〔観劇日〕 2001/6/29(金) 〔作・演出〕 樫田 正剛 〔出演〕 近江谷太朗/西ノ園達大/岡森 諦/川渕良和/平賀雅臣/鈴木謙介/積 圭祐/永森英二/平尾良樹/幸野友之/長野和也/ 日替わりゲスト・山本由湖・小林美江・中村房代・武藤陶子
【あらすじ】
時間が経つうちにつれ、古瀬中尉も魚雷艇に乗り込むのだと聞いた寺内中尉は、自分が魚雷艇にのって最初の一発 打ちたい。ということにこだわり続け、自分と代われと言う。だが、横川一等兵の言葉で分ってしまうのだった。「寺内中尉は長男だから駄目です。」 という言葉の裏に隠されていた意味を。横川は三男、古瀬は次男で家の跡取りではないことだ。その裏の意味とは、命を魚雷と一緒にアメリカの船体に ぶつけるということだったのだ。
【感 想】
うまい役者揃いで、感想書くのも大変なんだなぁ。
西ノ園さんは、声も良いし顔の表情も豊かできりっとした二枚目半の素敵な役者さんです。苦しさを隠して魚雷の計画を悟られないように明るく振る舞う
役柄が良く出ていた。
軍医役の川渕さんは、いつも通りヒョウヒョウとした良い味を出して楽しませてくれた。方南ぐみには、なくてはならない人なのでしょうね。
北少尉役の積さんは「いやなやっちゃなぁ。」と思わせる役になりきっていたし、その中にも純な気持も持ち合わせている面も嫌味なくだしていて面白かった。
あの頃の若者は、こんなにも純粋でまっすぐな心をもっていたんだ。と思わせてくれた横川一等兵役の永森さんに拍手したい。横川は言う「海軍に入って、
初めてYシャツを着れました。初めて靴下もはけました。初めて靴も履けました。給料で田舎の家族を養うことができました。だから海軍にはお返しをしたいのです。」
と言ったとき涙が溢れてきました。苦しさをこらえている表情、わかってください。という表情。死ぬことは自分の海軍への感謝の気持ちだと訴える表情。
それが永森さんの爽やかさと一致して、さらに感動を与えてくれた。
宇津木整備兵曹長役の平賀さんの最後の泣きながらの台詞には、泣かされました。男が我を忘れて泣いて「死ぬなよ〜。帰って来いよ〜」と訴える様は、
「これは芝居だ」と言うことを忘れさせる魂があったように感じた。感謝の気持ち、生きることへの一生懸命さ、お互いに感じる愛が客席全体を包んだのではないでしょうか?
こんな素敵な舞台を見せてくれる方南ぐみに拍手。そして、年末ライブも絶対見に行くぞ〜。 |