[癌の代替療法について]

[下顎部の横紋筋肉腫で放射線治療を受けているが効果がなく温熱療法を受けたい]
[胃癌が再発したがATK(養子免疫)療法をすべきか柴田病院へ行くべきか]

[大腸癌で手術を受けたが肝臓に転移した、適当な治療法は?]
[胃癌:手術不能だったが丸山ワクチンや漢方薬は?]

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[下顎部の横紋筋肉腫で放射線治療を受けているが効果がなく温熱療法を受けたい]

(相談)2000.2.5
拝啓 妹の夫(37歳 教師)についてご相談申し上げます。平成11年7月横紋筋肉腫(下顎部、咀嚼筋、下顎骨浸潤あり、転移なし、入院時第2期)と診断されガンセンターへ入院しました。以後,抗がん剤投与8回、現在放射線治療を行っていますが良好な経過は見られません。手術は頭蓋底に近いため困難とのこと、他に効果的と思われる治療法がございましたら是非ご指導お願い申し上げます。また、民間療法ではアガリスクやびわの葉こんにゃく湿布を続けております。温熱療法も良いと効きましたが、千葉県近郊でがんの治療に温熱療法を取り入れている病院をご存知でしたらお教えください。よろしくお願い申し上げます。敬具

(答え)2000.2.5
お答えします。大変ご心配のことと思います。抗がん剤と放射線で治療を行っているとのことですが、病院での治療では、重粒子腺治療が有効ではないかと思いますので担当医に聴いてみてください。病院での治療の限界を越えている場合には、自分で治す以外に方法はありません。病院以外の治療は沢山ありますが、この患者さんにはこれが良いと言えるようなものはありません。自分で選んで、信じて行えばきっと効果があると思います。「がんの治療に温熱療法を取り入れている病院」で私が知っているのは、船橋社会保険中央病院外科、ホリスティック京北病院(東京都豊島区巣鴨1-32-3)です。聴いてみてください。

癌との闘い方の参考になる文章を紹介しておきます。

「治癒の条件」
治癒というものが、元来、客観性、再現性のないものであれば、統計なんてなんの役にも立ちません。ひとつひとつの症例を克明に記録し、その記録をじっくり読んで、治癒の条件を読み取っていくことです。どういう治療をしたかが関心の的になりがちですが、そうではなくて、その人が病気の中で、どういう生き方をしたかに焦点をあててみてください。治療法そのものよりも、その人が各種治療法にどうかかわっていったのかーというなかに、治癒のヒントがあるように思えるからです。(帯津良一、「私たちがガンを治した体験談集」より)

帯津先生は埼玉県川越市の帯津三敬病院の院長で、さまざまな癌治療の手伝いをしてくれます。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)2000.2.9
早速のご返事をありがとうございました。せっかくアドバイスを頂いたのですが、妹に伝えましたところ「重粒子治療」については早くから担当医と相談していたそうですが、「細胞が粉々になって、それが万が一効果がなかった場合、他の方法での治療ができなくなる恐れがある」とのことで勧めてくれなかったそうです。もう今となっては抗がん剤や放射線治療で体自体のダメージも相当受けているので無理だろうとのこと。またご紹介いただきました温熱療法を行っている病院にも問い合わせてみましたが、船橋の社会保険病院の方は、臓器にだけしかまだ治療を行っていないとのこと。また京北病院については、不確かですが、霊感商法の宗教団体との関連について心配な点がありましたので問い合わせを控えさせていただきました。妹は、顔の半分を切除する手術などさせるつもりはないから、まだまだ、他の治療法を探してみると、頑張っております。温熱療法にはやはりこだわりがあるようで、日本中どこでも出かけてゆくと申しております。京都大学のホームページに温熱療法について詳しく研究が出ているほかは、ガンの治療に温熱療法を取り入れている病院をなかなか探せないでおります。数野先生、お忙しいところ恐縮ですが、他にどこかお心当たりがあれば、是非またお教えください。よろしくお願い申し上げます。

(答え)2000.2.11
お答えします。遅くなりましたが、私も知識がありません。川竹文夫さんに聴いてみてください。

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[胃癌が再発したがATK(養子免疫)療法をすべきか柴田病院へ行くべきか]

(相談)1999.9.11
以前メールしました者ですが、治療法について、私と主人の意見が違いどうしようか迷っています。病状を簡単にもう一度説明します。私の母(57歳)胃ガンの為、3年程前、胃全摘出、この7月大量の下血があり、腸の壁にたくさん再発してるとのこと。主人は、ATK(養子免疫)療法をしようといい、他の方法には、否定的です。私も、そうしようかと思っていたのですが、問い合わせをしていた柴田病院(倉敷)からメールが届き、ATK療法より他の方法がいいと思われるので、紹介状等をもって来院してくださいとのこと。私としては、それならば、柴田病院に行って、話を聞いてみようと思うのですが、主人は、その必要はない、ATKをすれば、8割の人が治るから、交通の便のいい大阪の病院へ行こうと言います。ATK療法について数野先生は、どうお考えですか。また、柴田病院のことについても、何かご存じでしたらお聞かせください。宜しくお願いします。

(答え)1999.9.12
お答えします。「ATKをすれば、8割の人が治る」というのは、治った人が8人いて、それが10人治療を受けた人の中で8人ということですが、世界中どこへいってもそんなに画期的な治療方法はありません。治療しても治らなかった人たちのことは、ほとんど顧みられませんので、8人というのは、百人のうちでか、千人のうちでか、おそらく1万人の中で8人ということだと思います。ATK療法を開発した京都大学の内田先生は、NHKテレビでも取り上げられて、大変話題になり、一時は千人以上の人が治療の順番を待つというようなこともありましたが、ご本人が胃癌で亡くなってしまいました。そしてその治療費は千5百万円でした。今でも京都でATK療法に積極的に取り組んでいる病院があるようです。何かをすれば必ず治るとか、法外に高い治療費がかかるような治療方法は、注意する必要がありますが、ご本人が納得の上、それを希望されるのであれば、それがベストかもしれません。自分の病気を知って、治ると信じて、自分で治すあらゆる努力をする以外に方法は無いと思います。柴田病院の伊丹先生は、長年、生きがい療法を実践してきて有名で、全人的な対応をしてくれると思いますが、うまい話を期待されるのであれば、期待外れになると思います。自分で納得し、自分で選んだ方法であれば、たとえどんな治療方法でも効果があると思います。癌も自分で治す病気です。ではまたいつでもメイルをください。

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[大腸癌で手術を受けたが肝臓に転移した、適当な治療法は?]

(相談)大津市1998.11.17
はじめまして、大津市在住の30歳・男性・既婚者です。突然ですが、今後の治療法について、是非アドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。私のこれまでの病状ですが、平成9年11月、大腸癌ということでS状結腸の摘出手術(30cm程度)を受けました。その後、初期の癌でないということで、平成10年1、2、3月と3クールの化学療法(FU、シスプラチン)を受けました。4月からは職場復帰(化学メーカー、研究職)し、外来通院していたのですが、9月に肝臓への転移(2〜3cm大)がわかり、10月に手術(当初は、肝臓の何割かを摘出する予定でしたが、腸閉塞の手術に時間がかかったため、肝臓腫瘍については、電極を刺して焼く処置のみ)を受けました。今後の治療計画は特にありません。なお、私の場合、腫瘍マーカーの値が常に低いため、指標とならないようです。以上のような経過であり、しばらくは何の治療もしないと言われているのですが、転移したこと、今回の処置ではガン細胞がまだ残っている可能性があること、まだ年齢が若いこと等を考えると、外科的治療以外に何か積極的な治療をしたいと思い始めています。

退院後、色々な本を読んで、ハーブや健康食品を試し始めました。もちろん、過信はしておりません。一方、免疫治療については情報収集中です。ハスミワクチン、サトウ療法等に注目していますが、まだよくわかりません。何か、現在の私に適当な治療法があれば、先生からアドバイスいただきたいと思っております。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。患者本人からの相談ですが、忌憚のないご意見をよろしくお願いいたします。

(答え)1998.11.17
お答えします。現在、癌に対する病院での治療方法(医学的に治療として認められている方法)は、手術と化学療法と放射線療法しかありません。これらの治療法やこれらに準じた方法で治療ができなくなれば、病院の医師は匙を投げるということになります。癌治療の原理は、前記の方法を駆使して(集学的治療)目に見える癌細胞をできるだけ取り除き、残されたごくわずかの癌細胞を本来の自然治癒力(免疫力)で消しさるか共存できれば、治ったということになります。免疫力での癌との闘いは、集学的治療が原爆とすれば、ゲリラ戦のようなものです。副作用がないかわりに、目に見える効果はなかなか期待できません。しかし、なかには何かのきっかけで、奇跡的な効果を発揮する人もいるようです。どの治療方法が、その人に一番適しているかということは分かりません。おそらく心の持ち方に関係することで、自分で選んで信じてそれに賭けた治療方法であれば、きっと効果があると思います。6年くらい前に、NHKの教育テレビで「人間はなぜ治るのか」という3回シリーズの番組がありました。医師に見放された癌を自分で治した人たちの話でした。手術後3日目から歩いて手術不能の癌を治した人、ただ感謝の気持を持ち続けることで治した人、玄米食で治した人など、一人一人みんな違う方法で癌を治していました。おそらく色々な治療方法がきっかけとなって、自然治癒力が最大限に発揮された人たちだと思います。言い換えれば「自然治癒」です。私もそのような人を26年の医師生活で二人だけ経験しています。一人は、自分が癌だと知らないまま手術を受け(私がしました)、沢山の転移を残したまま胃癌の部分だけを取りましたが、自分では病気が治ったと信じて、あらゆることにただ感謝感謝の毎日を送り、治ってしまった人です。もう一人は、子宮癌に対して放射線療法を受けた後に再発した人で、地方の癌センターで手術不能といわれ、佐藤療法に賭けた人でした。この人は明るく大変前向きで、最初からこれしかないと横浜のサトウクリニックへ行かれましたが、抗癌剤を飲んでいるということで断られ、私のところへ来られました。協力病院としての当方からの治療依頼には応じていただけ、治療を始めて3年になりますが、いまのところ癌は消えています。どんな方法でも自分で選び、信じてそれに賭けた方法であれば効果は期待できます。しかし、治ることはやはり奇跡的だと思います。世界中どこへ行っても、進行癌や末期癌に対する決め手はありません。まして医師がおすすめできるような治療方法はありません。私たちは、ご本人が選ばれた方法のお手伝いはしていますが、どの方法が適しているかということは分かりません。癌も自分で治す病気です。自分で決めてください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1998.11.19
早速のお返事ありがとうございました。家内とも話合ったのですが、我々としては、何もせずにいるよりも、無理のない範囲でやるだけのことはやってみたいと考えております。具体的には、自然治癒力を向上させるきっかけとして、免疫治療に賭けてみようと思ってます。まだ、免疫治療の種類、信頼性などの情報が少ないため、どの治療がよいか迷っておりますが、自分で十分納得してから選択するつもりです。近々、再度具体的な相談をさせていただくことになるこも知れませんが、よろしくお願いいたします。

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[胃癌:手術不能だったが丸山ワクチンや漢方薬は?]

(相談)1998.8.22
前略、進行性胃がんについておたずねします。私の母(54歳)が2ヶ月ほど前に、胃のはりを感じ、検査の結果進行性胃がんと判断され胃の切除手術をうけました。しかし、ガンの進行が1-4段階の4と診断され切除手術を途中でとりやめました。現在の医学では、手のほどこしようがないと言われましたが、まったく望みはないのでしょうか。今後の対処の仕方をアドバイスお願いします。また、、丸山ワクチン、漢方薬について教えてください。

(答え)1998.8.23
お答えします。癌との闘病法は、病院で受ける一般的な治療(通常療法としての手術、放射線療法、化学療法)と、一般的でない治療(代替療法としての民間療法、ある種の免疫療法、健康食品など)と、自分でする治療(食事療法、生きがい療法などによる心の持ち方、笑い、信仰、呼吸法、アロマテラピー、園芸療法、音楽療法など)の三つをうまく組み合わせて行い、自然治癒力を最大限に発揮することが基本です。癌の治療法に、こうすれば必ずこうなるという方程式のようなものはありませんが、「現在の医学では、手のほどこしようがない」というのは、「病院でできる治療がない」ということですので、あとの二つの治療方法ということになります。「一般的でない治療」と「自分でする治療」です。食欲と体力の維持が大切です。無理な治療はかえって命を短くします。私も同じような患者さんで何もせずに治った人を経験しています。自然治癒だと思います。その人は常に明るく前向きで感謝の気持の強い人でした。しかし、残念ながら奇跡はほとんど起きません。「病院でできる治療がない」といいましたが、本当は病院で「緩和ケア」を受けなければいけません。治すということができなければ、少しでも苦痛を取ってあげて、普通の生活ができるようにしてあげることです。現在の状況が分かりませんが、医学的な常識から言えばお正月が迎えられるかどうかということになります。

「私たちがガンを治した体験談集」という本の中の帯津先生の言葉が大変参考になると思います。「ひとつひとつの症例をじっくり読んで、治癒の条件を読み取ってください。どういう治療をしたかが関心の的になりがちですが、そうではなくて、その人が、病気のなかで、どういう生き方をしたかに焦点をあてて読んでください。治療法そのものよりも、その人が各種療法にどうかかわっていったのかというなかに、治癒のヒントがあるように思えるからです。」どう生きるのか? 生と死を考える機会を与えられたと思って、自分でいろいろ勉強してみてください。病院での治療以外にできることは沢山あります。こうすれば必ず治るというような方法はありませんが、どの方法でも(丸山ワクチンでも漢方薬でも)良くなった(治った?)人が必ずいます。母上にあった方法を見つけてあげてください。

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