FANG TOP COLUMN Weekend (110)
2003/ 3/ 8 

珍獣レオポンが居た
阪神パーク(甲子園住宅遊園)
 「阪神パーク」は、1929年7月6日、兵庫県西宮市の浜甲子園附近に「甲子園娯楽場」として開場し、1932年に動物園や遊戯施設を増強して「阪神パーク」と改称。 1950年に阪神甲子園球場前に移転。 1997年3月からは、住宅展示場と遊園地の複合施設「阪神パーク甲子園住宅遊園」として運営されてきましたが、2003年3月30日をもって閉園する事になり、74年の歴史に幕を降ろします。

 最盛期の園内には、トラやライオンなど約200種類2000頭羽の動物たちが飼育されていて、園内各所に獣舎があったのですが、1995年の阪神大震災の影響で半年間の休園とともに、飼育動物数を減らしてゆき、1997年のリニューアルで、獣舎の跡地は各社の真新しい住宅が並ぶ住宅展示場となりました。 その展示住宅数も閉園の決定で減少してゆき、現在の園内は、木々の合間に残る遊具施設と空地が目立っています。
 それでも、キリンやサルなどの僅かな動物は残されていたのですが、キリンは天王寺動物園へ、サルたちは韓国へ貸し出されていて、そのまま譲渡される模様で、主の居ないキリン舎や猿島(サル山)が残されています。  園内に最後まで残った動物は、フラミンゴと2頭のインドゾウだけのようで、その他には、園内各所に居る?電動で動く動物の遊具動物の着ぐるみが子供の遊び相手をしている程度です。阪神パーク(甲子園住宅遊園)
 閉園する3/30まで、園内の「ちびっこホール」で、開業からの写真パネルや記念品を展示した「阪神パーク歴史展」を開催しています。 写真パネルは、園内の池でゴンドウクジラを飼育していた事や、夏に浜甲子園の海水浴場へゾウを連れ出して水浴びさせていた事、サルだけでなく、犬やイノシシ、ヤギなどを猿島で同居飼育していた事など、大変興味深いものです。
 そして同園最大の出来事は、1959年に、雄ヒョウと雌ライオンの異種間に誕生した珍獣レオポンです。 斑点(ヒョウ柄)のあるライオンの誕生は世界中から注目を浴びました。 この時産まれた2頭のうちの雄の1頭はレオ吉と名付けられ、ヒョウ柄模様の身体にライオンのたてがみが胸元まで続いていました。 2年後にも3頭のレオポンが誕生して5頭になりましたが、種間雑種は生殖機能が乏しいらしく、2代目の誕生は実現しないまま、1985年の夏には、最後まで残っていたレオポンの1頭(ジョニー)が亡くなりました。
 歴史展の会場内には、レオポン一家の剥製が展示されています。 また、レオポンたちが生きていた最盛期には、レオポンの着ぐるみも活躍していたそうで、一緒に展示されています。
 ゲート前に掲示された閉園の案内にも、可愛いレオポンのイラストが描かれていました。

(阪神パーク(甲子園住宅遊園) :入園無料 阪神パーク(甲子園住宅遊園)のオフィシャルWebサイトへLINK / 阪神電鉄「甲子園駅」下車徒歩約6分)