【あわけねえ】

5月15日、午後6時。由利本荘市鳥海、笹子にいる。笹子と書いて「じねご」と読む。普通だったらそうは読まないらしい。なのになぜここだけが「じねご」なのか。この地域の小さな集まりで飲んで、鄙びた旅館に送り届けられてビール2本目。鄙びているけどいい旅館だ。
「丁荘」という。「ひのとそう」と読むそうだ。僻地の鄙びた旅館なのに周りはほとんど農家だ。主人に訊いたら、もともとは酒屋だったという。酒屋には客が来る。店先で立ち飲みしているうちに酔いつぶれた客を介抱しているうちに旅館になってしまったのか。
 犬がけたたましく吠える。それにあわせてアヒルのような声が応える。障子を開けて「うるさいッ」と叫びたいが、そんなものは、十数時間前までいた一応、都会の喧騒、騒音に比べたら、単なる賑わいでしかない。
 普段はほとんど飲まないアサヒスーパードライを啜っている。
 でも、プレ・モルが飲みたい。好物のプレモルはここまで来ていないという。わが願いは叶わず、あわけね夢だ。「あわけね」は[儚い]。

【あぐで】

ドナルド・キーンの「石川啄木」を読んでいる。まだ半分しか読んでいないが、ドナルド・キーンをまったく知らないで言うが、彼はなぜこの本を書いたのだろう。たぶん、"真実の啄木像"を書こうと思ったのだろう。そして、この本によって、日本文学と啄木像が見事に浮き彫りに去れたのだろうか。だからどうした、啄木像が浮き彫りに去れて、啄木ファンの多くが消えて、それでどうした、外国人!
 「あぐで」は[悪口]。語源は「悪態」か。

【あぐでつぐ】

前項でのわたしの呟き。

【あえしか】

 「あら 仕方が無い」といえば直訳。で、それらしいわけを言われて、「あら まあ」と応えれば、それでいい?!  

【あさてかり】

この後にたいてい、「モゴ泣がせ」と続く。日中雨が降ろうが大風が吹こうが、朝起きて、天気がよければ、婿ははがおれ(仕事に出る)しなければいけない。働き手として白羽の矢が当てられた男の宿命だ。と、昔は定められていたのだろう。従い、「米糠三升あったら婿に行くな」いう言葉もある。
最近は、婿は撰ばれし者。「来ぬか」「参上」と表現され、床の間に飾られるという。羨ましい話だ。
 「朝焼け」。

【あだこ】

 下女。子守。もう死語だなあ。

【あちゃぺね】

 下品だ。「あちゃぺ」は「軽薄」「ねえ」はその言葉を強める。「やがましねえ」の場合と同じ。

2017/03/04

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あゆかわのぼる の 秋田弁豊穣記