ラストハルマゲドン

©BRAINGREY・MIND
©YUTAKA 1990

■物語

眩いばかりの光が一つ この星の地上に浮かび上がると
それは一瞬の内に膨れあがり 星の全てを飲み込んでしまった

この時 星は打ち震え 地上のあらゆる物は薙ぎ倒されたと言う
光の打撃の去った後に残った物は 動く物一つ無い 広漠とした大地だけであった

そして
星は死の沈黙に支配されたのだった


どれくらいの時が流れたのだろう
死に絶えた筈の この世界に ある異変が起ころうとしていた


突然 恐ろしい姿をした 2人の魔物が現れた

ミノタウロス
 :また 落ちたな
スケルトン
 :うむ これで108個目だぞ

ミノタウロス
 :今落ちた奴も やはり あの石版なのだろうか
スケルトン
 :人間が滅び去り 遂に我々魔族の時代が来たと 思っておったのにな
  どうやらそうもいかぬようだ

ミノタウロス
 :我々の 魔界の傍に打ち込まれた石版を作れるような生物が 
  まだ何処かにいると言うのか
スケルトン
 :或いはな
  それをこれから我等が調べればならん
ミノタウロス
 :ふっ!
  我々の邪魔をするような連中なら このオレが 尽く叩き潰してくれるわ!
スケルトン
 :相変わらず威勢が良いな ミノタウロス
  だが 今回は偵察が目的だ
  戦いは二の次にせねば

その時!
突然 一発の 銃声が 轟いた!

スケルトン
 :かはっ!

頭を砕かれたスケルトンは その場に倒れ倒れ伏した


ミノタウロス
 :おおっ スケルトン!スケルトンッ!!
ミノタウロス
 :あっ!きっ 貴様! 何者だ!!

手に 銃を持ったエイリアンが立っている!
スケルトンはあの銃に 倒されたのだろう
そして エイリアンは徐に喋り始めた

エイリアン
 :これから私の言う事を 君の仲間に伝えなさい
  つまらぬ抵抗は しない事
  私は 何時でも貴方を撃つ事が出来ます
  我々チリウス星人は この惑星をチリウス星の 第203植民星として定める
  抵抗する者には 死が有るのみ
  答は 2つに1つ
  我々に従うか 戦って滅び去るか 明日の朝まで返答を待つ
  さあ 行きなさい
  そして 貴方の仲間に この事を伝えるのです

こうして 已む無く魔界に戻ったミノタウロスから報告を聞いた魔族達は 激怒し
直ちに エイリアン討伐隊を組織した

魔族 選りすぐりの勇士達 12人が召集されたのだ

彼等に与えられた使命は2つ
天空より降り注いだ 石版の謎をを探り また エイリアンを尽く 撃ち滅ぼす事

壮絶なる戦いの予感を胸に 12人の魔物は旅だった

今 地球の運命を決める新たな そして最後の戦いが始まろうとしている

■専門用語

▼アゾット剣

火山に囲まれ 自らも燃えあがる炎の樹 【バスクの樹】の根元に突き刺さる 伝説の秘剣
普通の武器が装備出来ないモンスターも この剣なら装備する事が可能
ただし 剣を引きぬくだけの力量が無ければならない

▼合体

モンスターは一定のレベルに達すると 
他のモンスターの細胞を取り入れ 新しい生命体に変化する
細胞を取り入れて進化すると言う事は 
細胞元のモンスターが持っていた特殊能力も取り入れるという事
つまり 道具の作れないモンスターでも 道具が作れるモンスターの細胞を取り入れれば 
その力が使えるようになると言う事だ
合体後の姿は大半が異形なのだが 移動は本来の姿で行なわれている所を見る限り 
多分 戦闘時用のメタモルフォーゼなのだろう

▼サルバンの破砕日

月末に一度だけ訪れる長い一日 それがサルバンの破砕日である
この日は通常の10倍もの時間があり 
A・スフィンクスや ゴーレムはこの日のみ活動が許されている
異常気象の為に起こる現象とされているが 何故起こるかは不明

▼時間

午前10時から 午後10時までが 朝であり それ以外は夜である
夕暮れなどは存在せず いきなり朝と夜が入れ替わるのだ
各時間帯になれば自発的にモンスターは 【シャーマンの壷】を使い交替する
1月13日(金)AM00:00から モンスター達の冒険は始まる

▼シャーマンの壷

この壷は モンスター達が旅の途中で眠りにつく時に入るものだ
昼間活動できない者 夜活動できない者がこの壷に入る
一見は小さな壷であるが その中は無限の広がりがあり
ゴーレムが100人入ろうとも窮屈では無い
また 中にいるモンスターは外で活動しているモンスターの行動を全て知る事が可能

▼ジン

この不毛の地でアイテムを手にするのは自ら作り出す他 手立ては無い
その材料となるのが”ジン”である
ジンとはエイリアンの皮膚に付着した 【宇宙塵】の事で 戦闘に勝つと入手できる
これを合成して 様々な武器,防具,アイテムを作り出すのだ

▼謎の石版

石版は全世界に108個存在する
その一つ一つが何かしらのヒントになっているらしいが どれも難解な物ばかりだ
とりあえず全ての石版を回ってみた方が良いだろう
一つ一つの意味はわからずとも 全部をあわせた時に意味の出てくる物もあるのだから

▼魔界

魔界はモンスター達の故郷であり 全てのスタート地点
一日に一度だけ 全ての傷や死からモンスターを救う事ができる
不思議な力の力場が形成されている

■ソフト解説

部屋の中に水晶球が置いてある
近づくと 突然 水晶の中に人間の姿が浮かび上がった


ガルマにより見出されし者よ
その証を差し出すのだ

一行はガルマの本を水晶の下に置いた
すると 今まで空白であったページに 何かが浮かび上がった


機種名:FC
販売額:9800円(税別)
発売元:バンダイ
発売日:1990年11月10日
ジャンル:RPG


ガルマの記憶を 受継がんと欲する者よ!
今 1つのガルマの記憶が呼び覚まされた
進むが良い!
そして存分に恐怖を味わうのだ

■ゲーム紹介

壁に文字が書いてある


それは パソコンでの大作RPGを かなりマイナーチェンジして移植した作品

舞台は核戦争により全生物が死滅した地球

遂に自分達の世界が得られると 地の底 【魔界】から這い出たモンスター達と 
植民星とする為に 宇宙から侵略を仕掛けて来たエイリアン達との 
地球の覇権を巡る 【最後の最終戦争】の物語である


[批評?]


当作品はマイナーチェンジしているとは言え 
戦闘時のとった行動により 対応した能力値が上昇したり 
時間経過によってパーティが入れ替わったり 
必要な武器・防具・アイテム類は 材料が有れば自分で作る事が可能だったり 
当時としては変わったシステムや 今としても変わったシステムが目白押しだった

当作品はマイナーチェンジしているとは言え 
元祖PC版の曲や ノリの良いアレンジが目立つPCE版の曲とは違った 
暗くも魅力的(ある時は破壊的)なサウンド類は 耳につくと中々離れないのだ

お気に入りは 【戦闘】・【エイリアンベース戦闘】・【ファンタジーランド】
ついでに 【特殊攻撃の効果音】だったりする

当作品はマイナーチェンジしているとは言え 
物語も 意表をつかせる物や 考えらされる物 とにかく重い話が次々と出て来る
前半の山場である 【戻らずの塔】のイベントは その最たる物であろう

この時代に人類が学んだのは 
「マイナーチェンジが残念だな」と言う事

同年08月31日に FC版よりも先に総合能力で勝るPCE版が出てしまった事と 
世に出始めたSFCで販売する事を考えても良かったのではないかという事に 
製作者が気が付いても良かった筈なのに

…コレはコレで 個人的に好きなのだが 
嗜好の問題だから 仕方が無い


さあ この時代はこれで終りだ
次なる時代の扉を開くが良い
時は黙っていても過ぎていくのだから