ドリームマスター

© 1992 BIRTHDAY/NAMCO LTD.

■物語

ここは 水と緑に囲まれた 平和な国 オルタリア王国・・・
オルタリアは 国王アキナスの 優れた力により
永い間 平和が 続いていました。

アキナスには 今年16歳になる 美しい姫がいた・・・
アキナスは 姫をそれは可愛がり 姫は国中の 人気者でした


ある日 オルタリアに ブラックマスターと呼ばれる
邪悪な老人が 現れ・・・
事もあろうに 姫を 自らの手で創り出した 悪夢の世界
ブラックドリームへと 引き込んでしまった・・・

放っておけば 姫は眠り続け やがて死んでしまう・・・
国王アキナスは 嘆き 悲しみ・・・
国中から 凄腕のドリームマスターを呼び寄せ
ブラックドリームから 姫を救おうと試みた・・・

ドリームマスターとは 人々の病んだ心に 入り込み
安らぎに導く事の出来る者達・・・

しかし ブラックドリームの中に 入って行ったドリームマスター達は
誰一人 戻ってはこなかった・・・


ここは オルタリア城 アキナス王の部屋・・・・・・

おおっ クリートか!
オルタリア一のドリームマスター さえも まだ眠りから覚めぬ・・・
このまま 戻らないとなると・・・ 姫の命が 危ない

王様 私が聞いた噂では オルタリアの南の砂漠を越えた 森の中に・・・
究極のドリームマスター 夢幻老師 と言う 老人が居るそうです
もしや その男ならば 姫を ブラックドリームから 救えるのでは・・・

しかし・・・ここより 南は果てしない砂漠の広がる 危険な地域・・・
一体 誰が あの砂漠を超え 夢幻老師 とやらを 呼びに行けるのじゃ・・・

この 近衛隊長 クリートに お任せ下さい!

おお・・・クリート 言ってくれるか!
頼む その 夢幻老師だけが 最後の頼みじゃ!

はっ! このクリート 命に代えて 必ずや夢幻老師を お連れ致します!

旅立った 近衛隊長クリートは 苦しい旅の末
ようやく 南の森に辿り着いた・・・


ここは 究極のドリームマスター 夢幻老師の家
今 夢幻老師は 弟子の貴方に その教えを説いていた

よいか わしらドリームマスターは 人々の心を安らぎと平和に導く事が使命じゃ
病んでいる心を治す時のみ その力を使うのじゃ
決して その力を悪用してはならぬ 良いな・・・

ム・・・! その男は・・・!

わ・・・私は クリート・・・
オルタリアの近衛隊長・・・ あ・・・貴方が 夢幻老師様?

いかにも わしが夢幻老師 このわしに 何か御用かな?
そんなボロボロの姿になってまで わしに会いに来たとは 余程 大切な事じゃな?

老師様!お願いが御座います オルタリアの姫をお救いください
ブ・・・ブラックマスターと名乗る男にかけられた 悪夢に姫の命が尽きようと・・・
姫を・・・か・・・必ず・・・必ず 救ってください・・・
わ・・・私は も・・・う ダ・・・メ・・・だ

近衛隊長クリート・・・
お前の勇気・・・決して ムダにはせぬ・・・
せめて わしらが手厚く弔ってやろう・・・・・・

ブラックマスターは 邪悪な心を持つ男じゃ・・・・・・
奴は 暗黒世界の夢使い・・・人々を 不安と恐怖に落とし込む男じゃ
奴は 全ての美しい物を憎んでおる・・・急がねば 姫の命が危ない
しかし・・・年老いたわしの力では 奴と直接対決は出来ぬ・・・
お前が わしの代わりにブラックドリームに入って 姫を救うのじゃ!

■ブラックドリームとは

ブラックドリームは 恐ろしい悪夢・・・
壁には 全て もやがかかり・・・
その壁に ぶつかれば 命が少しずつ減っていく・・・

そして 暗いもやの中からは 敵が忍びより 襲いかかる・・・

命が 少ない時は 避ける事も必要だが・・・
敵を倒して得られる 技ポイント・・・
これを稼ぎ より強く クラスアップせねば・・・
ブラックドリームを攻略し 姫をお救いする事はできぬ・・・

更に ブラックドリームの中には
よく見ないと 見落としてしまいそうなスイッチがある・・・

よいか 自分の眼と 耳だけが頼りじゃ! 頑張るんじゃぞ!

■各種補足


もやを解いて 壁にぶつかると 1ダメージ。
一定数 壁に当たらずに進むと 【ブラックマスター】が見事な歩きを誉めてくれる上に
楽しませてくれるご褒美として エネル(生命力)を回復してくれる。 

逆に 何度もぶつかっていると お約束通り 馬鹿にしてくれる。


もやを解いて 壁にぶつかっても ダメージを受けなかった場合 その壁は【崩せる壁】。
もう一度 体当たりをして見ると 通路が開く。

毒沼に閉じ込められるトラップから脱出する時にも この方法で。


「ヒューヒュー」と言う音が聞こえたら 周囲に【落し穴】がある証拠。
落し穴は落ちると 1階層に付き 5ダメージ。
階層を連続した落し穴だと 当然ながら 倍増する。


「ガサガサ」と言う音が聞こえ始めたら 周囲に敵が近付いている証拠。
音が大きくなればなるほど 近くを徘徊している事を意味する。
敵の姿は時折【火の玉】となって 見える事もある。

ブラックドリーム内で襲いかかる敵は 決められた地域に 決められた数しか存在しない。
主人公から触れない限りは 敵との戦闘に入る事は無い。
戦闘から逃亡した直後は 戦闘前に触れた位置に敵は留まっている。


敵との戦闘は 基本的に一対一で行なわれる。
此方が仲間を連れている場合 主人公が攻撃を受けた時 一定確率で反撃を行なってくれる。
・・・が その攻撃力は あまり当てにならない。


敵との戦闘で使用できるコマンドは以下の通り。

▼攻撃
ごく普通の攻撃。
▼牽制
攻撃命中率・防御面を重視した攻撃法。
あまり利用価値が無い。
▼突撃
攻撃命中率・防御面を軽視した攻撃法。
敵の弱点が判っていて 一気にケリを付けたい時に頼りになる。
▼サーチ
敵の【命】・【力】・【守】・【弱点】を調査する。
完全に調査し終えるまで使用可能だが シナリオボスだと【弱点】だけは調査できない。
▼アイテム
今所持しているアイテムを使用する。
▼脱出
敵に背を向けて逃亡する。
成功した場合については前述通り。

敵には攻撃できる場所が数ヶ所あり 必ず弱点が1ヶ所存在する。

弱点以外にも
【力】・【守】・【速度(非表示)】を増減させる場所。
反撃を食らう場所。
一撃死が発生する場所 等が存在する事もある。


敵の特殊攻撃の中には 回避方向を 選択して回避できる攻撃もある。
方向は【レフト】・【センター】・【ライト】の3方向から選択。
選択が間に合わないと強制的に直撃を食らう。


クラスアップすると 攻撃力と 防御力が上昇する。
各ブラックドリームでは クラスアップの上限が定められており
最高クラスになるには 全ての敵を倒す必要がある。


【悪夢への招待】以外のブラックドリームには 密かに【夢幻老師】の張った結界が存在し
そこにある【魂の泉】では 【夢幻老師】が1度だけ 命の最大値増加+全回復を行なってくれる。


迷宮内で淡く光る場所には 【アイテム】 もしくは 【宝箱】が 置かれている。

【宝箱】は 中から敵が出現するトラップもあるので注意。
ただし 完全にクラスアップしたいのなら 開けるより他は無い。


ブラックドリーム内にある【アイテム】は 基本的に決められた数しか存在しないが
敵を倒す事により ランダムで【アイテム】を入手できる事がある。

【アイテム】は捨てると 主人公の目前に残ったままになる。
当然ながら 壁の方を向いている状態では捨てられない。
床にある【スイッチ】の中には 上に【アイテム】を捨てる事で押したままにする事ができる物もある。


後半で見られる【回転床】は対処法が無いので 運を天に任せ 回り回され 吹っ飛ばされる事。
壁に当たってしまったら ご愁傷様 5ダメージ。

■ソフト解説

機種名:FC
販売額:5800円(税別)
発売元:ナムコ
発売日:1992年09月22日
ジャンル:RPG

■ゲーム解説

ナムコから発売されてはいるが 実際は【BIRTHDAY】(バースデイ)が製作。
【貝獣物語】・【じゅうべえくえすと】に続く 第3弾にして ナムコでの最終作。


前2作とは 明かに違うシステムは 【ブラックドリーム】項目参照の事。
死の代理人的に簡単に説明すると 一時期流行った【ゲームブック】風RPG。

一度クリアすれば 迷宮【ブラックドリーム】のトリックは解ってしまうが
プレイヤー自身で プレイの制約を付けると 何度も楽しめるかもしれない。


グラフィックは FC後期の作品だけに 綺麗に書き込まれている。
戦闘バランスは システムの関連上もあるが 前2作より確りとまとまっている。
音楽も ボス戦と ザコ戦とは区別化され 格好良い音楽になっている。

優秀な出来ではあるが 冒険途中で 中断出来ないと言うのは 一長一短。
クリアするのに数時間かかる後半ステージは まさに色々な意味でスリルの連続。
あと一歩での ゲームオーバー時の 脱力感は結構なもの。


【貝獣物語】・【じゅうべえくえすと】・【ドリームマスター】の3作に出てくる 一部の敵達は
後の作品でも ゲスト出演しているので 興味があったら探してみるべし。