私は障害レースが好きだ。ただ走るだけの競馬もいいが、速いだけではなく数々の障害を切り抜けていく競走馬の姿は美しい。
競馬の本場イギリスでは障害競走が盛んで、平地のレースと同様に盛り上がり、障害専門に育てられる競走馬もいる。しかし、日本では障害は冷遇されているようである。
障害レースは頭数が揃わないことが多い。これは障害は器用さが必要とされるため不向きな馬はわざわざ出走してこないという理由や、平地競走以上に危険を伴うため出走するには慎重にならざるを得ない、といった理由が考えられる。また、平地は満2歳で出走できるが、障害は満3歳にならなければ出走できないのでとりあえず平地でデビューし、そのまま平地で競走生活を終えてしまう馬がほとんどである、というのも理由の一つであろう。
しかし、それだけが障害が盛り上がらない理由だろうか?答えはNoである。それはJRAが障害を冷遇しているからである。現代の競馬では「軍馬育成」の意味あいがなくなり、障害レースで活躍するような器用な馬をどうしても作らなければならないということは無くなっているが、「ただ速いだけ」では物足りないというファンには障害レースはうってつけである。
障害レースは重賞以外のレースは昼休みの直前に行なわれる。これはさほど問題ではないかもしれない(ただしオープンはメインレースの前あたりにして欲しいが)。そして、重賞は昼休みの直後に行なわれる。決してメインレースとして行なわれることはない。これは、障害レースに対する差別ではないだろうか。もっとも、障害は日の高い時間帯に行なわないと、障害の陰が長くなりやりづらくなるという理由もあるのだろうが。
しかし、重賞の馬券を全国発売しない、というのは大問題である。つまり、関東のファンは関西の、関西のファンは関東の障害重賞の馬券が買えないのである。馬券が買えないということはすなわち、競馬場やウインズでレース中継が行なわれないということなので大問題なのである。障害レースは見ていて楽しく魅力的なレースである。馬券を買わずに見るだけのファンもいらっしゃるが、そういう人達も「馬券を買えない」ことによってレース中継が見れなくなっている。見れるのはグリーンチャンネルに加入している人だけである。未勝利や条件戦はともかく重賞は全国発売にして、全国のウインズ、競馬場で中継すべきである。
ところで阪神や京都の障害よりも府中や中山(特に東京のタスキや中山の大障害)はみどころの多くて面白いと思う。関西のファンにとってこれらのコースで行なわれる競走が見れないのは残念なことであろう。
中央競馬は障害をレース体系の中心にしろ、なんてことは言わない。ただ走るだけの競馬も面白いものである。しかし、同じ競馬でもいろいろバリエーションがあって、それぞれが盛り上がったほうがなお面白い。もっと、障害にも力をいれ、ますます競馬が発展していくことを望む。
('96/9/2)
('97/11/28)
そもそも障害というのは育成に時間がかかるために調教師に敬遠されがちな分野なので、今回の案はその辺のことも踏まえているようですばらしい。また、米国に媚びを売るためとしか思えない昨今のJRAの国際化であるが、今回は米国よりも競馬の本場である英仏に倣った国際化であるので障害ファンならずとも喜ばしいことであろう。
あとは障害が苦手な調教師もいると思うので、障害入りするときは簡単に転厩できるような制度もあればいいと思う(4はそのことも兼ねてるのか?)。
一日も早く障害冬の時代が終わることを願う。
('98/1/20)
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