’18 中山グランドジャンプ観戦記

2018年4月14日

このレースの予想

 今年も中山グランドジャンプを観に中山競馬場に行った。第1回から毎回生観戦していて、今回で20回目である。

 昨年の暮れの中山大障害は稀に見る名勝負だった。オジュウチョウサンとアップトゥデイトの一騎打ちである。その宿命のライバル2頭が今回も出走する。これは期待できそうだ。馬券の方は予想のページに書いた様にこの2頭を1,2着固定で、3着にルペールノエルとマイネルクロップを買っておいた。

 昨年暮れの大障害は内馬場で観ていたが、最後の2頭のマッチーレースが素晴らしかったのでスタンドで観たかったと思った。そういう思いもあり、今回はスタンドで観戦することとした。シルバー席の真ん前あたりの大竹柵が真正面に見える場所である。私がJ・GIをスタンドで観戦する時の定位置だ。レース直前に小雨がぱらついてきた。屋根のあるスタンドにいて良かった。(ずぶ濡れになるほどひどい雨ではなかったので、内馬場で観戦しても良かったが。)

 年に2回しか使われないJ・GIファンファーレが厳かに鳴り響き、気持ちが高揚してくる。いよいよレーススタートである。

 今回はアップトゥデイトがハナを切った。少し離れてオジュウチョウサンが2番手に付ける。人気の2頭が前に行った。そのオジュウチョウサンに並ぶようにマイネルクロップも上がってきた。そのまま決まってくれたら私の馬券は的中なのだが、まだ残り4000mある長丁場である。

 各馬コースを4分の3周してきて、1つ目の大障害大竹柵である。前を行く例の3頭が私の真正面にある大竹柵を向こうから越えてくる。無事に飛越。やがて残りの各馬も全馬無事に飛越した。ここでマイネルクロップが上がっていって、一時は先頭に立った。しかし、すぐにアップトゥデイトがハナを奪い返し、オジュウチョウサンが2番手と元のポジションに戻った。

 レースは逆周りで進んで、さらに4分の3周すると今度は大生垣である。ここも全馬無事に飛越し、拍手が沸き起こった。飛越後、シンキングダンサーが2番手集団に並んできて、ペースが速くなった。それでも人気2頭は崩れない。いつの間にかマイネルクロップが下がっていて、代わりに3番人気のニホンピロバロンが3番手に上がってきていた。

 最後のコーナーである3〜4コーナーで、逃げるアップトゥデイトと2番手のオジュウチョウサンの間が縮まってきた。ここで場内から大歓声が上がった。昨年の中山大障害のような例の2頭のマッチレースがここから始まることに期待しての大歓声だろう。4コーナーを回るとオジュウチョウサンが先頭に立った。最後の直線に置かれた置き障害にさしかかる前にオジュウチョウサンが加速してリードを広げた。最終障害を超えるとあとはオジュウチョウサンの独壇場だった。アップトゥデイト以下をどんどん引き離すだけ。大差を付けての完勝だった。J・GI5連覇である。

 2着がアップトゥデイトというのは昨年の中山大障害と変わらないが、僅差だった前回とは違って今回ははっきりと差が付いた。オジュウチョウサンはレコードを3秒6更新したが、2着アップトゥデイトとは2秒4差。すなわち、アップトゥデイトもレコードを1秒2更新しているのである。アップトゥデイトも3着馬に9馬身差を付けており、この2頭がものすごく強いということは以前と変わらないのだが、オジュウチョウサンは次元の違う強さだった。中山グランドジャンプ、カラジに並ぶ3連勝で、なおかつJ・GIは5連勝。ゴーカイを抜いて障害レース最多賞金馬となり、重賞競走9連勝というのはあのテイエムオペラオーを抜いての記録更新である。

 気になる3着争いだが、上位2頭に大きく離されたもののニホンピロバロンが3着となった。障害重賞の名手である高田騎手がルペールノエルを選んだので、ニホンピロバロンは押さえていなかった。その高田騎手が騎乗したルペールノエルはそれに続く4着。惜しくも私の馬券(三連単)は1着→2着→4着でハズレだった。

 オジュウチョウサンの強さが目立ったが、それよりも全馬完走できたということを忘れてはいけない。日本一の障害コースを出走馬全てが完走し終えたのだ。縦に長いゴールシーンだったので、最後の馬がゴールする前に、席を立ってパドックや馬券売場に向かう客がちらほらいたのがちょっと残念だった。私は先頭の馬がゴールしてもあえて拍手をするのを待って、最後の馬がゴールしたのを見届けてから拍手を贈った。オジュウチョウサンという桁違いに強い馬が強い競馬をしたが、ビリでもこのコースを完走したということは讃えられるべきである。日本一の障害コースで行われる中山グランドジャンプと中山大障害は、着順よりもコースを完走したということに意義があるのだから。


2018年 4月14日(土) 3回中山7日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第20回中山グランドジャンプ
障害4歳以上・オープン・J・G1(定量) (国際) 芝 4250m 12頭立
馬名性齢騎手斤量タイム着差通過順上3F単勝体重増減調教師賞金
56オジュウチョウサン牡7石神深一 63 4.43.002-02-02-01  11.5510 +4(美)和田正一6600
79アップトゥデイト牡8林満明 63 4.45.4大差01-01-01-02  22.3534 -2(栗)佐々木晶2600
33 ニホンピロバロン牡8白浜雄造 63 4.46.8905-03-03-03  314.1486-10(栗)田所秀孝1700
55ルペールノエル牡8高田潤 63 4.47.5407-07-06-05  545.8512 -8(栗)藤原英昭990
710 テイエムオペラドン牡9中村将之 63 4.47.6クビ08-08-06-05 11291.0496 -4(栗)浜田多実660
68 クランモンタナ牡9熊沢重文 63 4.48.6603-04-05-07  8194.5482-10(栗)音無秀孝 
22 シンキングダンサー牡5金子光希 63 4.48.81 1/406-06-04-04  658.5468 -2(美)武市康男 
67 メイショウアラワシ牡7森一馬 63 4.50.8大差09-10-10-09  9208.0476 -4(栗)安達昭夫 
11 サンレイデューク牡10難波剛健 63 4.50.8ハナ09-09-08-08  7141.8466 +4(栗)高橋義忠 
10811 トーセンメリッサ牝6大江原圭 61 4.53.2大差11-11-11-10 10279.5472 -6(美)小桧山悟 
11812 サムライフォンテン牡5高野和馬 63 4.58.2大差12-12-12-12 12413.2478 +4(美)石毛善彦 
1244×マイネルクロップ牡8山本康志 63 5.00.4大差03-04-09-11  425.2522 +2(美)畠山吉宏 

LAP  (データ無し)
通過 マイル:103.8  上り 49.8-36.9  平均 1F:13.32 / 3F:39.95
単勝  6 \150
複勝  6 \110 / 9 \110 / 3 \140
枠連  5-7 \130 (1)
馬連  06-09 \130 (1)
ワイド 06-09 \110 (1)/ 03-06 \230 (3)/ 03-09 \230 (2)
馬単  06-09 \200 (1)
3連複 03-06-09 \290 (1/220)
3連単 06-09-03 \570 (1/1320)

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