西門ってどんなところ?


 中央競馬開催日の東京競馬場の西門付近に、競馬帰りの客で賑わう飲み屋街があります。西門を利用する人の多くは電車に乗るために歩道橋を通って府中本町駅の競馬場臨時口に向かうと思いますが、その歩道橋の下あたりに、戦い終わった馬券師たちの集う飲み屋街があるのです。

 そこはメインレースが終わった後あたりから客が増え始め、最終レースが終わると更に客が増えてきます。客層は正統派競馬ファン、つまりドロドロの競馬オヤジが多く、その日のレース結果を中心とした内容の濃い競馬談義があちこちから聞こえてきます。「ちくしょう、○○出遅れやがってよ、金返せ!」とか「やっぱり○○は府中で逃げ馬に乗るとダメだよな」等負け犬の遠吠え馬券師達の本音がどこからともなく聞こえてきます。彼らの言葉に耳を傾け、今後の競馬に役立てるのもご一興でしょう。まあ、こういう店にくる客は8割以上負け組なので、彼らの言うことがすべて正しいとは限りませんが、中には役に立つこともあるはずです。

 店の作りは小屋に毛が生えた程度であり、料金は大抵1000〜2000円あれば足ります。まさに正しい日本の大衆向け飲み屋といった感じです。メニューはビールや酒、おでん、焼き鳥、つまみ類がメインですが、定食を出してくれる店も多く、中にはラーメンを食べられる店も存在します。もちろんネクタイをしていないと入場を断られる店は存在しません(当たり前か)。 

 ここの飲み屋街の良さはなんと言ってもその雰囲気、「濃さ」にあります。店に来る客の9割5分以上は競馬帰りの客であり、しかも「濃い」競馬ファンが多いのです。ここに来ればきっとあなたも競馬の真髄を味わうことができることでしょう。若い女性が一人でいくにはちょっと勇気がいるかもしれませんが(^^;

 営業日は中央競馬が開催される日は毎日営業されています。東京開催ではなくても府中で場外馬券発売は行われているので、飲み屋もオープンしています。平日はあいているかどうかはいったことがないのでわかりませんが、たぶん閉まっています。

 ちなみに、店の会計システム(そんな高度な言葉なんかい)は店によってまちまちです。ちゃんとした伝票が出る店もあれば、馬券を買うときの「流し・ボックス」のマークカード(裏に何も印刷されていないやつ)を伝票代わりにしている店、皿とビール瓶の数で値段を計算している店、店員の記憶だけを頼りに値段を計算しているとしか思えない店などいろいろあります。


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