診察室(のど[咽喉]について)

日頃よく患者さんに聞かれる質問と私の答えをなるべく簡潔に短くまとめてみました。各項目をクリックしてください。ただし、私の個人的見解であることをご了解ください。偏見も混じっていると思います。(*^_^*)

◇ のどが良く腫れるのですが「クセ」になっているのでしょうか?

「急性化膿性扁桃炎」を頻繁に繰り返す方はその可能性があります(習慣性扁桃炎と呼ばれます)。扁桃腺(口蓋扁桃)そのものが奥深くまで細菌の「巣」になっていて薬では完治できないことがあり、頻繁に扁桃炎を繰り返す場合に手術を考慮することがあります。

但し、化膿性扁桃炎は「風邪でのどがいがらっぽい」などという軽いものではありません。鏡で見ると分かると思いますが扁桃の表面には白い膿がべっとりとついているはずです。この場合は高熱や食べ物を飲み込めないほどの痛みが数日以上続くことが多いです。一般に症状の程度が風邪によるものとは比較になりません。

内科で「扁桃腺が腫れている」と言われた人でも耳鼻科医の目で見ると化膿性炎症ではないことがあります。化膿性扁桃炎は細菌によるもので、ウイルスによる風邪とは別物です。もちろん風邪で抵抗力が弱っているときに細菌の感染を起こし、扁桃炎に発展することも多いです。

このような人は年に何度も学校や会社を休みがちになりますので完治のためには手術が必要になるのです。もし心当たりがあれば耳鼻科のある入院手術が可能な病院を受診してください。

◇ 魚の骨を引っかけたとき・・・

自然に取れることもありますが、ほとんどが耳鼻科医の手によらないと取れません。

よく団子状のもので強引に飲み下そうとする方がいますが逆効果です。むしろ骨が刺さった反対側で静かにすこしずつ残った食事を食べてみるほうが自然に取れることがあります。強引な方法は深く刺さってゆくだけでダメなのです。

小さな子供さんで治療をいやがって暴れたり口を開こうとしない場合は全身麻酔の必要なこともありますので入院設備のある総合病院を受診したほうがいいと思います。

◇ 口臭について

イラスト強い口臭の原因になる病気も確かにありますが、鼻やのどに病気がなくても口臭は誰にでも起こります。口臭の原因は口の中の雑菌の排泄物です。この雑菌は時間と共に増えてゆき、同時に口臭も強くなります。口の中をどんなにきれいにしても雑菌がゼロになることはありませんので、口臭を防ぐためには一定時間ごとに口の中を洗浄してやる必要があります。

最も強い清浄作用があるのは唾液ですから食事をとるのが一番ですが、食間にもガムやキャンディ、軽いおやつなどを摂る事で防げます。その他、緑茶にもある程度口臭を抑える効果がありますし、手軽にうがいをするだけでも短時間ながら効果があります。

口の中の雑菌は舌の表面や頬粘膜、歯茎などで増えていきますので、歯磨きの際には口の中全体を軽くブラッシングしてください。ただし粘膜は弱いものですから決して強くゴシゴシとやってはいけません。食後は歯間ブラシで歯の間に詰まった食べ物カスも掃除しておくといいです。

◇ 扁桃腺肥大は病気なんですか?

いわゆる「へんとうせん」は見た目の大きさにはかなりの個人差があります。単純に大きいからといって「悪い扁桃」、「病気の扁桃」だとは限りません。大きいことと腫れていることは違います。目の大きなクリッとした人は別に目が腫れているわけではないでしょう(^o^)。近年はこの病名がつけられることも少なくなってきています。

但し、あまりに極端な場合や習慣性扁桃炎(年に何回も化膿性の炎症を繰り返す)の場合には手術が必要なこともありますから思い当たる方は耳鼻科で相談なさってみてください。

◇ 扁桃腺はとってしまっても大丈夫なの?

「扁桃腺を(手術して)とってしまうと良くないと聞きましたが・・・」、これは迷信です。手術をして口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)をとってまずいことは何一つ起こりません、ご心配なく。

余談ですが、のどの奥にはいくつもの扁桃組織があっていわゆる口蓋扁桃はそのうちのひとつに過ぎないのです。

但し、扁桃摘出術は外来で手軽にヒョイとできるものではありません。一般には入院の上、全身麻酔が必要になります。

◇ 大いなるいびきの悩み・・・

イラストこれはなかなか難しい問題です。いろいろな治療法が行われていますがいずれも「完全」なものではありません。いびきは鼻が悪い場合だけではなく、のどの形の個人差によるものが大きいからです。また肥満もいびきの大きな原因になります。特に小児の場合は肥満とアデノイド肥大が主な原因です。

最近はいびきのレーザー治療も行われることがありますが、その効果は半年〜1年程度です。

ひとつの簡単な対策としては枕の高さを調節したり、角度を付けて頭が横向きになるように寝ることを試してください。仰向けにまっすぐ上を向いたときが最もいびきをかきやすくなります。「肥りすぎかな?」と思う方はダイエットと適度な運動を考えてください。脂肪はのどの内側につきますから空気の通り道が狭くなるのです。また晩酌や寝る前の飲酒を控えてみてください。

◇ 子供が睡眠中に呼吸が止まるとき(睡眠時無呼吸)があって心配です

睡眠時無呼吸症候群は以下のように定義されています。

◆ 一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこる。
◆ または、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上おこる。

このように病的なものはかなり極端な場合です。こういう人は極度の睡眠障害のために昼間でもウトウトしています。これよりずっと軽度であればまず心配ないと考えて差し支えないでしょう。

近年、いろいろなメディアで「脅し」とも思えるような病気に関する報道が当たり前のようにされていますのでパニックにならないようご注意ください。特に子供さんの場合には7,8歳まではアデノイドが大きいために大人顔負けのいびきをかく子が少なくありません。

ただどうしても心配がぬぐえない時は遠慮なくもよりの耳鼻科を受診してください。病気を見つけるだけでなく、健康であることを確認するのも医者の仕事ですから。もし必要と判断すれば精密検査をお奨めいたします。