Share
  1. 競馬のお時間 >
  2. そこに馬がいるからだ >
  3. 騎手名の表記法

騎手名の表記法

01/7/10

 先日JRA最年長騎手安田富男騎手が引退した。リアルタイムでは見ていなかったがグリーングラスに菊花賞を勝たせた騎手として有名であり、晩年も穴男としてファンが多かった。名残惜しい限りである。

 さて、安田富男騎手の引退に伴い、同姓の安田康彦騎手は単に「安田」と表記されるようになった。違和感がある。やはり安田康彦は「安田康」と書かれるべきである。口では「トミオ」「ヤスヤス」と言って使い分けているが文字ではやはり安田富男は「安田富」なのであり安田康彦は「安田康」なのである。一旦「安田康」という文字が頭に染みついてしまうとそれはなかなか抜けてくれない。それがありふれた名字ならなおさら違和感がある。いや、ありふれてなくても「大江原隆」「大江原」になった時はどっちの大江原なのかわからなかったのだが。

 これは今に始まったことではない。「蛯名正」「蛯名」になったときも違和感があった。いまだにしっくりこないでいある。1年間ではあるが「佐藤哲」「佐藤」となった時にはかなり違和感があった。佐藤なんてそこら中に一杯いるのでどこの佐藤さんなのかがよくわからないし。柴田政人が引退後、甥の柴田吉臣が「柴田善」ではなく「柴田」と書かれていたのは更にしっくりこなかった。幸い1年後に柴田大知・未崎の双子のジョッキーがデビューしてきたので1年だけで済んだのでまだよかったが。それにしてもずっと同じ馬に乗り続けていても馬柱の近走成績に柴田と書いてあったり柴田善と書かれていたりするのはよろしくない。競馬がプロ野球のように本名以外の登録名が認められるのならいっそのことカタカナで「ヨシトミ」という表記にした方がアイデンティティがあっていいような気がするのだがいかがだろう。そういえばプロ野球で落合博満がFA宣言をして中日から巨人に移籍した時に、中日の落合英二が「英」の字を消さないで「落合英」のままの表記にして欲しい、NGなら英二でもいいといって認められなかった事件があった。「中日の落合」というと落合博満というイメージがあって自分の存在感が薄くなるのが嫌だったのだろう。ちなみに私にとって「英二」と言えば中舘英二だ。関係ないか。

 話を戻すが、当の柴田政人もデビュー当時は兄の柴田政見と区別するために「柴田人」と書かれていたのだが、柴田政見が引退したときに「柴田政」と表記が変更になった。そのとき政人騎手は「『柴田政』と書かれると自分のことではないみたいな気分だ。兄貴のことを指してるみたいで。」と言ってたらしい。書かれている当の本人が「自分のことだと思えない」のだから、それを見ているファンのほうが困惑するのは当然だろう。柴田政人の場合、引退後JRAのCMで寿司屋の役をやったので「政」というイメージがぴったりの男となったわけだが。(寺山修司の競馬シリーズに「寿司屋の政」という男がよく登場する。)

 このように頻繁に表記が変わるようじゃ混乱するわけなので、中央競馬でも地方競馬のように名字+名前の頭文字を基本とする表記にするべきである。それで同じ名前があった場合は名前の2文字目を使用するという様に。今現在の騎手をすべて表記変更すると余計混乱するかもしれないので、今いる現役騎手は当面そのままの表記にして、将来同姓の騎手がデビューしてきたら改名すればよい。そして、今後デビューする騎手はすべて名前の1文字まで含めて表記すると。このように表記を変更したほうが分かりやすいと思うのだがいかがだろう。あと、中谷雄太はコーリー・ナカタニと区別するために中谷雄と表記すると・・・これはちょっと違うか。


もどる
もっともどる