[頭頚部ガン]

[髄膜腫で開頭手術を受けたが病理検査で一部が悪性で再発した、治療法や病院は?]
[以前からあったしこりが痛くなったので取ったところ耳下腺ガンと言われ再手術をすすめられた]

[良性の脳腫瘍(髄膜腫)と言われて手術をすすめられたが本人が手術を拒否している]
[耳下腺ガンで手術と放射線療法を受けたが転移し頚部リンパ節郭清をすることになった]
[リンパ節の腫れで発症した4期の舌ガンに手術が必要と言われたが?]
[2年前に下咽頭ガンで手術をしたが最近全く食べられなり胃瘻から栄養を取っている]
[鼻の奥の悪性のポリープと言われて手術を受けたが早期の上顎ガンだった]
[良性の脳腫瘍といわれて抗痙攣剤を飲んでいたが他の病院で手術をしたら悪性だった]

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[髄膜腫で開頭手術を受けたが病理検査で一部が悪性で再発した、治療法や病院は?]

(相談)2000.2.17
前略 初めてメールさせて頂きます。長年の親友(40歳、女性)が昨年10月、突然のひどい頭痛を訴えて脳外科病院に行き、髄膜腫と診断され、11月末に開頭手術を受けました。手術は大成功、3cmほどあった腫瘍はきれいに摘出できた、という医師のお話で、1週間はICUに居るということでしたが、意識の回復が早く、1日半で一般病棟に移され、予告されていた麻痺もほとんど無く、その翌日には付き添いが同行してトイレも歩いて行かされ、経過は至極良好だと云われていました。手術後の病理検査で腫瘍のほとんどは良性であったが、一部細胞レベルで残っている部分(しゅんじゅん)が悪性なので、念のため放射線治療をしましょう、ということでしたが、その治療が終わる頃、医師から腫瘍の再発と腫瘍があった箇所にゼリー状の分泌物がたまりだし、もう一度開頭手術するか、このまま放置すると余命3ヶ月との宣告を突然受けました。開頭手術も後1回が限度で、したところで遅かれ早かれ再発するし、水もたまる、今度は間違い無く麻痺も出るだろうから、受けるかどうかは本人の意志に任せる、と半ばさじを投げられたような対応をされました。最近激しい頭痛を訴えだし、まためまいも出だして歩けないこともあります。麻痺が出だすと緊急手術も有り得る、とも云われています。本人は再手術の件は知っていますが、余命云々の件は知りません。御両親としてはまだ、術後2ヶ月しか経っていず、助からないと云ってる医師にこのまま任せるのも不安で、転院も考えているようです。また、最近開頭せずに内視鏡を使った手術もある、という話しも聞き、どうせならダメージの少ない手術を本人も希望しています。この病状では内視鏡を使った手術は無理でしょうか? 近畿内でその手術をされている病院はどこでしょうか? また、開頭手術を受けて回復する可能性はあるのでしょうか? その場合、やはり同じ医師に執刀してもらう方が良いのでしょうか?状態が落ち着けば来週には仮退院をする予定です。その際、出来れば他の病院をあたってみたい、とも考えているようですが、それでどこにも引き受けてもらえなければ、元の病院に戻るしかないが、他の病院に行くためにカルテや紹介状を請求して心証を悪くして快く受け入れてもらえないのも恐いし、と逡巡しています。彼女は独身で御両親もご高齢の為、頼る人も居ず、私達友人が色々情報集めに奔走しています。お忙しいところ恐縮ですが、私達も居ても立ってもいられない気持ちでいます。お返事、お待ちしております。草々 ○○

(答え)2000.2.18
お答えします。大変ご心配のことと思います。髄膜腫はほとんどの場合、良性で完全に切除できれば問題がないのですが、一部残った場合や、悪性の場合には大変治りにくいものです。つまり治療方法はどこでもあまり差がなくて、腫瘍細胞の種類や性質によって、治るかどうかが決まるようです。脳外科の手術ができる位の病院であれば、どこでもあまり変わりは無いかも知れませんが、強いて言えば国立循環器病院が最も専門的な病院のようです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)2000.2.21
前略 早速のお返事有り難うございました。見ず知らずの先生に親身になってお答え頂けるなんて、本当に心強いです。私達友人も少しでも良い結果が得られるのであれば、と色々情報を集めていましたが、御両親の意向としては、担当医師は気に入らないが、やはり、他の病院にあたる為に病状報告書を請求して心証を悪くして、もしもの場合、受け入れられない、もしくは手を抜いた手術をされるのも恐い、等と考えて転院をあきらめられた様です。私達も家族の意向を無視出来ず、しかし、何も出来ずにこのまま死ぬのを黙って見ているのも何ともやりきれません。今の病院でだめだと云われているものが他の病院で可能性が有る、なんて云われることはあるんでしょうか?本人が一番恐れているのは麻痺が出ることです。手術してもしなくてもいずれ麻痺が出て、廃人のようになり、最終的には死んでしまうのであれば、無理に手術を受けさせる必要はあるんでしょうか?手術による延命の可能性は放置しておくのと格段の差はあるんでしょうか? また、苦痛を柔らげる為にも手術しか方法は無いのでしょうか?本人は詳しい病状を知らない為に、手術を受ければ良くなると思っているようです。手術を受けない選択肢があるならば、彼女本人が選ぶべきだと思いますが、先生は告知についてどうお考えですか?ほとんど支離滅裂な愚痴を書いてしまいました。もし、お時間があればお返事下さい。草々 ○○

(答え)2000.2.22
お答えします。

>今の病院でだめだと云われているものが他の病院で可能性が有る、なんて云われることはあるんでしょうか?

あるとすれば国立循環器病院でしょうか。結果を予想することは困難です。

>本人は詳しい病状を知らない為に、手術を受ければ良くなると思っているようです。手術を受けない選択肢があるならば、彼女本人が選ぶべきだと思いますが、先生は告知についてどうお考えですか?

あなただったら、どうしてほしいですか。自分のことは自分で決めるのが一番良いと思います。本当のことを知らなければ、決めることはできません。本人の人格を尊重して、家族や周囲の人は、それを支えてあげてください。告知しないということは、勝手に一人で苦しみなさいということです。ではまたいつでもメイルをください。

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[以前からあったしこりが痛くなったので取ったところ耳下腺癌と言われ再手術をすすめられた]

(相談)2000.1.29
わたしの彼女が、耳下腺(腺房細胞)ガンであることが分かりました。本人は、少なくとも小学校低学年の頃からしこりのようなものがあったみたいです。そのまま特に検査などを受けたことは無く、一年ほど前に少し痛みがあるようだったので、総合病院で検査を受けました。その時、特に問題はなかったようで「切除したほうがリスクが大きい」ということをA医師から告げられたそうです。その後、昨年の2月頃、痛む回数が多くなったので、もう一度同じ総合病院で精密検査を受けることになりました。その結果、B医師に「投影剤で黒く影が移る所があるけど、これは注射針が刺さった所なので影が出たのでしょう、でも念のため取り出しておいたほうがいいでしょう」ということを告げられたそうです。彼女は、そういった知識がなかったけど、その言葉を聞いて不安になり、迷ったあげく手術を受けました。 その取り出した腫瘍は、固い部分と柔らかい部分があり固いほうは良性、柔らかいほうは悪性ということで、ガンであることがわかりB医師に「1,2ヶ月以内に再手術を受けたほうがよい、このまましておくと10年以内に40パーセントの確率でガンが再発する、手術をした場合リハビリをしても右顔面が麻痺して完全に元に戻ることは無い、再発の確率は20パーセントになる」と告げられました。このガンは、昔はガンとして取り扱ってなかったそうですが、上記の確率で癌化する事があるのでB医師も手術を勧めているのだと思います。1月20日に術後の検査ということで、MRIを受けました。その結果、「リンパの一部が1センチ程はれている部分があるが手術によるものであろう」との事でした。今後2,3ヶ月おきに検査をするそうです。現在、手術をしない方向で考えていて、生活や食生活に気をつけ、針治療やアガリクスを摂りながら仕事へも行き、一時のような考え込み泣く姿を見せませんが、医師への不信と、将来自分がどうなるのか等、漠然とした不安が襲っている状態です。 長々となりましたが、ガンの事と平行してお互いの両親ともひざを交え話し合い今年結婚します。数野先生へは、このガンの傾向と注意点、私に今出来る事、精神的にどう支えていくべきなのかを教えていただきたくメールを書かせて頂きました。どうかよきアドバイスをお願いします。

(答え)2000.1.30
お答えします。大変御心配のことと思いますが、耳下腺(腺房細胞)ガンの5年生存率は100%です。つまり必ず治ると言うことです。ただし治療方法は手術ということになります。このような手術の場合には、手術による後遺症をできるだけ少なくしなければいけません。この場合は顔面神経のことが最大で唯一の問題だと思います。もちろん傷が目立たないようにすることは最低限の条件です(形成外科の医師が縫うときれいです)。手術の時の状況にもよりますが、顔面神経を残せる場合には問題がありませんが、顔面神経も癌と一緒に取らなければいけない場合には、必ず神経移植術をしなければいけません。経験の豊富な専門医に手術をしてもらう必要があります。移植した神経はすぐには機能しません(働きません)が日にちとともに回復してきます。顔面神経麻痺が起きますと顔がゆがんでしまいますので、傷以上に目立ちます。できるだけ後遺症を残さないようにしてもらってください。できれば信頼できる専門医を探してみてください。ではまたいつでもメイルをください。

追伸:耳下腺腫瘍の場合、普通は一部を切除して検査するようなことは行わないようです。

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[良性の髄膜腫と言われて手術をすすめられたが本人が手術を拒否している]

(相談)1999.9.18
35才の妹のことで、ご相談いたします。先日近所の国立病院で、MRI検査の結果”髄膜腫”と診断されました。大きさは約3cm(右側・頭頂部より少し後ろ側)で、手術を勧められています。症状は、耳の後ろ側の膨満感、左半身の痺れ 及び 左半身の痙攣発作(数日おき)です。本人は、最近の医療に不信感を持っており(薬づけ、検査づけ...)1年ほど前記症状を我慢してきました。医師のお話によりますと”髄膜腫”は95%が良性で、手術により治癒できるが、同時に手術の危険性(出血、術後感染、術後麻痺等々)もあるとのことでした。また大きさが3cm程度であることから、ガンマナイフという放射線治療よりも、手術をすべきとのご意見でした。 現在のところ妹は、手術による脳のダメージを懸念しており、アガリクス茸、メシマコブ等を服用し、自己免疫力を高めることにより、腫瘍を宿退させようと決心しています。家族は、危険はあるにしても、命を救うためには、手術がいいのではないかと考えていますが、本人は頭を開けることだけは避けたいようです。”髄膜腫”はそれほど進行が早いわけではないようですので、もし時間が許すのであれば、手術を選択する前にいろいろ試してみたいのも事実です。今後の治療方針に関する先生のご意見をお聞かせください。また手術をする前に試す価値がある治療法を是非ご教示ください。よろしくお願いいたします。

(答え)1999.9.18
お答えします。大変ご心配のことと思います。髄膜腫は代表的な脳の良性腫瘍で、手術さえ成功すれば100%治るというものです。常識的にはまず手術を受けるということになります。当然、手術には危険性が付きまといますので、経験を積んだ医師のいる、設備の整った病院で受けなければいけません。大きな病院といっても脳腫瘍の手術を沢山手掛けている病院は少なく、脳神経外科といっても外傷や脳血管障害(脳梗塞や脳出血)の治療がほとんどです。医師選び、病院選びが大切です。

癌や脳腫瘍を自分で治したり、退縮させたりした人は沢山いるようです。健康食品の類は数えきれないくらいありますが、心の持ち方と生活習慣が大切です。サイモントンのイメージ療法も有名ですし、イメージ療法で脳腫瘍を退縮させた人もいます。治ると信じて、自分で治すあらゆる努力をすることは大変良いことだと思います。人に頼ったり、健康食品に頼るだけでは治りません。心の持ち方、生き方の問題です。川竹さんのホームページが参考になりますので、是非読んでください。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.9.19
早速のご回答ありがとうございます。がん患者に取り組む先生の熱意と誠意がはっきりと伝わって参りました。「手術さえ成功すれば100%治る。」という先生の力強いお言葉に大変力づけられました。今日も妹とじっくり話をしました。彼女の気持ちは相変わらず手術をせずに代替療法で治療を進めたいとのことでした。私にしてみれば、100%助かる方法(手術)があるのになぜあえて命の危険を覚悟し、自己治癒力で治療することに挑戦するのか理解できません。しかし彼女の決心は現在のところ固いようですので、支援するしかありません。彼女に言わせれば、私と話をしているとマイナス思考になって、がんばろうとする気持ちが失せてしまうと言います。また先生のお話ですと心の持ち方と生活習慣が大事であり、イメージ療法で改善した方も数多くいらっしゃるようで、私も前向きに応援しなければいけないのではないかとも思うのですが、もし、現在の状態が末期であり、現代医学から見捨てられたのであれば、代替療法しかないと思いますが、今、手術すれば100%助かるのであれば、どうしても手術という方法を薦めたくなります。今後はとにかくできる限り協力していく覚悟ですが、脳のことですから、突然容体が急変することもあるかと思います。緊急で手術が必要な場合も想定して、神奈川県 または 東京都で、先生が薦めることのできる病院はございますでしょうか。(もしお名前をご紹介いただければ、うれしい限りです。)最後にサイモントンのイメージ療法に関する書籍がございましたらご教示ください。お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

(答え)1999.9.19
お答えします。本人の命ですから、本人の希望と意志で決めるべきだと思います。手術をうける病院については、担当医と良く相談して、緊急の場合でも紹介してもらう方が良いと思います。大病院か大学病院になると思いますが、当方では具体的な病院についてはわかりません。

サイモントンのイメージ療法にについても、まず川竹さんの「幸せはガンがくれた、心が治した12人の記録」を読んでください。その中に紹介してあります。川竹さんのホームページで注文すれば、すぐに送ってくれます。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.9.20
ご回答どうもありがとうございました。先生のご忠告を噛みしめて、もう1度妹と話をしてみます。 また病院の主治医と相談しながら、本人の希望に沿う形で治療を進めていく所存です。本人にとっても、周囲にとってもこれからが、闘いの始まりですが、命の尊厳を最大限尊重しつつ共に闘っていくつもりです。多分治療途中で先生のご忠告をお願いすることもあるかと思いますが、その際は何とぞよろしくお願いいたします。

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[耳下腺癌で手術と放射線療法を受けたがリンパ節に転移した]

(相談)1999.8.15
初めまして、耳下腺癌で左耳下腺全摘出(顔面神経切除)手術後引き続き、現在放射線治療を受けている、44歳の男性です。頚部リンパ節を含め転移は無かったのですが、今後の注意すべきことを、ご教授ください。

(答え)1999.8.16
お答えします。耳下腺癌の予後は、癌細胞の種類と頚部リンパ節転移の有無によると言われています。頚部リンパ節を含め転移は無かったとのことですので、放射線治療がすめば、ベストの状態でスタートラインに着けると思います。顔面神経は再建してあると思いますが、回復には時間がかかると思います。病院での治療がすめば、あとは自分で治す病気です。定期的な診察や検査は受けなければいけませんが、身体に悪いことはやめて、身体に良いことは積極的にすることです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.8.20
耳下腺癌の○○です。お忙しい中、メール有難うございます。感激しております。先のメールにも書きましたが、耳下腺癌で左耳下腺全摘出(顔面神経切除)手術後引き続き、現在放射線治療を受けている、44歳の男性です。耳下腺癌の予後は、癌細胞の種類と頚部リンパ節転移の有無によると言うことですが、腫瘍の種類は腺様嚢胞癌で、頚部リンパ節転移が無いということで、今日までに46グレイの放射線治療を受けましたが、最近、頚部リンパ節が腫れ1センチぐらいのシコリが3箇所かたまって、できています。(放射線があたっていない部位です。)担当医や放射線医が、触ってしれますが、感じが悪いとか、柔らかいから大丈夫とか、色々です。最終的には細胞を取るか、1つ摘出して、病理検査するということですが、気になって胃が痛い毎日です。放射線治療は60グレイの予定でしたが、「患者よ癌と戦うな」という本に60グレイは効果的に50グレイと大差無く、後遺症を考えると危険であるとのことなので、あと2回の50グレイで止めようかと、思っています。それに、リンパ節に転移していあたら、放射線治療が無駄だつたことになりますよね。先生はどうすれば良いと思われますか、月曜日の朝まで自宅に外泊しておりますので、できれば、それまでに返事をいただければ幸いです。追伸、顔面神経は再建してもらえませんでしたので、現在は左顔面麻痺状態です。

(答え)1999.8.21
お答えします。少し悪性度が高いもののようですが、治ると信じて治療することです。リンパ節が腫れているとのことですが、様子をみて大きくなるとか数が増えるようなら手術して取ることになると思います。場合によっては頚部のリンパ節郭清をすることになるかもしれません。頚部だけなら取るのが一番確実な方法です。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.9.5
お忙しい中度々のメール有難うございます。検査の結果5段階の4ということで、8月末に終わった、放射線治療の後遺症が収まった、9月末に頚部のリンパ節郭清手術をすることになりました。手術・放射線治療をしても、すぐに転移したことに、納得いかないところがあります。頚部のリンパ節郭清手術を受けるほうが良いでしょうか、リンパ節は3つで1センチ位です。既に、他に転移していたら取っても同じではないですか?放っておくか局所温熱療法とかは、だめでしょうか?再手術はあまりしたくありません、他に良い方法き無いのでしょうか?ご教授ください。

(答え)1999.9.6
お答えします。頚部のリンパ節郭清手術が最も確実な治療方法だと思います。他に転移していなければ、それで治ると思います。放っておくか局所温熱療法とかでは、治る可能性はおそらく無いと思います。ではまたいつでもメイルをください。

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[リンパ節の腫れで発症した4期の舌癌に手術が必要と言われたが?]

(相談)1999.5.18
初めまして。私の直属の部下が2ケ月前にリンパ腺に腫れを感じ、近くの耳鼻科で受診したところ、花粉症と診断され薬を飲んでいました。1ケ月ほどたっても改善が見られず、別の耳鼻科で受診しました。また同じ診断でした。最近になって腫れた箇所がひどく痛み出し、口を開くことも困難になってきたため、もう一度別の耳鼻科へ行かせましたところ、腫瘍ができて化膿しているのとのことで、慌てて私が掛かり付けにしている医大の総合医療センタ−へ行かせました。細胞検査などの結果、悪性腫瘍と診断されました。(本人にはご家族の意向で告知していません)病人は20代後半の女性です。検査した病院から、県立の癌センタ−を紹介されたのですが、ご家族のは、よりよい病院で治療をさせたいとの相談を受けたのですが、リンパ腺の癌において技術力の高い病院を教えていただけないでしょうか。

また、癌治療は高額なのでは?という不安から、なにかいい医療費制度はないものかとの相談も受けました。社会保険の休業手当金や高額医療費の申請及び貸付など、私に解る範囲で調べたのですが、癌治療で実施される放射線や抗ガン剤などが、高額医療費の範囲に該当するのかという事や、自己負担額がどの程度なのかということがわかりません。医学的な質問ではなくて恐縮ですが、医療費の目安や保険適応範囲を教えてもらえないでしょうか。本人が少しでも安心して治療に専念できるようできる限りのことをしたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします。尚、このメ−ルを掲載する場合は、本人に病状告知をしておりませんので、病院名や私の名前(メ−ルアドレス)は伏せていただきたく存じます。

(答え)1999.5.19
お答えします。県立癌センタ−でも良いかと思いますが、できれば国立がんセンターのように化学療法部のある病院の方がよいかもしれません。担当医と良く相談してみてください。病院での医療は、すべて保険がききます。保険医療機関では、保険医療以外の治療はできないことになっています。高額の医療費がかかっても、自己負担は月額最高6万円余りです。ただし、この高額医療費の制度は、自分で申請しなければいけません。とりあえずは、自己負担分を全額支払う必要があります。それから、手続きをすれば、2ケ月から3ケ月後に、6万円余りの負担分を除いた全額が返ってきます。しらなかったり、手続きをしないかったりすると、損をします。言わなければ、教えてくれないことがありますので、気を付けてください。

(相談)1999.5.19
早速のお返事ありがとうございます。大変参考になりました。さて、昨日お話しした部下の件ですが、先生にメ−ルを送信した後、県立癌センタ−の検査結果について連絡がありました。第4期舌癌でリンパへの転移であるとのことです。現状のままでは余命半年、早急な手術が必要だそうです。本人には、癌であることと手術が必要なことのみ医師が伝えたとのことですが、顔が変形してしまう手術を本人が拒否している状態です。家族が一応6月中旬の手術を予約したそうです。(病院のベッドがとれる最も早い日)若い女性ですから、本人の気持ちも痛いほど解ります。どんな状態になっても生きていてほしいと願うご両親の気持ちも解ります。私の考えと致しましては、生きる可能性があるうちは戦うべきで、そのために今は残酷な事項でもきちんと本人に告げ、手術に立ち向かうための勇気や今後一生彼女が背負っていく苦悩を周囲の人間がバックアップしていくべきと思い、医師に手術の必要性をきちんと本人に話してもらってはどうでしょうかとご家族に言いました。本人のキャパを超える事実を前に、きっと苦しむことでしょう。しかし、彼女本人に生きる意志を持ってもらわなければならないのではと考えるのです。どのように本人に納得させるか等は、当然ご家族のお考えと医師との話し合いで決められていくのですが、私にできる限りの援助と本人及びご家族の心のケアをさせていただきたいと思っています。

病院の件ですが、かなり進行した状態のため、最も舌癌やリンパ係治療の設備を有した病院で咽頭関係の専門部門がある所を検討しましょうと話し合いました。早速、先生からのメ−ルをご家族に見せ、国立癌センタ−へ行くようすすめてみます。ところで、国立癌センタ−等他の病院で受診する際、県立癌センタ−での検査結果や所見を担当医に請求してもいいでしょうか。国立のベッド状態によっては、県立で手術を受けることになるかもしれません。問題はないでしょうか。先生のご意見をお聞かせ願えれば幸いです。また、治療費の件も早速ご家族にお話します。きっと安心されることと思います。最後になりましたが、先生のホ−ムペ−ジに出会えたこと、心から感謝しています。どこの病院にかかっていても患者側の不安は常にあります。担当医に聞きづらいことも多々あります。こういった形での医療活動は、患者だけでなく周囲の人間にとってものすごい心の支えです。病院へ行くための勇気や、前向きに治療に取り組むための力を多くの人に与えているのだと思いました。どうか、ずっとずっと続けてください。感謝の気持ちを込めて、先生のご健康とますますのご活躍を心からお祈り申し上げます。

(返信)1999.5.20
お答えします。2個以上のリンパ節への転移がある舌癌ということで、第4期の舌癌ということになります。その場合、今までの医学的常識では、5年生存率はゼロ%です。残念ながら、治る可能性は無いということになります。「現状のままでは余命半年、早急な手術が必要」ということですが、それにもかかわらず「病院のベッドがとれる最も早い日が、6月中旬」ということは、そんなにあわてなくても良いということです。もし、今のままで手術を受けると、顔が変形してしまうということですので、もう少し詳しく担当医に話しを聴く必要があります。治らないのであれば、手術を受けないのも、選択肢の一つです。芸能人で、そのような選択をした人がいました。

病院での治療を受ける場合でも、手術以外の治療方法があると思います。放射線療法や化学療法(抗癌剤治療)はどうなのか。それらの治療を受けてから、手術をしてはいけないのか。放射線療法や化学療法が効けば、手術をしなくても良いかも知れないし、手術する場合でも、小さい手術ですむのではないかと思います。治療方法は、本人が決めることができます。納得できれば、医師のすすめる治療方法を選べば良いと思います。いろいろな選択肢(治療方法)があるはずですから、それぞれの治療方法について、治療を受けた場合の予想される結果について、聴くことです。たとえば、その病院で、同じような状態の患者さんの治療を何人くらいしていて、治療方法はどのようにしたのか、その結果がどうであったのかなど、納得がいくまで聴くことです。

また治療は病院での治療ばかりではありません。自分でできることも沢山あります。代替療法とか民間療法です。何よりも大切なのは本人の心の持ち方です。どんな状態になっても治ると信じて、前向きに自分の病気と闘えるかということです。大変参考になるホームページがありますので見てみてください。もとNHKディレクターの川竹文夫さんの「ガンの患者学研究所」です。奇跡は奇跡的には起きません。それだけのことをすれば奇跡も起きるということです。是非読んでみてください。

「他の病院で受診する際、県立癌センタ−での検査結果や所見を担当医に請求してもいいでしょうか。」
人間的に問題のある医師でなければ大丈夫です。本人と家族の希望を話してみてください。その対応の仕方で、その医師やその病院の人間性や実力が分かります。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.5.20
先生、度々の質問に丁寧なお答えをありがとうございます。病院や治療法の選択についてご家族と話し合い、納得のいくまで担当医と相談させようと思います。彼女にとって何が大切なのか、彼女に伝えなければいけないことは何か、考えなければいけないことはたくさんありますが、どんなに短い期間であっても大切な人生ですから、希望を持って過ごしてもらいたいです。本人も、ご家族も後悔のないよう私なりに精一杯バックアップしていきたいと強く思っています。参考書籍や、様々な治療法など、ホ−ムペ−ジに記載してある事項を参考にさせていただきます。第三者的な立場の私ですが、「私にできることはなにか」から初めてみます。本当にありがとうございました。これからの闘病生活の中で、またご相談することもあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願いいたします。また、患者のお姉さんにこのペ−ジのことを詳しく話しておきましたので、今後、相談のメ−ルが届くかもしれません。併せて宜しくお願いいたします。

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[2年前に下咽頭癌で手術をしたが最近全く食べられなり胃瘻から栄養を取っている]

(相談)吹田市1999.1.6
父66歳のことです、2年前に遊離空腸を下咽頭と食道の一部に移植し一年間は食べられましたが、3ヶ月前からまったくのどがとおらず、水一滴も飲むことかできず、点滴だけで生きています。まったくガンの転移はなぐ病院側は手術に手落ちはなかったといいます。しかし原因は分からず、つらい毎白を送っています。原因と思われることがあればお教えください。

(答え)1999.1.6
お答えします。考えられる原因は色々ありますが、最も一般的なものは、癌の再発または吻合部狭窄でしよう。「一年間は食べられた」わけですから、手術はうまくいっていたと思います。原因をよく調べてもらって、治療を受けてください。再発・転移が出やすい時期です。ではまたいつでもいメイルをください。

(返礼)19991.6
お返事ありがとうございました。また、相談があればよろしくお願いします。

(相談)1999.4.5
66歳の父の下咽頭癌の手術後の状況について、以前メイルでご質問しました○○です。その後ものどを食べ物が、全く通らず水も鼻から出てきてしまう状態が続いて、点滴と、胃ろうだけで栄養を摂って生きています。このまま一生経口摂取はできないそうです。食欲があるので、とてもかわいそうで見ていられません。癌の転移については、喉のところに一部小さな癌が見つかったらしいのですが、それが神経を圧迫してすごい頭痛が定期的におそってくるらしいのです。主治医の先生の話では、もう放射線は当てられない。手術はできない。化学療法だけしかないとのことですが、それをしても、あまり効果は期待できないので、本人の意思に任せると言われました。本人は毎日毎日生き地獄だ。もう死にたい死にたいの一点張りで、治療はしたくないと言います。ホスピスに、入りたいと言うので、相談に、行きましたが、余命3から6ヶ月と判断されていないと、入れないらしいです。頭痛ももう1年以上痛み止めを使っていますがもう効かなくなってきてこれからは、麻薬を使うしかないらしいです。ほかの臓器への、転移がない場合、痛みの緩和に麻薬を使ったからと言って、すぐに、死につながるものなのでしょうか。このまま何年も、生き地獄のまま、生き続けていかないと行けない場合もあるのでしょうか。なにかよいアドバイスがあればよろしくお願いします。

(答え)1999.4.6
お答えします。病状の把握が十分できません。現在のような状況で、何も治療ができないということが、わかりません。口から食べられるようにする方法が無いのでしょうか。「癌の転移については、喉のところに一部小さな癌が見つかった」「もう放射線は当てられない。手術はできない。化学療法だけしかない」とのことですが、それで納得されるのであれば、それでも結構だと思いますが、納得できないのであれば、一度、ほかの専門病院(がんセンターなど)で診てもらうほうが良いのではないでしょうか。担当医とよく話しをしてみてください。痛みの緩和に麻薬を使ったからと言って、すぐに、死につながるものではありません。少しでも苦痛を取ってあげることが、癌の専門医の仕事のはずですので、担当医によく話しをして、できるだけ苦痛を取ってもらってください。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.4.8
下咽頭癌の手術後の状況について・・・のお返事、お忙しいのに早速いただきどうもありがとうございました。今入院している病院は医科大学の付属病院です。いろいろ検査をしてもらいましたが、食べ物が喉を通らない事の原因が分からないと先生方は言っておられます。父は、喉に、神経の注射をしてもらった時、ふるえがきて次の日から飲み込みにくくなったと言うのですが、主治医の先生は、全く関係ないと、おしゃいます。1度胃ろうからの、流動食をもどした時には、口から出てきたので、狭窄はなく、飲み込む力がないのかもしれないとも言っておられましたが、神経の注射によって、飲み込む力が麻痺することもあるのでしょうか。またホスピスについて、お伺いしたいのですが、ホスピスに、入れるのは、末期癌、余命何ヶ月の患者に限られるものなのですか。痛み緩和だけの目的では、受け入れていただけないのものなのでしょうか。とりあえず、もう1度主治医の先生と、よく相談してみようと、思います。ありがとうございました。

(答え)1999.4.9
お答えします。今入院している病院は医科大学の付属病院とのことですが、あまり沢山の手術をしていないのではないでしょうか。外科でしょうか、耳鼻咽喉科でしょうか。分からない先生にいくら聴いても分からないと思います。きっと経験が少ないのではないでしょうか。医科大学の付属病院は、医学生の教育と研究が主な仕事で、必ずしも良い医療が受けられるとは限りません。ホスピスに入れるのは、末期癌、余命3ー6ヶ月の患者に限らますが、治療は受けられると思います。

(相談)1999.4.16
以前メイルしました○○です。父の状態は、痛みは、麻薬でコントロールし始めたので、少し落ち着きましたが、経口摂取の方法は、全くあきらめてもらわないといけないとのことでした。飲み込む力がない、嚥下運動が出来ない。とのことで、これは、喉の神経の麻痺によるものかもしれないとのことです。今顔の半分が麻痺し、目がうまく閉じれません。そして、左の耳下腺のあたりが痛いらしくそこに、神経の注射を打っていただいていたのですが、そこに、膿が溜まっています。この膿は何ですかと先生に聞いても、よくわからないです。と言われます。他の臓器への転移はないが、治療に関しては、終末期だと言われました。ホスピスに、入られたらどうですかと、勧められました。見ていただいているのは、喉の痛みについては、耳鼻咽喉科、経口摂取の方は消化器外科です。ホスピスに入る前に、もう一度他の病院で、見てもらうか、どうか、迷うところです。大阪の吹田に住んでいますが、このあたりで、このような症例に有名な先生などご存じないでしょうか。

(答え)1999.4.17
お答えします。残念ながら、再発でしかも末期ということのようですね。顔面神経麻痺もあるようです。下咽頭癌は治療が困難な癌の一つです。非常に専門的な治療が必要となるために、的確な治療ができる病院は少ないと思います。近畿地区には癌センターがないようですが、大阪府立成人病センターがその機能をはたしているようです。参考までに、最も一般的な医師のための参考書から引用しておきます。

下咽頭癌Cancer of Hypopharynx
吉野邦俊  大阪府立成人病センター・耳鼻咽喉科部長

1987-89における下咽頭癌の年平均年齢調整罹患率は男1.62,女0.27(大阪府がん登録,人口10万対)であるが,年々増加傾向がみられる.好発年齢は50-70歳代である.下咽頭は梨状陥凹,輪状後部,後壁の3亜部位に分けられるが,ほとんどは扁平上皮癌である.本癌の75%は梨状陥凹癌で,飲酒・喫煙が発癌要因と考えられ,男性に圧倒的に多い.輪状後部癌は15%を占め,鉄欠乏性貧血が発癌要因と考えられ,女性に多い.X線造影検査での輪状後部のweb形成は輪状後部癌の前癌所見とされている.頚部リンパ節転移を伴った進行癌が80%を占め,早期癌は少ない.5年生存率は40%である.特徴的な初発症状に乏しいが,比較的局在が明確な嚥下痛が約半数にみられる.約20%に重複癌が認められるが,とくに共通の飲酒・喫煙が発癌要因である食道癌が多くみられ,注意して精査する必要がある.

◆治療方針
早期癌の一部は放射線単独で治療を行うが,大部分は手術が主体となり,放射線治療,化学療法は補助療法として併用する.高齢者が多く,予後不良な本癌では,できるだけ早期に経口摂取ができるように,手術侵襲が少なく,手術時間の短い方法を選択することが肝要である.

1.手術
進行癌が多いために喉頭温存は困難なことが多く,大部分は喉頭合併切除はやむを得ない.癌切除はその広がりに応じて切除範囲を決め,できるだけ咽頭の粘膜は温存するようにする.切除後の咽頭再建は,残存する咽頭粘膜が連続性(非全周性欠損)で横幅が2-3cm以上あれば一次縫合を行い,それ以下の場合は前腕皮弁をパッチ状に用いて再建を行う.残存粘膜が非連続性(全周性欠損)では,下方の切除断端の位置が連鎖より上方の場合は遊離空腸を用い,下方の場合は食道を抜去して胃管または結腸で再建する.その他の再建材料としては,大胸筋皮弁などがある.頚部郭清は原則として両側行い,N+例は根本的頚部郭清,N0例は保存的頚部郭清を原則とする.本癌ではルビエールリンパ節にも注意して疑わしい場合は摘出する.

2.放射線治療
放射線単独治療は早期癌の一部に対して行うが,適応となるのは数少ない.線量は60-70グレイである.照射後の再発は発見困難であり,発見時には粘膜下に大きく進展していることが多いので,適応を厳格にすべきである.術前照射(30-40グレイ)は,治療成績の向上がみられないため,現在はほとんど実施していない.術後照射は,切除断端が不十分と思われる例や頚部リンパ節転移の数が多いか,あるいは大きく被膜外浸潤がある例などが適応である.50グレイの線量を全頚部に照射する.

3.化学療法
現在の抗癌薬では,化学療法単独での根治はほとんど期待できず,補助的に用いる.術前化学療法はその意義が認められないため,現在は実施していない.術後の維持化学療法は,とくに遠隔転移を予防する目的で期待される方法であるが,まだその評価は未定である.(今日の治療指針1998年版/(c)1998 IGAKU-SHOIN Tokyo)

もう一つ、下咽頭癌の手術の特殊性を説明した文章です。

耳鼻咽喉科頭部外科治療の動向
坂井 真  東海大学教授・耳鼻咽喉科

頭頚部再建外科とチーム医療 最近は,頭頚部領域の悪性腫瘍や巨大良性腫瘍の切除後に生ずる欠損部分の再建手術に,美容的修復と機能回復を目的とした術式が求められる時代になった.たとえば,上顎癌切除後の顔面や口蓋骨の再建に,血管付皮膚弁を用いる手術とか,下咽頭癌切除後の機能回復のために血管付遊離腸管や皮膚弁を利用する再建手術が行われる.このような再建手術には,従来のように耳鼻咽喉科・頭頚部外科医(耳喉頭頚医)だけで対応するには限界があり,関連領域の専門医の協力が必要となる.例えば消化器外科,脳外科,形成外科などの専門医と耳喉頭頚医がチームを組んで再建外科に取り組むので,チーム医療と呼ばれる.最近では15-20時間にも及ぶ手術を,このチーム医が交代しながら手術を行うが,耳喉頭頚医は主治医であると同時に各科との調整をするコーディネーターの役割を果たす.このようなチーム医療は今後ますます重要視される時代がきている.(今日の治療指針1997年版/(c)1998 IGAKU-SHOIN Tokyo)

ではまたいつでもメイルをください。

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[鼻の奥の悪性のポリープと言われて手術を受けたが早期の上顎癌だった]

(相談)1999.1.29
こんにちは初めてメールさせて頂きます。昨日まで病気とは無縁の生活を送っていたのですが田舎の父親が昨年末ごろに無呼吸がひどいので耳鼻科に行ったところ鼻の奥にポリープが出来ているといわれつい先日、町の耳鼻科にてポリープの摘出を行なったそうです。私は東京で働いている為どのような状況だったか詳しくはわかりませんが、ポリープ摘出の際に更に奥にもポリープがあるので総合病院で検査入院して下さいと言われたらしく今日から入院したそうです。大きな病気一つしたことがなく検査入院に1ヶ月もかかると母親から聞いて私の方がショックが大きいです。ポリープというと癌を連想してしまいますが、鼻の癌ってあるのかそれも不思議です。もしそれが悪性のポリープならやはり癌と言うことになるのですか?東京と山形と離れている為どのような状況なのか、直接医師に聞くことも出来ない為先生にメールしてみることにしました。お忙しいとは思いますが宜しくお願いします。

(答え)1999.1.29
お答えします。悪性のポリープならやはり癌と言うことになります。癌はどこにでもできます。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.2.1
お返事どうもありがとうございます。先生のゆうとおり悪性の癌ということがわかりました。病名は上顎癌です。インターネットで調べたのですが他の癌に比べ情報が少なくどういったものなのか良く分かりません。今日耳の陰の動脈から抗がん剤の投与をスタートして来週の月曜日に手術(腫瘍の摘出)と言うことになりました。内臓への転移がないことは検査でわかりましたが、今後どの様なことにきおつけるべきか教えて下さい。尚、転移するとしたらどの辺への転移が考えられるのでしょうかまた上顎癌の詳しい病状なども教えて頂けると幸いです。

(答え)1999.2.3
お答えします。当方のサーバーのIDのトラブルで遅くなりました。上顎癌の治療は、手術と化学療法・放射線療法の組み合わせで行います。患部を大きく切除すると顔の変形を来たしますので、美容整形を必要とすることもあります。一番転移しやすいところは頚部(首)のリンパ節です。上顎癌の治療治療ができる病院は、医師も設備も整った病院ですので、安心して治療を受けることです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.3.1
先日はお返事頂きどうもありがとうございました。2/1〜2/5まで抗癌剤投与を行ない、2/8(月)に摘出手術を行ないました。主治医の先生のお話だと想像以上に早期発見で100%に近い確率で摘出出来たと説明されました。(鼻近辺は凹凸がある為、胃や腸のように100%とはならいそうです。が本当ですか?)その時に手術をすると微熱が多少出ると説明されていたのですが、約1ヶ月たった今でも37.4度くらいの微熱が出、食欲もありません。風邪などならもう少し高熱が出るはずですし何故微熱が続くのでしょうか?今は放射線治療をしています。放射線を受ける時に必ず点滴をしていますが、抗癌剤ではないと聞いております。家族が面会に行ける時間(18:00から19:00)には主治医の先生とはお話が出来ず家族としてはとても心配で仕方がありません。何故微熱が出て食欲がないのでしょうか?分かりましたら教えて下さい。それと主治医の先生が来られる日(時間)以外にお話することは不可能なのでしょうか?ちなみに治療している病院は県立病院です。

(答え)1999.3.2
お答えします。「早期発見で100%に近い確率で摘出できた」とのこと、よかったですね。手術をしたり、放射線をかけたりして、身体に刺激を加えると、身体はそれに反応して微熱がでることがあります。何かはっきりした原因があれば、もっと高い熱が出ますし、血液検査などでわかります。

主治医の先生と話をしたいときは、直接言えなければ看護婦さんを通して「お話しをしたい」ということを伝えてもらうことです。もしどうしても難しいようでしたら、手紙を書くことです。方法は色々ありますので、やろうと思えばできないことはないはずです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.3.2
早速のお返事どうもありがとうございます。先生のお話ですと「身体に刺激を加えると、身体はそれに反応して微熱がでることがある」とのことですが、それでは一通りの放射線治療などが終わりましたら微熱もでなくなると考えて宜しいのでしょうか?それと患者の方から「微熱が出ているから血液検査をお願いしたい」と申請しても宜しいのでしょうか?それとも主治医の先生にすべてお任せしておくべきでしょうか?

(答え)1999.3.3
お答えします。放射線治療などが終われば、微熱もでなくなると思います。血液検査をするかどうかという聴き方でなくて、いま何故熱が出ているのかとか、熱が出たときにはどうすればよいのかとか、聴き方は色々あると思います。この件だけではなく、いつも主治医と話しをして、現在の状況と今後の見通しとか、治療方法と予想される結果などについての説明を聴いて、納得できれば主治医のすすめる方法に従い、納得できなければ、納得できるまで聴くか、断るかです。自分の命ですから、自分で決めるほうが、後悔しなくてよいのではないでしょうか。日本人の「すべてお任せ」の態度が、あらゆる面で日本の進路を誤らせるのではないでしょうか。一人一人の考え方、一人一人の命を大切にしないと、また、「いつか来た道」に入り込むおそれがあります。人がどうするかではなくて、自分はどうするべきかと言うことを考える習慣をつけたいものです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.3.8
先日は早速のお返事どうもありがとうございました。微熱についてはわかりましたが、抗癌剤投与に関する質問があります。今回の手術で抗癌剤を1週間投与したわけですが、その際に耳の脇(頬)の付近の動脈から抗癌剤を投与したそうです。主治医の先生に話したところ動脈を切った為に頭痛がする。といわれましたが、その後動脈はきちんと修復するものなのでしょうか?最近頭痛が酷くて薬を飲んでいます。放射線治療を受けていることで動脈の修復が遅れているのでしょうか?やはり放射線治療が終われば動脈の方もきちんと修復され頭痛も治るのでしょうか?頭痛が酷く食欲もなく見るからに痩せていくのが分かりとても不安です。お忙しいとは思いますが宜しくお願いいたします。

久しぶりに先生のホームページを見てちょっと気になったことがあるので教えて下さい。私のようにメールで質問した際に(進行癌)(転移)(早期癌)とありますが、どのように違うのでしょうか?家の父の場合は(進行癌?)とありますが早期癌とは違うのでしょうか?主治医の先生からは早期と言われましたが・・・・。よろしくお願いします。

(答え)1999.3.9
お答えします。完全に切った動脈は修復することはありません。他の動脈からの血流で補われます。時間がたてば、ほとんど影響は無くなると思います。色々な不安や疑問は、まず担当の医師にわかるまでよく聴いてみてください。私の返答は相談のメイルの内容からすべて想像で言っているものですので、一般的なこととして参考程度にしてください。頭痛との関係などについては、私には知識も経験も全くありませんが、専門家に聴いたところ、頭痛との関係は否定的でした。ではまたいつでもメイルをください。

追伸:新しいメイルが入っていましたのでお答えします。

早期癌というのは、医学的には上皮内癌といってごく初期の癌に限られますが、一般的にはリンパ節転移がないとか、腫瘍が比較的小さいとかという意味で使われることが多いようです。特に上顎癌で早期癌の段階で見つかることは稀とのことです。骨にまで及んでいれば、すでに進行癌です。治療の経過を見ても、進行癌に対する治療だと思います。ちなみに、癌保険などでも、上皮内癌と皮膚癌は除外事項になっている場合が多く、その場合は保険金が出ません。

(相談)1999.5.10
ご無沙汰しております。上顎癌だった父も先月4月にようやく退院しました。退院したことは退院したのですが、退院後約1ヶ月たつのですが、癌治療の副作用なのでしょうか、いまだに頭痛・耳鳴りがおさまりません。また、薬を飲んでいるのですがその薬の副作用で食欲不振の為ほとんど食事をすることができません。放射線治療の後遺症には個人差があると聞いております。医者にいわれた薬以外に漢方や自然食品などで癌に聞くものなどを飲んでも宜しいのでしょうか?また、頭痛・耳鳴りなどの後遺症はどのくらいでおさまるのでしょうか?

(答え)1999.5.11
お答えします。まず、退院おめでとうございます。やっとスタートラインに立てたわけです。これからは、病院での治療や定期検査をきちんと受けながら、自分で治していかなければいけません。「薬の副作用で食欲不振の為ほとんど食事をすることができません」ということですが、栄養はどうやって取っているのでしょうか?まず体力をつけることが大切です。「薬の副作用ということであれば、薬を休んでみてはどうでしょうか。担当医と良く相談してみてください。頭痛・耳鳴りについても、いろいろと治療方法があると思いますので、良く相談してみてください。

漢方や自然食品などで癌に効くものがあるのなら、飲むことはいっこうにかまわないと思います。できれば担当医と相談の上で飲まれたほうが良いと思います。もし、漢方薬や自然食品で、癌に効くものがあれば、教えてください。特に自然食品は、「食品」ですから、薬とは違い、たとえば私が山で採ってきた草を自分で加工して作っても、許可されます。それらの効果は、主に気持ちの持ち方、心の支えとしての効果です。自分で納得して、これと決めたものに限定して、もし飲むのなら、続けなければ意味がありません。あまり高価なものや、何でも治るというようなものは、たいていインチキですので気を付けてください。そのようなもので、癌治療の決め手になるようなものはありません。沢山あるということは、どれも効かないということです。

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[良性の脳腫瘍といわれて抗痙攣剤を飲んでいたが他の病院で手術をしたら悪性だった]

(相談)1998.9.1
はじめまして。母(65歳)のことで相談いたしたく、メールしております。母は、3月に意識障害と激しい痙攣の発作を起こし、救急車で運ばれました。その後の検査では、良性の2cm程の腫瘍が右耳の上辺りにある、ということで、痙攣止めの薬を飲んでいれば、大丈夫と言われて1ヶ月後に退院しました。但し、そのような腫瘍を持ったままというのも不安だということで、他の病院でも診察を受け、結局、7月に京大病院で手術を受けました。ここでも、手術前は、良性と思われていましたが、手術後の検査の結果、最も悪性の高い、神経こう芽腫であると診断されました。但し、手術はうまくいって、試験的に取った正常な組織にも浸潤はなかったとのことでした。現在、放射線と化学療法の治療中で、9月末には退院の予定です。母には、まだ詳しいことは話していません。それにしても、3月から7月まであまり大きくならなかったものが、1年生存率が20%ほどの成長の早い悪性ということがあるのでしょうか。また、今回放射線も許容範囲ぎりぎりまであてるので、再発しても使えないということなので、これからのことが心配なのですが、今回はやれるだけやって、後は天にまかせるしかないのでしょうか?

また、インターネットで米国の同様の病名の患者さんで、手術後3年から5年以上、元気な方たちの手記を読みました。その中で、メラトニン、Tamoxifen, Accutane, Verapamil, Vincristine, Thalidmide などという薬を飲んだとあったのですが、これらは、日本でも治療に使われているのでしょうか。ちょっと、素人の支離滅裂な疑問で申し訳ありませんが、どなたかに尋ねずにはいられず、メールしました。少ない病気らしく、詳しい本などもみつかりませんので、どうぞよろしくお願いします。

(答え)1998.9.1
お答えします。京大病院で手術を受けられて、病理検査(顕微鏡検査)の結果が、「悪性神経膠芽腫」であるとのことですので、やはり予後(治るかどうかということ)は大変厳しいようです。しかし、手術で腫瘍が完全に取れていて、放射線と化学療法をすれば、治る可能性はもちろんあります。ただ、その可能性も数字で言えば「1年生存率が20%ほど」ということになります。「今回はやれるだけやって、後は運を天にまかせるしかない」ことになりますが、病院での治療以外にも、できることは色々あります。その場合「何でも治る」とか、非常に高額の治療費がかかるというようなものは、気を付て下さい。癌の治療で、必ず治るというようなことは、世界中どこへ行ってもありえません。

次に、腫瘍の発育する速度は常に一定ではなく、ゆるやかに成長していたものが、突然急速に発育することはよくあります。手術などの治療行為が、そのきっかけになることもあります。ところで、外国、特にアメリカでは、積極的に実験的治療が行われているようです。メイルにあったような薬のある種のものは日本でも、他の目的で使われていますが、脳腫瘍の治療には使えない(保険で)そうです。アメリカでは、自分で志願して(ボランティアで)、実験的な治療を受ける人が多いとのことです。ちなみに、アメリカには日本のような保険制度はなく、自費です。

病気と共存するか、徹底的に闘うか、その人その人の生き方です。人生における大きな試練と思って、残された時間を大切に過ごしてください。幸運を祈ります。

(返礼)1998.9.2
早速、ご丁寧に返信を頂いてありがとうございました。アメリカでの治療方針など、勉強になりました。また、わからないことがあれば相談させて頂くかもしれませんのでどうぞよろしくお願いします。

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