[悪性リンパ腫]

[再発した悪性リンパ腫に無菌室で自家末梢血幹細胞移植をして10倍強い抗癌剤を使う]
[悪性リンパ腫で化学療法が効いたが自家末梢血幹細胞移植をすべきか?]

[免疫芽球性リンパ節症と言われたが今後の病状の予想は?]
[悪性リンパ腫の第4期で化学療法をしているが良くならない]
[脇の下のしこりに気付き乳癌のように切除されたが悪性リンパ腫だった]
[悪性リンパ腫で自家末梢血幹細胞移植を併用した化学療法は?]

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[再発した悪性リンパ腫に無菌室で自家末梢血幹細胞移植をして10倍強い抗癌剤を使う]

(相談)シドニー1999.12.12
初めてお便りさせて頂きます。来年1月に70歳になる父は、去年10月悪性リンパ種(頚部)と診断され、6回に渡る抗がん剤治療と、25回に分けて放射線治療を受け、3月に無事退院し、その後定期検診を受けておりましたが、今年11月にそけい部に再発が確認され、12月より再入院しています。今回の再発の治療として、前回より10倍強い抗がん剤を打ち、無菌室に入り、自家末梢血管細胞移植を行い、それでも生存率は10〜20%と担当のお医者さんから本人へ宣告されております。娘として、高齢の父がそんな強い抗がん剤に勝てるだけの体力があるとは思えなく、却って寿命を縮めるだけのような気がしてならなく、それよりももう少し軽い抗がん剤で騙し騙し延命を計りながらやりたい事をしたらいいと思っているのですが、初めからこんな風にあきらめてしまってはいけないのでしょうか?来年から本格的な治療が始まるので、それまでに家族で治療方針を決定しないといけなく(病院側は初めからその強い抗がん剤治療と決定している)、大変迷っています。本人は10%の可能性に賭けてみたいようでもあり、その治療に対して大変不安に思っている、といった感じで、家族の意見を求めています。今日、メールさせて頂いたのはもちろん、先生に決めて頂きたいということではなく、高齢者の悪性リンパ種の再発で、前回の10倍もの強い抗がん剤治療がどのような副作用をもたらす可能性があるのか、教えて頂きたいのです。 本人がどれほど苦しむのかなどができれば知りたく、その上でもう一度検討してみたいと思っています。担当医からは「内臓がやられて、死ぬ可能性もある」と言われ、本当に不安です。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。最後に、見ず知らずの私のメールを読んでくださって、ありがとうございました。

(答え)1999.12.12
お答えします。大変ご心配のことと思います。リンパ腫の細胞の種類によって、悪性度が少し違いますが、年齢的には化学療法(抗癌剤治療)を受けるギリギリの年齢だと思います。できるかどうかは本人の体力と気力によります。担当医に化学療法の危険性や予想される結果について良く聴いて、本人が納得できれば病院での治療を受けることにしてはいかがでしょうか。10%の可能性ということは、10人のうち9人は助からないということです。しかも、その9人は大変辛い副作用の状態で入院のままで、残された命は何もしない場合よりずっと短くなります。何もしない場合の見通しも聴いてみてください。病院の医師は、悪性腫瘍と闘う方法として、手術と化学療法と放射線療法という方法しか持っていません。一方、病院での治療以外の治療は沢山あります。選択は本人の生き方の問題ですので、残された時間をどのように使うかということを考えて見てください。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.12.13
数野先生、早速のお返事本当に有り難うございました。ホームページを見させて頂いて、みなさんが先生からお返事があった事に驚きと感激を訴えておられましたが、私もこんなにすぐにお返事が頂けるなんて夢にも思っていなかったので、皆さん同様、驚き、そして感謝致しております。父の件(悪性リンパ種)では、昨日もう一度実家に電話を入れてみたところ、父本人が強い抗がん剤治療を受ける決意をしたようです。私としてはまだ「本当にそれでいいのかなあ」という気持ちです。というのも、父も母もその抗がん剤を受けた後の副作用などの説明を簡単には受けていますが、先生は治療をする前提で説明しているので、十人のうちの九人に入ってしまった場合の悪い方の話しはあまりなかったようで、なんとなく事実を楽観しし過ぎているような気がするからです。今日、数野先生にアドバイスを頂けて本当によかったです。他に専門的に聞ける人は全くおらず、医学書などでも悪性リンパ種のことはあまり詳しく載っておらず、医学的な情報が全くない状態でしたので、つらかったです。その強い抗がん剤を打つまでにまだ日がありますので(今は前回と同じ抗がん剤を打っていますが、元気にしているようです。強い抗がん剤は年が明けてから打つそうです。)、もう一度よく話し合いたいと思います。最後にあつかましいですが、もう一度質問させて頂いてよろしいですか?前回の時の病院は自家末梢血幹細胞移植をする設備のなかったところのようで、そんな言葉は一度も聞いた事がなく、今回再発した時も一切そんな言葉は出てこなかったのですが、初めから今の病院で強い抗がん剤を打っていれば再発も免れたのでしょうか?最期はホスピスで・・・と本人も家族も望んでおり、今のホスピスのある病院に変えたのですが、強い抗がん剤を受けて九人に入ってしまうと、ホスピスに入る余裕も無くなってしまうのでしょうか?もちろん個人差はあると思いますが、一般的にどうなのかもし分かれば教えて頂きたいのでどうかよろしくお願いします。本当に毎日たくさん、いろんな人たちからメールが届くと思いますが、その中の私のメールも読んでくださってありがとうございました。日本は寒いことと思いますが、数野先生もお身体に気を付けて、お風邪など引きません様に・・・(ちなみに私はシドニーに住んでいますので、今は夏です。)

(答え)1999.12.14
お答えします。

>前回の時の病院は自家末梢血幹細胞移植をする設備のなかったところのようで、そん
>な言葉は一度も聞いた事がなく、今回再発した時も一切そんな言葉は出てこなかった
>のですが、初めから今の病院で強い抗がん剤を打っていれば再発も免れたのでしょう
>か?

そうかも知れませんが、副作用で命を落としたかもしれません。

>最期はホスピスで・・・と本人も家族も望んでおり、今のホスピスのある病院に変え
>たのですが、強い抗がん剤を受けて九人に入ってしまうと、ホスピスに入る余裕も無
>くなってしまうのでしょうか?

その通りです。ホスピスは死ぬための施設ではありません。色々な痛み(心や身体の痛み)や症状を取って、人間らしく生きるための援助をするところです。そのための積極的な治療をします。私は昨年、オーストラリアのホスピスを視察してきました。シドニーでは、ネリンガ・ホスピタルとセイクリッド・ハート・ホスピスを見てきました。日本ではまだまだ、ホスピスに対する知識や理解が少なく、施設やシステムの普及が遅れています。日本人は最期まで闘う人が多いように思います。告知の問題や医師の考え方、日本人の宗教観などのためだと思います。シドニーの美しい景色を思いだします。オリンピックでにぎやかになることでしょうね。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.12.14
数野先生、こんにちは。再度に渡り、お返事ありがとうございました。先生のアドバイスを充分参考にさせて頂き、今後も日本の両親、姉妹たちと連絡を取り合って、いろいろ考えていきたいと思います。父は再発がわかってすぐにシドニーの私たちのところに遊びに来てくれ、「出来る事ならシドニーの病院に入りたい(入院費がとても高いので無理ですが)」と言っていたほど、シドニーを気に入ってくれています。その時も、そけい部のしこりさえなければ食欲もあり、元気だったのに・・・と思うと今の状況の方が悪い夢を見ているようなそんな気さえしてきます。また、どうしてもわからなくて途方にくれてしまったら、メールを送らせて頂くかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。本当に的確なアドバイスをありがとうございました。来年も良いお年をお迎えください。

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[悪性リンパ腫で化学療法が効いたが自家末梢血幹細胞移植をすべきか?]

(相談)1999.6.9
ちゃびん先生、はじめまして。現在親しい友人(40歳)が悪性リンパ腫と闘っております。いろいろ調べているうちに、先生のサイトにたどりつき、情報を得たり、元気付けられたり大変感謝しております。相談にのっていただきたくて、私もメールさせていただきます。だるさ、食欲不振などは全くなく、首と足の付け根にできたしこりを調べに病院へ行きましたところ、発覚したのです。タイプは、難しいことは私はわからないのですが、日本人には少ない型のものだそうです。背骨の周りにもがんがくっついている、脳や骨髄には入っていない、という進行具合だそうです。彼は先月の連休明けから入院し、治療を受けていました。当初は、2〜3ヶ月といわれていましたが、背骨にくっついていたやつは抗がん剤がよく効いたようで、レントゲンではほぼ正常と認められたそうです。経過良好のため、3週間で退院できました。とはいえ、薬が効きやすいが、なかなか治りにくいというやっかいなものだそうです。現在は通院しながら抗がん剤治療を継続しています。会社にも出勤しています。とても、とても前向きにがんばっています。退院後、会うことが出来たのですが、入院前より元気そうで、やはり具合が悪かったのだなと実感しました。

相談にのっていただきたいのは、自家末梢血幹細胞移植についてです。より再発を防ぐためにと、先生から薦められたそうなのです。ただし、先生も、絶対必要ともいえないし、彼の場合しなくても大丈夫かもしれないし、はっきりとは分からない。いわば保険のようなものだ、とおっしゃるのです。本人は、1%でも有効ならば受ける、と申しているのですが、なにせお医者さんもわからない、というので大変迷っています。その際は輸血もまぬがれないというのも心配なようです。私は先生のサイトを見て「セカンド・オピニオン」で他の病院の先生に相談したら、と薦めたのですが、検査もしないで、そんな相談だけのってくれないでしょう、と本人に言われてしまいました。自家末梢血幹細胞移植とは本当に安全で効果的なのか、副作用はどのくらいなのかについて教えて下さい。ちなみに、彼は第2回目の抗がん剤のときにちょっと吐いてしまったりしただけで、先生もびっくりするほど、副作用が少ないそうです。核酸を飲んでもらっているのですが、その効果もあるのでしょうか?それと、セカンドオピニオンを求めたい際にも、やはり一般の外来と同様に一からの検査が必要なのですか?いろいろ書いてしまってすみません。読んで下さってありがとうございました。御忙しい中恐縮です。よろしくお願いいたします。

(答え)1999.6.10
お答えします。大変ご心配のことと思います。悪性リンパ腫は、化学療法(抗癌剤治療)や放射線療法がよく効く悪性腫瘍です。「首と足の付け根にできたしこり」ということですので、少なくともステージ3ということになります。「日本人には少ない型」というのは、「ホジキン病」のことでしょうか。もしそうであれば、少し悪性度は低く、比較的治りやすいものです。

自家末梢血幹細胞移植は、強力な化学療法を行うときに行うもので、これによって充分な量の抗癌剤を使った治療が可能となり、治療成績が良くなりました。抗癌剤治療による副作用(白血球減少)を防ぐための方法で、「再発を防ぐため」「保険のようなもの」というような「治療」ではありませんし、「輸血もまぬがれない」というのも聞き違いと思いますので、担当医にもう一度よく聴いてみてください。いずれにしても、このような治療は高度に専門的な治療となりますので、充分な設備(たとえば無菌室や化学療法部門など)があり、経験の豊富な医師による治療を受ければ、治療成績が良くなります。「セカンド・オピニオン」の希望もあるようでしたら、担当医に話して、紹介してもらうのが良いと思います。病院での治療以外の、自分でする治療は自由だと思いますので、良いと思うものをしてみてください。医師がおすすめできるようなものはありません。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.6.11
ちゃびん先生、こんにちは。お忙しい中、さっそく返信いただき、びっくり感激しております。さて、先生に教えていただいた自家末梢血幹細胞移植の件、本人に確認してみました。
>副作用(白血球減少)を防ぐための方法で、「再発を防ぐため」「保険のようなもの」というような「治療」ではありませんし、「輸血もまぬがれない」というのも聞き違いと思いますので、担当医にもう一度よく聴いてみてください。
お医者さんから受けた説明は、だいたい以下のようなものだったそうです。
・自家末梢血幹細胞移植を用いて強力な治療をすることで、より高い効果を得ることができる。
・それによって再発する可能性を下げられるのではないか。
・ただし副作用も強烈で、血小板などを補うための成分輸血をする。
・他の器官が弱ってしまう可能性もある。
「保険のようなもの」というのは、移植の準備の、血を採る作業のことだそうです。今回移植を用いた治療をしなかったとしても、5年間凍結保存させておいて、万が一再発した時のために備えることができる、というものだそうです。彼の場合、日本人に少ない型なので前例がなく、先生もリスクと効果を考えたら本当に彼のケースに有効かどうかわからないといっておられるのだそうです。私も正確に把握していなくて、先生に上手く伝えられなかったのです。すみません。だいたいこういう内容です。

今回は、友人は通常の抗がん剤治療をひととおり(6〜8回)受けて、CTなどの結果が良好だったら、この治療を受けない方向で考えているのですが、先生はどう思いますか?今日は東京はすごく暑いです。ご多忙の日々と思いますが、どうか良い週末をお過ごし下さい。

(答え)1999.6.12
お答えします。まず問題を整理してみましょう。病気は、日本人に少ない型の悪性リンパ腫(細胞の種類によって分類されていて何種類かある)で、病期はおそらくステージ3(1から4まであり、4が最も進行したもの)ということだと思います。治療は、化学療法(抗癌剤治療)を受けて、副作用も少なく良く効いたということですね。

さて、悪性リンパ腫は化学療法や放射線療法が良く効く悪性腫瘍(癌)ですが、やはり癌ですので再発しやすく治りにくいものです。特に注意しなければいけないのは、最初に受ける化学療法や放射線療法は驚くほど良く効きますが、再発した場合には効きにくくなるので、充分強力な治療を受けておく必要があると思います。

あなたの友人の場合、主治医は再発したときの治療のことを考えて自家末梢血幹細胞移植のことを言ったのだと思います。再発を前提にした話しです。その場合には、より強力な抗癌剤による治療や放射線療法が必要となります。そのような強力な治療の副作用のなかで最も問題となる副作用が、血液を作る骨髄に対する副作用です。貧血になり、白血球や血小板が減少します。そうなると、身体はしんどくなり、細菌感染を起こしやすくなって感染した場合には重症となって、命取りとなります。また血が出て止らなくなります(出血傾向)。このような重い副作用を防ぐ方法として、自家末梢血幹細胞移植があります。これによって白血球の減少を防ぐことができます。貧血(赤血球の減少)や血小板などを補うためには、必要なものだけを補う(輸血する)ために成分輸血をします。このようにして、より安全に、より強力な治療ができれば、より高い効果を得ることができるということになります。それでも皆治るとは言えないのが癌です。

きわめて専門的な高度な医療ですのが、設備が整った病院で、経験の豊富な医師によって行われれば、そんなに危険なものではありません。「日本人に少ない型なので前例がなく、先生もリスクと効果を考えたら本当に彼のケースに有効かどうかわからない」ということですので、やはり経験のある病院で治療を受けるべきではないでしょうか。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.6.16
ちゃびん先生へ、こんにちは。メールありがとうございました。友人の病気のことで相談させていただいております、○○です。毎回、詳しいアドバイスを下さり、大変感謝しています。本人にもプリントアウトして読んでもらいました。すごくわかりやすく的確な説明、と感激しておりました。
「あなたの友人の場合、主治医は再発したときの治療のことを考えて自家末梢血幹細胞移植のことを言ったのだと思います。再発を前提にした話しです。」
ちゃびん先生のおっしゃる通り、お医者さんがこれからの治療方法について話をされた際に、いくつかの選択肢のうちの1つとして挙げられたのだそうです。とりあえず、万が一再発したときに備えて、比較的状態がよい今のうちに血中の成分を採って保存しておくことになりました。また、再発する前に、今やっている標準的な抗癌剤治療につづいて、自家末梢血幹細胞移植を用いて強力な抗癌剤の投与をするという選択もあるそうです。そうするどうかは、もうすぐCTを撮るので、その結果次第で相談して決めるとのことです。ちなみに、彼の腫瘍のタイプは、ロホウ型というそうです。毎日色々な人から沢山のメールが先生のところへ寄せられているのでしょうね。それもいろんな種類の相談で、それぞれに返信しておられるのですね。しかも無料で。話を読んで下さるだけでもありがたいのに、すぐにお返事を下さる。こんな先生他にはいないでしょう。ほんとうに感謝してします。ではまたメールさせていただきます。ありがとうございました。

(相談)2000.7.10
ちゃびん先生、たいへんご無沙汰しております。ほぼ一年前、悪性リンパ腫(ホジキン病)の友人(41歳・男性)について相談にのっていただいた、○○と申します。昨年は先生のアドバイスのおかげで友人も私もどんなにか元気づけられ、いろいろ知識を得ることができたか計り知れません。その後も時折HPは覗かせていただいていたのですが、ちゃんとしたお礼も報告もせず申し訳ありませんでした。

当時採取した末梢血幹細胞を用い大量化学治療をするかどうかで悩んだ結果、先生のアドバイスも重要参考とさせていただき、結局行なわず済んでおります。おかげさまで友人は退院後少しの期間足がむくんだりしたものの、一日も欠勤せず順調に回復し、まるで大変な病気であったことなど嘘みたいだといっていました。その間の病院での定期検診(1ヶ月か2ヶ月に1回の血液検査と半年毎の精密検査)でも経過は良好なようでした。ところが、完全寛解から無事1年を迎えた最近になって、なんだか体がだるい日があると訴えるようになりました。先々週に急遽病院へ行き血液検査をした結果、ある数値が上がっていること、喉が少し腫れていることが告げられ、大変ショックを受けています。それから1週間ほど後の再検査ではその数値は下がっていたそうです。ちなみにその数値は肝臓が疲れたりすると上がるものなのだそうです。現段階ではまだ病気の再発とは断定できないそうで、2週間毎の検査をして経過観察ということになっています。退院してからはこれといった治療も予防もないものですから、健康食品を摂ったりするくらいでした。また、この一年間の彼の生活ぶりは充分な休養をとっていたとも言い切れない、多忙な日々だったと思います。

最初の検査と2回目の検査との間に漢方の先生(以前から予後の体調維持のため勧めていました)のところへ行って処方してもらった煎じ薬やその他健康食品を服用しています。私が見た限りでは、2週間前の検査の頃よりも喉の腫れも足のむくみもだいぶひいているようです。また、本人は最近はだるさ、疲れもほとんど無くなったといっています。私が今回最も気がかりなのは、症状自体は段々と治まっているしまだ再発と決まったわけではないのに、精神的に非常に落ち着かない様子で大変つらそうで、このまま病気でもないのに精神的にどんどんしんどくなってしまうのではないかということです。接していて感じるのは、・表情の疲れた感じ・落ち着きが無い・忘れっぽいなどです。どのようにして少しでも彼の不安を取り去ってあげることができるのか、本人が気持ちを切り替えられるのか、まわりはどのように支えたらいいのか考えているのですが私もよくわからなくなってしまいました。私自身も非常に不安です。でも2人で不安がっていてはいけないと思い、恐縮ですが先生に相談させていただきました。

来月の8日にちゃびん先生のHPで知った帯津先生の病院の予約が取れましたので、行ってきます。その際帯津先生にも相談させていただこうと思っております。ダラダラと長文失礼しました。ご多忙のこととは存じますが、どうかよきアドバイスを宜しくお願い致します。

(答え)2000.7.11
お答えします。起きていることは、肝機能障害と、カゼではないでしょうか。休養と栄養が大切です。きちんと治療すれば大丈夫ではないでしょうか。それにしても、病気を治すためには「心の持ち方と生活習慣の改善」が一番大切ですので、普段からそのような生き方をしなければいけないと思います。自分で治す病気です。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)2000.7.11
ちゃびん先生へ、おはようございます。長々としたメールお読みくださり、またさっそくのお返事ありがとうございました。この「心の持ち方」というのが一番難しいことに思えます。家族、友人ともに一緒に心をしっかりと持ち、生活も改善していかなくてはいけないですね。また、先生のHP中の「手術・治療を終えて退院した日がスタートライン」というお言葉本当にその通りと思います。本人にもまたいただいたメールをプリントし読ませたいと思います。私は今まで健康な状態が当たり前と思ってきましたが、友人の闘病を通じて、心身ともに健康でいられることが、こんなにも貴重であり、ありがたいことであるかと痛感しております。先生ありがとうございました。

(返信)2000.7.12
メイルありがとうございました。自分の健康管理は、自分で責任をもってしなければいけません。生き方(人生観)の問題だと思います。ではまたいつでもメイルをください。

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[免疫芽球性リンパ節症と言われたが今後の病状の予想は?]

(相談)大宮市1999.4.29
前略、突然のメールで失礼いたします。私は、埼玉県大宮市の○○です。(詳細については後述します。)悪性リンパ腫で現在大宮日赤で治療中ですが、月一回の定期検査とその際の5分ほどの診察では、十分なお話が出来ず病状の進行、今後の可能性について不安があります。勝手ではありますが数野先生のご意見及び大宮日赤の先生への”質問の仕方”について、是非ともアドバイスをお願いいたします。

*経過:97.10.会社の定期人間ドック結果で、アレルギー反応が出ていると指摘あり。この頃から両足のすね部分にかゆみがありました。
98.3.頃から、このすね部分が赤く腫れ、かゆみがつづきましが、医者には行かず放置しておりました。 他には自覚症状は無かったとおもいます。
98.6.海外研修中に両足が腫れ、発熱、全身のだるさがありましたが何とか 一週間耐え、(何も治療を受けず)帰国後近所の総合病院の皮膚科、内科で受診しましたが原因不明でした。
98.7.前日夜から両腕部分にも赤い腫れが出て、翌日朝発熱及びだるさの異常が起こりました。6月に受診した病院で、大宮日赤への紹介状を書いてもらい、受診したところ、”血液の病気の可能性がある”との診断で即入院になりました。 7/7から7/30まで検査入院しておりましたが、血液検査、骨髄穿刺、リンパ生検、CT等検査のみで、薬等による治療はありませんでした。
**退院時先生から病名は”免疫芽球性リンパ節症”といわれ今後は”血液内科の専門の先生”の診察を受けて下さいといわれました。 またリンパ生検の結果はグレーだとのことでした。また、保険会社へ提出した入院証明書(診断書)には、以下記入されていました。

***入院の原因となった傷病名:免疫芽球性リンパ節症
発病から初診迄の経過: 98年3月より両下腿に紅斑出現、放置していた。6/14頃より下腹部、背部にも紅斑出現し西大宮病院皮膚科、内科受診、採血結果で白血球18900、好酸球25%であり、当院内科紹介受診、7/7受診時白血球14900、好酸球65%であり、原因検索、精査のため入院。
***初診時の所見及び経過
頚部、そけい部、腋がのリンパ節も腫大しており、7/9に頚部リンパ節生検施行、病理診断では免疫芽球性リンパ節症の診断であった。しかし入院後安静により紅皮症及び好酸球の増加は軽快し、CTによる全身のリンパ節腫脹の検索などを行い、その後外来経過観察とし、7/30退院となった。
98.8.大宮日赤で内科(血液内科専門の先生)の初診。 受診前に血液検査をしましたがもう少し様子を見ましょうとのことで、何の治療もありませんでした。病状はリンパ腫と悪性リンパ腫の中間に位置し、完全に直すのはむづかしいといわれたと思います。 また、グラフの様な青い写真を見せられ、T細胞の遺伝子の再編成を確認した、とのことでした。これが何の意味なのか、この時は不明でしたが、後日改めて聞いたらT細胞が癌化している、とのことでした。
98.9.2回目、白血球21200、LDH790(腫瘍の指標とのことで、具体的には説明ありませんでした。)で、ステロイド治療を始めることになりました。ここから、薬剤の服用が始まり現在に至っています。
1)プレドニゾロン5mg x 4錠
2)アシノン150mg x 1カプセル
3)ウルグート200mg x2カプセル
以上、朝食後一回で服用
尚、この量になるまでには、2)と3)を2倍量朝と夕2回3月末迄飲んでいました。1)は11月頃は、3錠でした。量の変更は、私が副作用が心配なので、可能な限り減らして下さいとお願いしたからです。
99.4/6の検査では、白血球14800、LDH547でした。この時、病状は良くなって居るのですかと尋ねましたら、そうではなく押え込んでいるだけとのことでした。 また、抗がん剤治療の可能性も有りますとのことでした。この日は患者さんが多く特に診療が遅れていて、3時の予約でしたが先生に呼ばれたのは4時半過ぎだったと思います。 こんな状況では先生とゆっくりお話ができません。

*現在の自覚症状:1)かゆみ--ほぼ全身にあります。仕事中は我慢できますが、帰宅入浴後、就寝中に爪でかいてしまいます。 特に痒いのは、両すね、足首、足の裏、両腕のひじから手首の間。
2)ひび割れ--手のひらの爪の回り、指の間接付近がひび割れます。現在は親指のみになりました。
3)皮膚異常--背中を触るとぶつぶつとしたものを感じます。痛みはありません。
4)目の疲労感--常に瞼が重い様な感じがあります。
5)足の付け根の膨らみ--様式トイレに座ったとき、腫れていることが判ります。
6)脇の違和感--何か挟まっている感じです。腕をあげて触ると何かあるかなと言う感じですが、殆どわかりません。
7)咳、痛み--一昨日から、左肩下の背中に痛みがあり、風邪をひいていないのに今朝、咳とタンが出ました。尚、現在熱は有りません。 食欲はあります。 仕事は残業もしています。
*個人データ-45歳、独身、身長167cm、体重65kg、 血圧130/70(97.10.は、114/61)-会社員:内勤事務職、但し週に一度は力仕事があります。98.9.以降の毎月の血液検査データは、手元にあります。99.3.転職し、その際、悪性リンパ腫を隠して診断書を現在の先生に書いて頂き、何とか就職できました。

何か取り留めなく、書いてしまいましたがこれだけの情報で数野先生からアドバイスが何か、頂けますでしょうか?!私としては、会社も変わったばかり、また万一結婚出来るならしたいと言う状況にあるのですが、病状の展開がわからないと決断の仕様が有りません。医学的に病状がどうなる可能性があるのか、お教え下さい。以上、まことに勝手ながら宜しくお願いいたします。

(答え)1999.5.1
お答えします。病名は”免疫芽球性リンパ節症”といわれ今後は”血液内科の専門の先生”の診察を受けて下さいといわれた。 またリンパ生検の結果はグレー。大宮日赤で内科(血液内科専門の先生)を 受診。 病状はリンパ腫と悪性リンパ腫の中間に位置し、完全に直すのはむづかしいといわれた。T細胞が癌化している。抗がん剤治療の可能性も有るとのこと。大変ご心配のことと思います。現在、最も一般的に使用されている医師用の参考書(今日の診断指針)で「免疫芽球性リンパ節症」を調べると、悪性リンパ腫の項の鑑別診断を必要とする疾患にあげてありますが、詳しい説明はありません。その部分をコピーしておきますが、あなたは「IBL様T細胞リンパ腫」のようです。

悪性リンパ腫*Malignant Lymphoma
押味和夫  順天堂大学教授・血液内科
免疫芽球性リンパ節症(IBL)およびIBL様T細胞リンパ腫:病理組織診断が基本であるが,表面マーカー検査,T細胞抗原レセプター遺伝子解析,染色体検査を行い,すべての検査で単クローン性の増殖が疑われたらIBL様T細胞リンパ腫を強く疑い,すべての検査で多クローン性の増殖が疑われたらIBLを強く疑う.(今日の診断指針第4版/(c)1998 IGAKU-SHOIN Tokyo)

血液関係の病気の診断と治療は、高度に専門的ですので現在診ていただいている先生に、今後の見通しなどについてよく聴いてみてください。現在の状況と今後の病状の予想、考えられる治療方法と予想される治療の結果など、聴きたいことをメモしておいて診察の時に聴くか、手紙を出すことです。大宮日赤の内科には、私の甥がいますので、研修医ではありますが、相談されても良いと思います。きっと上司の先生に聴いてくれると思います。竹下昌孝といいます。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.5.4
前略、数野先生、返信メール大変ありがとうございました。5月11日受診予定時に、事前に質問事項をメモして行き要領良く要点を伺うつもりです。万一それでも、解決出来ない不安とか疑問とか残った場合は、お手数ですがまた、数野先生にメールを送らせて下さい。体調が良くないのに予定してあったものですから連休に温泉へ出かけ本日帰ってきました。お礼が遅くなった事をお詫び致します。また、貴重なお時間を割いて頂きまして本当に感謝いたします。 草々 ○○

(相談)1999.5.16
前略、またお手数をお掛けしてしまいますが、先生のコメントが頂ければ幸いです。私は、先日悪性リンパ腫のアドバイスを頂きました、○○です。5/11受診時に担当の先生に尋ねた質問及び回答は以下です。
1)現在の病状は?−−−悪性リンパ腫の初期
2)病状の予測は?−−−予測出来ない、不明
3)治療方法は?−−−−抗癌剤は未だ早い
4)生活上の制約は?−−全く無し(何を飲食しても良い、但し無理はいけない)
5)咳、タン、熱の原因は?−−風邪または軽い気管支炎(りんぱ腫が原因で炎症に感染し易い)
6)癌化したT細胞は元に戻るか?−−無理だと思う

*1)−−6)から判断すると、私は今後も普通の日常生活を営み、毎月一回の検診を受け、万一その際病状の悪化進展があった場合は、抗癌剤治療を行う。その時期の予測は不可能だし、現在これ以外の治療方法は無い。____と、 理解すれば良いのでしょうか??。

(付記) 担当の先生に対する不信感はありません。唯、理解力に欠ける患者に対してもっと診療時間にゆとりの有る医療機関(病院)はあるのでしょうか?!そう言えば、悪性リンパ腫がいかなる病気かの説明は今まで有りませんでした。私の知識は、数野先生及び国立癌センターのH.P.等のものです。これはやはり、質問しない患者の落ち度でしょうか。 または勉強しない患者の落ち度でしょうか。

(答え)1999.5.17
お答えします。あなたが理解されている通りだと思います。現在の医療制度のもとで、保険診療をしている医療機関では、どこも同じような状況だと思います。それでも、分からないことがあれば、遠慮せずに質問すべきです。病院での治療以外にも、できることがあれば試してみるのも良いでしょう。ただし、法外に治療費が高いものや、何でも治るというようなものは避けたほうが良いと思います。ある程度、自分で勉強してみてください。専門は違いますが、川越市にある帯津三敬病院の帯津先生(日本ホリスティック医学協会会長)などにも、一度相談してみると良いかもしれません。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.5.19
前略、数野先生、お応え大変ありがとうございました。またメールを読むのが本日になってしまいましたが、感謝致します。自分自身、前向きに現実と取り組みたく考えております。草々

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[悪性リンパ腫の第4期で化学療法をしているが良くならない]

(相談)1998.12.22
インターネットでこのようなページが有るのを発見し、誠に勝手ながらメールさせていただきます。

病名:悪性リンパ腫、病人:妻(29歳)

私の妻は出産3ヶ月後、腹痛を訴え入院、手術を行いました。結果は腹部臓器に出来ている悪性リンパ腫で最も進行が進んでいる第4期でした。最初は外来で一般的なCHOP療法を3回行いましたが効果があまりなく入院。その後も度重なる化学療法治療、抹消血自家細胞移植も行ったあと、3ヶ月後に再発。その後も化学療法を行ってきましたが、なかなか良くならず約1年が過ぎようとしています。現在の状況としては

・化学療法後に白血球が上がらず(100以下が何日も続く)次の治療になかなか移れない(ただし、薬は良く腫瘍に反応し一時的に小さくはなってくれるのが救いです。)
・口内炎がひどく物が食べられない、しゃべれない
・呼吸が苦しい
・その他血液の成分が標準値からかけ離れている等です。

また、数々の健康食品(プロポリス、アガリクス等)も飲ませましたがはっきり言って効果があったとは言えません。なお現在「丸山ワクチン」も試してみようか考えています。患者自身をはじめ我々周りの人間も「もうどうしようもないのか」とあきらめかけています。なにか希望ある方法はないものか、何か良いアドバイスは無いものか、藁をもつかむ思いでメールさせていただきました。生まれたばかりの子供のためになんとか元気にしてあげたいと気持ちでいっぱいです。なにとぞよろしくお願いします。

(答え)1998.12.22
お答えします。現在、悪性リンパ腫の治療は化学療法や放射線療法の進歩で、第4期でも5年生存率が約50%とされています。高度に専門的な治療を必要としますので、経験豊富な専門医によって、設備の整った病院での治療となります。すでに、そのような施設で治療を受けておられると思いますので、専門医を信頼して治療を続けることになります。大変辛い治療ですが、効果を期待してがんばることです。

免疫療法も効果が期待できますが、激しい化学療法の直後では、ほとんど効果がありません。健康食品は信じて飲めるものがあれば一つか二つにして続けることです。「丸山ワクチン」については、分かりません。個人的には丸山ワクチンで良くなったという人を知りません。やはり、精神的な効果だと思います。どんな治療でも治ると信じて受ければある程度の効果は期待できます。主治医に、現在の状態、この後の治療方法、治療効果の見込みなどを良く聴いて、納得できれば、すすめられた治療を受けることです。治療方法は、いくつかの選択肢があるはずです。その中から、自分で納得できて、信じて受けられるものを選んでください。(治療を受けないのも一つの選択です。)

治療成績が50%といっても、本人にとっては、100%か0%のどちらかしかありませんが、病院での治療で治せる癌の一つですので、治ると信じて頑張ってください。ではまたいつでもメイルをください。参考までに、一冊の本を紹介しておきます。是非、読んでみてください。

奥迫康子著(家の光協会出版1400円)「真利栄ちゃんママがんばってるよー絨毛がんに冒された母と子」

(返礼)1998.12.24
メールありがとうございました。本当に返事が返ってくるとは思いませんでした。感謝で胸がいっぱいです。お言葉に甘えてまた状況が変わった時点で再度メールさせていただきますのでよろしくお願いします。ところでこのように広く意見を求めるためにはどんな方法が良いのでしょう?もしそこからヒントがあればうれしいのですが。(ただし私も主治医の言葉を第一に信じるべきだとは理解しています)

(返事)1998.12.28
メイルありがとうございました。
「本当に返事が返ってくるとは思いませんでした。感謝で胸がいっぱいです。」

相談に対して、お答えしなかったことは、一度もありません。相談のメイルの内容から、私の分かる範囲で精一杯、答えさせていただいています。ところで、私の答えは少しは参考になりましたでしょうか?どのように役に立ちましたでしょうか?役に立ちませんでしたでしょうか?メイルに対する反応を見ながら、少しずつ進歩させているつもりです。

「ところでこのように広く意見を求めるためにはどんな方法が良いのでしょう?」
そのようなものが無いから、このようなことをしています。どんな方法をご希望でしょうか?参考にしますから教えてください。

問に対して答えること、手紙に対して返事をすること、それは礼儀であり、最低限のモラルだと思います。挨拶されたら、挨拶をかえすようなものです。今、マスコミではこのようなサイトのことが色々と問題になっています。私も少し考えなければいけないと思いました。やはり、モラルが守られないようであれば、規制ということになります。私も最初は、住所・氏名・年齢・職業を書いたうえでの相談という制限をつけていましたが、守られないことが多く、本当に困り悩んでいる人のために少しでも役にたてるようにと、その制限ははずしました。今後、有料化も含めて再検討したいと思います。大変参考になりました。ではまたいつでもメイルをください。

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[脇の下のしこりに気付き乳癌のように切除されたが悪性リンパ腫だった]

(相談)1998.11.21
突然メールさせて頂きます。主人の父(78歳)が先日11/16に悪性リンパ腫と診断されました。多少疑問に思うところがありますので、ご相談申し上げます。10月初め、左脇の下にコリコリするしこりを発見、東京の大学病院の付属病院の外科で診察、10/16CT検査、10/26入院、11/2手術と決まる。
10/28 手術の説明。検査結果で、胃や腸に異常なし。ただの脂肪との事。しかし、取ったものを検査してみないとわからないとの事。肝臓、腎臓については術後に検査する。
11/2 手術。外からわかったしこりと、あとふたつの計3つを取る。もしかしたら、悪いものの可能性がある。乳がんの手術のように切除したので、傷口が治るまで時間がかかる。取ったものの検査結果は三週間くらいかかるかも知れない。
11/16 検査結果「悪性リンパ腫」で内科に移転して、抗がん剤の治療をする。義父にも告知をした。ただ、他からの転移ではなくステージ1とみていいのではないか。翌日内科に移転。
11/20 病院より呼び出し。かなり進行が早いので、東京の病院(本院?)に転院した方がより良い治療ができるとの事。三ヶ月くらいしかもたないようなことを言われる。

義父はもう高齢なので、できれば手術などしないで、と思ったのですが、ただの脂肪という事なので手術を承諾したのですが、このような結果になってしまい、まだ傷口もリンパ液が吸収されないのでなかなか治りそうにありません。それまでは、脇の下にしこりがあるだけで、自覚症状は全くなく、好きなゴルフもしていたので、安易に手術をしない方がよかったのでは無いでしょうか?東京の病院では義母が通うのに大変なので、別の病院への移転をいま検討しているところなのですが、やはり悪性リンパ腫は最初の血液検査やCT、超音波では発見しにくいのでしょうか?ご助言お願いいたします。

(答え)1998.11.22
お答えします。安易に手術をしない方がよかったと思います。症状からすれば、当然「悪性リンパ腫」の可能性が考えられたと思います。悪性リンパ腫が疑われた場合には、診断のために腫れたリンパ節を一つだけ取ります。顕微鏡検査で診断をつけるわけですが、病理学の専門の医師でも診断は難しく、診断がついた場合には、化学療法(抗癌剤治療)や放射線療法が必要となりますが、悪性リンパ腫の治療を沢山手掛けている医師(病院)での治療が必要です。もちろん入院治療が必要です。

悪性リンパ腫は最初の診察で、診察した医師が悪性リンパ腫を疑うかどうかということで決まります。悪性リンパ腫が疑われた場合には、専門医での検査と治療が必要となります。メイルから判断すると、経験の少ない医師による手術と思われます。大学病院というところは、医師や医学生の教育と、医学研究のための施設ですので、一般の人が期待するような良医(診察、診断、治療など、病気の人を診る能力の高い医師)は少ないのが日本の現状です。特に大学病院の分院ともなると、かなりレベルの低いところが多いようです。ではまたいつでもメイルをください。

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[悪性リンパ腫で自家末梢血幹細胞移植を併用した化学療法は?]

(相談)1998.11.10
『今日(11/4)、静岡日赤病院で○○先生から治療方針の説明をうけてきました。まず先生の見解としては再発の可能性が濃いということです。つまり、放射線治療の副作用で患部の治療効果が確認できず半年かかって治まってきたところで検査したらその間に再発したのだろうということです。はっきり言ってかなりショックでした。今回の治療内容は前回と違う組み合わせの点滴治療になります。全部で5日間の点滴で(24時間点滴、つまりは120時間点滴しっぱなしということ)4〜5週間空ける。これを1クールとして1〜2回行う予定です。更にこれは前回の説明にもありましたが、化学療法による点滴の大量投与をする為に、その効果があるかどうか確認する為の点滴だそうです。この化学療法による点滴の大量投与とは『自分の血液の成分細胞(幹細胞と言う)をあらかじめ採取しておき白血球が下がってきて立ち上げるときに使う(自己末梢血幹細胞移植)』をしながら行う治療です。その際には静岡日赤病院では行えず、東京の慶応医大病院か名古屋日赤病院に転院しなければならないそうです。当然、今回の点滴で効果が認められなければその治療方法は行わず、また違う組み合わせの化学治療になるのです。前回の話では、化学療法による点滴の大量投与でなく前治療時に使った点滴、あるいは違う組合せの点滴治療を行うように言っていたのですが○○先生や慶応医大病院の助教授等と協議した結果そうする事が最良の治療方法だろうということでした。

治療は早速明日(11/5)から始まります。副作用の危険性としては
1、脱毛
2、気持ち悪さ(吐き気等):これは前回よりかなりきついらしいです。
3、腎不全、腎きん症:腎臓
4、心不全:心臓
これらがおもだったものです。点滴の内容で副作用が変ってくるそうで、1と2はだいたい全てにあるそうで4は前回の点滴が主、今回一番強いのは3だそうです。更に怖いのが今回点滴する液が漏れた場合、その液が付いたところの細胞は死んでしまいつまりは潰瘍になってしまうということでした。漏れないよう充分に注意はするということですが5日間点滴のしっぱなしなので夜、眠っているときが可能性があるかもしれないです。そのこともあり点滴する場所も胸からやることになりました。良い点としては固定されていることで漏れの可能性は腕より少ないことと、両手が空くので本人自身も都合がよいということ、あまり食事が喉を通らず痩せてきているのですがそれで腕よりも充分に栄養を点滴補給できるということです。逆に悪い点は一つ目に気胸(肺に穴が空く)ができる可能性があるということです。これについては先生が言うにはそれほど害はなく徐々に塞がっていくと言う事でした。2つ目は腕よりもばい菌に感染しやすいことですが、これも先生が言うには長期の場合が殆どで5日間だけなら大丈夫だろうということです。腕とどちらが良いか迷ったのですが本人の痩せていくのがたまらなかったことと、本人自身も腕のほうが負担がかかっていやがっていたこともあって胸からということになったのです。以上が今日の内容です。明日から治療で、治療内容も不安だらけなのですががんばってやっていくしかありません。でも本人も「がんばるよ。」とあかるくふるまってはいましたが帰り際に「喉だけが悪い私が何でこんな目にあわなければいけないんだろう。」と泣き出したのがとてもたまらなかったです。今度こそ元気になってほしいです。』

はじめまして。これは、先日私の妻の治療方針についての内容を妻の姉妹に知らせるために書いた文書です。妻は今年30歳で一昨年の秋に悪性リンパ腫と診断され半年間治療をし、昨年4月退院しました。退院したと言っても一時退院で、それまで治療した効果を診るのに時間がかかり10月やっと患部の具合を診たところまだ、癌細胞があるということで、その月の末に再入院しました。そして検査の結果が上の内容です。病状としては喉(食道の入り口あたり)にだけできているもので、他には認められず1回目の治療では一般的な抗がん剤を投与(6クール)そのあと放射線治療をしました。(回数は忘れましたが通常より多くやったと思います。)放射線治療の副作用のため患部が焼けどのような状態で組織を採取できず、上記のように10月にやっと再検査し、また、癌細胞が発見されました。先生の見解は再発とみているようです。

お聞きしたいのは『化学療法による点滴の大量投与「自分の血液の成分細胞(幹細胞と言う)をあらかじめ採取しておき白血球が下がってきて立ち上げるときに使う(自己末梢血幹細胞移植)」をしながら行う治療』の利点、不利点、更に最近友人に聞いたのですが新しい治療ほうができたらしいのですが、なんでも癌細胞は元々人間にはあって悪くなっても自己治癒力が働かないらしく、でも、それに何かをすると身体が治すように働きかけるようになるらしいのです。癌学会というのがあってそこの内のある先生(横浜の病院らしい)が発見したとか。さらには副作用もないということでした。TVでもやったそうで、問い合わせが殺到し、病院がパニックになったとか。ですが、まだ厚生省の認可がなく多量のお金がかかってしまうと言う事も言っておりました。友人からの又聞きなのでどんなものかまだあまりよくわからず、でもかなりの確立で治るということなのでどうしたものか考えています。巷にはあれが効くこれが効くというものが横行しており信憑性にかけるのも確かですが、神にもすがる思いなので、もし知っていることがあれば教えてほしいのです。今は治療の他に自然食品ですがアガリクス茸という茸の粉末剤を飲んでいます。これは病院の先生も飲んでかまわないと許可は得ています。長々となりすみません。癌患者の身内がこんなにも精神的につらいとは思いませんでした。しかし、本人が一番つらいので一生懸命支えになるようにがんばります。どうかよろしくお願いします。

(答え)1998.11.11
お答えします。まず、悪性リンパ腫は、細胞の種類によって悪性度が異なる色々なタイプがありますが、再発したところをみると、かなり悪性度の高いものだと思います。いずれにしても、治療方法は化学療法(抗癌剤治療)と放射線療法です。治療にはよく反応します(治療がよく効く)が、放射線療法は一度しか効きません。やはり強力な化学療法をしなければいけません。化学療法には、色々な副作用がありますが、特にこわいのは血液の中の白血球が減少してしまうことです。白血球減少に対する治療は、G-CSFという薬を使うか、自家末梢血幹細胞移植を行います。自家末梢血幹細胞移植を併用すれば、非常に強力な化学療法が行えます。それが利点です。しかし、この方法はどの病院でもできるものではなく(これが欠点です)、白血病や悪性リンパ腫や、他の癌に対する化学療法を専門に行っている病院でしか受けられません。逆に言えば、そのような病院で治療を受けるべきです。

いずれにしても、治療は大変つらいことの連続ですので、患者さん自身が自分の病気のことをよく理解して、治療を受けないと治療に耐えられません。同じように化学療法で癌を治した人が書いた本がありますので、読んでもらってください。奥迫康子著(家の光協会出版1400円)、「真利栄ちゃんママがんばってるよー絨毛がんに冒された母と子」という本です。自分の病気と治療のことをよく知って、まず病院での治療を受けて、そのうえで、病院でできない民間療法などの治療を受けるかどうか考えてみてください。悪性リンパ腫は、化学療法がよく効く癌です。病院での治療以外で、癌を治すことができれば、誰も苦労はしません。自分でよく調べてみて、決めることです。病院以外の治療で、医者がおすすめできるようなものは、ありません。納得できれば、何をされても良いと思います。

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