陽炎迷宮

1990 ハート電子産業(株)

■物語

	友人のベルゼ・Ｊ・キースから最近発掘されて話題を呼んでいる　アルデ・ミ・アンカ文明の遺跡のことで、電話があった。キースは大学の講師で　考古学というのをやっているらしい。文化遺産が金になるのかどうかは知らないが、今回の調査にあたっては　スポンサーまでつけるという力の入れようであった。なんでもその遺跡には、非常に不思議な力があるらしく遺跡に入った人間全てが　違った世界を目にしていると言う。ある者は光の女神像を見たと言い、ある者は邪神像を見たと言い・・・関係者全員が　同じフロアーで違ったものを見ているらしい。発掘されて３日にして　色んな説が飛びかっていた。トラップ、神の力、スポンサーの人目を引く作戦、しまいには　時間と空間とが歪んでるなどと言い出す奴まで出る始末だ。幻覚剤・・・知識の浅い連中の間ではそれが正当論だった。現時点ではだれも、今おきている不思議な出来事は　非常に限られた人間以外を受け付けないという事だと　知る者はいなかった。不可思議なことが多過ぎるという事で　科学的な視点からもアプローチしてみることになり科学者である私に電話がかかってきたのだ。が・・・どうだか・・・。人手不足を理由に　私の一人娘のステディアまで駆り出される事になった。大学では講師と学生という関係らしいが、キースとステディアの付き合いは長いようで、遺跡で見つけたらしいブローチのプレゼントを　貰う程の仲である。キースは、父親の私でさえもよく知らない　娘の背中にある数センチほどのキズをも知っている。私はその事については　別に問いただす気はまったくない。ステディアも年頃だし、私もそれほどヤボではないということだ。
	ラジオ番組が　時報を知らせた。その音を聞いて　キースも自分の時計を合わせた。流石に　先日からドタバタしていたので　時計の事などすっかり忘れていたらしい。いや　時差の事ではない。時計そのものの事である。キースはいつも職業柄、世界時刻対応の時計をしているのだが、ステディアの前では　ちょっとオシャレなアナログ時計をしているのである。なかなか　気をつかっているという事だろう。
	その現場に着き、ジープを降りたのは　ちょうど足元の影が無くなる頃だった。周りを見渡すと、あまり意味の無い　立入禁止の柵があり、おそらく入口であろうと思われる所には、かえって目立つ様な覆いが　被さっていた。気が付くと　現地人数人と　キースが話をしていた。早速自分の仕事にとりかかるのは流石だ。今の時期、季節的には過ごしやすいのだろうが、流石に　この陽の高さでは汗が流れてくる。
	キースの横にいたステディアが　気をきかしてハンカチを差し出した。流石は女の子　と言ったところだろう。汗を拭き取ったキースが　仮設テントへ向かった。その行動を見て　私達も後を追うようにして　テントへ走って行った。テーブルの上に置かれた資料類には　大した事は書かれていなかった。キース達一向は　その資料に軽く目を通して準備にかかった。
	キース、ステディアは軽装で　さっさと準備を終え出ていったが、私はかなりの重装備で　少々てまどっていた。歳・・・という事もあるかもしれないが　護身用に銃を持ってきていた。・・・　ドイツ製カートレスガン　・・・なかなか　画期的な銃である。
	さっきまで被さっていた覆いが取られて　ぽっかり入口が顔をだした。装備で少々もたついてしまったが、２人は入口の前で待っていた。待っていた、と言っても話をしながらで、緊張感等は　表情を見る限り感じ取れない。２人はまるでこれから遊びにでも行くかのようだ。入口に歩み寄るに従って　私は得体の知れない何かを感じていた。私が科学者になったきっかけというのが　これだ。自分の力の謎を知りたくて科学を学び、いつしかその道のエキスパートとなっていたのだ。が、自分の持つ知識、施設を持ってしても　己の持つ力の謎は解けなかった。　・・・迷宮・・・と言う言葉が当てはまるかどうかは分からないが、それについては何年もの間謎のままだ。
	キース「さーて、それでは・・・いきますか！」キース「いっちばーん！」足を踏み入れた・・・が　何の変哲もないところだった。キース「ほほー！」キースは感心してるようだが　辺りを見回しても普通の壁である。「キャアーーー！！」　一瞬の出来事だった。ステディアの叫び声がその通路を引き裂いた様に感じられたが　実際にはその逆だ。目に飛び込んできた映像は　信じられないものがあった。
	光につつまれてる・・・　いや、光がその通路の奥深くに吸い寄せられている。光だけではない。３人ともであった。「ステディアーーー！！！」
	気が付くと私は　想像も出来ない様な　不思議な空間の中に立っていた。この光景・・・どうやら　遺跡の中ではないようだ。だとしたら　此処は何処なのだろうか？振り返るとそこに　外への出口は無く　ステディアと　キースの姿も見当たらない確かに一緒に光に包まれた・・・そう　その後　暗い空間を漂い　気が付くと　ここに居た。二人を探さなくては・・・それに何処かに出口がある筈だ。私は　カートレスガンのセフティを外し　身構えながら呟いた・・・「ステディア・・・何処に居るんだ・・・」

■アイテム

▼オプション

名称　　　　　　　　　|解説
メンタルボール　　　　|戦闘中　攻撃を行った際に　精神魔類に対し　追加で精神攻撃を行ってくれる
フィジカルボール　　　|戦闘中　攻撃を行った際に　物理魔類に対し　追加で物理攻撃を行ってくれる
ヒールボール　　　　　|移動中　徐々に体力を回復させる

▼武器

名称　　　　　　　　　|解説
カートレス　ガン　　　|物理攻撃　分類：ウィンドウアタック　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
オークの　あわ　　　　|物理攻撃　分類：ウィンドウアタック　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ジュマーサの　あわ　　|物理攻撃　分類：ウィンドウアタック　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ゼスティアナの　あわ　|物理攻撃　分類：ウィンドウアタック　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　あわ　　　|物理攻撃　分類：ウィンドウアタック　レベル５
ジェドの　いし　　　　|物理攻撃　分類：ライトアタック　　　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
キャンドルージの　いし|物理攻撃　分類：ライトアタック　　　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ワンドルドのいし　　　|物理攻撃　分類：ライトアタック　　　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ディボルの　いし　　　|物理攻撃　分類：ライトアタック　　　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　いし　　　|物理攻撃　分類：ライトアタック　　　レベル５
ニーの　つめ　　　　　|物理攻撃　分類：プラズマアタック　　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ブレアンドルの　つめ　|物理攻撃　分類：プラズマアタック　　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
リュッゾルの　つめ　　|物理攻撃　分類：プラズマアタック　　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ネビアゴーンの　つめ　|物理攻撃　分類：プラズマアタック　　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　つめ　　　|物理攻撃　分類：プラズマアタック　　レベル５
アサカミそうの　ほうし|精神攻撃　分類：プレジャーアタック　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
トキカナメそうのほうし|精神攻撃　分類：プレジャーアタック　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
カラコルムそうのほうし|精神攻撃　分類：プレジャーアタック　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
カルマそうの　ほうし　|精神攻撃　分類：プレジャーアタック　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　ほうし　　|精神攻撃　分類：プレジャーアタック　レベル５
マナろうばの　ち　　　|精神攻撃　分類：メンタルファイア　　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
サオミクどりの　ち　　|精神攻撃　分類：メンタルファイア　　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
バヌジスケンの　ち　　|精神攻撃　分類：メンタルファイア　　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
アズピラじんのち　　　|精神攻撃　分類：メンタルファイア　　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　ち　　　　|精神攻撃　分類：メンタルファイア　　レベル５
サージェントの　かみ　|精神攻撃　分類：メンタルブロー　　　レベル１　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
アコンジェントの　かみ|精神攻撃　分類：メンタルブロー　　　レベル２　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
チオスジェントの　かみ|精神攻撃　分類：メンタルブロー　　　レベル３　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
ファルジェントの　かみ|精神攻撃　分類：メンタルブロー　　　レベル４　※弱点の敵に対して投げつけると敵を即死させる
かげろうの　かみ　　　|精神攻撃　分類：メンタルブロー　　　レベル５

▼アイテム

キースの　うでどけい　|キースの所持していた腕時計
ステディアの　ハンカチ|ステディアの所持していたハンカチ
じくうの　ひかり　　　|第二階層で使用　時空の陰に光を差し込む
ゆうきの　けっしょう　|第三階層で使用　ファイアードラゴンの通路のダメージを無効化する
やさしさの　けっしょう|第三階層で使用　ファイアードラゴンの通路のダメージを無効化する
かげろうの　しょ　　　|陽炎の書の偽物
かげろうの　しょ　　　|陽炎の書の本物

■魔

▼第一階層
名称　　：ビジョン生命力　：7 物理攻撃：4 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：パラノイア生命力　：7 物理攻撃：3 精神攻撃：3 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：ウィル生命力　：12 物理攻撃：3 精神攻撃：3 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：メモリー生命力　：17 物理攻撃：6 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：プレジャー	名称　　：ロンリー生命力　：20 物理攻撃：6 精神攻撃：3 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト
名称　　：イメージ生命力　：20 物理攻撃：8 精神攻撃：4 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：ペースト生命力　：35 物理攻撃：8 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：プラズマ	名称　　：セットル生命力　：40 物理攻撃：10 精神攻撃：5 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：ディスターブ　　生命力　：45 物理攻撃：10 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：ノイズ生命力　：50 物理攻撃：20 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト
▼第二階層
名称　　：ウォーム生命力　：50 物理攻撃：6 精神攻撃：4 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：ボブサイト　　　生命力　：60 物理攻撃：6 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：メアルパーメント生命力　：60 物理攻撃：10 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：ハートン生命力　：60 物理攻撃：10 精神攻撃：3 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：ラクレインス生命力　：60 物理攻撃：10 精神攻撃：5 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：プレジャー
名称　　：ディアスフォント生命力　：70 物理攻撃：15 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：プラズマ	名称　　：フィジア生命力　：70 物理攻撃：15 精神攻撃：6 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：スッド生命力　：80 物理攻撃：20 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：エゾン生命力　：80 物理攻撃：20 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：リガールミット生命力　：80 物理攻撃：20 精神攻撃：5 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア
▼第三階層
名称　　：キエスエンダ生命力　：70 物理攻撃：13 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：ブラウヘン生命力　：70 物理攻撃：13 精神攻撃：5 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：ゼルベル生命力　：80 物理攻撃：14 精神攻撃：6 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：サミタート生命力　：80 物理攻撃：16 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：ズワルト生命力　：90 物理攻撃：16 精神攻撃：4 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：プレジャー
名称　　：エダ生命力　：90 物理攻撃：17 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：プラズマ	名称　　：キキーミル生命力　：150 物理攻撃：15 精神攻撃：5 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：サミタートヘン生命力　：150 物理攻撃：18 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：エスドマール生命力　：150 物理攻撃：30 精神攻撃：4 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：ゾワルドット生命力　：150 物理攻撃：30 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト
▼第四階層
名称　　：バックドリア生命力　：120 物理攻撃：25 精神攻撃：7 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：デルストッカー生命力　：125 物理攻撃：23 精神攻撃：8 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：マックス生命力　：130 物理攻撃：23 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：リバージュ生命力　：130 物理攻撃：27 精神攻撃：8 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：精神魔類弱点　　：プレジャー	名称　　：アンファタメーター生命力　：155 物理攻撃：25 精神攻撃：1 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ
名称　　：ラノスデーバー生命力　：155 物理攻撃：27 精神攻撃：2 防御力　：1(ダメージ100%) 分類　　：物理魔類弱点　　：プラズマ	名称　　：グラックス生命力　：160 物理攻撃：28 精神攻撃：1 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：エスタ生命力　：165 物理攻撃：30 精神攻撃：1 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：ラネーション生命力　：175 物理攻撃：28 精神攻撃：9 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：ソイタルスキー生命力　：180 物理攻撃：23 精神攻撃：10 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー
▼第五階層
名称　　：ジャコウ生命力　：185 物理攻撃：27 精神攻撃：5 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：ライアン生命力　：185 物理攻撃：31 精神攻撃：9 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー	名称　　：ネツリカーシー生命力　：27 物理攻撃：10 精神攻撃：2 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア	名称　　：ガウラー生命力　：190 物理攻撃：33 精神攻撃：3 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：カンクネン生命力　：200 物理攻撃：20 精神攻撃：8 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：ファイア
名称　　：ホープメント生命力　：200 物理攻撃：23 精神攻撃：10 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：精神魔類弱点　　：プレジャー	名称　　：デルテンマ生命力　：220 物理攻撃：30 精神攻撃：2 防御力　：2(ダメージ1/2) 分類　　：物理魔類弱点　　：ライト	名称　　：レブ生命力　：230 物理攻撃：35 精神攻撃：3 防御力　：3(ダメージ1/3) 分類　　：物理魔類弱点　　：プラズマ	名称　　：ラマランマ生命力　：240 物理攻撃：37 精神攻撃：4 防御力　：3(ダメージ1/3) 分類　　：物理魔類弱点　　：ウィンドウ	名称　　：ジョイスガリバー生命力　：255 物理攻撃：50 精神攻撃：10 防御力　：6(ダメージ1/6) 分類　　：精神魔類弱点　　：ブロー

■魔との会話

▼第一階層

ここは地上と違う世界・・・
時の流れも存在しない　全てが同じ空間に封じ込められている所。

この迷宮は　アルデ・ミ・アンカの女王が作りだしたもの・・・
今は我々が支配した　邪魔する奴は抹殺する。

我々の支配する　この迷宮の結界は強力
しかし　魔の力を集め　必ず地上に抜け出てやる。

我らは二つの意識の集合体
・・・一つは　人の心の中の恐怖　二つ目は憎しみに満ちた我らの心。

貴様らの命は　ジョイス・ガリバーが握った
時空の狭間にある　この世界に迷い込んだ者は　生かして返さない。

ステディア・フレスティー　何の力も無い只の娘など恐れるに足りない・・
アロル・カレン　何をするつもりだ。

貴様も力が使えるのか　どうやら　只の男では無さそうだな
ステディア・フレスティーは　此方にある　覚悟しろ。

▼第二階層

神が持つ恵みの　その不思議な力は
この陽炎迷宮を建造し　我らを封じ込める程強力。

アルデ・ミ・アンカの巨大な宮殿をも建造した
聖なる力　恵みは　悪の力にも成り得るもの。

御前の命もこれで最後　時空の狭間にある
この陽炎迷宮から永遠に出られず　もがき苦しむがよい。

恵みは　時空を巧みに利用できる超能力
神の力だけでなく　悪魔の力をも併せ持っているのだ。

神の子孫　ジョイス・ガリバーは神に背き
トラミリオン帝国を築いた　我らは彼の悪しき心に共鳴している。

御前は　神の子ジョイス・ガリバーを敵にした
あの方が封じられし　閉空間よりの復活の時は近い。

我らの源の　悪しき力により　閉空間の歪みは
次第に大きくなっている　今や復讐の時　来たれり。

▼第三階層

この時空の狭間には　全ての時が存在する
同じ人間の若い時や老いたる時を　同時に見る事もできる。

書は神の子　ディーブ・ディクソリンが　陽炎の恵みについて
書き記したもの　それはジョイス・ガリバーのもの。

陽炎の書さえあれば　時空を自由に操る事ができる
我々が地上に出るのも時間の問題だ。

御前達を呼びよせたアロル・カレンは
我らが邪悪なる力によって閉空間へ封じた　再び出る事はあるまい。

アロルが呼びよせたステディアには何の力も無いとはな
もう二人とも　閉空間の中から永遠に出る事もあるまい。

神ラルブルは　陽炎の恵みを　我らに与えようとはしなかったが
陽炎の書で　時空と地上は我らのもの。

▼第四階層

もう既にジョイス・ガリバー様は復活なされた
いまやあの方は地上に居る。

ステディアのハンカチ等　捨ててしまうが良い
それは呪いがかかっている。

既に地上は　ジョイス・ガリバー様によって壊滅させられた
もう生きているものは居ない。

ステディア・フレスティーは死んだのだ
死刑になり　命を抜き取られたのだ。

キースと言う　人間の男は殺した
いまや生きているのはお前だけだ。

今すぐ全ての道具を捨てれば
ここから出してやるぞ。

▼第五階層

お前の　陽炎の胞子は
命を縮める副作用がある。

お前が　陽炎の泡を持っている限り
ジョイス・ガリバー様を倒す事はできない。

ジョイス・ガリバー様は
もうここには存在しない。

陽炎の書を　閉空間の入口に投げつけよ
奇跡が起こるぞ。

地上は既に崩壊した
御前のもう帰る所等は無い。

	友人のベルゼ・Ｊ・キースから最近発掘されて話題を呼んでいる　アルデ・ミ・アンカ文明の遺跡のことで、電話があった。キースは大学の講師で　考古学というのをやっているらしい。文化遺産が金になるのかどうかは知らないが、今回の調査にあたっては　スポンサーまでつけるという力の入れようであった。なんでもその遺跡には、非常に不思議な力があるらしく遺跡に入った人間全てが　違った世界を目にしていると言う。ある者は光の女神像を見たと言い、ある者は邪神像を見たと言い・・・関係者全員が　同じフロアーで違ったものを見ているらしい。発掘されて３日にして　色んな説が飛びかっていた。トラップ、神の力、スポンサーの人目を引く作戦、しまいには　時間と空間とが歪んでるなどと言い出す奴まで出る始末だ。幻覚剤・・・知識の浅い連中の間ではそれが正当論だった。現時点ではだれも、今おきている不思議な出来事は　非常に限られた人間以外を受け付けないという事だと　知る者はいなかった。不可思議なことが多過ぎるという事で　科学的な視点からもアプローチしてみることになり科学者である私に電話がかかってきたのだ。が・・・どうだか・・・。人手不足を理由に　私の一人娘のステディアまで駆り出される事になった。大学では講師と学生という関係らしいが、キースとステディアの付き合いは長いようで、遺跡で見つけたらしいブローチのプレゼントを　貰う程の仲である。キースは、父親の私でさえもよく知らない　娘の背中にある数センチほどのキズをも知っている。私はその事については　別に問いただす気はまったくない。ステディアも年頃だし、私もそれほどヤボではないということだ。
	ラジオ番組が　時報を知らせた。その音を聞いて　キースも自分の時計を合わせた。流石に　先日からドタバタしていたので　時計の事などすっかり忘れていたらしい。いや　時差の事ではない。時計そのものの事である。キースはいつも職業柄、世界時刻対応の時計をしているのだが、ステディアの前では　ちょっとオシャレなアナログ時計をしているのである。なかなか　気をつかっているという事だろう。
	その現場に着き、ジープを降りたのは　ちょうど足元の影が無くなる頃だった。周りを見渡すと、あまり意味の無い　立入禁止の柵があり、おそらく入口であろうと思われる所には、かえって目立つ様な覆いが　被さっていた。気が付くと　現地人数人と　キースが話をしていた。早速自分の仕事にとりかかるのは流石だ。今の時期、季節的には過ごしやすいのだろうが、流石に　この陽の高さでは汗が流れてくる。
	キースの横にいたステディアが　気をきかしてハンカチを差し出した。流石は女の子　と言ったところだろう。汗を拭き取ったキースが　仮設テントへ向かった。その行動を見て　私達も後を追うようにして　テントへ走って行った。テーブルの上に置かれた資料類には　大した事は書かれていなかった。キース達一向は　その資料に軽く目を通して準備にかかった。
	キース、ステディアは軽装で　さっさと準備を終え出ていったが、私はかなりの重装備で　少々てまどっていた。歳・・・という事もあるかもしれないが　護身用に銃を持ってきていた。・・・　ドイツ製カートレスガン　・・・なかなか　画期的な銃である。
	さっきまで被さっていた覆いが取られて　ぽっかり入口が顔をだした。装備で少々もたついてしまったが、２人は入口の前で待っていた。待っていた、と言っても話をしながらで、緊張感等は　表情を見る限り感じ取れない。２人はまるでこれから遊びにでも行くかのようだ。入口に歩み寄るに従って　私は得体の知れない何かを感じていた。私が科学者になったきっかけというのが　これだ。自分の力の謎を知りたくて科学を学び、いつしかその道のエキスパートとなっていたのだ。が、自分の持つ知識、施設を持ってしても　己の持つ力の謎は解けなかった。　・・・迷宮・・・と言う言葉が当てはまるかどうかは分からないが、それについては何年もの間謎のままだ。
	キース「さーて、それでは・・・いきますか！」キース「いっちばーん！」足を踏み入れた・・・が　何の変哲もないところだった。キース「ほほー！」キースは感心してるようだが　辺りを見回しても普通の壁である。「キャアーーー！！」　一瞬の出来事だった。ステディアの叫び声がその通路を引き裂いた様に感じられたが　実際にはその逆だ。目に飛び込んできた映像は　信じられないものがあった。
	光につつまれてる・・・　いや、光がその通路の奥深くに吸い寄せられている。光だけではない。３人ともであった。「ステディアーーー！！！」
	気が付くと私は　想像も出来ない様な　不思議な空間の中に立っていた。この光景・・・どうやら　遺跡の中ではないようだ。だとしたら　此処は何処なのだろうか？振り返るとそこに　外への出口は無く　ステディアと　キースの姿も見当たらない確かに一緒に光に包まれた・・・そう　その後　暗い空間を漂い　気が付くと　ここに居た。二人を探さなくては・・・それに何処かに出口がある筈だ。私は　カートレスガンのセフティを外し　身構えながら呟いた・・・「ステディア・・・何処に居るんだ・・・」