参照4.16)



5.2(月)

アルマンド・ホセ・フェルナンデス:ピアノ協奏曲変ロ長調

ヘレナ・サ・エ・コスタ(p)
室内奏者アカデミー
ティボリ映画館、リスボン
[PORTUGALSOM;SP4238]

  サ・エ・コスタ(1913生)はポルトガルの女性ピアニスト。



5.2(月)

シューマン:ピアノ曲6曲、歌曲4曲

エドワード・ハイン(T)
アデリーナ・ド・ララ(p)
ド・ララの小屋(イギリス)
[ARCHIVE DOCUMENTS;ADCD2002]

  『ADELINA DE LALA(1872-1961)/AMNTHOLOGY』所収。ド・ララ(1872-1961)はクララ・シューマンに5年間師事した女流ピアニスト。自宅で孫のテノール歌手ハインの伴奏などを録音したもの。翌年に亡くなる。CDブックレットには月日の記載がないが、音声で告げられている。



5.2(月)

ワーグナー:舞台聖祓祝典劇《パルジファル》全曲

リタ・ゴール(Ms)シャーンドル・コーニャ(T)ボリス・クリストフ(Bs)ほか
アンドレ・クリュイタンス指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
スカラ座、ミラノ
[GOLDEN MELODRAM;GM1.0077]
LP〈MELODRAM;MEL437〉
[MELODRAM;CDM165038](断片)

  スカラ座では1940年にセラフィンが指揮して以来、20年ぶりの上演。クリュイタンス(1905生)はこの作品を得意としていた。新人時代のカバリエ(1933生)が花の乙女のひとりで参加している(まだやせていた)。カバリエは当時ブレーメン市立歌劇場の専属だった。スカラ座は再演の少ない劇場なのに翌61年にも再演しているから、かなりの成功だったのだろう。



5.2(月)











ブラームス:交響曲第1番
チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》組曲
ドビュッシー:バレエ《遊戯》
コープランド:バレエ《ロデオ》4つの舞踏エピソード

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SM2K47536](ブラームス) [SONY;SM2K47636](チャイコフスキー) [SONY;SM2K47546](ドビュッシー) [SONY;SM2K47543](コープランド)

  この4曲を1日で録りきった精力は凄い。ブラームス以外の3曲はベートーヴェンの《プロメテウスの創造物》抜粋とともに4月28日から5月1日の定期で演奏されていた。ブラームスは19日のハートフォード楽旅と26日のフィラデルフィア楽旅で演奏していた。



5.2(月)





スーザ:行進曲集(全12曲)

フレデリック・フェネル指揮イーストマン管楽Ens
イーストマン劇場、ロチェスター(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCP-3273](MERCURY原盤)

5.2(月)

ショパン:《アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ》ほか全16曲

野辺地勝久(p)
日比谷公会堂、東京
LP〈東芝;LR-91~92〉

  自主制作盤。野辺地勝久(のべちかつひさ、旧名野辺地瓜丸、1910生)のショパン生誕150年記念リサイタルをLP化したもの。



5.2(月)

ポップス『ベラフォンテ・リターンズ・トゥ・カーネギー・ホール』(19曲)

ハリー・ベラフォンテ、ミリアム・マケバ、オデッタ(vo)ほか
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[RCA;09026-62690-2]

  ベラフォンテ(1927生)は中南米をはじめとする各国の民謡を歌って、大人気を得ていたラテン系黒人ポップス歌手。黒人解放運動にも積極的に参加して「闘う黒人」の異名があった。7月には来日公演を行ない、日本でも多くのファンを得ることになる。この盤は1年前の1959年に録音されたカーネギー・ホールでのライヴ盤が大ヒットになったのを受けて、1年後の公演を録音したもの。
  カーネギー・ホールが予定通りに5月中旬から取り壊されていたら(市民の猛烈な反対運動によって撤回された)、その最後の時期のライヴとなるものだったという。ベスト盤的な前年盤に比べると二番煎じの感は否めないが、ゲスト参加の南アフリカの女性歌手マケバ(1934生)が歌う2曲が強い印象をのこす。
  ベラフォンテの後援で世に出たマケバは、アフリカの生んだ最初の国際的スター歌手となる。マケバの登場は、自己のルーツがアフリカにあることをアメリカの黒人たちに意識させるきっかけともなった。と同時に、南アフリカの人種差別が国際的な非難を浴びはじめた時期でもあったから、マケバはその悪行を他国に知らしめる役割も果たした。8日後には早速ソロ・アルバムをセッション録音している。




5.2(月)
 &3(火)




裏表紙



アダン:歌劇《われ、もし王者なりせば》抜粋(全16曲)

スティナ=ブリッタ・メランダー、ウルズラ・シルマッヒャー(S)ルドルフ・ショック(T)ゲオルク・フェルカー(Br)ほか
エルンスト・メルツェンドルファー指揮ベルリン市立歌劇場o、同cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 75554 2 5]

  1960年3月17日にベルリン市立歌劇場(ドイツ歌劇場)で新制作初演されたもの。歌手はほぼ同じらしい。テレビのサウンドトラックにも転用されたという。メルツェンドルファー(1921生)はザルツブルク生まれ。当時はベルリン市立歌劇場の楽長で、ウィーン国立歌劇場も59年9月から指揮するようになっている。61年からはその楽長となった。のち71年に4年間かけてハイドンの交響曲全集を完成する。



5.2(月)
 -6(金)

ヘンデル:オラトリオ《メサイア》全曲

ヘザー・ハーパー(S)ヘレン・ワッツ(Ms)ダンカン・ロバートソン(T)ロジャー・スタルマン(Bs)ほか
フレデリック・ジャクソン指揮ロンドンpo&cho
聖マリー・マグダレーン教会、パディントン(ステレオ商業録音)
[SAGA;EC3343.2](1995)

  録音日は2,4,5,6。



5.3(火)

ショパン:ピアノ協奏曲第1番

マウリツィオ・ポリーニ(p)
パウル・クレツキ指揮フランス国立放送o
パリ
[ARKADIA;CDHP555.1]

  ショパン・コンクール優勝者ポリーニ(1942生)がパリにデビューした。2週間前にロンドンでこの協奏曲を商業録音したときと同じく、クレツキ(1900-73)が指揮している。会場はシャンゼリゼ劇場だろうか。(参照4.20&21)



5.3(火)

ブルックナー:交響曲第3番

パウル・ヒンデミット指揮マンハイム州立劇場o
マンハイム
[ARCHIPEL;ARPCD0552](2013)

  日付不詳だが、ヒンデミットによる同年のシュトゥットガルトでのスタジオ録音という、シュトゥットガルト放送交響楽団との自作の弦楽と金管のための協奏音楽も所収。
  ヒンデミットのブルックナーは、この年だけで3,4,7番の録音が残っている。



5.4(水)





ショパン:前奏曲第8、6、24番

マウリツィオ・ポリーニ(p)
フランス国営放送(?)、パリ
DVD〈EMI:DVA4904389〉

  フランソワがメインのDVDの付録。サロン風のセットで弾いている。



5.4(水)

日米両国国歌
ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》
ラヴェル:バレエ《ダフニスとクロエ》第2組曲

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
旧NHKホール、東京内幸町(ステレオ録音)
DVD〈NHKエンタープライズ;NSDS-9486〉

  初日の前夜に招聘元のNHKが行なった公開生放送。
  当時は外貨手配の関係で、西側の大物を呼べるのはテレビ局や新聞社など大手マスコミに限られていた。ボストン響については、NHKと朝日新聞社主が主催する大阪国際フェスティヴァルが招聘元を激しく競ったが、全国放送の強みでNHKが選ばれたという。
  皇太子夫妻や社会党浅沼稲次郎夫妻も臨席している。夜7時30分からラジオ、テレビで同時公開生放送された。



5.4(水)





ジャズ『ディック・モーガン・アット・ザ・ショウボート』(8曲)

ディック・モーガン(p)キーター・ベッツ(b)バートレル・ノックス(ds)
ザ・ショウボート、ワシントンDC(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ビクター:VICJ-5167](RIVERSIDE原盤)



5.4(水)
 &5(木)





ジャズ『ANDRE PREVIN PLAYS SONGS BY HAROLD ARLEN』(10曲)

アンドレ・プレヴィン(P)
コンテンポラリー・レコード・スタジオ、ロスアンジェルス(セッション商業録音、ステレオ)
[CONTEMPORARY;OJCCD-1840-2]

  プレヴィンのピアノ・ソロによるジャズ・スタンダード・アルバム。

5.4(水)
 -6(金)







シューマン:交響曲第4番
ウェーバー:歌劇《オベロン》序曲、歌劇《磨弾の射手》序曲

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-59123](シューマン)
[東芝EMI;TOCE-13073](ウェーバー)

  4日と5日のシューマンは2月19日にも試験的に録音していたもの。5日と6日の序曲は『ROMANTIC OVERTURES』と題したアルバムで初出。他の4曲は9月末に録音される。



5.4(水)
 -6(金)




ストラヴィンスキー:三楽章の交響曲

コンスタンティン・シルヴェストリ指揮フィルハーモニアo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[DISKY COMMUNICATIONS;BX707512]

  日程がクレンペラーのシューマンの交響曲第4番や《オベロン》、《魔弾の射手》序曲と重なっている。空き時間の録音としても、会場が違うのは大変。



5.5(木)





シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》

ブルーノ・マデルナ指揮南西ドイツ放送so
バーデン・バーデン
[ARKADIA;MAD020.2]

5.5(木)






プログラム



日米両国国歌
ベルリオーズ:幻想交響曲
ピストン:交響曲第6番
ルーセル:バレエ《バッカスとアリアーヌ》第2組曲
ヘンデル(ハーティ編):《水上の音楽》より第5曲、第6曲

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
日比谷公会堂、東京(ステレオ録音)
[ALTUS;ALT100](ピストン、2011)
[ALTUS;ALT101](ピストン&国歌以外、2011)〉(国歌は未レコード化)

  ボストンso来日公演の初日。皇太子夫妻や高松宮も臨席した。国務省派遣なのでアメリカの作品が加えられている。
  なお会場のある日比谷公園は、国会議事堂へ向かう安保反対デモ隊の集合地点の一つとなっている。5日前のメーデーにも大規模なデモがあった。

5.5(木)前後


『フランス・オペラ序曲集』(9曲)

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;425 083-2]

  オーベール(2曲)、ボワルデュー、エロール、ラロ、オッフェンバック(2曲)、トマ(2曲)の歌劇や喜歌劇の序曲集。
  ラロ:歌劇《イスの王》序曲について、[Praga; PRDDSD350094](2013)に、5月5日の録音というデータが記載されている。下記のスペイン音楽ともども、この前後の録音と考えられる。



5.







トゥリーナ:幻想舞曲集
アルベニス(アルボス編):組曲《イベリア》抜粋(5曲)、《ナバーラ》

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)

[DECCA;480 0457,480 0456](DECCA原盤、2010)

  オリジナルLPはこのカップリング。国内盤LP〈キング;K18C8229〉(1982)には4月録音とあるが、CDには5月とある。

5.5(木)
 -7(土)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番、ピアノ・ソナタ第2番、《ああ、お母さん聞いて》による12の変奏曲

クララ・ハスキル(p)
ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン祝祭弦楽合奏団
ルカ教会ゲマインデザール、ルツェルン(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCH GRAMMOPHON;437 676-2]

  5、6日に協奏曲、7日に独奏曲を録音。



5.6(金)

ヴェルディ:歌劇《トロヴァトーレ》全曲

ルシーン・アマーラ(S)ジーン・マデイラ(Ms)カルロ・ベルゴンツィ(T)ロバート・メリル(Br)ほか
ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
フォックス劇場、アトランタ(ステレオ録音)
[WALHALL;WLCD0321](2010)

  5月2日から7日まで、地方巡業中のメトロポリタン歌劇場はアトランタで6公演した。2日の《アンドレア・シェニエ》も録音が入手可能。6月4日まで続けて、シーズンを終える。侍女イネス役でストラタスが出ている。



5.6(金)

ワイル:ブレヒト歌曲(7曲)

ロッテ・レーニャ(vo)
ミリティアデス・カリディス指揮バイエルン放送so
ヘルクレスザール、ミュンヘン
[BEAR FAMILY;BCD16019KL]

  11枚組『LOTTE LENYA』所収。バイエルン放送交響楽団の現代音楽のシリーズ「ムジカ・ヴィーヴァ」に、ワイル未亡人レーニャ(1898生)が登場。当日は《7つの大罪》も演奏された。



5.6(金)

ウェーバー:コンツェルトシュトゥック
フランク:交響的変奏曲

ロベール・カサドシュ(p)
キリル・コンドラシン指揮トリノRAIso
RAI講堂、トリノ(ステレオ録音)
[FONIT CETRA;ARCD2051]



5.6(金)
 -11(水)

ファリャ、アルベニス&ヴィラ=ロボス:小品集(5+5+4曲)

マグダ・タリアフェロ(p)
サル・ワグラム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI:5 69476 2]

  録音日は5、10、11日。タリアフェロ(1893-1986)はブラジル生れのフランスのピアニスト。



5.7(土)

フォス:歌劇《イントロダクション・アンド・グッドバイ》(世界初演)
トムソン:歌劇《四人の聖人》より第3幕と第4幕

リー・ヴェノーラ(S)ベティ・アレン(Ms)ジョン・リアードン(Br)ほか
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[NEW YORK PHILHARMONIC;NYP9904]

  5日から8日の定期で演奏されたもので、ほかにボーイトの歌劇《メフィストーフェレ》のプロローグなどが演奏された。バーンスタインはこの演奏会を「オペラの音楽」(ミュージック・オブ・オペラ)と名づけた。



5.7(土)

ジャズCD『THE 1960 BIRDLAND SESSIONS』より3曲

ビル・エヴァンズ・トリオ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[COOL N`BLUE RECORDS;C&B-CD106]

  CDは3.12、3.19、4.30の録音も含めて全12曲。



5.7(土)

サッカー『FAカップ決勝戦 ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ対ブラックバーン・ローバーズ』

ウォルバーハンプトン・ワンダラーズとブラックバーン・ローバーズの選手たち、ケネス・ウォルステンホーム(実況)
ウェンブリー・スタジアム、ウェンブリー
DVD〈ILC SPORT;DVD2752〉

  FAカップはプレミア・リーグとともにイングランド・サッカーを代表するカップ戦で、1871年に開始された世界最古のカップ戦といわれる。決勝戦は1923年からロンドン郊外のウェンブリー・スタジアム(イングランド・サッカーの聖地と呼ばれる)で行なわれており、1960年の公式観客数は10万人だった。
  ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(愛称ウォルブズ)は1957/58と1958/59の2シーズン連続でプレミア・リーグ優勝を達成した、当時の強豪チーム。試合は前半41分にオウン・ゴールでワンダラーズが先制、その2分後にはローバーズのフルバックが負傷退場。10人で戦うことになった(当時はまだ、負傷であっても選手の途中交代が認められていなかった)ローバーズは後半さらに2点を失い、結局3対0でウォルブズが圧勝した。
 なおこのとき負傷退場したデーヴ・ウィーラン(1936生)は、引退後に実業家として大成功した。



5.8(日)

即興演奏《オートマティズム》《オブジェ》

水野修孝、小杉武久、塩見千枝子、淡野弓子、戸島美喜夫、刀根康尚(演奏)
水野修孝の自宅、千葉
[HEAR SOUND ART LIBRARY;HEAR-002]

  『MUSIC OF GROUPE ONGAKU』所収。東京芸術大学楽理科の水野(1934生)と小杉(1938生)を中心とする大学生たちの演奏。1959年秋頃から即興演奏を私的に行なっていた。「千葉県郊外の丘の上」(塩見千枝子)にあった水野の自宅でテープに録音したもので、家庭の日用品を叩いたりしている。日本最初の即興演奏集団として4か月後に「グループ・音楽」を名乗ることになる。
  CDにはかれらの初のコンサートとなった、翌61年9月15日の草月会館ホールでの《メタプラズム 9-15》も収められている。



5.8(日)

ペッテション・ベリエル 歌劇《アルンヨット》全曲

ジーグルト・ビョルリング(Bs)エヴァ・プリツ(S)アールネ・ティレン(Bs-Br)ほか
シクステン・エールリンク指揮ストックホルム王室歌劇場o、同cho
ストックホルム王室歌劇場、ストックホルム(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈CAPRICE;CAP1341/3〉

  《アルンヨット》は1910年の作品。未確認だが、いくつかの資料にステレオ録音とある。



5.9(月)


ブラームス:交響曲第4番

カール・エリアスベルク指揮レニングラードpo
レニングラード
CD-R〈LANNE HISTORICAL COLLECTION;LHC-7117〉

  フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音か。エリアスベルク(1907生)は1953年までレニングラード放送交響楽団の首席指揮者であった。この楽団は同年に改組してレニングラードpoと同じ名をもつの別の団体となっており、外国では区別のためにレニングラード交響楽団と呼ばれていた。この演奏のオーケストラも、あるいはそれかも知れない。



5.9(月)
 &10(火)







ベートーヴェン:交響曲第2番、劇音楽《ステファン王》序曲、歌劇《フィデリオ》序曲、劇音楽《エグモント》序曲

ピエール・モントゥー指揮ロンドンso
アセンブリー・ホール、ウォルサムストウ(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;443 479-2] [ユニバーサル;UCCD3372](フィデリオ)

  すべてモントゥー没後の1967年に発売された。同年録音とされる第4番は、前年10月10日の録音。4月中旬にロンドンを訪れたモントゥーは、一旦ウィーンを訪れた後、再びロンドンで演奏会と録音を行なった。

5.9(月)
 -11(水)

シュレーカー:歌劇《烙印を押された人々》全曲

イヴリン・リアー(S)ヘルムート・クレプス(T)トマス・スチュアート(Bs-Br)フランツ・クラス(Bs)、ほか
ヴィンフリート・ツィリヒ指揮北ドイツ放送so、同cho
ハンブルク(?)(セッション放送録音)
[Walhall;WLCD0376](2013)
LP〈VOCE;68〉
CD-R〈HOUSE OF OPERA;CD10336〉

  ツィリヒ(1905-63)は1959年から亡くなるまで、北ドイツ放送の音楽部門の監督を務めた。



5.9(月)
 -12(木)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ゲザ・アンダ(p)
フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリドール;POCG-6036](DGG原盤)

  1月26日と27日のベルリン・フィルの演奏会で、この曲と交響曲第2番を演奏していた。



5.10(火)



ケルビーニ:歌劇《エリーサ》全曲

ガブリエラ・トゥッチ(S)ジャンニ・ライモンディ(T)マリオ・ザナーシ(Br)ほか
フランコ・カプアーナ指揮フィレンツェ5月祭o、同cho
ペルゴラ劇場、フィレンツェ(5月祭)
[MYTO;2CD00322](2012)
LP〈MELODRAM;MEL153〉

  フィレンツェ5月祭開幕日の公演。オペラ発祥の地フィレンツェで開かれる5月祭は、ベル・カント期以前のオペラの蘇演に力を注いでいる。この年は6月30日まで行なわれ、《エリーサ》公演は10、12、15日。ペルゴラ劇場は1656年開場、1755年に木造から石造に改築された歴史的劇場。なおこの年は、メディチ家ゆかりのボーボリ庭園の野外劇場で、現存最古のオペラ《エウリディーチェ》(ペーリ作曲)がゼッフィレッリの演出で上演されている。



5.10(火)

ベルリオーズ:歌劇《トロイ人》全曲(英語版)

アミー・シュアード(S)ケルスティン・マイア(Ms)ジョン・ヴィッカーズ(T)ほか
ジョン・プリッチャード指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o、同cho
コヴェント・ガーデン劇場、ロンドン
〈未レコード化〉

  57年6月に当時の音楽監督クーベリック指揮で上演され、大評判となった演出の再演。クーベリック排撃の急先鋒となり、58年に辞任させた張本人であるビーチャム(1779-1961)が、9年ぶりにこの歌劇場に復帰して指揮する予定だった。しかし体調不良でキャンセルされ、プリッチャード(1921生)が代役となった。1月のニューヨークでの演奏会形式上演、そしてこの上演と《トロイ人》に入れこんでいたビーチャムだが、結局どちらも指揮することができなかった。(参照1.12)



5.10(火)

モートン・グールド:バレエ音楽《フォール・リヴァーの伝説》、ラテン・アメリカ・シンフォネット

モートン・グールドと彼のオーケストラ
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGビクター:BVCY7304](RCA原盤)

  モートン・グールド(1913-96)による自演録音。



5.10(火)





大相撲「栃錦引退発表」

横綱栃錦
春日野部屋、東京両国
〈NHKソフトウェア;NSDS-6908〉

  DVD『大相撲大全集~昭和の名力士~』第弐巻に所収。
  興奮の栃若全勝対決から2か月後、夏場所において初日、2日目と連敗した横綱栃錦(1925生)は突然引退を発表、「桜の花が散る如く」引退した。戦後の土俵を湧かせた「栃若時代」は唐突に、しかし潔く終わりを告げたのである。



5.10(火)

マルティヌー:ヴァイオリン二重協奏曲

ペーター・リバール、クルト・コンツェルマン(vn)
ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮チューリヒ・トーンハレo
チューリヒ
[TELOS;TLS023]

  『PETER RYBAR EDITION VOL.Ⅱ』所収。



5.10(火)
 &11(水)

ポップス『ミリアム・マケバ』(14曲)

ミリアム・マケバ(vo)
ベラフォンテ・フォーク・シンガーズ、チャド・ミッチェル・トリオ、ペリー・ロペス(g)
ミルト・オクン指揮のオーケストラ
ウェブスター・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[COLLECTABLES;COL-CD-2842](RCA原盤)
(参照5.2)



5.11(水)

ウェーベルン:6つのバガテル

ジュリアードSQ
南西ドイツ放送局、バーデン・バーデン(セッション放送録音、ステレオ)
[COL LEGNO;WWE12CD31899]

  12枚組『ドナウエッシンゲン音楽日々の75年間』に所収。急速に声望を高めていたアメリカのジュリアード弦楽四重奏団によるヨーロッパ楽旅中の録音で、この後プラハの春音楽祭、ウィーン祝祭週間にも登場している。



5.11(水)

ミヨー:プロヴァンス組曲

アレクサンドル・ガウク指揮モスクワ放送so
モスクワ(?)(セッション放送録音?)
[BRILLIANT;8866]

  10枚組「ALEXANDER GAUK EDITION」所収。



5.11(水)
 &12(木)

モーツァルト:ホルン協奏曲第1、2番

アラン・シヴィル(hn)
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT1102](EMI原盤)

18日と19日に残り2曲を録音。クレンペラー(1885-1973)は14日に75歳の誕生日を迎える。



5.11(水)
 -14(土)







メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェン:2つのロマンス

アルテュール・グリュミオー(vn)
ベルナルド・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウo
コンセルトヘボウ、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;PHCP9632](メンデルスゾーン&チャイコフスキー)
[PHILIPS:442287-2](ロマンス第2番)

  同時にメンデルスゾーンの《フィンガルの洞窟》〈G03066L〉と、アンドリーセンの交響的練習曲が録音された〈A02052L〉。
  ハイティンク(1929生)は1961年9月からヨッフムとともに常任指揮者に就任することが決まっている。本人によれば、バルトークの管弦楽のための協奏曲に次ぐ、コンセルトヘボウとの2枚目の録音だという。実際には前年9月にドヴォルジャークの第7番を録音したのが最初。



5.12(木)

落語『崇徳院』

三代目 桂三木助
東京(NHK音源)
[キングレコード;KICH3242]

  日付は放送日。
  上記CDには「1966年11月15日キングレコード・スタジオ」録音とあるが、三木助は1961年に亡くなっているし、ライヴ録音だから誤りと考えられる(LP用のマスタリングをしたときのデータではないか)。草柳俊一氏のサイト『道楽三昧』内のページに紹介されていた(現在は削除)、1960年5月12日放送の音源と同じものであろう。



5.13(金)

マーラー:交響曲第4番

クリスティアヌ・ソレル(S)
オイゲン・センカル指揮デュッセルドルフ市立so
ローベルト・シューマン・ザール、デュッセルドルフ
[ARCHIPHON;ARC-136/38]

  ハンガリー生れのユダヤ人指揮者センカル(1891生)は1951年からデュッセルドルフの歌劇場監督を務め、56年からは同市の音楽総監督に就任していた(1960年8月末日をもって、高齢により辞職する)。1958年の国際マーラー協会設立1周年のさいに、アルマ・マーラー=ヴェルフェルの推挙を受けたブルーノ・ワルターにより、協会初の名誉会員となっていた。同時期のベルリン・フィル定期にも客演して、この第4番を指揮している。
  なおマーラーの命日は5月18日である。



5.13(金)

マーラー:交響曲第2番《復活》

ルート・マルグレート・ピュッツ(S)マルガ・ヘフゲン(A)
カール・シューリヒト指揮ヘッセン放送so、フランクフルト・ジングアカデミーcho
フランクフルト
[ORIGINALS;SH819/20]

  4月7日シュトゥットガルトでの第3番に続いて、シューリヒト(1880生)は《復活》を演奏した。ドイツの長老指揮者のなかでマーラーを好む人物は数少ない。



5.13(金)

モーツァルト:幻想曲K475
シューベルト:即興曲作品90の第3、4番
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第4番
ほかショパン、ラフマニノフ、スクリャービンの小品9曲

ウラディミール・ソフロニツキー(p)
モスクワ音楽院小ホール
[LIVING STAGE;LS4035182](全曲)



5.13(金)

ドキュメンタリー『THE HOUSE COMMITTEE ON UN-AMERICAN ACTIVITIES』 (非米活動委員会)

市庁舎、サンフランシスコ(ライヴ商業録音)
LP〈FOLKWAYS RECORDS;FD5530〉

  サンフランシスコ市庁舎(CITY HALL)で開かれた下院非米活動委員会(HUAC)の公聴会の模様を録音したドキュメンタリー。
  社会活動家ウィリアム・マンデルの喚問に反対する学生200人が市庁舎に入ろうとしたが、委員長は警官隊を導入してゴボウ抜きと放水で彼らを排除しようとし、抵抗した若者64人が逮捕される騒ぎとなった。抗議する学生たちの叫びや、「合衆国憲法に違反してそこに座っているユダどもに、私が協力するなどと思うなら、あんたはどうかしている」というマンデルの証言などが収録されている。
  「マッカーシー旋風」など1940年代後半から約10年間、「アカ狩り」で猛威を振るった非米活動委員会も、この頃には批判の対象となることが増え、弱体化しつつあった。この暴動はその象徴的事件とされる。
  未CD化だが、スミソニアン・フォークウェイズ・レーベルのサイトで、CD-Rのコピー盤を購入できる。



5.13(金)
 &14(土)

パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番

マイケル・レビン(vn)
ユージン・グーセンス指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-7166](CAPITOL原盤)

  アメリカの名手レビン(1936-72)がロンドンに渡って録音したもの。同CD所収のチゴイネルワイゼンや《序奏とロンド・カプリチオーソ》も同じ演奏者たちによる「1960年録音」とあるが、ハント編のフィルハーモニア管弦楽団のディスコグラフィ[ISBN0 9510268 1 X]に該当する録音はない。1959年11月録音の、F・スラットキン指揮ハリウッド・ボウルoとの演奏だろう。



5.14(土)

ムード音楽『LIBERACE AT THE LONDON PALLADIUM』(7曲)

リベラーチェ(p)
ゴードン・ロビンソン指揮ロンドン・パレイディアムo
ロンドン・パレイディアム劇場、ロンドン(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈CORAL RECORDS;CRL757346〉

  甘いマスクと派手な衣装で人気を誇ったアメリカのムード・ピアニスト、リベラーチェ(1919生)のロンドン・ライヴ。



5.15(日)



R・シュトラウス:歌劇《カプリッチョ》全曲

エリーザベト・シュヴァルツコップ、クリステル・ゴルツ(S)アントン・デルモータ(T)、ヴァルター・ベリー(Br)パウル・シェフラー(Bs)、ほか
カール・ベーム指揮ウィーン国立歌劇場o
国立歌劇場、ウィーン
[GOLDEN MELODRAM;GM 3.0001](2010)
[RCA;74321 69427 2]〈終幕のモノローグのみ〉

  ハルトマン演出による新演出上演の初日。シュヴァルツコップ(1915生)が伯爵夫人役を舞台で初めて歌った。メトではワーグナーやベートーヴェンも振っていたベーム(1894生)だが、ウィーンでは専らモーツァルトとR・シュトラウスの指揮者だった。RCA盤はウィーン国立歌劇場ライヴ録音シリーズの『RICHARD STRAUSS:PRIMA DONNAS』所収。(参照2.20)



5.15(日)
 &16(月)





フロトウ:歌劇《マルタ》抜粋(ドイツ語訳詞版)

アンネリーゼ・ローテンベルガー、ヘッティ・プリュマッハー(S)フリッツ・ヴンダーリヒ(T)ゲオルク・フェルカー(Br)ゴットロープ・フリック、ローベルト・コフマン(Bs)
ベリスラフ・クロプカール指揮ベルリンso、ベルリン・ドイツ歌劇場cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDZ25 2215 2]
5.15(日)
 &16(月)





ジャズ『BARRY HARRIS AT THE JAZZ WORKSHOP』(8+3曲)

バリー・ハリス(p)サム・ジョーンズ(b)ルイ・ヘイズ(ds)
ザ・ジャズ・ワークショップ、サンフランシスコ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[RIVERSIDE;OJCCD-208-2]

  キャノンボール・アダレイ・クインテットのメンバー3人による、ピアノ・トリオ。

5.15(日)
 -30(月)







グリーグ:ノルウェー舞曲、抒情組曲、ピアノ協奏曲

ジーナ・バッカウアー(p)
ジョージ・ウェルドン指揮ロイヤルpo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-11335、1577]

  録音日に不審な点がある。協奏曲を含む[11335](99年発売)には15日と30日、管弦楽曲のみの[1577](94年発売)には25日と30日と表記されている。どちらかが誤植で協奏曲が別の年月日の録音なのか、協奏曲が15日なのか、判然としない。

5.16(月)
 前後

ガーシュウィン:ミュージカル《オー・ケイ!》(15曲)

マーティ・スティーヴンズ、デイヴィッド・ダニエルズ、マレイ・マシソン
ドロシー・フレイターグ、レジナルド・ビーン(p)パット・ハリソン(perc)
RCAスタジオ(?)、ニューヨーク(セッション商業録音)
[DRG;15017](20TH CENTURY FOX原盤)

  1926年にブロードウェイで初演されたガーシュウィンの傑作を、オフ・ブロードウェイの小劇場で再演したさいのキャストによる録音。伴奏が2台ピアノとパーカッションという小編成(ガーシュウィン自身の意向にはむしろ近いという)なのが、いかにもオフ・ブロードウェイ風である。とはいえ一流のブロードウェイのミュージカルでも、オーケストラは25人前後だった。
  なおCDには録音月日の表記がないが、『音楽の友』昭和35年9月号の松前紀男による記事「世界かけあるき」で、バーンスタイン&ニューヨーク・フィルの年金基金演奏会(5月15日)に触れた一節に続けて、この作品のRCAスタジオでの収録に立ち会ったという記述があるので、ここに掲げておく。ただしその記事ではステレオ録音としているが、入手できるCDはモノーラル録音である。



5.16(月)
 (誤り)

ショパン;ピアノ協奏曲第2番

アルトゥール・ルービンシュタイン(p)
カルロ・マリア・ジュリーニ/PO
ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン
[HUNT;2HUNTCD567]

  年度違い。ハント盤CDやパラゴンのLPには上記の日付があるが、61年録音として正規発売されたBBC盤[BBC BBCL4105-2]が正しい。
  ただしこのCD、メインはベートーヴェンの協奏曲第3番から第5番の3曲を1967年12月7日一晩で弾いた(共演はドラティ指揮ロンドン・フィル)という凄いもの。そのタフネスぶりはさすがルービンシュタイン。



5.16(月)

ブラームス:ドイツ・レクイエム

N・スホヴィツィナ(S)L・ペトロフ(Br)
カルル・エリアスベルク指揮ソヴィエト国立so、ロシア共和国cho
モスクワ音楽院大ホール
[VISTA VERA;VVCD-00217](2010)

  先週レニングラードで指揮したエリアスベルク(1907生)が、モスクワの演奏会に登場。



5.16(月)

アリア・コンサート(4曲)

レナータ・テバルディ(S)
カルロ・フェリーチェ・チラーリオ指揮ミュンヘン放送o
ドイツ博物館コングレスザール、ミュンヘン
[GREAT OPERA PERFORMANCES;GOP721]

  2枚組『OMAGGIO A RENATA TEBALDI』所収。2か月のアメリカ滞在から帰欧したテバルディ(1922-2004)は、16日から30日まで西独4都市で演奏会ツアーを行なった。これはその初日。



5.16(月)







チャイコフスキー:交響曲第5番
バーンスタイン:映画《波止場》からの交響的組曲

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SRCR9549](チャイコフスキー) [SONY;SMK63085](バーンスタイン)

  前日15日夜の年金基金演奏会(ベートーヴェンの《合唱》など)でニューヨークpoはシーズンの全日程を終えた。12日から15日の定期の曲目はこの2曲と、3人の副指揮者が日替わりで指揮する《真夏の夜の夢》抜粋だった。

5.16(月)

ラジオのための詩劇『鳥籠になった男』(寺山修司作)

鬼頭昭夫、劇団CBC、ほか
CBC(中部日本放送)、名古屋
[キング;KICC542]

  寺山修司(1935生)の書いたラジオ・ドラマ。午後8時半からの番組、「カトレヤ劇場」で放送された。



5.16(月)
 -18(水)





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》、第14番《月光》、第23番《熱情》

ヴィルヘルム・ケンプ(p)
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[DG;UCCG-9348]

  全集のための録音とは別に、単独で収録されたもの。

5.16(月)
 -20(金)







ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9~11、16番

ブダペストSQ
CBS30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SBK47665](第9、10番)
[ソニー;25DC5226](第11番)

  16日に第9番、17日に10&11番、20日に16番が録音された。

5.16(月)
 -20(金)

ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第13番

ヴラフSQ
ドモヴィナ・スタジオ、プラハ(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア;COCQ83821](スプラフォン原盤)

  第1ヴァイオリンのヨゼフ・ヴラフはチェコ室内oのコンサートマスターも兼任しており、4月のチェコ室内oの来日公演にも帯同した。ヴィオラのヨゼフ・コドウセクも加わっていた。帰国直後に録音されたもの。5月12日から「プラハの春」音楽祭が始まっている。



5.18(水)







ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番、アンダンテと変奏曲、幻想曲
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番《テンペスト》、第32番

ヴィルヘルム・バックハウス(p)
クアザール劇場、ルガーノ
[ERMITAGE;ERM105](ハイドン、テンペスト)
[ERMITAGE;ERM128](第32番)

  バックハウス(1884生)は1946年以来、スイス南部の町ルガーノに住んでいる。

5.18(水)

サッカー『ヨーロッパ・カップ決勝戦 レアル・マドリー対アイントラハト・フランクフルト』

レアル・マドリー、アイントラハト・フランクフルトの選手たち、ケネス・ウォルステンホーム(実況)
ハンプデン・パーク、グラスゴー
DVD〈MASTERSOUND;MSDVD541〉

  テレビ収録されたサッカーの試合として、最も有名なものの一つ。あまりの好評に、イギリスではその後も毎年のように再放送されていたという。

  ヨーロッパ・カップは現在のヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグの前身。独裁者フランコ総統の後援もあって、当時最強を誇っていたスペインのレアル・マドリーが、1956年の開始以来5連覇を達成した。これはその5年目の記録で、絶頂期のレアル・マドリーをとらえた映像として名高い。試合はレアルの2人のエースFW、プスカシュの4ゴールとディ・ステファノの3ゴールで7対3と大勝した。当日の観客は公式には12万7千、非公式には13万5千人という。
  ゴール数はプスカシュ(かつての「マジック・マジャール」の中心選手。ハンガリー動乱で亡命)の方が上だが、印象的、また効果的なのはディ・ステファノの3ゴールである。前半に1点先取されたあとの体勢を崩しながらの同点ゴール、間をおかない逆転ゴール、そして後半、6対1から1点返された直後の、一人で持ち込んでのゴール。全体を通じて、相手を面白いように翻弄し、つないでゆくレアル・マドリーのチーム・プレーが、わくわくするほど楽しい。



5.18(水)
 &19(木)





モーツァルト:ホルン協奏曲第3、4番

アラン・シヴィル(hn)
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[TESTAMENT;SBT1102](EMI原盤)

5.18(水)
 -20(金)


シューベルト:交響曲第5番
ベートーヴェン:トルコ行進曲、ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲、マイアベーア:戴冠行進曲(歌劇《預言者》より)、プロコフィエフ:行進曲(歌劇《3つのオレンジの恋》より)

ウィレム・ファン・オッテルロー指揮ハーグpo
コンセルトヘボウ、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[CHALLENGE CLASSICS;CC72383](PHILIPS原盤、2001)

  7枚組「WILLEM VAN OTTERLOO / THE ORIGINAL RECORDINGS 1951-1966」所収。シューベルトが18と19日、行進曲が20日の録音。
  オッテルロー(1907-78)のフィリップス録音。セッションは16日に開始されたが、1曲目のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(デル・プエヨ独奏)は第1楽章のみの録音で企画が破棄され、残りの3日間で上記曲目が録音された。



5.18(水)
 -27(金)

オッフェンバック(ロザンタール編):バレエ音楽《パリの喜び》

ゲオルグ・ショルティ指揮コヴェント・ガーデン王室歌劇場o
ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3787](DECCA原盤)

  1年前に発売された《ラインの黄金》全曲盤の大ヒットで、一躍話題の指揮者となっていたショルティ(1912生)は、1961年秋からコヴェント・ガーデン歌劇場の音楽監督となることになった。正式に発表されたのは60年春のことで、その数ヶ月後に行なわれたこのセッション(実演とは無関係)は、就任記念盤とするためなのではないか。
  カップリングの《ファウスト》のバレエ音楽は60年1月28日の録音とされる。



5.19(木)

ベルリオーズ:劇的交響曲《ロメオとジュリエット》(チェコ語訳詞)

ヴェラ・クリロヴァー(Ms)ベノ・ブラフト(T)ラディスラフ・ムラース(Bs)
ロリン・マゼール指揮チェコpo&cho
スメタナ・ホール、プラハ(プラハの春音楽祭)
[Czech Radioservis;CR0599](2012)

  1960年のプラハの春音楽祭は、5月12日から6月5日まで開催された。祖国解放15周年、ショパン生誕150周年、マーラー生誕100周年の記念をテーマに掲げる。この日は俊英マゼールが登場。



5.19(木)

ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》終楽章より、237~330小節

オーセ・ノルモ・レーヴベリ(S)ハリエット・セリン(Ms)
ラグナール・ウルファング(T)ジークルド・ビョルリング(Bs)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ストックホルムso、ムジカリスカ・ゼルスカペcho
コンサート・ホール、ストックホルム
[BIS;CD-421/424]

  欧米では《合唱》は5月から6月のシーズン終了時によく演奏される。前述のとおりニューヨークでは15日にバーンスタインが指揮しているし、21日と22日にはカラヤンがウィーンpoと演奏している。これはストックホルムpoの75周年記念セットから、《合唱》終楽章を10種のライヴで細切れにつないで再現したものの一部分。



5.19(木)
 &20(金)





ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲

ヤッシャ・ハイフェッツ(vn)グレゴール・ピアティゴルスキー(vc)
アルフレッド・ウォレンステイン指揮RCAビクターso
リパブリック・スタジオのサウンド・ステージ9、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC-37052]

5.19(木)
 &20(金)

ニュース映像「自民党強行採決の大混乱」

国会議事堂、東京(日本映画新社撮影)
DVD付書籍〈講談社;ISBN4-06-274730-8〉

  『昭和ニッポン 第10巻 昭和35年・1960』所収。映画館で劇映画の合間に上映されるニュース映画の制作会社、日本映画新社による映像。

  19日から20日に日付が変わった直後の0時18分、衆議院本会議で自民党が新安保条約承認を強行採決で可決する。警官500人を動員して野党議員を排除した非民主的で強引な手段が非難を浴び、空前絶後の規模の国民を巻きこんだ安保反対運動がわきおこることになる。「60年安保」クライマックスの1か月がここにはじまる。
  同DVDには、6月4日の統一スト、10日のハガチー事件、15日の全学連国会突入、6月19日深夜の自然承認、23日の岸退陣表明の映像も含まれている。



5.20(金)

ジャズ『クインシー・ジョーンズ/ライヴ・イン`60』より(10曲)

クインシー・ジョーンズ・ビッグ・バンド
ジュネーヴ(?)、スイス
DVD-R〈ユニバーサル;UCBU-1020〉

  都市名は不明。TSR(スイス・ロマンド・テレビ)の収録した番組を2006年にDVD化したもの。2月のベルギーでの映像も所収。
  6.27のローザンヌでの録音もCD化されている。



5.20(金)
   (?)





ラヴェル:夜のガスパール

アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ(p)
プラハ(プラハの春音楽祭)
[MULISONIC;31 0193-2]

  6月3日のリサイタルの誤表記と思われる。

5.21(土)

ロッシーニ:歌劇《セビリャの理髪師》全曲

テレサ・ベルガンサ(Ms)ルイージ・アルヴァ(T)ロランド・パネライ(Br)フェルナンド・コレナ(Bs)ほか
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o、同cho
コヴェント・ガーデン劇場、ロンドン
[ICA CLASSICS;ICAC5046](2011)

  若きベルガンサ(1934生)がロジーナ役でコヴェント・ガーデンにデビュー、大評判となった。16日が初日でこれが3日目の公演。6月2日まで8回。



5.21(土)

ロッシーニ:歌劇《アルジェのイタリア女》より、リンドーロのカバティーヌ

ヨーン・ファン・ケステレン(T)
クルト・アイヒホルン指揮ミュンヘン放送o
スポーツの家、ミュンヘン
[GALA;GL100.572]

  2枚組『JOHN VAN KESTEREN IN OPERA』所収。ケステレン(1921生)はオランダ人だが、1958年から長くミュンヘンを拠点に活動した。



5.21(土)

プッチーニ:歌劇《外套》全曲

マクダ・オリヴェーロ(S)ジュゼッペ・ジスモンド(T)シルヴァーノ・ヴェルリンギエリ(Br)ほか
ウーゴ・ラパロ指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
CD-R〈House of Opera ALD1639〉



5.22(日)
   (?)

ヘンツェ:歌劇《ホンブルクの王子》第3幕第9景、第10景

リーゼロッテ・フェルザー(S)ミミ・アーデン(A)ヘルムート・メルヒャルト(T)ヴラディミール・ルツダク(Br)ほか
レオポルト・ルートヴィヒ指揮ハンブルク国立歌劇場po、同cho
ハンブルク国立歌劇場
[RCA:74321 73628 2]

  CDシリーズ『MUSIK IN DEUTSCHLAND 1950-2000』の『MUSIKTHEATER/HAMBURGISCHE STAATSOPER』所収。
  日付不詳だが、おそらくは初日、世界初演当日のライヴ録音の抜粋だろう。前年秋に総支配人となったロルフ・リーバーマン(1910生)のもと、ハンブルク国立歌劇場は新作初演など、意欲的な活動を開始している。



5.22(日)

オッド:喜歌劇《司教橋の警報》(ALARM IN PONT L’EVEQUE)より2曲

レネリーゼ・ヘーレ(S)ギーゼラ・マイ(Ms)
ギュンター・クライン指揮ライプツィヒ・東ドイツ放送娯楽o、ライプツィヒ放送舞踏o
ライプツィヒ放送局(セッション放送録音)
[BMG;74321 73545 2]

  CDシリーズ『MUSIK IN DEUTSCHLAND 1950-2000』の『OPERETTE & MUSICAL 1950-1976』所収。



5.22(日)

ベートーヴェン:交響曲第5番
ブラックウッド:交響曲第1番
ワーグナー:歌劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》前奏曲(短縮版)
メンデルスゾーン:八重奏曲よりスケルツォ

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
日比谷公会堂、東京(ステレオ録音)
[ALTUS;ALT102](2011)
  ボストンso来日ツアーから。東京、大阪から西日本を回り、東京で3回目の演奏会。



5.22(日)
 -24(火)

シューマン:ピアノ協奏曲
リスト:ピアノ協奏曲第1番

アニー・フィッシャー(p)
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-55450]

  リストのセッションは24日のみ。62年5月と8月に追加セッションがあり、ようやく全曲が完成した。



5.23(月)

ニールセン:歌劇《サウルとダヴィデ》全曲

ルート・グルドベック(S)ニールス・メラー(T)フランス・アンデルソン(Bs)ほか
トーマス・ヨハネス・イェンセン指揮デンマーク放送so、同cho
デンマーク放送スタジオ1、コペンハーゲン(セッション放送録音)
[DANACORD;DK-1319]

  1902年初演のこの歌劇は、旧約聖書での古代イスラエルの王位交代の物語を描く。

  なおこの日、イスラエル首相ベングリオンは同国の国会で、ナチスのユダヤ人虐殺の責任者アドルフ・アイヒマンを拘留したことを高らかに告げた。潜伏先のアルゼンチンから、主権侵害を承知で拉致したものだった。翌日、西ドイツは引き渡しを要請するが、イスラエルはこれを拒否して自国で裁判を行なう。



5.23(月)





メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送so
ハンブルク
CD-R〈RARE MOTH;RM572-M〉

5.

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》

ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送so
フリードリヒ・エーベルトハレ、ハンブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[TOWER RECORDS;PROC-1124](2011、DEUTSCHE GRAMMOPHON原盤)

  日付不詳だが、23日の演奏会の前後だろうと推定される。12月にベルリンpoと録音する第4番とのカップリング。



5.23(月)

リャードフ:交響的絵画《ヨハネ黙示録から》

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ラムルーo
サロン・ド・ラ・ミュテュアリテ(?)、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCG-4211](DEUTSCHE GRAMMOPHON原盤)

  LP『ロシア音楽の夕べ』で初出。他のチャイコフスキー、ボロディン、グリンカの作品は1959年12月に録音されていた。ラムルー管弦楽団は翌日からマルティノン指揮でフルニエとのセッションを行なっている。
  上記CDにはこれも1959年12月の録音とあるが、ここではJ・ハント編のディスコグラフィ『CONDUCTORS ON THE YELLOW LABEL』のデータに従っておく。



5.23(月)

リムスキー=コルサコフ:《パン・ヴォエヴォーダ》組曲

エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ボリショイ劇場o
モスクワ(?)
[BRILLIANT CLASSICS;BRL9001]

  10枚組『EVGENY SVETRANOV EDITION』所収。



5.23(月)

ポクリス:ミュージカル《恋するアーネスト》(16曲)

レイラ・マーティン、ジョン・アーヴィング、ジェリアンヌ・ラファエル、ほか
リザ・レッドフィールド指揮のオーケストラ
コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[DRG;19045](COLUMBIA原盤)

  オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作とするこの作品は、オフ・ブロードウェイのグラマシー・アーツ劇場で5月4日に開幕し、その後チェリー・レーン劇場に移って111回上演された。オフ・ブロードウェイの小規模作品をコロンビアが録音した、最初の事例だという。



5.23(月)

落語『へっつい幽霊』

三代目 桂三木助
ヤマハ・ホール、東京銀座(第11回東京落語会)
[ビクター;VICG15085]

  三木助(1902-1961)。第11回東京落語会の録音。



5.24(火)

ハイドン:チェロ協奏曲第2番
ジョヴァンニ・バティスタ・チリ:協奏曲第3番

マッシモ・アンフィテアトロフ(vc)
ラースロー・ショモジ指揮ナポリRAIスカルラッティso
ナポリ
CD-R〈SUNJAY CLASSIC;SUCD-196-K〉(2009)

  アンフィテアトロフ(1907-90)はサンクトペテルブルク生れのロシア人で、革命の際イタリアに移住、以後は同国を拠点としたチェリスト。ミラノ・スカラ座、ミラノとローマのRAI交響楽団などで首席をつとめ、室内楽の分野でも活躍した。「チェロのカルーソー」といわれたという。ショモジ(1908生)はハンガリー出身で、ハンガリー動乱以後西側で活動していた。



5.24(火)

デュシーク:2台のピアノと管弦楽のための協奏曲

フランティシェク・マクシアーン&ヤン・パネンカ(p)
ジョン・バルビローリ指揮チェコpo
スメタナ・ホール、プラハ(プラハの春音楽祭)
[SUPRAPHON;SU3779-2]

  1960年のプラハの春音楽祭は、5月12日から6月5日まで開催された。祖国解放15周年、ショパン生誕150周年、マーラー生誕100周年の記念をテーマに掲げる。当日は他にマーラーの《巨人》が演奏されている。2004年のCDで初めてレコード化されたもの。



5.24(火)
 前後

G・ガブリエリ:『行列と式典の音楽』(10曲)

フランツ・アイプナー、ヘルベルト・タヘツィ、ルネ・クレマンシック、アントン・ハイラー(org)
エドモント・アッピア指揮ガブリエリ祝祭o、同cho
ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD CLASSICS;ATM-SC-1553]

  4人のうち、メインのオルガンはアントン・ハイラー。月日不詳だが、ライナーノーツにシーモア・ソロモン(プロデューサー)が録音プランを書いた5月24日付の書簡が引用されている。



5.24(火)

テレビ番組『SING ALONG WITH MITCH』

ミッチ・ミラー、ダイアナ・トラスク、レスリー・アッガムズ、ブラザーズ・フォア(出演)
NBCテレビ、ニューヨーク
VHS〈MAD PHAT ENTERPRISES;19195-000179〉

  日付は放送日。フォード自動車提供による1時間のヴァラエティ番組『FORD STARTIME』の枠で放映されたもの。同番組は1959年10月6日から1960年5月31日まで、午後9時30分から32回にわたり放送された。内容はポップス、コメディなどで出演者も毎回交代する。豪華なスターたちの出演で、シーズンに1500万ドルもの巨額の予算が組まれていたという。
  この日は合唱指揮者として人気のあったミッチ・ミラーをホストとし、売り物の「シング・アロング」を交えて進行する。

  3月8日の『THE SWINGIN’SINGIN’YEARS』もVHSで入手可能。



5.24(火)
 -26(木)

ラロ:チェロ協奏曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
ブルッフ:コル・ニドライ

ピエール・フルニエ(vc)
ジャン・マルティノン指揮ラムルーo
サロン・ド・ラ・ミュテュアリテ、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;457 761-2]



5.25(水)

プート:ピアノ協奏曲

マルコム・フレーガー(p)
フランツ・アンドレ指揮ベルギー国立o
パレ・デ・ボーザール、ブリュッセル(エリザベート王妃国際コンクール本選)
[CYPRES CYP9612]

  1951年にはじまったエリザベート王妃国際コンクールは1年に1部門、ヴァイオリン、ピアノ、作曲、休みと4年周期でくり返される。ピアノの年となった1960年は21か国から70人が参加、アメリカのフレーガー(1935生)が栄冠を獲得した。本選では、コンクール用に作曲された協奏曲を弾くことが義務づけられている。



5.25(水)

ショパン:24の前奏曲

クラウディオ・アラウ(p)
芸術家の家(?)、プラハ(プラハの春音楽祭)
[APR;APR5631]

  前半はショパンのスケルツォ、ソナタなど。1960年のプラハの春音楽祭に招かれた主なソリストはピアノのアラウ(1903生)、ミケランジェリ、アース、ヴァイオリンのシェリング、コーガン、スターン、ヴィオラのバルシャイ、チェロのロストロポーヴィチなどだった。オール・ショパン・リサイタルの最後の曲目。音楽祭に招待された評論家の大木正興が聴いている。



5.25(水)


「歌曲の夕べ」(シューベルト、マルタン、ラヴェル、R・シュトラウスの歌曲21曲)

ジェラール・スゼー(Br)ダルトン・ボールドウィン(p)
シュヴェツィンゲン城コンツェルトザール、シュヴェツィンゲン(シュヴェツィンゲン音楽祭)
[HÄNSSLER;CD93.717](2012)

  シュヴェツィンゲン音楽祭は南西ドイツ放送(SWR)の主催で、毎年4月末から5月末まで行われる。



5.25(水)





ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》

ミシェル・ルロー(vn)
ルイ・オーリアコンブ指揮トゥールーズ室内o
トゥールーズ(セッション商業録音、ステレオ)
[ACCORD;476 8985](CLUB FRANÇAIS DU DISQUE原盤)

5.26(木)

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

アイザック・スターン(vn)
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立so
 モスクワ音楽院大ホール
[MOSCOW STATE CONCERVATOIRE;SMC CD 0023]
  スターンはクライバーンやロバータ・ピータースとともに、国務省の派遣で6月にかけてソ連を親善訪問している。これはアイゼンハワー大統領の訪ソ(現職大統領としては史上初)にあわせたものだったが、U2型機撃墜事件のため大統領の訪ソは中止となった。



5.26(木)





コック:オクスベリ変奏曲

スティグ・ヴェステルベリ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィル
コンセルフース、ストックホルム(セッション商業録音、ステレオ)
[SWEDISH SOCIETY DISCOFIL;SCD1024]

5.26(木)
 -6.22(水)

ジャズ『3つの組曲』より、《くるみ割り人形》組曲

デューク・エリントンo
ラジオ・レコーダーズ、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[COLUMBIA;CK46825]

  5.26、31、6.3、21、22の5日間で録音。6月末に《ペール・ギュント》組曲を録音する。
  翌日のライブ録音もCD化されている。



5.27(金)

ジャズ『MODERN JAZZ QUARTET/IN CONCERT』(17曲)

モダン・ジャズ・カルテット
リュブリャーナ
[POINT;2620542]

  『ヨーロピアン・コンサート』(4.11-13参照)の1か月半後のユーゴスラビアでのライヴ。15曲収録の『ヨーロピアン・コンサート』と重なるのは12曲のみで、曲順も異なる。ただしモノーラルである。



5.27(金)



















DUOPHON



ポップスLP『WIEDERSEHEN MIT MARLENE』(12曲)

マレーネ・ディートリヒ(vo)
バート・バカラック指揮のオーケストラ
ミュンヘン(ライヴ商業録音)
[DRG;91513](2009、CAPITOL原盤)
LP〈CAPITOL;T10282〉

  ディートリヒ(1901生)の西ドイツ帰還公演の楽日のライヴ。
  1930年にドイツを離れて渡米、敵国連合軍の慰問団としても活動したディートリヒの30年ぶりの帰還は、ドイツ世論に凄まじい賛否両論の嵐を巻き起こした。「マレーネ・ゴー・ホーム」のプラカードを掲げた反対派のデモに加え、5月16日のデュッセルドルフでは「裏切り者!」と叫ぶ18歳の少女に唾をはきかけられるなど、ディートリヒの心に生涯消えることのない傷を残す事件も起きた。心労からか、23日のヴィースバーデン公演では舞台から転落して左肩を骨折し、以後は左腕を吊って歌っている。反対派の興奮に比例して賛成派も熱狂、数日後のミュンヘン公演はカーテンコール64回という大成功に終わった。だが、ディートリヒはこの後二度とドイツに帰ることはなかった。
  ケルンでの録音も含められているとある。19日のケルン公演のことではなく、全曲目を同時期にケルンでセッション録音しているので、そのことかも知れない。
  LP時代にはDUOPHONICと名づけた疑似ステレオ盤(DT10282)も発売されていたが、2009年に初CD化されたのはオリジナルのモノラル録音。

  なおパム・ジェムズ作の戯曲『マレーネ』は時と場所を特に設定していないが、フォルカー・キューンによるドイツ語上演版は、1960年のドイツ公演中の一夜として設定し、歌われる曲もドイツ語歌詞の作品に入れ換えている。
[DUOPHON;BET.-NR.01763]



5.後半

ポップスCD『MYTHOS UND LEGENDE/MARLENE DIETRICH』より(12曲)

マレーネ・ディートリヒ(vo)
バート・バカラック指揮o
ケルン(セッション商業録音)
[ELECTROLA;8 31420 2]

  3枚組55曲の中に、このときの録音が含まれている。27日のライヴと同じ曲目をケルンでセッション録音したもので、こちらは各国でCD化された。CDには8月録音とあるが誤記だろう。この時期の商業録音としては珍しく、モノラル録音しか世に出ていない。演奏はやはりライヴに敵わない。



5.27(金)

ジャズ『CAL TJADER/CONCERTS IN THE SUN』より4曲

カル・ジェイダー(vib)、ロニー・ヒューイット(p)エディ・コールマン(b)ウィリー・ボボ(ds)モンゴ・サンタマリア(conga)
サンタモニカ市立公会堂、カリフォルニア(ステレオ録音)
[FANTASY;FCD-9688-2]

  ヴィブラフォン奏者ジェイダー(1925生)のグループによるライヴで、2002年に初レコード化された。10月7日のワイキキでのライヴも収録されている。
 なお、この年のサンフランシスコのブラック・ホークと、ロスでの録音を収めた『LATINO!』もある。



5.27(金)

ジャズ『DUKE ELINGTON AND HIS ORCHESTRA / IN CONCERT 1960』(6曲)

デューク・エリントンo
サンタモニカ、カリフォルニア(ステレオ録音)
[HINDSIGHT;HCD-268]

  ハリウッドでの《くるみ割り人形》組曲の録音の合間に、サンタモニカで行なったライヴをCD化したもの。
  同日のカル・ジェイダーのライヴCDとの関係は不明だが、ともに当時のライヴでは珍しい良質なステレオ録音であることを考えると、これも同じサンタモニカ市立公会堂で行なわれたコンサートの一部分なのではないか。



5.28(土)

レーガー:ピアノ五重奏曲第2番

スビャトスラフ・リヒテル(p)ボロディンSQ
レニングラード
[DOREMI;DHR-7945](2009)

  リヒテルのレーガー録音は珍しい。



5.28(土)

ヴォーン=ウィリアムズ:《残酷な美》(3つのロンデル)

アレクサンダー・ヤング(t)弦楽三重奏
収録場所不明(ロンドン?)
[Albion Records;ALBCD014](2012)

  2枚組「Albion Archive Recordings of Ralph Vaughan Williams」所収。1921年作の室内声楽曲。詞はチョーサー。



5.28(土)

ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番、ラヴェル:ピアノ三重奏曲

ボザール・トリオ
シュヴェツィンゲン城コンツェルトザール、シュヴェツィンゲン(シュヴェツィンゲン音楽祭)
[HÄNSSLER;CD93.715](2012)

  1955年結成のボザール・トリオによる演奏会。ほかにベートーヴェンのピアノ三重奏曲第1番も演奏されたが、録音が現存しないという。



5.28(土)


ジャズ『LEE MORGAN/UNFORGETTABLE LEE!』より2曲

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[FRESH SOUND RECORDS;FSR-CD357]

  (4.16参照)



5.28(土)
 -31(火)





オリジナル



ヴェルディ:レクイエム(部分)

フリッツ・ライナー指揮ウィーンpo、ウィーン楽友協会cho
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;467 119-2]

  デッカと提携関係にあったRCAの依頼による録音で、本来はライナーの本拠地シカゴで録音する予定だったが、シカゴ交響合唱団の出演料が高すぎるためにウィーン録音に変更された。
  録音日は28、30、31日。続いて6月12、13、16、19、26日にも録音が行なわれている。独唱者のうちビョルリンクが参加したのは12-19日のセッションだったので、この間に独唱者4人の部分が録音されたと思われる。5月のこの3日間は、おそらく合唱のみの部分の録音だろう。

5.29(日)

マーラー:大地の歌(チェコ語訳詞版)

マルタ・クラーソヴァー(A)ベノ・ブラフト(T)
カレル・シェイナ指揮プラハ国民劇場o
聖ヴィート大聖堂、プラハ(プラハの春音楽祭)
[SPOLECNOST BENO BLACHUTA;SBB001-04-02]

  チェコ・フィルの次席指揮者シェイナ(1896生)による演奏。シェイナはこの年に功労芸術家賞を与えられている。音楽祭のマーラー生誕100周年記念演奏の一つ。ブラフト専門のレーベルが2004年にCD化した。



5.29(日)



ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
キリル・コンドラシン指揮チェコpo
スメタナ・ホール、プラハ(プラハの春音楽祭)
[SUPRAPHON;SU4101](2013)
[INTAGLIO;INCD7251]

  ロストロポーヴィチ(1927生)に献呈された作品で、前年10月4日にかれの独奏で初演されたばかり。ロストロポーヴィチはソ連以外の各国にも積極的に紹介した。この年の音楽祭は祖国解放15周年記念と謳われていた。音楽祭の中心的存在であるチェコ・フィルの演奏会には、常任のアンチェルのほかクリュイタンス、マゼール、バルビローリ、コンドラシン(1914生)、ベームが登場した。音楽祭恒例のベートーヴェンの《合唱》は、ベームが指揮した。



5.29(日)

バーバー:メディアの瞑想と復讐の踊り
ドビュッシー:交響詩《海》

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
日比谷公会堂、東京(ステレオ録音)
[ALTUS;ALT100](2011)

  ボストンso来日ツアーから。翌日に東京体育館で離日前最後の演奏会を行う。ほかにブラームスの交響曲第2番が演奏されたが、全曲はモノラル録音しか残っていないため、発売されなかった。



5.29(日)

シューベルト:交響曲第7番《未完成》
マーラー:交響曲第4番、3つの歌

エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
ブルーノ・ワルター指揮ウィーンpo
楽友教会大ホール、ウィーン(ウィーン芸術週間)
[MUSIC & ARTS;CD-4705]

  『THE VIENNA FAREWELL CONCERT』所収。ウィーン芸術週間の中心をなす、楽友協会主催の演奏会シリーズの初日で、ワルター(1776生)の生涯最後のウィーンでの演奏会となったもの。旧師マーラーの生誕100年を祝うため、衰えた心身をおしての渡欧だった。負担を軽くするために、前月のニューヨーク公演と同じ大地の歌を希望したが断られている。カラヤンが芸術週間の後半に指揮することになっていたためで、ワルター自らカラヤンに要請したが、ゆずってもらえなかったという。

  舞台上でのワルターのスピーチも録音が残されているが、未レコード化。



不詳

談話LP『BRUNO WALTER/SELBSTPORTRÖT』

ブルーノ・ワルター(語り)
ウィーン
LP〈PHILIPS;N00902R〉

  ラジオ番組のために回想を語ったもの。日付不詳だが、ウィーン芸術週間中に録音されたとある。



5.29(日)









ベートーヴェン:《献堂式》序曲、交響曲第2番、第3番《英雄》

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
楽友教会大ホール、ウィーン(ウィーン芸術週間)
[CETRA;CDE1038](献堂式) 
[CETRA;CDE1033](第2番) 
[CETRA;CDE1007](第3番)

  午前11時開始のワルター演奏会に続き、夜7時30分から行なわれた。
ともに外山雄三が聴いている。

5.29(日)

自動車レース「F1モナコ・グランプリ決勝」より

ジョン・テート(撮影)
モンテカルロ(私的撮影、カラー)
DVD〈QUANTUM LEAP GROUP;QLDVD6276〉

  DVD『F1 LEGENDS OF THE 1960`S』に所収。アマチュア映画製作者のジョン・テートがカラー撮影したフィルムによるもので、予選前の5月26日からの模様も収められている。全10戦のグランプリの第2戦。現代のF1マシンでは常識となっているミッドシップ・エンジンはまだ導入されたばかりで、フェラーリなどはフロント・エンジンである。ブルース・マクラーレンやジャック・ブラバムなど、後にチームのオーナーとして活躍する人々が現役のドライバーとして参戦している。レースは途中から降りはじめた小雨の中、ロータス・クライマックス・チームのスターリング・モスが優勝した。
  バイク・レーサーとして当時無敵を誇っていたジョン・サーティーズがロータス・ワークス・チームのドライバーとしてF1に初登場したが、19周(全100周)でリタイアしている。翌年からは本格的に参戦、のちにホンダのドライバーとして、1967年に日本チーム初の1位をもたらすことになる。



5.29(日)

レーン:ミュージカル《フィニアンの虹》(14曲)

ジェニー・カースン、ハワード・モリス、ビフ・マクガイア、ほか
マックス・メス指揮のオーケストラ
RCAスタジオA、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;1057-2-RG]

  1947年にブロードウェイの46丁目劇場で初演され、725回上演されたヒット作を再演したさいの録音。5月23日にニューヨーク・シティ・センターで開幕し、その後初演会場の46丁目劇場に移って6月1日まで上演された。ニューヨーク・シティ・センターには、1955年から65年までライト・オペラ・カンパニーという興行団体があり、旧作のリバイバルを専門にしていた。
  なおシティ・センターでは6月2日から22日まで、第1回渡米歌舞伎が上演される。



5.29(日)

ジャズ《ワン・オ・クロック・ジャンプ》

カウント・ベイシー・オーケストラ
CBSテレビ、ニューヨーク(エド・サリヴァン・ショー)
[TVT RECORDS;TVT9439-2]

  『THE SULLIVAN YEARS』シリーズの『BIG BAND ALL-STARS』所収。(2.14参照)



5.29(日)
 -6.1(水)

ウェーバー(ベルリオーズ編):舞踏への勧誘
J・シュトラウス(ドラティ編):バレエ《卒業舞踏会》

ウィリー・ボスコフスキー指揮ウィーンpo
ゾフィエンザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;POCL4539](デッカ原盤)

  ヴェルディのレクイエムのセッションが28、30、31日にあったので、それと並行して録音されたことになる。さらにデッカのウィーン・フィル録音は、オペラと演奏会の合間をぬって行なわれる。29日はウィーン・フィル大忙しの一日で、昼には楽友協会でワルターの演奏会があっただけでなく、国立歌劇場ではカラヤン指揮の《大聖堂の殺人》とクリュイタンス指揮の《フィデリオ》の2本が同日に上演されている。その後も30日は《ボエーム》、31日は《ラインの黄金》、1日は《ワルキューレ》が上演された。
  なお《舞踏への勧誘》は、3ヶ月前にクナッパーツブッシュ指揮で録音したばかりである。



5.30(月)

ベルリオーズ;歌劇《トロイ人》全曲(イタリア語版)

ネル・ランキン(S)ジュリエッタ・シミオナート(Ms)マリオ・デル・モナコ(T)ほか
ラファエル・クーベリック指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
スカラ座、ミラノ
[MYTO 3MCD021.256]

  27日初日。スカラ座がこの作品を取りあげたのは、おそらく3年前のコヴェント・ガーデンでの好評に刺激されたからだろう。ロンドンと同じくクーベリック(1914生)が指揮にあたっている。かつてかれが手がけた同じオペラがロンドンで再演され(参照5.10)、16年前に創設にくわわったプラハの春音楽祭が挙行されているこの時期、亡命者クーベリックの心中はどんなものだったのだろうか。
  5回公演されたあと、スカラ座は6月7日にシーズンを終了する。



5.30(月)
 -6.2(水)





シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番

アニー・フィッシャー(p)
アビー・ロード・スタジオNo.3、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[Tower Records;QIAG-50113](2013)



5.30(月)
 -6.10(木)





ビゼー:歌劇《カルメン》組曲第1&2番、劇音楽《アルルの女》組曲第1&2番

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ラムルーo
化学館、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCP-9058](PHILIPS原盤、2001)

  1959年12月の録音とするCDもある。



5.31(火)





ベートーヴェン:《エグモント》序曲リハーサル断片

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
楽友教会大ホール、ウィーン(ウィーン芸術週間)
DVD〈WARNER;0927 42667 2〉

  DVD『アート・オブ・コンダクティング』所収。ORFのニュースが元らしい。オリジナルでは続いて新聞の絶賛評(So und Nicht Andersなど)が音にかぶせて紹介される。



5.31(火)









ベートーヴェン:《エグモント》序曲、交響曲第4番、第5番《運命》

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
楽友教会大ホール、ウィーン(ウィーン芸術週間)
[CETRA;CDE1008](エグモント) 
[CETRA;CDE1038](第4番) 
[CETRA;CDE1067](第5番)
5.31(火)

バーンスタイン:ミュージカル《オン・ザ・タウン》(13曲)

ナンシー・ウォーカー、ベティ・カムデン、アドルフ・グリーン
レナード・バーンスタイン指揮のオーケストラ
コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[COLUMBIA;CK2038]

  1944年にブロードウェイで初演されたバーンスタインのミュージカル第1作。当時のミュージカル録音としては珍しく、実際の舞台上演とは無関係な録音だが、オリジナル・キャストが4人参加している。
  このあとバーンスタインは2か月の休暇をマーサズ・ヴィニヤード島(マーサのワイン畑)で過ごし、マーラーに倣って作曲に専念するつもりだった。『オペラ』誌には「ドイツのユダヤ人ゲットーを舞台とするオペラにとりかかる予定」とある。しかし何も生まれず、徒労に終わることになった。



5.31(火)
 &6.1(水)

ベートーヴェン:三重協奏曲

ゲザ・アンダ(p)ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)ピエール・フルニエ(vc)
フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送so
イエス・キリスト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;POCG90188](DEUTSCHE GRAMMOPHON原盤)

  29日と30日の高等音楽院ホールでの演奏会でこの曲が演奏されていた。他の曲目はバルトークの《肖像》とブラームスの交響曲第4番。
  フルニエは24日から26日までパリで録音していた。



5.31(火)
 &6.1(水)

ポップスLP『坂本スミ子のラテンリサイタル』より6曲

坂本スミ子(Vo)
アロー・ラテン・グループ、古谷充とザ・フレッシュメン
大阪毎日ホール、大阪(セッション商業録音、ステレオ)
[テイチク;TECN25919]

  CD『おスミのラテン・ヒッツ』所収。「ラテンの女王」といわれた坂本スミ子(1936生)が故郷大阪で録音した初アルバムより。1958年からラテン歌手として活動していたが、59年末からのトリオ・ロス・パンチョス来日公演にアイ・ジョージとともに前座出演したことで、一気に知名度を高めた。
  4月と7月に発売されたシングル盤の4曲(アイ・ジョージとのデュエット1曲含む)も所収されている。



5.

ハリス:交響曲第4番《民謡交響曲》

ウラディミール・ゴルシュマン指揮アメリカ祝祭o&cho
ニューヨーク(?)(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD CLASSICS;SVC-107HD]

  3月のクレストンと同じCD。



5.





ベルリオーズ:幻想交響曲
ムソルグスキー:はげ山の一夜

ウラディミール・ゴルシュマン指揮ウィーン国立歌劇場o
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD CLASSICS;SVC-104HD]

5.

LP『ヘンデル:アリア集』(10曲)より、アリア4曲

ケネス・マッケラー(T)
エードリアン・ボールト指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o
ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;480 4915](2011)

  1959年11月と1960年5月に録音された。《アチスとガラテア》《エフタ》と《ユダス・マカベウス》2曲。



5.

バッハ:カンタータ第12番《泣き、嘆き、憂い、おののけ》、第29番《神よ、我ら汝に感謝す》

ナタニア・ダヴラツ(S)ヒルデ・レッセル=マイダン(Ms)アントン・デルモータ(T)ワルター・ベリー(Bs)
アントン・ハイラー(org)
メーゲンス・ヴェルディケ指揮ウィーン国立歌劇場室内o、ウィーン室内cho
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD;SVC-88-CD]



5.(1960年前半)

ドキュメンタリーLP『MAKING OF A MARINE!』(海兵隊員誕生!)

ジョン・ハート(語り)、アメリカ海兵隊の兵士たち
カリフォルニア各地の海兵隊キャンプ、演習地(ライヴ商業録音)
LP〈SOUNDS OF DOCUMENTARY RECORD;No.804〉

  「レザーネック」と通称され、その練度と士気の高さでアメリカの最精鋭地上部隊とされるアメリカ海兵隊。その新兵(ブーツなどと呼ばれる)訓練のドキュメント。
  パリス・アイランドとサンディエゴのブーツ・キャンプ(新兵訓練場)での11週間の訓練を経て「マリーン」(海兵隊員)となった兵士たちが、5月の上陸演習「オペレーション・ビッグ・トップ」に参加するまでの模様が録音されている。このレーベルは他に陸海空3軍の訓練ドキュメントもLP化している。
  海兵隊は、有事には陸軍に先んじて派遣される。5年後の1965年、本格介入を決意したアメリカがベトナムに最初に派遣した地上部隊も海兵隊だった。



5.

公民権運動歌《A&Pの歌》

インテグレーション・グルーヴズ(合唱)
スペルマン・カレッジ、アトランタ
[SMITHSONIAN FOLKWAYS;CD SF 40084]

  黒人公民権運動の歌を集めた2枚組『VOICES OF THE CIVIL RIGHTS MOVEMENT』所収。当時のアメリカ諸州では、南部を中心にまだ人種差別が公然と行なわれていた。レストランやバスに白人専用席が設けられていたのである。1960年2月ノースカロライナー州グリーンボロで、4人の黒人学生がウルワース内のスナックの白人専用席に座り込んだ。これを契機として各州に「シット・イン」(座り込み)運動が拡大し、アトランタでは3月14日に数百人の黒人学生がシット・インを行い、77人が逮捕された。
  この歌はその時期に歌われたもので、R&Bの既成曲を借りて、差別撤廃を訴える歌詞をつけたもの。A&Pはスーパーのチェーン店のこと。スペルマン・カレッジは1881年創立の名門黒人女子大学で、この録音はそこで開催された「シット・イン・ショー・ダウン」という集会でのもの。



5.

ドキュメンタリー『TRAINS IN THE NIGHT』よりトラック1

LMS「ブラック・ファイブ」44840号の走行音
シャプ、カンブリア州湖水地方(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ASV;CD ATR 7049]

  1960年代イギリスの蒸気機関車の走行音を集めたアルバム(ピーター・ハンドフォード制作)から。1960年5月深夜、湖水地方のソルターウォスからシャプ・ウェルズの間を走るLMS(ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティシュ)鉄道の機関車「ブラック・ファイブ」の音が約4分収められている。
  「ブラック・ファイブ」とはスタニア5MTクラス4-6-0という機関車の通称。ウィリアム・スタニアの設計で1934年から51年までに842台が製造された。イギリスの鉄道では1968年まで蒸気機関車が使用されていた。



5.

落語『佐々木政談』

六代目 三遊亭圓生
収録場所不明
[日本コロムビア;COCJ-35048]

  「六代目三遊亭圓生落語名演集」第8巻所収。



5.

邦楽〈どどいつ/小唄〉

五代目 古今亭志ん生
東京(ニッポン放送収録)
[ポニー;PCCG-00693](2005)

  『五代目 古今亭志ん生 名演大全集』第1集所収。



5.&6.







チマローザ:歌劇《宮廷楽士長》全曲
モーツァルト:アリア集(K.512,584,612)

フェルナンド・コレナ(Bs)
アルジェオ・クワドリ指揮コヴェント・ガーデン歌劇場o
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[DECCA;450 161-2](チマローザ)
[LONDON;455 241-2](モーツァルト)

  《宮廷楽士長》のCDはケルテス指揮の《ドン・パスクワーレ》の付録。
  コヴェント・ガーデンでの《セビリヤの理髪師》上演に並行して録音されたもの。《こうもり》のガラで歌った《ドミノ》も、おそらく同時期の録音だろう。



5.&6.

バッハ;管弦楽組曲4曲

ユーディ・メニューイン(vn)指揮バース祝祭o
EMIアビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 74439 2]

  7枚組のバッハ作品集に所収。



5.&6.





ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番《ハープ》、第11番《セリオーソ》

アマデウスSQ
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
  [ポリドール;POCG-3301/2](第10番のみ、DEUTSCH GRAMMOPHON原盤)


5.&6.



バッハ:カンタータ第11番《御国にまします神をたたえよ》、第68番《かくのごとく神は世を愛したまえり》、第111番《我が神の欲したまうこと、つねに起こらん》、第140番《目覚めよ、と呼ぶ声あり》

エリーザベト・グリュンマー、アグネス・ギーベル(S)マルガ・ヘフゲン(Ms)ハンス=ヨアヒム・ロッチュ(T)テオ・アダム(Bs)
クルト・トーマス指揮ライプチヒ・ゲヴァントハウスo、トーマス教会cho
トーマス教会、ライプチヒ(セッション商業録音、ステレオ)
[BERLIN CLASSICS;0092012BC、0092032BC](分売、エテルナ原盤)

  クルト・トーマス(1904生)は当時のトーマス・カントール。西ドイツで活動していたが、ギュンター・ラミン没後の1957年、特に招かれてその後任となった。しかし芸術および宗教的活動に容喙する当局との摩擦が絶えず、この録音から半年後の12月12日、西ドイツ演奏旅行を中止させられたのを直接の原因として辞任し、亡命することになる。
  テノール独唱のロッチュ(1929生)は、72年から第30代トーマス・カントールとなる人物である。



5.&6.












デュカス:交響詩《魔法使いの弟子》
シャブリエ:エスパーニャ
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ラヴェル:ボレロ
サン=サーンス:死の舞踏
ベルリオーズ:《ファウストの劫罰》より3曲、《ロミオとジュリエット》より〈マブ女王のスケルツォ〉

ピエール・デルヴォー指揮コンセール・コロンヌo
パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 85216 2 7]
[東芝EMI;TOCE-13390](除ベルリオーズ)

  1961年3月28&29日にも追加のセッションが行なわれている。このコンビは国際音盤ギルド・レーベルにもラヴェルのスペイン狂詩曲とラ・ヴァルスを録音しているが、月日は不詳(スペイン狂詩曲のみ、[CSCAVELE;VEL3066]でCD化)。

5.~9.

ムード音楽『EXODUS』(12曲)

マントヴァーニとそのオーケストラ
デッカ・スタジオ(?)、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[VOCALION;CDLK4179](DECCA原盤)

  デッカのドル箱の一人マントヴァーニ(1905生)による、『栄光への脱出』(原題EXODUS)や『避暑地の出来事』(A SUMMER PLACE)などの映画や、《サウンド・オブ・ミュージック》や《優しいイルマ》などミュージカルのテーマ曲を集めたアルバムで、正確なアルバム名は『MANTOVANI PLAYS MUSIC FROM EXODUS AND OTHER GREAT THEMES』。
  アメリカでは11月末に発売され、ビルボード誌のアルバム・チャートで第2位を5週続ける大ヒットとなった。
  録音は5月と7月から9月にかけて分散して行なわれた。9月にオリジナルが録音され、12月に公開される《アラモ》のテーマが早くも入っている(9月録音というのは本当なのだろうか)。