[小児癌]

[骨肉腫で右上腕離断手術と化学療法を受けたが白髪が生えてきた]
[レックリングハウゼン病で腫瘍(神経線維腫)が悪性化した]

[胸部のレントゲン撮影と血液検査で異常があり神経芽細胞腫が心配]

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[骨肉腫で右上腕離断手術と化学療法を受けたが白髪が生えてきた]

(相談)1999.5.24
はじめまして。お忙しい所、お手数をおかけしますが、6才5ヶ月の子供(男児)の事について相談させていただきます。生後1ヶ月時(H.4年12月)に、先天性心疾患である心室中隔欠損症が発覚し、1才の時に手術を受け、順調に経過していましたが、H.9年8月に右腕の異常が気になり、大学病院の(心臓手術を受け定期的に通院していた)整形外科を受診した所、腫瘍の疑い有りとの事で、即入院、生検等を行ない、10月に骨肉腫と診断されました。その後、抗癌剤の使用を開始し、H9年11月末に右上腕離断手術を受け、手術後より本格的に抗癌剤による治療を開始、H.10年7月に抗癌剤による治療が終了、8月に退院し、今日に至っています。すでに頭髪は伸びていますが、ここ2ヶ月程前から白髪が生えてきており、1ヶ月の間に10本程見つかりました。現在も気がついているだけで5本程あります。この前の定期検診の時に整形外科の先生に話してみたのですが、先生からは、「抗癌剤による治療で体内の正常細胞が痛めつけられた状態になったので、白髪が出てきているのではないかと思われ、これから良い細胞が増えて行く過程なので、心配はないのではないか」 という旨の説明を受けました。大変難しい病気だけに、本当に一過性のものなのか、別の問題があるのか、とても不安です。現在の段階では、血液検査でも異常は無い様子で、ほぼ各項目とも正常値に近いとの事です。ALPの値は、年齢的に発育過程の段階でもあり470〜540位の値です。今年2月に一度570位まで上がり、3月に骨シンチの検査を受けましたが、異常は無しとの事で、年齢的にも発育段階のため、この値になったのではと言われました。入院中に使用した抗癌剤は、メソトレキセート12回、シスプラチン4回、アドリアマイシン6回です。手術前には、他の種類のものも使用しました。現在までの所、特に所見無しとの事で順調に経過していますが、手術後1年半が経過し、再発があるとすれば危険な時期であるとも思います。愚問とも思われる質問ですが、白髪の事が気になり、コメントを頂けると幸いです。以上 宜しくお願いします。

(答え)1999.5.25
お答えします。ご心配のことと思います。大変困難な治療を乗り越えておられることに敬服します。検査でも異常がないということですので、「抗癌剤による治療で体内の正常細胞が痛めつけられた状態になったので、白髪が出てきているのではないかと思われ、これから良い細胞が増えて行く過程なので、心配はないのではないか」ということになると思います。白髪の原因としては、ある種の貧血や身体の機能が低下する病気などがありますが、息子さんの場合は、やはり一過性のものだと思います。抗癌剤の副作用の場合には、逆に皮膚や爪などに色素が沈着する(色がつく)ことが多いようです。治ると信じて、一日一日を大切に、前向きに生きてもらってください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.5.25
お忙しい所、お答え下さいまして有難うございました。内容をお聞きして、ほっといたしました。まだ経過観察中のため、気を抜く事は出来ませんが、ひとつひとつの項目をあせらずにクリアして行きたいと思っております。この先、ご相談にのって頂く事もあると思いますが、その時には、宜しくお願いします。

(相談)1999.9.4
お忙しい所、お手数をおかけします。子供(男児)の骨肉腫の治療後の後遺症?(白髪の件)で、一度相談させていただいた者ですが、これまでの経過は、
H9年10月:骨肉腫の診断、抗癌剤の使用開始
H9年11月末:右上腕離断手術、術後抗癌剤による治療開始
H10年7月:抗癌剤による治療が終了
H10年8月:退院今日に至る。(現在小学1年生)(退院後は検査のみで薬の使用なし)
抗癌剤による治療後、1年が経過しこれまでの所、再発は見られていません。前回の質問同様、ささいな事かも知れませんが、これまでの間(抗癌剤による治療開始後、髪の毛が抜ける等の副作用が出始めてから)、手、足の爪が伸びず、一度も切っていません。抗癌剤により、身体の成長が抑制されるという事は、聞いた事がありますが、治療後1年でも副作用が働いているのでしょうか?あるいは、他の病気等が考えられるでしょうか?又、この様な事で診察を受けるとしたら、何科を受診すれば良いでしょうか?身長、体重は退院後、確実に増加しています。定期検診による血液検査では、カルシウム値は正常値との事です。尚、白髪の件は、現状でも数本見られますが、増えている様子は有りません。以上 宜しくお願いします。

(答え)1999.9.5
お答えします。良好な経過のようですので安心しました。手、足の爪が伸びず、一度も切っていないとのこと、やはり抗癌剤の影響だと思います。ご心配でしたら皮膚科を受診してみてください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.9.5
ありがとうございました。しばらく様子を見てみます。

(相談)2000.7.15
お忙しい所、お手数をおかけします。子供(男児)の骨肉腫の治療後の後遺症?(白髪の件)で、相談させていただいた者です。CT検査で、肺の影が見つかり胸部外科の先生の診察を受けた所、右肺の中央と下の境目に細長い影が見られ、(通常、腫瘍は丸く、肺の境界には、出来ないという事で、判断が難しいとの事)肺への転移、或いは肺に水がたまった可能性がある(1才で心室中隔欠損の手術を受けているため、心臓に負担がかかって水がたまった可能性)との事で、10日間ダーゼンとラシックスを服用し、水がたまったものであれば、小さくなるであろうとの事でしたが、本日(7/15)のレントゲンでは、少し大きくなっているとの事でした。7/27に手術を行う前提で、来週にもCTとMRIの検査を行う予定ですが、水がたまったものであれば、MRIで判断出来るであろうとの事です。手術前には、必ず生検を行うものと考えていましたが、子供のため、内視鏡、又は外から針のようなもので組織を取る事は難しいとの事でした。この場合、CT、MRIの検査だけで、開胸手術を行い、腫瘍であれば切除、そうでなければ、それで良しという様な感じの話でしたが、妥当なのでしょうか?どの様な手術方法になるのかは、分かりませんが、手術による身体への負担は大きいと思われ、悪性で無かった場合のデメリットとしては、どの様な事が考えられるでしょうか?以上 宜しくお願いします。

(答え)2000.7.17
お答えします。

>この場合、CT、MRIの検査だけで、開胸手術を行い、腫瘍であれば切除、そうで
>なければ、それで良しという様な感じの話でしたが、妥当なのでしょうか?

そのように思います。

>どの様な手術方法になるのかは、分かりませんが、手術による身体への負担は
>大きいと思われ、悪性で無かった場合のデメリットとしては、
>どの様な事が考えられるでしょうか?

悪性でなければ、何も切除しないと思いますので、傷が残るだけだと思います。もちろん一時的には、麻酔や手術の影響がありますが、それほど大きな負担ではないと思います。担当医によく聞いてみてください。ではまたいつでもメイルをください。

(経過)2000.8.12
アドバイスありがとうございました。結局、子供が慣れている病院で、という事で、以前からお世話になっている大学病院で、7/31に手術を行いました。術後の検査結果は、やはり転移との事でした。手術では、X線、CT等で確認されていた1個所のみが、目視で確認されたという事で、切除を行いました。腫瘍は、右肺の主に上葉にあり、中葉、下葉にも一部かかっていたとの事でしたが、切除範囲は比較的小さく済みました。術後の経過は良好で、7/14〜イホマイドによる化学療法を4回行うとの事です。以上 ご報告まで。また何かの時は、ご相談お願いいたします。

(返信)2000.8.12
メイルを頂きありがとうございました。また新たなスタートを切ったわけですから、ゴールを目指してがんばりましょう。自然治癒力が発揮されることを祈っています。ではお元気で。

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[レックリングハウゼン病で腫瘍(神経線維腫)が悪性化した]

(相談)1999.1.29
初めまして、私は31歳の主婦で○林○美と申します。12歳になります私のいとこが、レックリングハウゼン病と診断されて、神戸大学付属病院に入院、治療を受けています。現在の症状は骨盤から腸にかけての腫瘍が悪性化し、手術も困難との指摘を受けています。先週1週間、抗ガン剤の投与を受けましたが、結果はおもわしくないものでした。親ともども時間が経つにつれ、担当医に対して不信感を持つようになりました。医師からの事情説明も十分でなく、今後どのような治療を行ってゆくかの目処もないとのことです。私たち親族としましては、できるだけのことをしてあげたいと考えておりますので、医療機関・医師・治療法等の情報をお教えいただけますよう、お願い申しあげます。

(答え)1999.1.29
お答えします。レックリングハウゼン病の腫瘍が悪性化することは少ないものですので、どこの病院でも沢山の患者さんをあつかった経験はないと思います。メイルの内容からも、残念ながら治療は大変困難な状況だと思います。おそらくどこへ行かれても決め手となる治療法はないと思いますが、しいていえば大阪大学医学部附属病院小児外科、京都府立医科大学・京都府こども病院などでしょうか。「がんの子供を守る会」住所:〒162-0844新宿区市ケ谷八幡町13、 電話:03-5228-6105 FAX:03-5228-6107に問い合わせるのもよいかもしれません。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.1.31
神戸市在住の○林○美です。先日はためになりますアドバイスをいただきまして、誠に有り難うございました。早速いとこにも連絡いたしまして、活かしてゆきたいと話しております。レックリングハウゼン病により、骨盤から腸にかけての腫瘍が悪性化したものに対して、免疫療法は有効なのでしょうか?BRP療法やハスミワクチン療法を勧めてくれる方もいらっしゃいますが、先生のご助言を是非ともいただきたく、メールいたしました。お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願い申しあげます。

(答え)1999.2.2
お答えします。免疫療法は、癌を治す可能性のある治療方法と考えられていますが、いまのところまだ効果的な治療法は確立されていません。やってみなければ分からないという段階です。丸山ワクチン、BRP療法、ハスミワクチンなどがありますが、それぞれ一長一短です。医師がこれがよいですよとおすすめできるようなものはありません。納得して、信じて、それに賭ければ、どのような治療でもある程度の効果はありますが、進行癌や末期癌に対する決め手は世界中どこへいってもありません。担当医に良く相談して、治療方法や今後の見通し、命や生と死などについて考えてみてください。マニュアルや正解はありません。その人らしい生き方ができるように支えてあげてください。ではまたいつでもメイルをください。

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[胸部のレントゲン撮影と血液検査で異常があり神経芽細胞腫が心配]

(相談)1999.1.26
はじめまして、はじめてご相談申し上げるものでございます。相談内容というのは私の2歳9ヶ月になる息子の件であります。年が明けて1月9日(土)早朝、突然の腹痛と嘔吐で近くの総合病院を受診しました。そこで腹部と胸部のレントゲン撮影をし、胸部(心臓付近)に異常な陰影がある旨の指摘を受けました。医師の話では心臓の奇形、或いはなにかができている可能性があるとのことで、とにかく胸部CT撮ってみましょうとのことでしたが幼児への被爆をできるだけ避けたいというこちらの意向をくんでいただき、先に血液と心電図及び心エコーの検査をしていただくことになりました。腹痛・嘔吐については今はやりの感冒からきたものであろうとのことでその日は薬をいただき帰宅いたしました。翌週月曜日検査のため受診すると、半年ほど前に撮った胸部写真があったとのことでそれと見比べるとどうも以前から同じようなものが写っているとのことでした。そしてそれが成長しているようにも見えないので心臓奇形の可能性のほうが大きいのではないかということで、当日客員できている心臓専門の小児科医に血液と心電図検査のあとで診ていただくことになりました。検査は心エコーのみでしたが心電図の結果と併せて特段問題はないとのことでした。また胸部の陰影については心影であろうと、その専門医はおっしゃてくださいました。主治医からもこれで血液も問題なければ大丈夫、CTの必要はないでしょうとのことで一安心しました。1週間後血液検査の結果は妻が一人で伺いにいきました。検査結果をみて主治医からは悪性の疾患の心配はまずないでしょうとのことで、検査結果のコピーをいただき帰宅しました。しかし検査結果をみるとこれでなぜ心配がないといえるのか大きな疑問をかんじました。まず結果は以下のとおりです。
GOT44H(基準値8〜32)、 GTP17(基準値5〜37)、 LDH299H(基準値120〜230)、CRP1.5H(基準値0.4以下)、フェリチン40(基準値10〜250)、NSE15.6H(基準値10以下)、 VAN(血中)9.0(基準値3〜9)、HVA(血中)14.1(基準値4〜15)
まずどうしても気になってしかたないのが腫瘍マーカーであるNSEの値です。医師は小児の場合は上限を15ぐらいまでみてもよいので問題にはならないとおっしゃたそうですが、腫瘍マーカー、特にNSEなど臓器が特定されるようなものはわずかでも陽性を示せばそれは腫瘍の存在をあらわすものであると聞いたことがあります。またLDHについては299と少し高めであることを指摘されました。この病院の基準値の最高が230になっているのがちょっとひっかかりますが(よそで検査したときはいつも400ぐらいが最高値になっていた)それでも高いというからにはアイソザイムを調べNSE陽性との関連を調べるべきではないかと思うのですがいかがでしょうか。ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫や一部の神経芽細胞腫でNSEはわずかに陽性でLDHが高値を示す例が多々あると専門書にも書いてありました。またVAN・HVAなども基準値内ではありますが、上限いっぱいであることが少し不安になります。本当は尿中も調べたほうがようのではないでしょうか。とにかくこのような検査結果をみて先生ならどのようにお考えになるかお伺いいたしたくメール致しました。どうかよろしくご指導下さいますようお願いいたします。

追伸:腹痛は2、3日続き、医者へいった当日39度以上の高熱にみまわれましたが明くる日には下がっておりました。LDHは昨年11月末同病院に感冒で受診した際の血液検査で229を示しておりました。それから1ヶ月ちょっとで70も上がるのが気になります。GOTとCRPが高くGPTが低いという点から肝機能の障害ではないと思うのですが、そしてLDHが高いとなるといよいよ悪性腫瘍の疑いが強くなるのではないでしょうか。胃腸風邪が収まってからは割と元気に遊び、食欲もあります。しかし初期にはなんら症状はあらわれないと思いますのでやはり不安は募ります。下瞼が以前よりやや腫れております、最近ではやや紫がかってきたようにもみえるのですが、神経芽細胞腫の典型的な例として同じような症例が本に載っておりました、これもかなり心配です。

(答え)1999.1.26
お答えします。おそらく必要はないと思いますが、どうしてもはっきりさせたい場合には、やはりCT検査ということになると思います。腫瘍性の病変の診断には、画像診断が不可欠です。縱隔腫瘍の場合は特に、腫瘍の存在場所によってできるものが決まっています。神経芽細胞腫は後縱隔にできます。まず、胸部レントゲン写真に写った異常陰影が、どこにできた腫瘍か、腫瘍ではないのかということで、ほとんど診断がつきます。血液検査の結果は、採血の仕方によって、異常値を示すことがあります。特に小児の場合は、採血による誤差が考えられます。NSE、LDHが高値を示すことからは、溶血も考えられます。小児外科や小児科の専門医であれば、診断を間違うことはないと思います。もしどうしても心配であれば、小児の専門病院で診てもらってください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.1.29
返信まことにありがとうございました。先生のおそらく必要ないという言葉に多少安堵いたしました。素人が先走って子供に負担になるような検査を強行してもいけませんので暫く様子を見ることにしたいと思います。様子が変わってきたり風邪などでまた同病院をお邪魔した際に主治医の先生に私から一度話しをしてみようと思っております。お忙しいなかありがとうございました。

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