読本 夢五誉身

天神怪戦2

©1992 MELDAC/LIVE PLANNING
LICENSED BY NINTENDO

■すとーりー

1834 天保5年。

とある村の寺小屋の先生は 
授業の最中 教え子達の中に妙な人物が紛れているのを見かける。

教え子達にその妙な人物の事を訪ねるものの 
その姿は既に消えうせ 生徒達には不思議がられる始末。

気をとり直し 授業を再開するものの 
先生は何となく落ち着かず 横目で周囲を見まわす。

と その直後 目前に先程の人影が…。

驚き倒れる先生。
その人影を怒鳴り上げるが 周囲にいたのは自分の教え子達のみ。

その夜 村の周囲の空に不気味な黒雲が立ち込め始め 
何者かが不気味な声で呟いた。

「くくくっ!! あと一人か…」

■そふと解説

販売額:4500円(税込)
販売元:メルダック
発売日:1992年03月13日
ジャンル:ADV+RPG

■げーむ解説

江戸時代後期の日本を舞台にした 天神達と魑魅魍魎達の戦い。
それに巻き込まれてしまった一人の人間の ”裏の歴史”の物語。

要所 要所に”大塩平八郎”や ”高野長英”等の実在の人物や 
”天保の大飢饉”等の出来事を ”表の歴史”として織り交ぜている。


GBの画面を4分割 其々にグラフィック・メッセージ等を効果的に配置し
漫画やアニメさながらに物語を表現する マルチスクリーンアドベンチャーシーン。
単純明快なカードバトルで行なわれる RPG戦闘シーン。
ちょっと蛇足かもしれない 3Dダンジョン探索シーン。
以下の 3タイプのシーンでゲームは構成されている。


前作の「天神怪戦」から 既に知名度が低い為 殆ど幻に近い存在感であるが
しかし その独特のシステムによる物語の見せ方は秀逸。

所々に4枚のカードから 1枚選択する「うんだめし」が有り 
結果によって微妙にストーリーが変化。
行なってきた行動の結果によって エンディングまでも変化。
中ボスに倒された時に ゲームオーバーのオチまでも物語で紹介されるのが楽しく 
「蛙の腹の中」や 「燃え盛る町中で焼死」と言うのは なかなか衝撃的。
物語の雰囲気を高める音楽も かなり良質な物が揃っている。

ただし 当然ながら難点も存在。

同等の存在であるサブキャラ達なのに 各々の印象に随分と格差が有る。
物語の伏目伏目に 再開用パスワードが表示される方式の為 
途中で敵にやられ ゲームオーバーになると 再び同じ文章を見る羽目になる。
その文章の表示速度が遅く また飛ばす事ができない。

とにかく 名前がもう少し知られても良いであろう ゲームなのは 間違い無い。

一押しキャラは 天神達よりも 敵幹部の”「死」の兜亡(かぶとぼう)”だったりする。