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1960年11月
(最終更新2013.9.16)

11.初旬(?)

ラヴェル:歌劇《子供と魔法》全曲

ジャーヌ・ベルビエ(S)フランソワーズ・オジェアス(Ms)ミシェル・セネシャル(T)カミーユ・モラーヌ(Br)ほか
ロリン・マゼール指揮フランス国立放送o、同cho
サル・ド・ミュテュアリテ、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリグラム;POCG-3813/4](1997、DG原盤)

  俊英マゼール(1930年生)の名を一躍高めた名盤。11月とあるだけで日付不詳だが10月23日にパリ音楽院oの定期演奏会を指揮しているので、その直後の11月初めではないかと思われる。



11.1(火)







ベートーヴェン:バレエ《プロメテウスの創造物》序曲、ピアノ協奏曲第1番
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

スビャトスラフ・リヒテル(p)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
[WEST HILL RADIO ARCHIVES;WHRA-6035](2011)
[AS DISC;AS335/6](1990)

  ボストンでのリヒテルの特別演奏会。協奏曲2曲を弾いている。

11.1(火)

グルック:歌劇《オルフェオとエウリディーチェ》全曲

ジュリエッタ・シミオナート(Ms)イルマ・ゴンザレス、ミルドレッド・アレン(S)
アントニオ・デ・アルメイダ指揮アメリカ・オペラ協会o、同cho
タウン・ホール、ニューヨーク
CD-R〈HOUSE OF OPERA;CD6436〉



11.1(火)
 -4(金)


ストラヴィンスキー:バレエ組曲《火の鳥》
ハチャトゥリャン:バレエ組曲《ガヤネー》

ヴィトルド・ロヴィツキ指揮ハーク・レジデントo
コンセルトヘボウ、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈PHILIPS;698 060CL〉

  ロヴィツキ(1914-89)が10.28-30のウィーンでのセッションに続いて録音。



11.1(火)
 -4(金)


ラファエル:交響曲第5番

ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送so
北ドイツ放送(NDR)、ハンブルク(セッション放送録音)
CPO;777 563-2(2010)

  ギュンター・ラファエル(1903-60)はドイツの作曲家。第5番は1952年の作品。この年の10月16日に亡くなっているので、追悼用の録音かも知れない。
  3曲の交響曲と合唱交響曲をまとめた3枚組に所収。



11.1(火)
 -5(土)





ブルックナー:交響曲第7番

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM7 69126 2](1988)

11.2(水)

落語『道具屋』

三代目 桂三木助
東京(NHK)
[テイチク;TFC-1261]
[ユニバーサル;POCN-1074](1993)

  日付はテイチクの15枚組『ラジオ名人寄席』による。ユニバーサル盤は『NHK落語名人寄席』第34巻。
  三木助(1961.1.16没)の生涯最後の放送といわれる。



11.2(水)
 &3(木)

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

スビャトスラフ・リヒテル(p)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[ビクター;JM-XR24018](2004、RCA原盤)

  1日の演奏会に引き続いてのセッション録音。シカゴでのブラームスに続くもので、リヒテルの正規の商業録音はRCAが行なっていた。



11.2(水)



ヴェルディ:レクイエム

マリア・シュターダー(S)マルガ・ヘフゲン(Ms)ヴンダーリヒ(T)ゴットロープ・フリック(Bs)
ハンス・ミュラー=クライ指揮南ドイツ放送so、同cho、シュトゥットガルト教員唱友会、シュトゥットガルト・バッハcho
リーダーハレ、シュトゥットガルト
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;DG 476 6382](2008)
[MYTO;2MCD916.48](1991)

  カトリックの「万霊節」(諸死者の霊を祭る日)に行なわれた演奏会。
  グラモフォン盤は48年後に正規発売されたもの。ヴンダーリヒの衰えない人気に応えて発売されたらしく、ジャケットはかれの顔写真。



11.2(水)





ロッシーニ:歌劇《チェネレントラ》序曲

マリオ・ロッシ指揮トリノRAIso
トリノ
LP〈CETRA;LAR32〉



11.3(木)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番

エミール・ギレリス(p)
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
コングレスハレ、ライプツィヒ
[WEITBLICK;SSS0065-2](2007)

  ギレリスの東ドイツでのライヴ。8日後の11月11日にハンブルクでの演奏会(ブール指揮北ドイツ放送交響楽団との共演)を行い、西ドイツにデビューしている。13日のフランクフルトでの放送録音も世に出ている。



11.3(木)

落語『搗屋幸兵衛』(つきやこうべえ)

五代目 古今亭志ん生
NHK
[テイチク;TFC-1261]

  15枚組『ラジオ名人寄席』所収。



11.3(木)頃




サリヴァン:喜歌劇序曲集(4曲)
ジャーマン:《ヘンリー8世》《ネル・グウィン》の舞曲集(6曲)

マルコム・サージェント指揮プロ・アルテo
EMIアビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-13407](2006)
[EMI(SERAPHIM);7243 5 69137 2 1](ジャーマン、1996)
  CDはサージェントがそれまでに録音した全曲盤の序曲などと組み合わせたもの。
  LPは1961年に『More Gilbert and Sullivan Overtures』[SXLP-20032]として発売されたもので、新録音の《魔法使い》《コックスとボックス》《王女アイダ》《ラッディゴア》の4曲のほかに59年録音の《ペイシェンス》序曲を含み、ほかにジャーマンの《ヘンリー8世》と《ネル・グウィン》舞曲6曲が収録されていた。



11.3(木)
 -5(土)

ヴォーカル『LENA HORNE/AT THE SANDS』(9曲)

リナ・ホーン(Vo)
アンソニー・モレッリとそのサンズ・ホテルo
ザ・サンズ・ホテル、ラスベガス(ライヴ商業録音、ステレオ)
[COLLECTABLES;COL-CD-2841](2002、RCA原盤)

  リナ・ホーン(1917生、レナ・ホーンとも)は公民権運動の闘士としても知られた黒人女性歌手。この年の初めにはハリウッドで人種差別的発言をした白人男性を殴打して怪我させる事件も起していた。



11.3(木)
 &29(火)

ヒンデミット:ピアノ・ソナタ第3番、バーバー:《遠足》、マルタン:前奏曲第7番

アンドレ・プレヴィン(p)
ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SICC1180](米COLUMBIA原盤)

  ヒンデミットとマルタンが3日、バーバーが29日の録音。3.25のガーシュウィンの協奏的作品に続いて、プレヴィン(1920生)がコロンビアに録音した1枚。ジャズ・ピアニストとして名の売れていたかれの、初めてのクラシック独奏曲の録音だった。
  29日には〈ミスティ〉も録音されている。



11.3(木)

ムード音楽『THINKING OF YOU』(12曲)

アンドレ・プレヴィン(p&指揮)スタジオ・オーケストラ
コロンビア・スタジオ、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[COLLECTABLES;COL-CD-6086](米COLUMBIA原盤、1999)

  上記と同じ日に録音されたもの(曲によって他の日の可能性もあり)。
  同じCDに所収の『CAMELOT』も1960年録音と見て間違いないが、月日不詳。



11.4(木)

ジャズ『ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド・オン・ツアー・ウィズ・ズート・シムズ』より1曲

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド、ズート・シムズ(tb)
西ベルリン(ライヴ商業録音)
[フィフティファイヴ・レコード;FNCJ-5605](VERVE原盤)

  このバンドが行なったアメリカ~ヨーロッパ・ツアーでのライヴ録音からLP1枚に抜粋したもので、他に10月1日のサンタモニカ(3曲)、14日ミラノ(3曲)も含む。ただしステレオ録音はサンタモニカの3曲のみ。



11.5(土)







モーツァルト:交響曲第40番第1楽章

カール・チェリウス指揮京都市so
ヤサカ会館、京都祇園花見小路
[京都市交響楽団;OCD-1001](自主製作盤)

  『京都市交響楽団30年史』付録CD「京響音のあゆみ」に所収。
  1956年設立の京都市soは日本初の地方自治体所属のオーケストラ。59年に楽員を48人から77人に増員、60年4月に新本拠地の京都会館が開場するなど、順調な発展を続けている。チェリウス(1908生)は創設以来の初代常任指揮者。
  この日は京響友の会員招待演奏会で、旧本拠地のヤサカ会館が使用されている。

11.5(土)





ジャズ『LEE MORGAN/UNFORGETTABLE LEE!』より2曲

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
バードランド・クラブ、ニューヨーク
[FRESH SOUND RECORDS;FSR-CD357]

11.6(日)
 &7(月)

演説「ケネディによる選挙演説」

ジョン・F・ケネディ
ボストンほか
[SPEECHWORKS;JRCD7012](1992)

  CD『JFK/THE KENNEDY TAPES』所収。民主党の大統領候補ケネディは、選挙運動最後の3日間を地元ニューイングランドでの遊説にあてた。支持者たちによる「ウィ・ウォント・ケネディ!」の連呼も聞ける。
  8日朝に始まった投票の結果は大激戦となり、翌9日の午前3時頃になってようやく僅差でのケネディの勝利が確定した。総得票数ではわずか0.1%という極小の差だった。



11.6(日)
 ~12(土)












映像「東京六大学野球 早慶六連戦」

早稲田大学野球部&慶應義塾大学野球部
神宮球場、東京霞岳町
VHSビデオ〈文藝春秋;ISBN4-16-911721-2〉
DVD付書籍〈講談社;ISBN4-06-274730-8〉

  VHSのナンバービデオ『東京六大学野球 早慶戦百年』には、6試合を約15分間にまとめた、NHK制作と思しき記録映像の抜粋が収められている。
  秋のリーグ戦、優勝をかけて激突した早慶戦は早稲田の2勝1敗により同率首位となり、両校による優勝決定戦にもつれ込んだ。2度にわたる日没引分(当時の神宮にはナイター設備がなかった。照明設備をつければプロ野球が進出して「学生野球の聖地」が汚されると大学野球側が猛反対していたためという)ののち、3度目の再々戦で早稲田が勝って優勝する激闘となった。6試合の内5試合を完投して3勝を挙げた(後半は4連投)早稲田の鉄腕投手、安藤元博の活躍が語り草になっている。
  6試合とも満員で38万人の観客を集めたという(神宮の外野が芝生で席がなかった時代)。プロ野球でこの年日本一になった大洋の観客動員が、シーズン全体で56万人に過ぎない時代の話である。すでに2年前に長島茂雄がプロ入りしていたが、東京六大学野球の人気はまだまだ凄いものがあった。なおこの連戦では男だけの伝統的な応援団が幅を利かせるなか、慶応が女子高校生のチアリーダーを初登場させたことも話題になった。

  『昭和ニッポン 第10巻 昭和35年・1960』でも11日と12日の試合の一部が観られる。映画館で劇映画の合間に上映されるニュース映画の制作会社、日本映画新社による映像。勝敗の分かれ目となった早稲田の左翼手の好返球や前夜の球場周辺の様子、優勝の場面を観られる。

  なおこの6連戦の模様は長尾三郎の『神宮の森の伝説』(文春文庫)に詳しい。

11.7(月)

ストラヴィンスキー:バレエ《カルタ遊び》

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[BMGファンハウス;BVCC38466](RCA原盤)

  7月のバークシャー音楽祭でも演奏していた曲。



11.7(月)

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

レオポルト・ストコフスキー指揮ヒューストンso
ヒューストン
〈未レコード化〉



11.7(月)

リスト;ファウスト交響曲

チャールズ・ブレスラー(T)
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo、ザ・コラール・アート・ソサエティ
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;88697857572](2011)

  録音曲の選択に関して大きな裁量をあたえられていたバーンスタインが、コロンビア側の反対をおしきって録音したもの。しかしさっぱり売れなかった。



11.7(月)
 -10(木)

チャイコフスキー:交響曲第5番、第6番《悲愴》

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCG-33122/4](2001、DG原盤)

  9月初めにイギリスで開始されたレニングラードpoの西欧楽旅は、11月5日のウィーンの演奏会(ショスタコーヴィチとチャイコフスキーの両5番)で全日程を終えた。ロンドンでは第4番しか録音できなかったDGが、その直後にセッション録音したもの。



11.8(火)

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》

グレン・グールド(p)
ヨーゼフ・クリップス指揮バッファローpo
バッファロー
[SONY;88697808092](2010)
  「GRENN GOULD - THE SECRET LIVE TAPES」所収。
  当日の他の曲目は、ローレムの《イーグルズ》とブラームスの交響曲第1番。クリップスは、10月17日から11月1日までイスラエル・フィルの北米ツアーに帯同、ニューヨークなど4都市で指揮していた。



11.8(火)





ニュース映像「ケネディ米大統領当選」

アメリカ(INS提供の映像)
DVD付書籍〈講談社;ISBN4-06-274730-8〉

  『昭和ニッポン 第10巻 昭和35年・1960』所収。映画館で劇映画の合間に上映されるニュース映画の制作会社、日本映画新社による映像。

11.9(水)







モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8、10番

ミエチスラフ・ホルショフスキ(p)
タウン・ホール、ニューヨーク
[ARBTER;101,104](1996、分売)

  ホルショフスキ(1892生)による全曲チクルスのリサイタルから。CDは2枚組と3枚組からなり、1958年から69年にかけてのライヴから全19曲を集めている。



11.9(水)
 -11(金)



モーツァルト:3つのドイツ舞曲(《辻音楽師》K602-3、《カナリア》K600-5、《そり滑り》K605-3)
バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンpo
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-59118](2002、モーツァルト)
[EMI;CDM7 6924-2](1988、バルトーク)

  ウォルター・レッグとの最後の共同作業となった録音。これを最後にカラヤンはEMIを離れ、復帰は69年のことになる。ベルリンのグリューネヴァルト教会を使うのもこれが最後で、以後はダーレムのイエス・キリスト教会だけになる。
  直前の10月25日から11月6日まで、カラヤンとベルリンpoは西ドイツ6市、スイス4市、そしてミラノを歴訪する楽旅をおこなっていた。レッグはその演奏会の人気ぶりをEMI上層部に報告、契約の延長を訴えたが、徒労に終わったという。
  「カラヤンとともに指揮をする若者のコンクール」で優勝してカラヤンの指導を受けていた小澤征爾がセッションに立ち会っている。



11.10(木)

ラロ:歌劇《イスの王》序曲
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番

ロベール・カサドシュ(p)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
[TAHRA;TAH 710-711](2011、ブラームス)〈ラロは未レコード化〉
  CDには11日の録音とある。



11.10(木)

外山雄三:管弦楽のためのラプソディ

岩城宏之指揮NHKso
NHKホール、東京内幸町
映像〈未公刊〉

  N響は8月29日から11月4日まで68日間の世界演奏旅行を行ない、インドからヨーロッパをへてアメリカまで13か国24都市で公演を行なった。外山のラプソディはアンコール曲として大人気を誇った。
  これは「帰国記念演奏会」で収録されたもので、当日は他に、外山雄三が自ら自作を指揮した《五木の子守歌》とシュヒター指揮の《タンホイザー》序曲が演奏された。



11.11(金)

バッハ:管弦楽組曲第4番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ミヨー:プロヴァンス組曲

モニク・アース(p)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
[TAHRA;TAH 710-711](2011、モーツァルトとラヴェル)〈他は未レコード化〉



11.11(金)

ストラヴィンスキー:「ペルセフォネ」(ドイツ語訳詞版)

フリッツ・ヴンダーリヒ(T)ドリス・シャーデ(語り)
ディーン・ディクソン指揮ヘッセン放送so、ヘッセン放送cho、南ドイツ放送cho、シュヴァンハイム少年cho
ヘッセン放送局ゼンドザール、フランクフルト・アム・マイン
[AUDITE;AU95619](2011)



11.11(金)



モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》
プロコフィエフ:交響曲第7番

アルテュール・グリュミオー(vn)
ルドルフ・ケンペ指揮バイエルン放送so
ヘルクレスザール、ミュンヘン
[GOLDEN MELODRAM GM4.0049](2000、モーツァルト)
[GOLDEN MELODRAM GM4.0048](2000、プロコフィエフ)

  モーツァルトの協奏曲は4枚組『GREAT CONDUCTORS AT THE PIANO』に所収。定期演奏会のライヴ録音で、演奏会では他にラモーの《優雅なインドの国々》の序曲、ラヴェルのボレロが演奏された。
  首席指揮者ヨッフム(1902生)を前シーズン限りで辞任に追い込んだものの、後任のクーベリック(1914生)の着任が翌61年秋になるため、このシーズンのバイエルン放送交響楽団は客演指揮者制となっている。



11.11(金)

ヴェルディ:歌劇《アイーダ》全曲

レオンティン・プライス(S)アイリーン・デーリス(Ms)カルロ・ベルゴンツィ(T)アンセルモ・コルツァーニ(Br)ノーマン・トレイグル(Bs)ほか
ジュリウス・ルーデル指揮フィラデルフィア・リリック歌劇団o、同cho
アカデミー・オブ・ミュージック、フィラデルフィア
〈未レコード化、House of Opera;ALD2509〉

  フィラデルフィアの歌劇団による上演。



11.11(金)





ブルックナー;交響曲第4番《ロマンティック》

ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送so
ベタニア教会、ライプツィヒ(セッション放送録音)
[WEITBRICK;SSS0031-2](2002)

11.11(金)

シューベルト:交響曲第7番《未完成》

アルヴィート・ヤンソンス指揮東京so
日比谷公会堂、東京
[東芝EMI;TOCE-8863]

  特別演奏会のライヴ。他の曲目はチャイコフスキーの第5番、《禿山の一夜》、ハンガリー狂詩曲第2番。
  12月18日午前10時15分から11時までのラジオ東京(KR)の番組「コンサート・ホール」で放送された。



11.11(金)

スメタナ:歌劇《売られた花嫁》全曲(ドイツ語版)

イルムガルト・ゼーフリート(S)ヒルデ・コネツニ(Ms)ヴァルデマール・クメント(T)オスカー・ツェルヴェンカ(Bs)、ほか
ベリスラフ・クロプカール指揮ウィーン国立歌劇場o、同cho
国立歌劇場、ウィーン
[ORFEO;C785 092I](2010)

  1959年秋に新制作されたプロダクションで、ドイツ語訳詞による上演。



11.11(金)

テレビ番組「ベル・テレフォン・アワー」より、南北戦争メドレー(3曲)

バーバラ・クック
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo、同cho
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録画、カラー)
DVD〈VAI:DVD4347〉

  DVD『BARBARA COOK/BELL TELEPHONE HOUR 1960-1965』所収。NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。翌1961年は南北戦争開戦100周年にあたるので、その記念であろう。
  バーバラ・クック(1927生)は南部アトランタ生れのブロードウェイ・ミュージカルのスター。この1960年にはシティ・センターで上演された《王様と私》のリヴァイヴァルでヒロインを歌っていた。



11.11(金)







ジャズ『ハーフノートのドナルド・バード』Vol.1&2

ドナルド・バード(tp)ペッパー・アダムス(bs)デューク・ピアソン(p)レイモン・ジャクソン(b)
ハーフノート・カフェ、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[EMI;TOCE-4060、4061](1993、BLUE NOTE原盤)



11.11(金)

ジャズ『JATPオランピア・コンサート』(14曲)

マイルス・デイヴィス・クインテット
オランピア劇場、パリ
[EUROPE1;710455](1994)

  3月21日に続いて、この年2回目のマイルスによるパリ公演。テナー・サックスがソニー・スティットに代っている。



11.11(金)
  -14(月)

バッハ;《音楽の捧げ物》

ユーディ・メニューイン(vn)指揮バース祝祭o、ほか
EMIアビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 74439 2]

  7枚組のバッハ作品集に所収。プロデューサーのロナルド・キンロック・アンダーソンが自らハープシコードを弾いている。



11.12(土)

ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》

ピエール・モントゥー指揮ロイヤルpo
BBCスタジオ、ロンドン
[BBC;BBCL4112-2](2002)

  モントゥーは病気のビーチャムに代わり、10月にロイヤルpoのドイツ楽旅を指揮していた。



11.12(土)

シューベルト:即興曲op.142-2,4

アニー・フィッシャー(p)
アビー・ロード・スタジオNo.3、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[Tower Records;QIAG-50113](2013)
  5.30~6.2録音の21番のソナタと同じCD。



11.12(土)

コープランド:戸外のための序曲(バーンスタインによる解説付)

レナード・バーンスタイン指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[NEW YORK PHILHARMONIC;NYP2003](2003)

  ニューヨークpoの自主製作盤『BERNSTEIN LIVE』所収。
  「コープランドの誕生パーティ」と題された、コープランドの60歳の誕生日(11月14日)を祝うヤング・ピープルズ・コンサートのライヴ録音。



11.13(日)

R・シュトラウス:《町人貴族》組曲より6曲

ハンス・ロスバウト指揮シカゴso
WGNテレビ・スタジオ、シカゴ
[CSO;CD00-10](2000)

  シカゴ交響楽団の10枚組自主製作盤『COLLECTOR’S CHOICE』所収。このシーズンのシカゴsoはラジオ中継がなく、テレビ放送が4回あっただけという。これはそのひとつ。
  ロスバウト(1895-1962)は59年にシカゴso客演に初めて登場、以後60年から亡くなる62年まで、毎シーズン指揮に招かれた。



11.13(日)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

エミール・ギレリス(p)
オットー・マッツェラート指揮ヘッセン放送so
フランクフルト
〈未レコード化〉

  ギレリスの西ドイツ・ツアーでのライヴ。11月11日のハンブルクでの演奏会(ブール指揮北ドイツ放送交響楽団との共演)は、ギレリスの西ドイツ・デビューだった。冷戦時代の西ドイツとソ連の関係は冷やかなものだったのに、この時期にギレリスの訪問が可能になったのは、文化政策の変化があらわれているのだろう。
  13日フランクフルト、14日シュトゥットガルト、16日ケルン(リサイタル)、17日デュッセルドルフ、20日ミュンヘン、22日シュトゥットガルト(リサイタル)、23日フランクフルト(リサイタル)。
  3日のライプツィヒでの協奏曲もCD化されている。



11.13(日)

グルック:歌劇《オーリードのイフィゲーニエ》序曲
ドヴォルジャーク:ヴァイオリン協奏曲

ジョン・コリリアーノ(vn)
アーロン・コープランド指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
LP〈NEW YORK PHILHARMONIC;861/2〉(1986)

  ニューヨークpoがラジオ局WQXRのラジオソンのために自主製作したシリーズの第6巻「コンポーザーズ・コンダクト」に所収。14日に60歳となるコープランドは10、11、13日の定期演奏会に指揮者として登場、上記のほかに自作の《エル・サロン・メヒコ》と交響的頌歌を指揮した。



11.13(日)

ストロース:ミュージカル《バイ・バイ・バーディ》より〈幸せな表情をしましょう〉

ディック・ヴァン・ダイク(Vo)ほか
CBSテレビ、ニューヨーク(エド・サリヴァン・ショー)
[TVT RECORDS;TVT9439-2](1992)

  エド・サリヴァン・ショーのライヴ音源を集めたシリーズ『THE SULLIVAN YEARS』の2枚組『THE BEST OF BROADWAY VOLUME TWO』所収。
  《バイ・バイ・バーディ》は4月14日にブロードウェイで初演され、10日後に商業録音されたミュージカル。同番組での音源としては6.12の一座出演に続く2つめ。



11.13(日)
 -15(火)(?)

ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調
トレッリ:トランペット協奏曲 ニ長調
ヴィヴァルディ:2本のトランペットのための協奏曲 ハ長調
ヘンデル:2本のトランペットのための協奏曲 ニ長調

ロジェ・デルモット、アルトゥール・アヌーズ(tp)
ヘルマン・シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場o
コンツェルトハウス・モーツァルトザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル ビクター;MVCW-18040] (1999、WESTMINSTER原盤)

  ヴィヴァルディが13日、トレッリが14日、ハイドンが14&15日の録音らしい。



11.中旬(?)

ヘンデル:組曲《水上の音楽》

ヘルマン・シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場o
コンツェルトハウス・モーツァルトザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[WESTMINSTER;471 276-2](2002)

  トランペット協奏曲集と前後の時期と思われる。



11.13(日)
 &20(日)





レスピーギ:交響詩《ローマの祭》

ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SBK48267](1992)

  1961.1.29にも録音が行なわれている。

11.14(月)

ストラヴィンスキー:バレエ音楽《妖精の口づけ》

ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送so
モスクワ(ステレオ録音)
[REVELATION;RV10052](1997)

  1961年からロジェストヴェンスキー(1931生)はこのオーケストラの首席指揮者に就任する。



11.14(月)

ラヴェル:ピアノ独奏曲集(10曲)

ジャン・ドアイヤン(p)
スコラ・カントルム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ACCORD;4767906](2005、CLUB FRANCE DU DISC原盤)

  ドアイヤン(1907生)はパリ音楽院教授。



11.14(月)

ジャズ『ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド・オン・ツアー・ウィズ・ズート・シムズ』より3曲

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド、ズート・シムズ(tb)
ミラノ(ライヴ商業録音)
[フィフティファイヴ・レコード;FNCJ-5605](VERVE原盤)

  このバンドが行なったアメリカ~ヨーロッパ・ツアーでのライヴ録音からLP1枚に抜粋したもので、他に10月1日のサンタモニカ(3曲)、11月4日西ベルリン(1曲)も含む。ただしステレオ録音はサンタモニカの3曲のみ。



11.14(月)
 &15(火)

ギター『禁じられた遊び』(17曲)

ナルシソ・イエペス(g)
キングレコード音羽スタジオ、東京(セッション商業録音、ステレオ)
[キングレコード;KICC8248](1994)

  初来日したイエペス(1927生)による録音。イエペスは9月29日から11月22日まで滞在して各地で公演した。11月2日に共立講堂で「東京さよなら公演」を行なっていた。



11.14(月)
 -16(水)

ジャズ『ガレスピアーナ』(5曲)

ディジー・ガレスピー・アンド・ヒズ・オーケストラ
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[ポリドール;POCJ-2191](1993、VERVE原盤)

  《ガレスピーナ》は、トランペッターのディジー・ガレスピーのためにラロ・シフリンが作曲した40分強の組曲。南米やアフリカ音楽を意識して打楽器を加えるなどは当時の知性派ジャズによく見られる特徴。フリューゲルホーン奏者として参加したガンサー・シュラーが、オリジナルLPのライナーノーツも書いている。



11.14(月)
 -17(木)

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

イーゴリ・オイストラフ(vn)
ダヴィート・オイストラフ指揮モスクワ放送so
モスクワ(セッション商業録音)
[Melodiya;MEL CD 1001955](2012)

  オイストラフが年来の夢をかなえて、初めて指揮の機会を得た録音。この後は実演でも録音でもその機会を増やしていくことになる。その指揮の録音を集めたこの2枚組には月日の記載がなく、データは息子のイーゴリ・オイストラフの回想による。



11.14(月)
 -18(金)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、第24番

クララ・ハスキル(p)
イーゴリ・マルケヴィッチ指揮コンセール・ラムルーo
化学館、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[PHILIPS;464 718-2](2001)

  ハスキル(1905-60)最後の録音。訪欧中の大木正興が、同時期にこの顔ぶれによる演奏会で第20番が弾かれるのを聴いている(他にシューベルトの《グレイト》交響曲)。しかし指揮にもピアノにも失望し、特にハスキルは生気に欠け「寂しくたそがれ」ていると感じたと『レコード芸術』1961年2月号にある。
  このあとハスキルは12月1日にシャンゼリゼ劇場でグリュミオーとの二重奏の演奏会を行ない、5日後に次の共演地ブリュッセルへ向かったが、駅で心臓発作に倒れ、翌7日に逝去した。



11.15(火)
     (?)

ラヴェル:歌劇《スペインの時》全曲

シュザンヌ・ダンコ(S)ミシェル・アメル(T)ほか
ブルーノ・マデルナ指揮BBCso
ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、ロンドン(リハーサル)
[STRADIVARIUS;STR10062](1993)

  ゲネプロの録音。本番は16日に行なわれたので、前日の録音と推定。ストラヴィンスキーのメロドラマ《ペルセフォネ》も演奏されたらしい。



11.15(火)
    前後

ブルース『モージョ・ハンド』(18曲)

ライトニン・ホプキンス(弾き語り)デルマー・ダネル(ds)
ニューヨーク(セッション商業録音)
[P-VINE;PCD-5749](1998、FIRE RECORDS原盤)

  ライトニン・ホプキンス(1912生)はヒューストンの黒人街で活躍していた弾き語りのミュージシャン。白人社会から注目され、この年の6~7月には西海岸でコンサート・ツアーを行ったあと、10月にニューヨークを訪れ、14日のカーネギー・ホールでのコンサートでピート・シーガーやジョーン・バエズと共演し(そのときの録音1曲がFOLKWAYSから発売されているというが、詳細不明)、1か月ほど同地に滞在したらしい。
  この『MOJO HAND』はそのさいに録音された、ブルース史上の名盤として名高いもの。日付不明だが、15日にホプキンスはCANDIDに『ライトニン・イン・ニューヨーク』をセッション録音しており、『MOJO HAND』も同じ日に録音したと本人が話したという。
  オリジナルLP[FLP104]は9曲で、CDはその後発見された9曲を追加して18曲としている。



11.15(火)
 &16(水)

ロッシーニ:歌劇序曲集(5曲)

ピエロ・ガンバ指揮ロンドンso
ウォルサムストウ・タウン・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[LONDON;417 692-2](1988、DECCA原盤)

  天才少年指揮者として知られたガンバ(1937生)の22歳での録音。



11.15(火)
 -18(金)(?)

ベートーヴェン:ウェリントンの勝利(リハーサル付)
オルフ:エントラータ
G・ガブリエリ:第1旋法による8声のカンツォーナ(サクラ・シンフォニア集 第1巻より)

ヘルマン・シェルヘン指揮ウィーン国立歌劇場o
コンツェルトハウス・モーツァルトザール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル ビクター;MVCW-18018](1996、WESTMINSTER原盤)

  ベートーヴェンが15日、オルフが17日。CDには《ウェリントンの勝利》の24分間のリハーサルも付属。
  続けて11.18-19にシェルヘンはヴィヴァルディの《グローリア》も録音しているが未CD化。


11.16(水)

ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》全曲(ブルガリア語版)

ラドカ・コンフォルティ(S)ヨルダンカ・ディムチェーヴァ(Ms)リュボミル・ボドゥロフ(T)アーセン・セリムスキー(Br)ニコライ・ギャウロフ(Bs)ほか
アタナス・マルガリトフ指揮ソフィア国立歌劇場o、同cho
ソフィア国立歌劇場
CD-R〈未レコード化〉

  ギャウロフ(1929生)の母国でのライヴ。ブルガリア語訳詞上演だが、ギャウロフだけはイタリア語。国際舞台にデビューしかけた歌手によくある現象である。この後、12月13日のスカラ座公演の《ドン・カルロ》で大審問官を歌っている。指揮はマルガリトフ(1912生)。
  ステレオ録音も存在するらしい。



11.16(水)
 -19(土)





シューベルト:交響曲第8(9)番《グレイト》

オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-13181](2005)

11.17(木)

ヘンツェ:コンチェルティーノ

カール・ゼーマン(P)
フランシス・トラヴィス指揮南西ドイツ放送so
南西ドイツ放送局、バーデン・バーデン
[BMG;74321 73509 2]

  シェルヘンの弟子トラヴィス(1921生)による演奏。



11.17(木)

ロッシーニ:歌劇《絹のはしご》序曲
ピストン:ヴァイオリン協奏曲第2番
バッハ:狩のカンタータBWV208より、第9曲アリア〈羊は安らかに草をはみ〉
メンデルスゾーン:劇音楽《真夏の夜の夢》より、スケルツォ
サン=サーンス:交響曲第3番《オルガン付》

ジョゼフ・フュークス(vn)エルウッド・W・ヒル(org)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉

  定期演奏会のライヴ。ピストンの曲はフュークス(日本ではフックスと呼ばれる)のために作曲されたもので、ピッツバーグで初演されたばかりの最新作。バッハの曲は、引退するデトロイトの音楽・演劇批評家ジェイ・ドロシー・キャラハンのために特別に演奏された。



11.17(木)

クレストン:ヴァイオリン協奏曲第2番

マイケル・レビン(vn)
ゲオルク・ショルティ指揮ロスアンジェルスpo
ロスアンジェルス(?)
[DOREMI;DHR-7970/1](2010)

  2枚組「MICHAEL RABIN COLLECTION VOLUME3」所収。
  世界初演のライヴ。1959年にレビンはフォード財団により、アメリカをリードする10人の音楽家の一人に選ばれ、特典として曲を委嘱する作曲家を選ぶ権利を与えられた。そこでかれはポール・クレストン(1906-85)を指名し、この曲が書かれた。第1番を1月14日にデトロイトで世界初演(録音あり)したラビノフとレビンは友人だったので、その関係でクレストンのことを知ったらしい。

  ショルティがロスアンジェルス・フィルを指揮した貴重な録音。このシーズンはショルティが楽団の音楽監督に就任して最初のシーズンだった。翌年6月、楽団理事のドロシー・チャンドラーが独断で病気のライナーの代役として准指揮者のメータに演奏会をまかせ、さらに首席客演指揮者に任命したことを不服として、辞任することになる。代って1961年秋からはメータが音楽監督をつとめることになった。



11.17(木)

ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:セレナード第1番
ヴォーン=ウィリアムス:タリスによる幻想曲
シェーンベルク:浄夜

レオポルト・ストコフスキー指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア
国会図書館クーリッジ講堂、ワシントンD.C
[BRIDGE;9074](1997、ブラームスを除く)

  ストコフスキー(1882生)はしばしばシンフォニー・オブ・ジ・エア(SOA)を指揮していた。カーネギー・ホールを拠点とするニューヨークpoが新築のリンカーン・センターへ移転したあかつきには、代わりにSOAをカーネギー・ホールの専属楽団とし、ストコフスキーをその常任指揮者に据える計画もあったらしい。しかし実現にはいたらず、ストコフスキーは2年後にアメリカ交響楽団を設立し、一方SOAは63年に解散することになる。



11.17(木)

ヒンデミット:歌劇《世界の調和》全曲

イヴェリン・リアー(S)カルロス・アレクサンダー、カール・リープル(T)ルートヴィヒ・ヴェルター、大橋国一(Bs)ほか
パウル・ヒンデミット指揮ウィーンso、ウィーン・ジングアカデミー
コンツェルトハウス大ホール、ウィーン
[STRADIVARIUS;STR10058](1991)

  ヒンデミット(1895生)自身の指揮による演奏会形式の上演で、作曲者生誕65周年祝賀公演。大きなカットがある。58年からウィーン音楽院に留学中の大橋国一(1931生)が出演している。

  なお大橋国一が参加したものでは、ジョージ・バラティ指揮ウィーン国立歌劇場o、ウィーン・アカデミー室内choと共演したシューベルトのミサ曲第1、4番のCD[TUXEDO;TUXCD 1040]も同年の録音とされる。



11.17(木)

ジャズ『GERRY MULLIGAN AND THE CONCERT JAZZ BIG BAND FEAT. ZOOT SIMS – ZURICH 1960』(9曲)

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド、ズート・シムズ(tb)
ムスターメッセ、バーゼル
[TOB;TOB 02122](1999)

  アメリカ~ヨーロッパ・ツアーでのライヴ中継で、14日のベルリン録音に続くもの。



11.18(金)

フォーレ:組曲《ペレアスとメリザンド》
フローラン・シュミット:交響曲第2番(米国初演)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

レオニード・コーガン(vn)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
〈未レコード化〉



11.18(金)





ワーグナー:ジークフリート牧歌

ピエール・モントゥー指揮ロイヤルpo
BBCスタジオ、ロンドン
[BBC;BBCL4096-2](2002)

11.18(金)







バーンスタイン;歌曲集《わたしは音楽が嫌い》、同《ボンヌ・キュイジーヌ》
音楽の中のユーモア(語り: バーンスタイン)

ジェニー・トゥーレル(Ms)レナード・バーンスタイン(p、語り)
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK60687](1998、歌曲集)[SONY;88765452722](2013、語り)
  トゥーレル(1900生)は《わたしは音楽が嫌い》の創唱者である。99年発売の上記CDで初発売された。解説付LP「音楽におけるユーモア」のバーンスタインによる解説部分の録音も、同日に行なわれている。



11.19(土)







エロール:歌劇《ザンパ》序曲
オベール:歌劇《王冠のダイヤモンド》序曲
シャブリエ:管弦楽曲集(全5曲)

ポール・パレー指揮デトロイトso
キャス工業高校、デトロイト(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;432 014-2、434 303-2](1995&99分売)

11.19(土)





ジャズ『GERRY MULLIGAN AND THE CONCERT JAZZ BIG BAND / EN CONCERT AVEC EUROPE1』(15曲)

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド、ズート・シムズ(tb)
オランピア劇場、パリ
[RTE;710382/383](1993)

  17日のバーゼル公演に続くパリでのライヴ録音。2枚組で110分と長い。

11.20(日)

ラヴェル:ドン・キホーテの3つの歌、5つのギリシャ民謡

ピエール・モレ(Br)
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ジュネーヴ放送局、ジュネーヴ
[CASCAVELLE;VEL2011](1999)

  モレ(1920生)はペレアス歌手としてパリのオペラ・コミークなどで活躍したスイス人。この時期はジュネーヴ音楽院で教えている。



11.20(日)
 -22(火)

ベートーヴェン;ロマンス第1番&第2番
ショーソン:詩曲

ユーディ・メニューイン(vn)
ション・プリッチャード指揮フィルハーモニアo
アビー・ロード・スタジオ、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;5 74973 2](2002、ベートーヴェン) 
[HMV;5 73482 2](ショーソン)

  20日にベートーヴェン、22日にショーソンを録音(LPはこの3曲の組み合わせ)。続けて27日にパガニーニの《タンクレディ》の主題による序奏と変奏曲を録音したが、未レコード化。



11.20(日)









ブラームス(ラブラ編曲):ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
ディーリアス:幻想曲《夏の庭で》
バルトーク:歌劇《青ひげ公の城》全曲(英語版)
イベール:交響的絵画《寄港地》

ロザリンド・エリアス(S)ジェローム・ハインズ(Bs)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ブロードウッド・ホテル、フィラデルフィア(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SBK62644、62645、63287](1996&97、バルトーク以外)
LP〈COLUMBIA;MS6425〉(バルトーク)

  このシーズンはオーマンディ(1899生)の音楽監督就任25周年にあたる。
  バルトークは1年前に演奏されるはずだったが、楽員のストライキのために延期されていたもの。この作品は11月18日と19日にアカデミー・オブ・ミュージックで演奏された。

11.20(日)

『THE GRAND PRIX OF THE UNITED STATES 1960』(F1世界選手権第10戦、アメリカ・グランプリの記録)

クーパー、ロータスなどF1カーの走行音
リヴァーサイド国際レースウェイ、カリフォルニア(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈RIVERSIDE;RLP95021〉

  F1カーのアメリカ・グランプリの実況録音。リヴァーサイドで行なわれた第10戦は、この年の世界選手権(2月7日にブエノスアイレスで開幕)の最終戦にあたる。レース結果は1位と2位がロータス・チームのスターリング・モスとイネス・アイルランド、3位と4位がクーパー・チームのブルース・マクラーレンとジャック・ブラバムだった。年間チャンピオンはジャック・ブラバムが獲得している。リヴァーサイドお得意のスポーツカー走行音レコードの1枚。スタート直前の空ぶかしの迫力と緊張感が素晴らしい。
  排気量が2.5リッターだった最後の年にあたる。翌61年から65年までの5年間は1.5リッター。ホンダはその間の64年に登場。
  バイクから転じたジョン・サーティーズもロータスで出場したが、3周でリタイアした。1964年にフェラーリで年間チャンピオンとなる。



11.20(日)

ジャズ『DIZZY GILLESPIE / EN CONCERT AVEC EUROPE1』(6曲)

ディジー・ガレスピーとそのクインテット、キャンディード・キャメオ(コンガ)
サル・プレイエル、パリ
[RTE;710705](1995)

  14~16日にニューヨークでセッション録音したばかりの《ガレスピーナ》組曲を、パリで演奏したさいの中継ライヴ。オーケストラによるVERVE盤に対し、こちらはクインテットにコンガを加えた縮小編成。
  CDの表には25日とあるが内側のページには20日とあり、再発盤などでは表にも20日の録音とあるので、20日とみなす。



11.20(日)
    発売

ジャズ『ソウルを求めて ~モダン・ジャズ三人の会~』(9曲)

原信夫とシャープス&フラッツ
ゲスト:白木秀雄(ds),滝本達郎(b),稲垣次郎,松本英彦(ts),渡辺貞夫(as,fl),福原彰(tp)
東京(?)(セッション商業録音、ステレオ)
[ウルトラ・ヴァイヴ;CDSOL-1056](2002、コロムビア原盤)

  日付は発売日なので、録音は10月頃だろう。第15回芸術祭レコード部門参加。前田憲男、三保敬太郎、山屋清の3人による「モダン・ジャズ三人の会」はクラシックの「三人の会」(黛、団、芥川)の活動に刺激されて1959年に結成されたもの。



11.21(月)

ミヨー:プロヴァンス組曲

シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC38466]

  11日の定期演奏会で取り上げた曲。



11.21(月)

O・シュトラウス:喜歌劇《ワルツの夢》より3曲(スウェーデン語版)

エディット・ターラウク(Ms)ペル・グルンデン(T)ラルス・ビレングレン(Br)
スティルビョルン・リンデダル指揮ストラ劇場o
ストラ劇場、イェーテボリ(セッション放送録音)
[BLUEBELL;ABCD086](2001)

  ウィーン・フォルクスオーパーでも活躍した、スウェーデンのテノール歌手グルンデン(1922生)の独唱集『PER GRUNDÉN』に所収。全曲録音からの抜粋と思われる。



11.21(月)

ヴェルディ:歌劇《シモン・ボッカネグラ》より〈最後のお別れだ~悲しい胸の思いは〉

ボリス・クリストフ(Bs)
アルフレード・シモネット指揮トリノRAIso
RAI講堂、トリノ
[MELODRAM;CDM165038](1988)

  放送番組「マルティーニ&ロッシ演奏会」から。他にモーツァルトとロッシーニのアリア3曲が歌われた。



11.21(火)
 &23(水)





ブラームス:間奏曲集(10曲のうち5曲)

グレン・グールド(p)
コロンビア30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SRCR1935]

  9月29日と30日に5曲、11月21日と23日に5曲が録音された。

11.21(火)
 ~23(水)


フォーレ:夜想曲全集(半数)

エリク・ハイドシェック(p)
パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-14062](2007)

  全13曲がこの日付と、1962年10月15~18日に録音され、LPでは2枚に分れていた。ハイドシェック(1936生)による録音。



11.21(月)
 -25(金)





DL 1003



ブラームス:セレナード第1番

レオポルト・ストコフスキー指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;477 6502](2007、米DECCA原盤)

  17日のワシントンでのライヴ録音に続くセッション商業録音。ストコフスキーはこの時期アメリカのさまざまなレーベルと自由に録音しており、オリジナルはアメリカ・デッカから〈DL 10031〉として発売された。
11.21(月)
 -30(水)







モーツァルト;セレナード第13番《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》
シューベルト;交響曲第7番《未完成》
チャイコフスキー;交響曲第5番&第6番《悲愴》

ラファエル・クーベリック指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;TOCE-16033](2012、モーツァルト、シューベルト)
[TESTAMENT;SBT2 1322](2003、チャイコフスキー)

  1月に続くクーベリックとウィーン・フィルのEMIへのセッション。
  《未完成》は6.29録音とする説もある。チャイコフスキーの5番が(21-24)、《悲愴》が(24,25,27,28)。この日程だと《未完成》は28-30くらいか。

11.21(月)
-1961.11.28

バッハ:マタイ受難曲

エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)ピーター・ピアーズ、ニコライ・ゲッダ(T)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)ヴァルター・ベリー(Bs)ほか
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニアo&cho、ハムステッド教区教会choの少年たち
アビー・ロード・スタジオNo.1&キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CMS7 63058 2](1989)

  セッションはほぼ半年にまたがり、さらに半年後に追加が行なわれた。1960年には11.21、25、26と3回あり、その後1961年に1.3&4、4.14&15、5.4-12、11.28と続く。初日のみがアビー・ロード、以後はキングズウェイ・ホールでの録音となった。



11.22(火)

『ドイツ・オペラ・アリア集』(全11曲)部分

ヘルマン・プライ(Br)
ホルスト・シュタイン指揮ベルリンso、ベルリン・モーツァルトcho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-13380](2006)

  プライによるアリア集で、1961年10月26日にも録音セッションが行なわれており、どれがこの日の録音かは不明。クロイツァーの《グラナダの野営》やフンパーディンクの《王の子ら》、コルンゴルトの《死の都》など、珍しい作品も歌われている。
  《魔笛》2曲と《タンホイザー》はまちがいなくこの年、ロルツィングの2曲、フンパーディンクとコルンゴルトは翌年の録音と判明している。



11.22(火)

ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲
ショスタコーヴィチ:前奏曲とフーガ第20番

ルドルフ・バルシャイ指揮モスクワ室内o
モスクワ(?)
[BRILLIANT CLASSICS;9010](2009)

  10枚組『RUDOLF BARSHAI EDITION』所収。



11.22(火)



フォス;タイム・サイクル(管弦楽版)
R・シュトラウス:交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》

アデーレ・アッディソン(S)ルーカス・フォス(p)ほか
レナード・バーンスタイン指揮コロンビアso、ニューヨークpo
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SMK63164](1997、フォス) [SONY;88765452722](2013、R・シュトラウス)

  フォス作品の世界初演は1か月前の10月20日のニューヨークpo定期演奏会にて。このときはバーンスタインの発案で2回繰り返し演奏された。このあと61年1月26日のハリウッドでの追加セッションで完成されている。オーケストラ名がコロンビアsoとなっているのはそのためだろうか。
  R・シュトラウス作品は「音楽の中のユーモア」のために収録されたもの。解説部分に挿入されているモーツァルトの《音楽の冗談》の一部なども、この日の録音かも知れない。こちらはニューヨークpoとクレジットされている。



11.22(火)

シューマン:序奏とアレグロ
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
フランクール:チェロ・ソナタ ホ長調

ピエール・フルニエ(vc)
ギ・ブーラッサ(p)
ラジオ・カナダ(CBC)、収録場所不明(トロント?)(スタジオ収録)
DVD〈VAI;DVD4356〉

  『THE ART OF PIERRE FOURNIER』所収。収録場所はモントリオールなどの可能性もある。日付は放送日。



11.22(火)
 &23(水)





ベートーヴェン:《ウェリントンの勝利》のための解説

ディームズ・テイラー(語り)
ファイン・レコーディング、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;434 360-2]

  6月9日にロンドンで録音されたドラティ指揮の盤のための解説。9分26秒。

11.22(火)
 &24(木)

サティ:風変わりな美女、梨の形をした3つの小品、馬の装具で、不愉快な概要

フランシス・プーランク&ジャック・フェヴリエ(p)
スコラ・カントルム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[ACCORD;472 301-2](2002、VÉGA原盤)

  プーランクは同年に、バリトンのピエール・ベルナックの伴奏をした自作の歌曲集もADESに商業録音している。



11.22(火)
 -26(土)



ハイドン:弦楽四重奏曲第17番《セレナード》、第35番
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番《狩り》
ブラームス:弦楽四重奏曲第2番
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》

ウィーン・コンツェルトハウスSQ
アバコ・スタジオ、東京青山(セッション商業録音、ステレオ)
[DENON;COCO-80416,80417](1996、ウエストミンスター原盤、分売)

  10月20日から来日していたウィーン・コンツェルトハウス四重奏団による日本録音。日本ウエストミンスターによる録音で、ウエストミンスターの発売元が移るさいにマスターが破棄されたらしく、CDはLPの板起しで製作されている。
  このときの来日公演では、ある重病患者がラジオ中継された《死と乙女》を聴いて、感激のあまり奇跡的に持ちなおしたという逸話が残っている。
  来日メンバーはアントン・カンパー、ヴァルター・ヴェラー、エーリヒ・ヴァイス、ルートヴィヒ・バインル。



11.22(火)
 -30(水)







『ARIA SENZA VOCE』(オペラ・アリアのカラオケ、全72曲)

エドワード・ダウンズ指揮ロンドンpo
ハマースミス・タウン・ホール(22~24日)、ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール(25~30日)、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ビクター;VICC60320 & 60321](2002、計24曲のみ分売。AUDIO SPECTRAM原盤)

  録音日は22~26と29、30日。コロラトゥーラからバスまで声種ごとに8枚(各9曲)。原盤はアメリカのオーディオ・スペクトラム。ロンドンでの録音だがイギリスでは発売されなかった。
  国内盤CDは「カラオケ・オペラ教室」として女声篇と男声篇の2枚に編集されたもので各12曲の抜粋。



11.23(水)

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第13番第3楽章

ミエチスラフ・ホルショフスキ(p)
タウン・ホール、ニューヨーク
[ARBTER;104] (1996)

  第1、2楽章は1969年録音が使用されている。



11.23(水)

モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番
ブラームス:ピアノ五重奏曲

パウル・バドゥラ=スコダ(p)
ウィーン・コンツェルトハウスSQ
NHKホール、東京内幸町(セッション放送録音)
[OMAGATOKI;OMCC-1066~7](2001、キング原盤)

  たまたま同時に滞日したウィーン・コンツェルトハウスSQとバドゥラ=スコダ(1927生)を共演させることになり、急遽実現したNHKの放送用録音。当時のNHKとしては珍しく、モノラル録音しか世に出ていない。
  両者による演奏会も26日に日比谷公会堂で行なわれた。



1961.1

『ピアノのおけいこの為に』(12曲)

パウル・バドゥラ=スコダ(p)
東京(セッション商業録音、ステレオ)
[日本ウエストミンスター;JXCC-1044](2009)
LP〈ヴォアドール;VOS-3041〉

  11月18日から翌年1月中旬までの日本に滞在したスコダが録音したもの。関連盤としてここに挙げておく。発売元は日本ウエストミンスター。LP英語題は『PIANO ENCORES FOR YOU』。《エリーゼのために》や《トロイメライ》などが演奏されている。翌61年11月に発売された。当時の国内制作盤が録音から発売まで1年を空けるのは珍しい。
  CDは『ピアノのおけいこのために パウル・バドゥラ=スコダ・イン・ジャパン』というタイトルになっている。マスターテープが失われているのか、LPからの板起しによる。



11.24(木)

バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》

アニー・フィッシャー(p)
フェレンツ・フリッチャイ指揮バイエルン放送so
ヘルクレスザール、ミュンヘン
[ORFEO;C200 891A](1989)

  定期演奏会のライヴ。ほかにハイドンの《時計》交響曲が演奏された。



11.24(木)

落語『猫の皿』

五代目 古今亭志ん生
ヤマハホール、東京銀座(第17回東京落語会)
[ポニーキャニオン;FGS-035](1998)

  放送日は12月1日。『古今亭志ん生名演集(三十五)』所収。



11.24(木)







ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番第2楽章
ブルックナー:交響曲第2番

ジュリウス・カッチェン(p)
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウスo
コングレスハレ、ライプツィヒ
[WEITBLICK;SSS0043-2](2004、協奏曲のみ)
CD-R〈EN LARME;ELM01-129/30〉

  カッチェンはこの年の4月4日、ロンドンでこの指揮者と楽団と共演してブラームスの第2番を演奏していた。4.12と13に別の指揮者とセッション商業録音している。

11. 24(木)
 -25(金)







ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》序曲、劇音楽《アテネの廃墟》序曲
シューベルト:交響曲第7(8)番《未完成》
リスト:前奏曲

アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリンpo
グリューネヴァルト教会、西ベルリン
[EMI;4 83412 2](フィデリオのみ)
[EMI;7243 5 85213 2 0](2004、シューベルト&リスト)

  ベートーヴェンの2曲は25日録音。

11.24(木)
 -27(日)

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、パルティータ第3番

アルテュール・グリュミオー(Vn)
バッハザール、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[フィリップス;PHCP-9367/8](1998)

  翌年7月までに全6曲が録音された。



11.25(金)

シューマン:交響曲第4番
マルティヌー:2台のピアノのための協奏曲
エルガー:エニグマ変奏曲

ジャニーヌ・レディング&アンリ・ピエット(p)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
[DOREMI;DHR-7816-8](2004、マルティヌーのみ)
他は〈未レコード化〉

   マルティヌーは3枚組『THE REDING & PIETTE LEGACY』所収。



11.25(金)

ジョルダーノ:《フェドーラ》全曲

レナータ・テバルディ(S)ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(T)ティト・ゴッビ(Br)ほか
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮シカゴ・リリック歌劇場o、同cho
リリック歌劇場、シカゴ
CD-R〈PREMIERE OPERA;1174-2〉



11.25(金)

ベートーヴェン:劇音楽《エグモント》(8曲)

ローゼマリー・レニッシュ(S)カール・パリラ(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1日まで連日録音したものの1つ。



11.25(金)

ブラームス:交響曲第4番
ボロディン:歌劇《イーゴリ公》より〈だったん人の踊り〉
チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》より〈羊飼いの踊り〉

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ソビエト国立so
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ
[DANTE;LYS576-577](2000)

  ロシアに生れたマルケヴィッチが初のソ連公演を行なった際のライヴ。ほかにヘンデルのコンチェルト・グロッソ6番と《春の祭典》が演奏された。



11.

ヴェルディ:レクイエム

ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)ニーナ・イサコワ(Ms)ウラディーミル・イワノフスキー(T)イワン・ペトロフ(Bs)
イーゴリ・マルケヴィッチ指揮モスクワpo、ソビエト国立アカデミーcho
モスクワ音楽院大ホール(?)、モスクワ
[ユニバーサル;UCCP-3405/6](2006、PHILIPS原盤)

  日付不詳だが、前項の演奏会の数日後のライヴ録音と思われる。オーケストラ名は当CDの表記に従ったが、ソビエト国立soの誤表記の可能性も高い。
  歌手たちはメゾソプラノ以外、6.11のレニングラードでのメリク=パシャエフ盤と同じである。



11.25(金)







テレビ番組「ベル・テレフォン・アワー」より、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲第3楽章、バレエ音楽《白鳥の湖》より〈黒鳥のパ・ド・ドゥ〉

マイケル・レビン(vn)
ルペ・セラノ&ジャック・ダンボワーズ(踊り)
ドナルド・ヴォーリーズ指揮ベル・テレフォンo、
NBC放送局、ニューヨーク(セッション放送録画、カラー)
DVD〈VAI:DVD4215、4377〉

  DVD『GREAT VIOLINISTS ON THE BELL TELEPHONE HOUR(1959-1964)』と『JACQUES D’AMBOISE』に所収。NBCテレビの番組「ベル・テレフォン・アワー」で放送されたもの。後者にはチャイコフスキーとフォン・メック夫人に扮した俳優も登場する。

11.25(金)







モーツァルト:交響曲第34番
マーラー:交響曲第9番

ジョン・バルビローリ指揮トリノRAIso
RAI講堂、トリノ(ステレオ録音)
[ARKADIA;2CDHP584、CDMP403.1](1991、分売)

11.25(金)
    (?)

ケルビーニ:歌劇《アナクレオン》序曲

ピエール・モントゥー指揮ロイヤルpo
BBCスタジオ、ロンドン
[BBC;BBCL4112-2]

  CDには1.25とあるが、11.25の誤りと推定される。モントゥーには11.12、18の録音もある。(1.25参照)



11.25(金)

ジャズ『ワークソング~ライヴ・イン・パリス』(7曲)

キャノンボール・アダレイ(a-sax)ナット・アダレイ(cornet)ヴィクター・フェルドマン(p)サム・ジョーンズ(bs)ルイス・ヘイズ(ds)
サル・プレイエル、パリ
[ビクター;VICJ-60077](1997、PABLO原盤)

  キャノンボール・アダレイ・クインテットがノーマン・グランツのJATPのヨーロッパ・ツアーに参加したさいのライヴ。オランダ、ドイツ、スウェーデン、イギリスと回る2週間のツアーで、パリはその最終地。ほかにスタン・ゲッツ、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンス、ロイ・エルドリッジ、ディジー・ガレスピー・クインテットなどが参加している。



11.25(金)
    前後

ジャズ『WHAT IS THIS THING CALLED SOUL』(6曲)

キャノンボール・アダレイ(a-sax)ナット・アダレイ(cornet)ヴィクター・フェルドマン(p)サム・ジョーンズ(bs)ルイス・ヘイズ(ds)
パリ、エーテボリ、ストックホルム
[PABLO;OJCCD-801-2](1994)

  キャノンボール・アダレイ・クインテットのJATPのヨーロッパ・ツアーから、フランスとスウェーデンでのライヴを集めたもので、どれがどこのライヴかは未表記。上記パリ盤と曲目が重なるのは〈THE CHANT〉1曲のみ。ストックホルムでは21日に公演があったらしい。



11.26(土)

メンデルスゾーン:劇音楽《真夏の夜の夢》(9曲)

ジークリード・ハウスマン(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so、同女声cho
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本 の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1 日まで連日録音したものの1つ。



11.26(土)
 -12.1(木)

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

ヴィトルド・マルクジンスキ(p)
スタニスラフ・ヴィスロツキ指揮ワルシャワ・ナショナルpo
ナショナル・フィルハーモニー・ホール、ワルシャワ(セッション商業録音、ステレオ)
[MUZA;PNCD920](2006)

  26、29、30と12.1に録音。



11.27(日)

ヴェルディ:歌劇《エルナーニ》全曲

マーゲリータ・ロバーティ(S)マリオ・デル・モナコ(T)エットーレ・バスティアニーニ(Br)ニコラ・ロッシ=レメニ(Bs)ほか
フェルナンド・プレヴィターリ指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
[MELODRAM;CDM270100](1992) 



11.27(日)

ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》全曲

オーセ・ノルモ・レーヴベリ、ヴィルマ・リップ(S)ヴォルガンク・ヴィントガッセン(T)ハンス・ホッター、ヴァルター・クレッペル(Bs)ほか
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン国立歌劇場o、同cho
国立歌劇場、ウィーン
[GOLDEN MELODRAM;GM5.0053](2005)

  カラヤンが9月13日以来2ヵ月半ぶりにウィーンに登場、12月5日までに《フィデリオ》《ラインの黄金》《ワルキューレ》を指揮した。この間の3日と4日には、ウィーンpoの定期演奏会でブラームスの3番とバルトークの管弦楽のための協奏曲を指揮している。
  カラヤンは《フィデリオ》を翌月にミラノ・スカラ座でも指揮している。



11.27(日)





クレンペラーへのインタビュー『FACE TO FACE』

オットー・クレンペラー(語り)、ジョン・フリーマン(聞き手)
ライム・グローヴ・スタジオ、ロンドン
DVD〈WARNER;0927 42667 2〉(一部分)

  BBCテレビの30分のインタビュー番組で、この日に撮影されて翌61年1月8日に放映された。ワルターについての部分のみDVD『アート・オブ・コンダクティング』所収。



11.27(日)

大相撲「九州場所千秋楽 大鵬初優勝」

大鵬(東関脇)
福岡スポーツ・センター
DVD〈NHKソフトウェア;NSDS-6909〉

  DVD『大相撲大全集~昭和の名力士~』第参巻に所収。1960年最後の本場所となる九州場所で、関脇大鵬(1940生)が13勝2敗で初優勝した。30日には大関に昇進し、柏戸と並ぶ。
  栃錦引退後の大相撲は若乃花(1928生)の一人勝ちかとも思われ、実際に若乃花は7月名古屋場所、9月秋場所と連覇して栃錦に並ぶ10回の優勝を達成したが、これを最後に以後は1962年5月の引退まで10場所続けて優勝できなかった。大鵬の初優勝は時代の移り変わりを告げるもので、翌1961年初場所に柏戸も初優勝、「柏鵬時代」の始まりとなる。



11.27(日)

落語『電報違い』

二代目 三遊亭圓歌
文化放送、東京
[ビクター;VZCG-226](2001)

  日付は放送日。二代目圓歌(1891生)が初代圓歌作の大正期の噺を演じたもの。



11.27(日)
 &28(月)

ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》序曲
メンデルスゾーン:《フィンガルの洞窟》
ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

コリン・デイヴィス指揮シンフォニア・オブ・ロンドン
ハマースミス・タウン・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;4 63989 2](2012)

  6枚組のICONシリーズ所収。



11.28(月)

シューマン:劇音楽《マンフレート》(12曲)

オットー・メリース、インゲボルク・オットマン(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1日まで連日録音したものの1つ。



11.28(月)

メンデルスゾーン:交響曲第4番《イタリア》、
           劇音楽《真夏の夜の夢》より序曲、夜想曲、スケルツォ

ハインツ・ワルベルク指揮フィルハーモニアo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ROYAL CLASSICS;ROY6447](1994)

  この《イタリア》は、かれの最初の交響曲録音らしい。CDには初発売時の契約の問題なのか、フィルハーモニア・プロムナードoと表記されている。翌日から12月2日にかけて《真夏の夜の夢》序曲やビゼーの《アルルの女》と《カルメン》の組曲も録音した。



11.28(月)

ラヴェル:バレエ音楽《ダフニスとクロエ》第2組曲

渡邉暁雄指揮日本po
日比谷公会堂、東京(ステレオ録音)
[日本フィルハーモニー交響楽団;JPFO0001-26](2006)

  26枚組の『渡邉暁雄と日本フィル』全集所収。第27回定期演奏会のライヴ録音。所属先の文化放送はモノーラルのAM放送だったが、日フィルの録音は1959年頃からステレオで録音されていた。



11.28(月)(?)

グリンカ:《ルスランとリュドミラ》序曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番

イーゴリ・マルケヴィッチ指揮ソビエト国立so
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ
[DANTE;LYS576-577](2000)

  CDには2月28日とあるのだが、マルケヴィッチ(1912生)が初めてソビエトを訪問するのは11月である。11月28日の誤表記と推定して、ここに掲げる。



11.28(月)
 -12.10(土)

ロッシーニ:歌劇序曲集(3曲)
レスピーギ:バレエ音楽《風変わりな店》

ロベルト・ベンジ指揮ラムルーo
パリ(セッション商業録音、ステレオ)
LP〈PHILIPS;A02080L〉



11.29(火)

ベートーヴェン:劇音楽《プロメテウス》(12曲)

インゲ・ケラー(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1日まで連日録音したものの1つ。



11.29(火)

ウェーバー:《魔弾の射手》序曲

アルヴィート・ヤンソンス指揮東京so
コマ劇場、東京新宿
[東芝EMI;TOCE-8863]

  定期ではなく特別演奏会のライヴ。会場が珍しい。入場料を最高700円に抑えた「大衆公演」。日比谷では800円だった。



11.29(火)

ガーナー:ミスティ

アンドレ・プレヴィン(p)
コロンビア・スタジオ、ハリウッド(セッション商業録音、ステレオ)
[ソニー;SICP 2383](米COLUMBIA原盤、2009)

  アルバム『ミスティ』所収。11.3の所にあげたプレヴィン独奏のバーバーの《遠足》と同じ日に録音されたもの。テオ・マセロのプロデュースで即興的に録音され、ジャズのコンピレーションLPに収録されたという。のちにプレヴィンの録音を集めたコンピレーション盤の外題曲となった。



11.29(火)

『THE BRANKO KRSMANOVICH CHORUS OF YUGOSLAVIA ATCARNEGIE HALL』

ボグダン・バビッチ指揮ブランコ・クルスマノヴィッチcho
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
LP〈MONITOR;MPS576〉

  ユーゴスラヴィアの合唱団(約80人)が初めて北米を訪れ、50都市をツアーしたさいのライヴ録音。1884年にベオグラード大学で結成されたオビリチ合唱団を原型として1945年に改称されたが、91年にふたたびオビリチ合唱団に戻している。オルフの《カトゥリ・カルミナ》に始まり、黒人霊歌やセルビア民謡などが歌われている。
  モニター・レーベルは、ソ連や東欧の民俗音楽などを紹介していたアメリカのレコード会社。全曲は未CD化だが、スミソニアン・フォークウェイズ・レーベルのサイトで、CD-Rのコピー盤を購入できる。



11.29(火)

ジャズ『キューン/ラファロ 1960』(4曲)

スティーヴ・キューン(p)スコット・ラファロ(b)ピート・ラロカ(ds)
ピーター・イーンド・スタジオ、ニューヨーク(セッション・デモ録音)
[P.J.L;MTCJ-3024](2005)

  音源は、ジャズ・ピアニストのキューン(1938生)が、レコード会社への売込み用に録音したデモ・テープ。世に出ることなくキューンが死蔵していたが、2005年に日本のレーベルが初めてレコード化した。ビル・エヴァンズ・トリオでの活躍で有名な伝説的ベーシスト、ラファロ(1936生)が加わっている。CDには「ステレオ録音」とあるがモノラル録音。



11.29(火)
 -30(水)





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番《葬送》、第22番、第23番《熱情》

スビャトスラフ・リヒテル(p)
ウェブスター・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC-8829~30]

  10月半ばよりアメリカ公演中のリヒテルがニューヨークでセッション録音したもの。

11.29(火)
 -12.2(金)





ビゼー:劇音楽《アルルの女》第1&2組曲、歌劇《カルメン》第1組曲

ハインツ・ワルベルク指揮フィルハーモニアo
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ROYAL CLASSICS;ROY6432](1994)



11.29(火)
 -12.3(土)

『グレゴリオ聖歌集』(20曲)

聖モーリスおよび聖モール修道院ベネディクト派修道士聖歌隊
ルクセンブルク(セッション商業録音、ステレオ)
[フィリップス;PHCP-9545](1997)

  1959年10月録音の5曲とあわせて1枚(オリジナルLPのまま)。オルガン伴奏が珍しい。クリスマスと復活祭を中心とした祝日の聖務日課で歌われるものを集めたアルバム。
  聖モーリスおよび聖モール修道院はルクセンブルク北部のクレルヴォー(バルジの戦いの舞台の一つ)にある。1909年にフランスのソレム修道院の修道士により設立された。ソレムはグレゴリオ聖歌復興運動の地として名高いので、ここにもその伝統が扶植されたのだろう。
  録音は残響が多めで、同修道院内でのセッションではないか。



11.30(水)

ビゼー:劇音楽《アルルの女》(11曲)

ヘルムート・ミュラー=ランコフ(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1日まで連日録音したものの1つ。



11.30(水)



シューマン:チェロ協奏曲
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
プロコフィエフ:チェロ小協奏曲

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立so
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ
[EMI;TOCE9418](1997、シューマン、チャイコフスキー) [REVELATION;RV10102](1998、プロコフィエフ)

  EMI盤は『ソヴィエト・レコーディングズ』第8巻。亡命後にロシア国内に隠匿されていたテープからのもの。この顔ぶれによるシューマンとチャイコフスキーの曲は、9月にロンドンでDGに商業録音されていた。



11.30(水)

落語『首提灯』

六代目 三遊亭圓生
東横ホール、東京渋谷(第28回東横落語会)
[ソニー;FCCG4304](2001)

  第15回芸術祭文部大臣賞を受賞したことで有名な口演。『圓生ライブ名演集』(15枚組)に所収。



11.30(水)
 -12.5(月)

ガーシュイン:ピアノ協奏曲、ラプソディ・イン・ブルー

ダニエル・ワイエンベルク(p)
ジョルジュ・プレートル指揮パリ音楽院o
サル・ワグラム、パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;7243 5 75341 2 3](2002)

  録音日は11.30、12.1と2と5の4日間。ワイエンベルク(1929生)はオランダのピアニストで、マルグリット・ロンの愛弟子。



11.







ハイドン:交響曲第45番《告別》、第104番《ロンドン》

イシュトヴァン・ケルテス指揮バンベルクso
クルトゥアラウム、バンベルク(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア;COCQ-84385、84440](2007、分売、EURODISC原盤)

  ケルテス(1929生)による初期商業録音。3月にベートーヴェンの序曲を録音していた。COCQ-84385に所収のベートーヴェン:交響曲第2番も、同時期の録音と思われる。デッカへの録音を開始するのは翌1961年からである。

11.







ボロディン:歌劇《イーゴリ公》より、ポロヴェッツ人の踊り
リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》

ローラン・フニヴ(Vn)
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo、青少年cho、ローザンヌ放送cho
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-7043](2001、DECCA原盤、ボロディン)
[ユニバーサル;UCCD-9664](2008、DECCA原盤、リムスキー=コルサコフ)


11.


モーツァルト:セレナード第13番《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》、
         第6番《セレナータ・ノットゥルナ》

オトマール・スイトナー指揮ドレスデン国立歌劇場o
ルカ教会、ドレスデン(セッション商業録音、ステレオ)
[EDEL CLASSICS;0002612CCC](2002)

  10枚組『OTMAR SUITNER LEGENDARY RECORDINGS』所収。



11.


ラヴェル:《優雅で感傷的なワルツ》、組曲《クープランの墓》、《道化師の朝の歌》

エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンドo
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-4119/21](2009、DECCA原盤)

  3枚組『ラヴェル:管弦楽曲集』所収。前月に続くラヴェル録音。



11.







モーツァルト:セレナード第13番《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》、《音楽の冗談》、ディヴェルティメント第1番

カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内o
ヴィクトリア・ホール、ジュネーヴ(セッション商業録音、ステレオ)
[キング;KICC8204](1994、セレナード)
[ポリドール;POCD-4572](音楽の冗談、ディヴェルティメント)(1998、DECCA原盤)

  オリジナルのLPはこの3曲で1枚。

11.

パッヘルベル:カノン ニ長調
グルック:シャコンヌ(歌劇《オーリードのイフィジェニー》より)

カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団
録音場所不詳(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3910](2007、DECCA原盤)

  上のモーツァルトと同じセッションならジュネーヴでの録音か。



11.

ブリテン:春の交響曲

ジェニファー・ヴィヴィアン(S)ノーマ・プロクター(A)ピーター・ピアーズ(T)
ベンジャミン・ブリテン指揮コヴェント・ガーデン王室歌劇場o&cho、ワンズワース・エマニュエル・スクールcho
キングズウェイ・ホール、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCD-3629](2006、DECCA原盤)

  ブリテンの自作自演録音。



11.





ドヴォルジャーク;交響曲第8番

カレル・アンチェル指揮チェコpo
プラハ
[PRAGA;PR254006](1992)



11.

ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》
ラヴェル:水の戯れ、《鏡》から2曲

ルドルフ・フィルクスニー(p)
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[TOWER RECORDS;PROC-1101](DEUTSCHE GRAMMOPHON原盤)

  フィルクスニー(1912-94)は11月30日から12月4日までニューヨーク・フィルの定期に出演しているので、それ以前の録音ということになる。



11.

ジャズ『THE KATANGA CONCERT』(20曲)

ルイ・アームストロング(tp)ほか
エリザベートヴィル、旧ベルギー領コンゴ共和国カタンガ州
[MILAN;73138-35908-2](2000)

  サッチモことルイ・アームストロングのアフリカでのライヴ。混乱と対立が激化していた動乱地域での演奏ということで、歴史的意義をもつ盤。
  1960年はアフリカの植民地のうち17か国が独立、「アフリカの年」と呼ばれた。しかし内部の勢力争いと未熟な統治体制につけこんで影響力を得ようとする東西両陣営の策動がからんで、多くの国では不安定な状態が長く続くことになった。そのなかでも対立が激化して内戦状態に陥り、「コンゴ動乱」として知られる国際問題に発展したのが、旧ベルギー領のコンゴ共和国(のちのコンゴ民主共和国、一時期のザイール)である。
  6月30日に正式に独立したものの、国内にはベルギー軍など白人勢力が多く残留し、部族対立、地域対立もただちに激化した。7月11日には、地下資源の豊富な南部のカタンガ州(現シャバ州)がチョンベの指導により分離独立を宣言した。その背後には旧宗主国など欧米の右派勢力の支持があった。国連事務総長ハマーショルドが国連軍を派遣してベルギー勢力の排除に乗りだす一方、コンゴ政府のルムンバ首相はソ連の軍事援助を得て反対勢力の武力制圧を開始した。
  しかし9月14日、コンゴ軍参謀長モブツ大佐がクーデターを行ってソ連との関係を絶ち、ルムンバを逮捕拘束した(翌年1月に暗殺)。1960年秋から年末にかけては、コンゴ政府、カタンガ、東部のルムンバ支持派など、5つの国内勢力がそれぞれに他国からの支援を得ながら対立する情勢となった。
  アメリカ国務省から「名誉大使」に任ぜられたサッチモがアフリカ諸国を歴訪するツアーを行なったのは、まさにこの時期であった。
  歌手1人を含む7人編成で10月12日から開始され、ザンビア、タンザニア、ケニア、トーゴ、コートジボワール、ギニア、旧フランス領コンゴ(ベルギー領の隣国)、そして旧ベルギー領コンゴの首都レオポルドヴィル(現キンシャサ)でコンサートを行なった。そして8週間にわたるツアーの最後に急遽追加されたのが、カタンガ州の首都エリザベートヴィルでのこのコンサートである。
  日付不詳だがおそらく11月末頃だろう。ツアーは最終的に10週間になったとする説もある。

  その後も対立はやまず、翌1961年9月16日には調停に向ったハマーショルドの搭乗機がレオポルドヴィルの空港到着直前に墜落(事故とされる)、死亡する悲劇が起きた。1965年にモブツ独裁政権がアメリカの支持によって成立するまで、動乱は継続することになる。



11.

ドキュメンタリー『TRAINS IN THE NIGHT』よりトラック6

4300級5322号と「ダマー・グランジ」6800級6834号の走行音
ラヴィヘンジェル、ヘレフォード~アバーガヴェニー線(ライヴ商業録音、ステレオ)
[ASV;CD ATR 7049]

  1960年代イギリスの蒸気機関車の走行音を集めたアルバム(ピーター・ハンドフォード制作)から。1960年11月の霧の夜、イギリス内陸のヘレフォードからウェールズのアバーガヴェニーへ走る鉄道のラヴィヘンジェル駅近くで4300級2-6-0の5322号と「ダマー・グランジ」6800級6834号の走行音と汽笛の響きが約7分収められている。



11.~12.

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番op.131

ヴラフSQ
ドモヴィナ・スタジオ、プラハ(セッション商業録音、ステレオ)
[コロムビア;COCQ83873](2004、SUPRAPHON原盤)

  ヴラフ四重奏団は12.12の放送録音による第3番も発売されている。