日頃よく患者さんに聞かれる質問と私の答えをなるべく簡潔に短くまとめてみました。各項目をクリックしてください。ただし、私の個人的見解であることをご了解ください。偏見も混じっていると思います。(*^_^*)
そうとは限りません。耳下腺はご存じのように唾液の作られるところで耳たぶの下半分を取り巻くようにあり、上顎の第一大臼歯付近の頬粘膜に唾液の出口があります。ここに起きる感染症(耳下腺炎)はおたふく風邪のウイルスによるものだけではなく、細菌によるものもあります。
特に子供さんでは細菌による耳下腺炎を繰り返すことがあり、ほとんどは片側だけが腫れて痛みます。たいていはお薬だけで治すことができます。おたふく風邪は一側だけということはありません。
結石や腫瘍によって唾液管がふさがっても唾液が鬱滞して腫れ、そこに感染を起こせば耳下腺炎の状態になります。
テレビや新聞の不安をあおるような報道、極端な偏見を持った一部の人の発言でステロイドは「危険なくすり」というイメージを持たれているようですが、ステロイドは現代の医療では広く使われているきわめてポピュラーな薬です。
もともと「副作用ゼロ」などという薬は存在しませんし、漢方なら安心と言われているのも迷信です。ステロイド剤はどんな使い方をすればどういう副作用が出るかがすでに良く調べられていますし、安全な使い方も分かっています。むしろ「まだ何が起こるか分かっていない、十分な調査が行われていない薬」のほうが危険度は高いと思います。ですから医師の処方どおりに使用している限り危険な薬ではないと理解してください。
現代の医療では各科で多くの場合にステロイド剤が使われています。その効果は他の薬では補えないものがありますし、「安全な使い方」が分かっているから使えるのです。「ステロイド剤は危険!」という偏見は持たないでください(^_^;)。ステロイドを使うのが良くないのではなく、正しく使うことが大切なのです。
抗生物質(抗菌剤も含む)は決して風邪薬ではありません。抗生物質は風邪の原因であるウイルスには効きませんので無意味です。
細菌とウイルスは全く別物であることを知っておくべきです。細菌は単細胞の病原体で肺炎球菌や大腸菌などがあります。一方風邪の原因であるウイルスは細菌よりもはるかに小さい一種のタンパク質です。
抗生物質は細菌に対してその細胞膜を破壊することによって殺菌作用を発揮します。細胞膜を持たないウイルスには抗生物質は効果がないのです。
風邪に対しては基本的には安静にして回復を待つしかありません。高熱が出れば解熱剤、咳がひどければ咳止めなど症状に応じた薬を使いますがあくまで補助的なものです。風邪に対して抗生物資を服用しても意味がないことは必ず理解しておいてください。一般的には市販の解熱剤だけでも十分なはずです。
ウイルスに対する抵抗力をつけるためにはなるべく十分な栄養を取ってください。初期に大事を取ることで重症化することはたいてい防げます。
最も重要なことは予防です。うがいもよいことですし、汗をかいたら早く着替えましょう。寒気を感じたときなどに我慢をしないことも大切です。こたつでうたた寝なんてのはダメですよ。普段からある程度の運動を心がけて代謝を高めておくのも良いことです。
ちなみに近年問題になっている耐性菌(抗生物質の効かない細菌)の増加はひとえに抗生物質の乱用によるものです(日本における抗生物質や抗菌剤の乱用は目に余るものがあります。)。本当に必要なときに確実な効果を得るために、単なる風邪の場合は抗生物質は服用しないようにしましょう。弊害が多く良いことはありません。
一方、扁桃炎や中耳炎など細菌による感染では抗生物質を使いますが、ちょっと良くなったからといって「飲んだり、飲まなかったり、途中でやめたり・・・」のいいかげんな使い方は最悪です。必要な期間だけしっかり服用し、不要になったらぴたりと止めることが大切です。医師の指示をしっかり守ってください。
前庭や三半規管という言葉を聞いたことがあると思います。これらは頭がどの方向に動いているのかを関知するセンサーの役割をするものですが、これらが左右の内耳に含まれています。ですからこの部分が障害を受けるとじっとしていても頭が動いていると判断され、目が回るわけです。頭を動かしたときにも必要以上の刺激が脳に伝わるためにめまい症状は増強します。
内耳には音を聞く部分(蝸牛)の他にこの前庭と三半規管が存在するので耳の障害でめまいが起きるわけです。内耳というのは中耳のさらに奥で側頭骨の中に小さくて複雑なトンネルとして存在しますので目で観察できる場所ではありません。めまいの80%は内耳の障害によるものですがその原因は多彩です。場合によっては専門家による詳しい検査が必要になります。
めまいといえばメニエール病があまりにも有名ですが、めまいで耳鼻科を訪れる人の90%は別の病気です。もともとメニエール病自体非常にまれな病気なのです。外来で診ていると他科で「メニエール病」といわれてきた人の多くがそうではありません。
「メニエール症候群」というあいまいな言葉もありますがこれははっきりとした病名が付けられない場合に使われる都合の良い病名であってメニエール病とは別物です。「詳しくは分からないが内耳性のめまい」という意味だと思ってください。内耳性めまいの半数は専門家が診ても正確な病名を付けるのは難しいです。
めまいについて私たちがもっと重視しているのは病名よりもむしろ「耳(内耳)から来ているものか、あるいは脳(中枢神経)に障害があるのか」を判別することです。めまいの80%は耳(内耳)の障害から起こります。
また「高血圧かも?」と考える方が少なからずいますが血圧が高くてめまいが起こることはありません。めまいを起こすのは圧倒的に低血圧の方です。時々、不整脈などの心臓疾患によるめまいの方を診ることもあります。この場合は耳鼻科医の手には負えませんから循環器の得意な内科の先生に紹介することになります。
まず第一に空腹のまま乗り物に乗らないことです。第二に走行中(なるべく正面の)遠くの景色をぼんやりでなくしっかりと見ていること。第三にカーブを曲がるときには曲がる方向に上体を傾けます。
1.は消化器の自律神経系を安定させるため
2.は眼から来る左右方向への強い刺激を脳に与えないようにする(目の前の景色が流れ続けるのが良くない)ため
3.は両方の内耳(平衡感覚器)が遠心力を受けたとき左右均等に刺激を受けるようにするためです。
目からの刺激を和らげるためにサングラスを着用するのも良いらしいです。(「伊東家の食卓」より)。
それでもダメな方は酔い止めを飲んでからお出かけください(^_^;)。
「頭位性めまい」の可能性が高いです。めまいの中で最も多く見られるものです。頭を動かしたときに激しい回転性めまいが起こりますが短時間でおさまります。どの方向に頭を向けたときにもっともめまいが強いかがポイントです。
内耳(三半規管)の中に耳石という一種のゴミが浮遊しているためと言われています。中には難治性のものもありますが、多くは数回の通院(理学療法)で改善しますのでもよりの耳鼻科で相談してください。
