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1960年12月
(最終更新2013.9.16)

12.1(木)

グリーグ:劇音楽《ペール・ギュント》(8曲)

カール・パリラ(語り)
ヘルマン・シェルヘン指揮ライプツィヒ放送so
ライプツィヒ
[TAHRA;TAH103-105](1993)

  3枚組『MUSIQUE ET LITTÉRATURE』所収。シェルヘンが6本の劇音楽を自らの編纂による語りと組合せ、11月25日から12月1日まで連日録音したものの1つ。



12.1(木)
  -3(土)

『ロス・アンヘレス&フィッシャー=ディースカウ 二重唱集』(15曲)

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ジェラルド・ムーア(p)エドワルト・ドロルツ(vn)イルムガルト・ポッペン(vc)
ゲマインデハウス、西ベルリン・ツァーレンドルフ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;TOCE-55118](2000)

  パーセル、ベートーヴェン、ドヴォルジャーク、フォーレなど。続いてロス・アンヘレスは6日からバルセロナで録音している。



12.







『ERZAEHLTES LEBEN フィッシャー=ディースカウ 生涯を回顧する』

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br&語り)
RIAS放送局、西ベルリン(セッション放送録音)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;00289 477 5270]

  9枚組『DIETRICH FISCHER-DIESKAU: EARLY RECORDINGS ON DEUTSCHE GRAMMOPHON』所収。オリジナルはラジオ番組をもとにLP化したもの(LP18727)。日付は不詳だがおそらくは前記二重唱集と同時期の録音と思われる。
  小山田宗徳の吹替付で日本語LPが出たこともある。
12.1(木)
 ~7(水)

テレマン:組曲変ロ長調(ターフェルムジーク第3集より)
C・P・E・バッハ:チェロ協奏曲変ロ長調

イレーヌ・ギューデル(vc)
カルロス・クライバー指揮ハンブルク放送o
北ドイツ放送局スタジオ10、ハンブルク(セッション&ライヴ放送録音)
[PROFIL;PH11031](2011)

  北ドイツ放送の若手指揮者のための演奏会「青年の指揮台」にC・クライバー(1930生)が登場。小クライバーは当時ライン・ドイツ歌劇場の楽長をしていた。テレマンは1日か2日に予めセッション録音されたもので、バッハは7日の演奏会でライヴ録音されたもの。当日のインタヴューもついている。演奏会ではマルティヌーのオーボエ協奏曲(独奏ホリガー)とファリャの《三角帽子》組曲も演奏された。後年の小クライバーからはイメージしにくい選曲。
  テレマンはラジオ局の保存テープ、バッハとインタヴューはエアチェックによる。



12.2(金)

ドニゼッティ:歌劇《連隊の娘》全曲

アンナ・モッフォ(S)ヨランダ・ガルディーノ(Ms)ジュゼッペ・カンポーラ(T)ジュリオ・フィオラヴァンティ(Br)ほか
フランコ・マンニーノ指揮ミラノRAIso、同cho
ミラノ
[MELODRAM;CDM27018](1988)



12.2(金)

ラヴェル:歌曲集《博物誌》

ナン・メリマン(Ms)
ブルーノ・マデルナ指揮バイエルン放送so
ヘルクレスザール、ミュンヘン
[ARKADIA;CDMAD023.1](1992)

  バイエルン放送のムジカ・ヴィーヴァの演奏会。曲は他にカスティリョーニの後奏曲(アプレリュード)、ベイルドのエスプレッショーニ・ヴァリアンティ(ヴァイオリンのウィルコミウスカ独奏)、シェーンベルクの室内交響曲が演奏された。
  イタリアの作曲家マデルナ(1920生)は20世紀音楽を中心とする指揮者としても積極的に活動していた。この年にヴェネツィアで初演されたノーノの新作歌劇《イントレランツァ1960》もマデルナの指揮だった。



12.2(金)

ヘンデル:歌劇《ヘラクレス》より、アリア3曲

エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
ニコラ・レッシーニョ指揮アメリカ・オペラ協会o、同cho
タウン・ホール、ニューヨーク
LP〈DISCOCORP;RR208〉(全曲は未レコード化)

  『THE ART OF ERISABETH SCHWARZKOPF』という3枚組に所収。演奏会形式によるアメリカ初演からの抜粋で、他にルートヴィヒ、ベリーなどが出演していた。全曲録音も残っている。



12.2(金)

グノー:歌劇《ロミオとジュリエット》全曲

ユゲット・リヴィエル(S)ジャーヌ・ベルビエ(S)アラン・ヴァンゾ(T)アンリ・ペロット(Br)ジャック・マルス(Bs)ほか
ピエール=ミシェル・ル・コント指揮フランスRTFリリックo、同cho
パリ
[WALHALL;WLCD 0356](2012)



12.3(土)

バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント、子供のために(ヴェイネル編)
ショスタコーヴィチ:前奏曲第8番

ルドルフ・バルシャイ指揮モスクワ室内o
モスクワ(?)
[BRILLIANT CLASSICS;9010](2009)

  10枚組『RUDOLF BARSHAI EDITION』所収。



12.3(土)

ラフマニノフ:前奏曲7曲、幻想的小品

マリヤ・グリンベルグ(p)
モスクワ(?)(セッション商業録音)
[VISTA VERA;VVCD-00119](MELODIYA原盤)

  グリンベルグ(1908生)による演奏。



12.3(土)

ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》全曲

レオニー・リザネク(S)エウジェニオ・フェルナンディ(T)コーネル・マックニール(Br)チェーザレ・シエピ(Bs)ほか
トマス・シッパーズ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[MYTO;2CD 00235](2011)

  10月24日のメトロポリタン歌劇場シーズン開幕の演目が、12月のラジオ中継開始の第1回目にも放送された。《ナブッコ》はメトでは史上初の上演である。もともとは59年2月に初演して大好評を得た《マクベス》に続く、リザネクとウォレンを主役に据えたヴェルディ初期歌劇の第二弾として計画された。しかし60年3月にウォレンが急死したため、外題役はマックニールに交替している。このシーズンは14回とかなりの頻度で上演されたが、翌シーズンからは二度と上演されなかった。



12.4(日)

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
シェーンベルク:管弦楽のための5つの小品
ヒンデミットの管弦楽のための協奏曲

ルドルフ・フィルクシュニー(p)
ハンス・ロスバウト指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
[ARCHIPEL;ARPCD0553](2013、ブラームスとヒンデミットのみ。シェーンベルクは未レコード化)

  ニューヨーク・フィルの定期演奏会のライヴ。ほかにェーベルンの管弦楽のための6つの小品が演奏された。シェーンベルクはJOAN EVANSの『HANS ROSBAUD : A BIO-BIBLIOGRAPHY』(GREENWOOD PRESS)には2日の録音とあるが、この日の定期演奏会の録音だろう。



12.5(月)

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番

ヴォルフガンク・シュナイダーハン(vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[TOWER RECORDS;PROC-1124](2011、DEUTSCHE GRAMMOPHON原盤)

  5月に北ドイツ放送soと録音した第5番《トルコ風》とのカップリング。



12.5(月)
    (?)


ベン=ハイム:ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ

プニーナ・ヴィスマン=ザルツマン(p)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮イスラエルpo
日比谷公会堂、東京(ライヴ放送録音、ステレオ)
[DOREMI;DHR-7828/9](2003)
[HELICON;02-9614](2006)

  日付と会場は推定。CDには12日とあり、イスラエル・フィルの初来日公演の時期なので、日本での録音ということになる。ただし記録ではこの日に演奏会はない。イスラエル作曲界の重鎮ベン=ハイム(1897生)の作品。同じ顔合わせで9月25日にテル・アヴィヴで世界初演されているので、その日の録音かも知れない。だが良質なステレオで録音されており、東京のNHKによる録音の可能性が高いのではないかと思う。大阪国際フェスティバル協会主催による来日公演では、5日の東京と10日の大阪でこの作品を演奏しているので、10日の可能性もある。5日は来日公演の初日、10日は大阪公演の2日目にあたる。
  イスラエル・フィルはジュリーニ、ベルティーニとともに10月10日のパリを皮切りに12月21日のボンベイまで、10月と11月にアメリカ、カナダ、メキシコ、12月に日本(5日から18日まで6都市で10公演)とインドへの2ヶ月半の世界演奏旅行を行なっている。
  1960年の外来オーケストラは、5月のボストンsoとこのイスラエルpoの2つだけ。現在とは別の国の話のようだ。

  HELICON盤は、イスラエル・フィル創立70周年を記念して2006年に自主制作された12枚組。



12.5(月)

グノー;歌劇《ファウスト》より〈生まれ故郷を離れる前に〉と、ヴァランタンの死の場面(イタリア語版)

レナータ・スコット(S)ピエロ・カプッチッリ(Br)
オリヴィエロ・デ・ファブリティース指揮トリエステ・ヴェルディ劇場o、同cho
ヴェルディ劇場、トリエステ
[MELODRAM:CDM26528](1991)

  カプッチッリの1960年代のライヴ録音のオペラ歌唱を集めた2枚組に所収。全曲公演からの抜粋で、ほかにフランコ・ギッティ(T)ラファエル・アリエ(Bs)が出演していた。



12.5(月)







ヴォーカル『CONNIE AT THE COPA』(10トラック)

コニー・フランシス(Vo)
指揮者不明のオーケストラ
コパカバーナ、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[PEG RECORDINGS;PEG036](1998、MGM原盤)

  60年代に日本でも大きな人気を得た歌手コニー・フランシス(1938生)が、ニューヨークのナイトクラブのコパカバーナへデビューしたさいのライヴ盤。
  1961年1月にMGMからE-3913として発売され、ジャケットを変えて翌年3月に再発売されている。



12.5(月)

ジャズ『トシコ=マリアーノ・カルテット』(5曲)

トシコ=マリアーノ・カルテット
ノラのペントハウス、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[テイチク;TECW-20489](1997、CANDID原盤)

  秋吉敏子(1929生)と夫のアルトサックス奏者チャーリー・マリアーノ他によるキャンディード録音。秋吉の代表作〈ロング・イエロー・ロード〉が初めて録音された。



12.5(月)
  -8(木)

バッハ:無伴奏チェロ組曲集(6曲)

ポール・トルトリエ(vc)
パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE3122-23](1996)

  トルトリエ(1914生)の1回目の無伴奏組曲録音。1982年に再録音している。



12.6(火)
  -8(木)

ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》抜粋(ドイツ語訳詞版)

マーリーズ・ジーメリンク、リザ・オットー(S)ルート・ジーベルト(Ms)ルドルフ・ショック(T)マルセル・コルデス(Br)アントン・メッテルニヒ、ペーター・ロート=エーランク(Bs)
ホルスト・シュタイン指揮ベルリンso、ベルリン・ドイツ歌劇場cho
グリューネヴァルト教会、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDZ25 2216 2](1990)



12.6(火)
 -10(土)

ハイドン:交響曲第83番《めんどり》
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 Anh 9/ K297B

シモン・ゴールドベルク指揮オランダ室内o
コンセルトヘボウ、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[Retrospective;RET93407](2007、PHILIPS原盤)

  8枚組『フィリップス・レコーディングス』所収。



12.6(火)
 -12(月)

『20世紀のスペイン歌曲集』(17曲)より、8曲(?)

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(S)
ゴンザロ・ソリアーノ(p)
EMIスタジオ(?)、バルセロナ(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCE-13420](2006)

  上記CDによれば録音日は6、9、12日で、1961年12月4~8日にも録音されている。具体的にどの曲が1960年録音かは不明だが、曲目のうちグラナドス、モンポウ、トルドラ、トゥリーナ、ロドリーゴについては海外盤『SONGS OF SPAIN』[7243 5 66937 2 2]に「4-6&8.XII.1961 AND 2-5.I.1962」とあるので、消去法でいけばファリャの《7つのスペイン民謡》とモンサルバーチェの《黒人の子守歌》が録音された可能性があることになる。



12.7(水)

ドニゼッティ:歌劇《ポリウト》全曲

マリア・カラス(S)フランコ・コレッリ(T)エットーレ・バスティアニーニ(Br)ニコラ・ザッカリア(Bs)ほか
アントニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
ミラノ・スカラ座(シーズン開幕公演)
[EMI;7243 5 65448 2 6](1997)

  58年5月31日の《海賊》以来、2年半ぶりにカラス(1923生)がスカラ座に復帰した。歌手としての絶頂期を過ぎたため、技巧的難度の低い作品が選ばれている。スカラ座は51年以来開幕を12月7日と定めている(それまでは26日)が、カラスにとって51年以来6度目の、そして最後の開幕日登場だった。
  演出家にはルキノ・ヴィスコンティ(1906生)が予定されていたが、直前に降板し、ヘルベルト・グラーフに交代した。



12.8(木)

デ・レーウ:ムーヴメンツ・レトログラーデス(後退する楽章)

ジョージ・セル指揮ロイヤル・コンセルトヘボウo
コンセルトヘボウ、アムステルダム
[COLOFON;CV CD10]

  セルとコンセルトヘボウでは、日付不詳のスコダとのモーツァルトの22番もある。



12.8(木)

シューベルト:交響曲第8番《ザ・グレート》
バッハ:ピアノ協奏曲第1番
ラヴェル:ピアノ協奏曲
ドビュッシー:夜想曲

モニク・アース(p)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
[TAHRA;TAH 710-711](2011、バッハ)〈他は未レコード化〉



12.8(木)

諸井誠:音楽詩劇《赤い繭》
秋山邦晴:秘法19

芥川比呂志(朗読)
若杉宏指揮のアンサンブル、電子音、東京混成cho(諸井作品のみ)
NHK、東京内幸町(セッション放送録音、ステレオ)
[OMEGA POINT;OPA-0003](2006)

  日付は初演日。『日本の電子音楽 Vol.3』所収。安部公房原作の《赤い繭》はNHK音楽部が制作したテープ音楽。電子音はNHKホール内にあった電子音楽スタジオで作られた。当時NHKは内幸町にあったが、田村町交差点(現在の西新橋1丁目交差点)に近かったので「田村町のNHK」と通称されていた。
  その後、12月8日に草月ホールで行なわれた「草月コンテンポラリー・シリーズ・6 作曲家集団/12月の会 諸井誠」で、米山ママコの舞踏を加えて舞台初演された。このときは諸井の第2室内カンタータ《青い円筒》と歌曲《ある種のバガテル》のほか、秋山の《秘法19》が賛助出品として上演された。
  秋山の作品は声を素材にアートセンターで加工されたテープ音楽を背景に、詩の朗読(後藤芳子)とガラス瓶の演奏(秋山邦晴)、ピアノの内部演奏(高橋悠治)を交えるものだった。このCDにはテープ音楽の一部分のみを所収している。
  指揮の若杉弘(1935-2009)は当時まだ芸大指揮科の学生で、翌年に卒業する。



12.8(木)







ジャズ『ART BLAKEY’S JAZZ MESSENGERS / LAUSANNE 1960』第1集&第2集(全10曲)

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
ドゥ・ボーリュー劇場、ローザンヌ
[TCB MUSIC;TCB02022&25](分売、1995)

  ブレイキー(1919生)率いるジャズ・メッセンジャーズの、スイス・ロマン語放送によるライヴ録音。翌年1月に同じメンバーで日本を訪れることになる。

12.9(金)

ジャズ『STAN KENTON AND HIS ORCHESTRA WITH JUNE CHRISTY / TOGETHER』

ジューン・クリスティ(Vo)スタン・ケントンとそのオーケストラ
キャピトル・タワー・スタジオB、ハリウッド
CD-R〈SOUNDS OF YESTERTEAR;DSOY601〉(2002)

  州兵(ナショナル・ガード)慰問用に制作されたレコードより。スタジオ・ライヴの形式である。



12.10(土)

ジェミニアーニ:合奏協奏曲ト短調 作品3-2
R・シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》
ブラームス:交響曲第2番

ロリン・マゼール指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
〈未レコード化〉

  マゼール(1930生)がボストンsoの定期に初登場。17日にも指揮している。



12.10(土)



ヴェルディ:《アイーダ》(ロシア語版)

ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(S)イリーナ・アルヒーポワ(Ms)ズラブ・アンジャパリーゼ(T)パヴェル・リシチアン(Br)イワン・ペトロフ(Bs)
アレクサンデル・メリク=パシャエフ指揮ボリショイ歌劇場o&cho
ボリショイ歌劇場、モスクワ
[PONTO;PO-1059](2009)
CD-R〈CANTUS CLASSICS;CACD 5.01522 F〉(2011)

  当時のボリショイ歌劇場のスターたちによる、ロシア語の《アイーダ》。ズラブ・アンジャパリーゼ(Zurab Andjaparidze,1928-97)はグルジア人テノールで、1959年から70年までボリショイ歌劇場で活躍した。ラダメスはゲルマンとともに当たり役だったという。リシチアンはこの年の3月3日に、ソ連の歌手として初めてアメリカのメトロポリタン歌劇場に客演、この役を歌ったことで知られる(ヴィシネフスカヤも、翌61年6月にメトでアイーダを4回歌った)。
  PONTO盤には「1961」とあるだけだが、CANTUSのCD-Rには「1960.12.10」と日付が特定されているので、それに従う。



12.10(土)

プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》全曲

ドロシー・カーステン(S)カルロ・ベルゴンツィ(T)マリオ・セレーニ(Br)ほか
ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[THE GOLDEN AGE OF OPERA;GAO113/14]

  シーズン2日目の10月25日に上演された。カーステン(1910生)は前のシーズン終盤、メトと決裂したステッラ(1929生)の代役で3年ぶりに呼ばれていた。この公演にはバッカローニ(1900生)、デ・パオリス(1893生)、チェハノフスキー(1892生)など40年前後の長いキャリアを持つベテランが顔を揃えている。中でもチェハノフスキーは26年から66年まで、97の役柄で2395公演に出演した。エドモンド役のアンソニー(1929生)はその後継者的存在で、メトで54年から2000年までの間に110の役で2822公演を歌うことになる。



12.10(土)

カントリー・ラジオ番組『グランド・オール・オプリ/プリンス・アルバート・ショー』より《アイ・ミスド・ミー》

ジム・リーヴズ(Vo)、ほか
ライマン公会堂、ナッシュビル
[COUNTRY MUSIC FOUNDATION;CMF-008D]

  『JIM REEVES LIVE AT THE OPRY』所収。




12.10(土)

ヴォーカル『JUDY GARLAND IN CONCERT』(29曲)

ジュディ・ガーランド(Vo)
ノリー・パラマー指揮コスモポリタンo、デイヴィッド・リー(p)
タスチンキ劇場、アムステルダム
[DOUBLE GOLD;DBG53044](1996)

  10月22日のパリのオランピア・ライヴに続く、オランダでのジュディ・ガーランド(1922生)のライヴ。映画館で上映終了後に行なわれたため、真夜中から午前3時までの公演となったという。
  このCDは29曲と、同時期のガーランドのライヴ盤の中で最も曲数が多いが、なぜか十八番の《虹の彼方に》が欠けている。



12.10(土)
  -14(水)





ショスタコーヴィチ:交響曲第5番《革命》

コンスタンティン・シルヴェストリ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[新星堂;SGR-8230](EMI原盤、1998)



12.11(日)



ショパン:チェロ・ソナタ
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番
ストラヴィンスキー(ドゥシキン編曲):オペラ《マヴラ》より〈ロシアの歌〉、ディヴェルティメント(バレエ《妖精の口づけ》による交響組曲)より〈パ・ド・ドゥ/アダージョ/ヴァリアシオン/コーダ〉
チャイコフスキー(フィッツェンハーゲン編曲):夜想曲 Op.19-4
ミヨー(レヴィ編曲):組曲《ブラジルの郷愁》より〈ティジュカ〉
ファリャ(ピアティゴルスキー編曲):バレエ《恋は魔術師》より〈火祭りの踊り〉
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番から〈サラバンド〉

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
アレクサンダー・デデューヒン(p)
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ
[YEDANG;YCC-0079](ブラームス、2002)
[MOSCOW STATE CONCERVATOIRE;SMC CD 0029](ブラームス以外、2012)

  1970年代のロストロポーヴィチの国外追放後、放送局の録音はすべて破棄されたことになっていたが、テープの演奏者名を別人に貼りかえて密かに保存されていたという。
  小品集は14日録音とするBRILLIANT盤もある(別項参照)。



12.11(日)

モーツァルト:交響曲第34番

カール・ベーム指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
CD-R〈WORLD MUSIC EXPRESS;WME-M-CDR-1299〉(2009)

  ベームがニューヨーク・フィル定期演奏会にデビューしたさいのライヴ。曲目はモーツァルトの交響曲第34番とヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容、ブラームスの第4番。
  この12月第2週に続き、第3週も指揮する予定だったが、第3週の総練習のときにベームが右目の網膜剥離に気づき、急遽キャンセルして帰国、ウィーンで手術を受けることになる。



12.11(日)

ラーナー&ロー:ミュージカル《キャメロット》(18曲)

ジュリー・アンドリューズ、リチャード・バートン、ロバート・グーレ(Vo)
フランツ・アラース指揮のオーケストラ
CBS30丁目スタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SK60542](1998)

  12月3日にマジェスティック劇場で初日をあけたミュージカル《キャメロット》は、ブロードウェイ・ミュージカルの前売額の新記録を達成するほど莫大な期待を集めた作品だった。作詞ラーナーと作曲ロー、主演女優アンドリュースのトリオによる4年前の前作が、驚異的大ヒットとなった《マイ・フェア・レディ》だったからである。しかし現場では、アーサー王宮廷の束の間の栄光を描くその物語が暗く長すぎたため、何度も手直しが必要になる混乱が続いた。だがこの作品の上演期間がまさにケネディ大統領の短く華やかな任期と重なったため、「キャメロット」はケネディ時代の形容詞となることになる。
  オーケストレーションはベネット&ラングによる。



12.11(日)

ジャズ『ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド
ヴィレッジ・ヴァンガード、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[VERVE;V-8396](2002)

  ヨーロッパ・ツアーを終えたバンドのニューヨークでのライヴ。日曜日の午後に収録とライナー・ノートにある。前日の10日にも録音が行なわれたが、そちらは使用されていない。



12.

ジャズ『GERRY MULLIGAN / NEW-YORK DECEMBER 1960』(8曲)

ジェリー・マリガン&ザ・コンサート・ジャズ・バンド
ヴィレッジ・ヴァンガード(?)、ニューヨーク
[JAZZ ANTHOLOGY;550072](1989)

  日付不詳だが、上記と同月のニューヨークでのライヴ録音。曲目は1曲を除いて重複なし。



12.12(月)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番

ヴラフSQ
プラハ(セッション放送録音)
[PRAGA;PR256005.06](1992)

  チェコ放送による録音。第1ヴァイオリンのヨーゼフ・ヴラフはチェコ室内oのコンサートマスターも兼任しており、この年4月の同楽団の来日公演にも帯同した。



12.12(月)

柴田南雄:シンフォニア

渡邉暁雄指揮日本po
日比谷公会堂、東京(ステレオ録音)
[日本フィルハーモニー交響楽団;JPFO0001-26](2006)

  創立50周年記念で自主制作された26枚組『渡邉暁雄と日本フィル』全集所収。第28回定期演奏会のライヴ録音で、世界初演。日フィルは1958年から邦人作曲家への委嘱制度「日本フィル・シリーズ」を開始し、原則として年2作品の委嘱と初演を行なっていた。1960年には10月14日に三善晃の交響三章も初演しており、柴田の作品はそれに続く5作目の委嘱作。



12.12(月)
  -13(火)







リスト:ハンガリー狂詩曲第5番、ピアノと管弦楽のためのハンガリー幻想曲

シューラ・チェルカスキー(p)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンpo
イエス・キリスト教会、西ベルリン郊外ダーレム(セッション商業録音、ステレオ)
[DEUTSCHE GRAMMOPHON;419862-2](狂詩曲、1986)
[ポリドール;POCG-5053](幻想曲、1996)

  カラヤンのグラモフォンとのセッション録音第3弾で、1959年の《英雄の生涯》、ブラームスのハンガリー舞曲集に続くもの。1960年はこれが唯一の機会となっている。
  11日から13日にかけて、カラヤンはベルリン・フィル定期でハイドンのオラトリオ《天地創造》を演奏していた。



12.12(月)
  -16(金)

チャイコフスキー:幻想的序曲《ロミオとジュリエット》
ボロディン:交響曲第2番、交響詩《中央アジアの草原にて》

クルト・ザンデルリンク指揮ドレスデン国立歌劇場o
ルカ教会、ドレスデン(セッション商業録音、ステレオ)
[BERLIN CLASSICS;0030392BC](ETERNA原盤、1998)

  西側ではDGが発売した。



12.13(火)

スメタナ:歌劇《売られた花嫁》全曲

ピラール・ローレンガー(S)エルンスト・ヘフリガー(T)ヨーゼフ・グラインドル(Bs)ほか
ハインリヒ・ホルライザー指揮ベルリン市立歌劇場o、同cho
テアター・デス・ヴェステンス(?)、西ベルリン
〈未レコード化〉



12.14(水)





ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番《ラズモフスキー第2番》

アマデウスSQ
ジーメンスヴィラ、ベルリン(RIAS音源)
[AUDITE;AU21424](2013)
  7枚組のRIAS音源によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲集に所収。



12.14(水)

ビゼー:歌劇《カルメン》全曲(イタリア語版)

マルチェッラ・ポッベ(S)イリナ・アルヒーポワ(Ms)マリオ・デル・モナコ(T)エルネ・ブラン(Br)ほか
ペーター・マーク指揮ナポリ・サン・カルロ劇場o、同cho
サン・カルロ劇場、ナポリ
[GALA;GL 100.676](2010)
LP〈MOVIMENTO MUSICA;03.002〉

  ソ連の歌手アルヒーポワ(1925生)がカルメン役を歌っている。前年にデル・モナコがソ連を訪れて《カルメン》などを歌ったので、この公演はその答礼的な意味か。
  録音日がMOVIMENTO MUSICAの14日に対し、GALAのCDには「12月19日」とある。しかしこの公演は11,14,18の3回公演なので19日はありえず、14日の方が蓋然性が高い。



12.14(水)

年金募金ガラ公演より(プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》第2幕、ほかアリアなど計7曲)

レナータ・テバルディ、アイリーン・ファレル、リリー・ポンス、エリザベート・ゼーダーシュトレーム、ジンカ・ミラノフ(S)ロザリンド・エリアス、レオニー・リザネク(Ms)ジャン・ピアース、リチャード・タッカー(T)クリフォード・ハーヴォート、フランコ・グァレッラ(Br)ジョージ・ロンドン(Bs)ほか
ジャン・モレル、イグナス・ストラスフォーゲル、マーティン・リッチ、ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
〈未レコード化〉

  メトロポリタン歌劇場では関係者の年金基金のための特別演奏会をシーズン中に行う。ラジオ中継はなかったはずだが録音が部分的に現存している。ほかに《ナブッコ》序曲、《ドン・カルロ》の第3幕第1場、リチア・アルバネーゼとニコライ・ゲッダの独唱曲があった。この日〈うるわしき御名〉を歌ったリリー・ポンス(1898生)はメトへの最後の出演となる。彼女のデビューは1931年だった。



12.14(水)







ベルリオーズ:幻想交響曲
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

ロベール・カサドシュ(p)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY;SBK46329](ベルリオーズ、1990)
[SONY:DC5205](ラヴェル、1989)

  翌日にもモーツァルト作品を録音している。

12.14(水)

ラジオDJ番組『GORDY BAKER RADIO SHOW』

ゴーディ・ベーカー(DJ)
WMGM 1050 AMラジオ、ニューヨーク
CD-R〈ROCK IT RADIO;RIR#213〉(2003)

  ラジオ放送のエアチェック。当時アメリカ各地のラジオ局が競って放送していた「トップ40」の歌を紹介するDJ番組の一つで、ニューヨークで午後2時から同45分まで放送されたもの。クリスマスが近いので、クリスマス・ソングが多数取りあげられている。



12.14(水)

R・シュトラウス:家庭交響曲

カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so
ヴィラ・ベルク・ゼンデザール、シュトゥットガルト放送局
[HANSSLER;CD93.292](2012)

  10枚組「カール・シューリヒト・コレクション第2集」所収。



12.

シューマン:《マンフレッド》序曲

カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so
シュトゥットガルト(セッション放送録音、ステレオ)
[HÄNSSLER;CD93.155](2005)

  日付は不詳だが、上記の家庭交響曲と同時期と思われる。1960年当時の西ドイツの放送音源では珍しいステレオ録音なので、次項のCONCERT HALL盤と同じ録音である可能性が高い。



12.

シューマン:交響曲第3番《ライン》、《マンフレッド》序曲

カール・シューリヒト指揮南ドイツ放送so
シュトゥットガルト(セッション商業録音、ステレオ)
[日本コロムビア;COCO-6588](CONCERT HALL原盤、1990)

  コロムビア盤には月日の記載がないが、10枚組『CARL SCHURICHT:THE CONCERT HALL RECORDINGS』[SCRIBENDUM;SC011]に1960年12月録音とある。
  《ライン》は9月15日のライヴ録音もCD化されている。



12.14(水)

シャンソン『シャンソンの花馬車』(10曲)

イヴェット・ジロー(Vo)
マルク・エラン(p)寺島尚彦とリズム・シャンソネット
ナイトクラブ「花馬車」、東京赤坂(ライヴ商業録音)
25cmLP〈フォンタナ;FON-4001〉

  フランスのシャンソン歌手、ジロー(1916生)の東京のナイトクラブでのライヴ。55、57年に続く3回目の来日公演。日本語訳詞歌唱も多い。大ホール公演は11月6日から12月10日までで、11月6日と7日に東京公演が開かれた(日比谷と産経)。
  当時東京の銀座や赤坂には「銀馬車」「金馬車」「紅馬車」など「馬車系」と呼ばれる高級ナイトクラブがいくつかあった。「花馬車」もその一つで、この1960年に開店した。ホテル・ニュージャパンの隣にあったという。
  当時の赤坂は地下鉄が開通する前の交通不便な場所で、東京放送(現TBS)以外には料亭とナイトクラブしかなく、「赤坂租界」と綽名されていた。



12.14(水)
    (?)

デュカス:交響詩《魔法使いの弟子》

アルヴィート・ヤンソンス指揮東京so
日比谷公会堂、東京
[東芝EMI;TOCE-8863]

  日付は疑問。音楽年鑑に該当する演奏記録はない。実際には翌15日に大阪で演奏会をしている。その後12月23日に日比谷公会堂で演奏会(好評のため、ヤンソンスが当初予定の上田仁に代わって指揮した)、25日に神田共立講堂で「さよなら演奏会」があったが、この曲は含まれていない。10月27日、11月11日などのアンコール演奏かも知れない。



12.14(水)
 -16(金)

吹奏楽『The Civil War: Its Music and Its Sounds(南北戦争 その音楽と音)』(全55トラック)

マーティン・ゲーベル(語り)
フレデリック・フェネル指揮イーストマン管楽Ens
イーストマン劇場、ロチェスター(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;432 591-2]

  南北戦争100周年を記念するアルバムのための録音。ほとんどの曲は同月11日、同劇場でのガラ演奏会で取り上げられた。10月29日にゲティスバーグの古戦場で録音された効果音(馬車の音など)と、12月11日にウエストポイントの軍事博物館で録音された砲撃音、1962年5月7日に録音されたドラム・ロールも重ねられた。



12.15(木)

ハイドン:交響曲第96番
ソプラノ・アリア集(モーツァルト、ドニゼッティ、シュトラウス、ロッシーニ)
マクダウェル:組曲第2番《インディアン》

ロバータ・ピーターズ(s)
ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉



12.15(木)







バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番
ドビュッシー:チェロ・ソナタ
フォーレ(カザルス編曲):夢のあとに

ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
アレクサンダー・デデューヒン(p)
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ(?)
[BRILLIANT CLASSICS;92771](2005)
[MOSCOW STATE CONCERVATOIRE;SMC CD 0042](ドビュッシー、フォーレ、2012)

  バッハは10枚組『MSTISLAV ROSTROPOVICH EDITION』所収。



12.15(木)









モーツァルト:2台のピアノと管弦楽のための協奏曲(ピアノ協奏曲第10番)、ピアノと木管楽器のための五重奏曲
R・シュトラウス:交響詩《英雄の生涯》

ロベール&ギャビイ・カサドシュ(p)
ジョン・ド・ランシー(ob)アンソニー・ジリオッティ(cl)バーナード・ガーフィールド(bassoon)メーソン・ジョーンズ(fr-hrn)
アンシェル・ブルシーロフ(vn)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィアo
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY:5033962](協奏曲、2001)
[SONY:5033882](協奏曲、2001)
[SONY:88697477962](英雄の生涯、2009)

  五重奏曲は1963年録音とする説もある。

12.15(木)
 &16(金)

ヴェルディ:歌劇《トロヴァトーレ》抜粋(ドイツ語訳詞版)

ヒルデガルト・ヒレブレヒト(S)イラ・マラニウク(Ms)シャーンドル・コーニャ(T)エバーハルト・ヴェヒター(Br)
フランツ・マルスツァレク指揮ケルン放送so、ケルン放送cho
ケルン(セッション商業録音、ステレオ)
[POLYDOR;476 7201](2005)

  ドイツ・グラモフォンのポピュラー・レーベルであるポリドールが録音したLP片面分の抜粋で、1961年7月録音の《リゴレット》抜粋と組み合わされて発売された。



12.15(木)
 -19(月)





モーツァルト:交響曲第35番《ハフナー》、第41番《ジュピター》
シューマン:交響曲第4番

オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウo
コンセルトヘボウ、アムステルダム(セッション商業録音、ステレオ)
[ユニバーサル;UCCP-3289、UCCP-3291](PHILIPS原盤)

12.16(金)

ヘンデル:オラトリオ《メサイア》全曲

デルフィ・ファーヒンガー、ロナ・アークリン(S)ほか
H・ヴィンセント・ミットゼルフェルト指揮の管弦楽団、ホワイト記念教会cho、ミットゼルフェルトcho
ホワイト記念教会、ロスアンジェルス(?)(ライヴ自主録音、ステレオ)
LP〈MC6010〉

  ホワイト記念教会はアメリカ各地にあるらしいが、製作地がカリフォルニアとあるので、ここではロスアンジェルスのエレン・ホワイト・メモリアル・チャーチと推定する。同教会は同名の病院から分離したもので、1956年に建立された。教会関係者や合唱団員のための自主製作盤らしく、300枚の限定生産とジャケットに書かれている。ステレオ録音されている。



12.16(金)







ブロッホ:ヘブライ狂詩曲《シェロモ》
ハンソン:交響曲第1番《北欧風》

ジョージ・ミクエル(vc)
ハワード・ハンソン指揮イーストマン・ロチェスターo
イーストマン劇場、ロチェスター(セッション商業録音、ステレオ)
[MERCURY;432 718-2](ブロッホ、1991)
[MERCURY;432 008-2](ハンソン、1990)

12.17(土)

ベートーヴェン:12のドイツ舞曲、交響曲第6番《田園》
ストラヴィンスキー:交響詩《ナイチンゲールの歌》
スクリャービン:交響曲第4番《法悦の詩》

ロリン・マゼール指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
〈未レコード化〉



12.17(土)

ワーグナー:歌劇《タンホイザー》全曲

レオニー・リザネク(S)ハンス・ホップ(T)ヘルマン・プライ(Br)ほか
ゲオルク・ショルティ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
[WALHALL;WLCD 0325](2010)

  プライ(1929生)とショルティ(1912生)はこの日がメトへのデビューとなった。


12.17(土)





落語『たぬさい』『道灌』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送
[ポニーキャニオン;POCG-00294]

12.17(土)
 -22(木)

ブルックナー:交響曲第3番《ワーグナー》

ハンス・ロスバウト指揮南西ドイツ放送so
南西ドイツ放送音楽スタジオ、バーデン・バーデン(セッション放送録音)
[ARKADIA;GI772.1](1994)

  ロスバウトは11.24~12.4までニューヨークpoの定期を2週間指揮していた。



12.18(日)

R・シュトラウス:家庭交響曲

グレゴリー・ミラー指揮ニューヨークpo
カーネギー・ホール、ニューヨーク
LP〈RAEBET’S PRODUCTIONS;CP-7079〉(自主制作盤)

  12月第3週、15~18日の定期演奏会は前週に続きカール・ベーム(66歳)の予定だった。曲は全シュトラウスで、《ドン・ファン》と《カプリッチョ》終景(独唱デラ・カーザ)と家庭交響曲である。
  ところが第3週直前の総練習でベームが右目の網膜剥離に気づき、急遽キャンセルしてオーストリアに帰国、ウィーンで手術を受けることになった。代役には楽団の副指揮者のラッセル・スタンガーとグレゴリー・ミラーが選ばれ、分担して指揮した(17日のみエリアクム・シャピーラも登場)。かれらは10月1日と2日にも過労のバーンスタインに代って指揮しており、シーズン2回目の代役登場である。
  この自主制作盤はミシガン州カラマズーで作られたもの。ミラーは61年から68年までカラマズー交響楽団の指揮者(途中から音楽監督)をしている。
  なおLPには17日とあるが、この日のブルックリン演奏会ではこの曲は演奏していない。18日午後の中継だろう。



12.18(日)

コールマン&リー:ミュージカル《ワイルドキャット》(15曲)

ルシル・ボール、キース・アンデス、ポーラ・ステュワート(Vo)、ほか
ジョン・モリス指揮のオーケストラ
ウェブスター・ホール、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA VICTOR;60353-2-RG](1991)

  12月16日にアルヴィン劇場で初日をあけたミュージカル。テレビの『ルーシー・ショー』で人気を得たルシル・ボールがヒロインを歌うことで話題となったが、1週間8公演のハード・スケジュールに音を上げたボールが比較的短期間で降板すると公演自体も長続きせず、171回で終った。台本が弱く、ヒロイン頼りだったことが原因とされる。
  作詞作曲のサイ・コールマンとキャロリン・リーのコンビによるデビュー作で、二人は1966年に『スウィート・チャリティ』というヒット作を生むことになる。
  オーケストレーションはロバート・ギンズラーとシド・ラミン。



12.(?)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番
ハイドン:ピアノ協奏曲ニ長調

アルフレート・ブレンデル(p)
パウル・アンゲラー指揮ウィーン室内o
ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[VOX;CDX 5180](2001)

  年月日不詳だが、18日にコンツェルトハウスでアンゲラー指揮のウィーン・コンツェルトハウス協会室内管弦楽団の演奏会が行なわれ、ブレンデルがモーツァルトの協奏曲22番を演奏している(他の曲はハイドンの交響曲第88番、モーツァルトのポストホルン・セレナーデ)。
  ブレンデルがVOXに録音したピアノ協奏曲はウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、プロ・ムジカ管弦楽団なととの共演だが、この22番とハイドンだけはウィーン室内管弦楽団とクレジットされてLP1枚で発売されており〈12170〉、この演奏会の前後の録音の可能性がある。

  2枚組『ALFRED BRENDEL PLAYS MOZART & HAYDN』にはこの2曲の他に第17、25、27番とロンドが含まれており、1961-67年の録音とある。



12.19(月)

マーラー(クック補作):交響曲第10番

ベルトルド・ゴルトシュミット指揮フィルハーモニアo
デリク・クック(解説&ピアノ)
BBCメイダ・ヴェール・スタジオ、ロンドン
[TESTAMENT;SBT3 1457](2011)

  マーラー百年祭のこの年、BBCはロンドンで演奏されたその交響曲をシリーズで放送したが、特に注目されたのが、音楽学者デリック・クックによる交響曲第10番の補作完成版の紹介である。これは多くの人が行なっているこの作品の補筆完成の試みのなかでも、最初に広く世に知られたものだった。
  12月19日、ラジオのBBC第3放送が放送した番組は、クック自身の語りとピアノ演奏(一部オーケストラ)による約35分の解説と、補作を手伝ったゴルトシュミットの指揮による準全曲(第2楽章と第4楽章の計5分ほどが欠落)68分からなっていた。この演奏は、事前に非公開で録音されていたものらしい。解説部分は公開の会場で収録されている。

  この補作に関しては当初アルマが反対して破棄を求め、演奏を禁止する騒ぎもあったが、やがて軟化、それまで未公開だったスケッチも新たに加えてクックは1964年に全曲を完成、1964年のプロムスで、ゴルトシュミット指揮ロンドン響により初演された(このセットに同梱)。さらに手を加えて、1976年に初めて出版している。クックはその直後に没したためにこれが最終版となったが、その後に周囲が手を加えた第2版が1989年に出版されている。

 参考: BBCによる1960年マーラー100年記念シリーズには、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの以下の演奏が含まれていたらしい。

 3.16  交響曲第4番 ホーレンシュタイン指揮ロイヤルpo、シュターダー(S)
 5.13  交響曲第9番 バルビローリ指揮ハレo
 5.19  交響曲第6番《悲劇的》 スタインバーグ指揮ロンドンpo
 6.24  《大地の歌》 ドラティ指揮ロンドンso、ヘイニス(A)ペトラク(T)
 10.26 交響曲第10番第1楽章、リュッケルト歌曲集、交響曲第1番《巨人》
      ホーレンシュタイン指揮フィルハーモニアo、フィッシャー=ディースカウ(Br)
 10.30 亡き子をしのぶ歌、交響曲第5番
      ホーレンシュタイン指揮フィルハーモニアo、フィッシャー=ディースカウ(Br)
 11.30 交響曲第2番《復活》 マゼール指揮BBCso



12.19(月)





チマローザ:歌劇《秘密の結婚》より、パオリーノのアリア

ヨーン・ファン・ケステレン(Br)
クルト・アイヒホルン指揮ミュンヘン放送o
ミュンヘン体育館、ミュンヘン
[GALA;GL100.572]

12.19(月)

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17、18、19番

ミエチスラフ・ホルショフスキ(p)
タウン・ホール、ニューヨーク
[ARBTER;104](1996)

  第18番は第2楽章のコーダと第3楽章のみが、1969年録音の前半部分と組み合わされている。



12.19(月)

シューマン:交響的練習曲、トッカータ

ジョルジィ・シフラ(p)
パリ(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;CDM5 65254-2](練習曲)
[EMI;CZS7 67366-2](トッカータ、1991)

  トッカータは8枚組『Les Introuvables De Cziffra』所収。日付不詳だが、前後する録音だろう。



12.20(火)

民謡(クライスラー編曲):ロンドンデリー・エア

ペーター・リバール(vn)マルセル・リバール(p)
アトリエ・ホール、ブリュッセル
[TELOS RECORDS;TEL002](1996)

  2枚組『IN MEMORIAM / DUO RYBAR』所収。スイスのヴァイオリニスト、リバール(1913生)と妻マルセルのデュオによる、1960年から80年までのライヴ録音を集めた2枚組である。



12.20(火)

ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》全曲

ビルギット・ニルソン、ヴィルマ・リップ(S)ジョン・ヴィッカーズ(T)ハンス・ホッター、ゴットロープ・フリック(Bs)ほか
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座o、同cho
ミラノ・スカラ座
[GOLDEN MELODRAM;GM5.0071](2007)

  17日初日。《ポリウト》《ドン・カルロ》に続くスカラ座の3演目め。この頃のカラヤンはスカラ座で毎シーズン1演目を指揮している。歌手はもちろんウィーンから連れてきた人物が多い。この演目の1月3日か5日の公演を外遊中の三島由紀夫が見て、レオノーレ序曲第3番の印象から「獣の戯れ」の構想を完成させたという。
「キザなやうだが本當の話、今年の一月、ミラノのスカラ座で『フィデリオ』を見たとき、カラヤン指揮の第二幕のあの長い間奏曲の、壯大と甘美に深く心を搏たれ、昂奮のさめやらぬまま明かしたその晩に、突然、この作品の構想が、隅々までくつきりと心に浮かび上がつた。あとはただ筆をこの一夜の感動に從わせればよかつたのである。」(新潮社『三島由紀夫評論全集』1-1067、作者の言葉より。初出は週刊新潮 昭和36年6月5日号)
  2007年にGOLDEN MELODRAMが初めてCD化したが、12月12日と日付を誤っている。



12.20(火)
 -29(木)





バッハ:無伴奏チェロ組曲集(6曲)

ピエール・フルニエ(vc)
ベートーヴェンザール、ハノーファー(セッション商業録音、ステレオ)
[ARCHIV;449711-2](1996)

  録音日は20,22,28,29の4日間。

12.下旬

スタンダップ・コメディ『WILL FAILURE SPOIL JEAN SHEPHERD?』(6話)

ジーン・シェファード(漫談)
ワン・シェリダン・スクエア、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[COLLECTORS’CHOICE MUSIC;CCM-266-2](ELECTRA原盤、2002)

  「失敗はジーン・シェファードをダメにするか?」。60年前後のアメリカのLPで、売上の上位にあるのはミュージカルとともにスタンダップ・コメディ(漫談)の録音である(ロックが独占するのは60年代半ばから)。
  英語でまくしたてるものなので日本には当然まったく紹介されないが、1960年のグラミー賞のアルバム・オブ・ジ・イヤーは、シナトラでもベラフォンテでもプレスリーでもなく、音楽抜きでしゃべるだけのボブ・ニューハートの《ボタン・ダウン・マインド》だった。
  ニューハートのほかシェリー・バーマン、カール・ライナー&メル・ブルックスなどが当時活躍しており、このシェファードもそのひとり。漫談には録音日の表記がないものが多いが、これはクリスマス週間のグリニッチ・ヴィレッジでのライヴ録音とある。



12.20(火)

ジャズ『ジャズ・アブストラクションズ』

ジョン・ルイス(p)ほか15人(オーケストラUSA)
A&Rスタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[COLLECTABLES;COL-CD-6252](ATLANTIC原盤、1999)

  モダン・ジャズ・クァルテットのピアニスト、ジョン・ルイスによるアルバム。油井正一はこの団体を「オーケストラUSA」と呼んでいるが、ジャケット等にそうした記載はない。
  当時ニューヨークの先進的ジャズの潮流は、大きくいえば二つに別れていた。土俗的で大衆性の強いファンキー・ジャズ(ブレイキーなど)と、理論的かつ抽象的でクラシックとの融合をはかるサード・ストリーム(第三潮流)系の一団である。後者はガンサー・シュラーやMJQのジョン・ルイスが主柱となっていた。この作品もその一つで、弦楽四重奏団が参加したりシュラー作曲の《セロニアス・モンクの主題による変奏曲》などがあったりと、クラシックへの接近が図られている。
  当時の前衛芸術の象徴である抽象絵画の精神を音楽に適用しようというわけで、この抽象性は「クラシックへの接近」(組織化)と「即興演奏」(無組織化)の二方向の非歌謡性につながるが、前者を象徴するのがこのレコード、そして後者が翌日同じ場所で録音される『フリー・ジャズ』にあたる。



12.21(水)

ジャズ『フリー・ジャズ』

オーネット・コールマン・ダブル・カルテット
A&Rスタジオ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[イーストウエスト・ジャパン;AMCY-1199](ATLANTIC原盤、1998)

  前日の『ジャズ・アブストラクション』にも参加したコールマン(as)とエリック・ドルフィー(b-cl)がそれぞれに四重奏団を組み、左右から36分間にわたって即興演奏するという盤で、アルバム・タイトルそのまま「フリー・ジャズ」というジャンルを確立した問題作。なおドルフィーは同日に次項の《ファー・クライ》というアルバムも別に録音する。



12.21(水)





ジャズ『エリック・ドルフィー/ファー・クライ』(7+1曲)

エリック・ドルフィー(as)ブッカー・リトル(tp)他全5名
VGS、イングルウッド・クリフ、ニュージャージー(セッション商業録音、ステレオ)
[ビクターエンタテインメント;VICJ-2231](PRESTIGE原盤)

12.21(水)

ラジオDJ番組『JOE O’BRIEN RADIO SHOW』

ジョー・オブライエン(DJ)
WMCA AMラジオ、ニューヨーク
CD-R〈ROCK IT RADIO;RIR#240〉(2006)

  ラジオ放送のエアチェック。朝のラジオ番組で、ニュースや天気予報などが話されている。ニューヨークで午前6時から7時まで放送されたもの。



12.21(水)





R・シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》

ピエール・モントゥー指揮BBCノーザンso
ミルトン・ホール、マンチェスター
[BBC;BBCL4112-2]

12.21(水)





落語『二番煎じ』

八代目 三笑亭可樂
ヤマハホール、東京(第18回東京落語会)
[ユニバーサル;POCN-1017](1991)

12.21(水)
 -22(木)

ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ集(6曲)

ルドルフ・ケンペ指揮ウィーンpo
楽友協会大ホール、ウィーン(セッション商業録音、ステレオ)
[新星堂;SGR-8235](1998)

  [TESTAMENT;SBT・1275]でも出ているが、ポルカ《浮気心》1曲がカットされ、曲順も変更されている。



12.22(木)

ブラームス:交響曲第4番
チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》組曲
ベルリオーズ:オラトリオ《キリストの幼時》よりトリオ
リムスキー=コルサコフ:スペイン綺想曲

ポール・パレー指揮デトロイトso
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉



12.22(木)

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番《トルコ行進曲付》

田中希代子(p)
キングレコード・スタジオ、東京音羽(セッション商業録音、ステレオ)
[キング;KICC576/7](2006)

  7月のドビュッシー作品集に続く、キングでの田中のステレオ商業録音。学校の鑑賞教材用の録音だった。翌年1月15日にドビュッシーの前奏曲集第1巻を録音したあと再び渡欧、パリからウィーンに拠点を移して活動を続けることになる。



12.23(金)

バッハ:《クリスマス・オラトリオ》よりシンフォニア、ヴァイオリン協奏曲第1番
バーバー:クリスマスに(DIE NATALI、世界初演)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
レスピーギ:《ローマの松》

ハイメ・ラレード(vn)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
[WEST HILL RADIO ARCHIVES;WHRA 6039](2011)〈バーバーのみ、他は未レコード化〉


  世界初演のバーバー作品は、8枚組『SAMUEL BARBER / HISTRICAL RECORDINGS 1935-1960』所収。バッハの協奏曲は、翌24,25日に商業録音される。



12.23(金)







ラヴェル:高貴にして感傷的なワルツ
ミヨー:エクスの謝肉祭

マッシモ・ボジャンキーノ(p)
ブルーノ・マデルナ指揮ローマRAIso
ローマ(ステレオ)
[ARKADIA;CDMAD023.1、CDMAD024.1](1992)

12.23(金)

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3、9、12、23番《熱情》

スビャトスラフ・リヒテル(p)
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
〈RCA、未発売〉

  10月半ば以来、10週間にわたり全米を演奏旅行してきたリヒテル(45歳)は、帰国前にニューヨークとニューアーク(ニューヨーク近郊の町)で3回の追加リサイタルを行なった。10月とあわせて計8回のリサイタル(と協奏曲が1晩)をニューヨーク周辺で開いたのだから、その人気の過熱は異常なほど。10月のリサイタルをライバルのCBSが録音したことを知ったRCAは、12月の3回の追加リサイタルをすべてライヴ録音した。その中で唯一未発売になっているのがこの晩のベートーヴェン・リサイタル。



12.24(土)

歌曲リサイタル(8曲)

ジョーン・サザランド(s)リチャード・ボニング(p)
BBCスタジオ、ロンドン
[BELLA VOCE;BLV107.005](1998)

  サザランド(1926生)の放送用リサイタル。リスト、ロッシーニ、ドリーブとアルディティの作品。6日後の12月30日にはスペインのバルセロナに《清教徒》でデビューし、翌61年5月には《テンダのベアトリーチェ》でいよいよスカラ座へデビューすることになっている。



12.24(土)

ブルッフ:スコットランド幻想曲
ラヴェル:ツィガーヌ
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番

ダヴィート・オイストラフ(vn)
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立so
モスクワ
[BRILLIANT CLASSICS;92609](2005)

  10枚組『DAVID OISTRAKH VIOLIN CONCERTOS』所収。



12.24(土)

スクリャービン:ピアノ・ソナタ第8番

ウラジミール・ソフロニツキー(p)
国立スクリャービン博物館、モスクワ市アルバート街
[ARBITER;157](2008)

  ソフロニツキー(1901-61)がモスクワにある国立スクリャービン博物館で行なったリサイタルのライヴ録音。1月6日録音の小品32曲も同じCDに所収されている。



12.24(土)

サン=サーンス:歌劇《ヘンリー8世》よりアリア〈命じる者は〉

ベルナルド・クルイセン(Br)
アルベール・ヴォルフ指揮オランダ放送o
オランダ
[PHILIPS 464 385-2]

  10枚組『HET PUIK VAN ZOETE KELEN』(The Cream of glorious voices)所収。10枚組『オランダ歌唱芸術の100年』所収。



12.24(土)

ドニゼッティ:歌劇《愛の妙薬》全曲

エリザベート・ゼーダーシュトレーム(s)ディノ・フォルミキーニ(T)フランコ・グァレッラ、フェルナンド・コレナ(Br)ほか
ファウスト・クレーヴァ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
CD-R〈IMMORTAL PERFORMANCES:IP-281〉(2011)

  新制作初演。ヴァレッティ(1921生)降板でフォルミキーニ(1929生)が代役。



12.24(土)

落語『掛取万歳』

六代目 三遊亭圓生
上野鈴本演芸場(NHK中継音源)
[日本コロムビア;COCJ-35042]

  「六代目三遊亭圓生落語名演集」第2巻所収。2日後の東横劇場での同じ噺もソニーが発売している。



12.24(土)
 &25(日)

バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲

ハイメ・ラレード(vn)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC-7901/02](バッハ)
LP〈VICTOR;VICS1033〉

  2曲とも直前の定期演奏会で演奏された。



12.26(月)



スカルラッティ:ソナタ7曲
C・P・E・バッハ:ソナタ
ハイドン:ピアノ・ソナタ第20番
クレメンティ:ピアノ・ソナタ第20番
ラモー:小品2曲
モーツァルト:幻想曲K397


エミール・ギレリス(p)
モスクワ音楽院大ホール、モスクワ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[LE CHANT DU MONDE;LDC278981.82](モーツァルト以外、1990)
[MEMORIES;HR4603](モーツァルトのみ、1995)

  ギレリスの録音中、最高傑作の一つ。



12.26(月)

ハイドン:ピアノ・ソナタ第60番
ショパン:スケルツォ第4番、バラード第3番
ラフマニノフ:4つの前奏曲
ラヴェル:水の戯れ、鐘の谷
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番、束の間の幻影10曲、ガヴォット

スビャトスラフ・リヒテル(p)
カーネギー・ホール、ニューヨーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[RCA;09026-63844-2](2001)
[新星堂;SCR-14] LP〈RCA;LSC-2611〉(1965)(プロコフィエフの一部のみ)

  RCAは5年後の1965年にリヒテルがアメリカに再登場したさい、同一の曲目を弾いた26日と28日のリサイタルから、26日後半のプロコフィエフと28日の前半を抜粋してLP1枚に構成〈LSC-2611〉、発売した(新星堂盤はそのCD化)。
  裏面に「リヒテル自らがRCAにライヴ録音を依頼し、発売曲を選択した」と書いているのは、リヒテルに無断で録音したCBSへのあてつけだろう。そこまでせずとも音質だけで品質の差は明白なのだが、しかし、曲目にまとまりがないのが致命的で、結局は同時期のRCAのセッション録音の名声だけが残り、忘れられた1枚となった。
  RCAの現行盤は、LPで未使用となった部分を集めて2001年に初発売したもの。



12.26(月)

ヴェルディ:歌劇《オテロ》全曲

フロリアーナ・カヴァッリ(S)マリオ・デル・モナコ、アゴスティーノ・ラッザリ(T)ティト・ゴッビ(Br)ほか
フランコ・カプアーナ指揮ローマ歌劇場、同cho
ローマ歌劇場、ローマ
[MYTO;2CD 00267](2011)

  カヴァッリ(1930生)は1959年からローマ歌劇場で非常な人気を博していた美貌のソプラノ。14日後の1961年1月9日にはステッラの代役としてスカラ座で《運命の力》のレオノーラ役を歌い成功した。しかし商業録音にはほとんど縁のないまま芸歴を終えている。カッシオ役のラッツァーリは、6月19日のロッシーニの《オテロ》の主役オテロを歌っていた。



12.26(月)





落語『掛取万歳』

六代目 三遊亭圓生
東横ホール、東京渋谷(年忘れ東横落語会)
[ソニー;FCCG4303]

  15枚組『圓生ライブ名演集』所収。

12.26(月)

落語『姫かたり』

五代目 古今亭志ん生
東横ホール、東京渋谷(年忘れ東横落語会)
DVD〈講談社;ISBN4-06-278008-9〉 [日本クラウン;]

  DVDブック『志ん生復活! 落語大全集第8巻』所収。DVDだが音声のみの収録。同書には1か月後の1961年1月31日のヤマハホールでの『おかめ団子』のテレビ映像も収録されており、大病前の志ん生の貴重な舞台姿を見られる。



12.28(水)

ショパン:スケルツォ第4番、小品3曲
ラフマニノフ:3つの前奏曲
ラヴェル:水の戯れ、鐘の谷
プロコフィエフ:ガヴォット、束の間の幻影4番
ドビュッシー:アナカプリの丘

スビャトスラフ・リヒテル(p)
モスク劇場、ニューアーク(ライヴ商業録音、ステレオ)
[新星堂;SCR-14] LP〈RCA;LSC-2611〉(1965)(ショパンのスケルツォ、ラフマニノフ、ラヴェル)
[RCA 09026-63844-2](2001)(プロコフィエフ、ドビュッシー、ショパンの小品3曲)

  リヒテルのアメリカ楽旅の楽日。10週間で15都市を回り、30公演を行なったことになる。翌年3月にはロンドン・デビューが予定されたが、アメリカ楽旅の疲労のために7月に延期された。
  CDには、LP未使用のアンコール6曲のみが収録されている。



12.28(水)





落語『富久』

八代目 桂文楽
東京放送
[日本コロンビア;COCF-10950](1993)
12.28(水)





落語『文七元結』

五代目 古今亭志ん生
ニッポン放送
[ポニーキャニオン;FGS-041](1998)

12.28(水)

ワーグナー:管弦楽曲集(3曲)

マーティナ・アーロヨ、カルロッタ・オーダッシー(S)、シャーリー・ヴァーレット(Ms)ほか
レオポルト・ストコフスキー指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア、マーガレット・ヒリス指揮の合唱団
マンハッタン・センター、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;BVCC38004](1998)

  声楽つきの〈ヴェーヌスベルクの音楽〉〈ワルハラへの神々の入場〉〈ワルキューレの騎行〉を録音。アルバム・タイトルは『ザ・サウンド・オブ・ストコフスキー&ワーグナー』。この録音の翌日、78歳のストコフスキー(1882生)は10歳と8歳の自分の息子(1959年に離婚したグロリア・ヴァンダービルトとの子供)とフットボールごっこをしていて転倒、臀部を負傷した。残りの録音は延期され、翌1961年4月20、21日に追加のセッションを行い、《トリスタン》の前奏曲と《タンホイザー》の序曲を録音した。
  これはストコフスキーがシンフォニー・オブ・ジ・エアと録音した最後の1枚となった。



12.28(水)

ジャズ『ファンキーの饗宴』(7曲)

日本モダン・ジャズ・オールスターズ
東京(セッション商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCT-9213](1995)

  LPは1961年3月初出。ファンキー・ジャズの隆盛を受けて、ジャズ評論家の大橋巨泉の監修、三保敬太郎の編曲により制作されたもの。アルトサックスの渡辺貞雄、テナーの宮沢明と松本英彦、ピアノの三保敬太郎、ドラムスの白木秀雄と富樫雅彦など、日本を代表するジャズ・プレイヤー12人がさまざまな編成で演奏している。
  録音会場は不明だが、時間は夜中であったという。



12.28(水)
 -30(金)

サリヴァン:喜歌劇《陪審裁判》全曲

エルジー・モリスン(S)ジョージ・ルイス(T)リチャード・ベーカー(Br)、ほか
マルコム・サージェント指揮プロ・アルテo、グラインドボーン祝祭cho
EMIアビー・ロード・スタジオNo.1、ロンドン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;2134332](2008)

  サージェントによるギルヴァート&サリヴァンのオペレッタ・シリーズの一つ。プロデューサーはロナルド・キンロック・アンダーソンだが、歌手の左右の移動を担当するステレオ・ムーヴメント・プロデューサーを、別にコリン・グレアムが担当している。



12.28(水)
 -30(金)

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集(3曲)

ヘンリク・シェリング(vn)
アルトゥール・ルービンシュタイン(p)
アメリカ芸術文化アカデミー、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[RCA;0902663041-2](1999)

  第1番が28と29日、第2番が30日、第3番は30日と1961年1月3日に録音。ルービンシュタインとシェリング(1918生)のデュオの初録音は、1959年のベートーヴェンのソナタだった。


12.28(水)
 -30(金)





ストラヴィンスキー:ピアノ・ソナタ

チャールズ・ローゼン(p)
ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[SONY BMG;88697103112]

  22枚組『WORKS OF IGOR STRAVINSKY』所収。

12.末
(28~29?)

ベートーヴェン:祝祭劇「アテネの廃墟 」より 「トルコ行進曲」
シューベルト:軍隊行進曲第1番
J.シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲
スーザ:星条旗よ永遠なれ
ワルトトイフェル:円舞曲「スケートをする人々」
レハール:円舞曲「金と銀」

山田夏精指揮フィルハーモニア管弦楽団
産経国際ホール、東京大手町(セッション商業録音)
フォノシート〈筑摩書房;世界音楽全集第4巻 CMW 041~44〉

  筑摩書房の『世界音楽全集』は1巻が17センチ33回転のフォノシート4枚からなるクラシックの名曲集で、詳細については、10.13掲載の第1巻記事を参照のこと。
  「管弦楽1」となる第4巻の発行日は1961年2月19日。月報に「年末も押しせまった去年の暮、海外演奏旅行で大好評を博してきたN響選抜メンバーの方々に、山田夏精(旧名和男)氏の指揮により、産経国際ホールで吹込んでもらいました」とある。
  N響は25日から27日までシュヒター指揮で《第9》を演奏しているので、おそらくその直後のあたりだろう。N響選抜メンバーが「フィルハーモニア」などの仮名を名乗るのは、4.3のキングレコードの《第9》終楽章録音に前例がある。

  産経国際ホールとは、大手町の東京産経会館(産経新聞東京本社)に存在した産経会館国際ホールのことで、併設の東京産経ホール(定員1800)とは別の小型ホール(定員600)。



12.29(木)

シューマン:劇音楽《マンフレッド》序曲
リムスキー=コルサコフ:歌劇《金鶏》組曲
オルフ:カルミナ・ブラーナ

独唱者不詳
ポール・パレー指揮デトロイトso、合唱団不詳
フォード公会堂、デトロイト
〈未レコード化〉



12.29(木)

シャンソン『エディット・ピアフ/オランピア1961』(9曲)

エディット・ピアフ(Vo)
ジャック・ラサージュ指揮o&cho
オランピア劇場、パリ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[EMI;0724 3 584986 2 2](2003)

  フランス・シャンソンの女王、ピアフ(1915生)は麻薬中毒などで著しく健康を害し、長期の療養をくり返していた。しかし12月29日から翌1961年4月8日までオランピア劇場で97日間の長期公演を行ない、奇跡的な復活を遂げた。不入続きで閉鎖が決定的だったオランピアも、この成功で息を吹き返した。この舞台で初演された《水に流して》は、ピアフの生涯最後のヒット曲となった。17曲のうち9曲がレコード化されている。



12.29(木)
 -31(土)

ストラヴィンスキー:歌劇《ナイチンゲール》全曲

レリ・グリスト(S)ローレン・ドリスコル(T)ドナルド・グラム(Br)、ほか
マルコム・サージェント指揮ワシントン歌劇協会o&cho
ワシントンDC(セッション商業録音、ステレオ)
    [SONY;SM2K 46298](1991)

  ストラヴィンスキー(1882生)による自作自演。



12.30(金)

バッハ(ミュンシュ編):コラール前奏曲《古き年は過ぎ去り》BWV1091
ヴィヴァルディ:合奏協奏曲ニ短調op.3-11
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
ブラームス:交響曲第1番

ジョゼフ・ド・パスクァーレ(va)
シャルル・ミュンシュ指揮ボストンso
シンフォニー・ホール、ボストン
〈未レコード化〉



12.31(土)

ヴェルディ:歌劇《リゴレット》全曲

ロバータ・ピータース(S)バリー・モレル(T)コーネル・マックニール(Br)ジョルジョ・トッツィ(Bs)ほか
ニノ・ヴェルキ指揮メトロポリタン歌劇場o、同cho
メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク
CD-R〈IMMORTAL PERFORMANCES:IP-355〉(2011)



12.31(土)

J・シュトラウス:喜歌劇《こうもり》全曲

ヒルデ・ギューデン、リタ・シュトライヒ(S)ゲルハルト・シュトルツェ、ジュゼッペ・ザンピエリ(T)エバーハルト・ヴェヒター、ワルター・ベリー、エーリヒ・クンツ(Br)ほか
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン国立歌劇場o、同cho
ウィーン国立歌劇場
[RCA;74321 61949 2](1999)

  再建後の国立歌劇場では最初の上演となる、新演出上演の初日。半年前に録音したデッカ盤と呼応する形だが、当時の常識として録音と実演はまったく無関係。
  第2幕のガラではディ・ステーファノがゲストに登場、〈オー・ソレ・ミオ〉と《微笑みの国》を歌っている。



12.

ファル;喜歌劇《マダム・ポンパドゥール》抜粋

メリッタ・ムセリー(S)ルドルフ・ショック、カール・エルンスト・マーカー(T)、ほか
ヴェルナー・シュミット=ベルケ指揮FFBo、ギュンター・アルントcho
ゲマインデハウス、西ベルリン(セッション商業録音、ステレオ)
[EMI;8 26393 2]



12.

『MUSIC OF SAMUEL BARBER』(5曲)

パトリシア・ニューウェー(S)ユニス・アルバーツ(A)ウィリアム・ルイス(T)フィリップ・メロ(Br)、ほか
ウラディミール・ゴルシュマン指揮シンフォニー・オブ・ジ・エア、ロバート・デ・コーミアcho
マンハッタン・タワーズ、ニューヨーク(セッション商業録音、ステレオ)
[VANGUARD;OVC 4016](1991)

  バーバーの作品集。曲目はエッセイ第2番、シェリーの情景による音楽、合唱曲《ストップウォッチと軍用地図》、室内歌劇《ブリッジ遊び》、セレナード。



12

モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番《戴冠式》

リリー・クラウス(p)
ジャンフランコ・リヴォリ指揮アムステルダム・フィルハーモニー協会o
不明(セッション商業録音、ステレオ)
[ITM CLASSICS;950022](1993、CONCERT HALL原盤)

  通信販売レーベルのコンサートホールによる録音。60年代のソニーの全集に先立つもの。なお当盤ではオーケストラがウィーン国立歌劇場管弦楽団と表記されているが、他の国内盤などにしたがってアムステルダム・フィルハーモニー協会としておく。



12





モーツァルト:歌劇序曲集(9曲)

ヨーゼフ・クリップス指揮チューリヒ・トーンハレo
トーンハレ、チューリヒ(セッション商業録音、ステレオ)
[ADES;203082](CONCERT HALL原盤)

12.

ジャズ『レス・マッキャン・イン・サンフランシスコ』(5曲)

レス・マッキャン(p)ハービー・ルイス(b)ロン・ジェファーソン(ds)
ザ・ジャズ・ワークショップ、サンフランシスコ(ライヴ商業録音、ステレオ)
[東芝EMI;TOCJ-6175](1997、PACIFIC JAZZ原盤)

  「寺島靖国選=ザ・ピアノ・トリオ・コレクション」第5巻。



12.(?)

落語『妾馬』

五代目 古今亭志ん生
東宝演芸場、東京有楽町(東宝名人会)
[アポロン;BY25-2020](1988)

  疑問盤。12月収録とあるが、志ん生が「春でございますからおめでたいものを」と言っているので怪しい。東京宝塚劇場の5階にあった東宝演芸場の東宝名人会には翌1961年1月1日から10日にかけて出ているから、そのときの録音という可能性もないではないが、あるいは1958年4月の放送か。
  「落語名人撰」第20巻。