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嗚呼、偉大なる阿寒湖特別

02/11/14

 阿寒湖特別。数々のGIで2着と大活躍し、最後に香港で唯一のGI勝ちを収めたステイゴールドの代表勝ち鞍が2年半ぐらいこのレースだったのは割と有名だ。当時の900万条件のレース。ステイゴールドは満3歳でこのレースを勝った後、古馬になってから数々のGI2着を繰り返した。一時期は2着王ではなく3着王になりかけたが、スペシャルウィークの勝った秋天で2着に来て万馬券を演出したり(スペシャルウィーク−ステイゴールドで馬連万馬券というのも凄い話だが)と大活躍だった。相手がスペシャルウィークだろうがファーストソニアだろうが2着という芸風の持ち主だった。目黒記念を勝った時は場内が沸いたらしいが、それまでの2年半の間代表勝ち鞍が阿寒湖特別だったのである。ステイゴールドのおかげで阿寒湖特別の知名度は急上昇だった。

 先日のエリザベス女王杯では3歳馬ファインモーションが強い勝ち方で勝った。その前の秋華賞も危なげない勝利で勝っており、デビュー以来負け無しの6連勝である。このファインモーションが3戦目で勝ったレースが阿寒湖特別である。ちなみにその阿寒湖特別2着のメジロライデンが、エリザベス女王杯の前日に京都ハイジャンプを制している。

 更に、昨年菊花賞・有馬記念と連覇したマンハッタンカフェも阿寒湖特別を勝っている。マンハッタンカフェと言えば昨年の私的年度代表馬なのであるが、その選考に当たっては阿寒湖特別を勝ったと言う点で高ポイントの評価である。といっても私一人の評価だが。

 ステイゴールド、マンハッタンカフェ、ファインモーション3頭の阿寒湖特別勝ち馬に共通しているのは、満3歳時に勝っているということである。3歳でこのレースを勝つと出世コースである。ステイゴールドの時は2000mのレースだったが、その次の年からは2600mに延長されている。3歳のこの時期に古馬相手に2600mという距離を勝つということは能力が高いということなのだろう。2600mになってからは日が浅いので、まだまだこれからも3歳でこのレースを勝った馬からは名馬が誕生しそうであり、今後も注目できる。

 夏の札幌の2600mのレースは他にも支笏湖特別等があるが、過去5年ぐらいの勝ち馬を見ても阿寒湖特別の勝ち馬が抜けているような気がする。やはり阿寒湖特別は「特別」なレースであるのだ。単なる条件戦でここまで名馬を輩出しているレースも他には無い(2歳や3歳の限定戦なら探せばあるかも知れないが)。阿寒湖特別は私の中ではGIに匹敵するぐらい偉大なレースである。

 ちなみにこの阿寒湖特別、かつては的場均騎手とやたら相性のいいレースだった。89年から94年まで6年連続連対、95年は乗り馬がいなくて96年も勝っているので7騎乗機会連続連対である。しかもその間91年の2着を除くとすべて勝っている。92〜94年の3年連続勝利を初めとして7騎乗機会(8年)で6勝である。


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