[大腸癌2]

[検診で貧血を指摘され2年後に大腸癌とわかり手術を受けたがデュークスCだった]

→見出しページへ


[検診で貧血を指摘され2年後に大腸癌とわかり手術を受けたがデュークスCだった]

(相談)埼玉県1999.12.21
はじめまして。突然のメールで失礼いたします。私は、埼玉県に住む30歳の会社員です。私の父(58歳)のことで、ご相談させていただきたいのですが、そもそもの兆候は2年前の会社の定期検診の時からあったらしいのですが、血液検査で、貧血を示す数値がでていたそうです。ただ、正常範囲よりもごく僅かに異常値を示していただけなので、経過を見ましょうとのことでした。しかし、その後も僅かずつですが、数値が悪化していったため、何度か別の病院で検査を受けたそうですが異常が見つかりませんでした。父は、高血圧症であり、また、最近、甲状腺の病気も患っていることから、それらの影響か、薬による副作用ではないかということでした。ところが、1ヶ月前、とうとう原因が見つかりました。上行結腸(回盲部付近)の進行癌でした。手術前CT、MRI、CEA等の検査では、異常がなく、肺、肝臓ともに転移している可能性は少ないとのことでした。また、大腸癌そのものも4段階あるうちに1か2ではないかとのことでした。手術の方は、手術後1週間で、腸の癒着が見つかり再手術となってしまいましたが、基本的には成功だそうです。また、肝臓も綺麗だったとのことでした。そして、今日病理検査の結果についての説明がありました。本人の前では、4段階のうちに2ですという話でしたが、その後、家族だけが呼ばれ、実はリンパ節にも転移があるとの説明を受けました。主治医の先生は何かにつけ大丈夫ですと励まして下さいますが、父の置かれている現状を正しく認識し、今後どのように父と接していくか考えたいと思っております。(現在離れて暮らしておりますので、ある程度覚悟が必要であれば、休みはできるだけ帰って、残された時間を大切にしたいと思っています。)そこで、質問させていだきたいのですが、

1、父のようなケースはデュークスCということだと思いますが、その五年後生存率は、約70%とあります。それを、そのまま受け取れば、5年後に死亡している確率は、30%ということ(つまりは殆どが助かるということ)でしょうが、先生のHPなどにある他の方のお話を拝見すると、とても70%という数字が信じられません。余談ですが、天気予報で30%の降水確率と言われれば70%は晴れということですが、この場合、そうは考えず雨の心配をされる方のほうが多いと思います。この約70%という数値をどのように考えたら良いのでしょうか。単純に再発・転移された方よりも、されない方のほうが多いと考えて宜しいのでしょうか。

2、主治医の先生自身も、胃癌のため胃を全摘したそうですが、7年経った今でも元気でおれれます。また、色々なHPにも元気に5年を経過された方の話もあります。また、その一方で、お気のどくな方もいらっしゃるようですが、(早期癌はともかく)治った方というのは、珍しい事例なんでしょうか。やはり、あとは運を天に祈って5年間が過ぎるのを待つしかないのでしょうか。(もちろん、3〜4ヶ月毎の検診等は受けるのは当然ですが。)

3、肝臓に転移した場合も、早期ならば完治が望めるとか、最近は良く効く抗がん剤があるからとか、聞きますが実際のところはどうなんでしょうか。再発してしまったらやはり完治は難しいのでしょうか。(たとえその部分が治っても、再再発とか・・・)

4、切り取った癌を見せていただいたのですが、叔母の話によると、叔母の母ときはもっと、どす黒かったそうですが、父のは、綺麗な色だったといいます。病状と何か関係ありますか。

癌について調べていくと、「癌=死」というイメージは間違っているとか(その通りかもしれませんが)とかく、希望を持たせるように書かれているものが多いような気がしますが、反面、必要異常に最悪のケースばかりを考えるのもどうかと思います。私はお世辞抜きの、現実が知りたいと思っております。とりとめのない質問になってしまいましたが、宜しくお願い致します。

(答え)1999.12.21
お答えします。大変ご心配のことと思います。

>そもそもの兆候は2年前の会社の定期検診の時からあったらしいのですが、血液検査で、貧血を示す数値がでていたそうです。

男性の場合には、この段階で原因を究明するべきです。普通はまず便の濳血反応の検査(大腸癌検診)をすると思います。

>1、父のようなケースはデュークスCということだと思いますが、その5年後生存率は、約70%とあります。それを、そのまま受け取れば、5年後に死亡している確率は、30%ということ(つまりは殆どが助かるということ)でしょうが、先生のHPなどにある他の方のお話を拝見すると、とても70%という数字が信じられません。余談ですが、天気予報で30%の降水確率と言われれば70%は晴れということですが、この場合、そうは考えず雨の心配をされる方のほうが多いと思います。この約70%という数値をどのように考えたら良いのでしょうか。単純に再発・転移された方よりも、されない方のほうが多いと考えて宜しいのでしょうか。

数字で示せばそのようになりますが、本人にとってはどちらかです。つまり五分五分ということです。だけど治る可能性の方が高いということです。

>2、主治医の先生自身も、胃癌のため胃を全摘したそうですが、7年経った今でも元気でおれれます。また、色々なHPにも元気に5年を経過された方の話もあります。また、その一方で、お気のどくな方もいらっしゃるようですが、(早期癌はともかく)治った方というのは、珍しい事例なんでしょうか。やはり、あとは運を天に祈って5年間が過ぎるのを待つしかないのでしょうか。(もちろん、3〜4ヶ月毎の検診等は受けるのは当然ですが。)

そこが皆さんの一番多い勘違いです。癌も自分で治す病気です。病院での治療(手術、化学療法、放射線療法)は、癌を治りやすくするためで、最終的に癌を治すのは自分の治癒力(免疫力)です。とりあえず病院での治療がすんで、元気で退院する日が癌治療のスタートラインだと考えてください。目に見えない転移があっても、それを治せる人と治せない人がいるということです。それからは自分で治すためのあらゆる努力をしなければいけません。心の持ち方と生活習慣の改善が大切です。

>3、肝臓に転移した場合も、早期ならば完治が望めるとか、最近は良く効く抗がん剤があるからとか、聞きますが実際のところはどうなんでしょうか。再発してしまったらやはり完治は難しいのでしょうか。(たとえその部分が治っても、再再発とか・・・)

再発しても、ちゃんと治療が出来れば治る可能性はあるということです。特に大腸癌の場合には、転移しても手術で取れれば治る人がかなりいます。抗癌剤で治すことは出来ないと思います。

>4、切り取った癌を見せていただいたのですが、叔母の話によると、叔母の母ときはもっと、どす黒かったそうですが、父のは、綺麗な色だったといいます。病状と何か関係ありますか。

全く関係ありません。

治ると信じて、一日一日を大切に、前向きに生きることだと思います。生きるとか、死ぬとか、人生の意義とか、いかに生きるべきかとか、家族の絆とか、色々なことを考えるチャンスを与えられたと考えるほうが良いと思います。

誰でも皆いつかは死ぬわけですから、その準備をしておくことは大切ですが、悪いことばかり考えていても何にもなりません。病は気からというように、悪く考えて一日一日を過ごしていると、本当にそのようになってしまいます。常に希望をもって生きていくことが良いのではないでしょうか。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.12.22
早速のご返事ありがとうございます。

> 男性の場合には、この段階で原因を究明するべきです。普通はまず便の濳血反応の検査(大腸癌検診)をすると思います。

原因の究明が必要だというこは、父も医師から聞いており、色々調べてもらっていたようですが、大きい病院では3、4週間待ちは当たり前でしたし、小さい病院での検査では、異常なしとのことでした。結局、3度目の病院(小さい病院ですが、最近できたばかりで、最新の医療機器が揃っているそうです)で、ようやくわかったときには2年近くの月日が経っておりました。

> そこが皆さんの一番多い勘違いです。癌も自分で治す病気です。病院での治療(手術 、化学療法、放射線療法)は、癌を治りやすくするためで、最終的に癌を治すのは自分の治癒力(免疫力)です。とりあえず病院での治療がすんで、元気で退院する日が癌治療のスタートラインだと考えてください。目に見えない転移があっても、それを治せる人と治せない人がいるということです。それからは自分で治すためのあらゆる努力をしなければいけません。心の持ち方と生活習慣の改善が大切です。

仰る通りです。父も、退院後は、夜勤を辞めると言っていました。(病気をした者は会社に申請を出すと日勤のみになります。)私にできることと言えば、治療法や健康食品の情報を収集することだけです。あとは、休みの日はなるべく帰って一緒に過ごす時間を多く取ることぐらいでしょうか。(もっとも甲状腺の病気をして以来、なるべく帰るようにはしていますが。)具体的には、免疫強化に良いとされる、マイナスイオン(空気清浄器)や、アガリスク、キャッツクロー、肝臓への転移抑制効果があると言われているリンゴや大腸の働きを高める大麦など、どれも、1食100円程度と安価ですので勧めて見ようと思っています。もう、普通食に戻り、食事の時に飲む整腸だけの治療でしたので、昨日まで、もう退院はまじかだと考えていたのですが、今日から、1日におきに1週間、抗がん剤の点滴をすると聞いて、父は自分は本当はもっと悪いんじゃないかと心配しています。リンパ節に転移があったことは本人には秘密にしているだけに、父の質問に答えられずにいましたが、主治医からは弱い薬なので大丈夫だといわれ、見舞いにきてくれた人からは、誰でも予防の為に抗がん剤を使うと聞かされて一応納得したようです。抗がん剤は、大腸癌にはあまり効かないどころか、自然治癒力を低下されるという話も聞きますが、主治医が必要だと言っている以上、専門家に任せたほうがよいと考えています。本当にデメリットしかないのなら、辞めるべきだけれども、そのようなものを進める訳ないし、父以外の多くの方にも使っている以上、何かしらのメリットがあることを期待できると考える方が自然で、抗がん剤の変わりにこれというようなものがあるならともかく、何もしないよりはましと考えていますが、間違えでしょうか。最終的には本人と家族が決めることかもしれませんが、素人にどれだけの判断ができるでしょうか。脳内出血で倒れたときも、自分の病気のことをではなく、家族の心配ばかりしていた気丈だった父ですが、今は、日に日に元気になっていくということと、肝臓に転移はなかったと言われたことに喜びつつも、再発という恐怖におびえ、混乱しているようです。人間皆いつかは死ぬとわかっていても、実際に自分自身にその時が訪れようとした時、それを受け入れることができるものなのでしょうか。少なくとも、今の私には到底できないと思います。私ならきっと余命宣告でもされようものなら、ショックでベットからおき上がる事もできなくなってしまうと思います。最後になりましたが、お忙しいなかどうもありがとうございました。当面は、再発のことは忘れてまずは、無事手術を終えたことを素直に喜びたいと思いますが、不幸にも再発してしまった時にはまた、色々とご相談させていただければ幸いです。

(答え)1999.12.22
お答えします。

>原因の究明が必要だというこは、父も医師から聞いており、色々調べてもらっていたようですが、大きい病院では3、4週間待ちは当たり前でしたし、小さい病院での検査では、異常なしとのことでした。結局、3度目の病院(小さい病院ですが、最近できたばかりで、最新の医療機器が揃っているそうです)で、ようやくわかったときには2年近くの月日が経っておりました。

大きい病院は、診断がついた人が、小さいところではできないような治療を受けにいくところです。最初にいくのは、かかりつけの医師のところです。検診でのわずかな異常を真剣に診てくれるようなことを、病院の医師に期待しても無理です。

>抗がん剤は、大腸癌にはあまり効かないどころか、自然治癒力を低下されるという話も聞きますが、主治医が必要だと言っている以上、専門家に任せたほうがよいと考えています。本当にデメリットしかないのなら、辞めるべきだけれども、そのようなものを進める訳ないし、父以外の多くの方にも使っている以上、何かしらのメリットがあることを期待できると考える方が自然で、抗がん剤の変わりにこれというようなものがあるならともかく、何もしないよりはましと考えていますが、間違えでしょうか。

病院の医師は、手術と抗癌剤と放射線以外に癌と闘う方法を持っていません。手術前や手術中や手術直後に行う抗癌剤治療については、ある程度の効果があるというデータもありますが、それ以外は医者の気休めと思ったほうが良いと思います。しかし、毒でも薬と思って飲めば効くこともあります。本人の気持ちの持ち方次第だと思います。すでに自分で治す段階だと思います。

>人間皆いつかは死ぬとわかっていても、実際に自分自身にその時が訪れようとした時、それを受け入れることができるものなのでしょうか。少なくとも、今の私には到底できないと思います。私ならきっと余命宣告でもされようものなら、ショックでベットからおき上がる事もできなくなってしまうと思います。

一時的には誰でもそのようになりますが、時間と共に必ず次の段階に進むことが出来ます。日本の医学では、そのような研究や治療はほとんどされていませんが、先進国では、あたりまえの人間の反応として認識されていて、そのような反応に対する対処に仕方も確立されています。日本は約30年くらい遅れていると考えてください。

本当は、本人と家族を中心に、医師や医療スタッフなどのチームで支え合って闘わなければいけない病気です。日本では、わずかに家族の支えだけが頼りとなります。ではまたいつでもメイルをください。

→見出しページへ