エリザベート


〔観 劇 日〕 2001/4/3(火)
〔脚本・歌詞〕ミヒャエル・クンツェ
〔演出・訳詞〕小池修一郎
〔出 演〕    一路真輝/内野聖陽・山口祐一郎(Wキャスト)/鈴木綜馬/高島政宏/阿知波悟美/井上芳雄/初風 諄/寺泉 憲 その他

【あらすじ】
1898/9/10、オーストリアの皇后・エリザベートが暗殺された。暗殺者は、ルイジ・ルキーニと言ってイタリア人の無政府主義者。独房で首を吊り自らの命を絶った。 彼が死んだ後も「何故エリザベートを暗殺したのか?」と問い続けられている。闇の世界からルキーニがエリザベートの物語を語っていく。

エリザベートの父親は、堅苦しいことが嫌いで自由奔放な人。エリザベートは父親のようになりたいと思っていた。ある日ブランコから落ちて死の縁をさ迷う。死を司る 「死の帝王」トートは、そのときエリザベートの魂に触れ彼女を愛してしまい、黄泉の国へ連れて行くことをやめた。
エリザベートはオーストリア皇帝フランツに見初められ結婚するが、婚礼の日トートが現れ「いつかお前を奪いにくる」と告げる。結婚後は、姑ゾフィーによる皇后教育がはじまり 窮屈な生活が待っていた。子供が生まれてもすぐに引き離され自分で育てることは出来なかった。

1867/6/8、フランツとエリザベートは、ハンガリーの王になった。この頃からエリザベートの発言力が強くなってきたため、姑のゾフィーと腹心たちが良からぬ計画をたてる。 病気持ちの娼婦をフランツにあてがったのだった。当然、エリザベートにも病気が移り体調をくずす。病気のことは、トートから教えられた。エリザベートは、裏切られた気持ちを どうにもならず、放浪の旅に出たのだった。息子のルドルフは、母親がこうなったのは父親の責任だと反発し、父親の敵になるような行動をとる。ルドルフは、母と会うことが出来たが 母からは愛のある言葉さえももらえず、孤独だった。ルドルフは自殺した。トートが黄泉の国へつれていったのだった。

エリザベートはジュネーブのレマン湖で暗殺された。エリザベートはやっと黄泉の国へトートと一緒にいくことになった。黄泉の国で自由になれるのだろう。

【感 想】トート・内野聖陽(2001/4/3(火))
さあ、待ちに待っていた再演。内野トートに会うために帝国劇場へやってきた。すごい人気なのね。女性客ばかりで 一階のトイレは長い行列。こういう時は、さっさと二階のトイレに行くのだ。意外と空いてるのでねらい目よ。

高嶋政宏のルキーニのシーンからのはじまり、登場人物全員での「エリザベート」の大合唱。ルドルフ君を探した。 ん〜、相変わらず可愛く凛々しい姿です。トート様も頭蓋骨を手に登場。今回は、歌の仕上がりはどうなんでしょうか? それだけが、心配で・・・(笑) 音程を外さなければ合格としておこうかな? なんて低レベルなの?

内野さんは、間に何本か舞台公演があり、歌の練習は出来ていたのか? 内野トートの歌は、全体的に声を張り気味だったなぁ。 どちらかというと、自身のない前回のほうが丁寧に唄っていたように思う。今回は、内野さんなりに変えているのかしら。 演技は、抜群の引着付ける魅力があり、満足でした。

寺泉さんの歌も、もうすこしでしたね。難しい音階がつづいている曲ばかりで、低音部分が唄いにくそうでした。

ルドルフ君は、やはり聞かせてくれました。伸びのある良い声でうっとりしてしまいます。そして、一番好きなシーンの トートとルドルフの「闇が広がる」がやはり良いなぁ。今回は5列目で、丁度トートとルドルフが唄う位置に近いところで 大満足でした。あとは、内野トートのラス前を楽しみにしていましょう。のどが心配ですね。帝劇の後は、地方公演が 待っているのですから。 (2001/04/19,記)

【感 想】トート・内野聖陽(2001/4/26(木))
今日は、2階席だけれど、オペラグラスで内野さんはしっかりキャッチしました。
27日が東京公演での内野トート千秋楽。ラス前の内野さんの喉の調子はどうだろうか? うん、ぜ〜んぜん問題ない(?)と思う(笑) 4月初旬に見にいったときより、ず〜っと良くなっていましたね。
目の使い方、口元の動かし方、首の傾げ方、それぞれが「恋焦がれる気持ち」「口惜しさ」や「胸の中の苦しみ」を見事に表現しています。

ルドルフとの「闇が広がる」のときも、トートが黄泉の国へ連れて行くためにルドルフを操っているという表現の振り付けの部分 は、こちらに迫ってくるものがありました。エリザベートを得んがために大事な家族までも黄泉の国へ連れ去るのか? これでもか・・・。というように。

オペグラスで見ていたから、気が付いたのかもしれないけれど、内野さんのメイクが去年とは少し違っていた。去年は、目の部分の上にシャドーを 多く入れていたのに、今回は、目の下にも白とブルーのシャドーが入っていました。それとも2幕目以降に足したのでしょうか? あいかわらず、満足させて くれる演技でした。

一路真輝さんは、風邪を引いてしまったのか風邪声になっていた。そのためか、前半は、押さえ気味に歌っていたようだ。後半は、問題なく声も伸びて いたけれど、透き通る声ではなかったかな? 歌い通しだから可哀想。

フランツ役の鈴木綜馬さんの歌い方がいまひとつ好きになれなくて、この公演に限っては影は薄いし、皇帝で尚且つエリザベートの旦那様なわけだからもう少しなんとか ならなかったのかなぁ?と思ったのだけれど、最後の悪夢を見るシーンの中での歌や表情が良かったかなぁ。

ゾフィー役の初風 諄さんは、お疲れ気味でしょうか? 前回より元気ないように感じましたが・・・。 いつも眉間に皺をよせているメイクで憎まれ役のお姑さんになるわけだけれど、いい味出しています。宝塚出身の力を発揮していますね。

エリザベートの父親役の寺泉 憲は、今月の初旬に見たときより低音部が出るようになっていました。ただ、エリザベートと一緒に歌うときの旋律は、よほど 耳の良い人または、音楽の仕事をしている人でないと、音がとりにくくて可哀想。聞いているこちらも聞くたびに「大丈夫かなぁ。」とおもってしまうもの。

青年のルドルフ役の井上芳雄くんは、立ち姿も綺麗だし、トートとの歌も迫力があって良かったです。内野さんとの声の混ざり具合もちょうど良かったように おもいました。

子役の子は、いまひとつでしたね。声が出てないから、「さびしいときでも、もっと元気出していいのよ」と、言ってあげたくなりました。

ストーリー展開的には、二幕からのほうが盛り上がっていくので、休憩をはさんでからが「あっ」と言う間に終わってしまう感じです。 あくまでも、人間的な心を持ってしまった内野トートが大好きです。8月の大阪公演は大変でしょうが頑張ってくださいね。もう、夏は汗かきの内野さんが心配(笑) (2001/04/27,記)


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