2002年 5月26日(日) 4回東京4日目 15:35発走
10R 第69回東京優駿(日本ダービー)
 3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(指定) 芝 2400m

 馬主や調教師、生産者等競馬関係者にとって特別なレース。馬にとっても一生に一度の特別なレースである。ジャパンカップのほうが賞金が高くなったとはいえ、やはり格や重みはダービーが一番である。馬券師としてもやはりダービーは他のレースよりも的中したときの充実感が大きい。競馬場にもダービーデーは独特の雰囲気が漂い、気持ちも高ぶってくる。そして、もちろん実際に手綱を取る騎手にとっても特別なレースである。

 ダービーとはこのように独特の雰囲気のあるレースであり、勝利をものにするには場慣れが必要であるので、ベテラン騎手に有利なレースである。勝てばこの上ない名誉であるが、なかなか勝つのが難しい。ダービー初出場の騎手やダービー出走歴の少ない騎手に勝てるものではない。それはたとえアンカツであっても一緒である。他のレースなら普通に乗れば技術の違いで勝てる騎手であるが、ダービーの独特の雰囲気を感じたことのない騎手ならたとえ名手であっても実力を発揮するのが難しいであろう。特にJRAの騎手はメンツがあるので、地方所属の騎手の馬を総力で負かしに来る可能性がある。これは短期免許の外人騎手にも言えることでデザーモも割り引いて考えたほうがいいと思う。まして、(JRA所属ではあるが若手の)勝浦や村田では回ってくるのがやっとかもしれない。

 キーポイントとなるのは4頭出しの藤沢和厩舎。藤沢厩舎の主戦岡部はシンボリクリスエスに乗る。
 このシンボリクリスエスは前走青葉賞は何故か岡部ではなく武豊が騎乗。そのレースで岡部は藤沢和厩舎のボールドブライアンに乗り、番手でレースをすすめ、バテてブービー。逃げたトウカイアローの次に下の着順である。この青葉賞は差しが決まる展開で、3頭出ししていた藤沢和厩舎はシンボリクリスエスが勝っただけではなく、ヤマノブリザードが3着に入り、優先出走権を確保。
 ボールドブライアンを捨て駒にして、2頭のダービー優先出走権を確保した。岡部が何故、青葉賞でペースメーカー役の馬に騎乗していたのかは不明だが、岡部が乗るシンボリクリスエスがダービーでの狙い目となる。ちなみにデザーモが来れるかどうかが不明だったため、藤沢師は岡部にシンボリクリスエスに乗るかマチカネアカツキに乗るかを選ばせたらしい。
 他の藤沢勢ではサスガは鞍上がアンカツなので先述の通り消し、ヤマノブリザードにしても地方からの転厩馬であり、他の3頭はデビュー当時から藤沢厩舎の馬だったので、調教師としてはその他の3頭のうちのどれかを勝たせたいというのが心情だろう。シンボリクリスエスが藤沢和厩舎にとっての本命で、他の3頭はクリスエスが有利にレースをするための引き立て役であると見て、シンボリクリスエスを私の本命とする。昨年シンボリルドルフの調教師としてお馴染みの野平祐二元調教師がお亡くなりとなった。追悼の意味もこめてルドルフと同馬主で同騎手であり、厩舎も当時のスタッフだった藤沢和雄現調教師の厩舎であるので、是非ともクリスエスに勝って欲しいものである。

 タニノギムレットはさすがにローテーションがきつい。昨年のクロフネのような能力的にずば抜けた馬ですらダメだったのだからギムレットでは難しい。前2走を余裕含みで戦って来たのならともかくとして、不利を受けたが3着まで食い込む等、全力で戦って来ているように見えるので、さすがに疲れが溜まっているだろう。こんな馬が1番人気だと消すしかない。いくら1番人気は過去10年でメジロブライト以外は連に絡んでいるとは言え、このような過酷なローテーションで1番人気となった馬自体がいないのだから、「1番人気連対の法則」は今年に限って言えば当てにできない。

 クリスエスに次ぐ2番手評価はノーリーズン。皐月賞で大穴を開けた馬であるが、皐月賞では完全に人気の盲点になっていた。若葉Sで惨敗したのが人気を落とした理由であるが、今回も3番人気前後であろう。不利を受けた若葉Sの成績を度外視すれば文句無しの内容であり、距離が延びたらもっとよくなるであろう。皐月賞ほどにはおいしい配当にはならないだろうが、それでも本来1番人気になる筈の馬の割には人気になっていないので対抗評価とする。鞍上の蛯名もそろそろダービージョッキーになる順番が回ってくる頃だろうし。

 3番手評価がタイガーカフェ。皐月賞の評価が低いのか、この馬もそれほど人気になっていない。近走を見ていると常に人気を上回る着順であり、地味だが安定性がある。しかも3歳春のビッグレースに強いサンデーサイレンス産駒である。ダービーに出走するサンデー産駒の中では最も期待のできる馬である。

 更に1頭、皐月賞4着馬ダイタクフラッグが異常に人気がない。4着といってもタニノギムレットタイガーカフェとタイム差無しのレースをしているのだから、人気薄のここでは一応押さえておく。鞍上が江田照というのも穴を開けてくれそうな騎手であることだし。

B馬名性齢騎手斤量
1 1 ヤマノブリザード  牡3 柴田善臣 57
1 2 ノーリーズン    牡3 *蛯名正義 57
2 3 タニノギムレット  牡3 武豊   57
2 4 ダイタクフラッグ  牡3 江田照男 57
3 5 アドマイヤドン   牡3 藤田伸二 57
3 6 テレグノシス    牡3 勝浦正樹 57
4 7 モノポライザー   牡3 *後藤浩輝 57
4 8 マチカネアカツキ  牡3 *デザーモ 57
5 9 ファストタテヤマ  牡3 安田康彦 57
510 メガスターダム   牡3 松永幹夫 57
611 $シンボリクリスエス 牡3 *岡部幸雄 57
612 チアズシュタルク  牡3 *石崎隆之 57
B713 サンヴァレー    牡3 田中剛  57
714 サスガ       牡3 安藤勝己 57
715 バランスオブゲーム 牡3 田中勝春 57
816 バンブーユベントス 牡3 村田一誠 57
817 タイガーカフェ   牡3 *四位洋文 57
818 ゴールドアリュール 牡3 上村洋行 57
結論
[馬連]
2-11    ・・・6000pts
11-15    ・・・2000pts
4-11    ・・・1000pts
2-15    ・・・1000pts

レース後のコメント
 タニノギムレットが今度はGI制覇である。NHKマイルが余計だと思われたローテーションも何のその、最後はシンボリクリスエスを差しきった。シンザン記念勝ち馬としては初のクラシック制覇である。クラシックに結びつかないことで有名なシンザン記念勝ち馬がダービーを勝ってしまった。異色のローテーションでのダービー制覇である。鞍上の武豊はダービー3勝目。日本新記録である。

 2着は私の本命シンボリクリスエス。3着がマチカネアカツキ。両方とも藤沢和厩舎である。この2頭の馬の両方が両方とも勝ちにいったから惜敗だったが、どちらか片方がギムレットをマークするように進めたら、残りの片方は勝てたのではと思われる。

 勝ち馬、2着馬ともに父はロベルト系。ダービーではロベルト系種牡馬が相性がいいらしい。ブライアンズタイム産駒が連対することが多いし。

 4着はニホンピロウイナー産駒のメガスターダム。距離が持たないと思われたが、この馬が勝ち馬からそれほど離れていない4着にくるような展開だったので、しまいの瞬発力勝負の展開だったといえる。瞬発力勝負になればギムレットは有利なので勝ったのもうなずける。この組み合わせで8倍も付くのなら押さえておけばよかったか。

外れ



2002年 5月26日(日) 4回東京4日 天候 馬場状態
10R第69回東京優駿
3歳・オープン・G1(定量)(牡・牝)(指定) 芝2400m 18頭立

馬名性齢騎手斤量タイム着差コーナー順3F体重厩舎賞金
23 タニノギムレット 牡3武豊   57 2.26.212-13-11-1234.7 1482(栗)松田国英15000
611$シンボリクリスエス牡3岡部幸雄 57 2.26.48-8-9-835.2 3520(美)藤沢和雄6000
48 マチカネアカツキ 牡3デザーモ 57 2.26.48-8-6-435.6 6512(美)藤沢和雄3800
510 メガスターダム  牡3松永幹夫 57 2.26.46-6-6-835.2 9490(栗)山本正司2300
818 ゴールドアリュール牡3上村洋行 57 2.26.5クビ3-3-3-235.813498(栗)池江泰郎1500
35 アドマイヤドン  牡3藤田伸二 57 2.26.711/411-11-11-1235.3 8440(栗)松田博資
715 バランスオブゲーム牡3田中勝春 57 2.26.911/22-2-2-236.210458(美)宗像義忠
12 ノーリーズン   牡3蛯名正義 57 2.26.9ハナ12-11-11-1135.6 2474(栗)池江泰郎
11 ヤマノブリザード 牡3柴田善臣 57 2.27.0クビ15-14-14-1635.316492(美)藤沢和雄
10817 タイガーカフェ  牡3四位洋文 57 2.27.211/46-6-6-536.2 5478(美)小島太 
1136 テレグノシス   牡3勝浦正樹 57 2.27.2クビ10-10-9-836.0 4458(美)杉浦宏昭
12816 バンブーユベントス牡3村田一誠 57 2.27.55-4-4-536.512450(栗)田島良保
1324 ダイタクフラッグ 牡3江田照男 57 2.27.711/23-4-4-536.614500(栗)鹿戸明 
1447 モノポライザー  牡3後藤浩輝 57 2.27.81/216-16-16-1236.3 7440(栗)橋口弘次
1559 ファストタテヤマ 牡3安田康彦 57 2.27.8クビ16-16-16-1536.215448(栗)安田伊佐
16612 チアズシュタルク 牡3石崎隆之 57 2.28.221/214-14-15-1836.217456(栗)山内研二
17714 サスガ      牡3安藤勝己 57 2.28.621/216-16-16-1636.811512(美)藤沢和雄
18713 サンヴァレー   牡3田中剛  57 2.29.71-1-1-139.118460(栗)岩元市三

LAP 12.8-11.3-12.6-12.6-12.4-12.3-12.4-12.0-12.2-11.7-11.6-12.3
通過 36.7-49.3-61.7-74.0  上り 72.2-59.8-47.8-35.6  平均 1F:12.18 / 3F:36.55
単勝  3 ¥260  複勝  3 ¥130 / 11 ¥180 / 8 ¥310
枠連  2-6 ¥800 (2)  馬連  03-11 ¥870 (2)
ワイド  03-11 ¥400 (2) / 03-08 ¥760 (5) / 08-11 ¥1050 (9)

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