日本ダービーは１８頭立てとなって以来１番人気の馬が活躍することが多い。関係者にとってもそうだが、競馬ファンにとっても思い入れのある特別なレースである。同じ競馬の祭典でも競馬ファン以外も馬券に参加する有馬記念はそうでもないのだが、ダービーの場合馬券に参加する大部分が競馬ファンで、その競馬ファンがいつもよりも熱心に予想して結論を出して馬券を買うので人気と実力が一致することが多いのだろう。

　過去10年間で１番人気馬の成績は[7,0,1,2]。断然の成績である。着外の２つはウオッカというとてつもなく強い牝馬が出走した07年と、田んぼの中を走っている様な超不良馬場だった09年という特殊な事情があった年である。今年はこの様な特殊事情は見当たらない。３着だったのは10年のヴィクトワールピサ。09年に１番人気で惨敗したアンライバルドと共に岩田騎手の騎乗馬である。大舞台に強い印象のある岩田騎手であるが、ダービーだけは苦手なのだろうか？過去10年のデータからだと、強い牝馬がいる時と岩田が騎乗している時以外の１番人気馬は必ず勝つということになる。

　今年は皐月賞２着馬のワールドエースが前日発売段階で１番人気である。皐月賞馬ゴールドシップが出走しているにもかかわらず、それを押しのけての１番人気。皐月賞ではスタート直後に躓いて後方からのレースとなり、４コーナーでも大外を回らされてコース取りにも不利が生じたが、それでも最後は良い脚で伸びてきて２着を確保した。広くて直線が長い東京コースでは、仮に出負けすることがあったとしても皐月賞ほどの不利にはならないだろうし、ゴールドシップを逆転できるだろう。１番人気馬が活躍することが多いレースであり、それを崩す要因も見当たらないのでワールドエースを頭軸としよう。福永騎手もそろそろダービージョッキーとなる順番が回ってきても良さそうな頃であるし。

　対抗は皐月賞馬ゴールドシップ。やはり今年の皐月賞の上位２頭は能力的に抜けている。昨年の三冠馬オルフェーヴルと似た様な血統構成であり、ディープインパクト産駒以外では最も魅力的な血統である。また、皐月賞では巧い騎乗をした鞍上の腕にも期待できる。ワールドエース以外の馬にはまず先着できるだろうし最悪の場合でも３着以内には入ると思われる。ワールドエースを頭にしてゴールドシップを２、３着付けの三連単流しで勝負しよう。

　それら２頭を軸にして数頭に流そうと思うのだが、相手筆頭は穴っぽいところでコスモオオゾラとする。ダービーと相性の良い弥生賞の勝ち馬であり、常に人気以上の走りをする馬なので穴を狙うとすればこの馬だ。地味な割には能力が高い馬であり、勝つのは無理でも２着や３着は十分ありうる。

　それ以外では府中巧者の秋天馬トーセンジョーダンの弟でありウィリアムズ騎乗のトーセンホマレボシやその従兄弟でアンカツ騎乗のヒストリカル、皐月賞３着のディープブリランテが狙い。

　それからもう１頭ＮＨＫマイルカップで３着だったクラレントを三連単の３着付けで押さえておく。クラレントの母は３着が非常に多かったエリモピクシーであり、その仔がローザネイ一族を中心に重賞３着が多い橋口厩舎に入厩しているので、３着になる素養は大きいだろう。ＮＨＫマイルはキッチリその期待に応えたのだが１着の方の軸が来なかったので取り逃がしてしまった。今回はキッチリ獲りたいので印を入れた馬全てに流す。