珍名馬列伝

ニシノツービート

Since 2000.4.10



 ツービートといえばご存じ1980年頃の漫才ブームの時に一世を風靡したビートたけし・ビートきよしの漫才コンビである。ヨーロッパでもツービートが有名なせいか(たぶん違う)ハードツービートという種牡馬がいるおかげで、何とかツービートという馬が日本でも何頭か走った。UM@ SQLというWWW上の競走馬データベースで「ツービート」を検索すると、青葉賞を勝ち菊花賞でも2着となったガクエンツービートや、大橋克巳(通称:大橋巨泉)氏が馬主のタケシツービートという冗談のような名前までいろいろ出てくる。そのほとんどはハードツービート産駒である。

 しかし、ハードツービート産駒でもないのにツービートを名乗る馬がいる。その名はニシノツービート。1987年6月21日にデビュー戦である札幌の未勝利戦で除外になり、それ以降出走せず引退した馬である。生涯成績1戦1除外。漫才ブームも去り、ツービートも解散(したのかな?)し、ビートきよしをあまり見かけなくなった頃の馬である。

 彼の血統を見てみると、どこにもハードツービートも、ツービートと名の付く馬もいない。

ニシノツービートの血統表
インターメゾ
1966 黒鹿
Hornbeam
1953 栗
Hyperion
1930 栗
Gainsborough
Selene
Thicket
1947 鹿
Nasrullah
Thorn Wood
Plaza
1958 鹿
Persian Gulf
1940 鹿
Bahram
Double Life
Wild Success
1949
Niccolo Dell'Arca
Lavinia
ニシノシラオキ
1970
ムーティエ
1958 栗
Sicambre
1948 黒鹿
Prince Bio
Sif
Ballynash
1946 鹿
Nasrullah
Ballywellbroke
ウインナー
1962
ソロナウェー
1946 鹿
Solferino
Anyway
シラオキ
1946 栗
プリメロ
第弐スターカップ

 にもかかわらず、名前はニシノツービートなのである。なぜ、「ツービート」なのだろう?

 ツービートといえば東京の漫才師である。しかし「西のツービート」というのはどういう意味なのだろう。「お笑いの本場といえば関西なので、関西からもツービートに匹敵するぐらいの大物お笑い芸人が出てきて欲しい。」そういう馬主の願いがこめられているのかもしれない。

 しかし、よく見ると生産者は西山牧場で馬主は西山正行氏である。「西の」は「関西の」ではなく「西山の」という意味だったのだ。俗に言う冠名である。

 デビュー戦で除外になり、それ以降出番が無く人知れず引退した馬。それが少なくともnetkeiba.comのデータベースにある限りでは唯一のハードツービート産駒じゃないツービートなのである。JRA−VANでも調べたがこの謎の馬についてはnetkeiba.comのデータベースに書かれていること以上の情報は無い。


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