[子宮癌1]

[細胞診でクラス5と言われたが腰から下肢に痛みがあり疲れやすい]
[子宮頚部癌(1c期?)の術後肺転移に化学療法をしたが効果がない]

[子宮内膜異型増殖症(子宮内膜癌0期)で手術が必要と言われたが?]
[子宮癌で子宮を取るように言われたが新婚で子供が欲しい]
[肝臓にも2個の癌があり子宮癌を切除したが、余命は?]
[子宮癌の手術後、後腹膜に再発したが抗癌剤が効かない]
[子宮の早期癌で円錐切除術を受けたが心配]

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[細胞診でクラス5と言われたが腰から下肢に痛みがあり疲れやすい]

(相談)東京都1999.5.1
はじめて質問させていただきます。東京都28歳です。よろしくお願いいたします。先日、細胞の診断によりランク5でほぼ間違いなく子宮癌との診断を受けました。現在、大学病院で組織診の結果を待っている状態ですが連休のため答えはずっと先です。ここのところ腰痛・脚の付け根・足全体の痛みで悩んでます。少し動くだけでヘトヘトに疲れてしまいます。いままでこまような症状はなかったのですがこれは癌との関係があるのでしょうか?癌の進行状態をあらわす症状でしょうか?ただの疲労か癌による症状かでは体のいたわり様、行動が異なってきます。可能性や通常例で構いませんので教えていただければ幸いです。遠慮は全くいりません。よろしくお願いいたします。

(答え)1999.5.2
お答えします。ご心配のことと思いますが、細胞診で「クラス5」というのは、癌細胞であるということです。問題は、子宮癌の進行度です。「腰痛・脚の付け根・足全体の痛み」という症状で検査を受けたのでしょうか、癌検診でしょうか。もし、かなりの進行癌であれば、癌のための症状かも知れませんが、おそらく脊椎とか股関節などの整形外科的な問題ではないでしょうか。担当医によく話して、説明を受けてください。必要があれば整形外科へ紹介してくれます。今後も、検査や治療を受ける場合には、納得できるまで担当医によく聴くことです。どの病院にも長所と欠点がありますが、大学病院は特殊な病院ですので、自分が主治医のつもりで、納得のいく治療を受けてください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.5.2
数野 博様、早速のお答え本当にありがとうございました。連休のため診断が組織診の診断が遅れているため不安な思いでおりました。先生のお返事を読ませていただき随分と気持ちが軽くなりました。心より感謝いたします。そして、がんばります!!

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[子宮頚部癌(1c期?)の術後肺転移に化学療法をしたが効果がない]

(相談)相模原市1999.4.9
突然で申し訳ありませんが、アドバイスを頂ければと思いメールいたします。妻が1997年9月に子宮頚部癌になり、同10月に子宮、卵巣の全摘出手術を受けました。主治医の先生の話では1c期との事で再発の可能性、転移の可能性は低いと言われたので一安心していました。月一回の定期検診を受けていましたが、1998年9月に腹部のCT検査を受けた際、肺の下部に腫瘍らしき影があり再検査の結果、多発性の転移とわかりました(両肺)。1998年10月から化学療法でシスプラチン、オンコビン、マイトマイシン、ブレオマイシン、を3回投与しましたが、一部の腫瘍は縮小、消滅をレントゲンで確認できたものの変化もしくは若干大きくなっている物も有ったため、1999年2月よりシスプラチン、カンプト注、に切り替え治療を続けていますが、まったく効果がなくすべての腫瘍が大きくなってしまいました。主治医に変わりの治療法は無いのですかと聞いたところ、うちでは抗がん剤の治療しかできない。あっさり言われてしまいました。アドバイスを頂きたいのですが、
1.病院は変えて転院したほうが賢明でしょうか?(癌専門に・・・)
2.免疫療法などの代替治療の有効性はあるのでしょうか?
3.漠然としていますが、何か方法は無いのでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。

(答え)1999.4.10
お答えします。大変ご心配のことと思います。「子宮頚部癌の1c期」だったとのことですが、子宮頚癌の病期は0期から4期までで、1期から4期をそれぞれaとbに分けています。cはありません。その病院だけの分類ではないでしょうか。いずれにしても、残念ながら両肺に多発性の転移を来たしているわけですから、大変厳しい状況です。化学療法も効果がないようですので、今の医学では治すことができないようです。病院でできる癌の治療は、手術と化学療法と放射線療法だけですので、それで効果がなければ「治療法は無い」ということになります。

1.病院は変えて転院したほうが賢明でしょうか?(癌専門に・・・)
現在の病院も癌の治療をしているわけですから「専門病院」だと思いますが、セカンド・オピニオンを求める意味で、他の専門病院を受診してみてはいかがでしょうか。
2.免疫療法などの代替治療の有効性はあるのでしょうか?
どの治療もやってみなければ分からないという程度の効果だと思いますし、治すということは奇跡的だと思います。
3.漠然としていますが、何か方法は無いのでしょうか?
残念ながら医師としておすすめできるような治療方法は無いと思います。

一つの言葉と一冊の本を紹介しておきますので参考にして下さい。

「私たちがガンを治した体験談集」の中の帯津先生の言葉が大変参考になると思います。「ひとつひとつの症例をじっくり読んで、治癒の条件を読み取ってください。どういう治療をしたかが関心の的になりがちですが、そうではなくて、その人が、病気のなかで、どういう生き方をしたかに焦点をあてて読んでください。治療法そのものよりも、その人が各種療法にどうかかわっていったのかというなかに、治癒のヒントがあるように思えるからです。」

熊沢 健一著(マガジンハウス出版)
「告知」外科医自ら実践した妻へのガン告知と末期医療

これからは、ご本人の生き方の問題だと思います。残された時間をどのように使うかということを考えなければいけないと思います。年齢や性格、今までの生き方、家族の援助などにもよりますが、何よりも本人の意志が大切だと思います。

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[子宮内膜異型増殖症(子宮内膜癌0期)で手術が必要と言われたが?]

(相談)1999.3.28
はじめまして。私の母(63歳)の体のことで悩んでいます。1年位前から1ヶ月に7〜10日ほど出血があり、毎月すべての検査をしてきました。担当医に”結果は異常なし””体の細胞が若いから””様子を見ましょう”との返答。今年に入り2月に細胞の検査をしましたが結果は異常なし。”しかし、何年も毎月出血して悩むばかりなら、子宮・卵巣をとってしまったほうが良いのではないか”と言われました。手術は内視鏡で行うという事。 なかなか母と決断ができず、一度ちがう病院に行ってみようということになり、担当の先生には申し訳なく思いながら行ってきました。結果は子宮内膜異型増殖症(子宮内膜癌0期)で、今のうちにお腹を開いて子宮・卵巣をとることが必要だとはっきり言われました。どのくらい悪い病気なのか、どちらの手術方法が良いのか、アドバイスをお願いします。突然で申し訳ありませんがよろしくお願いたします。

(答え)1999.3.29
お答えします。まず「不正性器出血」の場合、やはり癌が疑われますが細胞診などの検査で異常がなければ「機能性性器出血」ということになり、注意深く経過を診ることになります。細胞診は細胞を採る技術と採った細胞の診断技術が問題で、医師や病院によってレベルに差があります。母上の場合、「何年も毎月出血して悩むばかりなら、子宮・卵巣をとってしまったほうが良いのではないか」と言われたというのがその病院の医師の本音だと思います。

「子宮内膜異型増殖症」は「前癌状態」と言われていますので、やはり注意深く経過を診ることになります。これに対して「子宮内膜癌」は「上皮内癌」とも言われ子宮体癌の中で0期の「早期癌」ですので、少なくとも子宮を取る手術が必要です。決定的なことは、細胞診でどのような細胞が見つかったかということです。担当医とよく相談して、納得できて、本人が選択した治療を受けるのが良いと思います。

(経過)1999.4.1
4月8日が手術日に決まりました。母は子宮内膜癌と診断された、国立病院を選びました。担当医から”2度目に私のところへ来て良かったね” と言われ看護婦さんからは”いい先生に出会えたね”と言われたそうです。子宮内膜癌(0期)の手術後は、他の臓器に転移する心配はあるのでしょうか?合併症などとよく聞きますが関係ありますか?私のあまりの無知に申し訳ありません。まだまだ重い病気に苦しんでいる方が沢山いらっしゃると思いますが、私もまさかの事でショックです。御無理を言いますが、よろしくお願い致します。

(返信)1999.4.1
お答えします。母上は大変幸運だったと思います。これ以上早い時期の癌はありません。治療を受ければ治ります。癌が怖いのは、進行すると転移や再発を起こすからです。早期癌の場合には、そのようなことがほとんどありません。大丈夫だと思います。主治医の話しを良く聴いて、分からないことがあれば、分かるまで聴いてみてください。治療は納得してから受けるものです。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.4.5
ちゃびん先生!先日よりありがとうございました。いろいろな事を毎日考えるばかりで、母にも言えず(心配性なため)先生からいただく一言が、とても心温まりました。明日が入院日です。また、メールを送らせてください。よろしくお願いします。

(経過)1999.4.6
今日は母の担当の先生から詳しく話を聞くことが出来ました。病状、治療法、手術、手術後のこと。数野先生が言われたように”分かるまで聞く””治療は納得してから受ける”という事は、心配すればなおの事、あたりまえですね。自分たちで納得する事が、安心する事につながるのですね。ありがとうございました。また、メールを送らせてください。

(相談)1999.4.16
手術後に母の子宮と卵巣を担当の先生が見せて下さいました。ピンク色で子宮の筋肉もきれいだと言われました。顕微鏡での検査の結果は”子宮も卵巣も心配ありません” ”癌ではなく癌になる手前で、取らなければ子宮体癌になっていました””手術前に話した病名と同じで増殖型”という事の話がありました。癌ではなくても、病名は子宮内膜癌0期なのですか?(手術前に子宮内膜癌0期といわれたので)2週間後検査をしてまだホルモンがでていれば、脳からでているホルモンを調べる必要があると言われたのですが、まだ違う病気を心配しなくてはいけないのでしょうか?結局 ”なぜ生理になって出血していたのかは分からない” とも言われました。いつも突然なメールで申し訳ありません。よろしくお願いします。

(答え)1999.4.18
お答えします。きっとまだ癌にはなっていなかったのではないでしょうか。癌細胞がなければ、まったく心配ないということになります。ホルモンの検査は、血液検査だと思いますので、特別なことをするわけではないと思います。担当医によく聴いてみてください。納得できなければ、断ることもできます。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.5.16
数野先生 いつもありがとうございます!!先週、手術後20日目の血液・乳癌の検査があり、異常ありませんでした。担当の先生から、母の病名 ”子宮内膜異型増殖症” の詳しい説明もありました。母は毎日かなり疲れるらしく、日常生活・食事などで必要な事、気を付けなければいけない事などありますか?よろしければアドバイスをお願いします。

(答え)1999.5.16
メイルありがとうございました。子宮内膜異型増殖症についての詳しい説明があったとのことですので、もう心配無いことがお分かりのことと思います。体力が回復すれば大丈夫ですので、前向きに、なるべく普通の生活をすることです。手術して良かった、もう大丈夫と、前向きの気持ちを持つことが大切です。ではまたいつでもメイルをください。

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[子宮癌で子宮を取るように言われたが新婚で子供が欲しい]

(相談)埼玉県1998.12.31
はじめまして、昨年結婚したばかりの29歳主婦です。早速ですが、私の悩みを聞いて下さい。子宮癌と言われてしまったのですが・・・・

私の、体がおかしいとおもったのは、4ヵ月前から月に1度、生理1週間前頃不正出血が、少しなんですがあったんです。その時は、仕事も忙しく何より産婦人科にいくことが一番嫌だったんです。でも12月はじめsexの後出血があったので絶対、私の体で何かおきていると思ったんです。それと、主人とは、19歳の時から、交際していたのですが、4年位前から性交痛がありだんだん回数が減ってたんですね。結婚も、したのにこれでは主人に申し訳ないと思い病院に行く決心をしました。まさか、子宮癌とは・・・、12月9日、 家に近い総合病院へ、綿棒で細胞をとった結果、癌の一歩手前〜高度(パニックてしまいはっきりとは忘れてしまったんですけど)だから、再検査したいとの事12月22日、さくさん?をかけて、見て、子宮の入り口4ヵ所細胞をとりました。その時、先生は、腫瘍も無いし、きれいだから心配はないとは思うとのお言葉だったんですが、4ヵ所とも癌の反応が出たから、子供は諦めて下さい。子宮とリンパすべてをとる手術が必要だからT大学付属病院、M教授を紹介してもらいました。12月28日、すべての書類を持って行って、見ていただいたらすぐに前の先生はハッキリとは解らない位の事言ってただろうけど、私が見たところすぐにこれは癌だと解ります。3年位前なら一部を採って子宮温存が出来たのですが今の状態では無理、子宮とリンパをとり、それ次第では放射線治療が必要ですと言われてしまいました。1月8日入院を決めました・・・私、3年前に違う病院行ったんです。性交痛が一番だったのですが、先生に言えず生理痛がひどいとだけ言ったんです。当時、性交痛なんて言葉知らず、どう言ったらいいか解らず言えなかったんです・・何か体に異常があれば解るんではないかと、思い込んでたんです。私の体は私しか解らないのに・・・あの時言ってれば、今とは状況変わってたんですかね?・・・・・後悔先に立たず・・・でも、どうしても子供の事が諦められないのです。T大学のM教授は、とても好感がもて信頼できる先生だと思ってるんですが。他の病院行ったら子宮を残す治療があるのではと思ってしまうんです。突然ですが、先生は、どう思いますか? 私の体みてないのに何とも言えないですよね。埼玉県に住んでいるのですが、先生の様な御考えを持った先生がいらっしゃたら紹介してほしいのですが診察時、生理だとダメなんですよね?この年末、無理を承知で、お返事頂けたら嬉しいのですが・・・。

(答え)1998.12.31
お答えします。大変ご心配だと思います。子宮などを取ってしまう手術を受ければ、治る可能性が高いことは事実ですが、あなたの場合「どうしても子供の事が諦められない」ということが、最大の問題点ですね。現在のあなたの子宮癌の進行度で、子宮を残す治療が可能かどうかということです。あなたの症状と担当医の話からは、進行度は1期のbだと思います(1b期)。つまり癌は子宮頚部に限局しているが、大きさが5mm以上に大きくなっているということです。そうなると現在の医学の常識からいえば、子宮とリンパ節を取り除く手術が必要ということになります。たしかに、子宮を残す子宮癌治療を積極的に行っている先生がいますので、念のために相談してみると良いでしょう。早期に治療を受ける必要はありますが、あわてることはありません。充分納得してから、治療を受けてください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1998.12.31
早速の、お返事本当にありがとうございます。昨日は、何か眠れず朝方まで起きていたので今、起きたところです。「メールの返事きてたらいいなー」と思いパソコンの電源をいれてびっくり、「あ、来てる」思わず声を出してしまいました。先生のお言葉で何かふっきれました。私自身、子供は無理、たとえ産むことが出来たとしても私が、死んでしまったら、子供が一番可哀想だということ、受け入れなきゃと、思ってたんですがそれに、「子供より、お前が大事」と言ってくれる主人の、側にずっといたいという私の気持ち。誰かにだめ押ししてもらいたかったみたいです。先生のホームページ見てて、患者のことを一番に考えてくれる先生だなーって思い、この人なら私を、納得させてくれるのではと、すがる思いで、メール送っちゃいました。心が楽になったなかで、私自身と向き合いたいと、思います。本当に、ありがとうがざいます。一番の、敵が私みたいです!!!

(返信)1998.12.31
メイルありがとうございました。またいつでもメイルをください。それでは良いお年をお迎え下さい。

(相談)1999.1.4
明けましておめでとうございます。子宮癌と診断された29歳主婦です。先日は、年末にもかかわらずお返事ありがとうございました。先日は子宮をとってしまうことを決めたと、メールおっくたのですが、やはり・・・そこで、質問なんですが、紹介状書いてもらった先生にもう一部書いてもらうのって可能なんですか?T区にある、G病院に診てもらいたいと思うんですが、大きな病院は紹介状なしでは、みてもらえないんですか?こんな質問ですみません、お返事いただけたらうれしいです。

(答え)1999.1.4
明けましておめでとうございます。日本の病院は、紹介状なしでも診てくれると思いますが(電話で確認することもできます)、やはり担当医にお願いして紹介状を書いてもらうほうが良いでしょう。目的をはっきり話して、たのめば書いてくれると思います。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.1.5
お返事ありがとうございます。先生に相談して良かった!担当医に電話して、私の気持ち話したら快く書いてくれるとの事です。それも、今日。失礼にあたるのかなとか、ぐじぐじしてたんです。これで、まずすっきりしました。明日、G病院に行ってきます。自分のしたいことが出来ずにいた私を後押ししていただいて本当にありがとうございます。

(報告)1999.1.9
こんにちは。今までほんとうにありがとうございます。子供が諦められず、違う病院行ってみました。でも、やはり無理。子宮残すには、遅すぎたそうです。はじめに行った、T病院で、手術受けます。昨日から、入院しました。今日明日は検査が無いため自宅に帰ってきました。まだ少しウジウジしてますが、早く治してみんなを安心させようと、思ってます。先生のメールで、何度も心救われました。本当です。おおげさじゃないんです。本当に、本当に、ありがとうございました退院したら、またメール送らせて下さい。それでは、さようなら。

(返事)1999.1.9
メイルありがとうございました。納得されたようですので、安心しました。必要な治療を受けて早く元気になってください。病気はあっても、病人にならないように!ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1999.1.15
こんにちは。19日が手術なので、もう外泊できないと思ったのですが、許しが出て、約1週間ぶりの我が家でくつろいでいます。それで、また質問なんですが、子宮頚癌の手術にあたって卵巣を、残すかどうか決断をせまられたんですが・・もちろん癌細胞が卵巣にいってたらもちろんダメなんですが、両親は高年期なんか心配しないで、不安な部分は、全てとったほうがいいと、すすめるんですが。卵巣をとった場合のリスクは、そんなに、心配しなくても大丈夫なんですか?もちろん、どちらにしてもなんらかの障害が、でることは覚悟してるんですが、私自身もとったほうが卵巣自体の心配はなくなるとおもうんですが、悪くないものであれば、卵巣が持つ機能は体にいいのでは?と思ってしまうんですが、子宮がなくなれば、なくても一緒なんんですか?先生の意見お聞かせください。お忙しいとは思いますがよろしくお願いします。

(答え)1999.1.16
こんにちは。お答えします。あなたの疑問と悩みは、全く当然の疑問と悩みです。取らなくても良いものなら、取らないほうが身体のためには良いのです。担当の医師とよく話をしてみてください。「子宮頚癌の手術にあたって卵巣を残すかどうか」ということは、純粋に医学的な問題で、医師(専門家)が責任をもって決めるべきことだと思います。手術の時の状況によって決めるべきことです。ついでに言えば、リンパ節を取るかどうかということも、手術中にリンパ節を取って検査をして、その結果で決めることです。もし、手術中にすぐ検査ができないような病院であれば、卵巣にしてもリンパ節にしても、すべて取っておくほうが安全ということになってしまいます。少なくとも癌が卵巣や、その近くにいっていなければ、普通は卵巣を残すと思います。両側の卵巣を取ってしまうと、なかにはほとんど症状の出ない人もありますが、たちまち更年期障害の症状に悩まされることになると思います。

医師に要求すべき手術の条件は、「できるだけ後遺症を残さずに、癌が治る可能性の高い手術(根治度の高い手術)をすること」です。早期の子宮癌の場合には、卵巣を取っても取らなくても、手術の根治度には差がない場合が多いと思います。

いずれにしても、悩むのは、あなたでなくて、あなたの担当医のはずです。手術中に、あなたが決めることは不可能です。担当医に、よくよく考えてもらってください。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.1.17
こんにちは。お返事ありがとうございました。私の担当医も手術中に細胞を病理の先生に診てもらうと言ってました。主人と話し合った結果やはり卵巣を残す方向で担当医に話そうとゆうことにきめました。私の担当医がきっとまだ勉強中って感じで、内診は教授、助教授も診てくれて診断はまちがってないと思うんですが、手術の細かいお話の時、担当医だけだったので、なーんか不安が・・・卵巣とるって言われて、「え!とるんですか?」って言ったら「とったほうが心配無いと思います」といわれたので「取るとは思わなかった」と言ったら「じゃ卵巣についてはもう少し時間をかけて話し合いましょう、私の方でも確認します」ぐらいの事言われてしまって、担当医が1人で決断できないんです、不安だらけで・・・・紹介状もらって、教授に、診てもらったので、てっきり担当医が教授だとおもったらそうゆうものじゃないんですね!「わたしは、重病じゃないからだ!」と自分に言い聞かせてます。

T病院は病室も圧迫感もなく、私の看護婦さんもみんな明るいし教授も、助教授も信頼できそうなんですが、肝心な私の心がおちつかないんです。それって、いい病院じゃないってことなんですかね?トホホ・・・です。大学病院のメリット、デメリット身をもってわかりました。私の体、私しか守ってあげられないから、自分の納得いく手術受けたいとおもいます。自分が担当医、ですよね!がんばります!ありがとうございました。

(返信)1999.1.18
メイルありがとうございます。おっしゃるとおり大学病院のメリット、デメリットがありますので、自分が自分の主治医のつもりでいることは大切なことです。がんばってください。手術の成功を祈ります。ではまたいつでもメイルをください。

(経過)1999.4.16
御無沙汰してます。無事退院しました。3ヶ月間、私にとって地獄でもあり、その中でもとても大切にしたい友だちもでき、悪いことだらけでも、ありませんでした。子供のことは、諦めたけれども、卵巣は絶対残したいと思ってましたが、主治医との話し合いのなか、放射線治療が必要なので残せないと言われ私の願いはかないませんでした。入院してしまって切羽詰まった中でのはなしあいで自分自身知識がないので言われるがままでした。病院選びできまりますね!!良かったのか、悪かったのか自分の中にスッキリしない部分があるのですが、最終的には自分が、「お願いします」と、言ったので、これから、今の自分の体と上手につきあっていきたいとおもいます。数野先生、今迄どうもありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。また、いろいろと相談にのって下さい。

(返信)1999.4.17
メイルありがとうございました。退院おめでとうございます。選択して、受けた治療が一番よかったと思うことです。さて、よい状態でスタートラインに立てたわけですから、これからは自分で治すことになります。病院での定期的な診察と検査を受けながら、生活習慣や食べ物に注意して、前向きの心を持ち、自分らしい生き方をしてください。これからです。ではまたいつでもメイルをください。お元気で。

(相談)1999.4.20
こんにちは!埼玉県はとってもいいお天気です!早速ですが、何点か質問があります。主治医に聞いてきたことですが、もう一度、数野先生の御意見をお聞きしたいのですが。
 1. 病院で知り合った友人ですが、同じ子宮頚癌1b期で、リンパ節転移が、1つありました。放射線治療もしました。再発の可能性は高いのですか?
2. 術後、尿意をまったく感じません。あと、力まないと尿がでません。戻るものですか?
 3. 術後、お腹がぽっこり出てしまいました、常にはったかんじがして便は、毎日でてます。腹筋とか鍛えれば戻りますか?
 4. 女性ホルモン剤、「プレマリン」を、今1日2錠飲んでます。最終的には、1錠になると言われました、エストロゲンのあたいは3錠飲んでた時は、140。2錠の時は95です。それぞれ、飲用期間は2週間位です。はじめはシールタイプの「Estraderm TTS」を2日おきに貼ってましたが、放射線治療もはじまって1週間ぐらいしたら吐き気と、動機、のどに詰まった感じがでてしまい、ホルモンの関係だと言われ、プレマリンに変えたところ、その症状は、消えました。ただ、胸がはった感じが続き、乳癌の心配が少しあるのですが、その点は、どうですか?
 5. 手術で膣が短くなってますが、女性ホルモンを飲んでいれば、のびるものなんですか?
お忙しいところすみません。大丈夫と言われて退院してきたのですが一日中お家の中にいると、ふと考えてたりする自分がいたりして、そんな自分が嫌なので教えていただけますか?よろしくお願いします。 

(答え)1999.4.21
瀬戸内は初夏の風が吹いています。「しまなみハイウエー(西瀬戸大橋)」の開通も間近かです。お答えします。
1.病院で知り合った友人ですが、同じ子宮頚癌1b期で、リンパ節転移が、1つありました。放射線治療もしました。再発の可能性は高いのですか?
子宮頚癌1期は、5年生存率が95%、10年生存率も95%です。残念ながら100%ではありませんが、まず大丈夫と思います。
2.術後、尿意をまったく感じません。あと、力まないと尿がでません。戻るものですか?
おそらく手術によって、排尿に関する神経が障害されていると思いますので、担当医によく話して指導してもらってください。訓練によってある程度回復すると思います。なるべく時間を決めてトイレへ行くようにしてみてください。
3.術後、お腹がぽっこり出てしまいました、常にはったかんじがして便は、毎日でてます。腹筋とか鍛えれば戻りますか?
立ったときだけお腹が一部だけ飛び出るようでしたら、腹壁瘢痕ヘルニアという病気かもしれません。手術の合併症の一つです。お腹の壁(筋膜の部分)に穴が開いて、そこから腸が皮膚のしたに出てくる病気です。その場合には手術をしないと治りませんので、よく診察してもらってください。
4.女性ホルモン剤のこと。乳癌の心配が少しあるのですが、その点は、どうですか?
ホルモン補充療法は、女性ホルモンの欠落症状(更年期障害の症状)や骨粗鬆症を予防するための治療だと思います(卵巣を取ると女性ホルモンが出なくなります)。この治療をしていると、わずかですが乳癌の危険性がありますので、定期的に検診を受けることになります。自己検診も大切ですし、担当医にもよく聴いて指導してもらってください。
5.手術で膣が短くなってますが、女性ホルモンを飲んでいれば、のびるものなんですか?
女性ホルモン剤は、前期の理由で飲んでいると思いますので、残念ながらそのようなことは期待できません。リハビリ?しか方法はないと思います。

誰でもみんな、明日のことは分かりません。明るく前向き、楽天的な生き方をするようにしましょう。心配してもしなくても、いずれは必ずみんな死ぬのです。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1999.4.21
御回答ありがとうございました。私の心配のしすぎでした。主治医の言葉を少し疑って、数野先生の言葉でほっとします。これっていいことなんですかね?エヘヘ・・数野先生が主治医みたいです。一度も面識ないのに!数野先生の言うとおり恐れてはいけないですね!恐れるぐらいなら手術なんて受けなければ良かったんですからね!生きたいからこそ、あんなに大変な闘病生活を送ったんだから!自分にもたくさんのご褒美あげたいし、私をずっと支えてくれた主人・両親、そして、はげましてくれた、たくさんの友人に御恩返ししたいと思います。そして、闘病生活の中で本当に大切なものがなにかわかりました。そのことを、一生思い続けられたら、わたしの人生悔いのないすばらしい物になると、信じてます。そうなれる様に、この体験、神様が与えてくれた試練と思い、無駄にしないで、生きていこうと思います。埼玉は今日も、晴れです。鳥の泣き声を聞きながらゆったりとした気分で空を見上げている。こんなの、何年ぶりかな?相談ごとでは無く、数野先生にメール送れる様になること楽しみにしてます。その時は暇つぶしに読んで下さいね!数野先生、ありがとうがざいました。

(返信)1999.4.22
メイルありがとうございました。あなたのメイルからトトロの森の風景を想像しています。またいつでもメイルをください。では、お元気で。

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[肝臓にも2個の癌があり子宮癌を切除したが、余命は?]

(相談)1998.11.5.
はじめてメールさせていただきます。39歳の友人の癌について教えていただきたく思います。彼女は先日、子宮頚癌と診断され、即入院し、検査を行いました。その結果、肝臓にも2cmくらいの癌が1コ発見されました。子宮頚癌の手術当日、子宮全摘を行い、続けて肝臓も・・・の予定だったのですが、血圧が下がり過ぎたため、その日は子宮のみに終わりました。子宮の癌は、かなりひどかったようですが、まわりのリンパ等は摘出していないようです。その10日後、体力も回復したところで肝臓の手術を行ったのですが、結局、肝臓の見えるところに癌は2コあり、かなりの量の肝臓を切除したそうです。その際、大丈夫と思われる部分の細胞を何ヶ所が採取し、検査したところ、「今のところはその中に癌はない」と言われました。肝臓の手術では、かなりの出血があったようです。お医者様には、「肝臓の癌は、子宮から転移したのか、肝臓から発生したものかはわからない」「肝臓に再発する可能性は、かなり高い」「ポイントは、一ヶ月後、三ヶ月後、六ヶ月後、1年後、2年後で、2年たっても再発しなければ、大丈夫でしょう」というようなことを言われ、余命や確率については何も話していただけないそうです。彼女に癌と戦う意志はありますが、万一のことを考えると、子供のことが心配で眠れないそうです。他のご相談者のメールの中に、「肝臓癌は治らないという認識」という言葉があり、相談にのっている身としても、心配でたまりません。彼女のような場合、治る確率というのはあるのでしょうか?また、客観的にご覧になって(情報が少なくて申し訳ないのですが)、一般的には余命はどのくらいなのでしょうか?尚、手術し、入院している病院は、大きな大学病院です。申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

(答え)1998.11.6.
お答えします。あなたのメイルで確実なことは「39歳の友人が子宮頚癌で手術を受けた」ということだろうと思います。肝臓の癌が、子宮から転移したのか、肝臓から発生したものかは、手術の前の検査で分かります。色々な場合が考えられますが、一番楽観的に考えれば、子宮癌はリンパ節を取る必要がないくらいの早期で、肝臓癌も転移でなくて、ちゃんと手術で取れたということであれば、治る可能性があるということです。逆に最悪の場合、子宮癌はリンパ節転移があるのに取らず、肝臓癌が転移であるとすれば、治る可能性はありません。

ついでにあなたのメイルから判断すると、今入院している大学病院は、かなりレベルの低い医療しかできないところであるということになります。すばらしい治療ができる大学病院もありますが例外的で、もともと大学病院は、教育、研究のための施設ですから、病気を上手に治すということがへたなところというのが、我々の常識です。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1998.11.6.
早速のお返事、どうもありがとうございました。あまりにも確実な情報が少ない中で、お忙しい先生にメールを差し上げてしまい、申し訳ありませんでした。彼女には、あまり知らされていないのかもしれません。彼女のご家族から、もう少し話を伺って、その結果、再びメールさせていただくかもしれません。その際は、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

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[子宮癌の手術後、後腹膜に再発したが抗癌剤が効かない]

(相談)東京都98.10.2
私の母親に関する病気(ガンの再発)の相談をさせていただきます。私の母は64歳で主婦です。細かい経緯につきましては後で触れますが、昨年の秋頃から背中に違和感を感じるとか、腰が痛むなどと訴えはじめました。その後、数ヶ月様子をみていたのですが痛みはおさまらず、今年の春になって地元の病院で診察していただきました。その結果、後腹膜に親指ほどの大きさの腫瘍があることがわかり、そのまま入院しました。腫瘍は右側の背骨の近い部分にあり、腎臓につながる静脈を巻き込む形でできているとのこと。その後、腎臓の機能は停止しました。 医師は手術は難しいと判断し、抗がん剤の投与を行うことにしたのですが、これまでに3回投与を行ったにもかかわらず効果がないどころか、腫瘍は2倍ほどに拡大し、十二指腸に隣接するにいたり、動脈を囲い込む形にまでなりました。9月28日に撮ったCTスキャンでは肺と肝臓に薄い影があり、転移巣が見られるそうです。この結果を見て、医師はこれ以上の抗がん剤の投与は効果がないと判断し、中止することにしました。また放射線治療に関しても、病状を見る限りそれほどの効果は期待できないとのことで、今のところこれからの治療の方針が立たず、痛みを押さえるしかない、と見放される結果となりました。

実は、母は91年の1月に子宮と卵巣の摘出手術を受けています。その際に、抗がん剤を一度使用しました。それからは年に1回、検査を受けてきていました。それからは冒頭で説明しましたとおり、昨年の9月に本人が婦人科系の不快感と腰の痛みを感じるようになったという経緯です。その際、すぐに主治医に相談しましたが、再三にわたる婦人科でのCTスキャンとMRI検査では異常は出ず、湿布薬が出されていました。その結果に母親本人が納得できず、大きな病院で再度、検査を受けたところ、その日のうちに腫瘍が確認されたという次第です。それからの治療で問題になったのは、MSコンチンが体に合わないようで、かなり体力が衰弱してしまったことで、現在はボルタレンで多少の痛みを我慢しながらの療養生活を送っています。腰と腹部から足の付け根にかけて全体に痛むと言っています。担当医から言わば、サジを投げられた形になり、母は自宅療養中ですが、家族としては何としても、回復のために諦めず医療を受けさせてやりたいと考えております。医師も転院については最大限、協力をしてくれるとのことです。最近では免疫療法が注目されていますし、丸山ワクチン、佐藤療法、なども試してみたいと思っています。また放射線治療をしてあげてもいいと言ってくださっている病院もあります。どうか、今後の治療について、アドバイスを頂ければ幸いです。何とぞよろしくお願いします。

(答え)1998.10.2
お答えします。まず母上は、7年前に「子宮と卵巣の摘出手術」を受けておられますが、子宮癌(子宮頚癌または子宮体癌)だったのでしょうか。今回発見された腫瘍は、前回の癌の後腹膜のリンパ腺への転移による再発なのでしょうか。それとも、新たにできた「後腹膜腫瘍」なのでしょうか。診断がつかないまま、とりあえず手術が難しいので、化学療法(抗癌剤治療)を3回したが効果がなく、肺と肝臓にも転移巣がみつかり、痛みはMSコンチンで効果がなく?ボルタレンで多少の痛みを我慢しているが、体力が衰弱しているということでしょうか。

選択肢は色々あると思います。主治医が言うように、無駄な闘いは止めて、とにかく痛みを十分取ってもらい、残された時間を大切に使うというのが、本人にとっては最も楽な方法でしょう。一方では、1%でも可能性があれば(医者が1%でもと言うときは医学的には0%ということですが)、とにかく最後まで闘い抜くという方法もあります。闘わない方法を選ぶ場合には、ホスピスでの治療が一番良いと思います。徹底的に闘うのであれば、手術、放射線療法、化学療法を駆使して行う「集学的治療」ということになり、癌専門の医療センター(がんセンターや大学病院)での治療についての可能性に賭けることになります。

残念ながら、進行癌や末期癌に対する決め手はありません。免疫療法、丸山ワクチン、佐藤療法などを試してみるのも良いでしょうが、何にでも効くからなどといって大金を要求するようなものは気を付けてください。身体にも経済的にも負担にならないもので、続けられそうなもの(効く場合には続けることになりますから)を選ぶことです。放射線治療をしてみるのもひとつの方法です。何をしたほうがよいとか、何はだめとかということは、誰にも分かりません。自分で信じて選んだ方法が一番良いと思います。ではまたいつでもメイルをください。

(相談)1998.10.2
さっそくご返事をいただき、ありがとうございます。先生から言われたように、抗がん剤による治療は考えず、まず本人の体力の回復を優先して行くことにします。先生からのお返事の中に?があったように、先日の相談で不明瞭な部分がありましたので、その補足と同時にもう少し詳細な状況をお伝えして、再度、先生にアドバイスを頂ければ幸いです。また少し長くなりますがご勘弁ください。まず、7年前の癌は子宮体癌で、今回はリンパ線への転移による再発との事です。副作用がある程度収まり白血球が回復したところで一時退院し体力を回復させてきました。1回目、2回目の後のCT検査では腫瘍が大きくなっていない事、壊死状態が少し見られるとのことで効果は期待できたのですが3回目の後の検査では突然大きなっていたのです。痛みについては当初はロキソニンを服用してきましたが、3回目の化学療法後の回復期に高熱を伴う痛みが出たためMSコンチンを使用。使用直後から強いめまいと繰り返しの嘔吐に苦しめられ、痛みが引いたとしても反って衰弱する結果です。癌関係の本などではそういうケースもあり、その場合は使用しない方が良いとも書いてありました。主治医と師弟関係で癌の権威という副院長にはMSコンチンが体質的に合わないことが理解できない様子です。気のせい、思い込みだ、これ以外に方法はないんだと言っては繰り返し投与を続けられました。その結果、9月始めの一時退院のときには外食や買い物にも行ける程の体力があった体が車椅子無しには長く歩けないほど衰弱してしまいました。それで4回目は中止した方が良いとの判断になりました。ソセゴンでも同様の症状が出るそうです。それで、現在はボルタレンで我慢している状態ですがそれでも効かないときは市販のインドメタシン配合の湿布薬でも少し効果があるようです。それ以外には他に本当に痛みを抑える薬はないのでしょうか?一時しのぎだとしても何か情報があればお教えください。

今まで、直接内臓に影響はないわけですし、主治医も、抗がん剤で小さくして手術して・・・と軽く言うので楽観視してきていました。先日副院長に直接話を伺い、初めて、再発というものがどんなに危険性があるか、抗がん剤が効かないときは手の打ちようがないと知りました。そこまで危険な状態だとは思わず今更ながら急な母の衰弱ぶりに家族は焦っている始末です。その事実も主治医にとっては当たり前で説明するまでも無かったのかも知れませんが、あまりに不親切だと感じます。退院して食欲も出た矢先、消化障害が出ているためとロキソニンを服用したためと思われますが吐き気が止まらなくなり口から物が取れなくなりました。痛みを取って寝ているだけでは納得できないので早く転院したいと本人が希望したので二度と地元病院へは戻りたくないそうです。早急に入院先を決めなければと焦っています。闘う体力はないが、まったく闘わないということは本人も望まず、まだ自力でトイレにも行きますし気持ちはしっかりしています。むしろ気安めでも治療しているという実感が無いとますます悲観的になる人です。。今は体力を回復する方が先決なので、効果がある無しは別にして、本人に希望を持たせるために副作用の少ない民間療法を取り入れたいと思いました。先生のメールで佐藤療法を知りました。今後調べてみるつもりですが、このケースで有効なのでしょうか?症状によって効果は変りますか?また、八木田教授による免疫療法も来週アポを入れてあり試してみるつもりですが併用は望ましくないでしょうか?本人が少しでも元気の出る方法が見付かればと思います。そういう理解のある中くらいの総合病院に入院できれば、最良だと思っております。それから、次の段階として放射線などの可能性についても考えたいと思います。先生のおっしゃるようにホスピスでの治療は上記の理由でも最良と思いますが、ホスピスという響きに本人がどう思うか、人気が高くベッドが空いていない、高額であるなどの問題があり、一般と両方の可能性で調べています。ご多忙のところ長々と読んで頂きましてありがとうございます。ここまでの経緯で何か問題があるようでしたら御忠告をお願い致します。

(答え)1998.10.3
お答えします。7年前の子宮体癌のリンパ腺への転移による再発で、肺と肝臓にも転移巣があるということになれば、末期癌に近いということになります。「気安めでも治療しているという実感」を期待する治療法としては、丸山ワクチンや八木田教授による免疫療法などが適しているでしょう。佐藤療法は4週間から6週間以上の間隔で、静脈注射を1本するだけですので、「治療しているという実感」はあまりしないと思います。ある程度の「効果」は、どの治療方法でも期待できますが、「治る」ことは「奇跡」以外にありません。

埼玉県川越市の帯津三敬病院の帯津良一先生は、色々な民間療法なども取り入れて癌の治療をしています。その豊富な経験から、次のようなことを言っています。

「明日のことはわからない、突然よくなることもあれば、その反対もある。予測のつかない展開が起きる。しかも、きわめて個性的なもので、癌治療には王道もなければマニュアルも存在しない。癌ほどミステリアスなものはなく、治療として何をやっても良い。『これは良く効きます』とか、『こんなものが効くはずはありません』などと断定的なものの見方はできない。」

さて、癌の痛み(疼痛)に対する治療法ですが、これに関してはマニュアルがあります。WHOが出している世界的なマニュアルです。WHO方式癌疼痛治療法(WHO三段階治療法)といってもう10年以上前に出たもので、内容はごく常識的な考え方です。まず麻薬以外の鎮痛剤から始めて、痛みが治まらない場合には弱い麻薬を使い、それでも治まらない場合には強い麻薬を使います。麻薬だけでは痛みが治まらない場合には他の薬(鎮痛補助薬)を組み合わせて使います。麻薬と言っても「MSコンチン」(モルヒネ)だけではありません。モルヒネが体質的に合わない人やモルヒネでは痛みが十分取れない人もいます。これらの人を「モルヒネ不耐症」といいます。約30%の人は「モルヒネ不耐症」と言われています。その場合にはフェンタニルなどを使います。

なお、モルヒネには必ず起きる副作用があります。吐き気と便秘です。モルヒネを使う場合には、必ず予防的に吐き気止めと下剤を使います。これをしないと「モルヒネがあわない」といわれて、「モルヒネ不耐症」に間違われることがあります。モルヒネといってもMSコンチンだけではなく、水薬もあれば注射や座薬もあります(他の薬も同様です)。吐き気が止まらない時や口から物が取れない時には座薬を使います。知識があって、熱心に治療すれば、癌末期の痛みはほとんど取ることができるというのが、世界の常識です。ではまたいつでもメイルをください。

(返礼)1998.10.3
2度にわたって、ご丁寧なアドバイスをいただき、本当にありがとうございました。先生がおっしゃるように、現実をしっかりと認識しつつも、希望を捨てずにいろいろな治療にチャレンジしていこうと決意したところです。その後の経緯については折りに触れ、ご報告いたしますので、今後ともよろしくお願いします。数野先生のような熱心なお医者さんがいらっしゃることは、ガン患者を家族に持つものとしてはとても勇気づけられました。どうぞこれからもより多くの患者さんを癒されますよう、ご活躍をお祈りします。ありがとうございました。

(返信)1998.10.4
メイルありがとうございました。母上の状態を正確に把握できていないかも知れませんので、的確なアドバイスかどうかわかりません。参考にして頂いて、またいつでもメイルをください。

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[子宮の早期癌で円錐切除術を受けたが心配]

(相談)1998.1.29
はじめまして、28歳の主婦です。私は昨年12月に子宮癌の手術をしました。昨年6月に結婚したばかりなので、結構ショックでした。いつか子宮癌になるのではと、予感はしていたんですが、こんなに早くとは・・・。0期の上皮癌なので、円錐切除術で子宮はあるのですが、退院後の癌検診で、もう3a期(細胞診)になってて、半分子供をあきらめかけで、「生と死」というものを考えたりしだしました。最近、手塚治虫のブッダをもう一度読み直して、何か、心が軽くなったような気がします。仏教系の大学に行ってたのですが、まんがでないと、わからないのは勉強してなかったのです。そうはいっても、病気のことを話せる人というのは、周りにいてなくて、病気になって初めて思ったこと、感じたことや、不安なことというのは、健康な人からしたら、とてもギャップのある話ではないでしようか。必要以上に心配がられたり、見当違いだったり…。そこで、一昨日買ったばかりのパソコンでこういう人いないかなと、検索してたら先生のホームページを拝見することができました。「がんと共に生きる」で、告知されてからの、心の動きがぴったりだったので、なんか安心しました。これからも、先生のホームページちょくちょく見ます。では、では、さようなら

(答え)1998.1.30
ホームページを見ていただき、また、メールを頂き有難うございました。医学はどんどん進歩しています。昨年の秋、テレビで子宮癌の女性が、ご主人と力を合わせて子供を産むために、子宮を取らずに治療をしてくれる先生を捜し求め、実現するお話しがあったと思います。ビデオを取った記憶がありますので、探してみましよう。ところで「いつか子宮癌になるのではと、予感はしてた」と言われましたが、「病は気から」と言うように、自分が思っていることが、実現することはよくあります。一種のイメージトレーニングだと思います。だったら、前向きに、良くなること、元気になることをいつも考えてみてはどうでしよう。幸い、あなたは良き伴侶を得たわけですから、力を合わせて、闘いましよう。また、良き主治医が必要です。信頼できる医師を探すことが大切です。もちろん、今、治療してくださっている先生かも知れませんが。今日は、とりあえずこれくらいにしておきます。

(返礼)1998.1.31
こんにちは。お返事いただけて、とてもうれしいです。病は気からと、おっしゃってましたがやっぱりそうですよね。実は昨年入院が決まってから、両親の離婚や、姑とうまくいかないとか、同時進行で、いろんな問題が起きました。すると、みぞおちのあたりが、痛み出して、まるで胃が石にでもなっなような感じになり、体がだるくて、食事が全然、食べれなくなったのです。近所の町医者に「胃が痛いです」と言ったら、笑いながら、「がんか、胃潰瘍だ」と言われた。で、子宮癌の手術する話をしたら、顔色が変わって、「あんた早く病院に行きなさいよ」と言われた。その後、子宮と胃の手術どっち先かなあ、とか、いろいろ悩んでました。で、ひとりで悩んでたのですけど母に思い切って打ち明けると、2日後に全く治っていました。2週間ほど胃が痛かったわけで、それが、急に治ったのは、気が楽になったからなのか?母に感謝です。しかし、ひどい町医者ではないですか?触診もレントゲンもせず、軽々しく、「がん」なんて患者に言っていいもんでしようか?胃が治ってから入院したのですが、食うわ食うわで、病気らしくなく、入院して太ってしまい、あまり元気なので早く退院したのです。今、專業主婦で1日中家にいるので、ふとしたときに、やっぱり病気のことを、考えてしまいます。どちらかというと、悲観的な方なので、なんでも悪く考えてしまう。一人でいるのは、精神衛生上良くないみたいです。早く、お仕事しよう。お仕事のストレスの方が、良さそうです。では、ながなかとすいません。私は晩御飯を作ります。

(答え)1998.2.1
こんにちは。いきがい療法の五つの指針の第一は、「自分が自分の主治医のつもりで癌と闘う」というものです。もし、癌になったとしても、あわてずに良く調べて信頼できる医師を探すことです。やはりビデオがありました。昨年だと思いますが、NHKスペシャル・シリーズ「がん」の第一回目でした。「患者にやさしい癌治療」という題での番組の中に、妊娠中の28歳の女性に早期の子宮癌が見つかった例がありました。この人も円錐切除術を受けたのですが、癌が取り切れず、中絶と子宮の摘出を宣告されました。しかし、どうしても子供が欲しいという強い希望があり、主治医とご主人がそれぞれ調べて、子宮を残すことができる一つの治療法を見つけたという話しでした。あなたの場合はまったく心配ないと思います。もう病気は無いわけですが、たとえ病気があっても、決して病人にならないことです。では、お元気で!

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