ビタミーナ王国物語

© 1992 NAMCO

■ストーリー

異次元の世界にあるビタミーナ王国は 
美しい自然に恵まれた平和な国だった。

しかし…。

――― 時空間の狭間 亜空間 ―――

怪人 「ばばあ! 天下仏(てんかぶつ)様には近づかせんぞ!」

老婆 「ええい どけい 必ず秘密を暴いて見せるわ。」

怪人 「そうはさせるか! 死ねい!」

老婆 「くうっ やるな おぬし。 一先ず三次元にワープじゃ。」

怪人 「待ちやがれ!」

――― 人間の世界 森の中 ―――

「父さんは森の汚れを調べてくるからな。 お前はここで少し休んでなさい。」

ある晴れた日の事。
少年は森林監察官の父親と一緒に遠くの森までやってきました。

お役所には地球の自然を守る役目の人達がいて 
少年の父親は 主に山や森林を担当しているのです。

父親が去ってから暫らくの事。

突然 少年の目の前へ 
空間を切り裂くようにして1人の老婆が現れたのです。

老婆 「ううむ… ここは何処じゃ?」

(一体 何処から……?)

そう言おうとした時 またもや空間から1人の男が姿を現しました。

怪人 「ばばあ! 見つけたぜ!」

老婆も何処か人間とは異なった感じでしたが 
男は明らかに この世界の生き物とは異なる姿だったのです。

老婆 「ここまで追ってきたか! しつこいのお まだやるか。」

それは少年が今まで見た事の無い 
エネルギーのぶつかり合いとでも言うような 不思議で激しい戦いでした。

そう それは魔法の戦いだったのです。

老婆 「巻き添えは出せん! ここは退散じゃ」

やがて少年に被害が及ぶ事を心配した老婆は異空間への脱出を図りました。

怪人 「そうはさせんぞ!」

しかし男の攻撃は予想以上に凄まじく 
老婆の魔法は少年をも巻き込み 大暴走してしまったのです。

老婆 「うわあ いかん! 魔法が暴走するぞい!」

――物語はここから始まります。

■ソフト紹介

販売額:4900円(税込)
販売元:ナムコ
発売日:1992年09月17日
ジャンル:RPG

■ゲーム紹介

食べ物や食器 食生活に関わる奇妙な生物が棲む異世界 【ビタミーナ王国】。
ふとした事から 地球より飛ばされて来てしまった少年が 冒険を繰り広げるRPG。

戦闘は ボタン全てに行動を設定してある 【ダイレクトバトルシステム】を使用。
あれこれ選択せず ボタン一つで 即座に 攻撃・魔法・防御・逃走を行なってくれる上 
その行動は敵・味方同時に行われる為に スピード感に溢れる戦闘を楽しめる。

登場する敵は 「砂糖製のゴーレム」 「タバスコを吐くドラゴン」 「寒天質のスライム」
「スリガネ持ったオーガ」 「泡に塗れた人魚」 「エプロン着た女人族」
挙句の果てには 「光る皿を担いだ尼僧」 「自分の首をトレイに乗せた首無しコック」まで現れる 
敵に限らず 登場人物名も アイテム名も 何もかもが(一部を除いて)食生活全開。

当然 イベントも食生活に関わる それらしい物から 
町の法律を 金を支払ってスロットマシーンで変えられたり 

温泉の脱衣所で服を奪われ 裸で戦う主人公が見れたり 

仲間の女性と雪山の小屋で添い寝 迫り来る 「エッチな妄想」と戦ったり 
ちょっと普通のRPGとは異なるラインナップが目白押し。

エンディング直前の ある選択も 老若男女問わず 何でもOK。
(プレイした人は意味が解る筈)

エンカウント率がやや高めの点を除けば 他は優秀な出来具合。
エンディング後は 【サウンドテスト】 や 【全敵紹介】 その他お楽しみで楽しめる。

物語のテーマは 天下仏(添加物)との戦いを始め 食生活は勿論の事 
環境問題に焦点が当てられている。

もしも 現代にこのゲームがリメイクされたら 【狂牛病】やら 【偽装表示】やら 
【農薬】やら 【健康食品(もどき)】やらで 更なるイベントが追加される事 間違い無し。

こんな現代だからこそ 改めてプレーしたくなる作品。

なお 敵ボスには 【ダイオ鬼神】と 【O‐157(メカ系)】の追加を希望。