[卵巣癌1]

[卵巣癌で左の卵巣だけを摘出後、化学療法を受けているが?]
[子宮筋腫と言われて手術をしたら卵巣癌だった]
[卵巣癌の術後化学療法をしているが嘔吐がひどい、他に方法は?]
[卵巣癌の手術を受けたが今後の治療法や健康食品は?]
[卵巣癌の告知を受けたが最小限の治療を受けたいので闘病法は?]

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[卵巣癌で左の卵巣だけを摘出後、化学療法を受けているが?]

(相談)1998.12.7
こんにちは。私の妹(28歳)が10月末に卵巣癌と診断され手術をうけました。夏の終わり頃から腹部が腫れた感じがすると言っていたのですが、もともと生理も不順で、月経痛もひどかったので、本人を含む家族もいつものことだと思っていました。それが、10月に入る頃から見た目も妊婦サンのようにお腹だけがポッコリと膨らんで生理になってもすぐ終わってしまう等、どこかおかしいと言う事で病院へ診察に行ったのです。色々な検査をした結果、卵巣腫瘍の可能性が大きいということで手術することになりました。手術中に医師に呼ばれ卵巣ガンと告げられました。その時は、水が溜まっている左の卵巣だけの摘出をすすめられ、外側にも癌細胞がもれている可能性が大きいと言われました。何日か後に、卵巣癌の1期cだと告げられました。色々な本などで読んだところ、腹水が溜まっていると3・4期と書いてあったので、その時は正直ほっとしたのですが、妹の場合、明細胞がんという癌細胞の中でも一番手強い細胞が発見された、と言う事です。そのため、1期だけど進行癌と説明されました。本などでは、3・4期を進行癌と説明してあるため、良く理解できません。又、どの癌に関する情報でも明細胞癌ということについて説明がないのです。どう違うのでしょうか?11月に入ってから、妹は1回目の抗がん剤の投与を受けました。タキソールという抗がん剤なのですが幸い、思っていたよりも未だこれといった副作用はありません。医師の説明によると、今月末に2回目の抗がん剤投与をし、卵巣・子宮の摘出をすすめられました。担当医の先生に関してはとても信頼をおいていますが、婦人科腫瘍専門医の意見も参考にしたほうが良いのでは?と感じております。 卵巣癌に関して、インターネットや本などで色々調べているのですが患者さんの人数が少ない癌だそうで、なかなか難しいのが現状です。なにかアドバイスなどがあったら宜しくお願い致します。

(答え)1998.12.8
お答えします。やはり、婦人科腫瘍専門医の意見も参考にしたほうが良いと思います。参考までに、我が国の医師の間で最も一般的に使用されている参考書から引用してみます。その中に「移送の判断基準」という項目があります。つまり、この病気は高度に専門的な知識と経験と設備が必要なのです。治療は専門医がいて、設備の整った、実績のある病院で受けるのがベストでしょう。卵巣癌の治療は、手術と化学療法を組み合わせて、綿密に計画的に行います。化学療法がよく効く癌の一つですが、5年生存率(治る可能性)は50%と思われます。

悪性卵巣腫瘍Malignant Ovarian Tumor

診断のポイント
 卵巣悪性腫瘍にも多種のものがあり,これには中間群と悪性群を含む.従って,その分類を熟知していないと正確な診断は困難である.

 分類法としてはWHOの国際組織分類(1973年)があるが,多少煩雑で近々改定の予定である.

 一般的には,上皮性腫瘍には国際産科婦人科連合(FIGO,1990)の組織分類が用いられ,広くは臨床病理学的観点に基づいた日本産科婦人科学会卵巣腫瘍登録委員会分類(1981年)が用いられている.

【1】若年者には胚細胞性腫瘍,高齢者には上皮性悪性腫瘍(以下卵巣癌とする)が好発.

【2】視診,外診,内診,直腸診:充実性(嚢胞部に一部でも充実部を有するものも含む)の80%は悪性である.内診は必ず膀胱を空虚にして行う.
【3】細胞診:(腹水細胞診は)経腹にしろ経ダグラス窩にしろ有用である(有腹水時).

【4】画像診断:超音波断層法は有力である.ついで必要時にX線CTスキャンやMRI撮影を行う.
【5】腫瘍マーカーが決め手になる時もある.

移送の判断基準

【1】超音波断層法などにより悪性を疑い,確診に欠ける時や広がりを知る必要のある時に,CT,MRIを撮る.それらの機器のある施設に依頼する.
【2】いずれにしろ,悪性が疑われたり,確定した時はその取り扱いの専門医のいる施設へ依頼する.

タキソール(一般名:パクリタキセル)についての説明の文章を読んでも、同じようなことが言えます。

パクリタキセルpaclitaxel
商品名タキソール Taxol(BMS) 注:30mg/5mL/V

1日1回210mg/体表面積を3時間かけて点滴静注し,少なくとも3週間休薬.これを1クールとして,繰り返す

*500mLの5%ブドウ糖液又は生食液に混和.尚,0.02ミクロン以下のメンブランフィルターを通して投与

*点滴用セット等で本剤の溶解液が接触する部分に,可塑剤としてDEHPを含有しているものの使用回避

*重篤な過敏症状の発現を防止するため,必ず前投薬を行う〔前投薬:本剤投与約12〜14時間前及び約6〜7時間前にリン酸デキサメタゾンナトリウム注射液(デキサメタゾンとして20mg)を静注,約30分前に塩酸ジフェンヒドラミン錠(50mg)を経口,約30分前に塩酸ラニチジン(ラニチジンとして50mg)を静注

警告!!臨床試験において,骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例(敗血症,脳出血)あるいは前投薬を実施しなかった患者で高度の過敏反応に起因したと考えられる死亡例が認められている.本剤による重篤な過敏症状の発現を防止するため,本剤投与前に必ず前投薬を行うこと.『本剤は骨髄抑制が強いため,投与に際しては緊急時に十分に措置できる設備の整った医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ熟達した医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること.』又,〔禁忌〕,〔慎重〕の項を参照して適応患者の選択に十分注意すること.

 投与に際しては,骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので,頻回に臨床検査(血液検査,肝機能検査,腎機能検査等)を行う等,患者の状態を十分に観察すること.尚,本剤使用にあたっては,添付文書を熟読のこと

ではまたいつでもメイルをください。

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[子宮筋腫と言われて手術をしたら卵巣癌だった]

(相談)1998.9.8
今年の4月24日に母が手術をうけてからずっと,インターネットでガンに関するページを探していました.実は,初め,母も私達家族も"子宮筋腫"の手術をうけるつもりでおりましたので,まったくガンにかんしての知識をもっていなかったのです.しかし,手術の結果,母は卵巣ガンであることがわかりました.それ以来,少しでも役立つ情報を手に入れたくって,毎日のようにネット上で探していたのですが,今日の今日まで,先生のこのページを開かずにいました.他の患者さんの相談メールを拝見しているうちに,今からでも先生に私の母の病状をお知らせしても間に合うかしら...と思い,入院からほぼ半年たった今,このメールを書いています.

母の正式な病名は,"ショウ液性のうほう線ガン”だそうです.今では,予定どうり,5回の抗癌剤の点滴も終了しましたが,その最中にもいろいろなことがありました.一回目の点滴は,4日間だったのですが,嘔吐やムカツキ感がひどく,その上おしっこも想像以上に出にくくなったので,2回目3回めと,一日だけになりました.一日の点滴は,やはり体力的に軽かったようで初めのときほどの吐き気は起こりませんでした.そして,体力もある程度回復した4回目と5回目は,それぞれ二日間ずつの点滴を受けたのです.一日から二日に変えた時の主治医の言葉は,"あなたの体格(母は太っています)では,一日では物足りないので二日にしようね”と,いうものでした.その時,”ほんとは四日間にもどしたいんだけどね,あれはイヤでしょう?"ともいったそうです.

私達家族は,最善の方法でやってもらいたいので本当なら四日間にもどしてもらいたかったのですが,本人がものすごく嫌がったのと,先生が"どっちでも構わない”というような返答だったことから,本来受けるべきはずの日にちでなくなったのです.主治医は,3回目の点滴が終わった後,私達にこう説明しました."5回目がすんだら,もう一度フック鏡をいれて検査します.その時お腹の中を洗って,もう片方の残してある卵巣を調べ,良かっても悪かっても取る積もりでいますので.”私達は,そのつもりでいたのですが,今月の5日,最後の点滴を済ませた後になって,"教授(近畿大学病院に入院しています.)が,もう検査しなくてもいいといってるので,最後の検査は,なしにします.”と言ってきたのです.前は,あんなにもう片方も取ると言っていたのに,今ごろなぜ??と,とても不安になりました.

近大病院は,毎週水曜日に教授回診があり,その時に,退院かどうかが決定するようです.今日は,月曜ですので,あさってには,もしかすると検査もしないまま退院を言い渡されるかもしれません.このまま病院側のいうことをきいてもいいのか,それとも,検査をぜひともしてもらう方がいいのかどうか,アドバイスをいただけませんか.よろしくお願いします.気が動転して,何から書けばいいのか解からずにここまで書いてしまいましたので,情報不足であるかもしれません.すみません。

(答え)1998.9.8
お答えします。手術の前には「子宮筋腫」という診断だったのが、手術を受けた結果が「卵巣ガン」だったということですね。正式な病名が「漿液性嚢胞腺癌」ということは、典型的な卵巣癌ということです。卵巣癌の治療は、手術と化学療法(抗癌剤治療)を組み合わせて行います。癌細胞が残っているかどうかということは、腫瘍マーカーの検査(血液検査)と手術で確かめます。

母上の場合は、手術をして始めて診断がつくくらいの「早期癌」だったわけですから、手術で完全に癌の部分は取れていて、癌細胞は他にちったり、残ったりしていなかったのだと思います。ですから、化学療法も念のためにしたという程度で、あまり厳しくはしなかったのではないでかと思われます。「どっちでも構わないというような返答」というのが本音だったのでしょう。化学療法の結果を腹腔鏡検査で確かめる必要は、最初から無かったのかも知れません。いずれにしても、幸運だったと思います。偶然、早期に発見される以外に、卵巣癌で助かることは無いと思います。ただし、癌ですからいくら早期と言っても100%治るとは言えません。今後も注意深く、定期的な検査を受けてください。近畿大学の婦人科の井上教授は、腫瘍が専門となっていますので心配ないでしょう。またいつでもメイル下さい。

(返礼)1998.9.8
こんなにすぐにお返事をいただけるなんて,とても嬉しいです.先生のおっしゃるとうり,母はお腹の中で悪い卵巣が破裂する前に発見でき,ラッキーだったと思います.でも,手術後に取り出した子宮と卵巣を見せてもらったとき,あまりの大きな卵巣におどろいたことを覚えています.確か,アーモンド大ぐらいだと聞いていたので,母のアヒルの卵大ぐらいの物を見た時,とっても不安になりました.主治医の先生は,"この大きさで,無事に傷をつけずに取り出せたので,安心です.”と言われましたが,私達は逆に,なぜこの大きさになるまでCTやMRIをとったのにうつらなかったんだ!と,医者を疑ってしまいました.卵巣を割って,中から赤黒いドロドロとした液を見た時に先生はいいました.”この液が卵巣の膜を浸透して,お腹の中に広がっている可能性もありますので,点滴を5回うけたあとに再度検査をしたいと思います.”そんなことをいっていたのに,どうして今になって最終的な検査を見送ることになったのかわかりません.こういうことは,よくあることなのですか.それに,点滴をうつ日にちも,当初の予定を変更することもよくあるのですか.母は,一回目の4日間の点滴をうった後,すぐに一日に変更されました.他の市民病院にリンパ腺ガンで入院していた知人は,どんなに”しんどい”と医者にもらしても日数を削減されることはありませんでした.母の主治医の先生は,今年一杯で近大病院を辞めて,親元の産婦人科をつぐそうです.以前にこの病院の先生が他の病院にかわるとなった時に受け持っていた患者のほとんどが退院になりましたので,今回も同じなのかな,と思ってしまいます.明日の学長回診でどういう結果がでるのかわかりませんが,なにかわかればすぐにメールをおくります.ありがとうございました.

(答え)1998.9.9
お答えします。大学病院ともあろうものが、なぜ誤診したのかわかりません。しかし手術で「無事に傷をつけずに取り出せた」ので「お腹の中に広がっている可能性」はなかったと思います。「再度検査をしたい」というのは主治医の判断であって、「最終的な検査を見送ることになった」のは教授の判断でしょう。大学病院ではよくあることです。母上の場合は、幸運にも手術で癌は完全に摘出されたと思われますので、手術後の化学療法(抗癌剤治療)は、念のために行われたという程度の意味だと思います。そうすると、一回目の4日間の点滴で十分というわけです。それに対して、リンパ腺ガン(悪性リンパ腫)の場合は、手術ができず化学療法が決め手となりますので、徹底的にやります。まったく意味が違います。卵巣癌で治る人は、母上のように幸運な人に限られます。最善の状態でスタートラインに立てたことを感謝し、一日一日を大切に生きてもらってください。

(経過)1998.9.11
先生,お返事ありがとうございました.昨日の学長回診に続き,今日は,母の主治医の先生から現在の病状となぜ検査なしで退院となったのかの説明を受けました.先生がメールに書いてくださったとうり,主治医の判断と学長の判断が異なっていたのです.父が,"でも,(主治医の)先生が検査が必要と思ってらっしゃるんでしたら,私達は,先生の判断におまかせしたいのですが...”と言うと,先生は,自分よりも学長の方が経験が豊富なので学長がしなくてもいいと言われれば,しなくてもいいかな,と思う,といわれました.大学病院って,変なところだと,私は思いました.学長よりも主治医の先生の方が,母のことよくわかってくれているのに学長の意見が優先されないからです.主治医の先生は,母のCTの写真と今までの血液検査の結果を見せながら,私達に説明してくれました.腫瘍マーカーというモノ,全てにおいて,母の数値は15から17の範囲内でしたので点滴は,予防のために打ちました,と言われました.でも,入院中に胃痛で胃を検査してもらった時に見つかった,ポリープはガンではなかったけれども,またいつできるかわからないので胃カメラや大腸検査は,半年ごとにでもうけるように,といいました.先生から直接話しを聞けて,ほっとしたような,それでも不安を感じるようなそんな変な気分です.卵巣は対になっているものですから,私としては,もう一つの方も取ってもらいたいと,思っていたのですが,学長の話しだと,腫瘍マーカーも心配いらない数値だし,今更もう一度,患者さんに痛い思いをさせてまで,検査をする必要性を感じられない,とのことです.私達のように,患者の家族は,そんなとき先生に向かってどうしてもやってもらいたいんです!とは,言いにくいものなんですね.数野先生のことをもっと早くに知っていたら,先生に相談にのってもらいたかったです.後,アイソトープという検査と,胸のレントゲンの検査をして結果,なにも異常がなければ,退院できます.

先生の言われるとうり,母は本当に運が良かったのだと思います.そして,私達もついていたんだと思います.これから母も私達も,母のガンと一緒に生きていかないといけません.でも,半年間やれたことを思い出して,どんなときにでも”きっと良くなる”といい方向に考えて対処していこう,とそういうふうに思います.また,相談にのってください.ありがとうございました.

(返信)1998.9.11
メイルありがとうございました。「腫瘍マーカーも心配いらない数値だし、(手術で癌は完全に取れているし、)今更もう一度、患者さんに痛い思いをさせてまで、検査をする必要性がない」というのが正しい判断だと思います。もし手術の時、明かに癌が残っていたり、その可能性が高ければ、必ずもう一度(一度だけでない場合もあります)、お腹の中を見て確かめます。逆に、大学病院だからという理由で、必要もないのに(研究の目的で)患者さんを痛い目に会わせたりすることが多いという現実もありますので、最近は大学も少しは患者さんの事を考えて、良心的になった(進歩した?)のかなあと感じました。またいつでもメイル下さい。

(相談)1998.9.12
先生,いつもメールありがとうございます.先生からのお返事を見て,心から良かったな,と思います.同じ病気で入院していた他の数人の患者さんは,それぞれの主治医の先生から,"これ以上,この病院にいても検査のしようがないので退院しましょう."といわれて,仕方なく出たそうです.そういうことを考えると,母の場合は本当にラッキーだったと思います.

先生,また質問してもよろしいですか.本で,卵巣癌は,母親がなった場合,娘にも発生しやすい,とありました.私は,今年で27歳になります.祖父母の3人が癌のため亡くなったり,手術を経験していますし,今回,母親が癌にかかりましたので私も,なにかしらの癌検診というものを受けてみたほうがいいのでしょうか.癌は,やはり遺伝しやすい病気なのですか.また,先生のお暇なときにお返事ください.いつもどうもありがとうございます.

(答え)1998.9.13
お答えします。癌家系ということになりますので、やはり十分注意しておいたほうが良いでしょう。癌検診というものは漫然と受けたのではあまり意味がありません。実際、アメリカでは日本のような集団での癌検診はもう10年以上前から、行われなくなりました。しかし、あなたのように、癌家系であったり、特定の癌(卵巣癌)の可能性がある場合には、計画的に検診を受けたほうが良いかも知れませんが、心配すればきりがありません。日頃から健康に注意して、何か異常を感じたり、病院にいく機会があれば検査してもらうようにするのも一つの方法です。またいつでもメイル下さい。

(経過)1998.9.21
先生,前からお話していました,母が19日に退院してきました.アイソトープという検査を最終的に受けて,結果が良かったらしいので母の無理を聞いてもらって,あわただしくバタバタと退院になりました.でも,これからもずっと薬で抗がん剤を摂取していくそうです.それに,白血球や血小板の数値も低いので,22日に血液検査と内診を受けに行きます.まだまだ,大変だとはおもいますが,無事にこうして退院できたことを思うと,ホッとしたようにも思います.また,何か質問がありましたら,連絡させてください.お願いします.いろいろありがとうございます.

(返信)1998.9.21
退院おめでとうございます。これからが大切です。病院での定期的な診察(治療や検査)を必ず受けて下さい。そして癌も自分で治す病気だということを忘れずに、毎日の生活に注意し、前向きの心の持ち方を心掛けてください。笑いとユーモアも忘れずに!ではお元気で。

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[卵巣癌の術後化学療法をしているが嘔吐がひどい、他に方法は?]

(相談)静岡県1998.8.23
突然失礼致します。現在卵巣ガンのため静岡県立総合病院に入院中の母のことでお尋ねしたいことがあります。お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願い致します。

生年月日:昭和15年11月25日 58歳
過去病歴:平成5年11月 脳内出血入院 点滴治療→リハビリ→後遺症殆どなし

今回入院について
・平成10年3月腹痛の為、個人病院に行ったところ問題なしといわれました。レントゲン撮影を希望したが、断られました。
・食欲はありますが、以前のように食べるとすぐ満腹になりそれ以上食べると腹痛がおきました。
・平成10年4月22日(水)右股付根上部が膨らんで近くの個人病院(産婦人科)に行った所『子宮筋腫です。明日にでも市立病院に行ったほうがよい』と言われました。
・平成10年4月23日(木)静岡県立総合病院に行ったところ『おできができているからCT検査の為入院するようにと』言われました。
・平成10年4月27日(月)入院 主治医の説明より卵巣の腫瘍が悪性の可能性が大・手術をするとの事でした。
・平成10年4月30日(木)脳検査、心電図・レントゲン検査
・平成10年5月1日(金)自己輸血第1回400cc・MRI検査
・平成10年5月8日(金)自己輸血第2回400cc
・平成10年5月15(金)手術 進行中の卵巣ガン・左卵巣摘出・水を抜く・お腹にガン細胞が散って取りきれず制癌剤を降りかけて閉じたそうです。今後4回抗がん剤の治療を行うとの事。その後3日間嘔吐が続く。
・平成10年6月1日(月)から5日間抗がん剤の治療開始(シスプラチン)5日間嘔吐続く。
・平成10年6月29日(月)    〃
・平成10年7月28日(火)    〃
・平成10年8月8日(金)一時退院 主治医からの説明 現在白血球4300 血小板19.9万 腫瘍マーカー高いほう 4回の抗がん剤の治療を5回(1回増)進められる ベットの関係で一時退院
・平成10年8月24日(月)再入院
・平成10年10月頃退院予定 その後1週間入院の抗がん剤治療の予定です。

現在、治療中の嘔吐に苦しんでいます。副作用の少ない治療等がありましたら、教えて下さい。よろしくお願い致します。

(答え)1998.8.23
お答えします。卵巣癌は、化学療法(抗癌剤治療)がよく効く場合がありますので、つらくても化学療法を受けることになります。しかし、そのための副作用は予防的な薬などを使えばかなり防げることがあります。そして本人が病気と治療の必要性について、理解していればかなりつらくても耐えられると思います。問題のポイントは、現在の治療が効いているのかどうかということと、本人の気持です。もし効いているのなら、治ると信じて頑張ることです。主治医を信頼して、何でも相談してみることです。少しでも副作用が少なくなるようにしてもらってください。「真利栄ちゃんママがんばってるよ、絨毛がんに冒された母と子」奥追康子著(家の光協会出版)という本があります。一年以上に及ぶ抗癌剤治療で難治性の癌を克服した患者さんの本です。是非読んでください。「生きがい療法」の五つの指針の第一にありますように、「自分が(家族が)自分の主治医のつもりで癌と聞う」ことが大切です。

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[卵巣癌の手術を受けたが今後の治療法や健康食品は?]

(相談)神奈川1997.8.17
会社員(NTT勤務34才)です。癌に関する薬剤について相談させて頂きたくとり急ぎメールさせて頂きました。妻(33才)が末期癌と診断され、急遠山形から、1歳5か月の子供と妻の両親を呼び、子供と妻を含め、互いに助けあいながら現在生活しております。

5月以降微熱(朝36.5度、夜まで37.8度以内の熱)がしばらく続いており、6月下旬に神奈川県の某病院を受診しましたが、解熱剤と抗生物質のみの投与を受けました。特段心配しておりませんでしたが、熱が常時続いており、また、腹がはるとの妻の発言(投与薬を休止したことにより、目で見えるくらいに腹が張っているのが確認できた)により、7月上旬ころ病院を変え、近所の評判にいい病院に変更しました。その病院ではエコー及びCT及び胃カメラ(胃内への転移はみられず)等の検査があり、1週間程度入院して検査をうけた結果、腹水の検査から癌細胞が検出されました、婦人科がその病院にはなく、再度大きな病院を紹介されました。そこの病院は、徳州会総合病院という神奈川の茅ヶ崎にある結構おおきな病院で、婦人科のTOPが院長をやっている病院で、個人的には信頼している病院であり、この病院の選択自体は決して後悔していません。

そこの先生から、とにかく緊急の手術をしよう(悪性の卵巣癌です)ということで、7月下旬に子宮、卵巣、盲腸、大網を切除する3時間の大手術を行いました。内部の転移している臓器を見ながらの説明では、第何期というレベルのものではなく、かなり転移しているとのことでした。95%はとったが、それ以上はとれないので抗がん剤投与にて対応しましょう!との発言を頂きました。術後2週間程度で退院しましたが、8月の中旬ころ一度膣から水のようなものが出てきたので心配になり、病院にいくと、妻へのコメントでは、傷口がまだふさがってないので、そこから腹水がでているとの内容でした。病院より私への告知はあったのですが、妻への告知はしておりません。今後もしないつもりです。

大まかに上記のような状況で妻に対する今後の家族を含めた内容で、妻へ最大限できることは、妻を愛することと、子供に妻への夫の愛情を分かってもらうことだと信じて対応しています。ただ今現在も腹部の痛みと、微熱(37.5度〜38度・夜)が続いているので、そのほかにできることは、薬の併用だと考えております。そこで、相談なのですが、抗がん剤は8月18日から数日間の入院により行う予定ですありますが、現在妻の両親は、MIKIプロテインや牛乳やプルーンまた、椎茸の1日付けた水をそれに入れ薬草(妻の両親が傷などを含めいいと思っているもの)とともに服用しております。もっと、最終的に今現在一番BESTと思っているものを服用させてやりたいと思っている私は、インターネット等のにわか仕込の知識で、「舞いたけ」「AHCC」等の服用を早急にしたいと考えております。浅はかな考えであれば申し訳ありません。

そこで今、下記について御助言頂ければ幸いに思います。

●AHCCがWEBでは目につきますが、商品名として「イノムゴールド」と呼ばれるものが、主流であり、その内容はある程度把握しているのですが、国立がんセンタでは当然のごとくその結果を公表していず、その服用が私の考えるベストになるのでしょうか?

●AHCCでも最新のものは「バイオブラウン」とよばるれものであるらしく、NETサーフィン自体ではその内容がはっきりつかめず、「イノムゴールド」を購入するよりは、バイオなるものを購入した方がBFSTなのでしょうか?

●平野薬局なるサイトからは舞たけエキスを利用する1万円(1ヶ月)程度の「Dフラクション」配合(MaitakeProducts,Inc.製造)のエキスが販売されていますが、上記AHCCとの違いや比較。AHCCと比較するとどちらが実績なるものがあるのか?

●上記以外に服用(妻をいきさせるため。抗がん剤との相性含め)もっとベストなるものがあるのか?

●そんな服用はやめ、抗がん剤のみにたより、担当医師と相談しながら進めるべきなのか?

お忙しいところ、大変申し敢ございません。なにか参考になる意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。

(答え)1997.8.18
お答えします。神奈川県にお住まいのようですね。女性で、微熱と腹がはるとの症状だけで、「進行」卵巣癌が最も疑われます。腹部超音波検査(エコー)と血液検査で、診断は簡単に確定できます。病院を選択する場合、病院の大きさだけでなく、癌を専門的に治療している病院かどうかということと、卵巣癌の治療の専門家がいるかどうかということをまず考えます。「緊急の手術」「子宮、卵巣、盲腸、大網を切除する3時間の大手術」「かなり転移している」「95%はとった」。私は、卵巣癌の専門医ではありませんが、少し時代遅れのような感じがします。本人への告知はしないつもりのようですが、隠すことは不可能です。いずれ、必ず分かります。もう分かっているかも知れません。最新の進行卵巣癌の治療は、まず化学療法(抗癌剤)を行い、抗癌剤が良く効きますので、癌を小さくしておいてから、手術します。そして、手術後、引き続き、化学療法を行います。これで、ほとんどの場合、一応癌は消えると思います。

癌の治療は、(1)まず、専門医による病院での治療にベストを尽くします。(2)今日からでも、自分でできること(食事療法、呼吸法、イメージトレーニングなど)を続けます。(3)そのうえで、自分の信じるその他の治療(民間療法、健康食品、宗教など)を行います。神奈川県であれば、神奈川県立がんセンター、国立がんセンターなどが近くで、どちらも詳しいホームページを出していますので、まずそれを見て勉強してください。あせらないことです。進行癌と末期癌は違います。わたしのホームページも参考にしてください。本当の年き方を見つめるチャンスを与えられたとおもって頑張ってください。家族の支えと、本人の心の持ち方次第です。希望を失わず、常に前向きに、毎日を大切に生きてもらってください。信頼できる先生であれば、すべてを話せば、一緒に闘ってくれるはずです。やはり、主治医が頼りです。

(相談)1997.8.18
早々のメール回答ありがとうございます。再度、ご相談にのって頂きたくメールさせて頂いております。神奈川の藤沢市に在住しております。咋年の5月よりNTT品川の方へ、仙台から転勤になり、来年の3月には地元である、山形県新庄市の方へ帰る予定であります。当初仙台の方へ戻る(NTTはそういった人事転勤が可能)予定でしたが、妻の下記等の事由により、山形市に転勤し、新庄の県立病院に入院させ、そのまま今から10ヶ月は続くという抗がん剤の投与を続ける予定です。とにかく一人娘である妻は故郷で、両親の実家と私も近いところで治療をうけさせるということで、意見が一致しております。もちろん担当の医師にもそういった内容の発言をしております。いま、かかっている病院は徳州会病院(茅ヶ崎)であり、仙台にもおおきな病院があり、妻の故郷である、山形県新庄のも近々に病院を設立する話しをきいており、政治家の病院としても信用しており、また、院長先生からもこういったがんについての治療については経験がある旨きいており、信用して本日より、抗がん剤の投与をしているしだいです。95%はとったが、それ以上はとれないので抗がん剤投与にて対応しましょうとの発言を頂きました。もうしわけありません。医療の先端的な知識はもちろんないのですが、時代おくれとはの返答にいまの病院に対する対応は信用せざるをえない状況にあって不安になります。どういった先端的医療が現在主流なのでしょうか?手術した直後には先生の方から、専門用語で「後腹膜腫瘍?」とか言われたように思います。その場で、確認するに私も動転しており、×腹X腫瘍とかいわれまして、WEB上で確認するに上記、後腹膜腫瘍?しか合致すものがみつからず回答しています。たしかに、子宮はきれいだったように思うのですが、卵巣及び大網は真っ黒で、10リットルあったときいた、腹水の残骸は、ゼリー状の丸い黄色いもので、これが全てがん細胞だと言われました。

実績があると思われる癌センターなどのWEBにアクセスしたのですが、抗癌剤を含め、一般的な治療の情報はのっているのですが、最近話題になる上記のような内容に関しての公的な見解はみあたりませんでした。たしかに抗癌剤のみにて闘うことは可能ですが、家族として「そのほかには?」といったこともトライできるものであることを信用しています。先生のWEBにあるように、人間らしく生きることや、人間としての生きがいを本人に見つけてやるとといったこともトライしみたいことだと考えています。私は妻に、一生のうちの思いで作りを今後本人の体力が続くかぎりしたいと思っています。それは、私と生活した思い出であり、子供と生活した思い出を今後も作ってやりたいということです。ただ、妻は自分が癌であることはまだ知らないし、知ったときには一時期かも知れませんが自分に対する生活のやるきをなくし、そういったことは、たとえ自然と自分が癌であることを知ったとしても、(必ず知ることは目に見えています)、自然にまかせたいのが本音です。

主治医を信頼するようにとのことですが、本日現在でもまだ相談していないこと自体、信頼していないのかも知れません。近々に相談してみるつもりです。お忙しいなか、いち人間につきあっていただきありがとうございました。今後も、精一杯できるかぎり家族みんなで闘っていきます。

(答え)1997.8.19
「真利栄ちゃんママがんばってるよ、絨毛がんに冒された母と子」奥追康子著(家の光協会出版)という本があります。一年以上に及ぶ抗癌剤治療で難治性の癌を克服した患者さんの本です。是非読んでください。「生きがい療法」の五つの指針の第一にありますように、「自分が(家族が)自分の主治医のつもりで癌と聞う」ことが大切です。すべて「おまかせ」ではいけません。

現在主流の先端的医療のことですが、薬や手術も進歩していますが、何よりも大切なのは、あらゆる治療法をうまく組み合わせて、患者さんの状態にあった方法で、綿密な計画を立てて治療することです。「集学的治療」といいます。卵巣癌は、抗癌剤が特に良く効きますので、私の知識では、まず抗癌剤で治療して、それから手術、そして手術後また抗癌剤で冶療するという方法がベストでしょう。ほかの種類の癌でも、そういう方法をとることが多くなっています。医学は日々進歩します。手術した直後の先生の説明は、専門用語で「後腹膜腫瘍?」とか言われたようですが、医者の説明は、誰が聞いても分かるように、なるべく専門用語を使わずに説明するのが今の常識です。

癌との闘病方法は、「(1)まず、専門医による病院での治療にベストを尽くします。(2)今日からでも、自分でできること(食事療法、呼吸法、イメージトレーニングなど)を続けます。(3)そのうえで、自分の信じるその他の治療(民間療法、健康食晶、宗教など)を行います。」が良いと思います。神奈川県立がんセンターのホームページには、民間療法のこともでています。繰り返しますが本当の生き方を見つめるチャンスを与えられたとおもって頑張ってください。家族の支えと、本人の心の持ち方次第です。希望を失わず、常に前向きに、毎日を大切に生きてもらってください。はっきりいって決め手はありません。信じるものを続けてください。それがベストです。注意して欲しいのは「どんな癌でも治す」とか、法外に高価なものはやめたほうが良いでしょう。どの方法でも癌が治った人がいるはずですが、それがはたして何人に一人の確率かということです。ほとんどのものは自然治癒とかわらない程度の確率と思います。癌もまれには自然に治ります。自分で決めるのがベストです。

自分が癌であることをかならず知ることは目に見えていても、自然にまかせたいのが本音とのことですが、それも良い方法です。「告知」にたいして、それを本人による「認知」といいます。良くなることを信じて「一日一日」を、「今」を大切に生きることです。あきらめるのは最期の最期で良いと思います、あきらめたら終わりです。

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[卵巣癌の告知を受けたが最小限の治療を受けたいので闘病法は?]

(相談)宝塚1998.3.16
インターネットにて会を知りまレた。家内52才(2年前に閉経)が卵巣癌の告知を受けました。現在大阪大学病院に検査入院中で、Z3目(月曜)に手術の説明を二人で聞きます。今までの検査は血液と超音波、子宮癌検査で20日にCTとMRlを25日に腸のX線の予定です。現在の症状は下腹の圧迫と、ももの冷えなどです。私たちは最小限の手術と術後の治療として抗癌剤、放射線をして欲しくないと思っています。副作用などや今後の治療継続から考えて、また家内の生き方の信念のとして、うまく言えませんが寿命については神にまかせ、その間昔通りの生活をしたいためです。そこで。この会の情報をいただきたくお願いします、佐藤療法の資料をお願いします、また上述した治療を主治医の先生に23日にお願いしたいと思いますが、そのときのサジェッションを是非お願い致します(治療面からの説明を受ければ素人の我々として任せざるをいない状態に成るでしようが)、現在藁をもつかむ心境です。よろしくお願いします。

(答え)1998.3.20
どの癌でも同じですが、癌の治りやすさは、病気の広がり具合(病期)とできた癌細胞のたちの悪さの程度(悪性度)によりますが、最終的に癌と闘い癌を治す力は自分が持っている自己治癒力(自然治癒力)で、それを発揮する仕組みは身体の免疫力です。その力を強くする方法として、免疫療法や心の持ち方、笑い、民間療法、健康食品などがあります。
病院での治療は癌を治りやすくするための治療で、手術と化学療法(抗癌剤による治療)と放射線療法があります。これら三つの治療方法は、どれも身体にとっては大きな負担となります(侵襲が大きい)が、手術は最も確実に目に見える癌の固まりを無くする方法(局所療法)であり、放射線療法も癌の種類によっては手術と同じような効果があります。化学療法は、手術できない癌(白血病など)や手術で取りきれないような癌(広い範囲に広がったり転移した癌)に対して行われる方法で、注射や点滴などによる治療(全身療法)です。化学療法は副作用の強いものが多いようですが、上手に行えば副作用は軽くなり、癌の種類によっては化学療法だけで治るものもあります。
このように癌の治療は、病院で受ける一般的な治療(手術、放射線療法、化学療法)と、一般的でない治療(民間療法やある種の免疫療法などの保険がきかない治療)と、自分でする治療(食事療法、生きがい療法などによる心の持ち方、笑い、信仰、呼吸法など)の三つをうまく組み合わせて行い、自然治癒力を最大限に発揮することです。長くなりましたが、卵巣癌は特殊な癌ですので詳しく書いてみました。
さて、奥さんの卵巣癌の程度が分かりませんので、一般的なことを書きます。
卵巣癌の病気の進行度は、国際進行期分類によると、1期(卵巣内限局)、2期(骨盤内蔓延)、3期(腹腔内蔓延、リンパ節転移)、4期(遠隔転移)のように分類されますが、卵巣癌は症状が現れにくく、3期の状態で発見される場合が多いようです。卵巣癌の特徴は癌細胞の種類(組織型)が一定でなく細胞の種類によって色々な癌の場合があることと、化学療法がよく効く場合があることです。つまり、卵巣癌の治療は手術と化学療法の組み合わせが最も一般的で基本的に必要な治療となります。卵巣癌の場合には、たとえ進行癌の状態でも正確な進行度と組織型を調べて治療方法を決めるために手術をすることが必要です。
治療方法は、こうすれば必ずこうなるというような方程式のようなものはありませんので、ご本人とご家族のご希望をよく主治医に話して、ご本人の選択に任せるのがよいと思います。主治医(医師)が、こうするとか、こうしたほうがよいとかいう話しは、納得がいけば承諾し、納得がいかなければはっきりと断ることです。食欲と体力の維持が大切です。無理な治療はかえって命を短くします。化学療法で難しい癌を治した人が書いた本を紹介しておきます。常に前向きの気持と強い意志があれば、副作用の強い化学療法にも耐えられますが、誰にでもできるようなものではなく、かなり困難な治療となるでしょう。主治医を信頼して、よくよく相談してください。
佐藤療法ですが、この治療法は免疫療法の一種(免疫監視療法)で、約25%(4人に一人)くらいの人に効果があります。副作用がなく、一か月半に一回の静脈注射をするという治療ですので、本当は、手術や化学療法の前にするほうがよいのですが、まだ一般には認められていない治療方法で、保険も効かないので、主治医の先生の協力を得ることは難しいでしょう。税務署は、佐藤療法の費用を医療費と認めて控除の対象にしてくれます。佐藤療法についての詳しいことは、もし必要であればまたお知らせしますので、ご連絡ください。主治医の先生の協力が得られれば、入院したままでも受けることができます。では、とりあえず今日はこれくらいにしておきますので、分かりにくい点をお知らせください。できれば電子メールでお願いします。
 奥迫康子著(家の光協会出版)1400円
「真利栄ちゃんママがんばってるよー絨毛がんに冒された母と子」

(返礼)1998.3.20
この度は早速ご返事を戴き大変有難うございました。
ご説明が良く分かりました。どのような治療が良いかは素人の我々には分かりません、しかし治療した患者さんの色々な情報から大変な事も起こっているのが良く分かります。最終的には本人の決断であることも分かりました。そして家内にどれだけ力に成れるかだと思っています。今の時点では何を質問してよいか分かる状態ではありません。先ずはご返事に感謝申し上げると共に今後ともよろしくお願いいたします。

(答え)1998.3.21
わからないことは、積極的に、遠慮せずに医師に聴くことです。私もなるべく専門用語を使うときには、わかりやすく説明をつけるようにしていますが、一般的に医師の説明の半分も理解されていないように思います。そして、できれば自分で調べることです。情報は沢山あります。ほかの医師の意見を聴くことも大切です。
倉敷柴田病院の伊丹先生の「生きがい療法」の五つの指針を参考にしてもらってください(私のホームページにもあります)。では、またいつでもおたよりください。

(相談)1998.3.24
この度はこのようなメールは的確に戴き心より感謝申し上げます。
昨日主治医の先生から手術の説明がありました。結果は卵巣癌である、子供の頭程度の大きさである(MRIより)子宮の細胞に癌の兆候が見られる(どの程度かは説明はありません)したがって手術は、卵巣、子宮、リンパ節、大網の摘出をする、そして最悪のばあいは腸の癒着のため人工肛門、そして膀胱管が生じる、との話しでした。術後の坑癌剤については拒否するのであれば手術後別の病院へ、以上の結果昨日は結論が出ないで25日に再度私たちの結論を述べる事になりました。朝の説明が終わってから子宮の細胞を再度検査と膀胱の外来検査があったと家内から連絡ありました。家内は先生に任せると話したようで、本日午後7時に早まりました。重ね重ねのメールで恐縮ですが、どんなものでしょうか?最悪の場合を想定しなければ成らないでしょうか?抗癌剤も最近卵巣癌に良いものがあるそうで(シスプラチン)すが?手術後すぐに打たなければならないものですか?よろしくお願いします。

(答え)1998.3.25
お答えします。奥様は卵巣癌の3期と考えられます。卵巣癌の治療は、手術と化学療法が必要です。この二つをどのように組み合わせて治療するかは、施設(病院)によって異なるようです。

世界的な治療の最先端としては、まず化学療法をしてから、手術をするという方法のようです。ただ、癌の場合、必ずこうしなければならないという方法はありませんので、病院によって一定の治療方法を一定の期間、または一定の患者さんに行って治療の結果を比較・検討するということを繰り返します。大学病院は特に一人一人の患者さんによって治療を変えるということはあまりしないと思います。やはり、いまでもモルモットにされるわけです。これは大学病院が研究施設であるとういう性格上しかたのないことです。かかる前に、医師と病院を選ぶことが最も大切です。私のようなかかりつけの医師が相談にのって、病院選びをお手伝いしていますが、あわててとにかく病院へ、大学病院へと直接いかれる場合がまだまだ多いようです。人工肛門や人工膀胱は患者さんにとっては大変な負担となり、いわゆるQOLは低下します。しかし、これをさけることによって明かに癌が残るようであれば何にもなりませんので、治療上必要であれば仕方がないとして、それで治ると考えて、前向きに生きてもらってください。繰り返しますが、卵巣癌の治療には化学療法が必ず必要です。手術の前に化学療法をする方法が、最先端と思います。あわてる必要はありません。一度出直してからでも遅くはありません。主治医とよく相談してください。最終的には、ご本人の選択に任せてあげるのがよいでしょう。

生あるものは必ず死にます。あなたもです。癌はそう治療のやさしい病気ではありません。生きるか死ぬかは、本人の意志と生命力にかかっています。できるだけ援助してあげてください。実は、医師の仕事も、「援助」です。手術と化学療法をうまく組み合わせて、体力を保ちながら、上手に援助してあげることができるのが名医です。勿論、精神的にもです。

(返礼)1998.3.26
ご返事を戴き心から感謝もうしあげます。突然の病気にこのところ何年も過ぎた感じです。家内は主治医の先生を信頼して手術を受けることを決意しました。私も同様に家内を可能な限り支援をしたいと思っています。最後のお言葉は心に染み込みました。有難うございます。こんごの状況もまたご報告したいとおもいます、また今後も今まで同様にご教授戴きたくよろしくお願いもうしあげます。先ずはお礼まで。

(相談)1998.4.7
大変お世話になっており感謝申しあげます。
家内は手術を受けました。9:00から午後3:30までかかりました。術後すぐに主治医の先生から摘出した卵巣、子宮を見せていただき、説明を受けました。両卵巣は拳大であり、病理検査をするが奨液性腺癌である、子宮は肉眼では余り悪くはない、但し卵巣からの癌細胞が以前の検査で検出した、また腫瘍は復内に広がっていた、大網を摘出した、その側の腸(おうこう結腸?)に6-7cm位の腫瘍が2個あり取り除いた、盲腸に転移あり、ちょうかんまくに1-2cmの腫瘍があった、膀胱の裏側にも腫瘍があり取り除いた、出血は少なく採血した血は術後戻している(800cc採血していました)。以上のように1-2cm以上の腫瘍は出来るだけ取り除いたが、それ以下の米粒位のものは残っている、それは坑癌剤で2週間後から治療したい、その治療はひと月に一回を三回する、その後に再度手術をして検査とリンパ節を取り除く、また手術前に説明のあった人工肛門および尿管は回避出来た。
以上の説明はありました。家内には手術の状況と抗癌剤治療だけの説明をしてあり、回復次第主治医の先生から今後の治療の説明を本人にしていただく事にしています。現在のところ腹から管がでて水分が直後500ccで昨日は300ccでています。時々蛋白質の補充の点滴をしています、腸を動かす注射の回数は少なくなりましたが食事むしょうに腹がいたくなるようです、食後下痢とガスが出るようです。心配な点は
1)腹からでている腹水?が今だに(術後6日後でも)出ていること、始めは濃い色が大分薄くなってはいますが。
2)痛み止めや抗生物質の為か、食欲がない。抗癌剤に耐えることができるか
3)二回目の手術でリンパ節を取り除くといわれましたが、必要ですか?
ある本に寄るとどちらでも大差はない、予防転移の為なら意味はむしろ害の方が多いとありましたので。
4)隣の同様な卵巣癌の治療をした患者と家内の話しでは、今年で良かった、昨年から良い抗癌剤ができて以前にくらべて副作用も少ない治療である、その患者さんも元気で治療を続けているそうです。どうでしょうか?
以上ご報告とまたご教授戴きたくお願いもうしあげます。   

(答え)1998.4.8
順調に経過しているようです。疑問点にお答えします。

1)腹からでている腹水?が今だに(術後6日後でも)出ていること、始めは濃い色が大分薄くなってはいますが。

そうです、腹水です。手術によっておなかの中に沢山の傷ができていますので、傷からしみでる体液も混じっていますが、傷が治るに従って量が減ってきます。しかし、目に見える癌の固まりのうちの主なものだけを切り取ったわけですから、まだ癌は沢山残っているわけです。いわゆる癌性腹膜炎に良く似た状況ですので、腹水は余り減らないかも知れません。管が入っているかぎり、いくらでも、いつまでも腹水が出ますので、ある程度のところで管を抜きます。その後は、利尿剤を使って治療したり、場合によっては針をさして腹水を抜くようなことをするでしょう。

2)痛み止めや坑性物質の為か、食欲がない。坑癌剤に耐えることができるか

本人の気力の問題です。なんとか励まして、なるべく身体を動かして、食べることです。食べなければ治りません。

3)二回目の手術でリンパ節を取り除くといわれましたが、必要ですか?ある本に寄るとどちらでも大差はない、予防転移の為なら意味はむしろ害の方が多いとありましたので。

卵巣癌の場合は特殊です。抗癌剤が良く効きますので、抗癌剤の効果を確かめるために手術をする場合もあります。一般的な癌の場合には「ある本」の通りです。

4)隣の同様な卵巣癌の治療をした患者と家内の話しでは、今年で良かった、昨年から良い坑癌剤ができて以前にくらべて副作用も少ない治療である、その患者さんも元気で治療を続けているそうです。どうでしょうか?

それは大変勇気づけられるお話しです。病気があっても病人にならないようにしてください。たとえ、寝たきりでも、自分でできることは沢山あります。常に前向きに、良いこと、良くなったときのことを考えて、とりあえずの目標を作って、病気と闘うことです。たとえば、イメージ療法、音楽療法、アロマテラピーなどなど。倉敷の柴田病院の伊丹先生の「生きがい療法実践会」連絡すれば、イメージ療法のカセットテープをわけてくれます。あったって見てください。一緒に入院している方々のうち、良くなっている人を見習うことも良いでしょう。笑うことも大変身体には良いことです。一日に何度か笑わせてあげてください。落語や漫才を聴くのも良いでしょう。抗癌剤の治療を乗り切れば、希望が見えてきます。たえず励ましてあげてください。では、失礼します。

(返礼)1998.4.8
早速のご返事を心から感謝申し上げます。どんなにか 色々なことを教えて戴き 心構え並びに立ち向かう気力が付けられました。本人は気力はまだ衰えていないのが救いです、おっしゃる通りにこのまま気力を維持するように支援をしたいと思っております。今後も勝手ながらご報告したいとおもいます。大変有難うご座いました。
尚 伊丹先生の(いきがい療法実践会)の連絡先を教えて下さい。

(答え)1998.4.8
生きがい療法実践会についてお知らせします。
事務局:倉敷市玉島乙島6093(郵便番号713−8103)
電話:(089)525−1231(FAX兼用)
ホームページ [生きがい療法実践会]

(経過)1998.4.15
大変お世話になって感謝申しあげます。
家内に対して手術の結果と今後の治療の説明が主治医の先生からありました。私への説明とほぼ同じでしたが細胞検査及び術後の経過の補足がありました。
奨液性腺癌で3期だが良かった点は、90%以上の癌は摘出出来た、他の臓器への転移はない、リンパへの転移もない、術後のMRIも癌の形跡はない。
大体以上でした。次の抗癌剤治療の説明がありました。以上をお聞きして、家内の要望を説明させていただきました。
検査中から及び大きな手術そして現在まで相当に努力して気持ちが落ちない様に努めてきた、またすぐに抗癌剤で3ヶ月に耐えるには気持ちが続かない。従って抗癌剤の最近の効果も理解していますが気持ち的に自己治癒力の低下が目に見えるのですぐはやめにして欲しい。一度気持ちを高揚させて改めて相談させて戴きたいと申しました。先生は大変気もちよく理解していただきました。回復次第自宅に戻り通院する事にしました。私も基本的には家内の気持ちを大切にしたいと考え 共にこれからの治療及びいき方を進めて行くつもりです。幸いに本人はクリスチャンで告知後も大変前向きで明るい態度でした 看護婦さん達にも驚かれているようです。先生にはメールでご教授戴き励まして戴きどんなにか心強く感じました、有難うございます。最後は本人の決断に任せました。以上の経過をご報告申し上げ、お礼もうしあげます。

(返事)1998.4.16
経過をお知らせいただき、ありがとうございました。
予想以上によい結果だと思います。手術で癌の固まりはなくなっているようです。治療は成功したと考えられます。しかし、癌は病院での通常療法(手術、放射線、抗癌剤)だけで治せる病気ではなくて、結局はご本人の治癒力で治すのだということです。とりあえず、目に見える癌の固まりは手術で取り除くことができたわけですが、目に見えない癌細胞は残っています。再発するか、しないか、元気で退院される日が、スタートラインと考えてください。必ず、定期的に受診して経過を診てもらってください。ご健勝をお祈り申し上げます。

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