[膵臓癌]

[膵臓癌で手術不可能と言われたが、検査の結果手術が可能と説明された]

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[膵臓癌で手術不可能と言われたが、検査の結果手術が可能と説明された]

(相談)1999.7.5
数野先生へ、突然のメール、失礼します。私は神戸市に住むものです。私の父(56)の病状についてインターネットで検索し先生のホームページを知り是非ご意見を聞かせて頂きたいと思いメールしました。私の父は先日から検査(元々は糖尿病の検査)をうけており、CTなど撮影関係の結果から担当の医師に「膵臓に腫瘍があり、今のところ99.9%悪性と考えられる」と言われ、私を含め家族一同は大きなショックを受けています。さらに、先生のホームページや他からの情報にあったように、「膵臓はいろいろな臓器と関係(つながり)があり、手術が困難。さらにモンミャク(肝臓と膵臓とを結ぶ血管だと聞きました)付近に腫瘍がある場合はなおさら手術しないのが一般的だ。手術はリスクが大きい上に、寿命を縮めかねない」とも言われました。担当の医師は、告知することを私たち家族に進め、その意味を説明してくれました。内容は「残された時間の使い方を本人の意思によって決めさせてあげましょう。」というようなことでした。また、(1)黄疸、(2)腰痛、(3)(十二指腸の衰弱による)便秘、出血などの症状が今後考えられるので、それらに対する処置を病院では行うしかないと私たちに告げました。幸いなのか父にはそれらの症状がほとんど見られていません(最近少し便秘気味ですが。)。担当医に手術以外の方法として、お茶やきのこなどに抗がん作用があると聞くがどうなのか尋ねたのですが、「医学的に証明されていないのでこちらでは使用しないが試すことはいいとおもう。また丸山ワクチンのような薬剤も試してくれといわれれば考えるが...」と消極的な返答をされ私たちは帰されました。

私たちはその夜、父にも現状(腫瘍があること。手術不可能なところにある事)を知ってもらい、積極的に私たちがサポートできる状況を作る方がいいと考えました。ただ、父は今「がんばってよくなろう」と思っているので、担当医の「99.9%悪性」とか「ガン」という言葉を使うのは避け、「腫瘍は確かにあるが良悪はわからない。良悪に関わらず不規則不摂生は避け、食事に気をつけるように」と医師に言ってもらおうと考えています。絶望感だけは与えたくはないと考えていますが、それなりに覚悟もして欲しいと願っています。私たちは医師が何もできないと言っている以上、民間療法や新しい薬剤などの情報を集め、有力なものを積極的に取り入れるしかないのではないかと考えています。ただ、父の身体を無茶に扱うのだけは避けたいと思っています。そこで先生にご相談です。
(1)まず私たちにできることとして何が有るのでしょうか?
(2)民間療法や薬剤を試してみることはよくないのでしょうか?
(3)AHCCに知っておられれば教えてください。
(4)水溶性キトサンについて知っておられることをお教え下さい。
(5)FNQパウダーについて
(6)Arkios社のCTP37の臨床試験が2年ほど前から進められているそうですがその結果をご存知ならお教え下さい。
(7)米国ONYX Pharmaceuticals社のONYX-015の臨床試験が2年ほど前から進められているそうですがその結果をご存知ならお教え下さい。
(8)上記(3)から(7)以外の抗がん作用のある薬剤などの情報はどのようにすれば入手できますか?また、先生が他にご存知のものがあれば教えて頂けませんか?
(9)関西地区を中心として上記(3)から(8)のような情報に詳しい医師、病院をご存知ならお教え願えませんでしょうか?
(10)膵臓ガンを専門に扱っている関西地区の医師をご存知であればお教え願えませんでしょうか?
長々と書いてしまった上に、厚かましく質問攻めにしてしまいましたことをお許し下さい。ただ、何とか私たちにできることを探し、共に勉強し、考えていきたいと思っています。担当医だけの意見では頼りなく感じていましたので、是非ともご意見をお聞かせ願いたいと思っています。よろしくお願いします。

(答え)1999.7.6
お答えします。大変ご心配のことと思います。残念ながら膵臓癌は大変治りにくい癌の一つです。ほとんどの場合、見つかったときにはすでに手遅れで、治療の方法がありません。病院での治療(手術、放射線療法、化学療法)を受けても効果がない(治らない)ということです。あとは、諦めるか、闘うかです。医者に見放された癌を自分で治した人は沢山います。退院する日がスタートラインと思って、治ると、自分で治すと信じて闘うことです。大変参考になるホームページがありますので、是非見てください。川竹文夫さんの「がんの患者学研究会」http://www.nttl-net.ne.jp/gankanjagaku/です。自宅の近くで色々な症状が出た場合に対応してもらえる医師を探しておいたほうが良いでしょう。できれば「かかりつけ医」として何でも相談できる医師が良いと思います。病院の治療は限界があります。また、個々の薬や治療方法、病院や医師については、まず自分で調べてみてください。自分で調べて納得のいく方法を選んで決めることです。人に頼っていては治りません。自分で治す、治ると信じることです。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.7.6
数野先生へ、昨日突然のメールをだした神戸市のものです。早速のメールありがとうございました。昨日は支離滅裂というか取り止めもなく書きなぐったメールを出してしまい、また、質問攻めになってしまったこと、本当に申し訳有りませんでした。先生に教えて頂いたホームページを拝見しました。西洋医学以外の方法、患者さんの体験など、これからの参考にしていきたいと思います。基本的には食事や生活リズムを整え、ポジティブな気持を持っていれば、父は自分自身を治してくれると信じています。先生がおっしゃられたように、父も含め私たちで調べ、納得いく方法、病院を探して行きたいと思っています。その節はまた、ご相談させてください。

昨日ちょうど私が先生にメールを書いている頃、担当医から家の方に連絡が入り、「進行が見られる」ので相談したいと母に言ってきたそうです。今日は私も母と一緒に病院に行き状況を聞く予定です。恐らく担当医からは症状とその症状に対する処置について説明があるのだと思います。また数野先生に相談してしまいますが、今後父には様々な症状が現れると思います。担当医がいう処置を全面的に行う方がよいのでしょうか?処置を行うことで父が楽になるのであれば(痛みが和らぎ、症状が軽くなる)処置をしてもらいたいですが、その処置が父の体力を奪うなどの大きなリスクを含んでいるのかどうか、正直言って素人の私たちではわからない部分が多いです。先生のお返事にもありましたように、退院する日をスタートラインとし父が治していこうと考えていても、闘うだけの体力は必要となるはずです。父の体力と症状の処置、トレードオフの関係なのでしょうか?最後に、昨日のメールに書きましたように父には「絶望的な言葉、数値」を使わずとも、現状を把握してもらえる願っていますが、やはり父に対して「だました」ことになってしまうのでしょうか?希望を持ってもらう方法の一つだと私たちは考えているのですが、消極的な言い方なのでしょうか?ご意見を頂けるとありがたいとおもいます。また、長々と書いてしまいましたが先生からのメールを心よりお待ちしています。では。

(答え)1999.7.7
お答えします。
「今後父には様々な症状が現れると思います。担当医がいう処置を全面的に行う方がよいのでしょうか?」

担当医の話しをよく聴いて、分からないことは分かるまで聴いて、納得できれば担当医の言う処置を受けることになると思います。しかし、残念ながらこのまま病院での治療を受けて、良くなる可能性は無いと思います。病院でしてもらう治療は、痛みを和らげ、症状を軽くする処置だけですので、大きなリスクを伴うようなことはしないと思います。病気の進行と共に体力が落ちてきますので、このままいくと退院のチャンスがあるかどうか分かりません。目的がはっきりしていて、本人が望めば、本当のことを話してあげるべきですが、今までの生き方、考え方、性格、家族の熱意などで決まると思います。一番大切なのは、本人の意志と家族のサポートだと思います。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.7.7
数野先生へ、お返事を頂きありがとうございます。先生のご助言を参考に、私どもも勉強していきたいと思います。実は、昨日、父の検査が全て終了し担当医から父より先に結果を聞くことが出来ました。先日のメールでもお話したように、以前の担当医の話(CTなどの検査結果)では、門脈に腫瘍が侵入(適切な言葉かどうか分かりませんが)しているようなので、手術は不可能(逆に寿命を短くし兼ねない)と聞かされ家族一同、覚悟を決め今後のことを考えていました。しかし昨日は、ERCP(内視鏡的な検査と教えられました)の結果、MRIの結果など総合的に見て門脈への接触は見られないことと現在の父の症状(黄疸、腰痛などがまだ見られないこと)、父の年齢(体力)を考えると「手術する価値は十分にある」と説明を受けましたこれは担当医(内科)だけの判断ではなく、外科の先生方とも相談した結果だとも話されました。。さらには、胆道(と聞かされたと思うのですが)が圧迫されており、このままでは黄疸がでる可能性が高い状態であり、いずれはこれに対する処置が必要との話でした。手術の方法、手順、リスク、今までの事例などのことは聞き、非常に難しく、膵臓ガンから逃げ切れる可能性も高くはないことは理解しました。門脈が大事な血管であることは先日から聞かされ理解しているのですが、門脈に接している、いないが手術可否の基準の一つになるのでしょうか?先日は膵臓の手術自体が難しく(位置的なことと、他の臓器との接点であること)、危険が多すぎると説明を受けただけに若干の不安を感じます。昨日担当医に聞き損ねたのですが、父には全検査結果とともに今日話をすることになっています。家族一同は一番効果的な「手術」という処置ができることで、今までよりは可能性がでたのではと手術を前向きに考えようとしています。あとは父自身が闘おうと考え、ポジティブな気持を持ってくれることを祈るばかりです。いつもいつもメールを頂き本当に感謝しております。またご助言等いただけるのであれば幸いです。では失礼します。

(答え)1999.7.8
お答えします。
「門脈に接している、いないが手術可否の基準の一つになるのでしょうか?」
膵臓癌の場合、化学療法も放射線療法もほとんど効きませんので、病院でできる治療は手術しかないということになります。門脈に接していても、癌が門脈に及んでいなければ(浸潤していなければ)癌が存在する部分の膵臓(または膵臓を全部)を切除できます。また、癌の拡がりが膵臓の外(特に後腹膜)や周囲のリンパ節に及んでいなければ、たとえ門脈に浸潤していても門脈も含めて切除することもできます。膵臓癌の手術の経験が豊富な外科医であれば特に難しい手術ではありません。病院での治療で治る可能性を追及することになれば手術しかありませんが、たとえ手術で切除できたとしても極めて少ない可能性だと思いますので、あとは本人の気持ち次第だと思います。闘うか、諦めるか、他の方法を探すか。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.7.8
数野先生へ、いつもお返事ありがとうございます。昨日内科の担当医から父も含め家族全員に、検査結果について話がありました。その際父には現状を正確に理解してもらえるよう、膵臓ガンであることを伝えてもらいました。同時に今なら手術可能であること、手術が大手術になることも伝えてもらいました。父の頭の中ではいろいろなことが駆け巡っていたようですが、家族の前だからか冷静に話を聞き、頑張ることを宣言しました。また父は、私たちに「一緒に頑張りましょう」とも言ってくれました。今後1週間ほどは術前の検査が続くようですが、今は手術が無事に終わることを祈るのみです。父には手術してもらう以上、治すんだ、治るんだという前向きな気持をもってもらうことを望ばかりです。先生に教わったホームページにも手術せずに治してしまった人の話がありました。「病は気から」の言葉通り、人の気持が必ず人の体を変えると信じています。私たちは術後父が家に戻ってきてからの食事、生活リズム、漢方などの情報を出来る限り集めたいと思っています。先生にもまたご相談するかも知れませんが、その節はご助言方よろしくお願いします。では失礼します。

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